JP3905294B2 - 回転貫入鋼管杭 - Google Patents

回転貫入鋼管杭 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼管の先端に螺旋状の羽根を取り付けた回転貫入鋼管杭に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼管の先端に螺旋状の羽根を設けた回転貫入鋼管杭に回転力を与え、地盤に貫入させる工法については従来から多数提案されており、その一部はすでに実用化されている。これらの工法を鋼管杭先端形状から分類すると、先端が開放されている開端杭と、先端が閉じている閉端杭の2種類がある。杭先端部に羽根を取り付ける位置の観点からは、鋼管外周に羽根を固定しているものと、鋼管の先端を螺旋状に切り欠いて、その面に螺旋状の羽根を固定しているものとの2種類がある。さらに、これらを組み合わせたものが多数提案され、又は使用されているが、従来タイプとして代表的なものを3種類に大別して図21で説明する(後述)。
【0003】
杭はいうまでもなく、地中の礫・砂・粘性土等からなる固い支持層に貫入して、支持力を確実に発揮しなければならない。また用途に応じて、杭径が100mm程度の小径杭から杭径が1000mmを越える大径杭まで、種々の回転貫入鋼管杭が求められる。この場合小径杭に比べて、大径杭であって高い支持力を必要とする回転貫入鋼管杭を施工するためには、コスト面、施工方法、支持機能、製作面などで、種々の問題が存在する。
図21は、従来の各タイプの回転貫入鋼管杭について、その性能特性を整理して示した概要図である。以下、図面を参照しながら、各タイプについて、その問題点を解明する。
【0004】
(1−1)従来タイプ 1
図21の従来タイプ1の鋼管杭は、概要図に示すように閉端杭であり、羽根が杭本体鋼管の先端ではなく、鋼管外周に固定されている。
従来タイプ1の例として、「特開昭59−85028号公報」に開示されたもの(以下、従来タイプ1の実施例と呼ぶ)がある。図22に示すように、螺旋状の羽根23が杭先端部分の外周面に固定されているこの鋼管杭22は閉端杭であって、鋼管杭本体22の下部に掘削刃24を設けた底板29を固設すると共に、該鋼管の下端部外周に2倍程度の外径を有する約一巻きの螺旋翼23が設けられた構造になっている。
掘削刃については、これを必要としないものも従来から提案されている。
【0005】
(従来タイプ1の問題点)
従来タイプ1では羽根が閉端鋼管の外周に固定されているため、鋼管軸部先端の地盤を掘削できない。従って、鋼管先端部の貫入抵抗が非常に大きく、施工中に貫入が進行せずに、すべり現象を生じることが多く、施工性が良くない。滑り現象とは、杭が深度方向にはほとんど貫入せず、ほぼ同じ位置で空回りをしながら少しずつ貫入している状態、あるいは全く貫入出来ない状態である。滑り現象が発生すると羽根によって周辺の土砂がかき乱されることになり、支持力にも影響を及ぼす。滑り現象を生じながら、更に深い位置まで貫入させた場合には、かき乱した部分の摩擦が減少してしまう。支持層貫入を滑り現象を生じながら行った場合には、羽根の下面の土砂が乱されてしまう、あるいは羽根の下面に隙間を生じ、先端の鉛直支持力が低下してしまう。
貫入抵抗を減らすために鋼管杭22の先端底板部29に縦向きの掘削刃24を設ける場合もあるが、先端土砂の掘削によって貫入抵抗を減らす効果がある反面、この掘削刃24が杭先端の土砂をかき乱すため、閉端杭であっても支持力が損なわれるという悪影響を与えてしまう。
【0006】
(貫入量と回転トルクと施工機械)
一回転当たりの杭の深度方向の貫入量(以下、一回転貫入量と呼ぶ)を羽根の段差部分の高さ(以下、羽根ピッチと呼ぶ)とほぼ一致させるように施工すると、羽根周辺の土砂をあまりかき乱さないので支持力に対する悪影響が小さく、最も望ましい施工状態であると考えられる。しかし、従来タイプ1の形状で、一回転貫入量と羽根ピッチをほぼ一致させるような貫入(以下、理想的貫入と呼ぶ)を実施すると、施工に必要なトルクが概算で本願発明の1.5倍程度にもなってしまう。施工に必要なトルクが大きくなるということは、必要な施工機械も大型になるということであり、施工コストが上昇してしまうばかりでなく、杭が大径になると既存の施工機械では能力が不足してしまい、理想的貫入での施工は不能になってしまう。故意に滑り現象と同じように、羽根ピッチよりも一回転貫入量をかなり小さな状態にすれば、施工時のトルクも小さくなるが、そのような施工では上述のように支持力に悪影響を及ぼす。
【0007】
(1−2)従来タイプ 2
従来タイプ2は従来タイプ1を開端にしたものである。従来タイプ2の例としては、「特開平2−194212号公報」に示されたもの(以下、従来タイプ2の実施例と呼ぶ)がある。
【0008】
(従来タイプ2の問題点)
開端杭としたことによって閉端杭よりも貫入抵抗は小さくなるが、羽根は鋼管の外周に固定されており、鋼管部分は羽根の下まで突出している。従って、杭の貫入施工時には、この突出した鋼管部分が貫入抵抗となってしまい、従来タイプ1よりも貫入性は向上するものの、貫入抵抗はまだかなり大きなままである。
このタイプについて理想的貫入施工をするときに必要なトルクは、本願発明に対して概算で1.3倍程度になり、従来タイプ1よりも施工性は良いものの、大径杭の施工はやはり困難である。
また、先端が開端であることから支持力の確保が困難になる。この点を改善するために、開端部分が土砂で閉塞しやすくするための提案もなされているが、いずれにしても支持力を確保するためには、施工中に先端部分を土砂で閉塞状態にするという条件を満たす必要があり、そのための別の手段が必要となる。
【0009】
(1−3) 従来タイプ 3
従来タイプ3は、鋼管の先端を螺旋状に切り欠き、その切り欠き面に対応した螺旋形状に加工された羽根を、該鋼管先端に固定しており、鋼管先端部分はこの羽根によってほぼ塞がれており閉端杭に分類される。このタイプは従来タイプ1のように羽根の下面に鋼管が突出していないので、施工時の貫入抵抗は低減される。
軸部先端形状に関しては、場合によって螺旋状羽根の中心付近に小さな孔が設けられているだけであるので、ほぼ閉端とみなすことができる。軸部先端の段差形状に関しては、鋼管の内側では側面視でV字型の小さい開口があるが、開口面積は小さく、土砂の進入量は少ない。特にV字型の付け根部分は土砂の進入にはほとんど寄与しない。
従来タイプ3の例として、「特開平8−326053号公報」に記載された鋼管杭(以下、従来タイプ3の実施例―1と呼ぶ)がある。図23〜図27に示すように、管状の杭本体22の先端部分を、その先端外周に沿いほぼ1周にわたり、螺旋状に切欠きし、この螺旋状に切り欠いた杭本体22の先端面に、杭本体22の2倍前後の直径を有する環状円板に、中心に達する半径方向の切り込み26を入れて、該先端面に沿うように加工してなる掘削刃兼用の螺旋状底板23を溶接したものである。
【0010】
(従来タイプ3の問題点)
このタイプでは、前述のように従来タイプ1に比べて貫入抵抗を低減できるものの、先端形状はほぼ閉端であるため、開端形状である従来タイプ2と比べると、貫入抵抗はそれほど低減されない。羽根の中心部付近の孔や螺旋羽根の段差部分から、施工時に土砂が管内に進入すれば、その分貫入抵抗は低減されるが、上記工法の記載によると、螺旋羽根の孔径は小さく、また羽根の段差は外側よりも内側が小さくV字型となっており、段差部分の開口面積もかなり小さい。従って管内への土砂の進入もわずかであり、貫入抵抗の低減にはほとんど寄与しない。つまり、従来タイプ3は、ほぼ閉端形状であるため支持力の信頼性は高いものの、貫入抵抗は従来タイプ2と同程度であり、大径杭とした場合には施工が困難になる。このタイプの場合も理想的貫入をするために必要となるトルクは、本願発明に比べて概算で1.3倍程度となる。
【0011】
また図26、図27に示すように、この公報の請求項2の鋼管杭22は、螺旋状底板23に、階段状の刃を有する掘削刃28を固定している。この掘削刃28は施工時に鋼管杭22の先端下側の土砂をかき乱すため、施工性は良くなるが、鋼管杭22の先端支持力に寄与する先端地盤が乱れるので、支持力が低下してしまうという問題が生じる。
この公報の請求項3によると、この鋼管杭22は、螺旋状底板23の中央部に掘削軟化した土砂を杭本体22内に導く土砂進入孔25を設けるとしているが、進入孔25を大きくして設けると、その部分が開端となるため、支持力が低下してしまう可能性を生じる。また、該土砂進入孔25は図23〜図24に示してあるように、径を小さくすれば支持力に対する影響はほとんど無いが、施工性の向上はそれほど期待できないものと判断される。
