JP4053798B2 - アルカリ現像型光硬化性組成物及びそれを用いた焼成物パターンの製造方法 - Google Patents

アルカリ現像型光硬化性組成物及びそれを用いた焼成物パターンの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマディスプレイパネルの前面基板や背面基板に形成される導体パターンや隔壁パターン、さらには誘電体パターン、蛍光体パターン、ブラックマトリックスの形成に特に有利に適用でき、また蛍光表示管及び電子部品用の導電体、抵抗体、誘電体の形成にも適用できるアルカリ水溶液により現像可能な光硬化性組成物、及びそれを用いて得られる導体パターンやガラス質誘電体パターン、蛍光体パターンなどの焼成物パターンに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、プラズマディスプレイパネルの前面基板や背面基板、プリント配線板の電極回路基板などにおいて、形成パターンの高精細化が進んでおり、それに伴ってパターン形成技術の向上が望まれている。特にプラズマディスプレイパネルでは、大型ハイビジョン化への技術革新がめざましく、50インチクラスが製品化され、さらなる大型化・ハイビジョン化が試みられている。
【0003】
このようなプラズマディスプレイパネル、蛍光表示管、電子部品などにおける導体パタ−ンや誘電体パタ−ンでは、一般に極めて多量の金属粉又はガラス粉末を含有する導電性ペ−スト又はガラスペーストを用いているので、スクリーン印刷法によるパターン形成は、熟練を要し、また印刷時における掠れや滲み、スクリーンの伸縮に起因する位置合わせ精度の低下、スクリーンメッシュ痕のギザツキ等の問題があり、歩留りが低く、高精細パターンや大型化への対応が難しい。
【0004】
そのため従来、スクリーン印刷法に代わり得るパターン形成法としてフォトリソグラフィー法が提案されている(例えば、特開平1−296534号、特開平2−165538号、特開平5−342992号公報参照)。
このフォトソリグラフィー法は、紫外線硬化型ガラスペースト材料を絶縁基板上にコーティングし、露光、現像によってパターン形成するものであり、特に環境問題への配慮からアルカリ現像タイプが主流になっている。そして、アルカリ現像タイプにするために、カルボキシル基を有する高分子化合物が皮膜形成成分として主に用いられている。
【0005】
しかしながら、カルボキシル基を有する高分子化合物にガラス粉のような塩基性無機微粒子を配合すると、得られるガラスペースト組成物の粘度安定性が極めて悪くなる。そのため、組成物のゲル化や流動性の低下による塗布作業性の悪化、あるいは塗膜の現像性の低下を招き、充分な作業余裕度がとれないという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、上述したような従来技術が抱える問題を解消するためになされたものであり、その基本的な目的は、極めて多量に無機微粉体を含有しても保存安定性(粘度安定性)や塗布作業性、アルカリ水溶液による現像性に優れると共に、焼成工程においてパターンエッジのカール(反り)や剥れなどを生じることなく、高精細、高アスペクト比のパターンを形成できるアルカリ現像型の光硬化性組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、フォトリソグラフィー技術により作業性、生産性良く高精細な導体回路パターンやガラス質誘電体パターン、蛍光体パターンを形成でき、しかも画像に悪影響を及ぼす焼成残渣を生ずることなく600℃以下での焼成工程を行うことができるアルカリ現像型光硬化性組成物を提供することにある。本発明のさらに他の目的は、このような光硬化性組成物から選択的露光、現像、及び焼成の一連の工程により生産性良く製造した高精細な焼成物パターンを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の第一の側面によれば、(A)芳香族環を有さない2官能エポキシ樹脂(a)と1分子中に少なくとも2つのカルボキシル基を有する芳香族環を有さない化合物(b)との重付加反応により得られる側鎖に水酸基を有する樹脂(A−1)に、多塩基酸無水物(c)を付加してなる、重量平均分子量が1,000〜100,000で酸価が50〜200mg/KOHである末端及び側鎖にカルボキシル基を有するアルカリ可溶性高分子バインダー、(B)無機粉体、(C)光重合性モノマ−、(D)光重合開始剤、及び(E)有機溶剤を含有することを特徴とするアルカリ現像型光硬化性組成物が提供される。
【0008】
また、本発明の光硬化性組成物は、ペースト状形態であってもよく、予めフィルム状に成膜したドライフィルムの形態であってもよい。
ペースト状形態の場合、前記無機粉体(B)として導電性微粒子を用いれば光硬化性導電ペースト組成物となり、ガラス粉末のみを用いれば光硬化性ガラスペースト組成物となる。また、ブラックパターン用ペースト組成物の場合、さらに黒色顔料を含有する。
【0009】
さらに本発明の他の側面によれば、前記のような光硬化性組成物を用いた焼成物パターンの製造方法が提供される。例えば、前記光硬化性組成物がペースト状形態の場合、基板上にペースト状光硬化性組成物を塗布し、乾燥して成膜し、一方、ドライフィルム形態の場合には基板上にラミネートし、その後、選択的露光、現像によりパターニングした後、焼成することにより、高精細な焼成物パターンが得られる。このようにして形成される焼成物パターンは、前記無機粉体(B)として金属微粒子を用いた場合には導電パターンとなり、ガラス粉末を用いた場合にはガラス質誘電体パターンとなる。また、無機粉体として蛍光体粉体を用いることにより、蛍光体パターンを形成することもできる。
【0010】
【発明の実施の形態】
前記したように、従来のアルカリ現像型光硬化性ペースト組成物の場合、保存安定性(粘度安定性)が極めて悪く、組成物のゲル化や流動性の低下による塗布作業性の悪化や塗膜の現像性の低下を生じるため、作業条件の設定が極めて狭い範囲に制限されるという問題がある。
