JP2001313684A - 無線受信装置 - Google Patents

無線受信装置

Info

Publication number
JP2001313684A
JP2001313684A JP2001045688A JP2001045688A JP2001313684A JP 2001313684 A JP2001313684 A JP 2001313684A JP 2001045688 A JP2001045688 A JP 2001045688A JP 2001045688 A JP2001045688 A JP 2001045688A JP 2001313684 A JP2001313684 A JP 2001313684A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
known signal
difference
frequency
time
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001045688A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Orihashi
雅之 折橋
Katsuaki Abe
克明 安倍
Kleopa Musuya Job
ジョブ・クレオパ・ムスヤ
Morikazu Sagawa
守一 佐川
Masayoshi Yoneyama
正義 米山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2001045688A priority Critical patent/JP2001313684A/ja
Publication of JP2001313684A publication Critical patent/JP2001313684A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 周波数ずれに対応したベクトル差分法を
用い、その感度を大幅に向上し、受信信号が微弱な通信
環境においても、安定して同期を得ること。 【解決手段】 既知信号記憶部103から順次出力さ
れる既知信号系列のうち演算長決定部118で与えられ
るシンボル数sとシフトレジスタ102に記憶させた受
信信号系列のうちシンボル間隔で間引きしたsシンボル
の信号系列との畳込積分をコンボルバ104で演算し、
畳込積分した信号系列の1シンボル分の差分ベクトルを
差分演算部105で演算する。演算された差分ベクトル
を加算部106で順次加算し、受信信号系列を1サンプ
ル分ずつずらせて同様に加算差分ベクトルを求め、ずら
せた時間と加算差分ベクトルとを関連づけてメモリ10
7に記憶し、メモリ107に記憶されたベクトルの中か
ら特定条件を満足する箇所を検出部108で検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディジタル無線通
信システムにおいて用いられる無線受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ディジタル通信において、送信機と受信
機が時間的に同期をとることは非常に重要な技術であ
る。一般に、既知信号系列を用い、受信信号に含まれる
既知信号系列と受信機で持つ既知信号系列との間で相関
演算処理を行い、その相関値に基づいてを用いて同期を
行う。特に、電源投入直後などの、周波数、時間が送信
機と受信機でともにずれた状態での同期は困難である一
方、同期について高感度で高精度な性能が要求される。
このような周波数ずれにも対応した時間同期方法とし
て、特開平8−252966号公報に示された技術など
が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に開示された、周波数ずれに対応した従来の時間同期
方法では、1シンボル間のベクトル差分を求める遅延検
波と同一の原理を用いているため、感度は3dB近く劣
化しまう。そのため、従来の方式では、受信信号の品質
をあまり期待できないような長距離での通信や、出力電
波の弱い通信システムでは、高い性能を期待することは
困難である。
【0004】本発明は、周波数ずれに対応したベクトル
差分法を用い、その感度を大幅に向上し、受信信号が微
弱な通信環境においても、安定して同期を得ることがで
きる無線受信装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の骨子は、差分ベ
クトルを演算する前にベクトルの加算処理を行うことに
より達成することである。この差分ベクトル演算前の加
算処理により、信号成分はベクトル加算、誤差成分は電
力加算となるため、相対的に信号対ノイズ比(CNR)
が向上するという有利な特徴が得られる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、添付図面を参照して詳細に説明する。 (実施の形態1)本実施の形態では、周波数ずれに対応
したベクトル差分法を用いた無線受信装置において、差
分ベクトルを演算する前にベクトルの加算処理を行う場
合について説明する。
【0007】図1は、本発明の実施の形態1に係る無線
受信装置の構成を示すブロック図である。ここでは、無
線受信装置が通信端末装置に搭載されている場合につい
て説明する。
【0008】通信相手から送信された無線信号は、アン
テナ100を介して受信部101で受信される。受信部
101では、受信信号に対して、所定の無線受信処理
(ダウンコンバート、A/D変換など)を行った後に復
調処理を行う。この復調信号110は、シフトレジスタ
102に出力される。シフトレジスタ102では、復調
信号110を記憶し、受信信号111としてコンボルバ
104に出力する。
【0009】コンボルバ104は、受信信号用の遅延器
1041と、既知信号用の遅延器1042と、受信信号
と既知信号とを乗算する乗算器1043と、乗算器10
43の乗算結果を加算する加算器1044とから構成さ
れている。
【0010】コンボルバ104では、シフトレジスタ1
02から出力された受信信号と既知信号記憶部103か
ら出力された既知信号との間でマッチドフィルタリング
処理を行い、その処理後の値(相関値)を短期相関信号
113として差分演算部105に出力する。この場合、
既知信号用の遅延器1042の長さ、すなわち演算系列
長119は、演算長決定部118で決定される。
【0011】差分演算部105は、短期相関信号113
を遅延させる遅延器1051と、遅延した短期相関信号
113の複素共役をとる複素共役器1052と、短期相
関信号113と短期相関信号の複素共役とを乗算する乗
算器1053とから構成されている。
【0012】差分演算部105は、短期相関信号113
の1シンボル間の差分ベクトルを演算し、相関差分信号
114として加算部106に出力する。加算部106で
は、既知信号112の1系列分の相関差分信号114が
加算され、加算差分信号115としてメモリ107に出
力され、メモリ107で加算差分信号115が記憶され
る。
【0013】検出部108では、メモリ107から出力
された相関信号116のベクトル系列の大きさを計算
し、最大の相関信号116を検索し、その検出情報を検
出信号117として出力する。
【0014】次に、上記構成を有する無線受信装置の動
作について説明する。受信部101で復調された復調信
号を記憶したシフトレジスタ102は、推定範囲の先頭
(時間t+0)から、演算長決定部118で与えられる
演算系列長119(sとする)sシンボル分を受信信号
111としてコンボルバ104の受信信号用の遅延器1
041に出力する(ここでは演算系列長s=4とす
る)。
【0015】既知信号記憶部103は、あらかじめ記憶
してある既知信号の先頭からsシンボル分(同上s=
4)を既知信号112としてコンボルバ104の既知信
号用の遅延器1042に出力する。
【0016】コンボルバ104では、受信信号111と
既知信号112との間でマッチドフィルタリング処理
(相関演算処理)を行う。すなわち、受信信号111と
既知信号112とをそれぞれの乗算器1043で乗算
し、それぞれの乗算結果を加算器1044で加算する。
加算器1044の出力を短期相関信号113として差分
演算部105に出力する。この短期相関信号113を時
間(t+0)での短期相関信号とする。
【0017】次に、シフトレジスタ102は、1シンボ
ルずらせた時間(t+1)シンボルからの4シンボル分
を受信信号111としてコンボルバ104の受信信号用
の遅延器1041に出力する。既知信号記憶部103
は、2シンボル目から4シンボル分を既知信号112と
してコンボルバ104の既知信号用の遅延器1042に
出力する。
【0018】コンボルバ104は、前述と同様にしてマ
ッチドフィルタリング処理を行って、時間(t+1)の
短期相関信号113を差分演算部105に出力する。こ
のようにして、短期相関信号113は時間(t+0)か
ら時間(t+N−4)まで計算される(Nは既知信号系
列の信号長)。
【0019】計算された短期相関信号113は、順次、
差分演算部105に出力され、差分演算部105におい
て、短期相関信号113の1シンボル間の差分ベクトル
演算を行う。すなわち、短期相関信号113を遅延器1
051で1シンボル遅延させ、複素共役部1052で短
期相関信号113の複素共役を得て、乗算器1053で
短期相関信号113と1シンボル遅延させて複素共役を
とったものとを乗算する。この演算結果を相関差分信号
114として加算部106に出力する。
【0020】このようにして得られた相関差分信号11
4は、既知信号112の1系列分に対して求められる。
加算部106では、相関差分信号114が加算され、加
算結果が時間(t+0)の加算差分信号115としてメ
モリ107に出力される。
【0021】同様にして、tをt+1に置き換えた時間
(t+1)の加算差分信号115を計算する。このよう
に時間(t+0)から時間(t+M−1)までの加算差
分信号115をメモリ107に記憶する。このとき、メ
モリ107へは格納場所と加算差分信号115に対応す
る時間情報を記憶する、例えば格納場所=時間情報とな
るような規則に従って記憶することにより、後述の検出
部108から時間情報を取り出すことが容易になる。
【0022】検出部108は、メモリ107から出力さ
れる相関信号116のベクトル系列の大きさを順次計算
し、そのうちで最大の大きさを持つ相関信号116を検
索し、その大きさと記憶場所、及びそのベクトル情報を
求め、これらの検出情報を検出信号117として出力す
る。これにいより、同期タイミングが検出される。検出
は、所定の閾値を設け、ベクトル系列に対して閾値判定
を行い、閾値を超えた複数の候補を選択するようにして
行っても良い。また、検出は、選択個数を設定してお
き、ベクトル系列の大きさの大きいものから設定個数分
を選択するようにしても良い。
【0023】このとき、相関信号116の大きさは、一
般に受信信号101と検索すべき既知信号112との相
関値を表しており、これが大きいほど確からしい情報で
あるといえる。次に、記憶場所は、前述の通り、時間情
報に強い関連があるため、時間情報への変換は容易であ
る。このときの時間情報は、検索すべき既知信号112
が、その受信信号101の検出された時間にあることを
示している。このため、例えば、同期信号がバーストの
特定の場所に挿入されているようなシステムにおいて、
この同期信号を既知信号112とし、受信バースト信号
を復調信号110とすることにより、復調信号110内
の同期信号を検出することが可能となり、システムとの
同期を図ることができる。
【0024】また、検出部108が、相関信号116の
最大からm個のピーク位置とベクトルを検出することに
より、伝搬経路の違いによって発生するマルチパス状態
を推定することも可能となる。
【0025】ここで、差分ベクトル演算前にマッチドフ
ィルタリング処理を行う場合の効果について説明する。
従来行われている差分ベクトル演算(遅延検波)では、
受信信号とこの受信信号に対して1単位時間(例えば1
シンボル時間)遅延させた受信信号との間で差分ベクト
ルを求める。通常、受信信号は、希望信号とノイズとが
重畳されている。このように希望信号とノイズが重畳さ
れている信号を用いて差分ベクトル演算を行うと、ノイ
ズが重畳された信号同士の乗算を行うこととなる。一
方、同期検波は、ノイズが重畳している受信信号とノイ
ズが重畳していない既知信号とを乗算する。このため、
遅延検波で検波した信号と同期検波で検波した信号で
は、遅延検波で検波した信号の方が、ノイズレベルが約
3dB大きくなる。
【0026】本発明においては、差分ベクトル演算前
に、コンボルバ104によるマッチドフィルタリング処
理を行っている。マッチドフィルタリング処理におい
