JP3503832B2 - 光学活性トリアゾール誘導体の製造法 - Google Patents

光学活性トリアゾール誘導体の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は抗真菌剤として有用なト
リアゾール誘導体の光学活性体の製造法に関する。 【0002】 【従来の技術】アゾール系化合物の中には優れた抗真菌
作用を有するものが多く、そのいくつかは各種白癬、癩
癬、乾癬、皮膚カンジダ症、真菌性髄膜炎、真菌性呼吸
器感染症、真菌血症、尿路真菌症などの治療剤として広
く使用されている。ところで、次の一般式(1) 【0003】 【化3】 【0004】〔式中、R1 およびR2 は水素原子もしく
は低級アルキル基を示すか、またはR 1 とR2 が一緒に
なって低級アルキレン基を形成してもよい。R3 は低級
アルキル基を示し、nは0〜2の整数を示す。ただし、
1 とR2 がともに水素原子となることはない。〕で表
されるトリアゾール誘導体は、優れた抗真菌作用を有す
ることが知られている。また、このトリアゾール誘導体
(1)の光学活性体は、そのラセミ体よりもさらに強い
抗真菌作用を有し、かつ安全性も高いので前記の各種真
菌症の治療剤として有用であることが知られている(特
開平3−223266号公報)。特に、トリアゾール誘
導体(1)のうち、R1 ,R2 ,R3 がともにメチル基
で、nが2である化合物の(−)体が有用である。 【0005】このトリアゾール誘導体(1)の光学異性
体の製造法としては、2−アルキルチオアセトフェノン
誘導体にS(−)メチル−p−トリルスルホキシド等の
光学活性スルフィニル化合物を反応させて二種のジアス
テレオマー混合物とし、この混合物よりシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーで光学活性体を得、さらに当該光
学活性体を酸化し、アセチルクロリドとヨウ化ナトリウ
ムを反応させ、次いでエポキシ化後、トリアゾールを反
応させることにより得る方法が知られている(特開平3
−223266号公報)。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかし、かかるトリア
ゾール誘導体(1)の光学活性体の製造法は、中間工程
である二種のジアステレオマーの分離効率が悪く、また
製造工程が長いため工業的な生産手段としては不利なる
を免れなかった。従って、本発明の目的は高純度の前記
トリアゾール誘導体(1)の光学活性体を工業的に有利
に製造するための方法を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは工
業的に有利に製造できるトリアゾール誘導体(1)のラ
セミ体の光学分割について種々検討してきたところ、従
来より光学分割剤として広く知られている酒石酸誘導体
等を用いても光学活性体は単離できなかったが、硫酸又
はメタンスルホン酸の存在下に(+)又は(−)−3−
ブロモカンファー−8−スルホン酸アンモニウム塩を用
いれば効率よく光学活性体が単離できることを見出し、
本発明を完成するに至った。 【0008】すなわち、本発明は前記一般式(1)で表
されるトリアゾール誘導体のラセミ体に、硫酸又はメタ
ンスルホン酸の存在下に(+)又は(−)−3−ブロモ
カンファー−8−スルホン酸アンモニウム塩を反応させ
て当該トリアゾール誘導体と当該光学活性カンファース
ルホン酸とのジアステレオマー塩混合物を形成せしめ、
次いで当該混合物より一方のジアステレオマー塩のみを
晶析させた後、脱塩することを特徴とするトリアゾール
誘導体の光学活性体の製造法を提供するものである。 【0009】 【0010】本発明方法に用いられるトリアゾール誘導
体を示す一般式(1)中、R1 ,R 2 およびR3 で示さ
れる低級アルキル基としては、炭素数1〜6の直鎖また
は分枝鎖のアルキル基が挙げられ、具体的にはメチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert
−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げ
られ、いずれもメチル基が好ましい。また、R1 および
2 により形成される低級アルキレン基としては、炭素
数2〜5のアルキレン基、たとえばエチレン基、トリメ
チレン基、テトラメチレン基等が挙げられる。かかるト
リアゾール誘導体(1)の中には、水酸基が結合してい
る炭素原子、R1 およびR2 が結合している炭素原子な
らびに硫黄原子に基づく異性体が存在するが、水酸基が
結合している炭素原子の不斉に基づく光学異性体以外は
特開平3−223266号公報記載の方法により容易に
立体異性体に分離できる。本発明方法により光学分割す
るのは、従来、容易になし得なかった水酸基が結合して
いる炭素原子の不斉に基づくラセミ体である。トリアゾ
