JP4051045B2 - 受信システムおよびシンボル復調回路 - Google Patents

受信システムおよびシンボル復調回路 Download PDF

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Description

本発明は、シンボル復調回路およびそれを利用する受信システムに関する。
ディジタル位相変調を用いた無線システムにおいては、所定の周期でディジタル信号を特定の位相に対応付けたBPSK方式、QPSK方式などの変調方式が広く用いられている。ここでディジタル信号と対応付けた特定の位相値はシンボルと称され、そのシンボルが現れる周期の逆数は変調速度あるいはシンボル速度と称される。また、一般にこのような変調信号は周波数帯域制限を受けるため、特定の位相を呈する点であるシンボル点が1周期中に1点のみ現れる。
ディジタル無線システムの受信回路においては、変調信号から直交検波信号を生成する直交検波器と、直交検波信号からシンボルを検知することによりデジタル信号を生成するデジタル復調回路が用いられる。このディジタル復調回路の動作には、シンボル速度と同期したシンボル復調クロック信号が必要とされる。
シンボル復調クロック信号の生成には、直交検波信号の極性変化点や振幅のピーク点と、VCO(Voltage Control Oscllator)が出力するクロック信号の位相を比較し、その比較結果に応じてフィードバックループ構成によりVCOを制御するPLL(Phase Locked Loop)方式によるシンボル同期回路が広く用いられている。
ディジタル復調回路については、以下の文献に開示されている。
斉藤洋一 著「ディジタル無線通信の変復調」、(社)電子情報通信学会、1996年2月 山本平一、加藤修三 共著「TDMA通信」、(社)電子情報通信学会、1989年4月
上述したディジタル復調回路を用いる装置としては、図10に示すようなアダプティブアレイアンテナ装置1がある。この装置では2系統のディジタル復調回路26が用いられている。アダプティブ処理回路22はサブ受信回路18からの信号を復調した受信シンボルデータと、メイン受信回路20からの信号を復調した受信シンボルデータとに基づいて、各々のアンテナ28によって受信され増幅器30によって増幅された信号の振幅および位相に対する重み付け係数W1〜W4を算出する。重み付け係数W1〜W4は重み付け回路32により乗される。重み付けされた受信信号は加算器34、分波器16を介してメイン受信回路20に入力される。本アダプティブアレイアンテナ装置1は、送信受信共用であり、送信信号は送信部12から分波器16に入力される。
この装置では、アダプティブ処理部10とメイン受信部14の各々には復調処理を行うディジタル復調回路26が設けられるため、各々の回路にはシンボル復調クロック信号が必要とされる。そのため、メイン受信部14とアダプティブ処理部10の両者に上述したPLL方式などによるシンボル同期回路24を設けているが、同一の回路を2つ用いることとなるため装置全体が大きくなるという問題があった。
そこで、アダプティブ処理部10に用いるシンボル復調クロック信号としては、系の単純化の観点から、メイン受信回路20に設けられたシンボル同期回路24のものを利用することが考えられる。しかしながら、メイン受信部14とアダプティブ処理部10とは処理が独立しており、各ディジタル復調回路26に入力される直交検波信号が受ける遅延量が異なるため、シンボル復調クロック信号をそのまま利用することは困難である。
ここで、アダプティブ処理部10がメイン受信部14のシンボル復調クロック信号を利用した場合に問題となるのはシンボル復調クロック信号の周波数偏差ではなく、位相偏差、すなわちシンボル点とのタイミングずれである。なぜなら、メイン受信回路20のディジタル復調回路26にはシンボル同期回路24が設けられており、それが出力するシンボル復調クロック信号の周波数はシンボル速度に十分一致しているためである。したがって、アダプティブ処理部10が利用するシンボル復調クロック信号と、アダプティブ処理部10におけるディジタル復調回路26に入力される直交検波信号とのタイミングを調整しさえすれば、当該シンボル復調クロック信号の利用が可能となる。