そこで、本発明者らは、塩基性無機微粒子とカルボキシル基の反応を抑制する目的で、有機酸や無機酸の添加を試みたが、ゲル化は抑制されるものの、乾燥後の塗膜の指触乾燥性が低下し、その後の作業性が劣ることや、描かれたパターン上にピンホールが発生したり、パターンラインの欠けを生ずるなどの欠点があった。
このような欠点を解消すべく本発明者らはさらに鋭意研究を重ねた結果、アルカリ可溶性高分子バインダーのカルボキシル基に立体的障害をもたせて塩基性無機微粒子との接触を抑制することにより、諸特性を低下させることなく優れた保存安定性を示す感光性ペースト組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0011】
すなわち、本発明の光硬化性組成物は、無機粉体のバインダーとして、芳香族環を有さない2官能エポキシ樹脂(a)と1分子中に少なくとも2つのカルボキシル基を有する芳香族環を有さない化合物(b)との重付加反応により得られる側鎖に水酸基を有する樹脂(A−1)の2級の水酸基に、多塩基酸無水物(c)を付加することにより得られる、重量平均分子量が1,000〜100,000で酸価が50〜200mg/KOHである末端及び側鎖にカルボキシル基を有するアルカリ可溶性高分子バインダー(A)を用いることを特徴としている。
【0012】
これにより、本発明の光硬化性組成物を構成するアルカリ可溶性高分子バインダー(A)は、主鎖近傍に位置する2級の水酸基に多塩基酸無水物を付加反応させて、カルボキシル基を導入しているので、主鎖との立体的障害により塩基性の無機微粒子との接触が抑制される。その結果、このようなアルカリ可溶性高分子バインダ−を含む組成物は、塩基性無機微粒子と共存するにもかかわらず、優れた保存安定性を示し、保存中に粘度の変化やゲル化を殆ど生ずることはない。
【0013】
また、このアルカリ可溶性高分子バインダー(A)は、側鎖及び末端にカルボキシル基を有するので、アルカリ水溶液に対して可溶性であり、そのため、本発明の光硬化性組成物を用いて形成した皮膜は、選択的露光後にアルカリ水溶液により安定した現像が可能となる。しかも、このアルカリ可溶性高分子バインダー(A)は、可撓性に優れるので、現像後の剥がれもなく基材との密着性にも優れる塗膜パターンが得られる。
さらに、このアルカリ可溶性高分子バインダー(A)は、主鎖中に芳香族環を有さない構造なので、焼成残渣を生じることなく焼成を行うことができる。
【0014】
そしてさらに、本発明の光硬化性組成物においては、前記無機粉体(B)として低融点ガラス粉末が用いることにより、600℃以下の温度での焼成が可能になり、また焼成物パタ−ンの基板への密着性が向上する。この場合、ガラスペーストを組成する場合はもちろんであるが、導電性ペーストを組成する場合のように金属粉などの他の無機粉体を用いる場合にも3質量%以上の低融点ガラス粉末を配合することが好ましい。
【0015】
以上説明したように、本発明の光硬化性組成物は、保存安定性の悪さや、ゲル化や流動性の低下により塗布作業性が悪いといった問題もなく、フォトリソグラフィー技術により容易に大面積の基板に高精細のパターンを形成でき、しかも600℃以下での焼成工程でも充分に使用でき、歩留まりの大幅な向上を実現できる。
【0016】
以下、本発明の光硬化性組成物の各成分について詳細に説明する。
まず、本発明の光硬化性組成物を構成するアルカリ可溶性高分子バインダー(A)について説明する。
本発明で用いられるアルカリ可溶性高分子バインダー(A)のバックボーンポリマーのモノマー成分としては、芳香族環を有さない2官能エポキシ樹脂(a)(以下、単に「2官能エポキシ樹脂」という。)が用いられる。この2官能エポキシ樹脂は、芳香族環を有さないものであれば特に限定することなく用いることができるが、具体的には、エチレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、共栄社化学製の商品名「エポライト 40E」)、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(例えば、共栄社化学製の商品名「エポライト 1500NP」)、水添ビスフェノールA型エポキシ化合物(例えば、ジャパンエポキシレジン社製の商品名「エピコートYL−6663」、東都化成社製の商品名「エポトートST−2004」「エポトートST−2007」「エポトートST−3000」)等を挙げることができ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でも、特に塗膜乾燥後の指触乾燥性の点では水添ビスフェノールA型エポキシ化合物が好ましい。
【0017】
また、上記バックボーンポリマーの他のモノマー成分としては、1分子中に少なくとも2つのカルボキシル基を有する芳香族環を有さない化合物(b)(以下、単に「ジカルボン酸」という。)が用いられる。具体的には、1,4−シクロヘキセンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ジシクロペンタジエンジカルボン酸などが挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0018】
このような2官能エポキシ樹脂(a)とジカルボン酸(b)との反応に使用される触媒としては、エポキシ基とカルボキシル基が定量的に反応するホスフィン類、アルカリ金属化合物、アミン類を単独で又は併用して用いることが好ましい。これ以外の触媒は、エポキシ基とカルボキシル基との反応で生成するアルコール性の水酸基にモノマー成分が反応し、ゲル化するので好ましくない。
【0019】