ール誘導体(1)のラセミ体は、たとえば特開平3−2
23266号公報記載の方法に従い、容易に製造するこ
とができる。 【0011】本発明方法に用いられる光学分割剤である
光学活性カンファースルホン酸類としては、たとえばハ
ロゲン原子が置換していてもよい光学活性カンファース
ルホン酸又はその塩、具体的には(+)−カンファー−
10−スルホン酸、(−)−カンファー−10−スルホ
ン酸、(+)−3−ブロモカンファー−8−スルホン
酸、(+)−3−ブロモカンファー−10−スルホン
酸、(−)−3−ブロモカンファー−8−スルホン酸、
(−)−3−ブロモカンファー−10−スルホン酸、
(+)−3−ブロモカンファー−8−スルホン酸アンモ
ニウム塩、(−)−3−ブロモカンファー−8−スルホ
ン酸アンモニウム塩等が挙げられるが、就中(+)−3
−ブロモカンファー−8−スルホン酸、(−)−3−ブ
ロモカンファー−8−スルホン酸、(+)−3−ブロモ
カンファー−8−スルホン酸アンモニウム塩、(−)−
3−ブロモカンファー−8−スルホン酸アンモニウム塩
が好ましい。 【0012】トリアゾール誘導体(1)のラセミ体と光
学活性カンファースルホン酸類との反応は、この反応に
より生成するジアステレオマー塩混合物から一方のジア
ステレオマー塩のみを晶析させるのに適した溶媒中で行
うのが好ましい。かかる溶媒としては、メタノール、エ
タノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノー
ル、イソブタノール、t−ブタノール等のアルコール
類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジ
エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;
ジクロルメタン、クロロホルム、ジクロルエタン等のハ
ロゲン化炭化水素類;アセトン、アセトニトリル、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられ
る。 【0013】この反応は、トリアゾール誘導体(1)の
ラセミ体1モルに対し、光学活性カンファースルホン酸
類0.5〜1モルを使用し、上記溶媒中に溶解し、室温
から溶媒の沸点までの温度で行われる。この反応によ
り、トリアゾール誘導体(1)の光学活性体と光学活性
カンファースルホン酸類のジアステレオマー塩混合物が
生成する。 【0014】このジアステレオマー塩混合物から一方の
ジアステレオマー塩のみを晶析させるには、ジアステレ
オマー塩の溶媒に対する溶解度の差が利用される。たと
えば、反応混合物を冷却することにより行われる。ま
た、あらかじめ用意しておいた光学純度の高い種結晶を
少量添加するのが好ましい。析出した一方のジアステレ
オマー塩をさらに再結晶すれば光学純度が向上する。 【0015】得られたジアステレオマー塩を脱塩するに
は、たとえば有機溶媒とアルカリ水溶液の混液中で処理
することにより行われる。かくすることにより、目的の
トリアゾール誘導体(1)の光学活性体は、有機溶媒中
に移行するので、当該有機層から目的物を容易に分離精
製することができる。ここで用いられる有機溶媒として
は酢酸エチル、クロロホルム、塩化メチレン等が好まし
い。アルカリ水溶液としては水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナ
トリウム、炭酸水素カリウム等の水溶液が用いられる。
また、有機層から目的物の分離精製は、たとえば再結晶
によるのがよく、当該再結晶溶媒としては、水、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、
エーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等を単独あるいは混合溶媒として用いる
ことができる。 【0016】さらに、トリアゾール誘導体(1)の光学
活性体は、光学分割剤として(+)−または(−)−3
−ブロモカンファー−8−スルホン酸アンモニウム塩を
用いることによって、より工業的に有利に製造される。
この方法は、特に(−)−3−メチル−3−メチルスル
ホニル−1−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)
−2−〔4−(トリフルオロメチル)フェニル〕ブタン
−2−オールの製造に用いるのが有利である。 【0017】すなわち、ラセミ体に硫酸、メタンスルホ
ン酸等の存在下に(−)−3−ブロモカンファー−8−
スルホン酸アンモニウム塩を用いて光学活性な塩、すな
わちトリアゾール誘導体(1)の(−)体の(−)−3
−ブロモカンファー−8−スルホン酸塩を形成させ、つ
いで脱塩、精製処理等を行うことによって、光学純度の
高いトリアゾール誘導体(1)の(−)体が高収率で容