【0012】
また、明細書によると、「螺旋状底板23が杭本体22の先端に固定されていることから、杭本体22には螺旋状底板23の曲げモーメントが作用しない」となっている。杭本体の2倍前後の直径の螺旋状底板が固定されている場合において、杭本体に曲げモーメントが発生しないこと自体、施工中の地盤の状態によっては不可能であるが、作用する曲げモーメントをできるだけ小さくするためには、少なくとも土砂進入孔25の大きさはかなり小さなものにせざるを得ない。
土砂を杭本体22内に進入させることの目的は、鋼管杭22貫入時の先端抵抗を低減し、施工性を向上させることである。図25には螺旋状底板23の始端acと終端a’c’の隙間を閉じる閉じ板27を設けていることから、土砂が杭本体22内に進入する効果は、更に小さくなってしまい、施工性の向上に対する効果はあまりないと判断される。仮に、閉じ板27が無い状態においても、底板23の始端acと終端a’c’の切断面がV型形状をなしているため、鋼管杭22の中心に近い側では、実際には土砂の進入は促進されず、土砂の進入に有効な面積は開口面積の半分程度にしかならない。
【0013】
(従来タイプ3の他の例)
特開平9−324420号公報に図28〜図33に示すもの(以下、従来タイプ3の実施例−2と呼ぶ)が開示されている。図28〜図33はねじ込み式鋼管杭の説明図である。
上記公報の請求項1のねじ込み式鋼管杭32は閉端杭であって、直径が鋼管32の直径より大きいほぼ円形の鋼板を、図29、図30に示すように、円周から円中心に向けて切り込み34をいれて、前記鋼管の先端部の下面形状に対応した形状に曲げ加工して螺旋状板33とし、螺旋形状に切り欠いた鋼管32の先端へ取り付けたものである。
【0014】
図33に示すように、同公報の請求項2のねじ込み式鋼管杭33では、螺旋状羽根32の両端部の食い違いによって形成された開口部36のうち鋼管に囲まれた部分を閉塞部材35で閉塞している。従って、土砂が鋼管32の内部に進入することはなく、施工性の向上に困難がある。また、閉塞部材35がない場合についても、上記従来タイプ3の実施例−1と同様の理由によって、土砂の進入に対する有効な開口率は1/2程度であり、施工性の向上がそれほど大きくない。このことは明細書中に「螺旋状板の曲げ加工によって形成された食い違い部の開口部が小さいため、鋼管内には土砂はほとんど侵入しない」と明記されていることからも明らかである。
また、同公報の明細書の【発明が解決しようとする課題】欄において、「広く使用されている外径が500〜600mmの鋼管杭では、設計上大きな問題となる」との記載があり、【発明の効果】欄には「大径(例えば600mm)の鋼管からなるねじ込み式鋼管杭にも本発明を実施することができる。」との記載がある。
つまり、この発明では大径の杭とはせいぜい杭径600mm程度(本発明ではこれを中径と称している)を対象としており、杭径が1000mmを超えるような大径杭は対象としていないことは明らかである。
【0015】
さらに従来タイプ3の螺旋羽根中央部の孔が比較的大きく形成されたものも提案されているが、これは開端杭に属するものである。
このタイプは、螺旋羽根中央部の孔径が比較的大きいため、施工時に土砂が管内へ進入できることによって、貫入抵抗も低減される。したがって従来技術の中では施工性は最も優れていると考えられる。しかし、このタイプは開口部が比較的大きいことから、施工中に先端開口部を土砂で閉塞して、支持力を確保するための手段が求められる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
日本の主要都市が発達している沖積層平野部は軟弱地盤であり、強固な支持層まで鋼管杭を貫入させて上部構造物を支持する必要がある。回転貫入鋼管杭は、従来の杭工法に比べて、大きな支持力を発揮し、鋼管杭であることより耐震性にも優れた杭工法であり、支持層に貫入する最終根入れでは、回転トルクにより先端支持力を確認できるという性能を有するものである。
しかし、上記従来例から明らかなように、回転貫入鋼管杭にも未解決の問題がいくつか存在する。以下に問題点を整理し、解決すべき課題を明確にする。
【0017】
(2−1) 貫入性状と閉端杭・開端杭の関係
杭を施工する場合は、一般的には杭先端が支持層に到達するようにする。支持層は上部構造物の重量を支持するのに十分な強度を持つ強固な地盤であり、N値(標準貫入試験における地盤強度評価値)=50以上の層であることが多い。地表面から支持層までの間は軟弱な地盤(以下、軟弱層と呼ぶ)である。軟弱層とはいっても、N値でいうと0〜50程度までのばらつきがあり(N値=50であっても、層厚が薄いと支持層とはできない場合がある。このような軟弱層の途中に存在する、支持層にはできないが、やや硬い層を中間層と呼ぶ)、様々な層が混在している。
杭を施工する地盤の軟弱層が、全てN値も小さい層であれば、従来タイプ1,3のような閉端杭であっても施工は比較的容易である。しかし例えばN値=30の層が数mの中間層を形成し、その層を貫通して杭の施工を行う必要がある場合には、閉端杭での施工は非常に困難である。たとえ施工が可能であっても杭径600mm程度以下の場合であり、杭径1000mmを越えるような大径閉端杭の施工はほとんど不可能である。
一方、開端杭の場合は従来タイプ2のように鋼管が羽根下面まで突出していると、閉端杭と同様の問題点を持つことになる。鋼管先端を開端として、鋼管先端に螺旋羽根を固定し、管内に土砂を進入させることによって貫入抵抗を低減した場合は、施工性は改善され、大径杭であっても前記のような中間層を貫通することができる。しかし、開端杭は支持層への貫入時に開端部を閉塞させ,支持力を十分に発生させるという条件を満たす必要がある。
【0018】
(2−2) 支持力と閉端杭・開端杭の関係
杭工法における中心的な課題は、いうまでもなく杭の支持力の確保である。
先端形状の観点からは、閉端杭が支持力に対して最も有利であり信頼性も高い。開端杭で支持力を十分に発揮させるためには、杭先端の開口部を土砂で閉塞させることが必要となる。杭先端を閉塞させ十分な支持力を発揮させるためには、支持層へ杭先端を杭径の5倍程度貫入させる必要のあることが一般に指摘され、「道路橋示方書」にも記載されている。
閉端杭は支持力に対して最も有利な形状であるが、支持力を確実に発揮させるためには、一般的には杭先端を支持層に1D(D:杭径)程度貫入させることが行われている。前述したように閉端杭は施工性に問題があり、支持力に貫入することは非常に困難であり、手間と時間が必要になる。また、大径杭では施工機械も超大型のものが必要となり、施工現場の条件やコスト面から、施工そのものが不可能な状態になってしまう。そこで、閉鎖している底板に下向きの掘削刃を取り付ける発明が数多く提供されているが、施工性は向上するものの、いずれも杭先端部下側の支持層をかき乱し、支持力確保に重要な杭先端部の支持力を弱める結果となるという欠点を持っている。これらのことから、これまでに実用化されている閉端の回転貫入杭はいずれもφ600mm程度の中径以下のものばかりである。
開端杭については、施工性は良くなるものの、支持力をいかに確実に発揮させるかということが課題である。閉端杭と比べて施工性が優れているとはいっても、支持層に5D程度貫入させるためには、相当の手間と時間が必要でありコスト的な問題を生じる。そこでさまざまな改良が必要となる。
【0019】
(2−3)大径回転貫入杭と施工機械
回転貫入杭は杭の先端部に螺旋状の羽根を固定した杭であり、施工に用いる既存の施工機械は大別すると次の2種類になる。図38に示す施工機械60は、杭頭部から杭体に回転力を作用させるものであり、図39に示す施工機械70は、杭鋼管胴体部を把持して杭体に回転力を作用させるものである。施工機械60は、発揮できるトルクが一般的に30tm程度以下と比較的小さく、主として中径(φ600mm程度)以下の杭の施工に用いられる。施工機械70は発揮できるトルクが一般的に400tm程度と大きい機械があるため、大径杭の施工にも対応できる。特に大径杭で中間層を貫通させる場合や支持層に根入れする場合には、必要となるトルクが非常に大きく、施工機械70が必要となる。この施工機械70は、従来から場所打ちコンクリート杭用の孔掘削や、岩盤掘削などに用いられている既存の施工機械であり、それを回転貫入杭の施工にも用いている。
