JP3138684U - 回転埋設杭 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転埋設作業が容易で地盤支持力が大きい回転埋設杭を提供する。
【解決手段】回転埋設杭は、杭本体の埋設先端部に固着されて、杭本体に対して径方向外側に延び、杭本体の回転方向に見て前縁および後縁を持ち、前縁および後縁間に画定された開口を有する拡底板と、拡底板の前縁から下方に突出して杭本体回転時に拡底板の下面の土砂を切削して開口を通して拡底板の上面に移動させる下刃と、拡底板の後縁から上方に突出して開口を杭本体の軸方向に見てほぼ閉塞する上刃とを備えており、拡底板が杭本体の中心軸に対して3度から20度の所定の傾斜角度をもって、螺旋ねじ状にねじれあるいは傾斜して、杭本体の外周円筒面に螺旋状に取り付けられている。先端部の軸方向先端面には、互いに径方向に離間した少なくとも2つの掘削刃が、直接あるいは円錐形の取付台を介して設けられている。
【選択図】図1

Description

本考案は建築あるいは土木構造物の基礎となる地盤部分の支持力を高めるために使用される回転埋設杭に関し、特に地盤部分内に埋め込まれる先端部分に杭本体よりも外径の大きな拡底板を備えた回転埋設杭に関するものである。
先端に掘削刃を有し、軸回転により掘削貫入される従来の回転埋設杭として、回転埋設杭の下端の外周にフランジ状の拡底板を形成し、該拡底板の一カ所以上に扇形の逃がし開口を形成し、該逃がし開口の正回転方向側の縁部には所定の傾斜角で逆回転側上方へ延びる上刃を取り付けると共に、該逃がし開口の逆回転方向側の縁部には所定の傾斜角で正回転側下方へ延びる下刃を取付てなる回転埋設杭が知られている。この開口の縁部は所定の角度だけ逆回転方向に回転されていて後退角を持つように傾斜している(例えば特許文献1参照)。
特開2003−27475(図2)
特許文献1記載のような従来の回転埋設杭に於いては、上刃および下刃を持ち、開口の縁部が所定の角度だけ逆回転方向に回転されていて傾斜しているので、上刃及び下刃により掘削された土砂が逃がし開口を通して拡底板の下から上に逃がされるとともに、回転埋設杭の外周側方へ積極的かつ強制的に排出されて圧密されるために、小さな軸回転エネルギーでN値の高い地盤にも効率的に貫入させることができるという点で優れたものである。
しかしながら、回転埋設杭の先端に取り付けられているフランジ状の拡底板は回転埋設杭の中心軸に対して垂直な平面内に在るため、回転埋設杭を回転させながら地中に貫入させる際に拡底板が大きな抵抗を受けて貫入作業が困難である。また掘削された土砂を拡底板に設けた開口から上方に滑らかに逃がすためには開口を通る通路の断面積を十分に大きくする必要があるが、拡底板の周方向長さを小さくして開口を大きくし無い限り、この開口通路断面積が必ずしも充分に確保できないことがある。
従ってこの考案の目的は、十分な地盤支持力を確保しながら、埋設作業が容易な回転埋設杭を提供することである。
この考案の回転埋設杭は、埋設先端に先端部を有する杭本体と、上記杭本体の上記先端部に固着されて上記杭本体に対して径方向外側に延び、上記杭本体の回転方向に見て前縁および後縁を持ち、上記前縁および上記後縁間に画定された開口を有する拡底板と、上記拡底板の上記前縁に設けられて、上記杭本体の回転時に共に回転して、上記拡底板の下面の土砂を切削して上記開口を通して上記拡底板の上面に移動させる下刃と、上記拡底板の上記後縁から上方後方に突出して、上記開口を上記杭本体の軸方向に見て実質的に閉塞する上刃とを備え、上記拡底板が上記杭本体の中心軸に直角な平面に対して所定の傾斜角度(α)をもって上記杭本体の外周円筒面に螺旋状に取り付けられていて、該外周円筒面から径方向外側に張り出している回転埋設杭に於いて、上記拡底板の上記所定の傾斜角度(α)が3度〜20度であり、上記下刃の上面の傾斜角度(β)が上記杭本体の中心軸に直角な平面に対して15度から60度であり、上記上刃の上面の傾斜角度(