易に得られる。また、(+)−3−ブロモカンファー−
8−スルホン酸アンモニウム塩を用いることも可能であ
り、この場合はトリアゾール誘導体(1)の(−)体の
(+)−3−ブロモカンファー−8−スルホン酸塩が生
成し、上記と同様に処理することによって、光学純度の
高いトリアゾール誘導体(1)の(−)体が高収率で容
易に得られる。これら光学活性な塩は、アルコール(メ
タノール、エタノール、イソプロピルアルコール等)等
の溶媒中、約0℃から約30℃の間の温度の条件下で生
成させることができる。アンモニウムイオンは、硫酸、
メタンスルホン酸等を共存させることにより、酸のアン
モニウム塩として除去できる。光学活性な塩の脱塩は、
たとえば炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナト
リウム、アンモニウム等のアルカリまたはトリエチルア
ミン等の有機塩基を用いることによって行われる。精製
は再結晶法等それ自体公知の方法を採用できる。なお、
光学活性な塩を晶出させる際には、高純度なトリアゾー
ル誘導体(1)の(−)体の(−)−3−ブロモカンフ
ァー−8−スルホン酸塩またはトリアゾール誘導体
(1)の(−)体の(+)−3−ブロモカンファー−8
−スルホン酸塩の種結晶を添加するのが好ましい。 【0018】光学分割剤として(+)−3−ブロモカン
ファー−8−スルホン酸アンモニウム塩を、また種結晶
として高純度のトリアゾール誘導体(1)の(+)体の
(+)−3−ブロモカンファー−8−スルホン酸塩を用
いることにより、結晶としてトリアゾール(1)の
(+)体の(+)−3−ブロモカンファー−8−スルホ
ン酸塩が得られ、その母液からトリアゾール誘導体
(1)の(−)体の粗結晶が得られることから、これに
結晶化剤として(+)−カンファー−10−スルホン酸
を、また種結晶として高純度のトリアゾール誘導体
(1)の(−)体の(+)−10−カンファースルホン
酸塩を用いることにより、光学純度の高いトリアゾール
誘導体(1)の(−)体の(+)−カンファー−10−
スルホン酸塩が得られる。この塩を上記と同様に処理す
ることにより、遊離のトリアゾール誘導体(1)の
(−)体が高収率で得られる。 【0019】次に、光学異性体分離用カラムを用いる方
法について説明する。光学活性固定相としては、合成光
学活性ポリマー、天然高分子、アミノ酸の金属錯体等が
挙げられるが、セルロース誘導体をコーティングしたシ
リカゲルが好ましい。当該セルロース誘導体をコーティ
ングしたシリカゲルを充填したカラムとしては、キラル
セルOJ光学異性体分離用カラム(ダイセル化学工業
(株)製)等の市販品を用いることができる。また、ク
ロマトグラフィーの形式としては液体クロマトグラフィ
ーが好ましい。この場合、移動相としての溶離液は、た
とえばヘキサン−エタノール−ジエチルアミン、ヘキサ
ン−イソプロパノール等を用いることができる。 【0020】 【発明の効果】本発明方法によれば、各種真菌症治療剤
として有用なトリアゾール誘導体(1)の光学活性体
が、簡便かつ工業的に有利に製造できる。 【0021】 【実施例】次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。 【0022】実施例1 (−)−3−メチル−3−メチルスルホニル−1−
(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−〔4−
(トリフルオロメチル)フェニル〕ブタン−2−オール
〔以下、「目的(−)体」という〕の合成: (1)(±)−3−メチル−3−メチルスルホニル−1
−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−〔4
−(トリフルオロメチル)フェニル〕ブタン−2−オー
ル100gにイソプロパノール1.8lを加え、65℃
で攪拌下溶解した。同温で(+)−3−ブロモカンファ
ー−8−スルホン酸82.5gのイソプロピルアルコー
ル溶液0.6lを加え、80℃で30分攪拌した。50
℃まで放冷後、純度の高い種結晶を接種し、25℃で3
日間静置した。析出した結晶を濾取し、イソプロパノー
ル0.2lで洗浄し、乾燥して目的(−)体の(+)−
3−ブロモカンファー−8−スルホン酸塩を98.3g
得た(光学純度53.8%e.e.)。 【0023】(2)得られた目的(−)体の塩にイソプ
ロパノール2lを加え、80℃で40分攪拌溶解した
後、純度の高い種結晶を接種し、25℃で2日間静置し
た。析出した結晶を濾取し、イソプロパノール0.2l
で洗浄し、乾燥して目的(−)体の(+)−3−ブロモ
カンファー−8−スルホン酸塩を70.0g得た(光学
純度96.4%e.e.)。さらに、この塩をイソプロ
パノール1.5lに加温溶解し、同様の操作を行い、目
的(−)体の(+)−3−ブロモカンファー−8−スル
ホン酸塩を62.2g得た(光学純度99.5%e.
