JP4054734B2 - トナー、画像形成方法及びプロセスカートリッジ - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法の如き画像形成方法において形成される静電荷像の現像に用いるイエロートナー及び該イエロートナーを使用するフルカラー画像形成方法に関するものである。
フルカラー複写機においては、四つの像担持体と無端形状の中間転写体を有し、各像担持体上にそれぞれ静電荷像を形成し、形成された静電荷像をシアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー及びブラックトナーを用い、減色混合作用を利用して各色のトナーを重ね合わせることで現像し、現像により形成された各色のトナー画像をOHPシートや普通紙等の転写材上に最終的に重ね合わせて転写し、転写材上に重ね合わせたトナー画像を転写材に定着させることで所望のカラー画像を形成している。
高品質なカラー画像を得るためには、色再現性、透明性及び耐光性に優れ、また帯電特性が湿度によらず安定なカラートナーが要求される。
特にトナーの透明性が悪い場合には、混色した際に上部のトナー層が下部のトナー層の色を妨げ、目的の色彩を得ることができない。さらに、トナーの透明性が悪い場合には、オーバーヘッドプロジェクター(OHP)用のシートに画像を形成し、その画像をOHPで投影した際にも投影画像の色度が変化し、目的の色彩を得られなくなる。特にイエロートナーについては、その色相角の変化に対する人間の感度が高く、透過光の色度変化が感じられやすい。
またイエロートナーの場合には、トナー表面に存在する着色剤の影響により、低湿環境下で放置された際に帯電量が過剰となるチャージアップ現象が起こり、その結果画像濃度が低下するという問題が生じやすい。
着色剤として顔料を用いた場合、トナー中で顔料は粒径が数十nm乃至数百nmの二次粒子として分散するため、耐光性に優れるが透明性に問題が生じる。また、着色剤として染料を用いた場合には、染料は分子状態でトナー中に分散するため透明性に優れるが、耐光性は分子の構造に大きく依存する。
このような観点から、耐光性が高くかつ透明性の高い着色剤として、下記式(1)に示した構造を有する染料を用いる方法が提案されている(例えば、特許文献1及び2を参照)。
Figure 0004054734
しかしながら、本発明者等の検討では、上記従来の方法でトナーを調製した場合、透明性や発色性には優れるものの、トナー表面に染料が多く存在するためトナーの帯電性に対する影響が大きく、白抜けなどの画像欠陥が生じるという問題がある。ここで白抜けとは、画像上でハーフトーン部とベタ部が交互に並んで存在する場合に、境界付近のハーフトーン部においてトナーが現像されず、白く抜けが生じる画像欠陥である。また上記従来の方法でトナーを調製した場合、低湿環境下で使用した際にチャージアップが起こり、画像濃度が低下するという問題がある。
特開平8−110653公報 特開2002−49180公報
本発明の目的は、従来の上記技術における問題点を解決し、白抜けや低湿環境下での濃度低下が生じにくく、色再現性、発色力、透明性及び耐光性が良好であるイエロートナー、このイエロートナーを用いる画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することにある。
本発明は、結着樹脂としてポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有するハイブリッド樹脂を含有し、
着色剤として下記式(1)で表される染料を含有することを特徴とするイエロートナーに関する。
Figure 0004054734
さらに本発明は、像担持体に第一の静電荷像に担持させ、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー及びブラックトナーからなるグループから選択される第一のトナーで第一の静電荷像を現像して第一のトナー画像を像担持体上に形成し、中間転写体を介して又は介さずに前記第一のトナー画像を転写材に転写し、像担持体に第二の静電荷像に担持させ、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー及びブラックトナーからなるグループから選択される、前記第一のトナー以外の第二のトナーで第二の静電荷像を現像して第二のトナー画像を像担持体上に形成し、中間転写体を介して又は介さずに前記第二のトナー画像を転写材に転写し、像担持体に第三の静電荷像を形成し、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー及びブラックトナーからなるグループから選択される、前記第一のトナー及び前記第二のトナー以外の第三のトナーで第三の静電荷像を現像して第三のトナー画像を像担持体上に形成し、中間転写体を介して又は介さずに前記第三のトナー画像を転写材に転写し、像担持体に第四の静電荷像を形成し、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー及びブラックトナーからなるグループから選択される、前記第一のトナー、前記第二のトナー及び前記第三のトナー以外の第四のトナーで第四の静電荷像を現像して第四のトナー画像を像担持体上に形成し、中間転写体を介して又は介さずに前記第四のトナー画像を転写材に転写し、転写材上のシアントナー画像、マゼンタトナー画像、イエロートナー画像及びブラックトナー画像を加熱定着することにより、転写材にフルカラー画像を形成する画像形成方法において、イエロートナーには、前述した本発明のイエロートナーを用いる画像形成方法に関する。
また、本発明は、静電荷像を担持するための像担持体と、この像担持体にトナーを供給して像担持体が担持する静電荷像を現像する現像手段とを一体的に有し、かつ像担持体に静電荷像を形成し、この静電荷像を現像手段によって現像する画像形成装置の本体に着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、トナーには、前述した本発明のトナーを用いるプロセスカートリッジに関する。
本発明のイエロートナーは、結着樹脂としてポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有するハイブリッド樹脂を含有し、着色剤として前記式(1)で示される染料を含有することから、白抜けや低湿環境下での濃度低下が生じにくく、色再現性、発色力、透明性及び耐光性が良好であるイエロートナー、このイエロートナーを用いる画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することができる。
本発明では、トナーは着色剤として前記式(1)で表される染料を含有するが、前記式(1)で表される染料とイエロー顔料を併用すると色彩及び濃度調整の観点から効果的であり、前記式(1)で表される染料とアゾ系イエロー顔料を併用するとより一層効果的であり、前記式(1)で表される染料とモノアゾ系イエロー顔料を併用するとさらに一層効果的であり、前記式(1)で表される染料とC.I.ピグメントイエロー74を併用すると最も効果的である。
本発明では、トナーは結着樹脂としてポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有するハイブリッド樹脂を含有するが、前記ハイブリッド樹脂においてポリエステルユニットの含有率が10乃至95質量%であると、帯電特性が良好なトナーを提供する上で効果的であり、前記ハイブリッド樹脂においてポリエステルユニットの含有率が50乃至93質量%であるとより一層効果的であり、前記ハイブリッド樹脂においてポリエステルユニットの含有率が70乃至90質量%であるとさらに一層効果的である。
本発明では、トナーは結着樹脂としてポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットからなるハイブリッド樹脂を含有するが、前記ポリエステルユニットを構成する全アルコール成分中、90モル%以上が脂肪族のアルコールからなると、帯電特性が良好なトナーを提供する上で効果的である。さらに、ポリエステルユニットのジオール成分としてエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオールを全ジオール成分基準で90%以上用いた場合には、より効果的である。
本発明では、トナー結着樹脂のGPC測定によるクロマトグラムにおいて、分子量3000乃至15000の領域にピークを有し、Mw/Mnが2乃至100であると透明性の高い画像を実現する上で効果的であり、分子量5000乃至12000の領域にピークを有し、Mw/Mnが3乃至50あるとより一層効果的であり、分子量7000乃至10000の領域にピークを有し、Mw/Mnが5乃至30であるとさらに一層効果的である。
本発明では、トナーはワックスを含有し、前記ワックスは示差走査熱量計(DSC)により測定される昇温時のDSC曲線において、温度60乃至120℃の範囲に少なくとも1個の吸熱ピーク又はショルダーを有すると、透明性の高い画像を実現する上で効果的であり、温度70乃至110℃の範囲に少なくとも1個の吸熱ピーク又はショルダーを有すると、より一層効果的である。
本発明では、トナーはキャリアと混合された二成分現像剤として用いると、現像性及び耐久安定性の良好なトナーを提供する上で効果的である。その際用いるキャリアは、結着樹脂中に磁性体を分散させてなるコア剤を有し、前記コア剤表面をコート樹脂により被覆してなる磁性体分散型キャリアであり、前記コート樹脂中に少なくともフッ素系樹脂を含有すると、現像性及び耐久安定性の良好なトナーを提供する上で、より一層効果的である。