本発明はこのような課題に着目されてなされたものであり、周波数はシンボル速度と一致しているが、位相が直交検波信号におけるシンボル点間隔に合致していないようなクロック信号をシンボル復調クロック信号として用い、直交検波信号からシンボルデータを復調するシンボル復調回路を提供する。
本発明は、アンテナ部から受信された信号を検波して得られる検波信号を処理して第1のシンボルデータを抽出する第1の受信部と、前記第1の受信部とは別に設けられ、前記検波信号を処理して第2のシンボルデータを抽出する第2の受信部とを含み、前記第1のシンボルデータと前記第2のシンボルデータとに基づいて受信特性を適応的に変化させる受信システムであって、前記第1の受信部は、前記検波信号に基づいて、シンボル復調クロック信号を生成するシンボル復調クロック信号生成部と、前記シンボル復調クロック信号を用いて前記検波信号をシンボル復調処理し、これにより前記第1のシンボルデータを抽出する第1のシンボル復調処理部とを含み、前記第2の受信部は、前記シンボル復調クロック信号に基づいて前記検波信号をシンボル復調処理して前記第2のシンボルデータを抽出する第2のシンボル復調処理部と、前記第2のシンボル復調処理部によるシンボル復調条件を最適化するシンボル復調最適化部とを含むことを特徴とする。
また、本発明に係る受信システムにおいては、前記シンボル復調最適化部は、前記検波信号と前記シンボル復調クロック信号とのタイミングを変化させながら最適タイミングを特定する構成とすることが好適である。
また、本発明に係る受信システムにおいては、前記シンボル復調最適化部は、前記第2のシンボル復調処理部へ入力される信号を遅延させる遅延器と、前記遅延器における遅延量を変化させた場合における前記第2のシンボル復調処理部によるシンボル復調処理結果に基づいて、前記最適タイミングとして、前記遅延器における最適遅延量を特定する遅延制御器とを含む構成とすることが好適である。
また、本発明に係る受信システムにおいては、前記遅延制御器は、前記シンボル復調処理結果のばらつき度合いに基づいて前記最適遅延量を特定する構成とすることが好適である。
また、本発明に係る受信システムにおいては、前記シンボル復調処理結果のばらつき度合いは、前記シンボル復調処理結果から標本値を摘出して計算される分散に基づいて定義される構成とすることが好適である。
また、本発明は、変調信号を検波して得られる検波信号から、シンボル復調クロック信号に基づいてシンボルデータを復調するシンボル復調回路であって、前記検波信号の振幅値をシンボル復調クロック信号に基づいて摘出し、当該振幅値のばらつき度合いを算出するばらつき度合い算出回路と、前記ばらつき度合い算出回路が算出したばらつき度合いが最小となるよう、前記検波信号の遅延量を最適化する遅延量最適化回路とを備えることを特徴とする。
また、本発明は、変調信号を検波して得られる検波信号から、シンボル復調クロック信号に基づいてシンボルデータを復調するシンボル復調回路であって、前記検波信号を遅延させる遅延回路と、前記シンボル復調クロック信号の入力に基づいて、前記検波信号の振幅値を摘出する振幅値摘出回路と、前記振幅値のばらつき度合いを算出するばらつき度合い算出回路と、前記ばらつき度合い算出回路が算出したばらつき度合いが最小となるよう、前記遅延回路の遅延量の制御を行う遅延制御回路とを備え、前記振幅値摘出回路の出力を、前記検波信号から復調された、前記検波信号のシンボル同期点と同期したシンボルデータとして出力することを特徴とする。
