JP4055719B2 - 電子機器用筐体およびこの電子機器用筐体を備えたプロジェクタ - Google Patents
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Description
また、単純なボルトとナットの螺合であるため、使用者が傾き調整用の脚部を一番奥まで没入させた状態でプロジェクタを収納することがある。このため、次に使用する際に、固定脚部との関係で突出量を再度調整する必要があり、プロジェクタの使用上の不便性がある。
さらに、このようなプロジェクタを製造後、梱包して出荷する場合に、傾き調整用の脚部にスペーサ等を噛ませ、固定脚部の突出量に合わせ、内部でがたつかないようにする必要があり、梱包作業時の不要な手間がかかるという問題がある。
また、ボス内面に形成されたねじ山は、脚部の進退方向から見て孔の円周上で重ならない範囲とされているので、ボス内面にねじ山を容易に形成することができる。
本発明によれば、脚部の軸部が収納されるボスは、筐体本体と一体成形されるので、電子機器用筐体の部品点数を削減することができるとともに、電子機器用筐体の製造工程を簡素化することができる。すなわち、ボス内面に形成されたねじ山は、脚部の進退方向から見て、孔の円周上で重ならない範囲とされているので、合成樹脂製の筐体本体を射出成形等により成形する際に、成形型同士の接触部分でねじ山を形成させるようにすることができ、成形型の剥離を容易に行うことができる。従って、電子機器用筐体の成形工程の簡素化を図ることができる。
本発明によれば、円周方向の長さ寸法の大きい第1の部分の内面にねじ山が形成されているので、脚部の軸部に形成されたねじ溝と螺合する第1の部分のねじ山を大きく形成でき、脚部が安定して筐体本体を軸支することができる。
また、第2の部分は第1の部分から分離しているので、第2の部分にボスの直径方向の可撓性を持たせることができる。ここで、第2の部分には突起が形成されており、ボス内に脚部が収納された際に、第2の部分はボスの直径方向外側に撓むとともに、突起を介して、脚部の軸部に内向きに圧力を加えることとなる。一方、脚部を所定量回動させ、脚部のねじ溝に形成された凹部が突起に嵌合された場合では、この圧力が解消するので、該圧力の有無により、脚部の回動においてクリック感を生じさせることができる。従って、脚部の突出量の基準位置を一層容易に把握することができる。
本発明によれば、谷の深いねじ溝に、ボス内面に形成されたねじ山が螺合するので、脚部の軸部がボス内に収納される際に、これら谷の深いねじ溝とねじ山とを確実に螺合させることができ、かつ、ねじ溝とねじ山との噛み合わせが深くなるので、筐体本体を安定して軸支することができる。
また、凹部が形成された谷の浅いねじ溝に、ボス内面に形成された突起が螺合するので、脚部の所定量の回動によるねじ溝の凹部と突起と嵌合が確実に行われるようにすることができる。
本発明によれば、前述の脚部が電子機器用筐体の投写方向の後方に設けられていることにより、光学像の投写方向を調整しやすくすることができる。すなわち、プロジェクタの投写方向前方は、投写される光学像がスクリーン上に位置するように、煽り方向を調整しなければならず、この煽り方向の角度は一様ではない。しかしながら、プロジェクタの水平位置が脚部の突出量の基準位置として設定された脚部を、プロジェクタの投写方向後方に設けることにより、プロジェクタの水平方向の傾き調整を容易にして、光学像の投写方向調整を簡易に行うことができる。
〔1.プロジェクタの主な構成〕
図1は、本実施形態に係るプロジェクタ1を上方から見た全体斜視図、図2は、プロジェクタ1を下方から見た全体斜視図、図3〜図5は、プロジェクタ1の内部を示す斜視図である。具体的に、図3は、図1の状態からプロジェクタ1のアッパーケース21を外した図、図4は、図3の状態からシールド板80およびドライバーボード90等を外して後方側から見た図、図5は、図4の状態から光学ユニット4を外した図である。
上面部211の前方側には、ランプカバー24が嵌め込み式で着脱自在に取り付けられている。また、上面部211において、ランプカバー24の側方には、投写レンズ46の上面部分が露出した切欠部211Aが設けられ、投写レンズ46のズーム操作、フォーカス操作を、レバーを介して手動で行えるようになっている。この切欠部211Aの後方側には、操作パネル25が設けられている。
底面部231の前方側には、プロジェクタ1の前後方向での傾きを調整して投写画像の位置合わせを行う第1姿勢調整機構27が設けられている。また、底面部231後方側の一方の隅部には、前後方向と略直交する左右方向でのプロジェクタ1の傾きを調整する第2姿勢調整機構28が設けられ、他方の隅部には、位置を調整することはできないが、第2姿勢調整機構28に対応した固定脚であるリアフット231Aが設けられている。なお、第2姿勢調整機構28については、後に詳述する。
さらに底面部231には、冷却空気の吸気口231Bが設けられている。
一方の側面部232には、コ字形のハンドル29を回動自在に取り付けるための取付部232Aが設けられている。