ホスフィン類としては、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン等のトリアルキルもしくはトリアリールホスフィン又はこれらと酸化物との塩類などが挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アルカリ金属化合物としては、ナトリウム、リチウム、カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、ハロゲン化物、アルコラート、アミドなどが挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アミン類としては、脂肪族又は芳香族の第一級、第二級、第三級、第四級アミン類などが挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。アミン類の具体例としては、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルピペラジン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ヘキサメチレンテトラミン、ピリジン、テトラメチルアンモニウムブロマイドなどが挙げられる。
【0020】
これらの触媒の使用量は、2官能エポキシ樹脂(a)のエポキシ基1モルに対して0.1〜25モル%、より好ましくは0.5〜20モル%、さらに好ましくは1〜15モル%の割合であることが望ましい。この理由は、触媒の使用量が0.1モル%よりも少ない割合の場合、反応に時間がかかり経済的でなく、一方、25モル%を超える場合、逆に反応が早いため制御し難くなるので好ましくない。
【0021】
この2官能エポキシ樹脂(a)とジカルボン酸(b)との重付加反応は、不活性ガス気流中あるいは空気中で、前記触媒の共存下、約50〜200℃、好ましくは約80℃〜150℃の温度範囲で行なうことが好ましい。反応温度が50℃よりも低い場合、反応が進行し難くなるので好ましくない。一方、反応温度が200℃を超える場合、生成物の水酸基とエポキシ基の副反応が進行し、ゲル化を生じ易くなるので好ましくない。反応時間は、原料の反応性、反応温度に応じて適時選択すればよいが、約5〜72時間が好適である。
【0022】
このような重付加反応により得られる樹脂(A−1)の側鎖のアルコール性水酸基に多塩基酸無水物(c)を反応させて、本発明のアルカリ可溶性高分子バインダー(A)が得られる。
【0023】
具体的には、下記一般式(1)で示されるような樹脂(A−1)に多塩基酸無水物(c)を反応させると、下記一般式(2)で示されるようなアルカリ可溶性高分子バインダーを得ることができる。式中、Rはジカルボン酸残基、Rは2官能エポキシ残基、Rは二塩基酸無水物残基を示す。
【化1】
Figure 0004053798
【化2】
Figure 0004053798
【0024】
この反応において、多塩基酸無水物(c)の使用量は、上記樹脂(A−1)中のアルコール性水酸基に対して無水物基が99:1〜1:99の割合が適しており、生成する高分子バインダー(A)の酸価が50〜200mgKOH/g、好ましくは50〜120mgKOH/gの範囲内となるような付加量とする。高分子バインダーの酸価が50mgKOH/gよりも低いときは、アルカリ水溶液に対する溶解性が悪くなり、形成した塗膜の現像が困難になる。一方、200mgKOH/gよりも高くなると、露光の条件によらず露光部の表面まで現像されてしまい、好ましくない。
【0025】
上記反応は、後述する有機溶剤の存在下又は非存在下でハイドロキノンや酸素等の重合禁止剤の存在下、通常約50〜130℃で行なう。このとき必要に応じて、トリエチルアミン等の三級アミン、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の四級アンモニウム塩、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、トリフェニルホスフィン等のリン化合物等を触媒として添加してもよい。
【0026】
上記多塩基酸無水物(c)としては、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸等の脂環式二塩基酸無水物;無水コハク酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、オクテニル無水コハク酸、ペンタドデセニル無水コハク酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸等の脂肪族又は芳香族二塩基酸無水物、あるいはビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等の脂肪族又は芳香族四塩基酸二無水物が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。
【0027】
以上説明したようなアルカリ可溶性高分子バインダー(A)としては、重量平均分子量が1,000〜100,000、好ましくは6,000〜50,000で、酸価が50〜200mgKOH/g、好ましくは60〜100mgKOH/gを有するものを好適に用いる。高分子バインダー(A)の分子量が1,000より低い場合、現像時のコーティング層の密着性に悪影響を与え、一方、100,000よりも高い場合、現像不良が生じ易くなるので好ましくない。また、酸価が50mgKOH/gより低い場合、アルカリ水溶液に対する溶解性が不充分で現像不良が生じ易くなり、一方、酸価が200mgKOH/gより高い場合、現像時にコーティング層の密着性の劣化や光硬化部(露光部)の溶解が生じ易くなるので好ましくない。
【0028】
このようなアルカリ可溶性高分子バインダー(A)は、組成物全量の5〜50質量%の割合で配合することが好ましい。該高分子バインダーの配合量が上記範囲よりも少な過ぎる場合、形成する皮膜中の上記樹脂の分布が不均一になり易く、選択的露光、現像による高精細なパターン形成が困難となる。一方、上記範囲よりも多過ぎると、焼成時のパターンのよれや線幅収縮を生じ易くなるので好ましくない。
