JP4054495B2 - ジアミノスチルベン誘導体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、蛍光増白剤、ハロゲン化銀写真用添加剤、及びハロゲン化銀写真用処理液の添加剤として有利に用いることができる、4,4’−ビス(1,3,5−トリアジニルアミノ)スチルベン−2,2’−ジスルホン酸誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】
4,4’−ビス(1,3,5−トリアジニルアミノ)スチルベン−2,2’−ジスルホン酸誘導体(以下、ジアミノスチルベン誘導体と称する)は、野口為彦著「有機合成化学協会誌」第19巻920頁(1961年刊)、及び第20巻64頁(1962年刊)に記載されているように、蛍光増白剤として有用とされている。また米国特許第2875058号、同第2933390号、及び同第2945762号各明細書に記載されているように、該誘導体は、ハロゲン化銀写真用添加剤としても有用とされている。これらの用途においては、該誘導体を使用する時には水またはその他の水溶性の溶媒に溶解させて用いるため、該誘導体は、良好な溶解性を示すこと、即ち、使用する時には必要な量の誘導体が迅速に溶解し、かつ一度溶解した後は保存中においてもその結晶が析出しにくいことが望まれる。
【0003】
従来から、蛍光増白剤として利用されている4,4’−ビス(1,3,5−トリアジニルアミノ)スチルベン−2,2’−ジスルホン酸誘導体としては、種々の化合物が知られている。例えば、ドイツ特許1945316号公報(特公昭46−38420号公報及び同47−23990号公報に対応)には、特にセルロース繊維に対して優れた蛍光増白効果を示すとされる誘導体が開示されている。そしてここには、トリアジン環の2位がスルホエチルアミンで置換され、かつその4位がモルホリンまたはアルカノールアミンで置換された化合物が記載されている。そしてこのアルカノールアミンの例としては、モノエタノールアミン、メチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、イソプロパノールアミン、及びジイソプロパノールアミンが挙げられている。
【0004】
特開平6−329936号及び同6−332127号の各公報には、ハロゲン化銀写真用処理液に用いられ、特に該処理液を低温保存した場合でも晶析しにくく、比較的高い溶解性を示す蛍光増白剤として有利に用いられる4,4’−ビス(1,3,5−トリアジニルアミノ)スチルベン−2,2’−ジスルホン酸誘導体が提案されている。そして特開平6−332127号公報には、好ましい化合物の一例として、トリアジン環の2位がスルホン酸ナトリウム塩を有するエチルアミンで置換され、従って、分子内に4個のスルホン酸ナトリウム塩を有すると共に、トリアジン環の4位がアルカノールアミン(2−メチルエタノールアミン)で置換された誘導体が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者の検討によると、従来の4,4’−ビス(1,3,5−トリアジニルアミノ)スチルベン−2,2’−ジスルホン酸誘導体は、実用上水や水溶性溶媒に対する溶解性は尚充分ではなく、更に改良を要することが判明した。
従って、本発明の目的は、高い溶解性を示し、特に蛍光増白剤として有利に用いることができる、新規な4,4’−ビス(1,3,5−トリアジニルアミノ)スチルベン−2,2’−ジスルホン酸誘導体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者の研究により、上記の基本骨格を有する誘導体において、トリアジン環の4位に、置換基としてヒドロキシル基もしくは炭素原子数1乃至3のヒドロキシアルキル基を有するか、あるいは途中にエーテル結合を有する炭素原子数2乃至8のアルキレン基を含む置換アミノ基を導入することにより高い溶解性を示す化合物が得られることが見出された。
【0007】
本発明は、一般式(I)で表わされる化合物にある。
一般式(I):
【0008】
【化5】
【0009】