て、希望信号成分はベクトル加算となり、ノイズ成分は
電力加算となる。このベクトル加算の結果が電力加算の
結果に相当するので、希望信号の電力についてはベクト
ル加算の結果の2乗の割合で影響が及ぶ。したがって、
希望信号成分とノイズ成分の電力比を求めると、大きな
ゲインが得られることとなる。これにより、ノイズが重
畳している受信信号に対して最大のC/N比(ゲイン)
で希望信号を検出することができる。この後に差分ベク
トル演算(遅延検波)を行うと、ノイズが重畳していな
い受信信号を用いて差分ベクトル演算を行うこととな
り、結果として遅延検波後の信号の誤り率を低下させる
ことができる。
【0027】上述した内容を図2(a)〜図2(d)を
用いて説明する。図2(a)は、受信信号のI(同相成
分)信号を示し、図2(b)は、受信信号のQ(直交成
分)を示す。従来のように周波数オフセットを除去する
ために、図2(a)に示すI信号及び図2(b)に示す
Q信号に対して差分ベクトル演算を行うと、ノイズが重
畳した信号同士の演算となり、図2(c)に示すよう
に、C/N比が劣化する。
【0028】本発明においては、まず図2(a)に示す
I信号及び図2(b)に示すQ信号に対して既知信号を
用いてマッチドフィルタリング処理を行う。これによ
り、ノイズに対する希望信号のゲインが大きくなり、受
信信号のC/N比が改善される。このC/N比が改善さ
れた信号に対して、周波数オフセットを除去するために
差分ベクトル演算を行うと、図2(d)に示すように同
期推定信号の検出精度が高くなる。
【0029】なお、本実施の形態においては、マッチド
フィルタリング処理をコンボルバで行う場合について説
明しているが、本発明は、マッチドフィルタリング処理
をトランスバーサルフィルタやSAWフィルタで行う場
合にも適用することができる。
【0030】本実施の形態では、演算長決定部118で
与えられる演算系列長119(s)が4の場合について
説明しているが、演算系列長sが4以外の場合にも同様
に適用することができる。演算系列長は、大きいほど、
ノイズの平均化の効果が大きい。例えば、s=4とする
ことで平均化による特性向上が見込めるため、同期など
を行うときの受信環境条件が大幅に緩和され、特に劣悪
なCNRの環境で大きな効果を期待できる。一方、周波
数ずれの影響で各シンボル毎に位相がずれてしまうた
め、演算系列長sを大きくすると周波数ずれなどの影響
を受け易くなる。このため、演算系列長sの大きさを既
知信号系列長と同じ位に大きくすることは状況に応じて
適宜検討する必要がある。この演算系列長sの適正値は
シンボルレートや、周波数精度、システム設計などの条
件で左右される。一般に、周波数精度はシンボルレート
に対して十分高いため、s=4〜6までの範囲であれば
問題が起こることは少ない。
【0031】また、本実施の形態では、相関信号116
のピーク位置から、その既知信号112の存在する時間
を推定する方法について説明しているが、相関信号11
6は他に様々な特性を有しており、例えば、複数のピー
クを検出することにより、マルチパス環境の推定にも用
いることが可能である。
【0032】さらに、本実施の形態では、1シンボル当
たり1サンプルとした場合について説明しているが、加
算差分信号115の時間ステップを1/4とする(t+
0,t+1/4,t+2/4,t+3/4,t+1,t
+5/4,・・・)ことで、1シンボル当たり4サンプ
ルについても実現可能である。当然、1シンボル当たり
のサンプル数には制限はなく、このステップを変更する
ことにより、どのようなサンプル数に対しても対応が可
能である。
【0033】(実施の形態2)本実施の形態では、コン
ボルバ104でマッチドフィルタリング処理を行う際の
既知信号を変える場合について説明する。
【0034】図3は、本発明の実施の形態2に係る無線
受信装置の構成を示すブロック図である。図3におい
て、図1と同じ部分については図1と同じ符号を付して
その詳細な説明は省略する。
【0035】図3に示す無線受信装置においては、既知
信号記憶部103から出力された既知信号112を選択
する選択部201を備えている。したがって、コンボル
バ104の既知信号用の遅延器1042に出力される既
知信号は、既知信号記憶部103に記憶されている既知
信号のうちから選択された選択既知信号202である。
【0036】上記のように構成された無線受信装置にお
いては、受信部101で復調された復調信号110を記
憶したシフトレジスタ102は、推定範囲の先頭(時間
t+0)から、演算長決定部118で与えられる演算系
列長119(sとする)sシンボル分を受信信号111
としてコンボルバ104の受信信号用の遅延器1041
に出力する(ここでは演算系列長s=4とする)。
【0037】選択部201は既知信号記憶部103に記
憶されたn種類ある既知信号のうち1つを選択し、選択
された既知信号の先頭からsシンボル分(同上s=4)
を選択既知信号202としてコンボルバ104の既知信
号用の遅延器1042に出力する。
【0038】コンボルバ104では、受信信号111と
選択既知信号202との間でマッチドフィルタリング処
理を行う。すなわち、受信信号111と選択既知信号2
02とをそれぞれ乗算器1043で乗算し、それぞれの
乗算結果を加算器1044で加算する。加算器1044
の出力を短期相関信号113として差分演算部105に
出力する。この短期相関信号113を時間(t+0)で
の短期相関信号とする。
【0039】次に、シフトレジスタ102は1シンボル
ずらせた時間(t+1)シンボルからの4シンボル分を
受信信号111としてコンボルバ104の受信信号用の
遅延器1041に出力する。既知信号記憶部103は、
選択された既知信号について2シンボル目から4シンボ
ル分を選択既知信号202としてコンボルバ104の既
知信号用の遅延器1042に出力する。
【0040】コンボルバ104は、前述と同様にしてマ
ッチドフィルタリング処理を行って、時間(t+1)の
短期相関信号113を差分演算部105に出力する。こ
のようにして短期相関信号113は時間(t+0)から
時間(t+N−4)が計算される(Nは既知信号系列の
信号長)。
【0041】計算された短期相関信号113は、順次、
差分演算部105に出力され、差分演算部105におい
て、短期相関信号113の1シンボル間の差分ベクトル
演算を行う。すなわち、短期相関信号113を遅延器1
051で1シンボル遅延させ、複素共役部1052で短
期相関信号の複素共役を得て、乗算器1053で短期相
関信号113と1シンボル遅延させて複素共役をとった
ものとを乗算する。この演算結果を相関差分信号114
として加算部106に出力する。
【0042】このようにして得られた相関差分信号11
4は、選択既知信号202の1系列分に対して求められ
る。加算部106では、相関差分信号114が加算さ
れ、加算結果が時間(t+0)の加算差分信号115と
してメモリ107に出力される。
【0043】同様にして、tをt+1に置き換えた時間
(t+1)の加算差分信号115を計算する。このよう
に時間(t+0)から時間(t+M−1)までの加算差
分信号115をメモリ107に記憶する。
【0044】第1の既知信号系列の演算が終了したら、
選択部201は第2の既知信号系列を選択して上記処理
を行う。そして、用意してある全ての(或いは一部の)
既知信号系列を演算し終えるまで、上記処理を行う。
【0045】このとき、メモリ107へは格納場所と既
知信号系列の種類と加算差分信号115に対応する時間
情報を、例えば格納場所=(既知信号系列情報、時間情
報)となるような規則に従って記憶することで後述の検
出部108から既知信号系列及び時間情報を取り出すこ
とが容易になる。
【0046】検出部108は、メモリ107から出力さ
れる相関信号116のベクトル系列の大きさを順次計算
し、そのうちで最大の大きさを持つ相関信号116を検
索し、その大きさと記憶場所、対応する既知信号系列、
及びそのベクトル情報を求め、これらの検出情報を検出
信号117として出力する。このように既知信号系列と
ベクトル情報とを対応つけているので、最大の大きさ持
つベクトルが検出されると、それに対応する既知信号系
列を特定することができる。
【0047】このとき、相関信号116の大きさは、一
般に受信信号101と検索すべき既知信号112との相
関値を表しており、これが大きいほど確からしい情報で
あるといえる。次に、記憶場所は、前述の通り、時間情
報に強い関連があるため、時間情報への変換は容易であ
る。このときの時間情報は、検索すべき既知信号112
が、その受信信号101の検出された時間にあることを
示している。このため、例えば、複数種類の同期信号が
バーストの特定の場所に挿入されているようなシステム
において、この同期信号を既知信号112とし、受信バ
ースト信号を復調信号110とすることにより、復調信
号110内の同期信号の種類と場所を検出することが可
能となり、システムとの同期を図ることができる。
【0048】また、検出部108が、相関信号116の
最大からm個のピーク位置とベクトルを検出することに
より、伝搬経路の違いによって発生するマルチパスとい
った状態を推定することも可能である。
【0049】本実施の形態では、演算系列長118で与
えられる演算系列長119(s)が4の場合について説
明しているが、演算系列長sは4以外の場合にも同様に
適用することができる。演算系列長は、大きいほど、ノ
イズの平均化の効果が大きい。例えばs=4とすること
で平均化による特性向上が見込めるため、同期などを行
うときの受信環境条件が大幅に緩和され、特に劣悪なC
NRの環境で大きな効果を期待できる。一方、周波数ず
れの影響で各シンボル毎に位相がずれてしまうため、演
算系列長sを大きくすると周波数ずれなどの影響を受け
易くなる。
【0050】このため、演算系列長sの大きさを既知信
号系列長と同じ位に大きくすることは状況に応じて適宜
検討する必要がある。この演算系列長sの適正値はシン
ボルレートや、周波数精度、システム設計などの条件で
左右される。一般に、周波数精度はシンボルレートに対
して十分高いため、s=4〜6までの範囲であれば問題
が起こることは少ない。
【0051】また、相関信号116のピーク位置から、
対応する既知信号112とその既知信号112の存在す
る時間を推定する方法について説明しているが、相関信
号116は他に様々な特性を有しており、例えば、複数
のピークを検出することにより、マルチパス環境の推定
にも用いることが可能である。
【0052】さらに、本実施の形態では、1シンボル当
たり1サンプルとした場合について説明しているが、加
算差分信号115の時間ステップを1/4とする(t+
0,t+1/4,t+2/4,t+3/4,t+1,t
+5/4,・・・)ことで、1シンボル当たり4サンプ
ルについても実現可能である。当然、このステップをそ
の他に変更することでどのようなサンプルに対しても対
応可能である。
【0053】(実施の形態3)本実施の形態では、検出
部108から出力された検出情報を用いて周波数推定を
行う場合について説明する。
【0054】図4は、本発明の実施の形態3に係る無線
受信装置の構成を示すブロック図である。図4におい
て、図1と同じ部分については図1と同じ符号を付して
その詳細な説明は省略する。
【0055】図4に示す無線受信装置においては、検出
部108から出力された検出情報に基づいて周波数を推
定する周波数推定部301を備えている。周波数推定部
301で推定された推定周波数302が出力される。
【0056】上記のように構成された無線受信装置にお
いては、受信部101で復調された復調信号110を記
憶したシフトレジスタ102は、推定範囲の先頭(時間
t+0)から、演算長決定部118で与えられる演算系
列長119(sとする)sシンボル分を受信信号111
としてコンボルバ104の受信信号用の遅延器1041
に出力する(ここでは演算系列長s=4とする)。
【0057】既知信号記憶部103は、既知信号の先頭
からsシンボル分(同上s=4)を既知信号112とし
てコンボルバ104の既知信号用の遅延器1042に出
力する。
【0058】コンボルバ104では、受信信号111と
既知信号112との間でマッチドフィルタリング処理を
行う。すなわち、受信信号111と既知信号112とを
それぞれ乗算器1043で乗算し、それぞれの乗算結果
を加算器1044で加算する。加算器1044の出力を
短期相関信号113として差分演算部105に出力す
る。この短期相関信号113を時間(t+0)での短期
相関信号とする。
【0059】次に、シフトレジスタ102は1シンボル
ずらせた時間(t+1)シンボルからの4シンボル分を
受信信号111としてコンボルバ104の受信信号用の
遅延器1041に出力する。既知信号記憶部103は、