【0029】
次に、本発明の光硬化性組成物を構成する無機粉体(B)について説明する。本発明の光硬化性組成物を導電性ペーストとして処方する場合に用いる無機粉体(B)の具体例としては、導電性金属微粒子(B−1)又は黒色導電性微粒子(B−2)、ならびにこれらの導電性微粒子とガラス粉末(B−3)の混合物が挙げられる。
導電性金属微粒子(B−1)としては金、銀、銅、ルテニウム、パラジウム、白金、アルミ、ニッケル等やこれらの合金を用いることができる。上記導電性金属微粒子は、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができ、平均粒径としては解像度の点から10μm以下、好ましくは5μm以下の粒径が好適である。また、これらの導電性金属微粒子は、球状、ブロック状、フレーク状、デンドライト状の物を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの導電性金属微粒子の酸化防止、組成物内での分散性向上、現像性の安定化のため、特にAg、Ni、Alについては脂肪酸による処理を行うことが好ましい。脂肪酸としては、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリン酸等が挙げられる。
また、黒色導電性微粒子(B−2)は、PDP用電極作成工程においては500〜600℃という高温焼成を伴うため、高温での色調や導電性の安定性を有するものである必要があり、例えばルテニウム酸化物やルテニウム化合物、銅−クロム系黒色複合酸化物、銅−鉄系黒色複合酸化物等が好適に用いられる。特にルテニウム酸化物又はルテニウム化合物は、高温での色調や導電性の安定性に極めてすぐれていることから最適である。
【0030】
このような導電性微粒子の配合量は、前記アルカリ可溶性高分子バインダー(A)100質量部当り25〜1,000質量部となる割合が適当である。導電性微粒子の配合量が25質量部未満の場合、導体回路の線幅収縮や断線を生じ易くなり、一方、1,000質量部を超えて多量に配合すると、光の透過を損ない、組成物の充分な光硬化性が得られ難くなる。
さらに焼成後の皮膜の強度、基板への密着性向上のために、後述するようなガラス粉末(B−3)を導電性微粒子100質量部に対し1〜500質量部の範囲で添加することができる。
【0031】
本発明の光硬化性組成物をガラスペースト等として処方する場合に用いるガラス粉末(B−3)としては、軟化点が300〜600℃の低融点ガラスフリットが用いられ、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化亜鉛又は酸化リチウムを主成分とするものが好適に使用できる。また、低融点ガラスフリットとしては、ガラス転移温度が300〜550℃、熱膨張係数α300=70〜90×10−7/℃のものを用いることが好ましく、また、解像度の点から平均粒径10μm以下、好ましくは2.5μm以下のものを用いることが好ましい。
ガラス粉末の配合量も、前記アルカリ可溶性高分子バインダー(A)100質量部当り10〜1,000質量部となる割合が適当である。
【0032】
酸化鉛を主成分とするガラス粉末の好ましい例としては、酸化物基準の質量%で、PbOが48〜82%、Bが0.5〜22%、SiOが3〜32%、Alが0〜12%、BaOが0〜10%、ZnOが0〜15%、TiOが0〜2.5%、Biが0〜25%の組成を有し、軟化点が420〜590℃である非結晶性フリットが挙げられる。
【0033】
酸化ビスマスを主成分とするガラス粉末の好ましい例としては、酸化物基準の質量%で、Biが35〜88%、Bが5〜30%、SiOが0〜20%、Alが0〜5%、BaOが1〜25%、ZnOが1〜20%の組成を有し、軟化点が420〜590℃である非結晶性フリットが挙げられる。
【0034】
酸化亜鉛を主成分とするガラス粉末の好ましい例としては、酸化物基準の質量%で、ZnOが25〜60%、KOが2〜15%、Bが25〜45%、SiOが1〜7%、Alが0〜10%、BaOが0〜20%、MgOが0〜10%の組成を有し、軟化点が420〜590℃である非結晶性フリットが挙げられる。
【0035】
酸化リチウムを主成分とするガラス粉末の好ましい例としては、酸化物基準の質量%で、LiOが1〜13%、Biが0〜30%、Bが1〜50%、SiOが1〜50%、Alが1〜40%、BaOが1〜20%、ZnOが1〜25%の組成を有し、軟化点が420〜590℃である非結晶性フリットが挙げられる。
【0036】
ペーストの色調を黒にする場合、Fe、Co、Cu、Cr、Mn、Al、La、Srの1種又は2種類以上を主成分として含む金属酸化物又は複合金属酸化物からなる黒色顔料を添加することができる。このような黒色顔料としては、黒色度の点から平均粒径1.0μm以下、好ましくは0.6μm以下のものが好適である。
【0037】
本発明の光硬化性組成物を蛍光体ペーストに処方する場合に用いる無機粉体としては、用途に応じて種々の蛍光体粉末(B−4)を用いることができ、例えば酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、アルミナ、酸化セリウム等の短周期率表におけるIIa族、 IIIa族、及び IIIb族に属する元素の金属酸化物の少なくとも一種に、賦活剤又は共賦活剤としてのSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuから選ばれた少なくとも一種の希土類元素を混合し、焼結させた一種のセラミックス構造を有する長残光性蛍光物質や、代表的燐光体である亜鉛又はアルカリ土類の硫化物等の蛍光物質を用いることができる。プラズマディスプレイパネルの蛍光層には、一般に、(Y,Gd)BO:Eu(ユーロピウムを発光センタとしたイットリウム、ガドリニウムのホウ酸塩、赤色発光)、ZnSiO:Mn(マンガンを発光センタとしたケイ酸亜鉛、緑色発光)、BaO・6Al:Mn(緑色発光)、BaMgAl1423:Eu(ユーロピウムを発光センタとしたバリウムマグネシウムアルミネート、青色発光)、BaMgAl1017:Eu(青色発光)などが用いられている。これら蛍光体粉末(B−4)の平均粒径は10ミクロン以下、好ましくは5ミクロン以下が望ましく、またその配合割合は前記金属粉の場合と同様である。