本発明では、トナーは外添剤として個数平均粒径90nm乃至500nmの粒子を含有すると現像性及び転写性の良好なトナーを提供する上で効果的である。
本発明のトナーは、着色剤として発色性及び透明性の高い特定の染料をトナーに用いる際に、白抜けや低湿環境下での濃度低下の原因となる帯電性への影響を抑制する方法として、トナー表面に存在する染料が帯電性に悪影響を及ぼすことに着目し、結着樹脂としてポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットからなるハイブリッド樹脂を用いた場合に、染料の大部分はビニル重合体ユニットよりもポリエステルユニット部分に選択的に存在し、またトナー原料の溶融混練物を粉砕した際には、比較的機械的せん断力に弱いビニル系重合体ユニット部分が粉砕界面となりやすいため、結果的にトナー表面に存在する染料の量が抑えられ、帯電特性が良く白抜けや低湿環境下での濃度低下が生じにくいトナーが得られることを見いだした。
本発明のトナーは、着色剤として前記式(1)で表される染料を含有するものである。この染料を単独で用いても良いが、色彩及び濃度調整の観点からイエロー顔料を併用することが好ましい。その場合用いられるイエロー顔料としてはいかなる物を用いても良いが、例えばC.I.ピグメントイエロー12、13、14、17、62、74、83、93、94、95、97、120、128、129、151、154、155、166、167、180、191等のアゾ系イエロー顔料が好ましい。より好ましくは、C.I.ピグメントイエロー62、74、97、120、129、151、154、167等のモノアゾ系イエロー顔料を用いる場合であり、さらに好ましくはC.I.ピグメントイエロー74を用いる場合である。
本発明のトナーに用いるハイブリッド樹脂は、ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットからなるが、そのうちポリエステルユニットの含有率が10乃至95質量%であることが好ましく、より好ましくは50乃至93質量%の場合であり、さらに好ましくは70乃至90質量%の場合である。ポリエステルユニットの含有率が10質量%未満又は95質量%超となる場合には、トナーの帯電特性が悪化することがあり好ましくない。
本発明のトナーに用いるハイブリッド樹脂は、以下の(1)〜(6)に示す方法で製造することができる。
(1)ビニル系重合体ユニット製造後に、これの存在下にポリエステルユニット及びハイブリッド樹脂を製造する方法である。ハイブリッド樹脂は、ビニル系重合体ユニット(必要に応じてビニル系モノマーも添加できる)とポリエステル系のモノマー(アルコール、カルボン酸)及びポリエステルの少なくともいずれか一方との反応により製造される。この場合も適宜、有機溶剤を使用することができる。
(2)ポリエステルユニット製造後に、これの存在下にビニル系重合体ユニット及びハイブリッド樹脂を製造する方法である。ハイブリッド樹脂は、ポリエステルユニット(必要に応じてポリエステルモノマーも添加できる)とビニル系のモノマー及びビニル系重合体ユニットの少なくともいずれか一方との反応により製造する。この場合も適宜、有機溶剤を使用することができる。
(3)ビニル系重合体ユニット及びポリエステルユニットを製造後、これら重合体ユニット存在下に、ビニル系のモノマー及びポリエステル系のモノマー(アルコール、カルボン酸)の少なくともいずれか一方を添加し、反応させることによりハイブリッド樹脂を製造する方法である。この場合も適宜、有機溶剤を使用することができる。
(4)ハイブリッド樹脂を製造後、このハイブリッド樹脂の存在下にビニル系のモノマー及びポリエステル系のモノマー(アルコール、カルボン酸)の少なくともいずれか一方を添加して、付加重合及び縮重合反応のいずれか適当な反応を行うことにより、ビニル系重合体及びポリエステルの少なくともいずれか一方を含有するハイブリッド樹脂が製造する方法である。この場合、ハイブリッド樹脂は、上記(1)乃至(3)の製造方法により製造されるものを使用することもでき、必要に応じて公知の製造方法により製造されたものを使用することもできる。この場合も適宜、有機溶剤を使用することができる。
(5)ビニル系のモノマー及びポリエステル系のモノマー(アルコール、カルボン酸等)を混合して、付加重合及び縮重合反応を連続して行うことにより、ビニル系重合体ユニット、ポリエステルユニット及びハイブリッド樹脂を製造する方法である。この場合も適宜、有機溶剤を使用することができる。
上記(1)乃至(5)の製造方法において、ビニル系重合体ユニット及びポリエステルユニットには、複数の異なる分子量、架橋度を有する重合体ユニットを使用することができる。
ハイブリッド樹脂の存在は、13C−NMRチャートにおいて、ポリエステルユニット及びビニル系重合体ユニットのいずれのユニットにも帰属しない新たなピークの出現により確認することができる。以下にビニル系重合体としてスチレンとアクリル酸エステルを用いた場合の測定結果の一例を表1に示す。
Figure 0004054734
本発明のトナーに含有されるハイブリッド樹脂のポリエステルユニットには、アルコールとカルボン酸、もしくはカルボン酸無水物、カルボン酸エステル等を原料モノマーとして使用できる。
具体的には、二価アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンの如きビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールAが挙げられる。
三価以上のアルコール成分としては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸類又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6〜12のアルキル基もしくはアルケニル基で置換されたコハク酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物;が挙げられる。
それらの中でも、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオール及びポリオキシプロピレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノール誘導体をジオール成分とし、二価以上のカルボン酸又はその酸無水物、又はその低級アルキルエステルとからなるカルボン酸成分(例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸)を酸成分として、これらを縮重合したポリエステルユニットを用いた場合、トナーの表層に存在するポリエステルユニットの割合が低くなり、帯電特性の点から好ましい。さらに好ましくは、ポリエステルユニットのジオール成分としてエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオールを全ジオール成分基準で90%以上用いた場合である。
本発明のトナーに含有されるハイブリッド樹脂のポリエステルユニットの製造時に用いる触媒としては、ジオクチルスズオキシド、モノブチルスズオキシド、ジブチルスズオキシド等のスズ含有触媒;テトラエチルチタネート、テトラプロピルチタネート、アセチルトリプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、テトラヘキシルチタネート、2−エチルヘキシルチタネート、ポリブチルチタネート等のアルキルチタネート;チタンジクロロチタン、トリクロロチタン、テトラクロロチタン、トリフルオロチタン、テトラフルオロチタン等のハロゲン化チタン;チタンアセチルアセトナート、チタンジイソプロポキシドビスアセチルアセトナート、チタニルアセチルアセトナート等のチタンジケトンエノレート;脂肪族モノカルボン酸チタン、脂肪族ジカルボン酸チタン、脂肪族トリカルボン酸チタン、4価以上の脂肪族ポリカルボン酸チタン、芳香族カルボン酸チタン等のカルボン酸チタン類;などが挙げられる。
本発明のトナーに含有されるハイブリッド樹脂のビニル系重合体ユニットを生成するためのビニル系モノマーとしては、スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレンの如きスチレンの誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如き不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニルデン、臭化ビニル、フッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸−2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体が挙げられる。
さらに、ビニル系樹脂成分のモノマーとしては、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、該α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカルボキシル基を有するモノマーが挙げられる。
さらに、ビニル系樹脂成分のモノマーとしては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモノマーが挙げられる。
上記のビニル系樹脂或いはハイブリッド樹脂のビニル系重合体ユニットは、ビニル基を二個以上有する架橋剤で架橋された架橋構造を有していてもよい。用いられる架橋剤は、芳香族ジビニル化合物として例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンが挙げられ;アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として例えば、ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられる。