また、本発明は、直交変調信号を直交検波して得られる直交検波信号から、シンボル復調クロック信号に基づいてシンボルデータを復調するシンボル復調回路であって、前記直交検波信号を遅延させる遅延回路と、前記シンボル復調クロック信号の入力に基づいて、前記直交検波信号の同相成分の振幅値である同相成分振幅値と前記直交検波信号の直交成分の振幅値である直交成分振幅値とを摘出する振幅値摘出回路と、前記同相成分振幅値の自乗と前記直交成分振幅値の自乗の和の平方根で定義される振幅値のばらつき度合いを算出するばらつき度合い算出回路と、前記ばらつき度合い算出回路が算出したばらつき度合いが最小となるよう、前記遅延回路の遅延量の制御を行う遅延制御回路とを備え、前記振幅値摘出回路が摘出した同相成分振幅値と直交成分振幅値とを、前記直交検波信号から復調された、前記直交検波信号のシンボル同期点と同期したシンボルデータとして出力することを特徴とする。
また、本発明に係るシンボル復調回路においては、前記遅延制御回路は、先に算出された第1のばらつき度合いと次に算出された第2のばらつき度合いとを比較し、比較結果に基づいて前記遅延回路の遅延量の増減を行う構成とすることが好適である。
また、本発明に係るシンボル復調回路においては、前記遅延回路においては、有限個数の遅延量の代表値が予め定められており、当該代表値のうち、前記ばらつき度合い算出回路が算出するばらつき度合いが最も小さくなる代表値を検索する手段を備える構成とすることが好適である。
また、本発明に係るシンボル復調回路においては、前記ばらつき度合いは、前記振幅値から標本値を摘出して計算される分散に基づいて定義される構成とすることが好適である。
本発明によれば、遅延量が不明な直交検波信号からシンボルデータを生成したり、複数のディジタル復調回路が設けられた系のそれぞれのディジタル復調回路に、互いに遅延量の異なる直交検波信号が入力される場合において、単一のシンボル同期回路から複数のディジタル復調回路にシンボル復調クロック信号を供給し、各々の直交検波信号からシンボルデータを生成することが可能となる。
本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1には本発明に係るシンボル遅延同期復調回路2を適用したアダプティブアレイアンテナ装置1を示す。メイン受信回路20に後置されるディジタル復調回路26には、当該ディジタル復調回路26を動作させるためのPLL方式によるシンボル同期回路24からシンボル復調クロック信号の供給を受けている。このシンボル同期回路24は、メイン受信回路20から出力される直交検波信号のシンボル速度とその周波数が一致し、その位相がシンボル点間隔に合致したシンボル復調クロック信号を生成する。ディジタル復調回路26においては、このシンボル復調クロック信号を用いて復調信号であるシンボルデータを生成する。
アダプティブ処理部10には、本発明に係るシンボル遅延同期復調回路2が備えられており、サブ受信回路18から出力される直交検波信号からシンボルデータを復調する。
アダプティブ処理回路22は、サブ受信回路18が出力する直交検波信号から復調したシンボルデータと、メイン受信回路20が出力する直交検波信号から復調したシンボルデータとに基づいて、各々のアンテナが受信した信号の振幅および位相を重み付け係数W1〜W4によって調整する。調整は各シンボルデータを用いたLMSアルゴリズム、RLSアルゴリズム等の周知のアルゴリズムを用い、アレイアンテナが有する指向性を送受信状態が良好となるように形成することで行うことができる。
アダプティブ処理部10で用いるシンボル復調クロック信号は、メイン受信部14が備えるシンボル同期回路24からシンボル遅延同期復調回路2に供給される。図2にはシンボル遅延同期復調回路2の詳細な構成を示す。
ここで、シンボル遅延同期復調回路2の動作を説明する前に、当該回路によって同期をとり、シンボルデータを復調することが可能である変調信号およびそれを直交検波することで得られる直交検波信号について説明する。