また、外装ケース2の背面側には、インターフェースカバー213およびロアーケース23の背面部233に跨った凹部からなるインターフェース部2Bが設けられ、このインターフェース部2Bの内部側には、種々のコネクタが実装された図示略のインターフェース基板が配置されるようになっている。また、インターフェース部2Bの左右両側には、インターフェースカバー213およびロアーケース23の背面部233に跨ってスピーカ孔2Cおよび吸気口2Dが設けられている。このうちの吸気口2Dは、内部の電源ユニット3の後方側に位置している。
電源31は、電源ケーブルを通して供給された電力をランプ駆動回路32やドライバーボード90(図3)等に供給するものであり、前記電源ケーブルが差し込まれるインレットコネクタ33(図2)を備えている。
ランプ駆動回路32は、電力を光学ユニット4の光源ランプ411に供給するものである。
図4および図6に示すように、インテグレータ照明光学系41は、電気光学装置44を構成する3枚の液晶パネル441(赤、緑、青の色光毎にそれぞれ液晶パネル441R、441G、441Bと示す)の画像形成領域をほぼ均一に照明するための光学系であり、光源装置413と、第1レンズアレイ418と、第2レンズアレイ414と、偏光変換素子415と、第1コンデンサレンズ416と、反射ミラー424と、第2コンデンサレンズ419とを備えている。
この光源装置413が、本実施形態の重要な部分であり、後に詳述する。
そこで、偏光変換素子415を用いることにより、光源ランプ411からの出射光を全て1種類の偏光光に変換し、電気光学装置44での光の利用効率を高めている。なお、このような偏光変換素子415は、たとえば特開平8−304739号公報に紹介されている。
この光学部品用筐体47は、前述の各光学部品414〜419、421〜423、431〜434を上方からスライド式に嵌め込む溝部がそれぞれ設けられた部品収納部材471と、部品収納部材471の上部の開口側を閉塞する蓋状の図示しない蓋状部材とで構成されている。
また、光学部品用筐体47の光出射側にはヘッド部49が形成されている。ヘッド部49の前方側に投写レンズ46が固定され、後方側に液晶パネル441R、441G、441Bが取り付けられたプリズム45が固定されている。
図7は、第2姿勢調整機構28の構造を示す分解図である。また、図8は、第2姿勢調整機構28を構成するボス91の分解図である。
第2姿勢調整機構28は、図7に示すように、筐体本体であるロアーケース23内面に形成されたボス91と、このボス91に回動自在に収納され、回動に伴ってロアーケース23の底面部231から進退する脚部であるフット部材92とを備えている。
ボス91は、ロアーケース23の内外を連通する図示しない孔を囲むように、ロアーケース23内に一体成形された略円筒状部分である。このボス91は、前述の孔を介してフット部材92が収納されるボス本体91Aと、このボス本体91Aをロアーケース23に安定させる台座部91Bとを備えている。このうち、台座部91Bは、ボス本体91Aの周囲を囲むように形成され、ボス本体91Aと、ロアーケース23とを接続するように補強用のリブ91B1が略同じ間隔で4箇所に形成されている。
第1部分911は、第2部分912に比べ、前述の孔を囲む円周方向の弧の長さ寸法が大きくなるように形成されている。この第1部分911の内面には、一本のねじ山911Aが形成されている。詳述すれば、このねじ山911Aは、ボス91の軸方向、すなわち、フット部材92の進退方向から見たときに、孔の円周上で重ならない範囲で形成されている。
第2部分912には、第1部分911に形成されたねじ山911Aより上方に、半球形状の突起912Aが形成されている。この突起912Aは、第1部分911に形成されたねじ山911Aを第2部分912に延長してできる仮想のねじ山に対するねじ溝上に形成されている。なお、この第2部分は、可撓性を有しており、ボス91の軸方向から見た場合の直径方向に外側に撓むことが可能である。
また、第1部分911に形成されたねじ山911Aは、ボス91の軸方向から見たときに、孔の円周上で重ならない範囲で形成されているので、ロアーケース23の成形時に成形型の剥離を容易にすることができるので、ロアーケース23の製造を一層簡易に行うことができる。
軸部922は、ボス91内部に軸方向回動自在に収納される部分であり、この軸部922の外周には、軸方向に沿ってねじ溝SSが形成されている。この軸部922の軸方向の寸法は、ボス本体91Aの軸方向の寸法より長く形成されている。
抜け止め部923には、軸部922の上端から軸部922形成方向に突出し、その先端部分で突出方向に略直交する方向に、軸部922の外径寸法より長くなるように延出した2つのL字部923Aが設けられている。これらL字部923Aは可撓性を有し、ボス91内に軸部922を収納する際に内側に撓み、L字部923Aがボス本体91A上端に達したときに撓みが解消される。これにより、フット部材92がボス91から抜け出ることが防がれる。
軸部922の外周には、前述のねじ溝SSとねじ山STが形成されている。このねじ溝SSは、谷径寸法の小さいねじ溝SS1と、谷径寸法の大きいねじ溝SS2との2本のねじ溝により構成されている。すなわち、ねじ溝SSは、谷の深いねじ溝SS1と、谷の浅いねじ溝SS2とにより形成されている。