多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテートが挙げられる。
ビニル系重合体ユニットの分子量分布を調整するために、分子量調整剤を用いることが好ましい。分子量調整剤としては、一般的にRSH(R:アルキル基)で表されるメルカプタン類、例えばt−ドデシルメルカプタン等、或いは、α−メチルスチレン、α−メチルスチレンダイマー、α−メチルスチレンオリゴマー類が挙げられる。
前記のハイブリッド樹脂のビニル系重合体ユニットを製造する場合に用いられる重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−カーバモイルアゾイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドの如きケトンパーオキサイド類、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ(t−ブチル)パーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(n−プロピル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエイト、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエイト、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエイト、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ(t−ブチル)パーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ(t−ブチル)パーオキシヘキサハイドロテレフタレート、ジ(t−ブチル)パーオキシアゼレートが挙げられる。
上記ハイブリッド樹脂中のビニル系重合体成分及びポリエステル樹脂成分の少なくともいずれか一方は、両樹脂の成分と相互に反応し得るモノマー成分を含むことが好ましい。ポリエステル樹脂成分を構成するモノマーのうちビニル系重合体と反応し得るものとしては、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又はその無水物が挙げられる。ビニル系重合体成分を構成するモノマーのうちポリエステル樹脂成分と反応し得るものとしては、カルボキシル基又はヒドロキシ基を有するものや、アクリル酸もしくはメタクリル酸エステルが挙げられる。
本発明のトナーの結着樹脂は、GPC測定によるクロマトグラムにおいて、分子量3000乃至15000の領域にピークを有し、Mw/Mnが2乃至100となるものであるが、好ましくは分子量5000乃至12000の領域にピークを有し、Mw/Mnが3乃至50となる場合であり、より好ましくは分子量7000乃至10000の領域にピークを有し、Mw/Mnが5乃至30となる場合である。もし、分子量3000乃至15000の領域にピークを有さないか、またはMw/Mnが2未満、100超となる場合には、定着画像の光沢度が低下し、画像の彩度が低下する場合があり好ましくない。
本発明のトナーの結着樹脂は、THF不溶分を全樹脂成分基準で30質量%以下含有することが好ましいが、より好ましくはTHF不溶分を全樹脂成分基準で5乃至25質量%含有する場合であり、さらに好ましくはTHF不溶分を全樹脂成分基準で10乃至20質量%含有する場合である。もし、THF不溶分を全樹脂成分基準で30質量%超含有する場合には、トナー定着画像の表面に凹凸が生じ、画像の光沢度が低下するため彩度が低下する場合があり好ましくない。
本発明のトナーには、必要に応じて他の顔料や染料を配合してもよい。また、後述する本発明の画像形成方法では、本発明のトナーと他の色のトナーを組み合わせて用いるが、このとき他の色のトナーに用いることができる着色剤の例を以下に示す。
例えばマゼンタ着色剤としては、顔料を単独で使用しても良く、また顔料と染料を併用しても良い。マゼンタ顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、49、50、51、52、53、54、55、57、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、163、202、206、207、209、238、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35等が挙げられる。また、マゼンタ染料としては、C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121、195、C.I.ディスパースレッド9、53、55、59、60、C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27、C.I.ディスパースバイオレット1の如き油溶染料;C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40、C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28の如き塩基性染料が挙げられる。
例えばシアン着色剤としては、C.I.ピグメントブルー2、3、15、16、17、C.I.アシッドブルー6、C.I.アシッドブルー45、C.I.ソルベントブルー70、C.I.ディスパースブルー60又はフタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料等が挙げられる。
例えばブラック用着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、上記に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を2種以上組み合わせて用い、黒色に調色されたもの等が利用できる。
各色のトナーが含有する着色剤量は、結着樹脂100質量部に対して1乃至15質量部であることが好ましく、2乃至12質量部であることがより好ましく、3乃至10質量部であることがさらに好ましい。着色剤の含有量が15質量部より多い場合には、透明性が低下し、加えて人間の肌色に代表されるような中間色の再現性も低下し易くなり、さらにはトナーの帯電性の安定性が低下し、目的とする帯電量が得られにくくなる。また、着色剤の含有量が1質量部より少ない場合には、トナーの着色力が低く、高品位な画像を得られないため好ましくない。
本発明のトナー中にはワックスを含有させても良い。その場合ワックスは示差走査熱量計(DSC)により測定される昇温時のDSC曲線において、温度60乃至120℃の範囲に少なくとも1個の吸熱ピーク又はショルダーを有するものが好ましいが、より好ましくは温度70乃至110℃の範囲に少なくとも1個の吸熱ピーク又はショルダーを有する場合である。もし、温度60乃至120℃の範囲に少なくとも1個の吸熱ピーク又はショルダーを有さない場合には、定着画像の透過度が悪化し、色再現性が低下するため好ましくない。
本発明のトナーに含有されるワックスとしては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;脂肪族炭化水素系ワックスのブロック共重合物;カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス;及び脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを一部又は全部を脱酸化したもの等が挙げられる。
さらに、前記ワックスとしては、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸の如き飽和直鎖脂肪酸;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如き飽和アルコール;ソルビトールの如き多価アルコール;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪酸金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニルモノマーをグラフト化させたグラフトワックス;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物等が挙げられる。
特に好ましく用いられるワックスとしては、パラフィンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスである。
ワックスはトナーの質量を基準として0.1〜10質量%含有させることが好ましい。ワックスの量が0.1質量%未満の場合は、特に定着オイルの塗布量を減らした場合もしくは全く使用しない場合の離型効果が得られないことがあり、10質量%よりも多い場合は、トナーの透明性が悪くなり、彩度を損なうことがある。
本発明は、帯電制御剤として有機金属化合物を用いることができる。本発明に使用する有機金属化合物としては、芳香族オキシカルボン酸及び芳香族アルコキシカルボン酸から選択される芳香族カルボン酸誘導体、該芳香族カルボン酸誘導体の金属化合物であることが好ましく、その金属としては、二価以上の金属原子が好ましい。二価の金属としてMg2+、Ca2+、Sr2+、Pb2+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Zn2+、Cu2+が挙げられる。二価の金属としては、Zn2+、Ca2+、Mg2+、Sr2+が好ましい。三価以上の金属としてはAl3+、Cr3+、Fe3+、Ni3+が挙げられる。これらの金属の中で好ましいのはAl3+、Cr3+であり、特に好ましいのはAl3+である。