施工機械60は杭頭に回転力を作用させる構造になっているので、杭と施工機械の接合は容易である。しかし、施工機械70は杭の胴体部を周囲から把持する構造になっているので、先端に羽根のついた回転貫入杭を効率よく、施工機械70(以下、チュービング装置70と呼ぶ)にセットするためには特殊な治具が必要となる。この特殊な治具(以下、溝付チャックカラーと呼ぶ)については本願発明者らがすでに開発を行っている。溝付チャックカラーは図10に示すように、羽根の螺旋ピッチに対応する凹溝を形成した溝付のカラーであり、本発明者らが特願平11−054133号に提案しており、実用化も済んでいる。
この溝付チャックカラーを用いることで、先端に羽根の付いた回転貫入鋼管杭をチュービング装置70の上側から挿入できる。これに対して該溝付チャックカラーを用いない場合は、羽根がチュービング装置を通過できないため、杭を先に地面に立てておき、チュービング装置70を杭の上から被せることになり、作業性が非常に悪くなってしまう。この点については後述の実施例で詳しく説明する。
【0020】
(2−4) 杭軸部と羽根のなす角度の関係
ここで、杭軸部と羽根のなす角度について図を用いて説明すると、図5に示すように、杭鋼管本体の外周よりも外側に張り出した羽根の外周上の一点から杭軸中心に向かい、羽根面上に添って引いた直線と杭鋼管軸とのなす角度を意味するものである。
前述の溝付チャックカラーを用いるためには、該角度がほぼ直角であることが必要であり、直角性が確保されていないと、溝付チャックカラーを用いても回転貫入鋼管杭を上側から挿入することができず、前述の溝付チャックカラーを用いない場合同様に作業性が非常に悪くなる。
そこで、従来技術において羽根と鋼管の角度を考察してみると次のようになる。従来技術には羽根と鋼管の取付け角度に言及し明記したものは無いので、図や明細書の中の記述より判断する。従来タイプ1の実施例は図より判断して取付け角度が直角でないことは明らかである。従来タイプ2の実施例の図は取付け角度がほぼ直角となっている。つまり、鋼管の外周に羽根を固定するタイプでは、取付け角度を直角とするものが従来技術の中にも含まれると判断できる。
これに対して、鋼管先端に螺旋羽根を固定した従来タイプ3については、前述の実施例より判断して取付け角度は直角ではないと判断される。この点については、後述する。
【0021】
(2−5) 螺旋状羽根付回転貫入鋼管杭の貫入のメカニズム
ここで、螺旋状羽根による回転貫入鋼管杭の貫入のメカニズムについて、本願発明者らがこれまでに解明した点を簡単に記述する。図34に示す通り、回転貫入鋼管杭は杭体を地上から回転させることで、螺旋羽根(螺旋状底板)の先端で土砂を掘削し、羽根の上面で掘削した土砂を羽根の回転に伴って上方に押し上げ、地盤の反力によって生じる推進力により、地中に貫入していくものである。この場合、均一な地盤であれば鉛直方向の押込み力を作用させなくとも、回転トルクのみで杭が地中に貫入するのである。これは木ネジが回転力のみで木にねじ込まれていくのと同様の原理である。従って、羽根によって効率よく推進力を発生させることが重要であり、図34(ロ)に示すように、回転貫入鋼管杭の進行方向と地盤の反力方向を一致させて、土砂を真上に押し上げることが最も効率が良くなる。つまり羽根は、杭体に対してほぼ直角に取り付けることが最も望ましい。これに対して従来技術の形状で、図34(イ)に示すように、羽根(螺旋状底板41)が杭本体に対して直角とならないものは、推進力にロスが多くなり施工性の低下を生じる。貫入のメカニズム・施工性の観点からも、杭軸部と羽根のなす角度はほぼ直角であることが望ましい。
【0022】
(2−6)塑性歪みと亀裂の問題
上述の従来タイプ3の実施例−1のように、鋼管杭の先端部分を螺旋状に切り欠きし、この螺旋状に切り欠いた先端面にそって、鋼管直径より大径の円板を折り曲げ加工した掘削刃兼用の螺旋状羽根を溶接する場合、半径方向へ円板中心部まで切込みを入れることが不可欠である。更に円板中心部に小さい孔を設けることも提案されている。
上記実施例の公報の記載によると、図23〜図27に示された鋼管杭22では、螺旋状底板23となる環状円板を折り曲げ加工したものである。
この場合、円板中心部に設ける土砂進入孔25の径が小さい場合には、螺旋羽根と杭軸部を直角に取り付けるために、半径方向の切り込み26の面acとa’c’を平行にしたままで螺旋状に形成しようとすると、円板内側の折り曲げ加工による歪みが過大となり、内周縁から亀裂を生じてしまう。亀裂が生じない範囲内の折り曲げ加工によって形成された螺旋状底板23の始端acと終端a’c’の段差は、外側よりも内側が小さくなり、半径方向の切り込み26の面は立面投影でV字の形状をなすことになる。これは、図23、図24によっても明らかであり、この形状は、鋼管杭軸部を通る杭の鉛直断面を考えたときに、杭本体22と螺旋状底板23のなす角度が直角とはならないことを示している。
従来タイプ3の実施例−2公報の記載によると、図28〜33に示す螺旋状羽根33の製造方法は曲げ加工としているため、螺旋羽根33と鋼管32は直角とならないことになる。このことは先端羽根の形状を示す図29、図30によっても明らかである。
【0023】
上記の関係を、図35、図36を参照して説明する。
図36において、(a)は従来タイプ3の実施例1を示す図23に示された杭の羽根のみを示したものである。(b)は当該羽根の始端acと終端a’c’を平行にしたために亀裂が生じた場合、(c)は孔を大きくした場合は、始端acと終端a’c’を平行にしても亀裂が生じないことを示している。図23より、図36(a)の羽根においては、ほぼDw=2Dp、Do=0.2Dp、鋼管位置におけるピッチ=0.3Dp程度であると読みとることができる。ここに、Dwは羽根径、Doは、円盤中心部の孔径、Dpは鋼管杭径である。
Figure 0003905294
である。
例えば孔の径を2.5倍(Do=0.5Dp)とすると(図36(c))
Figure 0003905294
となる。
図37において、羽根を曲げ加工により螺旋状にし、かつ始端acと終端a’c’を平行にした場合に、円盤中心部に設けた孔の周長が伸びる状態を、展開図によって示している。
Do=0.2Dp時の羽根の曲げ加工後の周長 =0.7Dp
Do=0.5Dp時の羽根の曲げ加工後の周長 =1.6Dp となる。
曲げ加工によって周長が伸びることによる歪みは
Do=0.2Dpの時は、
(0.7−0・63)/0.63 =0.11
Do=0.5Dpの時は、
(1.6−1.57)/1.57 =0.019
であり、それぞれの比を計算すると、0.11/0.019=5.8となる。即ち孔径が0.2Dpの場合は、孔径が0.5Dpの場合に比べて、羽根の曲げ加工による歪みが5.8倍にも達する。
以上により、円板中心部の孔が小さいと、羽根を螺旋状に曲げ加工する場合の孔内周縁の歪みが過大になり、亀裂が生じやすいことは明らかである。
【0024】
円板に設けた半径方向の切り込み56部分のacとa’c’の平行を保ったままで、螺旋状羽根を形成するためには、ピッチ=0.3Dpのときは、中心部の孔の径が鋼管杭の直径の2分の1以下の場合は亀裂が生じやすいことが、本発明者らの実験によって明らかになっている。中心部の孔径が鋼管直径の2分の1よりも大きい場合は亀裂は生じにくいが、この場合には孔の面積も大きくなり、開端杭に属するものと考えられる。
羽根と鋼管のなす角度をほぼ直角とすることが望ましいが、従来技術では、羽根を鋼管外周に固定する場合と先端が開端形状の杭においてしか、これは実現化されていなかった。つまり羽根が螺旋状に切り欠きされた鋼管の先端に固定された閉端杭においては、鋼管と羽根のなす角度をほぼ直角にする方法は無かったのである。
【0025】
(2−7) 先端形状と先端鋼管板厚の問題
鋼管杭はいうまでもなく、地中の礫・砂・粘性土等からなる固い支持層に貫入して、主として上部構造物による上からの圧縮力に対して支持力を発揮するものであり、杭先端面によって支えられている。前述の従来タイプ1、2の場合は、鋼管の外側に羽根を固定するため、図7(イ)、(ロ)に示すように、螺旋羽根は片持ち梁のような形状となり、羽根付け根及びその近傍の鋼管部分に大きな曲げモーメントが作用する。この曲げモーメントに抵抗するために、杭先端の羽根を固定している部分の鋼管を、支持力から必要となる板厚よりも厚くする必要があり、その厚さは支持力から必要な厚さと比べて、2〜3倍程度になることも多い。鋼管の必要厚さが極厚になると、鋼管作製のコストもアップするという問題を生じる。
