JP4052208B2 - 自動販売機 - Google Patents

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本発明は、缶、ビン、パック、ペットボトルなどの容器に入れた飲料などの商品を冷却もしくは加熱して販売に供する自動販売機に関するものである。
図9〜図12は自動販売機の従来技術を示したものである。図9は自動販売機の横断面図、図10は自動販売機のシュータ付近の立体図で、図11はシュータ上部の風の流れを示す説明図、図12はシュータ下部の流れを示す説明図である。
図9、10にて従来方式の自動販売機の構成を説明する。1は前面が開口し断熱筐体としてなる本体ケースの庫内に形成された商品収納室であり、断熱仕切壁により本体ケースの左右方向に複数個(多くは3個)並設されている。2は商品収納室1の内部下方に傾斜して取設され、その板面に多数の孔を有するシュータである。3は自動販売機の商品収納室内で冷却もしくは加熱して販売される商品であり、4は商品投入口から投入された商品3を縦方向に積み重ねて収納し、シュータ2の上方に配置された商品ラックであり、商品収納室内に左右方向に紙面と垂直方向に複数列(1〜4列)取設されている。5は商品収納室1を冷却する冷凍圧縮機、凝縮器より構成される冷却ユニットであり、6は冷却ユニット5と配管接続されシュータ2の下方配置された蒸発器である。7は蒸発器6の前方に配置されたヒータであり、8は蒸発器6、ヒータ7、ファン9を収納した熱交換室である。10は外扉の前面に開口し、商品ラック4より搬出された商品3がシュータ2に沿って転動して送出され、その送出された商品が顧客により取り出される商品取り出し口である。11は、商品収納室1の後面に取設され、熱交換室8のファン9より加熱もしくは冷却され、シュータ2の孔を通過し、商品ラック4内の商品3と熱交換された空気を再び熱交換室8に戻す通路である循環ダクトである。12は商品収納室1の前面開口を開閉する断熱材で構成された内扉であり、13は商品収納室1の両側面に配設され、外気または隣設する商品収納室との間を断熱する側壁であり、14は、商品収納室1の底面に配設され、冷却ユニット5が収納された空間との間を断熱する底板である。
上記のように構成した自動販売機では、例えば、冷却ユニット5を駆動した状態でファン9を駆動すると、蒸発器6により冷却された空気がシュータ2の下部からの通気孔2aを通過し、商品ラック4、循環ダクト11を通じて商品収納室1の内部を循環することになり、商品ラック4に集積した商品3を冷却することが可能になる。これとは逆にヒータ7を駆動した状態でファン9を駆動すると、ヒータ7により加熱された空気がシュータ2の通気孔2a、商品ラック4、循環ダクト11を通じて商品収納室1の内部を循環することになり、商品ラック4に集積した商品3を加熱することが可能になる。
上述した従来の自動販売機において、ファン9の駆動により吹き出され通気孔2aを通り商品ラック4に向かう風は、図11,12の矢印に示すような流れを示すことが、本願発明者により、商品収納室1を透明部材で製作して可視化実験で観察、確認されている。シュータ2の上面において、通気孔2aより吐出する流れは、図11に示すように前方、上方、側方へと不均一な風速、風向を有する。また、シュータ2の下方では、前方より見て時計回りに回転しているファンから吐出する流れにおいては、図12に示すように正面より見て左側に多量の風が流れている。
複数個並設された商品ラック4内の商品3に均一に風を当てる目的で、例えば、下記の特許文献による方法が提案されている。
特許文献1では、クロスフローファン、乱流装置をつけての整流化を図ることが提案されている。しかし、この方式は、クロスフローファンがプロペラファンと比較して効率が半分程度低下すること、乱流装置による流体抵抗の増加により駆動するファンモータの動力が増加し、コストの増加、消費電力の増加を招く。
また、特許文献2では、シュータの下面に上向きのガイドをつけ、流れの均一化を図ることが提案されている。しかし、この方式では、シュータの通気孔と上向きのガイドにより形成される流体抵抗と比較してシュータの両側端部からの流体抵抗が小さくなるために、上向きのガイドに向かう風が大幅に制限される。効果的に上向きのガイドより吐出させるためには、ファン風量、およびモータの動力が増加させる必要が生じ、消費電力の増加を招く。
