JP3805438B2 - アルカリ現像型光硬化性ガラスペースト組成物及びそれを用いたプラズマディスプレイパネル隔壁の製造方法 - Google Patents

アルカリ現像型光硬化性ガラスペースト組成物及びそれを用いたプラズマディスプレイパネル隔壁の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマディスプレイパネル(PDP)の隔壁を形成するためのアルカリ現像型光硬化性ガラスペースト組成物及びそれを用いたプラズマディスプレイパネル隔壁の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プラズマディスプレイパネル(PDP)はガス放電による発光を利用して映像や情報の表示を行う平面ディスプレイであり、パネル構造、駆動方法によってDC型とAC型に分類される。
DC型PDPにおいては、各セル空間は格子状の隔壁(バリヤーリブ)により区画され、一方、AC型PDPにおいては基板面に平行に列設された隔壁により区画されるが、いずれにおいてもセル空間の区画は、隔壁によりなされている。この隔壁は、放電セル間の誤放電やクロストークがなく、良好な表示が行われるように発光放電を一定の領域内に制限するためのものであり、その高さ、幅、パターンギャップによって均一な放電空間を保持すると共に、パネル全体の機械的強度を高める機能を有している。そのため、プラズマディスプレイパネルにおいて高い発光輝度を得るためには、放電ガス空間はできるだけ広く取り、隔壁はできるだけ薄くする必要がある。すなわち、縦横比(アスペクト比)の大きな、幅が狭く背の高い充分な強度を有する隔壁を形成する必要がある。
【0003】
従来、プラズマディスプレイパネルの隔壁の形成には、一般にスクリーン印刷法を用いてパターンニングが行われていた。
しかしながら、プラズマディスプレイパネルに要求される大画面化及びパターンの高精細化に対しては、従来のスクリーン印刷法では、熟練度を要し、また印刷時における掠れや滲み、スクリーンの伸縮に起因する位置合わせ精度等の問題があり、歩留まりが低いという問題があった。
【0004】
そこで、スクリーン印刷法に代わり得る隔壁形成方法として、フォトリソグラフィー法が提案されている(例えば、特開平2−165538号参照)。また、紫外線硬化時におけるハレーションを防止するために黒色顔料を添加することも提案されている(例えば、特開平6−144871号参照)。
フォトリソグラフィー法は、紫外線硬化型ガラスペースト材料をガラス基板上にコーティングし、露光、現像によって隔壁パターンを形成するものである。しかしながら、従来知られているものは有機溶剤現像型のものであり、作業環境の悪化や経済的な問題があるため、このような問題のないアルカリ性水溶液により現像可能な紫外線硬化型ガラスペースト材料の開発が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、紫外線硬化型樹脂組成物を作業環境保護の点において有用な手段であるアルカリ現像タイプにするためには、紫外線硬化性樹脂としてカルボキシル基を有する高分子化合物を用いることが一般的に知られている。
しかしながら、プラズマディスプレイパネルの隔壁形成に用いられるガラスペースト組成物にカルボキシル基を有する高分子化合物を配合した場合、得られるペーストの粘度安定性が極めて悪く、実用に適さない。すなわち、ガラスペースト組成物の粘度安定性が悪い場合、縦横比(アスペクト比)の大きな一定の隔壁パターンを安定して形成することが困難になり、プラズマディスプレイパネルにおいてはその性能上大きな問題になる。また、組成物のゲル化や流動性の低下により塗布作業性が悪くなるという問題もある。
【0006】
したがって、本発明の目的は、前記したような問題が無く、フォトリソグラフィー技術により容易にかつ歩留り良く大面積、高精細の安定した隔壁パターンを形成できるプラズマディスプレイパネル用のアルカリ現像型光硬化性ガラスペースト組成物を提供することにある。
さらに本発明の目的は、作業環境の悪化等の問題もなく、フォトリソグラフィー技術により大面積のプラズマディスプレイパネル用基板上に高精細の隔壁パターンを歩留り良くかつ生産性良く経済的に形成できるプラズマディスプレイパネル隔壁の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明によれば、(A)メチルメタクリレートとメタクリル酸及び/又はアクリル酸との共重合物にグリシジルアクリレート及び/又はグリシジルメタクリレートを付加させて得られた、重量平均分子量5,000〜50,000、酸価80〜150mgKOH/gを有し、かつその二重結合当量が400〜2,000である芳香環を含まない共重合樹脂、(B)光重合開始剤、(C)光重合性モノマー、(D)希釈溶剤、(E)ガラスフリット、(F)リン酸、亜リン酸、モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、モノ(2−アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、ジ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート及びジ(2−アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェートよりなる群から選ばれた少なくとも1種のリン酸化合物及び(G)アルミナ、ムライト、コージェライト、ジルコン、ジルコニア及びチタン酸鉛よりなる群から選ばれた少なくとも1種のセラミック粉末を含有することを特徴とするアルカリ現像型光硬化性ガラスペースト組成物が提供される。さらに好適な態様によれば、(H)黒色顔料を含有する。