図8(イ)に示すように、従来タイプ3の羽根は鋼管の先端に固定されており、羽根は鋼管の内・外両側に張り出している。このことによって、内側・外側の羽根がそれぞれ地盤から受ける反力による曲げモーメントが、鋼管と羽根の接続位置で打ち消し合うため、鋼管に作用する曲げモーメントは上記従来タイプ1,2の形状と比べてかなり小さくなる。従って、鋼管杭先端部の板厚も、従来タイプ1,2と比べて相当に薄くすることができる。鋼管の厚さは、羽根の内・外面への張り出し量のバランスなどの条件にもよるが、支持力から決定される板厚と同厚程度とすることも可能である。
【0026】
以上述べてきた課題を整理すると次のようになる。
(3−1)貫入性の面からは、羽根は螺旋状に切り欠いた鋼管の先端に固定されていることが望ましい。
(3−2)さらに施工中に管内に土砂が進入して貫入抵抗を低減できるような形状であることが望ましい。
(3−3)支持力の面からは、先端が閉端であることが望ましい。
(3−4)先端鋼管の板厚の面からは、羽根が鋼管の内側にも大きく張り出していることが望ましい。
(3−5)特に大径杭の施工面からは、大トルクを発揮できる既存の施工機械を利用するために、羽根と鋼管がほぼ直角に固定されていることが望ましい。
また、貫入メカニズムの面からも、推進力をできるだけ有効に発揮させるために、羽根と鋼管がほぼ直角に固定されていることが望ましい。
表1に示すとおり、従来の技術ではこれらの5点を全て満足するような形状は明らかにされておらず、その形状を実際に製作する手段も未知であった。本願発明はこれら5つの条件を全て満たす形状と、その実現手段を提供するものである。
【表1】
Figure 0003905294
【0027】
【課題を解決するための手段】
以上のように、本発明が解決せんとする問題は、従来技術では開示されていない。また、上述したように、小径杭から大径杭にいたるまで、すべてに適用可能な回転鋼管杭とその施工方法は、いままでに提案されていない。
特に、本発明は、従来の技術では施工が不可能であった、杭径が1000mmを超えるような大径の杭についても施工が可能であり、さらに杭としての支持力も十分に発揮することができる回転貫入鋼管杭である。
【0028】
上記課題を解決するために、第1の発明は、螺旋形状に切り欠いた先端を有する鋼管杭本体と、その螺旋形状に対応した形状で鋼管杭本体の先端に固着された螺旋状の羽根とからなり、鋼管杭本体の周方向に回転駆動されて地盤中に埋設される羽根付き回転貫入鋼管杭において、前記羽根が円盤状部材から形成され、鋼管杭本体先端の中空部を、平面的に視た場合にほぼ閉塞して固着され、羽根の始端と終端を平行に形成し、前記鋼管杭本体の外周よりも外側に突出した羽根の部分と、鋼管杭本体の軸とのなす角度がほぼ直角であり、前記羽根が円盤状鋼板の外周上の一点から該鋼板の中心を通り、羽根と鋼管杭本体内周との接触位置付近に及ぶ直線状の切り込みを有して、曲げ加工により螺旋状に形成され、前記切り込みによって、羽根の始端と終端とを形成する両切り込み面のうち、羽根始端と杭鋼管との接点から該鋼管の中心までの部分と、羽根終端と杭鋼管との接点から該鋼管の中心までの部分を互いに平行にして段差が設けられてなることを特徴とする。
鋼管の先端を螺旋状の羽根でほぼ閉塞するので、閉端杭と同等の十分な支持力を発揮すると共に、羽根の始端が掘削刃となり鋼管の軸心部まで張り出しており、土砂を切り取って上方に押し上げて鋼管内部に進入させるので、施工時の貫入抵抗を低減できる。また、螺旋羽根の始端と終端を互いに平行になるように曲げ加工するので、羽根の各面が杭軸部に対して直角に取り付けられている。
羽根の外周部分と鋼管杭本体の軸とのなす角を直角としたことにより、効率よく貫入推進力を得ることができるので、羽根の外周部分と鋼管杭本体軸がほぼ直角となっていないものと比べて、小さな回転力及び推進力で、大径の杭を固い支持層にまで貫入することができる。更に鋼管杭本体の軸と羽根の外周部分とのなす角度がほぼ直角であることによって、大径杭を施工するために必要となる溝付のチャックカラーを用いることができるため、杭が大径になっても既存の杭施工用機械を用いて効率のよい施工が可能になる。
さらに、この請求項1に記載の発明においては、鋼管杭本体先端の中空部を、平面的に視た場合にほぼ閉塞して固着するとともに、前記切り込みによって、羽根の始端と終端とを形成する両切り込み面のうち、羽根始端と杭鋼管との接点から該鋼管の中心までの部分と、羽根終端と杭鋼管との接点から該鋼管の中心までの部分を互いに平行にして段差を設けている。
このため、この段差部分から施工時に土砂を鋼管内に進入させることができる。この切込みが杭中心までしか入っていない鋼板においては、羽根の始端と終端の半径方向の切り込み面を平行にして段差を設け、かつ杭本体側面に直角な螺旋状羽根を形成しようとすると、円盤中央部において、折り曲げ加工による塑性歪みが過大になり、亀裂が生じてしまう。したがって従来は、図23〜25、図28〜30に示すように段差部分はV字形状をなしていたが、前記したように管内への土砂の進入は少なく、施工性の向上程度は小さい。
本願発明は従来の杭のこれらの欠点を改善し、閉端杭と同様の効果を奏するとともに、閉端杭の有する土砂の貫入抵抗を削減したものである。このような形状に曲げ加工することが可能になったのは、上記のように羽根始端又は終端と杭鋼管との接点から該鋼板の中心を通り、羽根と鋼管内周との接触位置付近にまで切り込みを入れて曲げ加工したことによる効果である。
【0029】
上記課題を解決するために、第2の発明は、螺旋形状に切り欠いた先端を有する鋼管杭本体と、その螺旋形状に対応した形状で鋼管杭本体の先端に固着された螺旋状の羽根とからなり、鋼管杭本体の周方向に回転駆動されて地盤中に埋設される羽根付き回転貫入鋼管杭において、前記羽根が円盤状部材から形成され、鋼管杭本体先端の中空部を、平面的に視た場合にほぼ閉塞して固着され、羽根の始端と終端を平行に形成し、前記鋼管杭本体の外周よりも外側に突出した羽根の部分と、鋼管杭本体の軸とのなす角度がほぼ直角であり、前記羽根が円盤状鋼板の外周上の一点から該鋼板の中心を通り、羽根と鋼管杭本体内周との接触位置付近に及ぶ直線状の切り込みを有して、曲げ加工により螺旋状に形成され、前記切り込みによって、羽根の始端と終端とを形成する両切り込み面のうち、前記外周上の一点から該鋼管の中心までの部分を平行にして段差が設けられてなることを特徴とする。
【0031】
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明に記載の形状を鋳造によって形成することを特徴とする。
【0034】
第4の発明は、第1から第3のいずれかの発明の回転貫入鋼管杭であって、前記羽根の厚さを、羽根に生じる曲げモーメント分布に対応させて半径方向に変化させてなることを特徴とする。
このことによって羽根の板厚を適正化し、鋼材重量を低減することができ、特に鋳造の場合においてコスト低減効果が大きい。
【0035】
第5の発明は、第1〜4のいずれかの発明の回転貫入鋼管杭であって、前記羽根の外径が鋼管杭本体の外径の1.5倍〜3倍であり、螺旋の始端と終端の段差が同外径の0.3倍〜0.5倍であり、鋼管杭本体を先端から見上げたときの、始端と終端の鋼管本体の外周から外側に突出した部分における平面的に視た場合の開き角度が0度〜180度であることを特徴とする。
【0036】
第6の発明は、第1〜第5のいずれかの発明の回転圧入鋼管杭において、螺旋状に切断した鋼管杭端部の始終端の段差部分を円弧状に形成したことを特徴とする。
【0037】
第6の発明を更に説明する。
(1)円弧状の段差部分は図1に示す段差部7のように構成されている。
(2)旋状に切断した鋼管杭端部の始終端の段差部分には、回転圧入時に大きな力が集中するため、この部分が鋭角に切断されたままでは、図9に示すように、角部分から杭本体の鋼管に亀裂が発生する場合がある。
(3)応力集中を緩和し、杭の破壊を防ぐためこの段差部分を円弧状に形成する。
【0038】
第7の発明は、第1〜6のいずれかの発明において、螺旋状羽根の先端の小口面に、羽根の回転進行方向に対して抵抗が少なくなるような傾斜面を設け、その小口面又は傾斜面に掘削刃を溶接などの方法で接着し、羽根下面と掘削刃の下面のなす角度を、135°〜170°としたことを特徴とする。
【0039】
第7の発明を更に説明する。
(1)杭を回転圧入する際に、地盤のN値がほぼ均一な層であれば、先端に掘削刃を設けなくても貫入性は問題ない。