【0038】
本発明の光硬化性組成物に添加できるその他の無機粉体(B)としては、セラミック微粒子(B−5)が挙げられる。このセラミック微粒子(B−5)としては、アルミナ、コージェライト、ジルコンのうち、1種又は2種以上を用いることが好ましい。また、解像度の点から平均粒径10μm以下、好ましくは2.5μm以下のものを用いることが好ましい。
【0039】
このような本発明で用いる無機粉体(B)は、10ミクロン以下の粒径のものが好適に使用されるため、2次凝集防止、分散性の向上を目的として、無機粉体の性質を損わない範囲で有機酸、無機酸、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等で予め表面処理したものを用いたり、光硬化性組成物をペースト化する時点で上記処理剤を添加することが好ましい。この無機粉体(B)の処理方法としては、上記のような表面処理剤を有機溶剤や水などに溶解させた後、無機粉体を添加攪拌し、溶媒を留去した後、約50〜200℃で2時間以上加熱処理を施すことが望ましい。また本発明では、無機粉体(B)を溶剤中に分散剤を用いて均一に分散したスラリーを好適に用いることができる。
【0040】
次に、本発明の光硬化性組成物を構成する光重合性モノマー(C)について説明する。この光重合性モノマー(C)としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ノナンジオールジアクリレート、ポリウレタンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変成トリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート及び上記アクリレートに対応する各メタクリレート類、多塩基酸とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとのモノ−、ジ−、トリ−、又はそれ以上のポリエステル、多塩基酸とOH基をもつ多感能(メタ)アクリレートモノマーとのモノ−、ジ−、トリ−、又はそれ以上のポリエステル、などが挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
この光重合性モノマー(C)の配合割合は、組成物の光硬化促進の点から、一般には前記アルカリ可溶性高分子バインダー(A)100質量部当り1〜200質量部、好ましくは20〜100質量部が適当である。
【0041】
次に、本発明の光硬化性組成物を構成する光重合開始剤(D)について説明する。この光重合開始剤(D)の具体例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインとベンゾインアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアミノアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;キサントン類;(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−ペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルフォスフィネイト等のフォスフィンオキサイド類;各種パーオキサイド類;1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタンなどが挙げられ、これら公知慣用の光重合開始剤を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。これらの光重合開始剤(D)の配合割合は、アルカリ可溶性高分子バインダー(A)100質量部当り1〜20質量部が好ましい。
【0042】
また、上記のような光重合開始剤(D)は、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の三級アミン類のような公知慣用の光増感剤の1種あるいは2種以上と組み合わせて用いることができる。
さらに、より深い光硬化深度を要求される場合、必要に応じて、可視領域でラジカル重合を開始するチバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製CGI784等のチタノセン系光重合開始剤、3−置換クマリン色素、ロイコ染料等を硬化助剤として組み合わせて用いることができる。
【0043】
次に、本発明の光硬化性組成物を構成する有機溶剤(E)について説明する。この有機溶剤(E)は、光硬化性組成物を希釈することによりペースト化し、容易に塗布工程を可能とし、次いで乾燥させて造膜し、接触露光を可能とするために用いられる。具体的には、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の酢酸エステル類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤などの公知慣用の有機溶剤が使用できる。これら有機溶剤(E)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
この有機溶剤(E)の使用量は、塗布方法に応じた光硬化性組成物の所望の粘度に調整できる量的割合であればよい。
【0044】
本発明に係る光硬化性組成物では、組成物の保存安定性向上のため、金属あるいは酸化物粉末との錯体化あるいは塩形成などに効果のある化合物を、安定剤として添加することができる。