[式中、R11、及びR12は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1乃至20の無置換のアルキル基、もしくはヒドロキシル基、スルホ基又はアルコキシ基で置換された炭素原子数1乃至20のアルキル基を表わし、R21は、水素原子、炭素原子数1乃至20の無置換のアルキル基、もしくはヒドロキシル基、スルホ基又はアルコキシ基で置換された炭素原子数1乃至20のアルキル基、又は炭素原子数6乃至20の無置換のアリール基、もしくはヒドロキシル基、カルボキシル基、アルキル基又はアルコキシ基で置換された炭素原子数6乃至20のアリール基、又は−L1−CH2OHを表わし、R22は、水素原子、炭素原子数1乃至20の無置換のアルキル基、もしくはヒドロキシル基、スルホ基又はアルコキシ基で置換された炭素原子数1乃至20のアルキル基、又は炭素原子数6乃至20の無置換のアリール基、もしくはヒドロキシル基、カルボキシル基、アルキル基又はアルコキシ基で置換された炭素原子数6乃至20のアリール基、又は−L2−CH2OHを表わし、L1、及びL2は、各々独立に、置換基としてヒドロキシル基もしくは炭素原子数1乃至3のヒドロキシアルキル基を有するか、あるいは途中にエーテル結合を有する炭素原子数2乃至8のアルキレン基を表し、そしてMは、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたはピリジニウムを表す。]
【0010】
尚、本発明の化合物は、前記特開平6−332127号公報における特許請求の範囲に記載されている一般式(SR)で表される化合物(ジアミノスチルベン型の蛍光増白剤)に包含されるものであるが、当該明細書中には本発明の化合物に相当する具体的な化合物例についての記載はない。
【0011】
本発明の化合物は、以下の態様であることが好ましい。
(1)L1及びL2で表される、置換基としてヒドロキシル基もしくは炭素原子数1乃至3のヒドロキシアルキル基を有する炭素原子数2乃至8のアルキレン基が、下記の1)乃至5)(更に好ましくは、1)乃至4))のいずれかの化学式で表されるアルキレン基である。
【0012】
【化6】
【0013】
(2)L1、及びL2で表される、途中にエーテル結合を有する炭素原子数2乃至8のアルキレン基が、下記の一般式(II)で表わされるアルキレン基である。
一般式(II):
【0014】
【化7】
−(CH2CH2O)nCH2− (nは、1乃至3の整数を表す。)
【0015】
(3)一般式(II)において、nが1又は2(特に1)である化合物。
(4)一般式(I)において、R11及びR12が、各々独立に、水素原子又はメチル基である化合物。
(5)一般式(I)において、R21及びR22が、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル基、2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エチル基、フェニル基、又は4−ヒドロキシフェニル基である化合物。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一般式(I)で表される化合物について詳述する。
一般式(I):
【0017】
【化8】
【0018】
一般式(I)において、R11及びR12で表わされるアルキル基としては、炭素原子数1乃至20(好ましくは炭素原子数1乃至8、更に好ましくは炭素原子数1乃至4)の無置換のアルキル基、もしくはヒドロキシル基、スルホ基、又はアルコキシ基で置換されたアルキル基である。これらのアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、あるいは環状であってもよい。アルコキシ基に含まれるアルキル基は、上記のアルキル基と同義であり、好ましい範囲も同じである。R11、及びR12で表わされるアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−オクチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−スルホエチル基、2−メトキシエチル基、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル基、2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エチル基、2−(2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ)エチル基が挙げられる。R11、及びR12は、それぞれ水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、又は2−スルホエチル基であることが好ましく、更に好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、又は2−スルホエチル基であり、特に好ましくは水素原子又はメチル基である。
【0019】