e.)。 【0024】(3)上記の塩、酢酸エチル0.7lおよ
び10%炭酸カリウム0.25lの混合物を攪拌し、有
機層を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒
留去し、残渣を40%エタノールで再結晶すると目的
(−)体を25.9g得た。光学純度99.5%e.
e.、融点145〜147℃、〔α〕D 25−9.4°
(c=0.5、アセトン) 【0025】実施例2 (±)−3−メチル−3−メチルスルホニル−1−
(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−〔4−
(トリフルオロメチル)フェニル〕ブタン−2−オール
200mg、(+)−カンファー−10−スルホン酸6
1.6mgにイソプロパノール3mlを加え、加温し、
溶解した。種結晶を接種し、室温で終夜静置した。析出
した結晶を濾取し、イソプロパノール1mlで洗浄した
後、乾燥し、目的(−)体の(+)−カンファー−10
−スルホン酸塩80mgを得た(光学純度82.0%
e.e.)。この塩を実施例1と同様に再結晶後、脱塩
したところ、高純度の目的(−)体が得られた。 【0026】実施例3 (±)−3−メチル−3−メチルスルホニル−1−
(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−〔4−
(トリフルオロメチル)フェニル〕ブタン−2−オール
をキラルセルOJ光学異性体分離用カラムを用い、移動
相(ヘキサン:エタノール:ジエチルアミン=800:
200:1)によりそれぞれの光学異性体に分離し、目
的(−)体(光学純度99%e.e.)と(+)−3−
メチル−3−メチルスルホニル−1−(1,2,4−ト
リアゾール−1−イル)−2−〔4−(トリフルオロメ
チル)フェニル〕ブタン−2−オール(光学純度99%
e.e.)を得た。 【0027】実施例4 (±)−3−メチル−3−メチルスルホニル−1−
(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−〔4−
(トリフルオロメチル)フェニル〕ブタン−2−オール
10gおよび(−)−3−ブロモカンファー−8−スル
ホン酸アンモニウム塩6.3gをメタノール100ml
に溶解し、水冷下、濃硫酸1.33gを加えた後、メタ
ノールを減圧留去する。残留物にイソプロパノール15
0mlを加え、加温溶解させる。不溶物を濾去した後、
高純度の目的(−)体の(−)−3−ブロモカンファー
−8−スルホン酸塩を接種し、室温で一夜放置する。析
出した結晶を濾取、乾燥すると目的(−)体の(−)−
3−ブロモカンファー−8−スルホン酸塩が白色結晶と
して8.2g得られた(光学純度96%e.e.)。こ
れをさらにイソプロパノール82mlから再結晶すると
光学純度99.5%e.e.以上の目的(−)体の
(−)−3−ブロモカンファー−8−スルホン酸塩7.