この安定剤としては、無機酸、有機酸、リン酸化合物(無機リン酸、有機リン酸)などの酸を好適に用いることができる。このような安定剤は、上述した無機粉体(B)100質量部当り5質量部以下の割合で添加することが好ましい。
特に、無機粉体(B)として黒色顔料を用いる場合には、有機酸とフェノチアジンなどの熱重合禁止剤を配合することで、保存安定性に一層優れる組成物が得られる。
【0045】
無機酸としては、硝酸、硫酸、塩酸、ホウ酸等が挙げられる。
また、有機酸としては、ギ酸、酢酸、アセト酢酸、クエン酸、イソクエン酸、アニス酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、アゼライン酸、カプロン酸、イソカプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ウンデカン酸、ラウリル酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、シュウ酸、マロン酸、エチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、ピルビン酸、ピペロニル酸、ピロメリット酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、酒石酸、レブリン酸、乳酸、安息香酸、イソプロピル安息香酸、サリチル酸、イソカプロン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、アクリル酸、メタクリル酸、チグリン酸、エチルアクリル酸、エチリデンプロピオン酸、ジメチルアクリル酸、シトロネル酸、ウンデセン酸、ウンデカン酸、オレイン酸、エライジン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、フェニル酢酸、ケイ皮酸、メチルケイ皮酸、ナフトエ酸、アビエチン酸、アセチレンジカルボン酸、アトロラクチン酸、イタコン酸、ソルビン酸、バニリン酸、パルミチン酸、ヒドロキシケイ皮酸、ヒドロキシナフトエ酸、ヒドロキシ酪酸、ビフェニルジカルボン酸、フェニルケイ皮酸、フェニル酢酸、フェニルプロピオル酸、フェノキシ酢酸、プロピオル酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、ベラトルム酸、ベンジル酸、オキサロコハク酸、オキサロ酢酸、オクタン酸、没食子酸、マンデル酸、メサコン酸、メチルマロン酸、メリト酸、ラウリン酸、リシノール酸、リノール酸、リンゴ酸、等が挙げられる。
【0046】
無機リン酸としては、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、オルトリン酸、二リン酸、トリポリリン酸、ホスホン酸、等が挙げられる。
また、有機リン酸としては、リン酸メチル、リン酸エチル、リン酸プロピル、リン酸ブチル、リン酸フェニル、リン酸ジメチル、リン酸ジエチル、リン酸ジブチル、リン酸ジプロピル、リン酸ジフェニル、リン酸イソプロピル、リン酸ジイソプロピル、リン酸nブチル、亜リン酸メチル、亜リン酸エチル、亜リン酸プロピル、亜リン酸ブチル、亜リン酸フェニル、亜リン酸ジメチル、亜リン酸ジエチル、亜リン酸ジブチル、亜リン酸ジプロピル、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸イソプロピル、亜リン酸ジイソプロピル、亜リン酸nブチル−2−エチルヘキシル、ヒドロキシエチレンジホスホン酸、アデノシン三リン酸、アデノシンリン酸、モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、モノ(2−アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、ジ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、ジ(2−アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、エチルジエチルホスホノアセテート、エチルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ブチルピロホスフェート、ブトキシエチルアシッドホスフェート、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート、テトラコシルアシッドホスフェート、ジエチレングリコールアシッドホスフェート、(2−ヒドロキシエチル)メタクリレートアシッドホスフェート等が挙げられる。
【0047】
その他の酸として、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタリンスルホン酸、エタンスルホン酸、ナフトールスルホン酸、タウリン、メタニル酸、スルファニル酸、ナフチルアミンスルホン酸、スルホ安息香酸、スルファミン酸等のスルホン酸系の酸も用いることができる。
以上に列挙したような安定剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0048】
本発明の光硬化性組成物は、その所望の特性を損わない範囲で、さらに必要に応じて、各種顔料、特に耐熱性無機顔料、シリコーン系、アクリル系等の消泡・レベリング剤等の他の添加剤を配合することもできる。さらにまた、必要に応じて、導電性金属粉の酸化を防止するための公知慣用の酸化防止剤や、保存時の熱的安定性を向上させるための熱重合禁止剤、焼成時における基板との結合成分としての金属酸化物、ケイ素酸化物、ホウ素酸化物などの微粒子を添加することもできる。
【0049】