本発明においては、有機金属化合物として、ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物が特に好ましい。
芳香族オキシカルボン酸及び芳香族アルコキシカルボン酸から選択される芳香族カルボン酸誘導体の金属化合物は、例えば、オキシカルボン酸及びアルコキシカルボン酸を水酸化ナトリウム水溶液に溶解させ、二価以上の金属原子を溶解している水溶液を水酸化ナトリウム水溶液に滴下し、加熱撹拌し、水溶液のpHを調整し、室温まで冷却した後、ろ過水洗することにより得られる。ただし、上記芳香族カルボン酸誘導体の金属化合物を得る方法は、上記の合成方法だけに限定されるものではない。
本発明のトナーにおいて、上記有機金属化合物はトナーの結着樹脂100質量部基準で5質量部以下添加することがきるが、好ましくは0.1乃至1質量部添加する場合であり、さらに好ましくは0.2乃至0.8質量部添加する場合である。もし、上記有機金属化合物の添加量が5質量部超となると、トナーの帯電性に悪影響を与え、画像欠陥が生じることがあり好ましくない。
本発明のトナーは、画質向上のため外添剤として流動性向上剤を用いることが好ましい。例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;湿式製法によるシリカ微粉末、乾式製法によるシリカ微粉末の如きシリカ微粉末、それらシリカ微粉末をシランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイルの如き処理剤により表面処理を施した処理シリカ微粉末;酸化チタン微粉末;アルミナ微粉末、処理酸化チタン微粉末、処理酸化アルミナ微粉末が挙げられる。
外添剤は数種類のものを組み合わせて用いてもよく、その場合外添剤の総量はトナー粒子100質量部に対して0.1部乃至5質量部であることが好ましい。
外添剤として、個数平均粒径が90nm以上500nm以下である粒子を添加することが好ましい。この場合、外添剤がトナー間のスペーサー粒子として機能し、トナーの現像性及び転写性に影響を及ぼすトナー粒子間の相互作用が抑えられるため、良好な画像を得られる。
外添剤は、例えばヘンシェルミキサーの如き混合機により流動性向上剤とトナー粒子とを十分混合することによって行われる。このような混合作業により、トナー粒子表面に外添剤を有するトナーを得ることができる。
本発明のトナーは一成分現像剤として用いても良いし、二成分系現像剤として用いても良い。二成分系現像剤として用いる場合、トナーは磁性キャリアと混合して使用される。磁性キャリアとしては、例えば鉄または表面酸化処理鉄、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類の如き金属粒子、それらの合金粒子、酸化物粒子及びフェライトや、磁性粒子を樹脂粒子中に分散した磁性粒子分散型樹脂キャリア等が使用でき、これらの磁性キャリアをコアとして、表面を樹脂で被覆した被覆キャリアも用いることができる。
磁性キャリアコア粒子表面への被覆樹脂としては、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロエチレン、ポリフルオロクロロエチレンの如きパーフルオロポリマー、ポリテトラフルオロエチレン、ポリパーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとトリフルオロクロルエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、フッ化ビニルとフッ化ビニリデンとの共重合体、フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンとの共重合体等のフッ素系樹脂;シリコーン樹脂;ポリエステル樹脂;スチレン系樹脂;アクリル系樹脂;ポリアミド樹脂;ポリビニルブチラール樹脂;アミノアクリレート樹脂が挙げられる。これらは、単独或いは複数で用いられる。
特に、磁性粒子分散型樹脂粒子の表面を少なくともフッ素系樹脂を含有する樹脂で被覆したキャリアは、現像スリーブに交流バイアスを印加する現像法において特に好ましい。この場合、バイアスを印加した際のキャリアとトナーの分離性が向上するため現像効率が良化し、またキャリア表面へのトナー及び外添剤付着が抑制されるため耐久性が良好となる。被覆方法としては、樹脂の如き被覆材を溶剤中に溶解もしくは懸濁せしめて調製した塗布液を磁性キャリアコア粒子表面に付着せしめる方法、磁性キャリアコア粒子と被覆材とを粉体で混合し付着せしめる方法等、従来公知の方法が適用できる。
前記キャリア被覆材料は、キャリアコア粒子に対し0.1〜30質量%を被覆処理することが好ましく、より好ましくは0.5〜20質量%の場合である。被覆材料の処理量が0.1質量%未満である場合には、被覆による現像性向上及びキャリア表面の汚染防止効果が得られにくく好ましくない。また、被覆材料の処理量が30質量%を超える場合には、被覆層の強度が低下し、耐久性が低下する場合があり好ましくない。
前記キャリアの平均粒径は10〜100μmであることが好ましく、20〜70μmであることがより好ましい。平均粒径が10μm未満である場合には、現像時にキャリアがスリーブから離れ画像に付着する場合があり、好ましくない。平均粒径が100μmを超える場合には、スリーブ上に形成されるキャリア穂立ちの密度が低下し、高精細な画像を得られない場合があり好ましくない。
本発明のトナーと磁性キャリアとを混合して二成分系現像剤を調製する場合、その混合比率は、現像剤中のトナー濃度が2〜15質量%であることが、通常良好な結果を得る上で好ましく、4〜13質量%であることがより好ましい。
本発明の画像形成方法は、前述した本発明のトナーを用いてカラー画像を形成することができる画像形成方法である。本発明の画像形成方法は、本技術分野における公知の装置や手段、及びイエロー以外の公知のトナーを用いて実現することが可能である。以下、本発明の画像形成方法の一例を、図1を参照しながら説明する。
図1は、電子写真法によりフルカラーの画像を形成するための画像形成装置の一例を示す概略構成図である。図1の画像形成装置は、フルカラー複写機又はフルカラープリンタとして使用される。フルカラー複写機は、図1に示すように、上部にデジタルカラー画像リーダ部、下部にデジタルカラー画像プリンタ部を通常有する。
図1の画像形成装置は、画像リーダ部において、原稿30を原稿台ガラス31上に載せ、露光ランプ32により露光走査することにより、原稿30からの反射光像をレンズ33によりフルカラーセンサ34に集光し、カラー色分解画像信号を得る。カラー色分解画像信号は、増幅回路(図示せず)を経てビデオ処理ユニット(図示せず)にて処理され、デジタル画像プリンタ部に送出される。
図1の画像形成装置は、画像プリンタ部において、像担持体である感光ドラム1は、例えば有機光導電体を有する感光層を有し、矢印方向に回転自在に担持されている。感光ドラム1の回りには、前露光ランプ11、コロナ帯電器2、レーザ露光光学系、電位センサ12、色の異なる四個の現像器4Y、4C、4M、4B、ドラム上光量検知手段13、転写装置及びクリーニング器6が配置されている。
前記レーザ露光光学系において、リーダ部からの画像信号は、レーザ出力部(図示せず)にてイメージスキャン露光の光信号に変換され、変換されたレーザ光は、ポリゴンミラー3aで反射され、レンズ3b及びミラー3cを介して、感光ドラム1の面上に投影される。
プリンタ部は、画像形成時、感光ドラム1を矢印方向に回転させ、前露光ランプ11で除電した後に、感光ドラム1をコロナ帯電器2により一様にマイナス帯電させて、分解色ごとに光像Eを照射し、感光ドラム1上に静電荷像を形成する。
次に、所定の現像器を動作させて感光ドラム1上の静電荷像を現像し、感光ドラム1上にトナーによるトナー画像を形成する。現像器4Y、4C、4M、4Bは、それぞれの偏心カム24Y、24C、24M、24Bの動作により、各分解色に応じて択一的に感光ドラム1に接近して、現像を行う。
前記転写装置は、転写ドラム5a、転写帯電器5b、記録材としての転写材を静電吸着するための吸着帯電器5c及びこれと対向する吸着ローラ5g、そして内側帯電器5d、外側帯電器5e、分離帯電器5h、及び転写ドラム5aヘ回転駆動可能に軸支され、その周面に開口域を有し、この開口域に転写材を担持する転写材担持体である転写シート5fを有している。転写シート5fにはポリカーボネートフィルムの如き樹脂フィルムが使用される。
転写材はカセット7a、7b又は7cから転写シート搬送系を通って転写ドラム5aに搬送され、転写シート5f上に担持される。転写シート5f上に担持された転写材は、転写ドラム5aの回転に伴い、感光ドラム1と対向した転写位置に繰り返し搬送され、転写位置を通過する過程で転写帯電器5bの作用により、転写材上に感光ドラム1上のトナー画像が転写される。
上記の画像形成工程を、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(B)についてそれぞれ行い、転写シート5f上の転写材上に四色のトナー画像を重ねたカラー画像が得られる。
このようにして四色のトナー画像が転写された転写材は、分離爪8a、分離押し上げコロ8b及び分離帯電器5hの作用により、転写シート5fから分離して加熱加圧定着器9に送られる。加熱加圧定着器9では、加熱加圧定着することによりトナーの混色、発色及び転写材への固定が行われる。