本発明で取り扱う直交検波信号は、I信号、Q信号と称される2チャンネルの信号をそれぞれ同相成分、直交成分として直交変調する変調信号に供されるものである。ここでは一例としてQPSK信号を考える。I信号の振幅を横軸にとり、Q信号の振幅を縦軸にとった場合、I、Q信号で定まる座標点が時間と共に描く軌跡、いわゆるコンスタレーションは、図3のように必ず特定のI−Q座標上でのシンボル点を通過する。なお、コンスタレーションは、変調信号の搬送波による位相変化を止めて考えたときの、当該変調信号の複素ベクトルの描く軌跡をも意味する。ここで各シンボル点に対してデジタル信号(0、0)、(0、1)、(1、0)、(1、1)を図3のように対応付けることとすれば、コンスタレーション上の軌跡がシンボル点を通過すると共にシンボル点に対応したディジタル信号が生成されることとなる。
図4はランダムなデータを変調した場合における、コンスタレーションの複素ベクトル絶対値の時間波形を示したものである。複素ベクトルの絶対値はI信号の自乗とQ信号の自乗の和の平方根として求められる。図4よりシンボル周期毎に振幅が一定となるシンボル点が現れ、データ変化区間では大きく振幅が変動していることがわかる。ここで、データ変化区間が短いほど、コンスタレーション上におけるシンボル点での滞留時間が長くなり、振幅の度数分布はシンボル点に対応する振幅の頻度が最も高くなることとなる。
このように、一定の振幅値となるシンボル点がシンボル点間隔を以って現れ、シンボル点以外の点では振幅が変動するのは、この直交検波信号が周波数帯域制限を受けたものであることによる。ここで周波数帯域制限には、フィルタ等を用いて無線システムの周波数資源有効利用や信号間干渉を防止するもののみならず、回路の周波数特性によって必然的に受けるものも含まれる。
周波数帯域制限を受けていないQPSK信号の場合、コンスタレーションは図3の特定シンボル点にのみ存在可能な点となり、コンスタレーション上のシンボル点を結ぶ軌跡は理論的には現れない。また、I、Q信号の時間波形はデータ変化点において急峻に振幅が変化し、データ変化点間では一定の振幅となる矩形波となるため、シンボル点に代えてシンボル区間が定義される。しかしながら、上述のようにI,Q信号は回路の周波数特性によって必然的に周波数帯域制限を受けることとなるので、現実にはシンボル区間ではなくシンボル点が現れると考えてよい。
本発明に係るシンボル遅延同期復調回路2は、帯域制限を受けたQPSK信号の直交検波信号のように、所定の間隔でシンボル点が現れ、その点における振幅は一定であるが、シンボル点から外れた点における振幅は時間に対して常に変動するような検波信号の性質を利用するものである。具体的には、I信号の自乗とQ信号の自乗の和の平方根で定義される振幅が変動しないようなタイミングを、直交検波信号の統計的な処理によって見いだすことで同期処理を行う。なお、このような性質を有する信号は、QPSK信号に限られず、BPSK信号、8PSK信号等も考えられる。
次に、図2に示すシンボル遅延同期復調回路2の動作について説明する。I信号、Q信号はそれぞれ遅延回路36に入力され、時間遅延を受けた上でサンプルホールド回路38に入力される。遅延回路36は、外部からの信号によってその時間遅延量が制御できるようになっている。
サンプルホールド回路38は、入力されたI、Q信号のサンプリングを外部から供給されたシンボル復調クロック信号を用いて行い、当該クロック信号の周波数でI、Q信号のサンプリング値を出力する。
振幅算出回路40は、サンプルホールド回路38が出力した、サンプリングされたI、Q信号の振幅を算出する。すなわち、振幅をAiとすれば、Ai=(Ii 2+Qi 21/2として振幅を求める。振幅算出回路40が算出した振幅Aiは分散算出回路42に入力される。
分散算出回路42は、シンボル復調クロック信号の周波数で逐次入力される振幅(A1、A2、A3・・・・・An)の分散σ2を算出する。分散はσ2=Σ(Ai−ΣAi/n)2/n=ΣAi 2/n−(ΣAi2/n2として求まり、振幅値Aiが1つ入力される毎に標本としてAiを新たに加え、それに対する分散を求める。このように分散は次々と更新されていくが、標本の数が上限に達した場合には、新たに入力される標本と、最も先に入力された標本が入れ替えられた上で分散が算出される。分散算出回路42は、図5に示すような乗算器48、合算器50、除算器52、加算器34を具備する回路で構成することが好適である。