【0008】
さらに本発明によれば、前記アルカリ現像型光硬化性ガラスペースト組成物をプラズマディスプレイパネル用基板上にコーティングし、該コーティング層を所定のパターン通りに選択的に活性光線により露光する工程、上記コーティング層の未露光部をアルカリ性水溶液により現像して除去する工程、及び現像後の上記コーティング層を焼成する工程を含むことを特徴とするプラズマディスプレイパネル隔壁の製造方法が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意研究の結果、ガラスペースト組成物に配合するカルボキシル基を有する感光性樹脂として、(A)メチルメタクリレートとメタクリル酸及び/又はアクリル酸との共重合物にグリシジルアクリレート及び/又はグリシジルメタクリレートを付加させた共重合樹脂を用いることによりアルカリ性水溶液に可溶性とすると共に、このような組成物における粘度安定性(保存安定性)の悪さや、ゲル化や流動性の低下により塗布作業性が悪いという問題は(F)リン酸化合物を配合することにより解決できることを見い出し、本発明を完成するに至ったものである。
その結果、本発明のアルカリ現像型光硬化性ガラスペースト組成は、作業環境の悪化等の問題もなく、フォトリソグラフィー技術により大面積のプラズマディスプレイパネル用基板上に高精細の隔壁パターンを歩留り良くかつ生産性良く安定して形成できる。
【0010】
本発明の組成物は下記の成分により構成される。
(A)メチルメタクリレートとメタクリル酸及び/又はアクリル酸との共重合物にグリシジルアクリレート及び/又はグリシジルメタクリレートを付加させた共重合樹脂、
(B)光重合開始剤、
(C)光重合性モノマー、
(D)希釈溶剤、
(E)ガラスフリット、
(F)リン酸化合物、
(G)セラミック粉末、さらに好適な態様においては、
(H)黒色顔料、好ましくはFe、Cr、Mn、Coの酸化物の1種又は2種以上を主成分として含む金属酸化物黒色顔料。
【0011】
各成分の組成比としては、共重合樹脂(A)100重量部に対して光重合開始剤(B)を5〜20重量部、光重合性モノマー(C)を20〜100重量部の割合とし、またガラスフリット(E)100重量部に対してリン酸化合物(F)を0.5〜2重量部、セラミック粉末(G)を1〜100重量部、黒色顔料(H)を3〜100重量部の割合とし、さらに上記成分(A)、(B)、(C)の総和量に対し上記成分(E)、(F)、(G)、(H)の総和量を0.5〜10倍の比率で配合することが好ましい。希釈溶剤(D)については、ペースト塗布方法に応じて適宜の量的割合で配合することができる。また、アクリル系及びシリコーン系の消泡・レベリング剤を添加することもできる。
【0012】
本発明のガラスペースト組成物に用いる共重合樹脂(A)としては、重量平均分子量5,000〜50,000、好ましくは6,000〜30,000、及び酸価80〜150mgKOH/g、好ましくは95〜125mgKOH/gを有し、かつその二重結合当量が400〜2,000、好ましくは800〜1,500のものを好適に用いることができる。
共重合樹脂(A)の分子量が5,000より低い場合、現像時のガラスコーティング層の密着性に悪影響を与え、一方、50,000よりも高い場合、現像性の劣化が生じ、現像不良を生じ易いので好ましくない。また、酸価が80mgKOH/gより低い場合、現像性の劣化が生じ、現像不良を生じ易く、一方、150mgKOH/gより高い場合、現像時にガラスコーティング層の密着性の劣化や光硬化部(露光部)の溶解が生じるので好ましくない。さらに、二重結合当量が400よりも小さい場合、焼成時に残渣が残り易くなり、一方、2,000よりも大きい場合、現像時の作業余裕度が狭く、また光硬化時に高露光量を必要とするので好ましくない。
【0013】
光重合開始剤(B)としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾイン・ベンゾインアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オンなどのアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノンなどのアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−イソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなどのケタール類;ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;キサントン類;1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタンなどの公知慣用の光重合開始剤を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの光重合開始剤(B)は、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、トリエチルアミン、トリエタノールアミンなどの三級アミン類のような公知慣用の光増感剤の1種あるいは2種以上と組み合わせて用いることができる。
【0014】