加熱加圧定着器9には、例えば図2に示すように、定着手段である定着ローラ39と加圧ローラ40とクリーニング装置Cとを有する。定着ローラ39は、例えば厚さ5mmのアルミ製の芯金41と、この芯金41上に厚さ2mmに形成されるRTV(室温加硫型、JIS−A硬度20)シリコーンゴム層42と、この外側に厚さ50μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)層43とを有している。
一方、加圧手段である加圧ローラ40は、例えば、厚さ5mmのアルミの芯金44と、この芯金44上に厚さ2mmに形成されるRTVシリコーンゴム層45(ゴム硬度JIS−A硬度40)と、この外側に形成される厚さ150μm厚のPTFE層とを有している。
また、上記定着ローラ39には発熱手段であるハロゲンヒータ46が配設され、加圧ローラ40には同じくハロゲンヒータ47が芯金内に配設されている。また、定着ローラ39と加圧ローラ40は、加圧機構(図示せず)によって総圧390N(40kgf)で加圧されている。
クリーニング装置Cは、不織布ウェブ56と、不織布ウェブ56の不織布を定着ローラ39の表面に押圧する押圧ローラ55とを有する。
図2において、定着ローラ、加圧ローラ共にその外径は、直径60mmであるが、加圧ローラの硬度が相対的に高いため、白紙による排紙テストでは、排紙方向は、両ローラの中心線を結ぶ線に対しての垂線より加圧ローラ側になる。この排紙方向を加圧ローラ側にすることが、画像面積の大きいコピー画像を定着する場合の前記転写材の定着ローラ巻きつき防止に極めて重要である。排紙方向を加圧ローラ側にする手段としては、前記した硬度差をつける方法の他にも、加圧ローラの径を定着ローラよりも小さくする方法や、加圧ローラ側の設定温度を定着ローラよりも高くし、定着紙背面、つまり加圧ローラ側の紙面の水分をより多く蒸発させることにより、ごく少量の紙のちぢみを利用する方法等が挙げられる。
加熱加圧定着器9に送られた転写材は、加熱ローラ39と加圧ローラ40とが形成する定着ニップ部を通過する際に、加熱ローラ39及び加圧ローラ40によって両面から加熱され、トナーが転写材に融着する。加熱加圧定着器9によるトナーの定着は、定着ローラ39及び加圧ローラ40に当接されたサーミスタ48a及び48bにより定着ローラ39及び加圧ローラ40の温度を検知し、この検知温度に基づき制御装置49a及び49bによりハロゲンヒータ46及び47をそれぞれ制御し、定着ローラ39の温度及び加圧ローラ40の温度が共に一定の温度(例えば、150±10℃に保つように制御することにより行われる。本発明では、例えば定着ローラの表面温度が150乃至200℃の温度条件で加熱加圧定着することが好ましい。
また、加熱加圧定着器9での定着動作速度は、本体のプロセススピード(例えば160mm/sec)より遅いスピード(例えば90mm/sec)で行われることが好ましい。これは、トナーが二層から四層積層された未定着画像を溶融混色させる場合、十分な加熱量をトナーに与えなければならず、現像速度より遅い速度で定着を行うことにより、トナーに対する加熱量を多くする必要があるためである。
なおクリーニング装置Cは、不織布ウェブ56を押圧ローラ55にて定着ローラ39に押し当てて、定着ローラ39をクリーニングしている。不織布ウェブ56は巻き取り装置(図示せず)により適宜巻き取られる。このような構成により、定着ローラ39との当接部におけるトナー等の堆積が防止される。
加熱加圧定着器9を通過しフルカラーの定着画像が形成された転写材は、トレイ10に排紙される。上記の画像形成プロセスによって、本発明のトナーを少なくとも含むカラートナー画像が転写材に定着されることによって、転写材にカラー画像が形成される。
なお、本発明の画像形成方法の一実施の形態として、図1を参照しながら、一つの像担持体に四色の現像器が設置されている画像形成装置による画像形成方法を説明したが、本発明の画像形成方法は、このような画像形成装置による方法に限定されない。例えば本発明の画像形成方法は、四色の現像器がそれぞれ異なる像担持体に設置され、像担持体上に形成されたトナー画像が順次転写材上へ転写されるタンデム方式の画像形成装置による画像形成方法であっても良い。
また、本発明の画像形成方法は、像担持体上に形成されたトナー画像を転写材に転写する場合に、像担持体から直接転写材へトナー画像を転写する画像形成装置による画像形成方法であっても良いし、また、前述したように、像担持体上のトナー画像を中間転写体へ転写し、中間転写体からトナー画像を転写材へ転写する画像形成装置による画像形成方法であっても良い。さらに前記中間転写体は、形態については特に限定されず、図1に示すようにドラム状の中間転写体であっても良いし、プーリに支持されるベルトによって形成される無端形状の中間転写体であっても良い。
本発明のプロセスカートリッジは、像担持体と現像手段とを有する。現像手段には、前述した本発明のトナーが収容される。また、本発明のプロセスカートリッジは、構成要素を一体的に有しており、かつ画像形成装置本体に対してこの一体構造物が着脱自在に構成される。本発明のプロセスカートリッジは、このような構成を有するものであれば特に限定されず、公知の構成を利用して実現することが可能である。本発明のプロセスカートリッジとしては、例えば、前記タンデム式の画像形成装置において像担持体、現像装置、及び像担持体用のクリーニング手段を有する各色の画像形成ユニットが挙げられる。
本発明のトナーの各物性を測定するのに好適な測定方法を以下に説明する。
(1)トナーTHF可溶分の分子量測定
40℃のヒートチャンバ中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を約100μl注入して測定する。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。またカラムとしては、市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせて使用することが好ましく、例えば昭和電工社製のshodex GPC KF−801、802、803、804、805、806、807、800Pの組み合わせや、東ソー社製のTSKgelG1000H(HXL)、G2000H(HXL)、G3000H(HXL)、G4000H(HXL)、G5000H(HXL)、G6000H(HXL)、G7000H(HXL)、TSKguard columnの組み合わせを挙げることができる。
THF試料溶液は以下のようにして作製する。
試料をTHF中に入れ数時間放置した後、十分振とうし、THFと良く混ぜ(試料の合一体がなくなるまで)、さらに12時間以上静置する。このときTHF中への浸漬時間が24時間以上となるようにする。その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.2乃至0.5μm、例えばマイショリディスクH−25−2 東ソー社製等が利用できる)を通過させ、GPC用のTHF試料溶液とする。試料濃度は、樹脂成分が0.5乃至5mg/mlとなるように調整する。
試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば東ソー社製或いは、昭和電工社製の分子量が102〜107程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いることが適当である。
(2)外添剤粒子の個数平均粒径測定
外添剤の粒径は、走査電子顕微鏡(50,000倍)により観察した画像において、粒径1nm以上の粒子をランダムに500個以上抽出し、長軸と短軸をデジタイザにより測定し、その平均値から粒径を算出した。
(3)トナー結着樹脂のTHF不溶分率測定
トナーを0.5乃至1.0gの範囲で精秤し、円筒ろ紙(東洋濾紙者製、No.86R、寸法は外形28mm×高さ100mm)に入れ、ソックスレー抽出器にかける。抽出溶媒であるTHFは200ml使用する。抽出はオイルバスの温度を120乃至130℃に制御し、一回の還流に要する時間は120乃至150秒になるように調整する。抽出時間は10時間とする。抽出終了後は円筒濾紙を50℃で10時間減圧乾燥し、下記式からTHF不溶分を算出する。
Figure 0004054734
式中、W1は試料の質量、W2はトナーに含有される樹脂成分中のTHF可溶成分の質量、W3はトナーに含有される樹脂以外の成分(例えば、顔料、ワックス、外添剤等である)の質量を表す。
(4)DSC曲線の測定
示差走査熱量計(DSC測定装置)、DSC 2920(TAインスツルメンツ社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
測定試料5mgを精秤し、これをアルミパンに入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、30乃至200℃の温度範囲で昇温速度10℃/分で測定を行う。この昇温過程で、温度60乃至200℃の範囲におけるDSC曲線を測定する。
本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。部は質量部を意味する。
[ハイブリッド樹脂(1)の製造]
エチレングリコール0.6mol、プロピレングリコール0.2mol、ネオペンチルグリコール0.2mol、ジメチルテレフタル酸0.6mol、イソフタル酸0.37mol、フマル酸0.01mol及び酸化ジブチル錫0.2gをガラス製4リットルの四つ口フラスコに入れた。この四つ口フラスコに温度計、撹拌棒、コンデンサーを取り付け、前記四つ口フラスコをマントルヒーター内においた。撹拌しながら徐々に昇温し、200℃で4時間反応し、ピーク分子量(Mp)が7300の不飽和ポリエステル樹脂(A)を得た。
不飽和ポリエステル樹脂(A)70質量部を、還流管,撹拌機,温度計,窒素導入管,滴下装置及び減圧装置を備えた反応容器にキシレン200質量部と共に投入し、窒素を導入しながら135℃まで加熱した。