また、振幅算出回路と分散算出回路を一まとめにし、図6に示す振幅および分散算出回路46を構成することができる。振幅および分散算出回路46は、乗算器48、合算器50、除算器52、加算器34、開平器54を具備する回路で構成することができる。
分散算出回路42あるいは振幅および分散算出回路46が算出した分散は、遅延制御回路44に入力される。
遅延制御回路44は、分散算出回路42が算出した分散ができる限り小さくなるように、遅延回路36の時間遅延量を制御する。例えば、ある時間遅延量を以って遅延回路36を動作させたときの分散と、先の遅延量とは異なる時間遅延量を以って遅延回路36を動作させたときの分散とを比較し、その比較値に基づいて時間遅延量を増減する制御などが考えられる。遅延量を増加させたときに分散が増加するようであれば、遅延量を減少させ、遅延量を減少させたときに分散が増加するようであれば、遅延量を増加させる。分散が小さくなったときは、遅延量の増減幅を小さくし、小刻みに遅延量の制御を行えば、やがては分散が最小となる時間遅延量に収束することとなる。
分散が最小となった状態が、シンボル復調クロック信号の位相と直交検波信号のシンボル点間隔とが合致した状態であることは、上述の変調信号の性質を考えれば明らかである。この分散が最小となった状態を維持しつつサンプルホールド回路38の出力を順次出力していけば、直交検波信号に対するシンボルデータが得られる。
以上では、遅延回路36の時間遅延量を連続的に制御する場合の実施形態について説明した。次に、第2の実施形態として遅延回路36の時間遅延量を離散的に制御する構成について説明する。
図7は第2の実施形態におけるシンボル遅延同期復調回路2を示したものである。この構成では遅延回路36が呈することのできる遅延量としてはm個の値を取り得るものとし、遅延制御回路44に設けられている遅延量選択手段56によってm個のうち1つの遅延量が選択される。ここでは、1つの遅延量の番号をjとして表記する。jと遅延量との関係は、例えばj=0に対応する遅延量をφ0、任意のjに対応する遅延量をφj、遅延量ステップをΔφとして、φj=φ0+jΔφのように決定することができる。
遅延量選択手段56は、まず1つ目の遅延量(j=0)を選択する。遅延回路36はその選択に応じた遅延量を以って動作する。この動作状態で、分散算出回路42は上述した場合と同様の処理によってj=0に対する分散σ2 (j=0) を求める。図6の構成においては、遅延制御回路44は分散記憶手段54を備えており、分散を遅延量に対応する番号jと共に記憶する。次に、同様の処理をj=0からj=m−1の全てについて行い、全てのjに対する分散を分散記憶手段58に記憶する。
その後、遅延制御回路44が備える最適遅延量検索手段60が、分散記憶手段58が記憶する分散のうち最小のものを検索し、その検索された分散に対応する遅延量の番号を遅延量指定手段62に出力する。遅延量指定手段62は、その番号に対応する遅延量を遅延量選択手段56によって選択する。
図8には予め定められた離散的な遅延量が33個ある場合、すなわちm=33の場合のj=0からj=m−1に対する分散を表したものである。このグラフでは、j=16において分散が最小になることがわかる。また、図9には第2の実施形態におけるシンボル遅延同期のフローチャートを示す。
本発明に係るシンボル遅延同期復調回路2を構成する各回路は、デジタル回路で構成することができる。ディジタル回路は入力されたディジタル信号を、それによって表された2進数に対する演算処理を施した上でディジタル信号として出力するものであり、演算処理は2進数の加算、減算、桁のシフト等に帰着される。2進数の演算処理は、各計算ステップ毎にスイッチング回路を対応付けて構成することも理論的には可能であるが、回路規模が大きくなり処理時間が長くなるため、DSP(Digital Signal Processor)によって構成することが好適である。DSPは予め作成されたプログラムによって動作する、基本的な演算処理を行う回路を備えたものである。乗算器と加減算器で構成される高速な積和演算器を有しており、各種の命令を原則として1命令1ステップで実行できるように構成されている。DSPを動作させるためにはプログラムが必要であり、各回路の動作に応じたプログラムは周知の技術によって作成される。