γ)が上記杭本体の中心軸に直角な平面に対して15度から50度であり、上記先端部の軸方向先端面にそれぞれ互いに上記杭本体の中心軸に対して対称に離間した対をなす第1および第2の掘削刃を備え、上記拡底板、上記下刃、上記上刃および上記掘削刃のうち少なくとも一つが、鋳造により上記先端部に対して一体に製造されたものであり、上記第1の切削刃は、それぞれが傾斜した刃部分を持つ台形の板状部材であって、上記刃部分の最も高い部分である先端が径方向内側に配置され、上記刃部分の位置は、上記下刃の前縁を通る径方向の直線に対して回転方向後方に所定角度(θ1)だけ回転していて、中心軸に対して回転方向前方にずれており、上記第2の掘削刃は、それぞれが上記軸方向先端面の周縁部に配置され、一辺に刃部分を持つほぼ矩形の板状部材であって、上記第2の掘削刃の刃部分の位置は、上記下刃の前縁を通る径方向の直線に対して回転方向前方に所定角度(θ2)だけ回転していて、中心軸に対して回転方向前方にずれていることを特徴とする回転埋設杭である。
実施の形態1.
図1は本考案の回転埋設杭の先端部を示す概略正面図、図2は図1の回転埋設杭の先端部の概略側面図、図3は図1の回転埋設杭の底面図、図4は回転埋設杭の拡底板と上刃と下刃とを示す平面図、図5は先端部に取り付けた掘削刃を示す拡底板等を省略した斜視図である。これらの図において、本考案の回転埋設杭は、長い杭本体1を備えており、杭本体1は杭となる長い鋼管製の杭2と、杭2の地盤中に貫入させて埋設すべき埋設先端に設けられて、杭本体1の先端を構成する先端部3とを持っている。この先端部3には、全体として螺旋ねじ状に先端部3の外周面に巻き付けたように溶接等により固着されたフランジ状の拡底板4が設けられている。杭本体1の先端部3は下端が先端面5を持つ底壁6により閉ざされた周壁7を持つカップ形の中空円筒形部材であり、杭2に同心に嵌合して溶接8によって固着されて一体の杭本体1を構成している。このように、先端部3は、鋼管製の杭2とは別個のほぼ円筒形の部材である。
この実施の形態に於いては、杭2が鋼管製であって別部品の先端部3に溶接によって結合されているが、杭2をコンクリート製の杭とすることもできるし、杭2と先端部3との間の結合のために凹凸係合部、ピン、ねじ、キー等の他の適当な機械的結合手段を用いることもできる。また、先端部3を別部品とせずに杭2を鋼管製としてその一体に連続した先端部分を杭本体1の先端部3としてそこに拡底板等を取り付けることもできる。
拡底板4は、図3および図4にその平面形が示されているように、間に開口9が画定されるようにかつ杭本体1に対してほぼ同心になるように組み合わされて、杭本体1(先端部3)の径方向反対側に取り付けられたほぼC字型の2枚の鋼板である。各拡底板4は平板であるが、一方の拡底板4は、杭本体1の軸方向即ち中心軸1aに直角な平面に対して(杭本体1の直径方向に対して)一方向に所定の傾斜角度α(図2)をもって外周円筒面に取り付けられていて、他方の拡底板4は、杭本体1の軸方向即ち中心軸1aに直角な平面に対して(杭本体1の直径方向に対して)反対方向に所定の傾斜角度αをもって外周円筒面に取り付けられていて、2枚が組み合わされて全体としてほぼ螺旋状となって周方向に延び、また外周円筒面から径方向外側に張り出している。このように、拡底板4は、杭本体1の中心軸1aに対して直角な平面に対して所定傾斜角度だけ傾斜した平面内に在る平板部材である。実験の結果、拡底板4の上述の所定の傾斜角度αは3度から20度の範囲で良い結果が得られたが、特に良い結果が得られたのは5度から7度であった。この傾斜角度αは、3度よりも小さいと回転埋設杭を回転貫入する際の貫入速度が遅くなって作業時間が掛かり過ぎ、20度よりも大きいと地盤支持力が足りなくなるという致命的な不都合が発生する。傾斜角度αを5度〜7度としたときに作業時間の短縮と地盤支持力の確保との両立が特に効率よく達成できた。