既知信号について2シンボル目から4シンボル分を既知
信号112としてコンボルバ104の既知信号用の遅延
器1042に出力する。
【0060】コンボルバ104は、前述と同様にしてマ
ッチドフィルタリング処理を行って、時間(t+1)の
短期相関信号113を差分演算部105に出力する。こ
のようにして短期相関信号113は時間(t+0)から
時間(t+N−4)が計算される(Nは既知信号系列の
信号長)。
【0061】計算された短期相関信号113は、順次、
差分演算部105に出力され、差分演算部105におい
て、短期相関信号113の1シンボル間の差分ベクトル
演算を行う。すなわち、短期相関信号113を遅延器1
051で1シンボル遅延させ、複素共役部1052で短
期相関信号の複素共役を得て、乗算器1053で短期相
関信号113と1シンボル遅延させて複素共役をとった
ものとを乗算する。この演算結果を相関差分信号114
として加算部106に出力する。
【0062】このようにして得られた相関差分信号11
4は、既知信号112の1系列分に対して求められる。
加算部106では、相関差分信号114が加算され、加
算結果が時間(t+0)の加算差分信号115としてメ
モリ107に出力される。
【0063】同様にして、tをt+1に置き換えた時間
(t+1)の加算差分信号115を計算する。このよう
に時間(t+0)から時間(t+M−1)までの加算差
分信号115をメモリ107に記憶する。このとき、メ
モリ107へは格納場所と加算差分信号115に対応す
る時間情報を、例えば格納場所=時間情報となるような
規則に従って記憶することで後述の検出部108から既
知信号系列及び時間情報を取り出すことが容易になる。
【0064】検出部108は、メモリ107から出力さ
れる相関信号116のベクトル系列の大きさを順次計算
し、そのうちで最大の大きさを持つ相関信号116を検
索し、その大きさと記憶場所、及びそのベクトル情報を
求め、これらの検出情報を検出信号117として出力す
る。
【0065】このとき、相関信号116の大きさは、一
般に受信信号101と検索すべき既知信号112との相
関値を表しており、これが大きいほど確からしい情報で
あるといえる。次に、記憶場所は、前述の通り、時間情
報に強い関連があるため、時間情報への変換は容易であ
る。このときの時間情報は、検索すべき既知信号112
が、その受信信号101の検出された時間にあることを
示している。このため、例えば、複数種類の同期信号が
バーストの特定の場所に挿入されているようなシステム
において、この同期信号を既知信号112とし、受信バ
ースト信号を復調信号110とすることにより、復調信
号110内の同期信号の種類と場所を検出することが可
能となり、システムとの同期を図ることができる。
【0066】また、検出部108が、相関信号116の
最大からm個のピーク位置とベクトルを検出することに
より、伝搬経路の違いによって発生するマルチパスとい
った状態を推定することも可能である。
【0067】さらに、この相関信号116は、受信信号
111と既知信号112の畳込演算を行い、情報成分を
除去し、その差分ベクトルを用いているため、そのベク
トルの角度に周波数の成分が含まれている。周波数推定
部301は、検出部108から出力される検出信号11
7からその周波数成分を検出し、推定周波数302を出
力する。この推定周波数302は、一般に送信機と受信
機との周波数ずれとして用いることが可能であり、例え
ば、推定周波数302を周波数制御の制御信号として用
いることもできる。
【0068】本実施の形態では、演算系列長118で与
えられる演算系列長119(s)が4の場合について説
明しているが、演算系列長sは4以外の場合にも同様に
適用することができる。演算系列長は、大きいほど、ノ
イズの平均化の効果が大きい。例えばs=4とすること
で平均化による特性向上が見込めるため、同期などを行
うときの受信環境条件が大幅に緩和され、特に劣悪なC
NRの環境で大きな効果を期待できる。一方、周波数ず
れの影響で各シンボル毎に位相がずれてしまうため、演
算系列長sを大きくすると周波数ずれなどの影響を受け
易くなる。
【0069】このため、演算系列長sの大きさを既知信
号系列長と同じ位に大きくすることは状況に応じて適宜
検討する必要がある。この演算系列長sの適正値はシン
ボルレートや、周波数精度、システム設計などの条件で
左右される。一般に、周波数精度はシンボルレートに対
して十分高いため、s=4〜6までの範囲であれば問題
が起こることは少ない。
【0070】本実施の形態において、差分演算部105
については、1シンボル間の差分ベクトルを求める場合
について説明しているが、これを2シンボル間の差分ベ
クトルとすることにより、周波数に対する差分ベクトル
114の変化量が倍になる。このため、CNRが十分
で、かつ周波数精度を向上させたい場合には、演算のシ
ンボル間隔を大きくすることが望ましい。
【0071】また、相関信号116のピーク位置から、
対応する既知信号112とその既知信号112の存在す
る時間を推定する方法について説明しているが、相関信
号116は他に様々な特性を有しており、例えば、複数
のピークを検出することにより、マルチパス環境の推定
にも用いることが可能である。
【0072】さらに、本実施の形態では、1シンボル当
たり1サンプルとした場合について説明しているが、加
算差分信号115の時間ステップを1/4とする(t+
0,t+1/4,t+2/4,t+3/4,t+1,t
+5/4,・・・)ことで、1シンボル当たり4サンプ
ルについても実現可能である。当然、このステップをそ
の他に変更することでどのようなサンプルに対しても対
応可能である。
【0073】なお、本実施の形態においては、マッチド
フィルタリング処理をコンボルバで行う場合について説
明しているが、本発明は、マッチドフィルタリング処理
をトランスバーサルフィルタやSAWフィルタで行う場
合にも適用することができる。
【0074】(実施の形態4)本実施の形態では、コン
ボルバ104でマッチドフィルタリング処理を行う際の
既知信号を変え、かつ、検出部108から出力された検
出情報を用いて周波数推定を行う場合について説明す
る。
【0075】図5は、本発明の実施の形態4に係る無線
受信装置の構成を示すブロック図である。図5におい
て、図1と同じ部分については図1と同じ符号を付して
その詳細な説明は省略する。
【0076】図5に示す無線受信装置においては、既知
信号記憶部103から出力された既知信号112を選択
する選択部201と、検出部108の出力である検出情
報に基づいて周波数を推定する周波数推定部301とを
備えている。したがって、コンボルバ104の既知信号
用の遅延器1042に出力される既知信号は、既知信号
記憶部103に記憶されている既知信号のうちから選択
された選択既知信号202である。また、周波数推定部
301では、検出情報(検出信号117)に基づいて推
定周波数を出力する。
【0077】上記のように構成された無線受信装置にお
いては、受信部101で復調された復調信号110を記
憶したシフトレジスタ102は、推定範囲の先頭(時間
t+0)から、演算長決定部118で与えられる演算系
列長119(sとする)sシンボル分を受信信号111
としてコンボルバ104の受信信号用の遅延器1041
に出力する(ここでは演算系列長s=4とする)。
【0078】選択部201は既知信号記憶部103に記
憶されたn種類ある既知信号のうち1つを選択し、選択
された既知信号の先頭からsシンボル分(同上s=4)
を選択既知信号202としてコンボルバ104の既知信
号用の遅延器1042に出力する。
【0079】コンボルバ104では、受信信号111と
選択既知信号202との間でマッチドフィルタリング処
理を行う。すなわち、受信信号111と選択既知信号2
02とをそれぞれ乗算器1043で乗算し、それぞれの
乗算結果を加算器1044で加算する。加算器1044
の出力を短期相関信号113として差分演算部105に
出力する。この短期相関信号113を時間(t+0)で
の短期相関信号とする。
【0080】次に、シフトレジスタ102は1シンボル
ずらせた時間(t+1)シンボルからの4シンボル分を
受信信号111としてコンボルバ104の受信信号用の
遅延器1041に出力する。既知信号記憶部103は、
選択された既知信号について2シンボル目から4シンボ
ル分を選択既知信号202としてコンボルバ104の既
知信号用の遅延器1042に出力する。
【0081】コンボルバ104は、前述と同様にしてマ
ッチドフィルタリング処理を行って、時間(t+1)の
短期相関信号113を差分演算部105に出力する。こ
のようにして短期相関信号113は時間(t+0)から
時間(t+N−4)が計算される(Nは既知信号系列の
信号長)。
【0082】計算された短期相関信号113は、順次、
差分演算部105に出力され、差分演算部105におい
て、短期相関信号113の1シンボル間の差分ベクトル
演算を行う。すなわち、短期相関信号113を遅延器1
051で1シンボル遅延させ、複素共役部1052で短
期相関信号の複素共役を得て、乗算器1053で短期相
関信号113と1シンボル遅延させて複素共役をとった
ものとを乗算する。この演算結果を相関差分信号114
として加算部106に出力する。
【0083】このようにして得られた相関差分信号11
4は、選択既知信号202の1系列分に対して求められ
る。加算部106では、相関差分信号114が加算さ
れ、加算結果が時間(t+0)の加算差分信号115と
してメモリ107に出力される。
【0084】同様にして、tをt+1に置き換えた時間
(t+1)の加算差分信号115を計算する。このよう
に時間(t+0)から時間(t+M−1)までの加算差
分信号115をメモリ107に記憶する。
【0085】第1の既知信号系列の演算が終了したら、
選択部201は第2の既知信号系列を選択して上記処理
を行う。そして、用意してある全ての(或いは一部の)
既知信号系列を演算し終えるまで、上記処理を行う。
【0086】このとき、メモリ107へは格納場所と既
知信号系列の種類と加算差分信号115に対応する時間
情報を、例えば格納場所=(既知信号系列情報、時間情
報)となるような規則に従って記憶することで後述の検
出部108から既知信号系列及び時間情報を取り出すこ
とが容易になる。
【0087】検出部108は、メモリ107から出力さ
れる相関信号116のベクトル系列の大きさを順次計算
し、そのうちで最大の大きさを持つ相関信号116を検
索し、その大きさと記憶場所、対応する既知信号系列、
及びそのベクトル情報を求め、これらの検出情報を検出
信号117として出力する。
【0088】このとき、相関信号116の大きさは、一
般に受信信号101と検索すべき既知信号112との相
関値を表しており、これが大きいほど確からしい情報で
あるといえる。次に、記憶場所は、前述の通り、時間情
報に強い関連があるため、時間情報への変換は容易であ
る。このときの時間情報は、検索すべき既知信号112
が、その受信信号101の検出された時間にあることを
示している。このため、例えば、複数種類の同期信号が
バーストの特定の場所に挿入されているようなシステム
において、この同期信号を既知信号112とし、受信バ
ースト信号を復調信号110とすることにより、復調信
号110内の同期信号の種類と場所を検出することが可
能となり、システムとの同期を図ることができる。
【0089】また、検出部108が、相関信号116の
最大からm個のピーク位置とベクトルを検出することに
より、伝搬経路の違いによって発生するマルチパスとい
った状態を推定することも可能である。
【0090】さらに、この相関信号116は、受信信号
111と既知信号112の畳込演算を行い、情報成分を
除去し、その差分ベクトルを用いているため、そのベク
トルの角度に周波数の成分が含まれている。周波数推定
部301は、検出部108から出力される検出信号11
7からその周波数成分を検出し、推定周波数302を出
力する。この推定周波数302は、一般に送信機と受信
機との周波数ずれとして用いることが可能であり、例え
ば、推定周波数302を周波数制御の制御信号として用
いることもできる。
【0091】本実施の形態では、演算系列長118で与
えられる演算系列長119(s)が4の場合について説
明しているが、演算系列長sは4以外の場合にも同様に
適用することができる。演算系列長は、大きいほど、ノ
イズの平均化の効果が大きい。例えばs=4とすること
で平均化による特性向上が見込めるため、同期などを行
うときの受信環境条件が大幅に緩和され、特に劣悪なC
NRの環境で大きな効果を期待できる。一方、周波数ず
れの影響で各シンボル毎に位相がずれてしまうため、演
算系列長sを大きくすると周波数ずれなどの影響を受け
易くなる。