(2)地盤のN値が急激に増加する場合には、掘削刃が無いと硬い地盤の上面へ羽根が噛み込むことができずに滑り現象を発生する。
(3)滑り現象を発生させないためには、硬い地盤へ螺旋状羽根が噛み込むためのきっかけを作ることが重要であり、掘削刃が必要となる。
【0040】
(4)さらに、掘削刃および螺旋状羽根の小口面は、羽根の回転方向に対しては抵抗が少なくなるような形状とすることが重要であり、抵抗が大きいと螺旋状羽根が回転するための必要トルクが増大し、施工性が悪くなる。
(5)従って、羽根先端の小口面は当該螺旋状羽根の回転方向に対して抵抗が少なくなるような傾斜を設け、その小口面に掘削刃を接着することが望ましい。
(6)掘削刃下面と螺旋状羽根の下面のなす角度は135°〜170°が効果的であり、170°を越えると噛み込みの効果がそれほど高くなく、135°未満では逆に先端の抵抗が大きくなり、施工性が悪くなる。
(7)地盤のN値が急激に変化しないような地盤であれば、掘削刃は必要のない場合もある。また、N値の変化が小さい場合は170°を越える角度でも十分な場合もある。
(8)掘削刃は連続的に設けても、断続的に設けても良い。
【0041】
第8の発明は、第7の発明における掘削刃を、羽根先端の小口面又は傾斜面と羽根下面の両面にまたがるような形状に形成して接着したことを特徴とする。
【0042】
第8の発明を更に説明する。
杭を回転圧入する際には、羽根の先端に固定された掘削刃によって地盤を掘削することになる。従って掘削刃には地盤からの反力が作用するが、掘削刃が羽根の小口又は傾斜面、あるいは羽根下面のみに固定されていると、この反力によって掘削刃がもぎ取られないだけの十分な溶接が必要である。これに対して、掘削刃が羽根先端の小口面又は傾斜面と羽根下面の両面にまたがるように固定されていれば、掘削刃と羽根の接触面で地盤からの反力に抵抗できるため、溶接量を低減できる。
【0043】
第9の発明は、螺旋状羽根のピッチに対応する凹溝を設けたチャックカラー又はチャック部材を有するチュービング装置を地盤上の所定位置に設置し、請求項1〜8のいずれかに記載の、先端に螺旋状の羽根を固着した回転貫入鋼管杭を吊り上げ、吊り上げた前記回転貫入鋼管杭先端の螺旋羽根を前記チャックカラー又はチャック部材の凹溝に挿入・回転することによって通過させ、鋼管杭軸部を前記チャックカラー又はチャック部材によって締め付けて把持し、該チャックカラー又はチャック部材をチュービング装置中の回転装置により回転させ、鋼管杭を回転駆動して地盤中に埋設することを特徴とする回転貫入鋼管杭の施工方法である。
【0044】
本施工方法は、鋼管の外径よりも外側に突出した羽根の外周部分が、鋼管の軸に対して放射状にほぼ直角に形成したことにより、直角に形成することが必要な施工機械の使用するものである。従来は、鋼管杭先端面を羽根によって閉端とし、かつ鋼管杭と羽根のなす角度をほぼ直角とする方法は見いだされていなかったため、羽根を鋼管外周面に固定した従来タイプ2のような形状においてしか本施工方法は実施できなかった。本発明により、既存の場所打ちコンクリート杭の孔掘削などに使用していた施工機械と溝付チャックカラーを組み合わせることによって大径の閉端鋼管杭の施工が可能となり、また羽根が受ける地盤反力方向が鋼管杭の推進方向と一致するので、大径の鋼管杭を効率良く施工することが可能である。
【0045】
すなわち、本発明によれば、鋼管杭本体の先端を螺旋状の羽根でほぼ閉塞するので、閉端杭と同等の十分な支持力を発揮すると共に、羽根の先端が掘削刃となり鋼管杭本体の軸心部まで張り出しており、更に掘削した土砂を鋼管杭本体内部に進入させるため、施工時の貫入抵抗を低減できる。また螺旋羽根の始端による土砂の掘削は、前記従来技術3による杭先端に取り付けた縦向きの掘削刃と違って土砂を切り取って上方に押し上げるため、杭先端の地盤をかき乱さず、支持力に対する悪影響が無い。
このような貫入抵抗の低減に加え、羽根の外周部分が鋼管杭本体に対してほぼ直角に形成されているので、杭が大径になっても既存の杭施工用機械を用いて効率のよい施工が可能になる。
また、上記いずれの形状においても先端羽根はは閉端杭と同様に鋼管の内側に大きく張り出しており、先端鋼管の板厚を低減することが可能である。
【0046】
以上を前述した5つの課題と対比してまとめると次のようになる。
貫入性の面では、螺旋状に切り欠いた鋼管先端に該螺旋状に対応した螺旋形状の羽根を固定しており、更に羽根の段差部分の開口面積を最大限に大きくしたことによって、施工中に管内に土砂が進入し、貫入抵抗の低減が図れる。
支持力の面では、羽根を杭先端正面から見上げた状態において、閉端状態となっており、支持力に対する信頼性を確保している。
先端鋼管板厚の面では、上述の通り先端閉端状態であり、鋼管部分でのモーメントがうち消される状態となっており、板厚の低減が実現できる。
施工機械との取り合いの面では、鋼管から外側に張り出した部分の羽根と鋼管軸部がほぼ直角となっているため、大径の杭でも既存の施工機械で効率的な施工が可能である。
貫入メカニズムの面では、上述の通り羽根と鋼管がほぼ直角に固定されていることから、推進力が最も有効に発揮できる形状となっている。
即ち、本願発明は従来技術の5つの課題を全て解決した、優れた発明である。
【0047】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態1を図1〜図6を参照して説明する。図1は本実施形態の斜視図である。図2(a),(b),(c)は、それぞれ本実施形態1の羽根の平面図、立面図、側面図であり、図2(d),(e)は、それぞれ図2(a)のA−A断面図、B−B断面図である。図3、図4は、本実施形態1と従来例との相違点を示す説明図、図5は、本発明の実施形態1の羽根が杭軸部と直角をなすことを示す説明図、図6は、本実施形態1の閉じ板を設けた説明図である。
回転貫入式鋼管杭1(以下単に鋼管杭1という)は、鋼管杭本体2(以下単に鋼管2という)と、その先端(下端)に溶接により一体化された羽根3とからなる。図1、図2(a)の例では、羽根3は円盤状の鋼板からなり、その外径は2000mmであり、鋼管径は1000mmである。従って羽根外径は鋼管外径の2倍となっている。通常よく用いられる羽根径は鋼管径の1.5倍から2倍であるが、必要に応じて3倍程度までは羽根径を大きくできる。
【0048】
そうして、羽根3の外周上の一点から鋼板の中心を通り、羽根3と鋼管2の内周2aとの接触位置付近に及ぶ直線状の切り込み4(幅100mm)が設けられている。接触位置付近とは、鋼板の中心を通り、中心から鋼管直径の1/4以上で鋼管2の内周2aまでの範囲である。羽根3に設ける切り込み4の幅については、支持力の面からは0にすることが望ましいが、曲げ加工の加工性を考慮すると鋼管2の外径の0.1倍(本実施形態と同じ)程度にしても構わない。0.1倍程度の幅であれば、鋼管杭1先端の支持力に及ぼす影響はほとんど無く閉端杭とみなせることが本発明者らの研究によって分かっている。
図3は、本願発明と従来例との相違点を明確に示す斜視説明図である。直線状の切り込み4を入れたことによって、曲げ加工による亀裂を生じることがなく、螺旋羽根3と鋼管杭外側面とが直角をなすように取り付けられていることが明瞭に示されている。取り付けは本実施形態では溶接接合としている。図3の下段は、従来例の円板中央部の孔を設けた鋼管杭を示している。羽根が鋼管杭本体に対して直角でないことが示されている。
【0049】
図4は、従来例との対比において、鋼管2の外側に張り出している羽根3の外周部分の始端と終端が広がって形成されている、本実施例の説明図である。
図1、図2、図4から明らかなように、切り込み4の開口側では、3aの始端5と終端6とが、それぞれ切り込み4の延長線から離れて対称に拡がって形成され、始終端5,6がはさむ角度は60度に設定されている。この始端5と終端6とが切り込み4の延長線となす角度は、それぞれ0度〜90度を許容範囲とするが、約30〜45度(本実施形態は30°)とすることが望ましい。したがって、はさむ角度は60〜90度となる。支持力の面からは各拡がりの角度を0度とすることが望ましいが、鋼管杭1の施工性の面からは0度から90度までの角度をつけることが望ましい。ただし、この角度は対称形に限らない。
【0050】