R21及びR22で表されるアルキル基としては、前記R11及びR12の例と同じものが挙げられる。R21、及びR22は、それぞれ水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基、2−スルホエチル基、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル基、又は2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エチル基であることが好ましく、更に好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基、又は2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル基であり、特に好ましくは、水素原子又はメチル基である。
【0020】
R21及びR22で表わされるアリール基としては、炭素原子数6乃至20(好ましくは炭素原子数6乃至10、更に好ましくは炭素原子数6乃至8)の無置換のアリール基もしくはヒドロキシル基、カルボキシル基、アルキル基及びアルコキシ基で置換されたアリール基を挙げることができる。上記アルキル基及びアルコキシ基に含まれるアルキル基は、前記のR11、及びR12の例と同じものが挙げられる。R21、及びR22で表されるアリール基の例としては、フェニル基、ナフチル基、4−ヒドロキシフェニル基、3,5−ジカルボキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、及び3−イソプロピルフェニル基が挙げられる。R21及びR22で表わされるアリール基は、それぞれフェニル基、又は4−ヒドロキシフェニル基であることが好ましい。
【0021】
L1、及びL2で表されるアルキレン基は、それぞれ、置換基としてヒドロキシル基もしくは炭素原子数1乃至3のヒドロキシアルキル基を有する炭素原子数2乃至8のアルキレン基を表すか、あるいは途中にエーテル結合を有する炭素原子数2乃至8のアルキレン基を表す。
【0022】
L1、及びL2で表される、置換基としてヒドロキシル基もしくは炭素原子数1乃至3のヒドロキシアルキル基を有する炭素原子数2乃至8のアルキレン基の好ましい例としては、以下のものを挙げることができる。
【0023】
【化9】
【0024】
上記のL1、及びL2で表されるアルキレン基としては、置換基としてヒドロキシル基を有する炭素原子数2乃至8のアルキレン基、即ち、1)、2)、3)あるいは4)で表されるアルキレン基が更に好ましく、特に好ましくは、1)あるいは4)で表されるアルキレン基である。
【0025】
L1、及びL2で表される、途中にエーテル結合を有する炭素原子数2乃至8のアルキレン基の好ましい例としては、下記の一般式(II)で表わされるアルキレン基を挙げることができる。
一般式(II):
【0026】
【化10】
−(CH2CH2O)nCH2− (nは、1乃至3の整数を表す。)
【0027】
上記一般式(II)で表わされるアルキレン基において、nは1又は2である場合が好ましく、特に1であることが好ましい。
【0028】
Mで表わされるアルカリ金属(Li、Na、K、Rb、Cs、Fr)、あるいはアルカリ土類金属(Ca、Sr、Ba、Ra)の中で特に好ましいものはNaおよびKである。アンモニウムとしては、例えばトリエチルアンモニウム、及びテトラブチルアンモニウムが挙げられる。Mは、NaおよびKである場合が最も好ましい。
【0029】
以下に、本発明の化合物の代表的なものについて具体例を挙げる。
【0030】
【化11】
【0031】
【化12】
【0032】
【化13】
【0033】
【化14】
【0034】
【化15】
【0035】
【化16】
【0036】
【化17】
【0037】
【化18】
【0038】
【化19】
【0039】
【化20】
【0040】
本発明の化合物において、L1、及びL2で表されるアルキレン基が置換基としてヒドロキシル基もしくはヒドロキシアルキル基を含み、これらの置換基に結合する不斉炭素原子が少なくとも分子内に2個有する場合には、同一構造に対して複数の立体異性体が存在するが、本発明の化合物には、可能性のある全ての立体異性体が含まれ、従って、複数の立体異性体のうちの一つだけを使用してもよいし、あるいはそのうちの数種を混合物として使用してもよい。
【0041】
一般式(I)で表される化合物は、例えば松井弘次著「有機合成化学協会誌」第17巻528頁(1959年刊)および特許登録第2618748号公報の記載を参考にして合成することができる。すなわち、一般式(I)で表される化合物は、塩化シアヌルにまずジアミノスチルベン誘導体を反応させて4,4’−ビストリアジニルアミノスチルベン誘導体を生成させた後、次いでこれにタウリンを反応させた後、更に最後にヒドロキシアルキルアミンを反応させる方法、あるいは最後にジアルキルアミノスチルベン誘導体を反応させる方法を利用することにより製造することができる。この反応に用いる溶媒としては、例えば水や、アルコール類、ケトン類、エーテル類、及びアミド類などの有機溶媒が挙げられるが、水および水溶性の有機溶媒が好ましく、これらの混合溶媒でもよい。