拡底板4の開口9の形状、即ち開口9を画定する前縁10および後縁11の形状は多様に変形でき、例えば、前縁10および後縁11の後退角(杭本体1の中心軸1aを通る直径方向の直線に対する杭本体1の回転方向後方への傾斜角度)は全く無くても良いし、いずれか一方にだけあっても良く、また角度の大きさも0°から40°の範囲で選択でき、両後退角が同じでも互いに異なっていても良い。前縁10および後縁11は全長に亘ってあるいは部分的に直線でも曲線でもよい。このような前縁10および後縁11の後退角は、後に説明する上刃および下刃と協働して、切削された土砂を杭本体の径方向外方へ排出する作用をするのである。
回転埋設杭はまた、拡底板4の前縁10に設けられた下刃15を備えている。この例では、下刃15は拡底板4の前縁10に溶接によって固着されて、前縁10から杭本体1の回転方向(前方)にかつ下方(回転埋設杭の土砂中への貫入方向)に斜めに延びた板部材15aの上面である。下刃15の上面は、板部材15aを斜めに切削して形成されており、杭本体1の中心軸1aに直角な平面に対して所定角度β(図1)をもって傾斜していて、杭本体1の回転時に共に回転して、拡底板3の下面の土砂を切削して開口9を通して拡底板4の上面側に移動させる。また、拡底板4の後縁11には上刃16が設けられている。上刃16は杭本体1の回転方向と反対方向(後方)かつ上方(回転埋設杭の土砂中への貫入方向と反対方向)に、杭本体の中心軸1aに直角な平面に対して所定角度γ(図1)をもって突出している。これらの下刃15および上刃16は、図3に示されているように、一部が軸方向に見て互いに重なり合っていて、開口9は杭本体1の回転方向には開放されているが、軸方向には閉塞されている。これらの下刃15および上刃16はそれぞれ前縁10および後縁11に溶接等の適当な手段により結合されていて、図示の例では後縁11の後退角にほぼ対応した後退角を持っていて、先に説明した切削土砂の径方向外側への排除効果を奏する。上刃16の径方向内側部分も杭本体1の先端部3の外周円筒面に溶接されている。なお、所定角度βおよびγは便宜上図1に示してあるが、図1に於いては拡底板4が所定傾斜角度αだけ傾いた状態で示されているので、図示の角度は厳密な角度ではなく、正確には図示の角度βおよびγから傾斜角度αに対応した角度だけ変化した角度となる。
これらの下刃15および上刃16の全体的な形状や角度等の構造は公知の様々なもののなかから適切なものを適宜選択すればよいが、下刃15の所定角度βは杭本体1の中心軸1aに直角な平面に対して15度から60度の範囲にし、上刃16の所定角度γは杭本体の中心軸1aに直角な平面に対して15度から50度の範囲にしてある。下刃15の角度βが15度よりも小さいと実用上問題となるほど掘削効率が悪くなり、60度よりも大きいと回転抵抗が大きくなり過ぎる。この角度は下刃15を鋼鈑から成形する際に切削すべき斜辺の角度にも関係し、この角度を大きくすると、斜辺の長さである切削距離を短くすることができて、切削作業が容易になる。上刃16の角度γが15度よりも小さいと開口9を通過する土砂の流れを妨げ、50度よりも大きいと回転の妨げとなるとともに地盤支持力が低下してしまう。
図3および図5に特に良く示されているように、杭本体1の先端部3の平坦な先端面5には、杭本体1の中心軸1a近くに配置された第1の掘削刃17と、先端面5の外周部に配置された第2の掘削刃18とが、溶接等の適当な手段によって固着されている。第1の掘削刃17は杭本体1の中心軸1aに対して2つ対称に配置されており、互いに離間していて間に所定の大きさの間隙19が形成されている。
第1の掘削刃17の各々は、図5に良く示されているような、30°から60°の範囲(望ましくはほぼ45°)の角度の先端を持つほぼ台形の斜辺を削って30°から60°の範囲の刃角度を持つ斜めの刃部分21を形成したほぼ台形の板状部材であって、刃部分21の最も高い部分である先端が径方向内側になるように配置されている。図示の例では、2つの第1の掘削刃17の刃部分21の位置は、図3の底面図に於いて下刃15の前縁を通る径方向の直線22に対して回転方向後方に所定角度θ1だけ回転していて、杭本体1の中心軸1aに対して回転方向前方にずれている。この所定角度θ1は例えば55度とすると良い結果が得られる。