鋼管杭1を施工する地盤が支持層に達するまで、すべて非常に軟弱な場合は、各拡がりの角度は0度でも構わないが、途中にN値30程度の中間層がある場合や、途中で礫層を貫通する場合などには、各拡がりの角度が0度では羽根3の始端5と終端6の間に硬い土砂や礫が詰まってしまい、貫入性が悪くなることがある。これを避けるためには、羽根3の始端5と終端6に平面投影において拡がりの角度をつけることが望ましく、その拡がりの角度は90度以下とする事が望ましい。これ以上に拡がりの角度を大きくすると、支持力に及ぼす影響が大きくなってしまう。さらに、鋼管杭1を施工する地盤の性状をあらかじめ正確に把握することが難しいことを考慮すると、一般にはそれぞれ30〜45度程度の拡がりの角度を設けておくことが望ましい。
【0051】
また、図1、図2に示すように、羽根3はほぼ一巻き弱の螺旋形状に曲げ成形されている。そして、螺旋のピッチ(始端6と終端5の段差)は300mmであり、鋼管2の外径1000mmの0.3倍に設定されている。このピッチが杭径の0.3よりも小さいと羽根による推進力も小さくなり、施工性が悪くなる。また、羽根の板厚まで考慮するとピッチ部分の羽根の始端上面と終端下面の間隔はより小さなものとなり、ピッチ部に土砂が詰まりやすくなってしまう。ピッチが杭径の0.5倍よりも大きい場合は推進力が大きくなりすぎるため、施工トルクも大きくなってしまい、特に大径の杭では施工ができなくなるなどの不都合を生じてしまう。中径・小径の杭であればピッチを杭径の0.6倍程度まで大きくすることも可能である。
また、図2(c),(d),(e)及び図5に示すように、鋼管2の外径よりも外側に突出した羽根3の外周部分3aは、羽根の外周上の1点から杭鋼管中心に向かって3aの上面に沿って引いた直線と鋼管2の軸がほぼ直角になるように形成され、螺旋の始端acと終端acはほぼ平行に成形されている。これにより、螺旋の始端6と終端5間に段差部7(開口部7)が生じる。そして、鋼管2の先端が羽根3の上記螺旋形状に対応した形状に加工され、羽根3と同心に溶接される。こうして、図1に示すように鋼管杭1が構成されている。
【0052】
図1〜図4に明らかなように、鋼管杭1は、鋼管2の外径以内の先端面には羽根3の段差部7が開口しているだけで、ほぼ閉塞された状態であるので閉端杭とみなすことができ、支持力の点では閉端杭と同様の支持力が発揮される。
また、鋼管の内側と外側に羽根が張り出しており、内側の張り出しは鋼管を完全に塞ぐ状態であるため、鋼管に作用するモーメントは小さくなり、鋼管板厚も低減できる。
そして、羽根3が鋼管2と共に回転駆動されると、上記螺旋の始端6と終端5との間の開口部7から土砂が鋼管2内に進入するので鋼管杭1の貫入抵抗(駆動トルク)が軽減され、この点では、開端杭とみなすことができ、開端杭とほぼ同様の施工性が発揮される。
なお、従来技術では始端acと終端a’c’が鋼管2の軸に対して直角でないため、始終端間の開口bccbがV字型(鋼管2の軸心側が狭く、羽根3の外周側が広い)になっていたことから、開口部7の面積が小さく、施工時に鋼管杭1内部に土砂がほとんど進入しなかった。本発明では段差部分の羽根3の始端acと終端a’c’を平行とすることが可能であり、その間の開口部7の面積を大きくとることができるため、施工時に段差部分の開口部7から土砂が鋼管2内部に進入することができる。これによって、施工時の杭先端の貫入抵抗が減少し、鋼管杭1が大径になっても杭の施工効率を低下させることがない。
【0053】
なお、図6で示すように、開口部7のうちで、cdcに囲まれる三角形の範囲は、閉じ板10で塞いでも良い。このようにすると、羽根の段差部分も応力の伝達が可能となり、鋼管板厚の低減効果が更に高まる。
【0054】
前述したように、鋼管の外側に羽根を固定する場合は、図7(イ)、(ロ)に示すように、螺旋羽根は片持ち梁のような形状となり、羽根付け根及びその近傍の鋼管部分に大きな曲げモーメントが作用し、鋼管本体2が内側に変形する。図8(イ)に示すように、従来タイプ3の羽根は鋼管の先端に固定されており、羽根は鋼管の内・外両側に張り出している。
本願発明も図8(ロ)で示すように、羽根は鋼管の内・外両側に張り出しているので、内側・外側の羽根がそれぞれ地盤から受ける反力による曲げモーメントが、鋼管と羽根の接続位置で打ち消し合うため、鋼管に作用する曲げモーメントはかなり小さく、鋼管杭先端部の板厚は、羽根の内・外面への張り出し量のバランスなどの条件にもよるが、支持力から決定される板厚と同厚程度とすることも可能である。
また、螺旋状に切断した鋼管杭端部の始終端の段差部分には、回転圧入時に大きな力が集中するため、この部分が鋭角に切断されたままでは、図9に示すように、角部分から杭本体の鋼管に亀裂が発生する場合がある。そこで応力集中を緩和し、杭の破壊を防ぐため、円弧状の段差部分は図1に示す段差部7のように構成されている。
【0055】
本願発明は、図1、図5に示すように、鋼管2の外径よりも外側に突出した羽根3の外周部分3aは、鋼管2の軸に対して放射状にほぼ直角に形成するものである。これによって、直角に形成することが必要な施工機械を使用する施工方法が可能となった。従来は、鋼管杭1先端面を羽根によって閉端とし、かつ鋼管杭1と羽根3のなす角度をほぼ直角とする方法は見いだされていなかった。この問題点が上述のように羽根3が直角に形成されることにより解決されているので、既存の施工機を用いて大径の鋼管杭1の施工が可能となり、また羽根3が受ける地盤反力方向が鋼管杭1の推進方向と一致するので、大径の鋼管杭1を効率良く施工することができるようになった。
すなわち、従来工法における図38に示す施工機械60を使用するかわりに、図39に示すような、鋼管杭本体70を外側から把持して回転させる形式の施工機械70と、図10に示す溝付チャックカラー74を組み合わせて使用する施工方法の採用が可能になった。
先に説明したように施工機械60は発揮できるトルクが小さいため、大径杭の施工には対応できない。従って、大径杭の施工には大きなトルクを発揮できる施工機械70を用いる必要がある。このチュービング装置70を用いるときは、羽根径の大きさと羽根の螺旋ピッチに対応する凹溝を形成した、溝付きチャックカラーまたは溝付きチャック部材を用いる必要がある。
【0056】
ここで図10に示す溝付チャックカラーについて説明すると、溝付のチャックカラーを用いない従来の工法では、回転貫入鋼管杭は杭鋼管径よりも先端羽根径がかなり大きいので、回転貫入杭のチュービング装置への装着は、チャックカラーを取り付けない状態で地面に設置したチュービング装置に回転貫入鋼管杭を挿入してから、クレーンで吊り上げたチャックカラー(溝無し)をチャック装置に取り付ける方法か、回転貫入鋼管杭を、まず施工機械60を用いて地面上に設置しておいて、予めチャックカラー(溝無し)を取り付けたチュービング装置70をクレーンで吊り上げ、回転貫入鋼管杭の上部から被せて設置する施工方法が採用されていた。前者の方法は、複数のチャックカラーを回転貫入鋼管杭とチャック装置の間に挿入して固定しなければならず、作業工程が非常に面倒であった。後者の方法では、重量のあるチュービング装置70を高い位置まで吊り上げるので危険を伴い、能力の大きなクレーンを必要とすると共に、設置作業を慎重に行うため長時間の作業になってしまうという欠点があった。溝付きチャックカラー及び溝付きチャック部材を使用すれば、チュービング装置に対する回転貫入鋼管杭の装着工程を簡略にして効率よく施工することができる。溝付チャックカラーを用いた場合は杭の装着を数分程度で完了できるのに対し、前記の2つの方法では30分から1時間は必要であった。
溝のないカラーであっても、把持部分が羽根径より広く開閉できる構造とすれば、チャックカラーを用いなくてもチュービング装置の上側から、羽根付きの杭を挿入できるが、そのような機構を持った施工機械は実用化されておらず、また本願発明者らが同様の検討を行った結果では、施工機械が相当に複雑且つ大型となってしまい、非現実的であった。現状の技術においては、大型の羽根付き回転貫入杭を効率よく施工するためには、溝付チャックカラーが最も優れたものであり、杭側も該溝付チャックカラーを用いることのできる形状とすることが望ましいのである。
【0057】
図10に示すように、チャックカラーの溝は回転貫入鋼管杭の羽根の螺旋形状に対応しており、杭を上部から吊り込んで人力により回転させると、溝の間を羽根が通過する構造になっており、螺旋羽根は鋼管軸部に対してほぼ直角に固定されていることが必要である。羽根が杭鋼管に対して直角でない場合には、チャックカラーの溝を広くする必要があるが、その分凸部が薄くなってしまう。この凸部は杭鋼管を把持すると共に、回転力を伝達し、必要に応じて押込み力や引き抜き力も伝達する必要があり、凸部の付け根が現状よりも薄くなるとこれらの力を伝達するための強度・剛性が不足してしまう。また、凸部先端の面積が小さいと、杭を把持する際に杭に作用する圧力が大きくなり、杭鋼管に損傷を生じるなどの問題がある。