本発明の組成物において、光重合性モノマー(C)は、組成物の光硬化性の促進及び現像性を向上させるために用いる。光重合性モノマー(C)としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート,2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリウレタンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド変性トリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート及び上記アクリレートに対応する各メタクリレート類、多塩基酸とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとのモノ−、ジ−、トリ−又はそれ以上のポリエステルなどがあり、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0015】
本発明の組成物に用いる希釈溶剤(D)は、組成物を希釈することによりペースト化し、容易に塗布工程を可能とし、次いで乾燥させて造膜し、接触露光を可能とするために用いられる。具体的には、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの酢酸エステル類;エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類;オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサなどの石油系溶剤が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0016】
ガラスフリット(E)の組成としては、PbO 60〜80%、B23 1〜20%、SiO2 1〜15%、Al23 1〜10%のものが好ましい。また、熱膨張係数α300 =70〜90×10-7/℃、ガラス転移点300〜550℃、また解像度の点からは平均粒径20μm以下のもの、好ましくは5μm以下のものを用いることが好ましい。
【0017】
本発明の組成物では、組成物の粘度安定性(保存安定性)向上のため、ガラスフリット(E)100重量部に対して0.1〜5重量部の割合でリン酸化合物(F)を添加する。リン酸化合物(F)としては、リン酸、亜リン酸、モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、モノ(2−アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、ジ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、ジ(2−アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェートなどが挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0018】
前記セラミック粉末(G)としては、アルミナ、ムライト、コージェライト、ジルコン、ジルコニア、チタン酸鉛等の種々のセラミック粉末を用いることができる。
また、本発明のガラスペースト組成物では、露光時におけるハレーションを防止し、また焼成後の隔壁の黒色度を向上させるために、ガラスフリット(E)100重量部に対して3〜100重量部の割合で黒色顔料(H)を添加できる。黒色顔料(H)としては、Fe、Cr、Mn、Coの酸化物の1種又は2種以上を主成分として含む金属酸化物を好適に用いることができる。黒色顔料(H)の平均粒径は、解像度の点から20μm以下のもの、好ましくは5μm以下のものが好ましい。
【0019】
本発明のガラスペースト組成物は、スクリーン印刷法、バーコーター、ブレードコーターなど適宜の塗布方法でプラズマディスプレイパネルのガラス基板上に塗布される。次に、指触乾燥性を得るために熱風循環式乾燥炉等で希釈溶剤を蒸発させる。このようにコーティングした後露光及び現像する工程を、1回又は複数回繰り返して所定の厚み及びアスペクト比の隔壁パターンを形成した後、焼成を行う。
【0020】
露光工程としては、所定の露光パターンを有するフォトマスクを用いた接触露光及び非接触露光が可能であるが、解像度の点からは接触露光が好ましい。また、露光環境としては、真空中又は窒素雰囲気下が好ましい。露光光源としては、ハロゲンランプ、高圧水銀灯、レーザー光、メタルハライドランプ、ブラックランプ、無電極ランプなどが使用される。
【0021】
現像工程としてはスプレー法、浸漬法等が用いられる。現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウム等の金属アルカリ水溶液や、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン水溶液などのアルカリ性水溶液が好適に用いられるが、現像液によって組成物中の共重合樹脂(A)がケン化され、未硬化部(未露光部)が除去されれば良く、上記のような現像液に限定されるものではない。また、現像後に不要な現像液の除去のため、水洗や酸中和を行うことが好ましい。
【0022】
焼成工程においては、現像後の基板を空気中又は窒素雰囲気下で450〜600℃の加熱処理を行い、隔壁パターンを形成する。またこの時、400〜500℃に加熱して有機物を除去する工程を途中で入れることが好ましい。