第2の掘削刃18は杭本体1先端面5の周縁部に、杭本体1の中心軸1aに対して対称に互いに離間して2つ配置されていて、第1の掘削刃17の外側の部分の土砂を掘削するようにしてある。第2の掘削刃18の各々は、図5に良く示されているような、ほぼ矩形の一辺を削って30°から60°の刃角度を持つ刃部分23を形成したほぼ矩形の板状部材である。図示の例では、第2の掘削刃17の刃部分23の位置は、図3に於いて下刃15の前縁を通る径方向の直線22に対して回転方向前方に所定角度θ2だけ回転していて、しかも杭本体1の中心軸1aに対して回転方向前方にずれている。この所定角度θ2は例えば25度とすると良い結果が得られる。
このような掘削刃17および18の配置は、後に説明する図8に示す配置と全く同じ位置関係であるが、図8に関連した説明では別の表現を用いて説明されている。
掘削刃17および18と拡底板4との間の位置関係には特別な制限はないが、図3に示すように外側の第2の掘削刃18が開口9の直前にあると、先端部3の先端面5から掘削刃18によって径方向外側に掻き出された土砂が直ちに開口9を通って拡底板4の上方に移動するので、回転埋設作業時の抵抗が少なくなり、作業効率を高めることができる。
このように掘削刃17の先端部が回転埋設杭の先端となり、しかもこれら先端が中心軸1aを間にして互いに径方向に離間していて回転埋設杭の回転中心からずれているので、回転埋設杭の埋設作業中に先端が岩石に当たった場合には、岩石を単に押すだけでなく押しつつ横方向に払う力を加えることができ、岩石を回転埋設杭先端から容易に排除することができる。
実施の形態2.
図6乃至図8は本考案の回転埋設杭の第2の実施の形態を示し、図6は回転埋設杭の概略正面図、図7は図6の先端部の概略側面図、図8は図6の回転埋設杭の底面図である。この回転埋設杭は、図1乃至図5に示す回転埋設杭と比較して、先端部3の周壁7に設けられた拡底板25の形状が螺旋ねじ状であることと、先端部3の軸方向先端である下端に円錐台形の取付台26が設けられていることとが相違しており、その他の構成は同様である。
図6および図7によく示されているように、拡底板25は螺旋ねじ状に曲げられており、円筒形の先端部3の外周壁7に巻き付けられるように取り付けられた拡底板25の径方向断面は、周方向のどの位置に於いても中心軸1aに直角となるようにされていて、拡底板25の外周縁の中心軸1aに直角な平面に対する傾斜角度αは内周縁の傾斜角度よりも小さくなっている。この場合にも拡底板25の外周縁に於ける傾斜角度αは3度から20度の範囲で良い結果が得られ、特に良い結果が得られたのは5度〜7度であった。拡底板25の平面形は図4に示すものとほぼ同じであって、前縁10および後縁11に取り付けられた下刃15および上刃16も、またそれらの所定角度βおよびγも図4のものとほぼ同様である。しかしながら、拡底板25の前縁10に取り付けられた下刃15および後縁11に取り付けられた上刃16は、前縁10および後縁11が共に中心軸1aに対して直角な平面内にあるので、いずれもそれらの刃部分がほぼ中心軸1aに直角な平面内に在ることになり、所定角度βおよびγは図6に於いては正しく表されている。
先端部3の底壁6の下端面5上には取付台26が設けられている。取付台26は、図示の例では比較的高さの低い円錐台形とされていて、その底面(大径側)の周縁が先端部3の周壁7の外面に一致し、外側(図6および図7で下方)に突出し、頂部が平らに切断(裁頭)されていて台形をなし、溶接等の適当な固着手段によって取り付けられている。このような円錐台形の取付台26は先端部3の底壁5と一体にしても、底壁6の代わりに取付台26を設けてもよい。また、頂部を切断してない円錐形のものでもよいし、周縁部を切り取られて先端部3の外周にまで届かぬものでもよい。