特開2000−353276号公報 特開2002−8117号公報
上述した従来の自動販売機において、シュータから吹き出す風の方向と風量が不均一であり、冷却または加温すべき領域が大きくなると、冷却または加温された空気を商品室全体に均一に送り込むことが出来なくなり、この結果、商品収納室内の商品の温度にばらつきが生じ、冷却または加温の不十分な商品が販売される恐れが生じる。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、シュータから吹き出す風の方向と風量を均一にして、商品温度のばらつきを低減し、しかも低コストで実現することのできる自動販売機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係る自動販売機は、断熱筐体としてなる本体ケースの庫内に形成された商品収納室に、商品を縦方向に収納し順次下方向に搬出する機能を有し、左右方向に複数列および前後に多重に配置された商品ラックと、該商品ラックの下方にあって該商品ラックから切り出された商品を商品取出口に搬送し、かつ板面に複数の通気孔が形成されたシュータと、該シュータの下方にあって加熱もしくは冷却された空気を送風するファンを有する熱交換室と、該商品収納室の後部に設置され、該商品収納室内とファンとの間を連通する循環ダクトを備えた自動販売機であって、前記シュータの側端より流出する空気を遮断する遮蔽部材を設け、前記シュータの通気孔を前後方向に多重に設置された商品ラックに収納した商品に対峙して前後方向に少なくとも一列に配設するとともに、前記シュータの通気孔に伸びフランジ成形により加工された風ガイドを配設した自動販売機において、通気孔および風ガイドにて形成される空気通路において、該空気通路がテーパ状に形成されたことを特徴とする。
上記の目的を達成するために、本発明の請求項2に係る自動販売機は、断熱筐体としてなる本体ケースの庫内に形成された商品収納室に、商品を縦方向に収納し順次下方向に搬出する機能を有し、左右方向に複数列および前後に多重に配置された商品ラックと、該商品ラックの下方にあって該商品ラックから切り出された商品を商品取出口に搬送し、かつ板面に複数の通気孔が形成されたシュータと、該シュータの下方にあって加熱もしくは冷却された空気を送風するファンを有する熱交換室と、該商品収納室の後部に設置され、該商品収納室内とファンとの間を連通する循環ダクトを備えた自動販売機であって、前記シュータの側端より流出する空気を遮断する遮蔽部材を設け、前記シュータの通気孔を前後方向に多重に設置された自動販売機において、通気孔および風ガイドにて形成される空気通路において、シュータの表面側の断面積が裏面側の断面積より小さいとともに、該空気通路がテーパ状に形成されたことを特徴とする。
以上の説明から明らかなように、本発明の請求項1に係る自動販売機によれば、前記シュータの側端より下方へ延在する遮蔽板と有し、前記シュータと該遮蔽板で構成される吐出空気空間を構成し、シュータの通気孔を前後方向に多重に設置された商品ラックに収納した商品に対峙して前後方向に少なくとも一列に配設したことにより、シュータ2の両列の分配配列された略均一に通気孔2aから吹き出し、商品に均一にあたり、商品がバラツキなくよく冷却または加温させることができる。また、シュータの通気孔に風ガイドを配設したことにより、風の直進性が向上して、商品と熱交換する空気の風速が均一化し、商品温度のバラツキが低減させることができる。また、通気孔の風ガイドが伸びフランジ加工により成形されたことにより、製作コストを低減させることができる。また、通気孔および風ガイドにて形成される空気通路に関して、その空気通路がテーパ状に形成されたことにより、縮流の抵抗を低減させるため、さらに風の直進性を増加させ、商品と熱交換する空気の風速が均一化し、商品温度のバラツキを低減させることができる