ビニル系重合体ユニットを形成するスチレン24質量部、アクリル酸ブチル4質量部、マレイン酸モノブチル2質量部及び重合開始剤としてジ−t−ブチルパーオキサイド2質量部からなるモノマー混合物を、上記反応容器に添加して8時間ラジカル重合反応を行い、ピーク分子量(Mp)が8500であるハイブリッド樹脂(1)を得た。
[ハイブリッド樹脂(2)の製造]
スチレン2.0mol、2−エチルヘキシルアクリレート0.21mol、フマル酸0.14mol、α−メチルスチレンの2量体0.03mol、ジクミルパーオキサイド0.05molを滴下ロートに入れる。また、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン7.0mol、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3.0mol、テレフタル酸3.2mol、無水トリメリット酸1.8mol、フマル酸4.9mol及び酸化ジブチル錫0.2gをガラス製4リットルの四つ口フラスコに入れる。この四つ口フラスコに温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取り付け、前記四つ口フラスコをマントルヒーター内においた。次に前記四つ口フラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、145℃の温度で撹拌しつつ、先の滴下ロートよりビニル系重合体ユニットの単量体、架橋剤及び重合開始剤を4時間かけて滴下した。次いで200℃に昇温を行い、4時間反応し、ピーク分子量(Mp)が5200であるハイブリッド樹脂(2)を得た。
[ハイブリッド樹脂(3)の製造]
スチレン4.0mol、2−エチルヘキシルアクリレート0.42mol、α−メチルスチレンの2量体0.06mol、ジクミルパーオキサイド0.1molを滴下ロートに入れる。また、エチレングリコール6mol、プロピレングリコール3mol、ブタンジオール1mol、テレフタル酸3.2mol、無水トリメリット酸1.8mol、フマル酸5.0mol及び酸化ジブチル錫0.2gをガラス製4リットルの四つ口フラスコに入れる。この四つ口フラスコに温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取り付け、前記四つ口フラスコをマントルヒーター内においた。次に前記四つ口フラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、145℃の温度で撹拌しつつ、先の滴下ロートよりビニル系重合体ユニットの単量体、架橋剤及び重合開始剤を4時間かけて滴下した。次いで200℃に昇温を行い、4時間反応し、ピーク分子量(Mp)が11200であるハイブリッド樹脂(3)を得た。
[ハイブリッド樹脂(4)の製造]
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン0.8mol、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン0.4mol、ジメチルテレフタル酸0.4mol、イソフタル酸0.41mol、フマル酸0.02mol及び酸化ジブチル錫0.2gをガラス製4リットルの四つ口フラスコに入れた。この四つ口フラスコに温度計、撹拌棒、コンデンサーを取り付け、前記四つ口フラスコをマントルヒーター内においた。撹拌しながら徐々に昇温し、200℃で4時間反応し、ピーク分子量(Mp)が13700の不飽和ポリエステル樹脂(B)を得た。
不飽和ポリエステル樹脂(B)53質量部を、還流管,撹拌機,温度計,窒素導入管,滴下装置及び減圧装置を備えた反応容器にキシレン200質量部と共に投入し、窒素を導入しながら135℃まで加熱した。
ビニル系重合体ユニットを形成するスチレン36質量部、アクリル酸ブチル8質量部、マレイン酸モノブチル3質量部及び重合開始剤としてジ−t−ブチルパーオキサイド2質量部からなるモノマー混合物を、上記反応容器に添加して8時間ラジカル重合反応を行い、ピーク分子量(Mp)が14300であるハイブリッド樹脂(4)を得た。
[ハイブリッド樹脂(5)の製造]
不飽和ポリエステル樹脂(B)12質量部を、還流管,撹拌機,温度計,窒素導入管,滴下装置及び減圧装置を備えた反応容器にキシレン200質量部と共に投入し、窒素を導入しながら135℃まで加熱した。
ビニル系重合体ユニットを形成するスチレン70質量部、アクリル酸ブチル16質量部、マレイン酸モノブチル2質量部及び重合開始剤としてジ−t−ブチルパーオキサイド2質量部からなるモノマー混合物を、上記反応容器に添加して8時間ラジカル重合反応を行い、ピーク分子量(Mp)が12300であるハイブリッド樹脂(5)を得た。
[比較用ポリエステル樹脂(1)の製造]
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン2.0mol、フマル酸1.7mol、トリメリット酸0.3mol及び酸化ジブチル錫0.2gをガラス製4リットルの四つ口フラスコに入れた。この四つ口フラスコに温度計、撹拌棒、コンデンサーを取り付け、前記四つ口フラスコをマントルヒーター内においた。撹拌しながら徐々に昇温し、200℃で4時間反応し、ピーク分子量(Mp)が5800の比較用ポリエステル樹脂(1)を得た。
[比較用スチレンアクリル樹脂(1)の製造]
4つ口フラスコ内にキシレン2リットルを入れ、容器内を十分に窒素で置換した後、攪拌しながら加熱しキシレンを還流させた中に、スチレン3.2mol、アクリル酸−n−ブチル0.5mol及びジ−tert−ブチルパーオキサイド0.07molを、4時間かけて滴下した。さらに2時間保持し重合を完了した。これを脱溶剤し、ピーク分子量7300の比較用スチレンアクリル樹脂(1)を得た。
<実施例1>
・ハイブリッド樹脂(1) 100質量部
・上記式(1)で表される染料 6質量部
・C.I.Pigment Yellow74 2質量部
・パラフィンワックス(DSC吸熱ピーク78℃) 5質量部
・ジ−tertブチルサリチル酸アルミニウム化合物 1質量部
上記の処方の材料をヘンシェルミキサ(FM−75型、三井三池化工機(株)製)で混合した後、温度120℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、池貝鉄工(株)製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られたトナー粗砕物を、高圧気体を用いた衝突式気流粉砕機を用いて粉砕した。さらにコアンダ効果を利用した多分割分級機により分級を行い、体積平均粒径6.8μmの着色粒子(1)を得た。
上記の着色粒子(1)100質量部に、外添剤として個数平均粒径130nmのシリカ粒子1.5質量部、個数平均粒径40nmのシリカ粒子0.7質量部を添加し、ヘンシェルミキサ(FM−75型、三井三池化工機(株)製)で混合して合わせてイエロートナー(1)とした。このイエロートナー(1)のTHF不溶分を測定したところ、結着樹脂100質量%に対して18質量%含有していた。また、THF可溶分の分子量を測定したところ、分子量8400にメインピークを有し、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量の比、Mw/Mnは10であった。
イエロートナー(1)と、フッ素系樹脂で表面被覆した磁性粒子分散型樹脂キャリア(個数平均粒径46μm)とを、トナー濃度が8質量%になるように混合し、二成分系イエロー現像剤(1)とした。
(白抜け度及び画像光沢度評価用画像の作製)
このイエロー現像剤(1)を用い、二成分現像式カラー複写機CLC−1000(キヤノン製)の定着器を取り外した改造機にて坪量80g/cm2のキヤノン CLCカラーコピー用紙(A4サイズ)に未定着画像を作製した。画像は、転写紙の搬送方向に対して、淡色横帯(幅10mm、トナー載り量0.1mg/cm2)とベタ横帯(幅10mm、トナー載り量0.7mg/cm2)をこの順に並べた評価用チャートを用いた(図3にチャートの概略を示す)。得られた未定着画像を、カラー複写機IRC−3200(キヤノン製)の定着器にて定着を行い、白抜け度及び画像光沢度評価用画像を得た。
(白抜け度の評価)
得られた画像において、ベタ横帯、ハーフトーン横帯の境界部位における白抜け度を次のようにランク付けして評価した。
A:白抜けがほとんど見られず、非常に良好である。
B:白抜けがわずかに見られるが、良好である。
C:白抜けはあるが、実用上問題ないレベルである。
D:白抜けが目立ち、実用上問題がある。
E:白抜けが非常に目立つ。
本実施例では、白抜けはほとんど観察されず、非常に良好であった。結果を表3に示す。
(画像光沢度の評価)
得られた画像のベタ帯上における光沢度を、次のようにランク付けして評価した。
A:光沢度が高く、非常に良好である。
B:やや光沢があり、実用上問題ないレベルである。
C:光沢度が低く、実用上問題がある。
D:ほとんど光沢が無く、非常に画像の彩度が低い。
本実施例で得られた画像は光沢があり、彩度が高く非常に良好であった。評価結果を表3に示す。また本実施例では画像濃度及び明度も高く、色再現性が良好であった。
(低湿環境下での画像濃度評価用画像の作製)
イエロー現像剤(1)を二成分現像式カラー複写機CLC−1000(キヤノン製)にセットし、気温23℃/湿度5%の常温低湿環境(以下、「N/L環境」と記載する)にて坪量80g/cm2のキヤノン CLCカラーコピー用紙(A4サイズ)を用い、1000枚の連続プリントを行った。画像は、画像面積10%のオリジナル画像を用い、初期画像においてベタ部の濃度が1.50となるように現像条件を調整した。なお、画像濃度は反射濃度計RD−918(マクベス社製)を用いて測定した。