また、遅延回路36は必ずしもディジタル回路で構成する必要はなく、アナログ回路で構成することもできる。この場合、サンプルホールド回路38によって振幅値が摘出された後に初めてディジタル信号が現れることとなる。
なお、本実施形態におけるアダプティブアレイアンテナ装置1では、メイン受信機における遅延量とサブ受信機における遅延量が通常動作時において頻繁に変動するものではない。従って一度設定した遅延回路36における遅延量を、遅延制御回路44に記憶装置を設けて記憶させておき、温度変化、湿度変化などの環境変化を受けたときや、経年変化によって回路特性が変化したときに同期操作を再度行うような構成とすることが好適である。
本発明に係るシンボル遅延同期復調回路を用いたアダプティブアレイアンテナ装置を示す図である。 本発明に係るシンボル遅延同期復調回路を示す図である。 I信号およびQ信号によるコンスタレーションを示す図である。 コンスタレーションの複素ベクトル絶対値の時間変化を示す図である。 分散算出回路の構成を示す図である。 振幅および分散算出回路の構成を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係るシンボル遅延同期復調回路を示す図である。 遅延量に対する分散を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係るシンボル遅延同期復調回路の動作の流れを示す図である。 従来のアダプティブアレイアンテナ装置の構成を示す図である。
符号の説明
1 アダプティブアレイアンテナ装置、2 シンボル遅延同期復調回路、10 アダプティブ処理部、12 送信部、14 メイン受信部、16 分波器、18 サブ受信回路、20 メイン受信回路、22 アダプティブ処理回路、24 シンボル同期回路、26 ディジタル復調回路、28 アンテナ、30 増幅器、32 重み付け回路、34 加算器、36 遅延回路、38 サンプルホールド回路、40 振幅算出回路、42 分散算出回路、44 遅延制御回路、46 振幅および分散算出回路、48 乗算器、50 合算器、52 除算器、54 開平器、56 遅延量選択手段、58 分散記憶手段、60 最適遅延量検索手段、62 遅延量指定手段。

Claims (11)

  1. アンテナ部から受信された信号を検波して得られる検波信号を処理して第1のシンボルデータを抽出する第1の受信部と、
    前記第1の受信部とは別に設けられ、前記検波信号を処理して第2のシンボルデータを抽出する第2の受信部とを含み、
    前記第1のシンボルデータと前記第2のシンボルデータとに基づいて受信特性を適応的に変化させる受信システムであって、
    前記第1の受信部は、前記検波信号に基づいて、シンボル復調クロック信号を生成するシンボル復調クロック信号生成部と、
    前記シンボル復調クロック信号を用いて前記検波信号をシンボル復調処理し、これにより前記第1のシンボルデータを抽出する第1のシンボル復調処理部とを含み、
    前記第2の受信部は、前記シンボル復調クロック信号に基づいて前記検波信号をシンボル復調処理して前記第2のシンボルデータを抽出する第2のシンボル復調処理部と、
    前記第2のシンボル復調処理部によるシンボル復調条件を最適化するシンボル復調最適化部とを含むことを特徴とする受信システム。
  2. 請求項1に記載の受信システムであって、
    前記シンボル復調最適化部は、前記検波信号と前記シンボル復調クロック信号とのタイミングを変化させながら最適タイミングを特定することを特徴とする受信システム。
  3. 請求項2に記載の受信システムであって、
    前記シンボル復調最適化部は、前記第2のシンボル復調処理部へ入力される信号を遅延させる遅延器と、