このような取付台26上には、回転埋設杭の先端部3に設けた掘削刃17および18が溶接等の適当な固着手段によって取り付けられている。しかしながら、図6から図8に示すように、各掘削刃17および18の平面配置も、また各刃部分の高さ位置も、図1から図3に示す配置と同じであるので、掘削刃17および18はそれぞれ取付台26の高さおよび形状に合わせてその高さ分だけ短くして成形してある。
図8に於いて、掘削刃17および18の平面配置は図3に示すものと同じであるが、ここでは別の表現を用いて説明する。杭本体1の中心軸1aを通る任意の径方向直線、即ち図8の場合は下刃5の前縁を通る径方向の直線22から杭の回転方向と反対方向に約45°回転した径方向直線27があり、この径方向直線27上の中心軸1aから空間9を形成する所定距離離れた位置に第1の掘削刃17の刃部分21の内端があり、第1の掘削刃17は後退角θ3を持っている。この後退角θ3はθ1−45°である。また、下刃5の前縁を通る径方向の直線22から杭の回転方向に約45°回転した径方向直線28があり、この径方向直線28上の中心軸1aから所定距離離れた位置に第2の掘削刃18の刃部分23の内端があり、第2の掘削刃18は後退角θ4を持っている。この後退角θ4は45°−θ2である。これらの角度および形状寸法は一例である。
このような取付台26を用いてそこに掘削刃17および18を取り付ければ、掘削刃17および18の突出部長さである取付部からの高さを短くすることができて、掘削刃17および18の取付部に加えられる力を小さくすることができ、相対的に機械的強度を高くすることができる。この意味で取付台26の形は、必ずしも図示の形状に限らず、部分的なものでもよい。また、掘削刃17および18と取付台26とを、あるいはこの組合せに更に底壁6とを組合せて、鋳造により一体に作成することもできる。
実施の形態3.
図9乃至11に示す本考案の回転埋設杭に於いては、杭本体1の先端部3に固着された拡底板31を備えている。拡底板31は、杭本体1に対して径方向外側に延び、杭本体1の回転方向に見て前縁32および後縁33間に画定された開口34を有し、杭本体1の外周円筒面7のほぼ全周を巡って設けられた単一の螺旋ねじ状の板部材である。拡底板31の前縁32には図6および7に示すのと同様の下刃15が設けられており、後縁33には図6および図7に示すのと同様の上刃16が設けられている。
図9および図10に良く示されているように、拡底板31は螺旋ねじ状に曲げられており、円筒形の先端部3の外周壁7に巻き付けられるように取り付けられている。拡底板31の径方向断面は、周方向のどの位置に於いても中心軸1aにほぼ直角となるようにされていて、拡底板31の外周縁の中心軸1aに直角な平面に対する傾斜角度αは内周縁の傾斜角度よりも小さくなっている。この場合にも傾斜角度αは3度から20度の範囲で良い結果が得られ、5度〜7度で特に良い結果が得られた。拡底板31の平面形は、図11に示すように、ほぼC字型であって、杭本体1の先端部3の外周円筒面7のほぼ全周に亘って螺旋状に延びている。拡底板31の前縁32および後縁33に取り付けられた下刃15および上刃16も、またそれらの所定角度βおよびγも図6および7のものと同様である。即ち、下刃15の傾斜角度βは、杭本体1の中心軸1aに直角な平面に対して15度から60度であり、上刃16の傾斜角度γは、杭本体1の中心軸1aに直角な平面に対して15度から50度である。
杭本体1の先端部3の平坦な先端面5には、図1乃至5に示す例と同様に、杭本体1の中心軸1a近くに配置された第1の掘削刃17と、先端面5の外周部に配置された第2の掘削刃18とが、溶接等の適当な手段によって固着されている。第1の掘削刃17は杭本体1の中心軸1aに対して2つ対称に配置されており、互いに離間していて間に所定の大きさの間隙19が形成されている。この実施の形態に於いても、十分な地盤支持力を確保しながら、埋設作業を容易にすることができ、回転埋設杭の製作も容易である。
実施の形態4.