また、本発明の請求項に係る自動販売機によれば、上記の効果に加えて、通気孔および風ガイドにて形成される空気通路に関して、シュータの表面側の断面積が裏面側の断面積より小さくすることにより、風ガイドを通過する風をさらに直進性を増加させることができるため、商品と熱交換する空気の風速が均一化し、商品温度のバラツキが低減させることができる。
以下、本発明に係わる自動販売機の実施の形態を説明する。なお、以下に説明する実施の形態において、上述した従来の技術と対応する部分には同一の符号を用い、且つ、従来の技術と実質的に同一の部分は説明を省略する。
(実施の形態1)図1は、本発明による自動販売機の実施の形態1を示すシュータ2付近の立体図である。図1において、シュータ2には、商品ラックに収納された商品3に対峙する個所に、この例では左右方向に2列の商品ラック対応した、シュータ2の長手方向に沿って2列の通気孔2aが穿孔されている。20はシュータの両側端より下方へ延在する遮蔽板であり、その下端は庫内の底板14と締結されている。21はシュータ2と遮蔽板20で囲まれた吐出空気空間である。
かかる構成により、ファン9より吐出される風は、吐出空気空間に供給され、その後、通気孔2aから風を吹き出す。通気孔2aは、商品の略直下に形成されており、略均一に風を吹き出すことにより、商品に均一に風があたり、商品がバラツキなくよく冷却または加温される。
また、通気孔2aは、左右両側に単列に配設される構成ではなく、複数列にて構成されても良い。例えば、500mlペット商品のように寸法の長い商品、特に冷却/加温を必要とする商品では、通気孔2aは、2列、または3列に配設される。
また、通気孔の前後方向において、その通気孔の配置、数量、または直径を変えることにより、商品温度の前後方向のバラツキを低減させることが可能である。例えば、商品ラックの前後方向で前より2列目の商品をより冷却/加温するには、その商品直下の通気孔を左右方向に2列に配設する、または通気孔の直径を大きくすれば良い。
(実施の形態2)図2は、本発明に係る自動販売機の実施の形態2を示すシュータ部の立体図であり、図3はシュータの縦断面図である。図2,3において、23は、シュータの通気孔2aの直下に裏面側より固着された風ガイド平板であり、23aは、風ガイド平板23を貫通し、シュータの通気孔2aと連通する通路を形成する風ガイドである。その他の構成は、実施の形態1と同一である。
かかる構成において、ファン9より吐出する風は、風ガイド23aおよびシュータの通気孔2aにて形成される通路の直線区間が増加することにより、その直進性が向上する。したがって、商品3と熱交換する空気の風速が均一化され、商品温度のバラツキが低減される。
実施の形態3〜6は、実施の形態2において、風ガイドの形状を変えた別の実施例である。
(実施の形態3)図4は、本発明に係る自動販売機の実施の形態3を示す風ガイドの断面図である。30aは、シュータ30の通気孔を伸びフランジ成形の1つであるバーリング加工により成形させた円筒状フランジであり、30bは、円筒状フランジ30aの内面に形成された風ガイドである。風ガイド30bの直径10mmに対して、円筒状フランジ30aは高さが2.5mmに形成されている。
かかる構成によれば、自動機械での連続ポンチ加工により風ガイドが容易に製作できるため、製造コストが低くできる。しかも、通気孔を通過する空気はこの風ガイドにより直線性を増すことから、実施の形態2と同様の作用、効果を奏する。
(実施の形態4)図5は、本発明に係る自動販売機の実施の形態4を示す風ガイドの断面図である。31aは、風ガイド板31の孔の断面積をシュータ2の通気孔2aよりも大きく穿孔させた風ガイドである。この構成によれば、風ガイド31aを通過する風は、図中の矢印で示すように縮流され、さらに直進性を増加させることができるため、商品と熱交換する空気の風速が均一化し、商品温度のバラツキが低減される。
また、風ガイド31aの形状は、円形に限られず、矩形でもあっても同様の作用、効果を得られる。
(実施の形態5)図6、7は、本発明に係る自動販売機の実施の形態5を示す風ガイドの断面図である。32aは風ガイド板32の孔全部をテーパ状に形成した風ガイドであり、33aは、風ガイド板33の孔の1部をテーパ状としたものである。いずれの場合でも、この構成により風ガイドを通過する風は、実施の形態4と比較して縮流の抵抗が低減されるため、さらに風の直進性を増加させ、商品と熱交換する空気の風速が均一化し、商品温度のバラツキが低減される。