【0092】このため、演算系列長sの大きさを既知信
号系列長と同じ位に大きくすることは状況に応じて適宜
検討する必要がある。この演算系列長sの適正値はシン
ボルレートや、周波数精度、システム設計などの条件で
左右される。一般に、周波数精度はシンボルレートに対
して十分高いため、s=4〜6までの範囲であれば問題
が起こることは少ない。
【0093】本実施の形態において、差分演算部105
については、1シンボル間の差分ベクトルを求める場合
について説明しているが、これを2シンボル間の差分ベ
クトルとすることにより、周波数に対する差分ベクトル
114の変化量が倍になる。このため、CNRが十分
で、かつ周波数精度を向上させたい場合には、演算のシ
ンボル間隔を大きくすることが望ましい。
【0094】また、相関信号116のピーク位置から、
対応する既知信号112とその既知信号112の存在す
る時間を推定する方法について説明しているが、相関信
号116は他に様々な特性を有しており、例えば、複数
のピークを検出することにより、マルチパス環境の推定
にも用いることが可能である。
【0095】さらに、本実施の形態では、1シンボル当
たり1サンプルとした場合について説明しているが、加
算差分信号115の時間ステップを1/4とする(t+
0,t+1/4,t+2/4,t+3/4,t+1,t
+5/4,・・・)ことで、1シンボル当たり4サンプ
ルについても実現可能である。当然、このステップをそ
の他に変更することでどのようなサンプルに対しても対
応可能である。
【0096】(実施の形態5)本実施の形態では、加算
部106の出力である加算差分信号115を用いてパワ
ーを演算する場合について説明する。
【0097】図6は、本発明の実施の形態5に係る無線
受信装置の構成を示すブロック図である。図6におい
て、図1と同じ部分については図1と同じ符号を付して
その詳細な説明は省略する。
【0098】図6に示す無線受信装置においては、加算
部106の出力である加算差分信号115を用いてパワ
ーを演算するパワー演算部401を備えている。したが
って、パワー演算部401で得られたパワー信号402
がメモリ107に出力される。
【0099】上記のように構成された無線受信装置にお
いては、受信部101で復調された復調信号110を記
憶したシフトレジスタ102は、推定範囲の先頭(時間
t+0)から、演算長決定部118で与えられる演算系
列長119(sとする)sシンボル分を受信信号111
としてコンボルバ104の受信信号用の遅延器1041
に出力する(ここでは演算系列長s=4とする)。
【0100】既知信号記憶部103は、既知信号の既知
信号の先頭からsシンボル分(同上s=4)を既知信号
112としてコンボルバ104の既知信号用の遅延器1
042に出力する。
【0101】コンボルバ104では、受信信号111と
既知信号112との間でマッチドフィルタリング処理を
行う。すなわち、受信信号111と既知信号112とを
それぞれ乗算器1043で乗算し、それぞれの乗算結果
を加算器1044で加算する。加算器1044の出力を
短期相関信号113として差分演算部105に出力す
る。この短期相関信号113を時間(t+0)での短期
相関信号とする。
【0102】次に、シフトレジスタ102は1シンボル
ずらせた時間(t+1)シンボルからの4シンボル分を
受信信号111としてコンボルバ104の受信信号用の
遅延器1041に出力する。既知信号記憶部103は、
既知信号について2シンボル目から4シンボル分を既知
信号112としてコンボルバ104の既知信号用の遅延
器1042に出力する。
【0103】コンボルバ104は、前述と同様にしてマ
ッチドフィルタリング処理を行って、時間(t+1)の
短期相関信号113を差分演算部105に出力する。こ
のようにして短期相関信号113は時間(t+0)から
時間(t+N−4)が計算される(Nは既知信号系列の
信号長)。
【0104】計算された短期相関信号113は、順次、
差分演算部105に出力され、差分演算部105におい
て、短期相関信号113の1シンボル間の差分ベクトル
演算を行う。すなわち、短期相関信号113を遅延器1
051で1シンボル遅延させ、複素共役部1052で短
期相関信号の複素共役を得て、乗算器1053で短期相
関信号113と1シンボル遅延させて複素共役をとった
ものとを乗算する。この演算結果を相関差分信号114
として加算部106に出力する。
【0105】このようにして得られた相関差分信号11
4は、選択既知信号202の1系列分に対して求められ
る。加算部106では、相関差分信号114が加算さ
れ、加算結果が時間(t+0)の加算差分信号115と
してパワー演算部401に出力される。
【0106】同様にして、tをt+1に置き換えた時間
(t+1)の加算差分信号115を計算する。このよう
に時間(t+0)から時間(t+M−1)までの加算差
分信号115をパワー演算部401に出力し、パワー演
算部401において加算差分信号115を用いてベクト
ルパワー値を演算し、その演算結果をパワー信号402
としてメモリ107に出力する。
【0107】このとき、メモリ107へは格納場所とパ
ワー信号402に対応する時間情報を、例えば格納場所
=時間情報となるような規則に従って記憶することで後
述の検出部108から既知信号系列及び時間情報を取り
出すことが容易になる。
【0108】検出部108は、メモリ107から出力さ
れる相関信号116のベクトル系列の大きさを順次計算
し、そのうちで最大の大きさを持つ相関信号116を検
索し、その大きさと記憶場所、及びそのベクトル情報を
求め、これらの検出情報を検出信号117として出力す
る。
【0109】このとき、相関信号116の大きさは、一
般に受信信号101と検索すべき既知信号112との相
関値を表しており、これが大きいほど確からしい情報で
あるといえる。次に、記憶場所は、前述の通り、時間情
報に強い関連があるため、時間情報への変換は容易であ
る。このときの時間情報は、検索すべき既知信号112
が、その受信信号101の検出された時間にあることを
示している。このため、例えば、複数種類の同期信号が
バーストの特定の場所に挿入されているようなシステム
において、この同期信号を既知信号112とし、受信バ
ースト信号を復調信号110とすることにより、復調信
号110内の同期信号の種類と場所を検出することが可
能となり、システムとの同期を図ることができる。
【0110】また、検出部108が、相関信号116の
最大からm個のピーク位置とベクトルを検出することに
より、伝搬経路の違いによって発生するマルチパスとい
った状態を推定することも可能である。
【0111】本実施の形態では、演算系列長118で与
えられる演算系列長119(s)が4の場合について説
明しているが、演算系列長sは4以外の場合にも同様に
適用することができる。演算系列長は、大きいほど、ノ
イズの平均化の効果が大きい。例えばs=4とすること
で平均化による特性向上が見込めるため、同期などを行
うときの受信環境条件が大幅に緩和され、特に劣悪なC
NRの環境で大きな効果を期待できる。一方、周波数ず
れの影響で各シンボル毎に位相がずれてしまうため、演
算系列長sを大きくすると周波数ずれなどの影響を受け
易くなる。
【0112】このため、演算系列長sの大きさを既知信
号系列長と同じ位に大きくすることは状況に応じて適宜
検討する必要がある。この演算系列長sの適正値はシン
ボルレートや、周波数精度、システム設計などの条件で
左右される。一般に、周波数精度はシンボルレートに対
して十分高いため、s=4〜6までの範囲であれば問題
が起こることは少ない。
【0113】また、相関信号116のピーク位置から、
対応する既知信号112とその既知信号112の存在す
る時間を推定する方法について説明しているが、相関信
号116は他に様々な特性を有しており、例えば、複数
のピークを検出することにより、マルチパス環境の推定
にも用いることが可能である。
【0114】本実施の形態では、メモリ107に記憶す
る情報をベクトルのパワー値としているため、例えばベ
クトル値が(x、y)のように2つの要素から成り立つ
情報であれば、メモリ107に必要となる容量を1/2
と削減できるという特徴がある。したがって、要素の数
が多くなれば、その削減効果が向上する。
【0115】さらに、本実施の形態では、1シンボル当
たり1サンプルとした場合について説明しているが、加
算差分信号115の時間ステップを1/4とする(t+
0,t+1/4,t+2/4,t+3/4,t+1,t
+5/4,・・・)ことで、1シンボル当たり4サンプ
ルについても実現可能である。当然、このステップをそ
の他に変更することでどのようなサンプルに対しても対
応可能である。
【0116】なお、本実施の形態においては、マッチド
フィルタリング処理をコンボルバで行う場合について説
明しているが、本発明は、マッチドフィルタリング処理
をトランスバーサルフィルタやSAWフィルタで行う場
合にも適用することができる。
【0117】(実施の形態6)本実施の形態では、コン
ボルバ104でマッチドフィルタリング処理を行う際の
既知信号を変え、かつ、加算部106の出力である加算
差分信号115を用いてパワーを演算する場合について
説明する。
【0118】図7は、本発明の実施の形態6に係る無線
受信装置の構成を示すブロック図である。図7におい
て、図1と同じ部分については図1と同じ符号を付して
その詳細な説明は省略する。
【0119】図7に示す無線受信装置においては、既知
信号記憶部103から出力された既知信号112を選択
する選択部201と、加算部106の出力である加算差
分信号115を用いてパワーを演算するパワー演算部4
01を備えている。したがって、コンボルバ104の既
知信号用の遅延器1042に出力される既知信号は、既
知信号記憶部103に記憶されている既知信号のうちか
ら選択された選択既知信号202である。また、パワー
演算部401で得られたパワー信号402がメモリ10
7に出力される。
【0120】上記のように構成された無線受信装置にお
いては、受信部101で復調された復調信号110を記
憶したシフトレジスタ102は、推定範囲の先頭(時間
t+0)から、演算長決定部118で与えられる演算系
列長119(sとする)sシンボル分を受信信号111
としてコンボルバ104の受信信号用の遅延器1041
に出力する(ここでは演算系列長s=4とする)。
【0121】選択部201は既知信号記憶部103に記
憶されたn種類ある既知信号のうち1つを選択し、選択
された既知信号の先頭からsシンボル分(同上s=4)
を選択既知信号202としてコンボルバ104の既知信
号用の遅延器1042に出力する。
【0122】コンボルバ104では、受信信号111と
選択既知信号202との間でマッチドフィルタリング処
理を行う。すなわち、受信信号111と選択既知信号2
02とをそれぞれ乗算器1043で乗算し、それぞれの
乗算結果を加算器1044で加算する。加算器1044
の出力を短期相関信号113として差分演算部105に
出力する。この短期相関信号113を時間(t+0)で
の短期相関信号とする。
【0123】次に、シフトレジスタ102は1シンボル
ずらせた時間(t+1)シンボルからの4シンボル分を
受信信号111としてコンボルバ104の受信信号用の
遅延器1041に出力する。既知信号記憶部103は、
選択された既知信号について2シンボル目から4シンボ
ル分を選択既知信号202としてコンボルバ104の既
知信号用の遅延器1042に出力する。
【0124】コンボルバ104は、前述と同様にしてマ
ッチドフィルタリング処理を行って、時間(t+1)の
短期相関信号113を差分演算部105に出力する。こ
のようにして短期相関信号113は時間(t+0)から
時間(t+N−4)が計算される(Nは既知信号系列の
信号長)。
【0125】計算された短期相関信号113は、順次、
差分演算部105に出力され、差分演算部105におい
て、短期相関信号113の1シンボル間の差分ベクトル
演算を行う。すなわち、短期相関信号113を遅延器1
051で1シンボル遅延させ、複素共役部1052で短
期相関信号の複素共役を得て、乗算器1053で短期相
関信号113と1シンボル遅延させて複素共役をとった
ものとを乗算する。この演算結果を相関差分信号114
として加算部106に出力する。
【0126】このようにして得られた相関差分信号11
4は、選択既知信号202の1系列分に対して求められ
る。加算部106では、相関差分信号114が加算さ
れ、加算結果が時間(t+0)の加算差分信号115と
してパワー演算部401に出力される。
【0127】同様にして、tをt+1に置き換えた時間
(t+1)の加算差分信号115を計算する。このよう
に時間(t+0)から時間(t+M−1)までの加算差
分信号115をパワー演算部401に出力し、パワー演