中でも水とアセトンの混合溶媒系が最も好ましい。また用いる塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、及び1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセンなどの有機塩基や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、及び水素化ナトリウムなどの無機塩基が挙げられる。無機塩基が好ましく、なかでも水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、及び炭酸カリウムが好ましい。反応は通常−20℃〜120℃の温度範囲で行われるが、好ましくは−10℃〜90℃の温度範囲である。更に詳しく述べると第一段階の反応は、−10℃〜10℃の温度範囲、第二段階の反応は、0℃〜40℃の温度範囲、そして第三段階の反応は、50〜90℃の温度範囲でそれぞれ行うことが好ましい。
【0042】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0043】
[実施例1]
下記反応スキームに従って本発明の例示化合物(I−1)を合成した。
【0044】
【化21】
【0045】
1)化合物(3)の合成
3ツ口フラスコに化合物(1)103.5g及びアセトン680mLを入れ、氷−アセトン浴にて内温を−5℃としたところへ、化合物(2)101.9g、炭酸ナトリウム58.3g、及び水960mLからなる水溶液を攪拌しながら1時間かけて滴下した。この時、内温は−1℃まで上昇した。滴下終了後、氷−アセトン浴を外し、そのまま1時間攪拌を続けた後、析出した結晶を吸引濾過により濾別し、目的の化合物(3)を得た。このものは乾燥、精製せず、そのまま次工程に供した。
【0046】
2)化合物(4)の合成
3ツ口フラスコに先の工程で得られた化合物(3)及び水1.9Lを入れて、水浴中にて攪拌しながら、ここへタウリン68.8gを添加し、続けて、炭酸ナトリウム58.3gを水275mLに溶解した水溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、水浴を外し、そのまま3時間攪拌を続けた後、ここへ塩化ナトリウム550gを加えて更に1時間攪拌した。析出した結晶を吸引濾過より濾別し、目的の化合物(4)を得た。このものは乾燥、精製せず、そのまま次工程に供した。
【0047】
3)例示化合物(I−1)の合成
3ツ口フラスコに先の工程で得られた化合物(4)及び水825mLを入れ、室温にて攪拌し乍らここへ化合物(5)125.3gを10分かけて滴下した。滴下終了後、内温85℃にて3時間攪拌し、得られた反応混合物をロータリーエバポレーターにて濃縮した。残量が約800mLとなったところで結晶が析出し始めたので、濃縮をやめ、そのまま氷冷下にて攪拌し、析出した結晶を吸引濾過した。こうして得られた結晶にメタノール1.5Lを添加して加熱還流下にて1時間攪拌した。このものを室温まで冷却した後、吸引濾過し、目的の例示化合物(I−1)206.0gを得た(収率72%)。
λmax(H2O)=346.3nm(ε=4.83×104)
また、得られた化合物の純度は液体クロマトグラフィーにより調べたところ、96.0%であった。液体クロマトグラフィーの条件を以下に示す。
カラム:TSK−gel ODS−80TM(東ソー(株))
溶離液:A液 水1LにPIC A 試薬(Waters社製)
20mLを添加
B液 メタノール800mL、及び水200mLの混合液にPIC A 試薬20mLを添加
A液/B液=50/50(0分)→0/100(35分)
検出波長:346nm
純度は上記条件で、チャートに記録されたピークの面積により求めた。
【0048】
[実施例2]
下記反応スキームに従って本発明の例示化合物(I−4)を合成した。
【0049】
【化22】
【0050】
例示化合物(I−4)の合成
3ツ口フラスコに実施例1と同様のスケール、合成法で得られた化合物(4)、及び水825mLを入れ、室温にて攪拌しながらここへ化合物(6)144.6gを10分かけて滴下した。滴下終了後、内温85℃にて3時間攪拌し、得られた反応混合物をロータリーエバポレーターにて濃縮した。残量が約900mLとなるまで濃縮し、そのまま氷冷下にて攪拌し、析出した結晶を吸引濾過した。こうして得られた結晶にメタノール1.5Lを添加して加熱還流下にて1時間攪拌した。このものを室温まで冷却した後、吸引濾過し、目的の例示化合物(I−4)216.5gを得た(収率78%)。
λmax(H2O)= 346.5nm(ε=4.77×104)
