JP2008205703A - Afc制御装置、afc制御方法、afc制御プログラム及び移動通信装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】移動通信装置100における受信周波数と基地局との送信周波数を合わせるためのAFC制御装置に、受信したI、Qデータから、周波数の引き込み範囲で受信周波数のずれ量を算出しずれ量が少なくなるように電圧制御発振器109の制御電圧を調整し出力周波数を制御し受信周波数の補正を行う受信周波数補正部201と、基準値の初期値を中心として±方向に規定値だけ変化し、隣接する基準値の周波数の引き込み範囲が重複するように複数の基準値を保存する基準値保存部203と、移動通信装置の電源投入毎に一定時間に同期を得ない場合基準値保存部から順次取り出した基準値を電圧制御発振器への制御電圧の基準値として変更し同期を得るまで変更を継続し同期を得た場合電圧制御発振器の制御電圧の基準値として同期を得た基準値を固定させる基準値検索部204とを備える。
【選択図】図2
Description
しかし、狭い帯域下で情報を伝送する場合には、帯域と伝送速度が相反する関係にあるので、必然的に伝送速度は低下する方向に向かい、周波数の引き込み範囲自体が狭くなる。
このため、多値化変調によって、伝送速度を可能な限りアップすることになるが、通信方式としてのボーレートは、伝送速度の低下に比例し、低い値となる。
4.8kのボーレートは、角速度4.8kと等価であるため、このような通信方式に上述したI、Qの位相ずれを補正する方法を適用すると、90度のずれは周波数で1200Hzとなり、これがガウス平面上での1象限分の周波数変動ということになる。すなわち、シンボルレートの1/4の範囲についてAFCとして引き込み可能ということになる。
これに対して、VCTCXO等の水晶部品の安定度は0.9ppm程度が限界であるのが現状であり、このような部品を使用してシステム設計を行った場合、400MHzの無線周波数を使用すると、周波数変動は約360Hz(=400M×0.9ppm)となる。
さらに、VCTCXO等のアナログ素子の経年変化(周波数エージング)に起因しさらに大きな周波数変動が基地局と移動局との間で発生した場合には移動局では周波数変動を引き込むことができないという第2の問題がある。
従来、QPSKなどのディジタル変調信号を受信する受信機に関し、マルチ伝送速度に対応でき、誤選局の少ない受信機を実現することを目的とし、マルチ伝送速度対応の受信機において、選局するキャリアの伝送速度に基づいて、探索するキャリアの掃引周波数範囲を算出し、該掃引周波数範囲内を掃引制御して同期引き込みを図ることにより誤った選局を防止するものがある(例えば、特許文献1参照)。
さらに、本発明は、移動通信装置における受信周波数と基地局との送信周波数を合わせるためのAFC制御方法において、電圧制御発振器への制御電圧の基準値を基準として、受信したI、Qデータから、周波数の引き込み範囲で受信周波数のずれ量を算出し、算出された受信周波数のずれ量が少なくなるように、前記電圧制御発振器に対して制御電圧を調整し、出力周波数を制御し、受信周波数の補正を行う工程と、周波数の引き込み範囲を考慮して、前記電圧制御発振器への制御電圧の基準値を複数保存する工程と、保存された複数の前記基準値を基準値の初期値を中心として±方向に規定値だけ変化させ、隣接する基準値の周波数の引き込み範囲を重複させる工程と、移動通信装置の電源投入毎に動作し、一定時間に同期が得られない場合には、保存された基準値を順次取り出し、取り出した前記基準値を前記電圧制御発振器への制御電圧の基準値として順次変更し、同期が得られるまで変更を継続する工程と、同期が得られた場合には、前記電圧制御発振器への制御電圧の基準値として同期が得られた基準値を固定させる工程とを備えることを特徴とするAFC制御方法を提供する。
本発明の方法は実行上実現しやすく、水晶等のVCTCXOのデバイスの周波数制御範囲は、拡大し、通信システムを満足するのに十分な可変範囲を持つことになる。
図1は本発明に係る移動局の概略構成を示す図である。本図に示すように、CDMA(Code Division Mutiple Access)通信方式における移動局100はコンピュータのプログラムで動作する移動通信装置であり、移動局100にはRF部101と、ミキサ102と、A/D変換機103と、ミキサ104、105と、移相器106と、検波部107と、AFC回路108と、基準発振器として機能するVCTCXO(Voltage Controlled Temperature contolled Xtal Oscillator:電圧制御温度補償型水晶発振器)109とが設けられている。