図12および13に示す本考案の回転埋設杭に於いては、杭本体1が杭2と、この杭2に溶接によって固着される先端部35とを備え、この先端部35が鋳鋼製であって、この先端部35に対して、先に説明したものと同様の拡底板36、下刃37、上刃38および掘削刃39のうち少なくとも一つが連続した一体の一部品として鋳造により製造されている。図示の例では、拡底板36、下刃37、上刃38および掘削刃39の全てが先端部35に一体に鋳造されており、また、先端部35の下端には円錐台形部分40も鋳造により一体に設けられている。この回転埋設杭に於いて注目すべきは、先端部35が全て鋳造により成形されていることの他、下刃37が拡底板36の前縁を斜めに切削して形成した上面であって、先に説明した実施の形態に於けるように前縁から前方下方に延びた板部材を介さずに、前縁に直接設けられていることである。その他の構造は、基本的に図9乃至11に示すものと同様である。拡底板36の厚さは、鋳込みを容易にし、また拡底板36の強度を高めるために内周に近づく程厚くすることもできる。また、各部間の角部に応力の集中が起こらないように適度の丸み(アール)を付けることもできる。
図示の例では、拡底板36の外周縁の中心軸1aに直角な平面に対する傾斜角度αは6度であり、拡底板36の前縁に設けた下刃37の上面の傾斜角度βは45度であり、後縁に取り付けられた上刃38の傾斜角度γは40度である。
以上に説明し図示した実施の形態に於いては、拡底板4、25、31あるいは36が2枚あるいは一枚のほぼ環状のものであるが、3枚以上の拡底板4あるいは25を用いることもできる。これらの場合も拡底板4あるいは25の間に形成される開口9は、掘削された土砂の排出用のためと、地盤支持力を確保するために、下刃15あるいは32および上刃16あるいは33によって回転埋設杭の進行方向には開放されながら軸方向には実質的に閉塞されているようにする。
また、掘削刃17は矩形の一辺が斜面となった台形の板部材の斜面を刃部分21としてあるが、直角三角形の斜面を切削して刃部分21を形成し、掘削刃の全体の形を直角三角形としてもよい。また掘削刃18の全体の形を台形あるいは三角形とすることもできる。
また、図示の実施の形態に於いては、傾斜角度を持つ拡底板4あるいは25と、杭本体1の先端面5に設けた掘削刃17および18とを組み合わせて用いているが、これらは単独で用いてそれぞれの優れた効果を発揮させることもできるし、また、以上に説明してきた様々な実施の形態の個々の特徴を様々に組み合わせて用いることもできる。また、拡底板4、25、31あるいは36を杭本体1の先端部3あるいは35だけでなく中間部にも設けて、回転埋設杭の地盤支持力を大きくすることができる。
本考案の第1実施形態の回転埋設杭の先端部を示す概略正面図である。 図1の回転埋設杭の先端部の概略側面図である。 図1の回転埋設杭の底面図である。 図1の回転埋設杭の拡底板、上刃および下刃の形状を示す平面図である。 図1の回転埋設杭の先端部に取り付けた掘削刃を拡底板等を省略して示す斜視図である。 本考案の第2実施形態の回転埋設杭の先端部を示す概略正面図である。 図6の先端部の概略側面図である。 図6の先端部の底面図である。 本考案の第3実施形態の回転埋設杭の先端部を示す概略正面図である。 図9の先端部の概略側面図である。 図9の先端部の底面図である。 本考案の第4実施形態の回転埋設杭の先端部を示す概略正面図である。 図12の先端部の概略斜視図である。
符号の説明
1 杭本体、 1a 中心軸、 3、35 先端部、 4、25、31、36 拡底板、 7 外周円筒面、 9、34 開口、 10 前縁、 11 後縁、 15、37 下刃、 16、38 上刃、 17、18 掘削刃、 26 取付台、 α 傾斜角度、 β 所定角度、 γ 所定角度。