算部401において加算差分信号115を用いてベクト
ルパワー値を演算し、その演算結果をパワー信号402
としてメモリ107に出力する。
【0128】第1の既知信号系列の演算が終了したら、
選択部201は第2の既知信号系列を選択して上記処理
を行う。そして、用意してある全ての(或いは一部の)
既知信号系列を演算し終えるまで、上記処理を行う。
【0129】このとき、メモリ107へは格納場所と既
知信号系列の種類とパワー信号402に対応する時間情
報を、例えば格納場所=(既知信号系列情報、時間情
報)となるような規則に従って記憶することで後述の検
出部108から既知信号系列及び時間情報を取り出すこ
とが容易になる。
【0130】検出部108は、メモリ107から出力さ
れる相関信号116のベクトル系列の大きさを順次計算
し、そのうちで最大の大きさを持つ相関信号116を検
索し、その大きさと記憶場所、対応する既知信号系列、
及びそのベクトル情報を求め、これらの検出情報を検出
信号117として出力する。
【0131】このとき、相関信号116の大きさは、一
般に受信信号101と検索すべき既知信号112との相
関値を表しており、これが大きいほど確からしい情報で
あるといえる。次に、記憶場所は、前述の通り、時間情
報に強い関連があるため、時間情報への変換は容易であ
る。このときの時間情報は、検索すべき既知信号112
が、その受信信号101の検出された時間にあることを
示している。このため、例えば、複数種類の同期信号が
バーストの特定の場所に挿入されているようなシステム
において、この同期信号を既知信号112とし、受信バ
ースト信号を復調信号110とすることにより、復調信
号110内の同期信号の種類と場所を検出することが可
能となり、システムとの同期を図ることができる。
【0132】また、検出部108が、相関信号116の
最大からm個のピーク位置とベクトルを検出することに
より、伝搬経路の違いによって発生するマルチパスとい
った状態を推定することも可能である。
【0133】本実施の形態では、演算系列長118で与
えられる演算系列長119(s)が4の場合について説
明しているが、演算系列長sは4以外の場合にも同様に
適用することができる。演算系列長は、大きいほど、ノ
イズの平均化の効果が大きい。例えばs=4とすること
で平均化による特性向上が見込めるため、同期などを行
うときの受信環境条件が大幅に緩和され、特に劣悪なC
NRの環境で大きな効果を期待できる。一方、周波数ず
れの影響で各シンボル毎に位相がずれてしまうため、演
算系列長sを大きくすると周波数ずれなどの影響を受け
易くなる。
【0134】このため、演算系列長sの大きさを既知信
号系列長と同じ位に大きくすることは状況に応じて適宜
検討する必要がある。この演算系列長sの適正値はシン
ボルレートや、周波数精度、システム設計などの条件で
左右される。一般に、周波数精度はシンボルレートに対
して十分高いため、s=4〜6までの範囲であれば問題
が起こることは少ない。
【0135】また、相関信号116のピーク位置から、
対応する既知信号112とその既知信号112の存在す
る時間を推定する方法について説明しているが、相関信
号116は他に様々な特性を有しており、例えば、複数
のピークを検出することにより、マルチパス環境の推定
にも用いることが可能である。
【0136】本実施の形態では、メモリ107に記憶す
る情報をベクトルのパワー値としているため、例えばベ
クトル値が(x、y)のように2つの要素から成り立つ
情報であれば、メモリ107に必要となる容量を1/2
と削減できるという特徴がある。したがって、要素の数
が多くなれば、その削減効果が向上する。
【0137】さらに、本実施の形態では、1シンボル当
たり1サンプルとした場合について説明しているが、加
算差分信号115の時間ステップを1/4とする(t+
0,t+1/4,t+2/4,t+3/4,t+1,t
+5/4,・・・)ことで、1シンボル当たり4サンプ
ルについても実現可能である。当然、このステップをそ
の他に変更することでどのようなサンプルに対しても対
応可能である。
【0138】(実施の形態7)本実施の形態では、受信
状況に応じて演算系列長を制御する場合について説明す
る。
【0139】図8は、本発明の実施の形態7に係る無線
受信装置の構成を示すブロック図である。図8におい
て、図1と同じ部分については図1と同じ符号を付して
その詳細な説明は省略する。
【0140】図8に示す無線受信装置においては、受信
信号から受信状況を推定する受信状況推定部501と、
受信状況に基づいて演算系列長を制御する演算長制御部
503とを備えている。したがって、受信状況推定部5
01で推定された受信状況に応じて演算系列長を決定
し、その演算系列長をコンボルバ104の既知信号用の
遅延器1042に出力する。コンボルバ104では、決
定された演算系列長でマッチドフィルタリング処理を行
う。
【0141】上記のように構成された無線受信装置にお
いては、受信部101で復調された復調信号110を記
憶したシフトレジスタ102は、推定範囲の先頭(時間
t+0)から、演算長制御部501で制御された演算系
列長119(sとする)sシンボル分を受信信号111
としてコンボルバ104の受信信号用の遅延器1041
に出力する(ここでは演算系列長s=4とする)。
【0142】既知信号記憶部103は、既知信号の先頭
からsシンボル分(同上s=4)を既知信号112とし
てコンボルバ104の既知信号用の遅延器1042に出
力する。
【0143】受信状況推定部501は、復調信号110
を用いてそのCNRを推定し、その推定結果を推定受信
状況502として演算長制御部503に出力する。演算
長制御部503では、推定受信状況502に応じて演算
系列長を制御する。例えば、CNRが良好であれば演算
系列長119(s)を大きな値に制御し、CNRが悪け
れば演算系列長119(s)を小さな値に制御する。
【0144】コンボルバ104では、受信信号111と
既知信号112との間でマッチドフィルタリング処理を
行う。すなわち、受信信号111と既知信号112とを
それぞれ乗算器1043で乗算し、それぞれの乗算結果
を加算器1044で加算する。加算器1044の出力を
短期相関信号113として差分演算部105に出力す
る。この短期相関信号113を時間(t+0)での短期
相関信号とする。
【0145】次に、シフトレジスタ102は1シンボル
ずらせた時間(t+1)シンボルからの4シンボル分を
受信信号111としてコンボルバ104の受信信号用の
遅延器1041に出力する。既知信号記憶部103は、
既知信号について2シンボル目から4シンボル分を既知
信号112としてコンボルバ104の既知信号用の遅延
器1042に出力する。
【0146】コンボルバ104は、前述と同様にしてマ
ッチドフィルタリング処理を行って、時間(t+1)の
短期相関信号113を差分演算部105に出力する。こ
のようにして短期相関信号113は時間(t+0)から
時間(t+N−4)が計算される(Nは既知信号系列の
信号長)。
【0147】計算された短期相関信号113は、順次、
差分演算部105に出力され、差分演算部105におい
て、短期相関信号113の1シンボル間の差分ベクトル
演算を行う。すなわち、短期相関信号113を遅延器1
051で1シンボル遅延させ、複素共役部1052で短
期相関信号の複素共役を得て、乗算器1053で短期相
関信号113と1シンボル遅延させて複素共役をとった
ものとを乗算する。この演算結果を相関差分信号114
として加算部106に出力する。
【0148】このようにして得られた相関差分信号11
4は、既知信号112の1系列分に対して求められる。
加算部106では、相関差分信号114が加算され、加
算結果が時間(t+0)の加算差分信号115としてメ
モリ107に出力される。
【0149】同様にして、tをt+1に置き換えた時間
(t+1)の加算差分信号115を計算する。このよう
に時間(t+0)から時間(t+M−1)までの加算差
分信号115をメモリ107に記憶する。
【0150】このとき、メモリ107へは格納場所と加
算差分信号115に対応する時間情報を、例えば格納場
所=時間情報となるような規則に従って記憶することで
後述の検出部108から既知信号系列及び時間情報を取
り出すことが容易になる。
【0151】検出部108は、メモリ107から出力さ
れる相関信号116のベクトル系列の大きさを順次計算
し、そのうちで最大の大きさを持つ相関信号116を検
索し、その大きさと記憶場所、及びそのベクトル情報を
求め、これらの検出情報を検出信号117として出力す
る。
【0152】このとき、相関信号116の大きさは、一
般に受信信号101と検索すべき既知信号112との相
関値を表しており、これが大きいほど確からしい情報で
あるといえる。次に、記憶場所は、前述の通り、時間情
報に強い関連があるため、時間情報への変換は容易であ
る。このときの時間情報は、検索すべき既知信号112
が、その受信信号101の検出された時間にあることを
示している。このため、例えば、複数種類の同期信号が
バーストの特定の場所に挿入されているようなシステム
において、この同期信号を既知信号112とし、受信バ
ースト信号を復調信号110とすることにより、復調信
号110内の同期信号の種類と場所を検出することが可
能となり、システムとの同期を図ることができる。
【0153】また、検出部108が、相関信号116の
最大からm個のピーク位置とベクトルを検出することに
より、伝搬経路の違いによって発生するマルチパスとい
った状態を推定することも可能である。
【0154】本実施の形態では、演算系列長118で与
えられる演算系列長119(s)が4の場合について説
明しているが、演算系列長sは4以外の場合にも同様に
適用することができる。演算系列長sは演算長制御部5
03が制御する値であり、可変であることは前述の通り
である。また、演算系列長sの制御については復調信号
110のCNRを推定することを例として挙げたが、C
NR以外のパラメータ、例えば受信電力、受信品質(E
b/Noなどのクオリティファクタ)を用いても良い。
なお、演算系列長sの値は大きいほど、ノイズの平均化
の効果が大きい。
【0155】このため、受信状況推定部501の推定受
信状況502が良好であれば演算系列長sの値を小さく
することで、演算も簡略化できることになる。また、周
波数ずれがあると、その影響として各シンボル毎に位相
がずれてしまい、演算系列長sを長くとった場合に誤差
が生じてしまう。このため、演算系列長sの大きさを既
知信号系列長と同じ位に大きくすることは好ましくない
場合もある。この演算系列長sの適正値はシンボルレー
トや、周波数精度、システム設計などの条件で左右され
る。一般に、周波数精度はシンボルレートに対して十分
高いため、s=4〜6までの範囲であれば問題が起こる
ことは少ない。
【0156】また、相関信号116のピーク位置から、
対応する既知信号112とその既知信号112の存在す
る時間を推定する方法について説明しているが、相関信
号116は他に様々な特性を有しており、例えば、複数
のピークを検出することにより、マルチパス環境の推定
にも用いることが可能である。
【0157】さらに、本実施の形態では、1シンボル当
たり1サンプルとした場合について説明しているが、加
算差分信号115の時間ステップを1/4とする(t+
0,t+1/4,t+2/4,t+3/4,t+1,t
+5/4,・・・)ことで、1シンボル当たり4サンプ
ルについても実現可能である。当然、このステップをそ
の他に変更することでどのようなサンプルに対しても対
応可能である。
【0158】演算系列長は、同期タイミング検出の回数
に応じて変化させるように制御しても良い。
【0159】なお、本実施の形態においては、マッチド
フィルタリング処理をコンボルバで行う場合について説
明しているが、本発明は、マッチドフィルタリング処理
をトランスバーサルフィルタやSAWフィルタで行う場
合にも適用することができる。
【0160】(実施の形態8)本実施の形態では、コン
ボルバ104でマッチドフィルタリング処理を行う際の
既知信号を変え、かつ、受信状況に応じて演算系列長を
制御する場合について説明する。
【0161】図9は、本発明の実施の形態8に係る無線
受信装置の構成を示すブロック図である。図9におい
て、図1と同じ部分については図1と同じ符号を付して
その詳細な説明は省略する。
【0162】図9に示す無線受信装置においては、既知
信号記憶部103から出力された既知信号112を選択
する選択部201と、受信信号から受信状況を推定する
受信状況推定部501と、受信状況に基づいて演算系列
長を制御する演算長制御部503とを備えている。した
がって、コンボルバ104の既知信号用の遅延器104