【0023】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものでないことはもとよりである。なお、「部」及び「%」とあるのは、特に断りがない限り全て重量基準である。
【0024】
合成例:
温度計、攪拌機、滴下ロート、及び還流冷却器を備えたフラスコに、メチルメタクリレートとメタクリル酸を表1に示すモル比で仕込み、溶媒としてジプロピレングリコールモノメチルエーテル、触媒としてアゾビスイソブチロニトリルを入れ、窒素雰囲気下、80℃で2〜6時間攪拌し、樹脂溶液を得た。
この樹脂溶液を冷却し、重合禁止剤としてメチルハイドロキノン、触媒としてテトラブチルホスホニウムブロミドを用い、グリシジルメタクリレートを95〜105℃で16時間の条件で表1に示す所定モル比で得られた樹脂のカルボキシル基に対して付加反応させ、冷却後取り出した。
【0025】
上記反応により生成した共重合樹脂A及びBの物性を表1に示す。
なお、表1中、MMAはメチルメタクリレート、MAはメタクリル酸、GMAはグリシジルメタクリレート、Mwは共重合樹脂の重量平均分子量、Avは共重合樹脂の酸価を示す。また、得られた共重合樹脂の重量平均分子量の測定は、(株)島津製作所製ポンプLC−6ADと昭和電工(株)製カラムShodex(登録商標)KF−804、KF−803、KF−802を三本つないだ高速液体クロマトグラフィーにより測定した。
【表1】
Figure 0003805438
【0026】
上記合成例及び比較合成例にて得られた共重合樹脂を用い、下記に示す組成比にて配合し、攪拌機により攪拌後、3本ロールミルにより練肉し、ペースト化を行った。
この際使用するガラスフリットとしては、PbO 60%、B23 20%、SiO2 15%、Al23 5%(組成比)、熱膨張係数α300 =70×10-7/℃、ガラス転移点445℃、平均粒径2.5μmのものを使用した。また、黒色顔料としては、平均粒径1μmのCu、Cr、Mn系の酸化物を使用した。
【0027】
組成物例1
樹脂A 100.0部
ペンタエリスリトールトリアクリレート 50.0部
2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−
(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン 10.0部
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル 100.0部
黒色顔料 30.0部
ガラスフリット 450.0部
亜リン酸 6.0部
アルミナ 250.0部
【0028】
組成物例2
樹脂B 100.0部
ペンタエリスリトールトリアクリレート 50.0部
2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−
(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン 10.0部
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル 100.0部
黒色顔料 30.0部
ガラスフリット 450.0部
亜リン酸 6.0部
アルミナ 250.0部
【0029】
組成物例3
樹脂A 100.0部
トリメチロールプロパンエチレンオキサイド
変性トリアクリレート 50.0部
2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]
−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン 10.0部
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル 100.0部
黒色顔料 80.0部
ガラスフリット 450.0部
モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)
アシッドホスフェート 6.0部
アルミナ 150.0部
【0030】
比較組成物例1
樹脂A 100.0部
ペンタエリスリトールトリアクリレート 50.0部
2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−
(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン 10.0部
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル 100.0部
黒色顔料 30.0部
ガラスフリット 450.0部
アルミナ 250.0部
【0031】
比較組成物例2
樹脂B 100.0部
ペンタエリスリトールトリアクリレート 50.0部
2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−
(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン 10.0部
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル 100.0部
黒色顔料 30.0部
ガラスフリット 450.0部
アルミナ 250.0部
【0032】
比較組成物例3
樹脂A 100.0部
トリメチロールプロパンエチレンオキサイド
変性トリアクリレート 50.0部
2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]