また、ねじ溝SS1は、ねじ溝SS2より谷が深いので、このねじ溝SS1にボス91のねじ山911Aを螺合させることにより、ねじ溝SS1とねじ山911Aとの噛み合わせが深くなり、ロアーケース23を安定して軸支することができ、プロジェクタ1の姿勢を安定して調整することができる。
凹部922Aには、突起912Aが嵌合する。このため、凹部922Aは、略半球形状に形成された突起912Aの形状に合わせて、半球形状に凹んで形成されている。この凹部922Aは、この凹部922Aに突起912Aが嵌合した場合に、水平な被設置面上にプロジェクタ1を設置し、プロジェクタ1が水平となる位置に形成されている。これにより、凹部922Aが突起912Aと嵌合した位置を、プロジェクタ1が水平となるフット部材92の突出量の基準位置とすることができ、この基準位置を凹部922Aと突起912Aとの嵌合により確認することができる。
また、このねじ溝SS2は、谷が浅く形成されているので、突起912Aとねじ溝SS2とが深く螺合することがない。このため、軸部922の螺進螺退が妨げられることを抑えることができる。
本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記実施形態では、第2姿勢調整機構28を構成するボス91は、ロアーケース23と一体成形されるとしたが、ボス91を別部材としてロアーケース23に接着剤等により取り付ける構成であってもよい。この場合、ロアーケース23の成形後に孔を設け、その孔から挿通されるフット部材92を収納するようにボス91を取り付ければよい。なお、ボス91をロアーケース23と一体成形することにより、前述のように、プロジェクタ1の構成部品点数を削減できるほか、第2姿勢調整機構28の形成を簡易に行うことができる。
また、ロアーケース23および第2姿勢調整機構28は、合成樹脂製としたが、これに限らず金属製としてもよい。なお、金属製とすれば、高い強度を保持することができ、合成樹脂製とすれば、これらの一体成形が可能であり、ケース製造を簡易に行うことができるだけでなく、軽量化を図ることができる。
また、光変調装置として液晶パネル441を用いたが、マイクロミラーを用いたデバイスなど、液晶以外の光変調装置を用いてもよい。
さらに、前記各実施形態では、液晶パネルに、光入射面と光射出面とが異なる透過型の液晶パネルを用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の液晶パネルを用いてもよい。
Claims (6)
- 電子機器を収納する筐体本体と、この筐体本体の面から進退可能に設けられ、被設置面に設置された際に前記電子機器の傾きを調整する脚部が設けられた電子機器用筐体であって、
前記筐体本体は、該筐体本体内面に突出形成され、内面に該筐体本体内外を連通する孔が形成されたボスを有し、
前記脚部は、前記電子機器用筐体から露出し、前記被設置面に当接される接地部と、前記ボス内に収納され、外周面にねじ溝が形成された軸部とを備え、
前記軸部のねじ溝の一部には凹部が形成され、
前記ボスの内面には、前記軸部のねじ溝と螺合し、前記脚部の進退方向からみた際に前記孔の円周上で重ならない範囲に形成されたねじ山と、前記軸部が前記ボス内面に対して所定量回動した際に、前記凹部に嵌合する突起とが形成されていることを特徴とする電子機器用筐体。 - 請求項1に記載の電子機器用筐体において、
前記ボスおよびその内面に形成されたねじ山は、合成樹脂からなる前記筐体本体と一体成形されていることを特徴とする電子機器用筐体。 - 請求項1または請求項2に記載の電子機器用筐体において、
前記ボスは、突出方向に延びる2つの切り欠き溝によって、第1の部分および第2の部分に分割され、
前記ボスの孔を囲む円周方向の長さ寸法は、前記第1の部分が前記第2の部分よりも大きく形成され、
前記第1の部分の内面には前記ねじ山が形成され、前記第2の部分の内面には前記突起が形成されていることを特徴とする電子機器用筐体。 - 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電子機器用筐体において、
前記軸部のねじ溝は、谷深さが異なる2つのねじ溝が形成された二条ねじ溝であり、
前記2つのねじ溝のうち、谷の深いねじ溝が前記ボス内面のねじ山と螺合し、
谷の浅いねじ溝には、前記凹部が形成されていることを特徴とする電子機器用筐体。 - 光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、形成された光学像を拡大投写するプロジェクタであって、
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電子機器用筐体を備えたことを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項5に記載のプロジェクタにおいて、
該プロジェクタの投写方向を前方としたときに、前記脚部は、前記電子機器用筐体の後方に設けられる脚部であることを特徴とするプロジェクタ。
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