該溝付きチャックカラー又はチャック部材を用いることで大径杭の施工が非常に効率的になるが、そのためには、螺旋羽根は杭軸部に対してほぼ直角に取り付けられている必要があった。つまり、大径の回転貫入杭施工のためには、杭軸部と羽根がほぼ直角に固定されていることが必須であり、本願発明によって、初めて、大径の閉端杭においてこのチュービング装置を使用する施工方法が実現した。
【0058】
本発明の実施形態においては、図12(A)〜(F)に示すように螺旋状羽根3の先端の小口面13又は、小口面に設けた傾斜面17に掘削刃14,18が設けられる。小口面に設けた傾斜面は、螺旋状羽根3の回転進行方向に対して抵抗が少なくなるように設けられて入る。掘削刃14,18は、小口面13又は傾斜面17に溶接などの方法で接合してある。図示例の場合、螺旋状羽根3に前記の傾斜を与えるため、羽根下面と掘削刃14,18の下面のなす角度θを、ほぼ135°〜170°に設けてある。
【0059】
図12を順に説明すると、図(A),(B)では掘削刃14は、頂部15が中間よりやや外寄りに位置する平面略山形状で、その基端面を羽根先端の垂直な小口面13に溶接してあり、角度θを、略135°〜170°に設けてある。図(C),(D)は図(A),(B)に示す掘削刃14の変形例であり、いずれも、羽根先端の上部を傾斜させてあり、この傾斜先端の小口面13に掘削刃14の基端面が溶接してあり、羽根先端の傾斜面と掘削刃14の上面の傾斜面とが接続するように設けられている。
【0060】
図12(E),(F)は、掘削刃のさらに他の変形を示す。この例では、羽根先端を平面略山形状とし、この山形状先端16に傾斜面17を形成し、この平面山形の傾斜面17に複数の掘削刃18を櫛歯状に等間隔で、かつ角度θを、略135°〜170°に設けて溶接した例を示す。
【0061】
図13(A)〜(C)は、羽根先端の平面形状の他例を示す。同図(A)には、羽根先端に掘削刃として内周側が尖ったナイフ状の傾斜面19を一体形成した例を示し、図(B)には、図4(C),(D)と同じ構造の掘削刃14を中間に頂部15がある平面略山形状に構成した例を示し、図5(C)には、羽根先端に内周側が尖ったナイフ状の傾斜面19を形成し、この傾斜面19にナイフ状の掘削刃20を溶接した例を示す。掘削刃の形状は図示以外のものであっても構わない。
【0062】
図14(イ)は、羽根の先端に取り付けた掘削刃の平面図であり、(ロ)、(ハ)は、掘削刃を羽根の小口面と羽根下面の両面にまたがるように接着した本発明の実施例及び掘削刃の詳細図である。(ニ)は、掘削の際の掘削刃に作用する地盤からの反力(R1,R2)に対する抵抗機構を図示したものであり、(ニ)左図においてはR2に対してはR2’という力で抵抗するが、R1に対しては溶接部のみで抵抗することになる。これに対して(ニ)右図ではR1,R2に対してそれぞれR1’、R2’という力で抵抗できるため、溶接量を低減できる。
また図15(イ)では、鋼管先端と羽根の接合部からの羽根の突出量を最小限にしている状態を示している。
図15(ロ)は、該突出量が大きかった場合に、施工中に作用する力によって羽根がもげている状態を示した図である。施工中の地盤掘削に伴う地盤からの反力によって、羽根に鋼管端面からをもぎ取るような力が作用し、鋼管と羽根の溶接が切れてしまう場合がある。従って、該突出長さは図15(イ)のように、羽根と鋼管の溶接に必要な最小限の長さ程度としておくことが望ましい。
このように、地盤の状況によっては、羽根始端部に掘削刃を設けることが望ましく、その形状を図11以下に示したものである。刃があることによって先端地盤への噛み込みが良くなり、施工性が向上する。特にL型地盤のように軟弱層から急に硬い支持層に杭を貫入する必要がある場合や、軟弱層と硬質層が互層になっているような場合には、この掘削刃の効果が大きい。
【0063】
また、羽根3の板厚は全体を同じ厚さにする必要はなく、羽根3に作用する力によって生じる曲げモーメントに応じて羽根3の径方向に厚さを変化させるために、図16に概念的に示すように鋼管2に近い部分を2枚重ねの羽根3bにする方法が考えられる。しかし螺旋状の羽根3bは加工上不利な構成であるので、例えば図17(a),(b),(c)に概念的に示すように鋳造により板厚を連続的に変化させて羽根3c,3d,3eとする方法が有利である。このとき羽根3の上面を傾斜させると羽根3d,3eの推進力が垂直方向からずれるが、傾斜は羽根の板厚程度と小さいので推進力に及ぼす影響は小さい。なお、図16、図17は概念を示すために羽根のピッチは表現していない。
【0064】
本発明の第2実施形態を図18〜20を参照して説明する。
本発明の第2実施形態は、鋼管杭本体先端に接着する羽根を鋳造により製作するものである。図18(a),(b),(c)はそれぞれ本発明の第2実施形態の羽根の平面図、立面図、側面図であり、(d),(e)は、それぞれ図18(a)のC−C断面図、D−D断面図である。図19(a),(b)は、第2実施形態の縦断側面図と底面図である。図20は第2実施形態の斜視図である。この図において、羽根はccを扇の要として、扇子を360°広げた形状となっている。
実施形態1の羽根を鋳造で製作することも可能であり、鋳造で羽根を製作する場合には、羽根の形態を自由に形成することができ、曲げモーメントに応じて厚さを変化させた羽根3を使用することができる。羽根に生ずる曲げモーメントに応じて決めた羽根板厚の概念は図17に示している。
鋳造羽根製作に当たって、製作の都合からcc部を棒状に形成しても構わない。あるいは0.1D(Dは杭径)程度以下の直径の孔としても構わない。
【0065】
この形状は、一般に鋳造のほうが作りやすいと思われるが、cc部付近を所用の温度まで熱しておいてから曲げ加工すれば、塑性歪みや亀裂を生じることなく、加工することが可能となり、コスト面での改善を図ることができる。
【0066】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、鋼管杭本体先端の開口部がほぼ閉塞されているので、支持力の面では閉端状態となっており、閉端杭とほぼ同様の支持力に対する信頼性を確保している。
施工時には羽根の段差部分の開口面積を最大限に大きくすることによって、開口部から土砂が鋼管杭本体内に進入するので、鋼管杭の貫入抵抗が軽減され、開端杭とほぼ同様の施工性が発揮される。
また、鋼管杭本体先端の羽根に設けた切り込みが先端の閉塞性に及ぼす影響は小さく、切り込みにより螺旋の始終端部の開口部を大きくすることができるので、羽根径が大きくなっても鋼管杭の施工効率は優れている。
貫入メカニズムの面で、羽根に設けた切り込みにより羽根と鋼管がほぼ直角に固定されていることから、推進力が最も有効に発揮できる形状となっている。
【0067】
また、掘削刃を羽根の小口面と羽根下面の両面にまたがるように接着したので、掘削の際の地盤からの反力を抑えて、掘削を推進することができる。また、羽根に生じる曲げモーメント分布に応じて半径方向に羽根の板厚を変化させ、強度を確保することができる。
先端鋼管板厚の面では、上述の通り先端閉端状態であり、羽根が鋼管内側に張り出しているので、鋼管先端部分での曲げモーメントがうち消される状態となっており、板厚の低減が実現できる。
また、羽根を鋳造することにより、本形状の製作が容易にできる。
さらに、中心部付近を熱することにより、本形状の製作をさらに容易することが可能である。
【0068】
施工方法の面では、鋼管から外側に張り出した部分の羽根と鋼管軸部がほぼ直角となっているため、大径の杭でも既存の施工機械で効率的な施工が可能である。
即ち、従来技術と比較して、最重要課題であった先端支持力の信頼性を増大し、1000mm以上の大径鋼管杭の効率的な施工を可能とし、杭先端鋼管板厚の低減をも実現するという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の斜視図である。
【図2】(a),(b),(c)はそれぞれ本発明の第1実施形態の羽根の平面図、立面図、側面図であり、(d),(e)は、それぞれ図1(a)のA−A断面図、B−B断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態と、従来例を対比する斜視説明図である。
【図4】同じく第1実施形態と従来例を対比する斜視説明図である。