(実施の形態6)図8は、本発明に係る自動販売機の実施の形態6を示す風ガイドの断面図である。34aは、シュータ34の通気孔をバーリング加工することにより形成させた円筒フランジ部であり、34bは、円筒フランジ部34aをさらにシュータの裏面方向からV字曲げ加工または拡管加工を行いテーパ状に形成させた風ガイドである。かかる構成によれば、金型加工により簡単に風ガイドを成形できるため、安価に製作出来る。しかも、通気孔を通過する空気はこの風ガイドにより直線性を増すことから、実施の形態5と同様の作用、効果を奏する。
本発明に係る自動販売機の実施の形態1を示す立体図である。 本発明に係る自動販売機の実施の形態2を示すシュータ部の立体図である。 図2のシュータの縦断面図である。 本発明に係る自動販売機の実施の形態3を示す風ガイドの断面図である。 本発明に係る自動販売機の実施の形態4を示す風ガイドの断面図である。 本発明に係る自動販売機の実施の形態5を示す風ガイドの断面図である。 本発明に係る自動販売機の実施の形態5を示す風ガイドの断面図である。 本発明に係る自動販売機の実施の形態6を示す風ガイドの断面図である。 従来技術の自動販売機の横断面図である。 従来技術の自動販売機におけるシュータ付近の立体図である。 従来技術の自動販売機におけるシュータ上部の風の流れを示す説明図である。 従来技術の自動販売機におけるシュータ下部の流れを示す説明図である。
符号の説明
1 商品収納庫
2 シュータ
2a 通気孔
3 商品
4 商品ラック
5 冷却ユニット(冷却装置)
6 蒸発器(冷却装置)
7 ヒータ(加熱装置)
8 熱交換室
9 ファン
10 飲料取出口
13 左右側壁
14 底板
20 遮蔽板
21 吐出空気空間
23 風ガイド板
23a 風ガイド
30 シュータ
30a 円筒状フランジ
30b 風ガイド

Claims (2)

  1. 断熱筐体としてなる本体ケースの庫内に形成された商品収納室に、商品を縦方向に収納し順次下方向に搬出する機能を有し、左右方向に複数列および前後に多重に配置された商品ラックと、該商品ラックの下方にあって該商品ラックから切り出された商品を商品取出口に搬送し、かつ板面に複数の通気孔が形成されたシュータと、該シュータの下方にあって加熱もしくは冷却された空気を送風するファンを有する熱交換室と、該商品収納室の後部に設置され、該商品収納室内とファンとの間を連通する循環ダクトを備えた自動販売機であって、
    前記シュータの側端より流出する空気を遮断する遮蔽部材を設け、前記シュータの通気孔を前後方向に多重に設置された商品ラックに収納した商品に対峙して前後方向に少なくとも一列に配設するとともに、前記シュータの通気孔に伸びフランジ成形により加工された風ガイドを配設した自動販売機において、
    通気孔および風ガイドにて形成される空気通路において、該空気通路がテーパ状に形成されたことを特徴とした自動販売機。
  2. 断熱筐体としてなる本体ケースの庫内に形成された商品収納室に、商品を縦方向に収納し順次下方向に搬出する機能を有し、左右方向に複数列および前後に多重に配置された商品ラックと、該商品ラックの下方にあって該商品ラックから切り出された商品を商品取出口に搬送し、かつ板面に複数の通気孔が形成されたシュータと、該シュータの下方にあって加熱もしくは冷却された空気を送風するファンを有する熱交換室と、該商品収納室の後部に設置され、該商品収納室内とファンとの間を連通する循環ダクトを備えた自動販売機であって、
    前記シュータの側端より流出する空気を遮断する遮蔽部材を設け、前記シュータの通気孔を前後方向に多重に設置された自動販売機において、
    通気孔および風ガイドにて形成される空気通路において、シュータの表面側の断面積が裏面側の断面積より小さいとともに、該空気通路がテーパ状に形成されたことを特徴とした自動販売機。
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