8gが得られた。この塩を水150mlに懸濁し炭酸カ
リウムでアルカリ性とした後、酢酸エチルで抽出し、水
洗、乾燥した。濃縮後、残留物を含水エタノールから再
結晶すると目的(−)体が白色結晶として4.1g得ら
れた。融点145〜147℃、収率82%。〔α〕D 25
−10.7°(c=0.5、アセトン)。 【0028】実施例5 (±)−3−メチル−3−メチルスルホニル−1−
(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−〔4−
(トリフルオロメチル)フェニル〕ブタン−2−オール
10gおよび(+)−3−ブロモカンファー−8−スル
ホン酸アンモニウム塩6.3gをメタノール100ml
に溶解し、水冷下、濃硫酸1.33gを加えた後、メタ
ノールを減圧留去する。残留物にイソプロパノール15
0mlを加え、加温溶解させる。不溶物を濾去した後、
高純度の目的(−)体の(+)−3−ブロモカンファー
−8−スルホン酸塩を接種し、室温で一夜放置する。析
出した結晶を濾取、乾燥すると目的(−)体の(+)−
3−ブロモカンファー−8−スルホン酸塩が白色結晶と
して8.3g得られた。光学純度53%e.e.。これ
をさらにイソプロパノールから2回再結晶すると、光学
純度99.5%e.e.以上の目的(−)体の(+)−
3−ブロモカンファー−8−スルホン酸塩5.5gが得
られた。この塩を実施例4と同様に処理して目的(−)
体2.8gを得た。融点145〜147℃、収率56
%。〔α〕D 25−10.8°(c=0.5、アセト
ン)。 【0029】実施例6 (±)−3−メチル−3−メチルスルホニル−1−
(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−〔4−
(トリフルオロメチル)フェニル〕ブタン−2−オール
9.1gおよび(+)−3−ブロモカンファー−8−ス
ルホン酸アンモニウム塩5.7gをメタノール90ml
に溶解し、水冷下、濃硫酸1.21gを加えた後、メタ
ノールを減圧留去する。残留物にイソプロパノール13
6mlを加え、加温溶解させる。不溶物を濾去した後、
高純度の(+)−3−メチル−3−メチルスルホニル−
1−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−
〔4−(トリフルオロメチル)フェニル〕ブタン−2−
オールの(+)−3−ブロモカンファー−8−スルホン
酸塩を接種し、室温で一夜放置する。析出した結晶を濾
取、乾燥すると、(+)−3−メチル−3−メチルスル
ホニル−1−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)
−2−〔4−(トリフルオロメチル)フェニル〕ブタン
−2−オールの(+)−3−ブロモカンファー−8−ス
ルホン酸塩が白色結晶として7.1g得られた。光学純
度99%e.e.。この母液より得た粗目的(−)体
5.4gをイソプロパノール80mlに溶解させ、
(+)−カンファー−10−スルホン酸3.3gを加え
て、加温溶解させる。これに高純度の目的(−)体の
(+)−カンファー−10−スルホン酸塩を接種し、室
温で一夜放置後、析出した結晶を濾取、イソプロパノー
ルから再結晶すると、光学純度99.5%e.e.以上
の目的(−)体の(+)−カンファー−10−スルホン
酸塩6.1gが得られた。この塩を実施例4と同様に処
理して目的(−)体3.6gを得た。融点145〜14
7℃、収率79%。〔α〕D 25−10.8°(c=0.
5、アセトン)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中澤 等 千葉県成田市橋賀台3−5−23−102 (72)発明者 松田 秀明 千葉県我孫子市東我孫子2−29−8 (72)発明者 倉石 忠幸 千葉県習志野市香澄2−5−4 (72)発明者 鶴田 峯生 福岡県築上郡吉富町大字小祝955番地 吉富製薬株式会社創薬研究センター内 (72)発明者 川崎 和幸 福岡県築上郡吉富町大字小祝955番地 吉富製薬株式会社創薬研究センター内 (56)参考文献 特開 平3−223266(JP,A) 特開 平4−202188(JP,A) 特開 昭61−109773(JP,A) 特開 平4−182483(JP,A) 特開 平4−182484(JP,A) 特開 平5−51380(JP,A) 特開 平4−211078(JP,A) 特開 昭59−157094(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 249/08 CA(STN)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 〔式中、R1およびR2は水素原子もしくは低級アルキル
    基を示すか、またはR1とR2が一緒になって低級アルキ
    レン基を形成してもよい。R3は低級アルキル基を示
    し、nは0〜2の整数を示す。ただし、R1とR2がとも
    に水素原子になることはない。〕で表されるトリアゾー
    ル誘導体のラセミ体に、硫酸又はメタンスルホン酸の存
    在下に(+)又は(−)−3−ブロモカンファー−8−
    スルホン酸アンモニウム塩を反応させて当該トリアゾー
    ル誘導体と当該光学活性カンファースルホン酸とのジア
    ステレオマー塩混合物を形成せしめ、次いで当該混合物
    より一方のジアステレオマー塩のみを晶析させた後、脱
    塩することを特徴とするトリアゾール誘導体の光学活性
    体の製造法。
JP02939094A 1993-03-01 1994-02-28 光学活性トリアゾール誘導体の製造法 Expired - Fee Related JP3503832B2 (ja)

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