    前記遅延器における遅延量を変化させた場合における前記第2のシンボル復調処理部によるシンボル復調処理結果に基づいて、前記最適タイミングとして、前記遅延器における最適遅延量を特定する遅延制御器とを含むことを特徴とする受信システム。
  4. 請求項3に記載の受信システムであって、
    前記遅延制御器は、前記シンボル復調処理結果のばらつき度合いに基づいて前記最適遅延量を特定することを特徴とする受信システム。
  5. 請求項4に記載の受信システムであって、
    前記シンボル復調処理結果のばらつき度合いは、前記シンボル復調処理結果から標本値を摘出して計算される分散に基づいて定義されることを特徴とする受信システム。
  6. 変調信号を検波して得られる検波信号から、シンボル復調クロック信号に基づいてシンボルデータを復調するシンボル復調回路であって、
    前記検波信号の振幅値をシンボル復調クロック信号に基づいて摘出し、当該振幅値のばらつき度合いを算出するばらつき度合い算出回路と、
    前記ばらつき度合い算出回路が算出したばらつき度合いが最小となるよう、前記検波信号の遅延量を最適化する遅延量最適化回路とを備えることを特徴とするシンボル復調回路。
  7. 変調信号を検波して得られる検波信号から、シンボル復調クロック信号に基づいてシンボルデータを復調するシンボル復調回路であって、
    前記検波信号を遅延させる遅延回路と、
    前記シンボル復調クロック信号の入力に基づいて、前記検波信号の振幅値を摘出する振幅値摘出回路と、
    前記振幅値のばらつき度合いを算出するばらつき度合い算出回路と、
    前記ばらつき度合い算出回路が算出したばらつき度合いが最小となるよう、前記遅延回路の遅延量の制御を行う遅延制御回路とを備え、
    前記振幅値摘出回路の出力を、前記検波信号から復調された、前記検波信号のシンボル同期点と同期したシンボルデータとして出力することを特徴とするシンボル復調回路。
  8. 直交変調信号を直交検波して得られる直交検波信号から、シンボル復調クロック信号に基づいてシンボルデータを復調するシンボル復調回路であって、
    前記直交検波信号を遅延させる遅延回路と、
    前記シンボル復調クロック信号の入力に基づいて、前記直交検波信号の同相成分の振幅値である同相成分振幅値と前記直交検波信号の直交成分の振幅値である直交成分振幅値とを摘出する振幅値摘出回路と、
    前記同相成分振幅値の自乗と前記直交成分振幅値の自乗の和の平方根で定義される振幅値のばらつき度合いを算出するばらつき度合い算出回路と、
    前記ばらつき度合い算出回路が算出したばらつき度合いが最小となるよう、前記遅延回路の遅延量の制御を行う遅延制御回路とを備え、
    前記振幅値摘出回路が摘出した同相成分振幅値と直交成分振幅値とを、前記直交検波信号から復調された、前記直交検波信号のシンボル同期点と同期したシンボルデータとして出力することを特徴とするシンボル復調回路。
  9. 請求項7または請求項8に記載のシンボル復調回路であって、
    前記遅延制御回路は、先に算出された第1のばらつき度合いと次に算出された第2のばらつき度合いとを比較し、比較結果に基づいて前記遅延回路の遅延量の増減を行うことを特徴とするシンボル復調回路。
  10. 請求項7または請求項8に記載のシンボル復調回路であって、
    前記遅延回路においては、有限個数の遅延量の代表値が予め定められており、
    当該代表値のうち、前記ばらつき度合い算出回路が算出するばらつき度合いが最も小さくなる代表値を検索する手段を備えることを特徴とするシンボル復調回路。
  11. 請求項6から請求項10のいずれか1項に記載のシンボル復調回路であって、
    前記ばらつき度合いは、前記振幅値から標本値を摘出して計算される分散に基づいて定義されることを特徴とするシンボル復調回路。
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