−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン 10.0部
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル 100.0部
黒色顔料 80.0部
ガラスフリット 450.0部
アルミナ 150.0部
【0033】
上記組成物例1〜3及び比較組成物例1〜3を用い、保存安定性(1時間及び24時間後の粘度安定性)を評価した。
また、前記組成物例1〜3及び比較組成物例1〜3を用いてガラス基板上にプラズマディスプレイパネル用の隔壁を形成し、現像性(現像後、基板の直接目視による観察及び基板裏面からの透過光による目視観察)、焼成後ライン形状について評価した。
隔壁の形成は以下の手順で行った。まず、調製後1時間経過後の組成物を、ガラス基板上に300メッシュのポリエステルスクリーンを用いて全面に塗布した。次に、熱風循環式乾燥炉を用い、90℃で20分間乾燥して指触乾燥性の良好な皮膜を形成した。次に、ライン幅50μmとなる格子パターンのネガフィルムを用い、光源をメタルハライドランプとし、組成物上の積算光量が200mJ/cm2 となるように露光した。その後、液温30℃の1wt%Na2 CO3 水溶液を用いて現像を行い、水洗した。最後に、空気中にて450℃で30分保持した後、さらに昇温し、空気中にて530℃で30分間焼成して基板を作製した。
【0034】
得られた基板について試験した各種特性の評価結果を表2に示す。
【表2】
Figure 0003805438
なお、表2中の評価基準は以下の通りである。
【0035】
保存安定性 1時間:
○:増粘が10%未満
△:増粘が10%以上30%未満
×:増粘が30%以上
【0036】
保存安定性 24時間:
○:増粘が30%未満
△:増粘が30%以上50%未満
×:増粘が50%以上
【0037】
現像性:
○:ラインが安定に残り、ライン間にペーストの残りの無い状態
△:ラインの剥がれが全体の10%未満あるいはライン間に現像残りが若干ある状態
×:ラインの剥がれが10%以上あるいはライン間に現像残り(透過光による観察で不透明)がある状態
【0038】
焼成後ライン形状:
○:リブの断面形状に於いて反り、剥がれの無い状態
△:リブの断面形状に於いて若干の反り、10%未満の剥がれのある状態
×:リブの断面形状に於いて反り、10%以上の剥がれのある状態
【0039】
【発明の効果】
以上のように、本発明のアルカリ現像型光硬化性ガラスペースト組成物は、アルカリ性水溶液により現像可能であるにも拘らず、粘度安定性(保存安定性)に優れ、ゲル化や流動性の低下により塗布作業性が悪いといった問題もない。従って、本発明のガラスペースト組成物を用いることにより、作業環境の悪化等の問題もなく、フォトリソグラフィー技術により大面積のプラズマディスプレイパネル用基板上に高精細の隔壁パターンを歩留り良くかつ生産性良く安定して形成できる。

Claims (5)

  1. (A)メチルメタクリレートとメタクリル酸及び/又はアクリル酸との共重合物にグリシジルアクリレート及び/又はグリシジルメタクリレートを付加させて得られた、重量平均分子量5,000〜50,000、酸価80〜150mgKOH/gを有し、かつその二重結合当量が400〜2,000である芳香環を含まない共重合樹脂、(B)光重合開始剤、(C)光重合性モノマー、(D)希釈溶剤、(E)ガラスフリット、(F)リン酸、亜リン酸、モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、モノ(2−アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、ジ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート及びジ(2−アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェートよりなる群から選ばれた少なくとも1種のリン酸化合物及び(G)アルミナ、ムライト、コージェライト、ジルコン、ジルコニア及びチタン酸鉛よりなる群から選ばれた少なくとも1種のセラミック粉末を含有することを特徴とするアルカリ現像型光硬化性ガラスペースト組成物。
  2. さらに黒色顔料(H)を含有することを特徴とする請求項1に記載のアルカリ現像型光硬化性ガラスペースト組成物。
  3. 前記ガラスフリット(E)のガラス転移点が300〜550℃であり、前記黒色顔料(H)がFe、Cr、Mn、Coの酸化物の1種又は2種以上を主成分として含む金属酸化物顔料であり、かつ該金属酸化物顔料を上記ガラスフリット(E)100重量部に対して3〜100重量部の割合で含有する請求項2に記載のアルカリ現像型光硬化性ガラスペースト組成物。
  4. ガラスフリット(E)100重量部に対してリン酸化合物(F)を0.1〜5重量部の割合で含有する請求項1乃至のいずれか一項に記載のアルカリ現像型光硬化性ガラスペースト組成物。
  5. 前記請求項1乃至のいずれか一項に記載のアルカリ現像型光硬化性ガラスペースト組成物をプラズマディスプレイパネル用基板上にコーティングし、該コーティング層を所定のパターン通りに選択的に活性光線により露光する工程、上記コーティング層の未露光部をアルカリ性水溶液により現像して除去する工程、及び現像後の上記コーティング層を焼成する工程を含むことを特徴とするプラズマディスプレイパネル隔壁の製造方法。
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