ミキサ102は、RF部101からの高周波数信号とVCTCXO109によって生成された局部発振信号とを乗算することにより高周波数信号をチップレートのベースバンド信号に変換している。
ミキサ104、105は、A/D変換機103により変換されたデジタル信号に位相がπ/2異なる信号をそれぞれ乗算し、同相成分であるI(In−phase component)、直交成分であるQ(Quadrature component)信号に変換する。
検波部107はミキサ104、105からのI、Q信号を復調し、それぞれ受信I、Qデータとする。
AFC回路108は、周波数の引き込み範囲で検波部107からのI、Qデータから受信周波数のずれ量を検出して検出された受信周波数のずれ量が少なくなるように、VCTCXO109にフィードバックして出力する制御電圧を調整することにより、VCTCXO109の出力周波数の制御を行うと同時に、VCTCXO等のアナログ素子の安定度の限界を超え、経年変化に起因する周波数変動に対してもI、Qの位相ずれの補正により周波数変動の引き込みを可能にする。AFC回路108の周波数の引き込み範囲は、特に、帯域を、例えば、6.25kHzに、狭め、周波数の有効活用を行いながら情報伝達可能となるようにしている。
本図(a)には、CDMA通信方式では、拡散変調の前に行われる1次変調の変調方式としてQPSK(Quadrature Phase Shift Keying:直交PSK)が用いられるため、それぞれのシンボルは2ビットのデータとなっていて、(0、0)、(0、1)、(1、0)、(1、1)のいずれかの値をとるようになっており、同相成分Iの大きさを横軸に、直交成分Qの大きさを縦軸に、これらの値がベクトル図上に示される。
本図(b)に示すように、受信周波数補正部201では、ある受信シンボル401のI成分がa、Q成分がbという値だとした場合、受信シンボル401の受信シンボル角度θを、θ=tan−1(b/a)として算出する。
図4は図2における基準値保存部203に保存されるVCTCXO109への制御電圧の基準値の例を説明する図である。本図に示すように、基準値保存部203にはVCTCXO109への制御電圧の基準値v±Δvn(n=0〜7)に対して±Δvn(n=0〜7)のデジタル値が16進数で保存される。
具体的には、
v+Δv0→f+Δf0
v+Δv1→f+Δf1
v−Δv1→f−Δf1
v+Δv2→f+Δf2
v−Δv2→f−Δf2
…
v+Δv6→f+Δf6
v−Δv6→f−Δf6
の対応が成立する。ここに、v、fは任意の値である。
v±Δv7はアラームのレベルとし、これら以外には制御電圧の基準値が保存されないことを意味する。
周波数の引き込み範囲を、一例として、6.25kHzとし、
Δf0=0Hz
±Δf1=±3125Hz
±Δf2=±6250Hz
±Δf3=±9357Hz
±Δf4=±12500Hz
±Δf5=±15625Hz
±Δf6=±18750Hz
と設定する。
v+Δv0→v+Δv1→v−Δv1→v+Δv2→v−Δv2→…→v+Δv5→v−Δv5
のように、制御電圧の基準値を順次変更し、同期がとれる制御電圧の基準値が検索される。
v+Δv0→f+Δf1〜f−Δf1:中心の周波数f+Δf0
v+Δv1→f+Δf2〜f−Δf0:中心の周波数f+Δf1
v−Δv1→f+Δf0〜f−Δf2:中心の周波数f−Δf1
v+Δv1→f+Δf2〜f−Δf0:中心の周波数f+Δf1
v−Δv1→f+Δf0〜f−Δf2:中心の周波数f−Δf1
…
v+Δv5→f+Δf6〜f−Δf4:中心の周波数f+Δf5
v−Δv5→f−Δf4〜f−Δf6:中心の周波数f−Δf5
となる。
図6、図7は図1におけるAFC回路108の一連の動作例を説明するフローチャートである。図6に示すように、ステップS301において、移動局100の電源投入毎に、AFC回路108の同期基準値保存部206に同期がとられた制御電圧の基準値を保存しているか否かの判断を行う。保存されている場合にはステップS308に進む。
ステップS303において、基準値検索部204は、基準値をv+Δv0に固定していない場合には、受信周波数補正部201に対して、基準値の初期値としてv+Δv0を固定する。
ステップS305において、D/A変換器202では、v+Δv0の基準値に対して算出された受信周波数のずれを小さくする値をアナログに変換し、VCTCXO109に設定する。