(低湿環境下での画像濃度の評価)
N/L環境において1000枚連続プリントを行った後の耐久画像におけるベタ濃度を測定し、濃度低下の程度を次のように評価した。
A:濃度低下が少なく、非常に良好(濃度1.45超)
B:濃度低下が見られるが、実用上問題なし(濃度1.40乃至1.45)
C:濃度低下が目立ち、実用上問題あり(濃度1.40未満)
本実施例では、N/L環境での耐久画像のベタ濃度は1.48と、初期画像のベタ濃度とほぼ同等であり、チャージアップによる濃度ダウンが見られず非常に良好であった。評価結果を表3に示す。
<実施例2>
評価用画像の作成を、次のように行った以外は実施例1と同様にして画像評価を行った。結果を表3に示す。
(白抜け度及び画像光沢度評価用画像の作製)
イエロートナー(1)を用い、一成分現像式カラー複写機クリエイティブプロセッサー660(キヤノン製)の定着器を取り外した改造機にて坪量80g/cm2のキヤノン CLCカラーコピー用紙(A4サイズ)に未定着画像を作製した。画像は、転写紙の搬送方向に対して、淡色横帯(幅10mm、トナー載り量0.1mg/cm2)とベタ横帯(幅10mm、トナー載り量0.7mg/cm2)をこの順に並べた評価用チャートを用いた(図3にチャートの概略を示す)。得られた未定着画像を、カラー複写機IRC−3200(キヤノン製)の定着器にて定着を行い、評価用画像を得た。
(低湿環境下での画像濃度評価用画像の作製)
イエロー現像剤(1)を一成分現像式カラー複写機クリエイティブプロセッサー660(キヤノン製)にセットし、気温23℃/湿度5%の各環境(以下、「N/L環境」と記載する)にて坪量80g/cm2のキヤノン CLCカラーコピー用紙(A4サイズ)を用い、1000枚の連続プリントを行った。画像は、画像面積10%のオリジナル画像を用い、初期画像においてベタ部の濃度が1.50となるように現像条件を調整した。なお、画像濃度は反射濃度計RD−918(マクベス社製)を用いて測定した。
<実施例3>
二成分現像剤用のキャリアとして、フッ素系樹脂で表面被覆した磁性粒子分散型樹脂キャリアの代わりにフッ素系樹脂で表面被覆したフェライトキャリア(個数平均粒径50μm)を用いた以外は実施例1と同様にして画像評価を行った。結果を表3に示す。
<実施例4>
外添剤として、個数平均粒径35nmのシリカ粒子1.2質量部、個数平均粒径40nmの酸化チタン粒子1.2質量部を用いた以外は実施例1と同様にして画像評価を行った。結果を表3に示す。
<実施例5>
下記の材料を用いた以外は実施例1と同様にして、イエロートナー(2)を得た。イエロートナー(2)を用いて実施例1と同様に評価した結果を表2及び3に示す。
・ハイブリッド樹脂(1) 100質量部
・前記式(1)で表される染料 8質量部
・パラフィンワックス(DSC吸熱ピーク78℃) 5質量部
・ジ−tertブチルサリチル酸アルミニウム化合物 1質量部
<実施例6>
下記の材料を用いた以外は実施例1と同様にして、イエロートナー(3)を得た。イエロートナー(3)を用いて実施例1と同様に評価した結果を表2及び3に示す。
・ハイブリッド樹脂(1) 100質量部
・前記式(1)で表される染料 6質量部
・C.I.Pigment Yellow180 2質量部
・パラフィンワックス(DSC吸熱ピーク78℃) 5質量部
・ジ−tertブチルサリチル酸アルミニウム化合物 1質量部
<実施例7>
下記の材料を用いた以外は実施例1と同様にして、イエロートナー(4)を得た。イエロートナー(4)を用いて実施例1と同様に評価した結果を表2及び3に示す。
・ハイブリッド樹脂(2) 100質量部
・前記式(1)で表される染料 6質量部
・C.I.Pigment Yellow74 2質量部
・パラフィンワックス(DSC吸熱ピーク78℃) 5質量部
・ジ−tertブチルサリチル酸アルミニウム化合物 1質量部
<実施例8>
下記の材料を用いた以外は実施例1と同様にして、イエロートナー(5)を得た。イエロートナー(5)を用いて実施例1と同様に評価した結果を表2及び3に示す。
・ハイブリッド樹脂(3) 100質量部
・前記式(1)で表される染料 6質量部
・C.I.Pigment Yellow74 2質量部
・パラフィンワックス(DSC吸熱ピーク78℃) 5質量部
・ジ−tertブチルサリチル酸アルミニウム化合物 1質量部
<実施例9>
下記の材料を用いた以外は実施例1と同様にして、イエロートナー(6)を得た。イエロートナー(6)を用いて実施例1と同様に評価した結果を表2及び3に示す。
・ハイブリッド樹脂(4) 100質量部
・前記式(1)で表される染料 6質量部
・C.I.Pigment Yellow74 2質量部
・パラフィンワックス(DSC吸熱ピーク78℃) 5質量部
・ジ−tertブチルサリチル酸アルミニウム化合物 1質量部
<実施例10>
下記の材料を用いた以外は実施例1と同様にして、イエロートナー(7)を得た。イエロートナー(7)を用いて実施例1と同様に評価した結果を表2及び3に示す。
・ハイブリッド樹脂(5) 100質量部
・前記式(1)で表される染料 6質量部
・C.I.Pigment Yellow74 2質量部
・パラフィンワックス(DSC吸熱ピーク78℃) 5質量部
・ジ−tertブチルサリチル酸アルミニウム化合物 1質量部
<比較例1>
下記の材料を用いた以外は実施例1と同様にして、比較用イエロートナー(1)を得た。比較用イエロートナー(1)を用いて実施例1と同様に評価した結果を表2及び3に示す。
・比較用ポリエステル樹脂(1) 100質量部
・前記式(1)で表される染料 6質量部
・C.I.Pigment Yellow74 2質量部
・パラフィンワックス(DSC吸熱ピーク78℃) 5質量部
・ジ−tertブチルサリチル酸アルミニウム化合物 1質量部
<比較例2>
下記の材料を用いた以外は実施例1と同様にして、比較用イエロートナー(2)を得た。比較用イエロートナー(2)を用いて実施例1と同様に評価した結果を表2及び3に示す。
・比較用ポリエステル樹脂(1) 100質量部
・前記式(1)で表される染料 8質量部
・ポリプロピレンワックス(DSC吸熱ピーク142℃) 3質量部
・ジ−tertブチルサリチル酸アルミニウム化合物 1質量部
<比較例3>
下記の材料を用いた以外は実施例1と同様にして、比較用イエロートナー(3)を得た。比較用イエロートナー(3)を用いて実施例1と同様に評価した結果を表2及び3に示す。
・比較用スチレンアクリル樹脂(1) 100質量部
・前記式(1)で表される染料 6質量部
・C.I.Pigment Yellow74 2質量部
・パラフィンワックス(DSC吸熱ピーク78℃) 5質量部
・ジ−tertブチルサリチル酸アルミニウム化合物 1質量部
<比較例4>
スチレン70g、n−ブチルアクリレート19.9g、メタクリル酸10.9gを滴下ロートにいれる。また、攪拌装置、温度計、コンデンサー及び窒素導入管を取り付けた5リットルフラスコにイオン交換水3200g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム8g、過硫酸カリウム9.2gを入れ、75℃に加熱し攪拌しながら、滴下ロート中の単量体を1時間かけて滴下した。さらに2時間攪拌を続け、ラテックス(1)を得た。
80℃に加熱したイオン交換水3リットルにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.9gを添加し、ラテックス(1)を固形分換算で28gとなるように加え、さらにスチレン106g、n−ブチルアクリレート30g、メタクリル酸6.4g、四臭化炭素6.2g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム25gを添加し、機械式分散機により乳化させた。この乳化液に過硫酸カリウム5g及びイオン交換水1リットルを加え、80℃で攪拌しながら3時間重合を行いラテックス(2)を得た。
ラテックス(2)に過硫酸カリウム7.4g及びイオン交換水0.2リットルを添加し、80℃に加熱、攪拌しながらスチレン300g、n−ブチルアクリレート95g、メタクリル酸15.3g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル10.4gの混合液を1時間かけて滴下し、さらに2時間加熱攪拌することでピーク分子量18000であるラテックス(3)を得た。
イオン交換水 1.6リットルにドデシルスルホン酸ナトリウム90gを加え、攪拌しながら前記式(1)で表される染料42gを徐々に添加し、機械式分散機により処理することで着色剤分散液(1)を得た。
攪拌装置,温度計,コンデンサー及び窒素導入管を取り付けたフラスコに、ラテックス(3)を固形分換算で420g、着色剤分散液(1)166g及びイオン交換液900gを入れ、30℃で攪拌しながら5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを11に調整した。次いで、塩化マグネシウム6水和物12g及びイオン交換水1リットルを10分かけて添加した後、溶液を6分間かけて90℃まで昇温した。これに塩化ナトリウム80gおよびイオン交換水1リットルを加え、液温を85℃に保ち2時間加熱攪拌を行った。その後、8℃/分の速度で30℃まで冷却し、塩酸を加えpHを2に調整し、生成した粒子をろ過、洗浄、乾燥して平均粒径5.6μmの着色粒子(2)を得た。
上記の着色粒子(2)100質量部に個数平均粒径10nmのシリカ粒子1質量部、個数平均粒径25nmの酸化チタン粒子1.2重量部を添加し、ヘンシェルミキサ(FM−75型、三井三池化工機(株)製)で混合して合わせて比較用イエロートナー(4)とした。比較用イエロートナー(4)を用いて実施例1と同様に評価した結果を表2及び3に示す。