2に出力される既知信号は、既知信号記憶部103に記
憶されている既知信号のうちから選択された選択既知信
号202である。また、受信状況推定部501で推定さ
れた受信状況に応じて演算系列長を決定し、その演算系
列長をコンボルバ104の既知信号用の遅延器1042
に出力する。コンボルバ104では、決定された演算系
列長でマッチドフィルタリング処理を行う。
【0163】上記のように構成された無線受信装置にお
いては、受信部101で復調された復調信号110を記
憶したシフトレジスタ102は、推定範囲の先頭(時間
t+0)から、演算長制御部501で制御された演算系
列長119(sとする)sシンボル分を受信信号111
としてコンボルバ104の受信信号用の遅延器1041
に出力する(ここでは演算系列長s=4とする)。
【0164】選択部201は既知信号記憶部103に記
憶されたn種類ある既知信号のうち1つを選択し、選択
された既知信号の先頭からsシンボル分(同上s=4)
を選択既知信号202としてコンボルバ104の既知信
号用の遅延器1042に出力する。
【0165】受信状況推定部501は、復調信号110
を用いてそのCNRを推定し、その推定結果を推定受信
状況502として演算長制御部503に出力する。演算
長制御部503では、推定受信状況502に応じて演算
系列長を制御する。例えば、CNRが良好であれば演算
系列長119(s)を大きな値に制御し、CNRが悪け
れば演算系列長119(s)を小さな値に制御する。
【0166】コンボルバ104では、受信信号111と
選択既知信号202との間でマッチドフィルタリング処
理を行う。すなわち、受信信号111と既知信号112
とをそれぞれ乗算器1043で乗算し、それぞれの乗算
結果を加算器1044で加算する。加算器1044の出
力を短期相関信号113として差分演算部105に出力
する。この短期相関信号113を時間(t+0)での短
期相関信号とする。
【0167】次に、シフトレジスタ102は1シンボル
ずらせた時間(t+1)シンボルからの4シンボル分を
受信信号111としてコンボルバ104の受信信号用の
遅延器1041に出力する。既知信号記憶部103は、
選択された既知信号について2シンボル目から4シンボ
ル分を選択既知信号202としてコンボルバ104の既
知信号用の遅延器1042に出力する。
【0168】コンボルバ104は、前述と同様にしてマ
ッチドフィルタリング処理を行って、時間(t+1)の
短期相関信号113を差分演算部105に出力する。こ
のようにして短期相関信号113は時間(t+0)から
時間(t+N−4)が計算される(Nは既知信号系列の
信号長)。
【0169】計算された短期相関信号113は、順次、
差分演算部105に出力され、差分演算部105におい
て、短期相関信号113の1シンボル間の差分ベクトル
演算を行う。すなわち、短期相関信号113を遅延器1
051で1シンボル遅延させ、複素共役部1052で短
期相関信号の複素共役を得て、乗算器1053で短期相
関信号113と1シンボル遅延させて複素共役をとった
ものとを乗算する。この演算結果を相関差分信号114
として加算部106に出力する。
【0170】このようにして得られた相関差分信号11
4は、選択既知信号202の1系列分に対して求められ
る。加算部106では、相関差分信号114が加算さ
れ、加算結果が時間(t+0)の加算差分信号115と
してメモリ107に出力される。
【0171】同様にして、tをt+1に置き換えた時間
(t+1)の加算差分信号115を計算する。このよう
に時間(t+0)から時間(t+M−1)までの加算差
分信号115をメモリ107に記憶する。
【0172】第1の既知信号系列の演算が終了したら、
選択部201は第2の既知信号系列を選択して上記処理
を行う。そして、用意してある全ての(或いは一部の)
既知信号系列を演算し終えるまで、上記処理を行う。
【0173】このとき、メモリ107へは格納場所と既
知信号系列の種類と加算差分信号115に対応する時間
情報を、例えば格納場所=(既知信号系列情報、時間情
報)となるような規則に従って記憶することで後述の検
出部108から既知信号系列及び時間情報を取り出すこ
とが容易になる。
【0174】検出部108は、メモリ107から出力さ
れる相関信号116のベクトル系列の大きさを順次計算
し、そのうちで最大の大きさを持つ相関信号116を検
索し、その大きさと記憶場所、対応する既知信号系列、
及びそのベクトル情報を求め、これらの検出情報を検出
信号117として出力する。
【0175】このとき、相関信号116の大きさは、一
般に受信信号101と検索すべき既知信号112との相
関値を表しており、これが大きいほど確からしい情報で
あるといえる。次に、記憶場所は、前述の通り、時間情
報に強い関連があるため、時間情報への変換は容易であ
る。このときの時間情報は、検索すべき既知信号112
が、その受信信号101の検出された時間にあることを
示している。このため、例えば、複数種類の同期信号が
バーストの特定の場所に挿入されているようなシステム
において、この同期信号を既知信号112とし、受信バ
ースト信号を復調信号110とすることにより、復調信
号110内の同期信号の種類と場所を検出することが可
能となり、システムとの同期を図ることができる。
【0176】また、検出部108が、相関信号116の
最大からm個のピーク位置とベクトルを検出することに
より、伝搬経路の違いによって発生するマルチパスとい
った状態を推定することも可能である。
【0177】本実施の形態では、演算系列長118で与
えられる演算系列長119(s)が4の場合について説
明しているが、演算系列長sは4以外の場合にも同様に
適用することができる。演算系列長sは演算長制御部5
03が制御する値であり、可変であることは前述の通り
である。また、演算系列長sの制御については復調信号
110のCNRを推定することを例として挙げたが、C
NR以外のパラメータ、例えば受信電力、受信品質(E
b/Noなどのクオリティファクタ)を用いても良い。
なお、演算系列長sの値は大きいほど、ノイズの平均化
の効果が大きい。
【0178】このため、受信状況推定部501の推定受
信状況502が良好であれば演算系列長sの値を小さく
することで、演算も簡略化できることになる。例えば、
演算系列長s=4とすることで平均化による特性向上が
見込めるため、同期などを行うときの受信環境条件が大
幅に緩和され、特に劣悪なCNRの環境で大きな効果を
期待できる。
【0179】また、周波数ずれがあると、その影響とし
て各シンボル毎に位相がずれてしまい、演算系列長sを
長くとった場合に誤差が生じてしまう。このため、演算
系列長sの大きさを既知信号系列長と同じ位に大きくす
ることは好ましくない場合もある。この演算系列長sの
適正値はシンボルレートや、周波数精度、システム設計
などの条件で左右される。一般に、周波数精度はシンボ
ルレートに対して十分高いため、s=4〜6までの範囲
であれば問題が起こることは少ない。
【0180】また、相関信号116のピーク位置から、
対応する既知信号112とその既知信号112の存在す
る時間を推定する方法について説明しているが、相関信
号116は他に様々な特性を有しており、例えば、複数
のピークを検出することにより、マルチパス環境の推定
にも用いることが可能である。
【0181】さらに、本実施の形態では、1シンボル当
たり1サンプルとした場合について説明しているが、加
算差分信号115の時間ステップを1/4とする(t+
0,t+1/4,t+2/4,t+3/4,t+1,t
+5/4,・・・)ことで、1シンボル当たり4サンプ
ルについても実現可能である。当然、このステップをそ
の他に変更することでどのようなサンプルに対しても対
応可能である。
【0182】(実施の形態9)本実施の形態では、検出
部108から出力された検出情報を用いて周波数推定を
行い、その推定周波数に基づいて演算系列長を制御する
場合について説明する。
【0183】図10は、本発明の実施の形態9に係る無
線受信装置の構成を示すブロック図である。図10にお
いて、図1と同じ部分については図1と同じ符号を付し
てその詳細な説明は省略する。
【0184】図10に示す無線受信装置においては、検
出部108から出力された検出情報に基づいて周波数を
推定する周波数推定部301と、周波数推定部301の
出力に応じて演算系列長を制御する演算長制御部503
とを備えている。
【0185】上記のように構成された無線受信装置にお
いては、演算長制御部503は、推定周波数302に応
じて演算系列長を制御する。例えば、推定周波数302
が目標周波数に近ければ演算系列長119(s)を大き
な値に制御し、目標周波数から誤差が大きければ演算系
列長119(s)を小さな値に制御する。
【0186】受信部101で復調された復調信号110
を記憶したシフトレジスタ102は、推定範囲の先頭
(時間t+0)から、演算長決定部118で与えられる
演算系列長119(sとする)sシンボル分を受信信号
111としてコンボルバ104の受信信号用の遅延器1
041に出力する(ここでは演算系列長s=4とす
る)。
【0187】既知信号記憶部103は、既知信号の先頭
からsシンボル分(同上s=4)を既知信号112とし
てコンボルバ104の既知信号用の遅延器1042に出
力する。
【0188】コンボルバ104では、受信信号111と
既知信号112との間でマッチドフィルタリング処理を
行う。すなわち、受信信号111と既知信号112とを
それぞれ乗算器1043で乗算し、それぞれの乗算結果
を加算器1044で加算する。加算器1044の出力を
短期相関信号113として差分演算部105に出力す
る。この短期相関信号113を時間(t+0)での短期
相関信号とする。
【0189】次に、シフトレジスタ102は1シンボル
ずらせた時間(t+1)シンボルからの4シンボル分を
受信信号111としてコンボルバ104の受信信号用の
遅延器1041に出力する。既知信号記憶部103は、
既知信号について2シンボル目から4シンボル分を既知
信号112としてコンボルバ104の既知信号用の遅延
器1042に出力する。
【0190】コンボルバ104は、前述と同様にしてマ
ッチドフィルタリング処理を行って、時間(t+1)の
短期相関信号113を差分演算部105に出力する。こ
のようにして短期相関信号113は時間(t+0)から
時間(t+N−4)が計算される(Nは既知信号系列の
信号長)。
【0191】計算された短期相関信号113は、順次、
差分演算部105に出力され、差分演算部105におい
て、短期相関信号113の1シンボル間の差分ベクトル
演算を行う。すなわち、短期相関信号113を遅延器1
051で1シンボル遅延させ、複素共役部1052で短
期相関信号の複素共役を得て、乗算器1053で短期相
関信号113と1シンボル遅延させて複素共役をとった
ものとを乗算する。この演算結果を相関差分信号114
として加算部106に出力する。
【0192】このようにして得られた相関差分信号11
4は、既知信号112の1系列分に対して求められる。
加算部106では、相関差分信号114が加算され、加
算結果が時間(t+0)の加算差分信号115としてメ
モリ107に出力される。
【0193】同様にして、tをt+1に置き換えた時間
(t+1)の加算差分信号115を計算する。このよう
に時間(t+0)から時間(t+M−1)までの加算差
分信号115をメモリ107に記憶する。このとき、メ
モリ107へは格納場所と加算差分信号115に対応す
る時間情報を、例えば格納場所=時間情報となるような
規則に従って記憶することで後述の検出部108から既
知信号系列及び時間情報を取り出すことが容易になる。
【0194】検出部108は、メモリ107から出力さ
れる相関信号116のベクトル系列の大きさを順次計算
し、そのうちで最大の大きさを持つ相関信号116を検
索し、その大きさと記憶場所、及びそのベクトル情報を
求め、これらの検出情報を検出信号117に出力する。
【0195】このとき、相関信号116の大きさは、一
般に受信信号101と検索すべき既知信号112との相
関値を表しており、これが大きいほど確からしい情報で
あるといえる。次に、記憶場所は、前述の通り、時間情
報に強い関連があるため、時間情報への変換は容易であ
る。このときの時間情報は、検索すべき既知信号112
が、その受信信号101の検出された時間にあることを
示している。このため、例えば、複数種類の同期信号が
バーストの特定の場所に挿入されているようなシステム
において、この同期信号を既知信号112とし、受信バ
ースト信号を復調信号110とすることにより、復調信
号110内の同期信号の種類と場所を検出することが可
能となり、システムとの同期を図ることができる。
【0196】また、検出部108が、相関信号116の
最大からm個のピーク位置とベクトルを検出することに