ステップS307において、一定期間中に同期がとられた場合には、同期がとられた基準値を同期基準値保存部206に保存し、ステップS304に戻り、周波数の自動制御を行う。
ステップS309において、基準値検索部204では、基準値をv+Δv0に固定して同期がとれない場合には、基準値保存部203から受信周波数補正部201に対して基準値をv+Δv1に固定したか否かを判断する。固定している場合にはステップS311に進む。
ステップS311において、基準値検索部204では、基準値をv+Δv1に固定で同期がとれない場合には、基準値保存部203から受信周波数補正部201に対してv−Δv1の基準値を設定したか否かを判断する。設定している場合にはステップS313に進む。
ステップS313において、基準値検索部204では、基準値をv−Δv1に固定して同期がとれない場合には、基準値保存部203から受信周波数補正部201に対して基準値をv+Δv2に固定したか否かを判断する。設定している場合にはステップS315に進む。
図7に示すように、ステップS315において、基準値検索部204では、基準値をv+Δv2に固定して同期がとれない場合には、基準値保存部203から受信周波数補正部201に対して基準値をv−Δv2に固定したか否かを判断する。設定している場合にはステップS317に進む。
ステップS317において、基準値検索部204では、基準値をv−Δv5に固定して同期がとれない場合には、基準値保存部203から受信周波数補正部201に対して基準値をv+Δv6に固定したか否かを判断する。設定している場合にはステップS319に進む。
ステップS319において、基準値検索部204では、基準値をv+Δv6に固定して同期がとれない場合には、基準値保存部203から受信周波数補正部201に対して基準値をv−Δv6に固定したか否かを判断する。設定している場合にはステップS321に進む。
ステップS321において、基準値検索部204では、基準値をv−Δv6に固定で同期がとれない場合には、基準値保存部203から受信周波数補正部201に対して基準値をv+Δv7に固定したか否かを判断する。設定していない場合にはステップS323に進む。
ステップS323において、基準値検索部204は、v−Δv7の基準値を選択した場合には、ステップS322に進み、アラームを発生し、処理を終了する。
なお、アラームを発生した場合、さらに、基準値の検索中に同期がとれた場合には監視タスクより状態変化通知シンセアンロクが作動し基準値の検索の実行は停止され、その後、基準値の検索機能は動作しない。さらに、RSS(Received Signal Strength Indikator)が規定値以下を検出した場合、チャンネルの切替が発生した場合、送信処理が実行された場合、基準値の検索自体が中断した場合には基準値保存部203に保存されている基準値の初期値に戻して、本発明の運用を継続する。
本発明の方法は実行上実現しやすく、水晶等のVCTCXOのデバイスの周波数制御範囲は、拡大し、通信システムを満足するのに十分な可変範囲を持つことになる。
101…RF部
102、104、105…ミキサ
103…A/D変換機
106…移相器
107…検波部
108…AFC回路
109…VCTCXO
201…受信周波数補正部
202…D/A変換器
203…基準値保存部
204…基準値検索部
205…同期判断部
206…同期基準値保存部
401…受信シンボル
Claims (6)
- 移動通信装置の受信周波数と基地局の送信周波数を合わせるためのAFC制御装置において、
電圧制御発振器への制御電圧の基準値を基準として受信したI、Qデータから、周波数の引き込み範囲で受信周波数のずれ量を算出し、算出された受信周波数のずれ量が少なくなるように、前記電圧制御発振器に対して制御電圧を調整し、出力周波数を制御し、受信周波数の補正を行う受信周波数補正部と、
周波数の引き込み範囲を考慮して、前記電圧制御発振器への制御電圧の基準値を複数保存し、複数の前記基準値は基準値の初期値を中心として±方向に規定値だけ変化し、隣接する基準値の周波数の引き込み範囲が重複するような基準値として保存される基準値保存部と、