本発明の光硬化性組成物は、前述のように導電性ペースト、ガラスペースト、蛍光体ペーストなどとして用いることができ、これらはフィルム化して使用もできるが、ペーストをそのまま使用する場合は、スクリーン印刷法、カーテンコート法、ロールコート法、バーコート法、ブレードコート法、ダイコート法等の適宜の方法により、ガラス板、セラミックス板等の各種基板に塗布する。塗布後、熱風循環式乾燥炉、遠赤外線乾燥炉等で例えば約60〜120℃で5〜40分間程度乾燥させてタックフリーの塗膜を得る。その後、選択的露光、現像、焼成を行って所定の導体パターン、ガラス質誘電体パターン、蛍光体パターンを形成する。
【0050】
露光工程としては、所定の露光パターンを有するネガマスクを用いた接触露光及び非接触露光が可能であるが、解像度の点からは接触露光が好ましい。また、露光環境としては、真空中又は窒素雰囲気下が好ましい。露光光源としては、ハロゲンランプ、高圧水銀灯、レーザー光、メタルハライドランプ、ブラックランプ、無電極ランプなどが使用される。露光量としては50〜1000mJ/cmが好ましい。
【0051】
現像工程としてはスプレー法、浸漬法等が用いられる。現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウムなどの金属アルカリ水溶液や、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどのアミン水溶液、特に約1.5質量%以下の濃度の希アルカリ水溶液が好適に用いられるが、組成物中のアルカリ可溶性高分子バインダーのカルボキシル基がケン化され、未硬化部(未露光部)が除去されればよく、上記のような現像液に限定されるものではない。また、現像後に不要な現像液の除去のため、水洗や酸中和を行うことが好ましい。
【0052】
焼成工程においては、現像後の基板を空気中又は窒素雰囲気下で約380〜600℃の加熱処理を行い、ガラス成分を溶融し、導体パターン、ガラス質誘電体パターン、蛍光体パターンなど所望のパターンを固着する。またこの時、焼成工程の前段階として、約300〜500℃に加熱してその温度で所定時間保持し、有機物を除去する工程を入れることが好ましい。
【0053】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものでないことはもとよりである。なお、「部」及び「%」とあるのは、特に断りがない限り全て質量基準である。
【0054】
(合成例1)
ガス導入管、撹拌装置、冷却管及び温度計を備えたフラスコに、アジピン酸468部とエポキシ当量87g/当量のエチレングリコールジグリシジルエーテル540部を仕込み、窒素雰囲気下にて、100℃で撹拌した。その後、トリフェニルホスフィン3部を添加し温度を100℃で保持しながら、約6時間反応させ、酸価11の樹脂を得た。
次に、この樹脂504部を、撹拌装置、冷却管及び温度計を備えたフラスコに入れ、カルビトールアセテート200部を加え、加熱溶解し、メチルハイドロキノン0.5部と、トリフェニルホスフィン4部を加え、80〜90℃まで加熱し、テトラヒドロフタル酸無水物140部を加え、8時間反応させた。反応は、電位差滴定による反応液の酸化、全酸化測定を行ない、得られる付加率にて追跡し、反応率95%以上を終点とする。
このようにして得られたアルカリ可溶性高分子バインダーは、固形物の酸価88mgKOH/gであった。以下、この反応溶液をワニスAと称す。
【0055】
(比較合成例1)
温度計、撹拌機、滴下ロート、及び還流冷却器を備えたフラスコに、溶媒としてジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート200部、触媒としてアゾビスイソブチロニトリルを入れ、窒素雰囲気下、80℃に加熱し、メタアクリル酸25.8部とエチルメタアクリレート152.8部と2−ヒドロキシエチルメタアクリレート4.7部を表2に示すモル比で混合したモノマーを約2時間かけて滴下し、さらに1時間撹拌後、温度を115℃まで上げ、失活させた。このようにして得られたアルカリ可溶性高分子バインダーは、固形物の酸価78mgKOH/gであった。以下、この反応溶液をワニスBと称す。
【0056】
(比較合成例2)
温度計、撹拌機、滴下ロート、及び還流冷却器を備えたフラスコに、溶媒としてジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート300部、触媒としてアゾビスイソブチロニトリルを入れ、窒素雰囲気下、80℃に加熱し、エチルメタアクリレート91.2部と2−ヒドロキシエチルメタアクリレート156部を混合したモノマーを約2時間かけて滴下し、さらに1時間撹拌後、温度を115℃まで上げ、失活させ、樹脂溶液を得た。
この樹脂溶液を冷却後、触媒として臭化テトラブチルアンモニウムを用い、95〜105℃で8時間の条件で、無水テトラヒドロフタル酸60.8部を付加反応させた。このようにして得られたアルカリ可溶性高分子バインダーは、固形物の酸価73mgKOH/gであった。以下、この反応溶液をワニスCと称す。
【0057】
前述の合成例及び比較合成例にて得られた各ワニスを用い、他の成分と共に後述する組成比にて配合し、攪拌機により攪拌後、3本ロールミルにより練肉し、ペースト化を行い、光硬化性ペースト組成物を調製した。
なお、ガラス粉末としては、PbOが60%、Bが20%、SiOが15%、Alが5%の組成を有し、熱膨張係数α300=70×10−7/℃、ガラス転移温度 445℃、平均粒径2.5μmの低融点ガラスフリットを使用した。また黒色顔料としては、平均粒径0.5μmのCu、Cr、Mn系酸化物を使用した。また、導電性金属粉としては、球状で平均粒径が1μmの銀粉末を用い、脂肪酸系の表面処理剤で処理したもの(脂肪酸処理は、水:イソプロパノールの1:1混合液中リノール酸1質量%の溶液に銀粉400質量%を添加撹拌し、溶媒を留去した後、70℃で3時間加熱処理して行った。)を用いた。
【0058】
(組成物例1)
ワニスA 200部
ペンタエリスリト−ルトリアクリレ−ト 50部
2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕
−2−モルフォリノプロパン−1−オン 10部