Figure 0004054734
Figure 0004054734
本発明のトナーを用いる画像形成装置の一例を示す概略的断面図である。 本発明に用いられる加熱加圧定着手段の一例を示す概略的説明図である。 トナーの白抜け評価に用いたチャートの概略図である。
符号の説明
1 感光ドラム(像担持体)
2 コロナ帯電器
3a ポリゴンミラー
3b レンズ
3c ミラー
4Y、4C、4M、4B 現像器(現像手段)
5a 転写ドラム
5b 転写帯電器
5c 吸着帯電器
5d 内側帯電器
5e 外側帯電器
5f 転写シート
5g 吸着ローラ
5h 分離帯電器
6 クリーニング器
7a、7b、7c カセット
8a 分離爪
8b 分離押し上げコロ
9 加熱加圧定着器
11 前露光ランプ
12 電位センサ
13 ドラム上光量検知手段
24Y、24C、24M、24B 偏心カム
30 原稿
31 原稿台ガラス
32 露光ランプ
33 レンズ
34 フルカラーセンサ
39 定着ローラ
40 加圧ローラ
41、44 芯金
42、45 RTVシリコーンゴム層
43 ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)層
46、47 ハロゲンヒータ
48a、48b サーミスタ
49a、49b 制御装置
56 不織布ウェブ
55 押圧ローラ
C クリーニング装置
E 光像

Claims (19)

  1. 結着樹脂としてポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有するハイブリッド樹脂を含有し、
    着色剤として下記式(1)で表される染料を含有することを特徴とするイエロートナー。
    Figure 0004054734
  2. 前記着色剤として、前記式(1)で表される染料と、イエロー顔料を含有することを特徴とする請求項1に記載のイエロートナー。
  3. 前記着色剤として、前記式(1)で表される染料と、モノアゾ系イエロー顔料を含有することを特徴とする請求項1に記載のイエロートナー。
  4. 前記着色剤として、前記式(1)で表される染料及びC.I.ピグメントイエロー74を含有することを特徴とする請求項1に記載のイエロートナー。
  5. 前記ハイブリッド樹脂が、不飽和ポリエステルにビニル系モノマーを付加重合したグラフト体及び/またはビニル系重合体中のカルボン酸基とポリエステル中の水酸基が縮合したグラフト体を含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のイエロートナー。
  6. 前記ハイブリッド樹脂は、ポリエステルユニットをハイブリッド樹脂全量に対して10質量%乃至98質量%含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のイエロートナー。
  7. 前記ハイブリッド樹脂は、ポリエステルユニットをハイブリッド樹脂全量に対して50乃至95質量%含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のイエロートナー。
  8. 前記ハイブリッド樹脂は、ポリエステルユニットをハイブリッド樹脂全量に対して70乃至90質量%含有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のイエロートナー。
  9. 前記ハイブリッド樹脂のポリエステルユニットを構成する全アルコール成分中、90モル%以上が脂肪族のアルコールからなることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のイエロートナー。
  10. 前記イエロートナーのTHF可溶分が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によるクロマトグラムにおいて、分子量3000乃至15000の領域にピークを有し、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は2乃至100であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のイエロートナー。
  11. 前記イエロートナーのTHF可溶分が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によるクロマトグラムにおいて、分子量5000乃至12000の領域にピークを有し、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は3乃至50であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のイエロートナー。
  12. 前記イエロートナーのTHF可溶分が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によるクロマトグラムにおいて、分子量7000乃至10000の領域にピークを有し、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は5乃至30であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のイエロートナー。
  13. 前記イエロートナーはワックスを含有し、前記ワックスは示差走査熱量計(DSC)により測定される昇温時のDSC曲線において、温度60乃至120℃の範囲に少なくとも1個の吸熱ピーク又はショルダーを有することを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載のイエロートナー。
  14. 前記イエロートナーはワックスを含有し、前記ワックスは示差走査熱量計(DSC)により測定される昇温時のDSC曲線において、温度70乃至110℃の範囲に少なくとも1個の吸熱ピーク又はショルダーを有することを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載のイエロートナー。
  15. 前記イエロートナーは、キャリアと混合された二成分現像剤として用いられることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載のイエロートナー。
  16. 前記イエロートナーは、キャリアと混合された二成分現像剤として用いられ、前記キャリアは結着樹脂中に磁性体を分散させてなるコア材を有し、前記コア材表面をコート樹脂により被覆してなる磁性体分散型キャリアであり、前記コート樹脂中に少なくともフッ素系樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載のイエロートナー。
  17. 前記イエロートナーは、外添剤として個数平均粒径90乃至500nmの粒子を少なくとも含有することを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載のイエロートナー。
  18. 像担持体に第一の静電荷像を担持させ、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー及びブラックトナーからなるグループから選択される第一のトナーで第一の静電荷像を現像して第一のトナー画像を像担持体上に形成し、中間転写体を介して又は介さずに前記第一のトナー画像を転写材に転写し、
    像担持体に第二の静電荷像に担持させ、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー及びブラックトナーからなるグループから選択される、前記第一のトナー以外の第二のトナーで第二の静電荷像を現像して第二のトナー画像を像担持体上に形成し、中間転写体を介して又は介さずに前記第二のトナー画像を転写材に転写し、
    像担持体に第三の静電荷像を形成し、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー及びブラックトナーからなるグループから選択される、前記第一のトナー及び前記第二のトナー以外の第三のトナーで第三の静電荷像を現像して第三のトナー画像を像担持体上に形成し、中間転写体を介して又は介さずに前記第三のトナー画像を転写材に転写し、
    像担持体に第四の静電荷像を形成し、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー及びブラックトナーからなるグループから選択される、前記第一のトナー、前記第二のトナー及び前記第三のトナー以外の第四のトナーで第四の静電荷像を現像して第四のトナー画像を像担持体上に形成し、中間転写体を介して又は介さずに前記第四のトナー画像を転写材に転写し、
    転写材上のシアントナー画像、マゼンタトナー画像、イエロートナー画像及びブラックトナー画像を加熱定着することにより、転写材にフルカラー画像を形成する画像形成方法において、
    前記イエロートナーには、請求項1乃至17のいずれかに記載のトナーを用いることを特徴とする画像形成方法。
  19. 静電荷像を担持するための像担持体と、この像担持体にトナーを供給して像担持体が担持する静電荷像を現像する現像手段とを一体的に有し、かつ前記像担持体に静電荷像を形成し、この静電荷像を前記現像手段によって現像する画像形成装置の本体に着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、
    前記トナーは、請求項1乃至17のいずれかに記載のトナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。


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