移動通信装置の電源投入毎に動作し、一定時間に同期が得られない場合には、前記基準値保存部から基準値を順次取り出し、取り出した前記基準値を前記受信周波数補正部に対して前記電圧制御発振器への制御電圧の基準値として順次変更し、同期が得られるまで変更を継続し、同期が得られた場合には、前記受信周波数補正部に対して前記電圧制御発振器への制御電圧の基準値として同期が得られた基準値を固定させる基準値検索部とを備えることを特徴とするAFC制御装置。 - さらに、同期基準値保存部が設けられ、前記同期基準値保存部は、前記基準値検索部により前記受信周波数補正部に対して前記電圧制御発振器への制御電圧の基準値として同期が得られた基準値を固定させた場合には、固定させた基準値を保存し、前記基準検索部は、移動通信装置の電源投入時に前記同期基準値保存部から基準値を取り出し、取り出した前記基準値を前記受信周波数補正部に対して前記電圧制御発振器への制御電圧の基準値として固定させることを特徴とする、請求項1に記載のAFC制御装置。
- 前記電圧制御発振器はVCTCXOであることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のAFC制御装置。
- 移動通信装置における受信周波数と基地局との送信周波数を合わせるためのAFC制御方法において、
電圧制御発振器への制御電圧の基準値を基準として、受信したI、Qデータから、周波数の引き込み範囲で受信周波数のずれ量を算出し、算出された受信周波数のずれ量が少なくなるように、前記電圧制御発振器に対して制御電圧を調整し、出力周波数を制御し、受信周波数の補正を行う工程と、
周波数の引き込み範囲を考慮して、前記電圧制御発振器への制御電圧の基準値を複数保存する工程と、
保存された複数の前記基準値を基準値の初期値を中心として±方向に規定値だけ変化させ、隣接する基準値の周波数の引き込み範囲を重複させる工程と、
移動通信装置の電源投入毎に動作し、一定時間に同期が得られない場合には、保存された基準値を順次取り出し、取り出した前記基準値を前記電圧制御発振器への制御電圧の基準値として順次変更し、同期が得られるまで変更を継続する工程と、
同期が得られた場合には、前記電圧制御発振器への制御電圧の基準値として同期が得られた基準値を固定させる工程とを備えることを特徴とするAFC制御方法。 - 移動通信装置における受信周波数と基地局との送信周波数を合わせるためのAFC制御をコンピュータで実行するプログラムにおいて、
電圧制御発振器への制御電圧の基準値を基準として、受信したI、Qデータから、周波数の引き込み範囲で受信周波数のずれ量を算出し、算出された受信周波数のずれ量が少なくなるように、前記電圧制御発振器に対して制御電圧を調整し、出力周波数を制御し、受信周波数の補正を行う手順と、
周波数の引き込み範囲を考慮して、前記電圧制御発振器への制御電圧の基準値を複数保存する手順と、
保存された複数の前記基準値を基準値の初期値を中心として±方向に規定値だけ変化させ、隣接する基準値の周波数の引き込み範囲を重複させる手順と、
移動通信装置の電源投入毎に動作し、一定時間に同期が得られない場合には、保存された基準値を順次取り出し、取り出した前記基準値を前記電圧制御発振器への制御電圧の基準値として順次変更し、同期が得られるまで変更を継続する手順と、
同期が得られた場合には、前記電圧制御発振器への制御電圧の基準値として同期が得られた基準値を固定させる手順とを備えることを特徴とする、AFC制御をコンピュータで実行するプログラム。 - 受信周波数と基地局との送信周波数を合わせるためのAFC制御装置を有する移動通信装置において、
電圧制御発振器への制御電圧の基準値を基準として、受信したI、Qデータから、周波数の引き込み範囲で受信周波数のずれ量を算出し、算出された受信周波数のずれ量が少なくなるように、前記電圧制御発振器に対して制御電圧を調整し、出力周波数を制御し、受信周波数の補正を行う受信周波数補正部と、
周波数の引き込み範囲を考慮して、前記電圧制御発振器への制御電圧の基準値を複数保存し、複数の前記基準値は基準値の初期値を中心として±方向に規定値だけ変化し、隣接する基準値の周波数の引き込み範囲が重複するような基準値として保存される基準値保存部と、
前記移動通信装置の電源投入毎に動作し、一定時間に同期が得られない場合には、前記基準値保存部から基準値を順次取り出し、取り出した前記基準値を前記受信周波数補正部に対して前記電圧制御発振器への制御電圧の基準値として順次変更し、同期が得られるまで変更を継続し、同期が得られた場合には、前記受信周波数補正部に対して前記電圧制御発振器への制御電圧の基準値として同期が得られた基準値を固定させる基準値検索部とを備えることを特徴とする移動通信装置。
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