黒色顔料 150部
ガラス粉 500部
【0059】
(組成物例2)
ワニスA 200部
トリメチロールプロパントリアクリレート 50部
2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕
−2−モルフォリノプロパン−1−オン 15部
銀粉末 150部
黒色顔料 100部
ガラス粉 25部
【0060】
(比較組成物例1)
ワニスB 200部
ペンタエリスリト−ルトリアクリレ−ト 50部
2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕
−2−モルフォリノプロパン−1−オン 10部
黒色顔料 150部
ガラス粉 500部
【0061】
(比較組成物例2)
ワニスB 200部
トリメチロールプロパントリアクリレート 50部
2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕
−2−モルフォリノプロパン−1−オン 15部
銀粉末 150部
黒色顔料 100部
ガラス粉 25部
【0062】
(比較組成物例3)
ワニスC 200部
ペンタエリスリト−ルトリアクリレ−ト 70部
2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕
−2−モルフォリノプロパン−1−オン 10部
黒色顔料 150部
ガラス粉 500部
【0063】
前記組成物例1、2及び比較組成物例1〜3の各光硬化性ペースト組成物を25℃で保管し、保存安定性(24時間及び1週間後の粘度安定性)を評価した。
また、前記組成物例1、2及び比較組成物例1〜3の各光硬化性ペースト組成物について、ペースト作製後と1週間後に、ガラス基板上にストライプ状のラインを形成し、現像性(現像後、基板の直接目視による観察及び基板背面からの透過光による目視観察)、焼成後のライン形状について評価した。
なお、ストライプ状のパターンの形成は以下の手順で行った。
まず、調製後1〜3時間経過後の組成物又は1週間経過後の組成物を、ガラス基板上に300メッシュのポリエステルスクリーンを用いて全面に塗布した。次に、ライン幅100μm、スペース幅100μmとなるストライプ状のパターンのネガフィルムを用い、光源をメタルハライドランプとし、組成物上の積算光量が500mJ/cmとなるように露光した。その後、液温30℃のNaCO水溶液を用いて現像を行い、水洗した。最後に電気炉を用いて空気中にて焼成した。なお、焼成は室温から450℃まで5℃/分の昇温速度で昇温し、450℃で30分間保持し、その後、5℃/分の昇温速度で550℃まで昇温し、30分間保持して焼成し、その後室温まで放冷する工程で行った。
【0064】
得られた基板について試験した各種特性の評価結果を表1に示す。
この表1に示す結果から明らかなように、本発明にかかる光硬化性組成物によれば、極めて多量に無機微粉体を含有しても保存安定性(粘度安定性)に優れ、その結果、1週間保管後においても、アルカリ水溶液による現像性に優れると共に、焼成工程においてパターンエッジのカール(反り)や剥れなどを生じることなく基板に対する安定した密着性を示し、高精細、高アスペクト比のパターンを形成できることがわかる。なお、本発明の光硬化性ペースト組成物は、ゲル化や流動性の低下による塗布作業性の悪化はなかった。また、焼成残渣もなかった。
【表1】
Figure 0004053798
【0065】
なお、表1中の評価基準は以下の通りである。
(保存安定性)
○:増粘率が10%未満
△:増粘率が10%〜30%未満
×:増粘率が30%以上
【0066】
(現像性)
○:ラインが安定に残り、スペース部にペーストの残りの無い状態
△:ラインの剥がれが全体の10%未満あるいはライン間にペーストの現像残りが若干ある状態
×:ラインの剥がれが10%以上あるいはライン間に現像残り(透過光による観察で不透明)がある状態
【0067】
(焼成後のライン形状)
○:ストライプパターンの断面形状に反り、剥がれの無い状態
△:ストライプパターンの断面形状に若干の反り、10%未満の剥がれがある状態
×:ストライプパターンの断面形状に反り、10%以上の剥がれがある状態
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のアルカリ現像型光硬化性組成物は、アルカリ可溶性高分子バインダーのカルボキシル基が主鎖との立体的障害により塩基性の無機微粒子との接触が抑制されるため、アルカリ性水溶液により現像可能であるにも拘わらず、粘度安定性(保存安定性)に優れ、ゲル化や流動性の低下により塗布作業性が悪化したり、あるいは現像性の低下によりパターン形成性が悪いといった問題もない。
従って、本発明の光硬化性組成物によれば、保存安定性の悪さや、ゲル化や流動性の低下により塗布作業性が悪いといった問題もなく、フォトソリグラフィー技術により大面積の基板に高精細の導体パターン、ガラス質誘電体パターン、蛍光体パターンなどの焼成物パターンを歩留まり良く、かつ生産性良く安定して形成できる。

Claims (2)

  1. (A)芳香族環を有さない2官能エポキシ樹脂(a)と1分子中に少なくとも2つのカルボキシル基を有する芳香族環を有さない化合物(b)との重付加反応により得られる側鎖に水酸基を有する樹脂(A−1)に、多塩基酸無水物(c)を付加してなる、重量平均分子量が1,000〜100,000で酸価が50〜200mg/KOHである末端及び側鎖にカルボキシル基を有するアルカリ可溶性高分子バインダー、(B)無機粉体、(C)光重合性モノマ−、(D)光重合開始剤、及び(E)有機溶剤を含有することを特徴とするアルカリ現像型光硬化性組成物。
  2. 基板上に形成した前記請求項1に記載のアルカリ現像型光硬化性組成物の被膜をパターニングした後、焼成することを特徴とする焼成物パターンの製造方法
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