また得られた化合物の純度は、液体クロマトグラフィーにより調べたところ、94.4%であった。液体クロマトグラフィーの条件は実施例1と同一である。
【0051】
[実施例3]
下記反応スキームに従って本発明の例示化合物(I−11)を合成した。
【0052】
【化23】
【0053】
例示化合物(I−11)の合成
3ツ口フラスコに実施例1と同様のスケール、合成法で得られた化合物(4)、及び水825mLを入れ、室温にて攪拌しながらここへ化合物(7)144.4gを10分かけて滴下した。滴下終了後、内温85℃にて3時間攪拌し、得られた反応混合物をロータリーエバポレーターにて残量が約800mLとなるまで濃縮し、そのまま氷冷下にて攪拌し、析出した結晶を吸引濾過した。こうして得られた結晶にメタノール1.5Lを添加して加熱還流下にて1時間攪拌した。このものを室温まで冷却した後、吸引濾過し、目的の例示化合物(I−11)249.7gを得た(収率85%)。
λmax(H2O)=354.5nm(ε=4.92×104)
また、得られた化合物の純度を液体クロマトグラフィーにより調べたところ97.3%であった。液体クロマトグラフィーの条件は実施例1と同一であった。
【0054】
[実施例4]
下記反応スキームに従って本発明の例示化合物(I−22)を合成した。
【0055】
【化24】
【0056】
例示化合物(I−22)の合成
3ツ口フラスコに実施例1と同様のスケール、合成法で得られた化合物(4)、水825mLを入れ、室温にて攪拌しながらここへ化合物(8)268.5gを10分かけて添加した。添加終了後、内温85℃にて3時間攪拌し、得られた反応混合物をロータリーエバポレーターにて残量が約900mLとなるまで濃縮し、そのまま氷冷下にて攪拌し、析出した結晶を吸引濾過した。こうして得られた結晶にメタノール1.5Lを添加して加熱還流下にて1時間攪拌した。このものを室温まで冷却した後、吸引濾過し、目的の例示化合物(I−22)302.4gを得た(収率88%)。
λmax(H2O)= 348.6nm(ε=4.36×104)
また、得られた化合物の純度を液体クロマトグラフィーにより調べたところ、96.1%であった。液体クロマトグラフィーの条件は実施例1と同一である。
【0057】
[実施例5]
前記化合物I−1、I−2、I−4、I−11、I−12、及びI−22の6種の化合物、並びに下記式で示される、比較化合物a、b、c、及びdの4種の化合物を各20gづつ用意して、これらに水100mLをそれぞれ添加して40℃の温浴に浸し、マグネチックスターラーで攪拌しながら溶解させ、その後、氷浴に浸した。40℃の温浴中に溶解させた時の様子、及び氷浴中に浸した時の様子を観察した。その結果を表1に示す。
【0058】
【化25】
【0059】
【表1】
【0060】
表1の結果より、本発明の化合物は、比較化合物よりも水に対する溶解速度、溶解度ともに優れており、また溶解した後は析出しにくいこともわかる。
【0061】
参考例(蛍光の確認)
前記化合物I−1、I−2、I−3、I−4、I−5、I−11、I−12、I−13、I−14、I−21、及びI−22の12種の各化合物各々10mgを水1mLにそれぞれ溶解し、これらを更にメタノールにて5倍に希釈した。これらを濾紙に浸み込ませた後、乾燥した。得られた濾紙に紫外光(254nm)を照射したところ、全ての濾紙に対して青色の蛍光が見られた。
【0062】
【発明の効果】
本発明に従う一般式(I)で表される化合物は、従来のジアミノスチルベン誘導体に比べて水あるいは水溶性有機溶媒に対して高い溶解性を示す。また、本発明に従う化合物は、蛍光増白剤として有利に用いることができる。
Claims (7)
- 下記の一般式(I)で表わされる化合物。
一般式(I):
- 一般式(I)において、L1、及びL2で表される、途中にエーテル結合を有する炭素原子数2乃至8のアルキレン基が、下記の一般式(II)で表わされるアルキレン基である請求項1に記載の化合物。
一般式(II):
【化4】
−(CH2CH2O)nCH2− (nは、1乃至3の整数を表す。) - 一般式(II)において、nが1又は2である請求項4に記載の化合物。
- 一般式(I)において、R11、及びR12が、各々独立に、水素原子又はメチル基である請求項1に記載の化合物。
- 一般式(I)において、R21及びR22が、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル基、2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エチル基、フェニル基、又は4−ヒドロキシフェニル基である請求項1に記載の化合物。
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