【図5】本発明の第1実施形態の鋼管杭軸部と螺旋羽根のなす角度の説明図である。
【図6】本発明の第1実施形態の閉じ板を示す説明図である。
【図7】従来例における羽根と鋼管本体に作用する曲げモーメントを示す説明図である。
【図8】本発明における羽根と鋼管本体に作用する曲げモーメントを示す説明図である。
【図9】従来例における段差部に発生する亀裂を示す図である。
【図10】本実施形態に使用するチュービング装置の詳細図である。
【図11】本実施形態の切削刃を示す図である
【図12】本実施形態の切削刃を示す図であり、(A)、(B)は掘削刃の第1例の斜視図と断面図、(C)、(D)は掘削刃の第2例と第3例の断面図、(E)、(F)は掘削刃の第4例の斜視図と断面図である。
【図13】(A)、(B)、(C)は掘削刃の更に他の3例を示す説明図である。
【図14】(イ)、(ロ)、(ハ)は本発明の掘削刃の詳細図であり、(ニ)は螺旋羽根先端へ接着された本発明の掘削刃の作用を示す説明図である。
【図15】本発明の螺旋羽根先端の掘削刃と鋼管先端との接着位置を示す説明図である。
【図16】本実施形態の羽根の厚さを示す説明図である。
【図17】本実施形態の羽根の厚さを示す説明図である。
【図18】(a),(b),(c)はそれぞれ本発明の第2実施形態の羽根の平面図、立面図、側面図であり、(d),(e)は、それぞれ図18(a)のC−C断面図、D−D断面図である。
【図19】(a),(b)は、第2実施形態の縦断側面図と底面図である。
【図20】第2実施形態の斜視図である。
【図21】従来技術1、2、3の概念図である。
【図22】従来技術1の説明図である。
【図23】従来技術3の説明図である。
【図24】従来技術3の開口部の作用を示す説明図である。
【図25】従来技術3の閉じ板を示す説明図である。
【図26】従来技術3の底板に設けた掘削刃の説明図である。
【図27】同じく従来技術3の底板に設けた掘削刃の説明図である。
【図28】従来技術3の他の例を示す説明図である。
【図29】従来技術3の他の例の円形鋼板で螺旋羽根を形成する説明図である。
【図30】同じく従来技術3の他の例の、切り込みを示す説明図である。
【図31】従来技術3の羽根と杭軸部のなす角度を示す説明図である。
【図32】同じく従来技術3の羽根と杭軸部のなす角度を示す説明図である。
【図33】従来技術3の閉塞部材を示す説明図である。
【図34】貫入のメカニズムの説明図である。
【図35】従来技術の羽根と杭軸との角度を示す説明図である。
【図36】従来技術において、羽根と杭軸を直角にした場合に、亀裂が発生する現象の説明図である。
【図37】同じく従来技術において、羽根と杭軸を直角にした場合に、亀裂が発生する現象の説明図である。
【図38】従来の施工機械を示す図である。
【図39】本発明に使用する施工機械を示す図である。
【符号の説明】
1 鋼管杭
2 鋼管(鋼管杭本体)
2a 鋼管の内径
3 螺旋羽根
3a 羽根の外周部分
3b 2枚重ねの羽根
3c,3d,3e 鋳造製の羽根
4 切り込み
5 螺旋の終端
6 螺旋の始端
7 段差部(開口部)
8 切削内刃
9 切削外刃
10 閉じ板
11 隅角部
12 亀裂
13 小口面
14 掘削刃
15 頂部
16 山形状先端
17 傾斜面
18 掘削刃
19 ナイフ状の傾斜面
20 掘削刃
22 鋼管(鋼管杭本体)
23 螺旋羽根
24 掘削刃
25 土砂進入孔
26 切り込み
27 閉じ板
28 掘削刃
29 底板
32 鋼管(鋼管杭本体)
33 螺旋羽根
34 切り込み
35 閉じ板
36 開口部
42 鋼管(鋼管杭本体)
43 螺旋羽根
53 螺旋羽根
56 切り込み
70 チュービング装置
73 回転杭
73b 掘削羽根
74 チャックカラー
75 ケーシングチューブ回転装置
78 チャック装置
a : 羽根始端外周(始端の角度=0のとき)
b : 羽根始端と杭鋼管の接点
c : 羽根始端と杭中心に最も近い点
a’ : 羽根終端外周
b’ : 羽根終端と杭鋼管の接点
c’ : 羽根終端と杭中心に最も近い点
ac : 羽根始端における半径方向の切り込み面
a’c’: 羽根終端における半径方向の切り込み面
R1 : 反力
R2 : 反力

Claims (9)

  1. 螺旋形状に切り欠いた先端を有する鋼管杭本体と、その螺旋形状に対応した形状で鋼管杭本体の先端に固着された螺旋状の羽根とからなり、鋼管杭本体の周方向に回転駆動されて地盤中に埋設される羽根付き回転貫入鋼管杭において、前記羽根が円盤状部材から形成され、鋼管杭本体先端の中空部を、平面的に視た場合にほぼ閉塞して固着され、羽根の始端と終端を平行に形成し、前記鋼管杭本体の外周よりも外側に突出した羽根の部分と、鋼管杭本体の軸とのなす角度がほぼ直角であり、
    前記羽根が円盤状鋼板の外周上の一点から該鋼板の中心を通り、羽根と鋼管杭本体内周との接触位置付近に及ぶ直線状の切り込みを有して、曲げ加工により螺旋状に形成され、
    前記切り込みによって、羽根の始端と終端とを形成する両切り込み面のうち、羽根始端と杭鋼管との接点から該鋼管の中心までの部分と、羽根終端と杭鋼管との接点から該鋼管の中心までの部分を互いに平行にして段差が設けられてなることを特徴とする回転貫入鋼管杭。
  2. 螺旋形状に切り欠いた先端を有する鋼管杭本体と、その螺旋形状に対応した形状で鋼管杭本体の先端に固着された螺旋状の羽根とからなり、鋼管杭本体の周方向に回転駆動されて地盤中に埋設される羽根付き回転貫入鋼管杭において、前記羽根が円盤状部材から形成され、鋼管杭本体先端の中空部を、平面的に視た場合にほぼ閉塞して固着され、羽根の始端と終端を平行に形成し、前記鋼管杭本体の外周よりも外側に突出した羽根の部分と、鋼管杭本体の軸とのなす角度がほぼ直角であり、
    前記羽根が円盤状鋼板の外周上の一点から該鋼板の中心を通り、羽根と鋼管杭本体内周との接触位置付近に及ぶ直線状の切り込みを有して、曲げ加工により螺旋状に形成され、
    前記切り込みによって、羽根の始端と終端とを形成する両切り込み面のうち、前記外周上の一点から該鋼管の中心までの部分を平行にして段差が設けられてなることを特徴とする回転貫入鋼管杭。
  3. 請求項1又2に記載の形状を鋳造によって形成することを特徴とする回転貫入鋼管杭。
  4. 前記羽根の厚さを、羽根に生じる曲げモーメント分布に対応させて半径方向に変化させてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の回転貫入鋼管杭。
  5. 前記羽根の外径が鋼管杭本体の外径の1.5倍〜3倍であり、螺旋の始端と終端の段差が同外径の0.3倍〜0.5倍であり、鋼管杭本体を先端から見上げたときの、始端と終端の鋼管本体の外周から外側に突出した部分における平面的に視た場合の開き角度が0度〜180度であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の回転貫入鋼管杭。
  6. 螺旋状に切断した鋼管先端部の始終端の段差部分を円弧状に形成したことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の回転圧入鋼管杭。
  7. 螺旋状羽根の先端の小口面に、螺旋状羽根の回転進行方向に対して抵抗が少なくなるような傾斜面を設け、その小口面又は傾斜面に掘削刃を溶接などの方法で接着し、羽根下面と掘削刃の下面のなす角度を、略135°〜170°としたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の回転圧入鋼管杭。
  8. 掘削刃を、羽根先端の小口面又は傾斜面と羽根下面の両面にまたがるような形状に形成して接着したことを特徴とする請求項7に記載の回転圧入鋼管杭。
  9. 螺旋状羽根のピッチに対応する凹溝を設けたチャックカラー又はチャック部材を有するチュービング装置を地盤上の所定位置に設置し、請求項1〜8のいずれかに記載の、先端に螺旋状の羽根を固着した回転貫入鋼管杭を吊り上げ、吊り上げた前記回転貫入鋼管杭先端の螺旋羽根を前記チャックカラー又はチャック部材の凹溝に挿入・回転することによって通過させ、鋼管杭軸部を前記チャックカラー又はチャック部材によって締め付けて把持し、該チャックカラー又はチャック部材をチュービング装置中の回転装置により回転させ、鋼管杭を回転駆動して地盤中に埋設することを特徴とする回転貫入鋼管杭の施工方法。
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