Claims (8)

  1. 埋設先端に先端部を有する杭本体と、
    上記杭本体の上記先端部に固着されて上記杭本体に対して径方向外側に延び、上記杭本体の回転方向に見て前縁および後縁を持ち、上記前縁および上記後縁間に画定された開口を有する拡底板と、
    上記拡底板の上記前縁に設けられて、上記杭本体の回転時に共に回転して、上記拡底板の下面の土砂を切削して上記開口を通して上記拡底板の上面に移動させる下刃と、
    上記拡底板の上記後縁から上方後方に突出して、上記開口を上記杭本体の軸方向に見て実質的に閉塞する上刃とを備え、
    上記拡底板が上記杭本体の中心軸に直角な平面に対して所定の傾斜角度(α)をもって上記杭本体の外周円筒面に螺旋状に取り付けられていて、該外周円筒面から径方向外側に張り出している回転埋設杭に於いて、
    上記拡底板の上記所定の傾斜角度(α)が3度〜20度であり、
    上記下刃の上面の傾斜角度(β)が上記杭本体の中心軸に直角な平面に対して15度から60度であり、
    上記上刃の上面の傾斜角度(γ)が上記杭本体の中心軸に直角な平面に対して15度から50度であり、
    上記先端部の軸方向先端面にそれぞれ互いに上記杭本体の中心軸に対して対称に離間した対をなす第1および第2の掘削刃を備え、
    上記拡底板、上記下刃、上記上刃および上記掘削刃のうち少なくとも一つが、鋳造により上記先端部に対して一体に製造されたものであり、
    上記第1の切削刃は、それぞれが傾斜した刃部分を持つ台形の板状部材であって、上記刃部分の最も高い部分である先端が径方向内側に配置され、上記刃部分の位置は、上記下刃の前縁を通る径方向の直線に対して回転方向後方に所定角度(θ1)だけ回転していて、中心軸に対して回転方向前方にずれており、
    上記第2の掘削刃は、それぞれが上記軸方向先端面の周縁部に配置され、一辺に刃部分を持つほぼ矩形の板状部材であって、上記第2の掘削刃の刃部分の位置は、上記下刃の前縁を通る径方向の直線に対して回転方向前方に所定角度(θ2)だけ回転していて、中心軸に対して回転方向前方にずれていることを特徴とする回転埋設杭。
  2. 上記拡底板が上記杭本体の中心軸に対して傾斜した平面内に在る平板部材であることを特徴とする請求項1に記載の回転埋設杭。
  3. 上記拡底板が螺旋ねじ状にねじれを持っていて、上記拡底板の径方向張り出し方向が上記杭本体の中心軸に対してほぼ直角であることを特徴とする請求項1に記載の回転埋設杭。
  4. 上記拡底板が螺旋ねじ状にねじれを持っていて、上記拡底板の径方向張り出し方向が上記杭本体の中心軸に対してほぼ直角であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の回転埋設杭。
  5. 上記掘削刃の少なくとも一部が、上記軸方向先端面に設けられた取付台上に取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の回転埋設杭。
  6. 上記取付台がほぼ円錐形あるいは円錐台形であることを特徴とする請求項5に記載の回転埋設杭。
  7. 上記先端部に対して、上記拡底板、上記下刃、上記上刃および上記掘削刃のうち少なくとも一つが鋳造により一体に製造されたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の回転埋設杭。
  8. 上記拡底板、上記下刃、上記上刃および上記掘削刃のうち少なくとも一つが上記先端部との間の角部に応力の集中を防ぐアールを持っていることを特徴とする請求項7に記載の回転埋設杭。
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