より、伝搬経路の違いによって発生するマルチパスとい
った状態を推定することも可能である。
【0197】さらに、この相関信号116は、受信信号
111と既知信号112の畳込演算を行い、情報成分を
除去し、その差分ベクトルを用いているため、そのベク
トルの角度に周波数の成分が含まれている。周波数推定
部301は、検出部108から出力される検出信号11
7からその周波数成分を検出し、推定周波数302を出
力する。この推定周波数302は、一般に送信機と受信
機との周波数ずれとして用いることが可能であり、例え
ば、推定周波数302を周波数制御の制御信号として用
いることもできる。
【0198】本実施の形態では、演算系列長118で与
えられる演算系列長119(s)が4の場合について説
明しているが、演算系列長sは4以外の場合にも同様に
適用することができる。た、演算系列長sの制御につい
ては、周波数推定部301で与えられる推定周波数30
2を用いることを例として挙げているが、推定周波数以
外のパラメータ、例えば受信電力、受信品質(Eb/N
oなどのクオリティファクタ)を加味した値でも可能で
ある。なお、演算系列長sの値は大きいほど、ノイズの
平均化の効果が大きい。
【0199】このため、周波数推定部301の推定周波
数302が良好(目標値から誤差が少ない、或いは推定
周波数302が周波数ずれを表している場合は絶対値が
小さい)であれば演算系列長sの値を小さくすること
で、演算も簡略化できることになる。第1回目に実行さ
れる場合のように周波数推定部301が推定周波数30
2を出力しない場合は、周波数誤差範囲、シンボルレー
ト、感度点CNRなどから得られるシステムに最適な初
期値を与えることが望ましい。
【0200】本実施の形態において、差分演算部105
については、1シンボル間の差分ベクトルを求める場合
について説明しているが、これを2シンボル間の差分ベ
クトルとすることにより、周波数に対する差分ベクトル
114の変化量が倍になる。このため、CNRが十分
で、かつ周波数精度を向上させたい場合には、演算のシ
ンボル間隔を大きくすることが望ましい。
【0201】また、相関信号116のピーク位置から、
対応する既知信号112とその既知信号112の存在す
る時間を推定する方法について説明しているが、相関信
号116は他に様々な特性を有しており、例えば、複数
のピークを検出することにより、マルチパス環境の推定
にも用いることが可能である。
【0202】さらに、本実施の形態では、1シンボル当
たり1サンプルとした場合について説明しているが、加
算差分信号115の時間ステップを1/4とする(t+
0,t+1/4,t+2/4,t+3/4,t+1,t
+5/4,・・・)ことで、1シンボル当たり4サンプ
ルについても実現可能である。当然、このステップをそ
の他に変更することでどのようなサンプルに対しても対
応可能である。
【0203】なお、本実施の形態においては、マッチド
フィルタリング処理をコンボルバで行う場合について説
明しているが、本発明は、マッチドフィルタリング処理
をトランスバーサルフィルタやSAWフィルタで行う場
合にも適用することができる。
【0204】(実施の形態10)本実施の形態では、コ
ンボルバ104でマッチドフィルタリング処理を行う際
の既知信号を変え、かつ、検出部108から出力された
検出情報を用いて周波数推定を行い、その推定周波数に
基づいて演算系列長を制御する場合について説明する。
【0205】図11は、本発明の実施の形態10に係る
無線受信装置の構成を示すブロック図である。図11に
おいて、図1と同じ部分については図1と同じ符号を付
してその詳細な説明は省略する。
【0206】図11に示す無線受信装置においては、既
知信号記憶部103から出力された既知信号112を選
択する選択部201と、検出部108から出力された検
出情報に基づいて周波数を推定する周波数推定部301
と、周波数推定部301の出力に応じて演算系列長を制
御する演算長制御部503とを備えている。
【0207】上記のように構成された無線受信装置にお
いては、演算長制御部503は、推定周波数302に応
じて演算系列長を制御する。例えば、推定周波数302
が目標周波数に近ければ演算系列長119(s)を大き
な値に制御し、目標周波数から誤差が大きければ演算系
列長119(s)を小さな値に制御する。
【0208】受信部101で復調された復調信号110
を記憶したシフトレジスタ102は、推定範囲の先頭
(時間t+0)から、演算長決定部118で与えられる
演算系列長119(sとする)sシンボル分を受信信号
111としてコンボルバ104の受信信号用の遅延器1
041に出力する(ここでは演算系列長s=4とす
る)。
【0209】選択部201は既知信号記憶部103に記
憶されたn種類ある既知信号のうち1つを選択し、選択
された既知信号の先頭からsシンボル分(同上s=4)
を既知信号112としてコンボルバ104の既知信号用
の遅延器1042に出力する。
【0210】コンボルバ104では、受信信号111と
選択既知信号202との間でマッチドフィルタリング処
理を行う。すなわち、受信信号111と選択既知信号2
02とをそれぞれ乗算器1043で乗算し、それぞれの
乗算結果を加算器1044で加算する。加算器1044
の出力を短期相関信号113として差分演算部105に
出力する。この短期相関信号113を時間(t+0)で
の短期相関信号とする。
【0211】次に、シフトレジスタ102は1シンボル
ずらせた時間(t+1)シンボルからの4シンボル分を
受信信号111としてコンボルバ104の受信信号用の
遅延器1041に出力する。既知信号記憶部103は、
選択された既知信号について2シンボル目から4シンボ
ル分を選択既知信号202としてコンボルバ104の既
知信号用の遅延器1042に出力する。
【0212】コンボルバ104は、前述と同様にしてマ
ッチドフィルタリング処理を行って、時間(t+1)の
短期相関信号113を差分演算部105に出力する。こ
のようにして短期相関信号113は時間(t+0)から
時間(t+N−4)が計算される(Nは既知信号系列の
信号長)。
【0213】計算された短期相関信号113は、順次、
差分演算部105に出力され、差分演算部105におい
て、短期相関信号113の1シンボル間の差分ベクトル
演算を行う。すなわち、短期相関信号113を遅延器1
051で1シンボル遅延させ、複素共役部1052で短
期相関信号の複素共役を得て、乗算器1053で短期相
関信号113と1シンボル遅延させて複素共役をとった
ものとを乗算する。この演算結果を相関差分信号114
として加算部106に出力する。
【0214】このようにして得られた相関差分信号11
4は、既知信号112の1系列分に対して求められる。
加算部106では、相関差分信号114が加算され、加
算結果が時間(t+0)の加算差分信号115としてメ
モリ107に出力される。
【0215】同様にして、tをt+1に置き換えた時間
(t+1)の加算差分信号115を計算する。このよう
に時間(t+0)から時間(t+M−1)までの加算差
分信号115をメモリ107に記憶する。
【0216】第1の既知信号系列の演算が終了したら、
選択部201は第2の既知信号系列を選択して上記処理
を行う。そして、用意してある全ての(或いは一部の)
既知信号系列を演算し終えるまで、上記処理を行う。
【0217】このとき、メモリ107へは格納場所と既
知信号系列の種類と加算差分信号115に対応する時間
情報を、例えば格納場所=(既知信号系列情報、時間情
報)となるような規則に従って記憶することで後述の検
出部108から既知信号系列及び時間情報を取り出すこ
とが容易になる。
【0218】検出部108は、メモリ107から出力さ
れる相関信号116のベクトル系列の大きさを順次計算
し、そのうちで最大の大きさを持つ相関信号116を検
索し、その大きさと記憶場所、対応する既知信号系列、
及びそのベクトル情報を求め、これらの検出情報を検出
信号117に出力する。
【0219】このとき、相関信号116の大きさは、一
般に受信信号101と検索すべき既知信号112との相
関値を表しており、これが大きいほど確からしい情報で
あるといえる。次に、記憶場所は、前述の通り、時間情
報に強い関連があるため、時間情報への変換は容易であ
る。このときの時間情報は、検索すべき既知信号112
が、その受信信号101の検出された時間にあることを
示している。このため、例えば、複数種類の同期信号が
バーストの特定の場所に挿入されているようなシステム
において、この同期信号を既知信号112とし、受信バ
ースト信号を復調信号110とすることにより、復調信
号110内の同期信号の種類と場所を検出することが可
能となり、システムとの同期を図ることができる。
【0220】また、検出部108が、相関信号116の
最大からm個のピーク位置とベクトルを検出することに
より、伝搬経路の違いによって発生するマルチパスとい
った状態を推定することも可能である。
【0221】さらに、この相関信号116は、受信信号
111と既知信号112の畳込演算を行い、情報成分を
除去し、その差分ベクトルを用いているため、そのベク
トルの角度に周波数の成分が含まれている。周波数推定
部301は、検出部108から出力される検出信号11
7からその周波数成分を検出し、推定周波数302を出
力する。この推定周波数302は、一般に送信機と受信
機との周波数ずれとして用いることが可能であり、例え
ば、推定周波数302を周波数制御の制御信号として用
いることもできる。
【0222】本実施の形態では、演算系列長118で与
えられる演算系列長119(s)が4の場合について説
明しているが、演算系列長sは4以外の場合にも同様に
適用することができる。た、演算系列長sの制御につい
ては、周波数推定部301で与えられる推定周波数30
2を用いることを例として挙げているが、推定周波数以
外のパラメータ、例えば受信電力、受信品質(Eb/N
oなどのクオリティファクタ)を加味した値でも可能で
ある。なお、演算系列長sの値は大きいほど、ノイズの
平均化の効果が大きい。
【0223】このため、周波数推定部301の推定周波
数302が良好(目標値から誤差が少ない、或いは推定
周波数302が周波数ずれを表している場合は絶対値が
小さい)であれば演算系列長sの値を小さくすること
で、演算も簡略化できることになる。第1回目に実行さ
れる場合のように周波数推定部301が推定周波数30
2を出力しない場合は、周波数誤差範囲、シンボルレー
ト、感度点CNRなどから得られるシステムに最適な初
期値を与えることが望ましい。
【0224】本実施の形態において、差分演算部105
については、1シンボル間の差分ベクトルを求める場合
について説明しているが、これを2シンボル間の差分ベ
クトルとすることにより、周波数に対する差分ベクトル
114の変化量が倍になる。このため、CNRが十分
で、かつ周波数精度を向上させたい場合には、演算のシ
ンボル間隔を大きくすることが望ましい。
【0225】また、相関信号116のピーク位置から、
対応する既知信号112とその既知信号112の存在す
る時間を推定する方法について説明しているが、相関信
号116は他に様々な特性を有しており、例えば、複数
のピークを検出することにより、マルチパス環境の推定
にも用いることが可能である。
【0226】さらに、本実施の形態では、1シンボル当
たり1サンプルとした場合について説明しているが、加
算差分信号115の時間ステップを1/4とする(t+
0,t+1/4,t+2/4,t+3/4,t+1,t
+5/4,・・・)ことで、1シンボル当たり4サンプ
ルについても実現可能である。当然、このステップをそ
の他に変更することでどのようなサンプルに対しても対
応可能である。
【0227】本発明は、上記実施の形態1〜10に限定
されず種々変更して実施することができる。例えば、上
記実施の形態1〜10に記載した技術事項ついては、適
宜組み合わせて実施することが可能である。
【0228】また、上記実施の形態1〜10において
は、無線受信装置を通信端末装置に搭載した場合につい
て説明しているが、本発明の無線受信装置を無線基地局
装置に搭載した場合についても適用することができる。
【0229】本発明の無線受信装置は、受信信号系列を
記憶するシフトレジスタと、既知信号系列を記憶する既
知信号記憶部と、演算系列長を与える演算長決定部と、
前記既知信号記憶部から順次出力される既知信号系列の
うち演算長決定部で与えられるシンボル数sと受信信号
系列のうちシンボル間隔で間引きしたsシンボルの信号
系列との畳込積分を演算するコンボルバと、畳込積分し
た信号系列の1シンボル分の差分ベクトルを演算する差
分演算部と、差分ベクトルを順次加算する加算部と、受
信信号系列を1サンプル分ずつずらせて同様に加算差分
ベクトルを求め、ずらせた時間と加算差分ベクトルとを
関連づけて記憶するメモリと、メモリに記憶されたベク
トルの中から特定条件を満足する箇所を検出する検出部
とを備える。
【0230】この構成によれば、受信信号から目的の既
知信号系列を検出すると共に、信号対ノイズ比(CN
R)の劣悪な環境のもとで受信した受信信号系列から、
安定した性能で、既知信号系列の受信時間の検出を可能
にする。
【0231】本発明の無線受信装置は、受信信号系列を
記憶するシフトレジスタと、n個(nは2以上の自然
数)の既知信号系列を記憶する既知信号記憶部と、演算
系列長を与える演算長決定部と、既知信号系列を切り替
える切り替え部と、前記既知信号記憶部から順次出力さ
れる既知信号系列のうち演算長決定部で与えられるシン
ボル数sと受信信号系列のうちシンボル間隔で間引きし
たsシンボルの信号系列との畳込積分を演算するコンボ
ルバと、畳込積分した信号系列の1シンボル分の差分ベ
クトルを演算する差分演算部と、差分ベクトルを順次加
算する加算部と、受信信号系列を1サンプル分ずつずら
せて同様に加算差分ベクトルを求め、既知信号系列の種
類と、ずらせた時間と、加算差分ベクトルとを関連づけ
て記憶するメモリと、メモリに記憶されたベクトルの中
から特定条件を満足する箇所を検出する検出部とを具備
する。
【0232】この構成によれば、受信信号から目的の既
知信号系列を検出すると共に、CNRの劣悪な環境のも
とで受信した受信信号系列から、安定した性能で、複数
の既知信号系列候補の中から送られた既知信号系列と受
信時間の検出を可能にする。
【0233】本発明の無線受信装置は、受信信号系列を
記憶するシフトレジスタと、既知信号系列を記憶する既
知信号記憶部と、前記既知信号記憶部から順次出力され
る既知信号系列のうち演算長制御部で与えられるシンボ
ル数sと受信信号系列のうちシンボル間隔で間引きした
sシンボルの信号系列との畳込積分を演算するコンボル
バと、畳込積分した信号系列の1シンボル分の差分ベク
トルを演算する差分演算部と、差分ベクトルを順次加算
する加算部と、受信信号系列を1サンプル分ずつずらせ
て同様に加算差分ベクトルを求め、ずらせた時間と加算
差分ベクトルとを関連づけて記憶するメモリと、メモリ
に記憶されたベクトルの中から特定条件を満足する箇所
を検出する検出部と、受信信号から受信状況を推定する
受信状況推定部と、推定された受信状況から前記コンボ
ルバの演算系列長を制御する演算長制御部とを具備す
る。
【0234】この構成によれば、受信信号から目的の既
知信号系列を検出すると共に、推定したCNRから最適
な演算系列長sを変化させながら、受信した受信系列か
ら、CNR環境に適応しながら適切に既知信号系列の受
信時間の検出を可能にする。
【0235】本発明の無線受信装置は、受信信号系列を
記憶するシフトレジスタと、n個(nは2以上の自然
数)の既知信号系列を記憶する既知信号記憶部と、既知
信号系列を切り替える切り替え部と、前記既知信号記憶
部から順次出力される既知信号系列のうち演算長制御部
で与えられるシンボル数sと受信信号系列のうちシンボ
ル間隔で間引きしたsシンボルの信号系列との畳込積分
を演算するコンボルバと、畳込積分した信号系列の1シ
ンボル分の差分ベクトルを演算する差分演算部と、差分
ベクトルを順次加算する加算部と、受信信号系列を1サ
ンプル分ずつずらせて同様に加算差分ベクトルを求め、
既知信号系列の種類と、ずらせた時間と、加算差分ベク
トルとを関連づけて記憶するメモリと、メモリに記憶さ
れたベクトルの中から特定条件を満足する箇所を検出す
る検出部と、受信信号から受信状況を推定する受信状況
推定部と、推定された受信状況から演算系列長を制御す
る演算長制御部とを具備する。
【0236】この構成によれば、受信信号から目的の既
知信号系列を検出すると共に、推定したCNRから最適
な演算系列長を変化させながら、受信した受信系列か
ら、CNR環境に適応しながら、複数の既知信号系列候
補の中から送られた既知信号系列と受信時間の検出を可
能にする。
【0237】本発明の無線受信装置は、受信信号系列を
記憶するシフトレジスタと、既知信号系列を記憶する既
知信号記憶部と、演算系列長を与える演算長決定部と、
前記既知信号記憶部から順次出力される既知信号系列の
うち演算長決定部で与えられるシンボル数sと受信信号
系列のうちシンボル間隔で間引きしたsシンボルの信号
系列との畳込積分を演算するコンボルバと、畳込積分し
た信号系列の1シンボル分の差分ベクトルを演算する差
分演算部と、差分ベクトルを順次加算する加算部と、受
信信号系列を1サンプル分ずつずらせて同様に加算差分
ベクトルを求め、ずらせた時間と加算差分ベクトルとを
関連づけて記憶するメモリと、メモリに記憶されたベク
トルの中から特定条件を満足する箇所を検出する検出部
と、特定条件を満足したベクトルの角度から、周波数を
推定する周波数推定部とを具備する。
【0238】この構成によれば、受信信号から目的の既
知信号系列を検出し、周波数ずれを推定すると共に、C
NRの劣悪な環境のもとで受信した受信信号系列から、
安定した性能で、既知信号系列の受信時間と周波数の検
出を可能にする。
【0239】本発明の無線受信装置は、受信信号系列を
記憶するシフトレジスタと、既知信号系列を記憶する既
知信号記憶部と、演算系列長を与える演算長決定部と、
前記既知信号記憶部から順次出力される既知信号系列の
うち演算長決定部で与えられるシンボル数sと受信信号
系列のうちシンボル間隔で間引きしたsシンボルの信号
系列との畳込積分を演算するコンボルバと、畳込積分し
た信号系列の1シンボル分の差分ベクトルを演算する差
分演算部と、差分ベクトルを順次加算する加算部と、受
信信号系列を1サンプル分ずつずらせて同様に加算差分
ベクトルを求め、ずらせた時間と加算差分ベクトルとを
関連づけて記憶するメモリと、メモリに記憶されたベク
トルの中から特定条件を満足する箇所を検出する検出部
と、特定条件を満足したベクトルの角度から、周波数を
推定する周波数推定部とを具備する。
【0240】この構成によれば、受信信号から目的の既
知信号系列を検出し、周波数ずれを推定すると共に、C
NRの劣悪な環境のもとで受信した受信信号系列から、
安定した性能で、複数の既知信号系列候補の中から送ら
れた既知信号系列と受信時間及び周波数の検出を可能に
する。
【0241】本発明の無線受信装置は、受信信号系列を
記憶するシフトレジスタと、既知信号系列を記憶する既
知信号記憶部と、前記既知信号記憶部から順次出力され
る既知信号系列のうち演算長制御部で与えられるシンボ
ル数sと受信信号系列のうちシンボル間隔で間引きした
sシンボルの信号系列との畳込積分を演算するコンボル
バと、畳込積分した信号系列の1シンボル分の差分ベク
トルを演算する差分演算部と、差分ベクトルを順次加算
する加算部と、受信信号系列を1サンプル分ずつずらせ
て同様に加算差分ベクトルを求め、ずらせた時間と加算
差分ベクトルとを関連づけて記憶するメモリと、メモリ
に記憶されたベクトルの中から特定条件を満足する箇所
を検出する検出部と、特定条件を満足したベクトルの角
度から、周波数を推定する周波数推定部と、前記周波数
推定部の推定結果から、前記コンボルバの演算系列長の
長さを決定する演算長制御部とを具備する。
【0242】この構成によれば、受信信号から目的の既
知信号系列を検出し、周波数ずれを推定すると共に、推
定した周波数から最適な演算系列長を変化させながら、
受信した受信系列から安定した性能で、既知信号系列の
受信時間と周波数の検出を可能にする。
【0243】本発明の無線受信装置は、受信信号系列を
記憶するシフトレジスタと、n個(nは2以上の自然
数)の既知信号系列を記憶する既知信号記憶部と、既知
信号系列を切り替える切り替え部と、前記既知信号記憶
部から順次出力される既知信号系列のうち演算長制御部
で与えられるシンボル数sと受信信号系列のうちシンボ
ル間隔で間引きしたsシンボルの信号系列との畳込積分
を演算するコンボルバと、畳込積分した信号系列の1シ
ンボル分の差分ベクトルを演算する差分演算部と、差分
ベクトルを順次加算する加算部と、受信信号系列を1サ
ンプル分ずつずらせて同様に加算差分ベクトルを求め、
既知信号系列の種類と、ずらせた時間と、加算差分ベク
トルとを関連づけて記憶するメモリと、メモリに記憶さ
れたベクトルの中から特定条件を満足する箇所を検出す
る検出部と、特定条件を満足したベクトルの角度から、
周波数を推定する周波数推定部と、前記周波数推定部の
推定結果から、前記コンボルバの演算系列長の長さを決
定する演算長制御部とを具備する。
【0244】この構成によれば、受信信号から目的の既
知信号系列を検出し、周波数ずれを推定すると共に、推
定した周波数から最適な演算系列長を変化させながら、
受信した受信系列から安定した性能で、複数の既知信号
系列候補の中から送られた既知信号系列と受信時間及び
周波数の検出を可能にする。
【0245】本発明の無線受信装置は、受信信号系列を
記憶するシフトレジスタと、既知信号系列を記憶する既
知信号記憶部と、演算系列長を与える演算長決定部と、
前記既知信号記憶部から順次出力される既知信号系列の
うち演算長決定部で与えられるシンボル数sと受信信号
系列のうちシンボル間隔で間引きしたsシンボルの信号
系列との畳込積分を演算するコンボルバと、畳込積分し
た信号系列の1シンボル分の差分ベクトルを演算する差
分演算部と、差分ベクトルを順次加算する加算部と、加
算差分ベクトルの大きさを演算するパワー演算部と、受
信信号系列を1サンプル分ずつずらせて同様に加算差分
ベクトルパワーを求め、ずらせた時間と加算差分ベクト
ルパワーとを関連づけて記憶するメモリと、メモリに記
憶されたベクトルパワーの中から特定条件を満足する箇
所を検出する検出部とを具備する。
【0246】この構成によれば、受信信号から目的の既
知信号系列を検出すると共に、CNRの劣悪な環境のも
とで受信した受信信号系列から、安定した性能で、既知
信号系列の受信時間の検出を可能にする。
【0247】本発明の無線受信装置は、受信信号系列を
記憶するシフトレジスタと、n個(nは2以上の自然
数)の既知信号系列を記憶する既知信号記憶部と、既知
信号系列を切り替える切り替え部と、演算系列長を与え
る演算長決定部と、前記既知信号記憶部から順次出力さ
れる既知信号系列のうち演算長決定部で与えられるシン
ボル数sと受信信号系列のうちシンボル間隔で間引きし
たsシンボルの信号系列との畳込積分を演算するコンボ
ルバと、畳込積分した信号系列の1シンボル分の差分ベ
クトルを演算する差分演算部と、差分ベクトルを順次加
算する加算部と、加算差分ベクトルの大きさを演算する
パワー演算部と、受信信号系列を1サンプル分ずつずら
せて同様に加算差分ベクトルを求め、既知信号系列の種
類と、ずらせた時間と、加算差分ベクトルとを関連づけ
て記憶するメモリと、メモリに記憶されたベクトルの中
から特定条件を満足する箇所を検出する検出部とを具備
する。
【0248】この構成によれば、受信信号から目的の既
知信号系列を検出すると共に、CNRの劣悪な環境のも
とで受信した受信信号系列から、安定した性能で、複数
の既知信号系列候補の中から送られた既知信号系列と受
信時間の検出を可能にする。
【0249】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、特に劣悪
な受信CNR環境下での、同期処理において大きな効果
を得ることができる。また、処理は基本として差分ベク
トルによって演算しており、このため受信環境の周波数
ずれに影響を受けにくいため、特に電源投入後に初めて
システムに同期するときのような場合にとても効果的で
ある。
【0250】さらに、相関値のCNRは相対的に高いた
め、これらを用いてマルチパス環境の推定を行うこと
で、高い推定結果を得ることが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る無線受信装置の構
成を示すブロック図
【図2】(a)は、受信信号のI信号を示す図 (b)は、受信信号のQ信号を示す図 (c)は、従来の同期方法による同期推定信号を示す図 (d)は、本発明の同期方法による同期推定信号を示す
【図3】本発明の実施の形態2に係る無線受信装置の構
成を示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態3に係る無線受信装置の構
成を示すブロック図
【図5】本発明の実施の形態4に係る無線受信装置の構
成を示すブロック図
【図6】本発明の実施の形態5に係る無線受信装置の構
成を示すブロック図
【図7】本発明の実施の形態6に係る無線受信装置の構
成を示すブロック図
【図8】本発明の実施の形態7に係る無線受信装置の構
成を示すブロック図
【図9】本発明の実施の形態8に係る無線受信装置の構
成を示すブロック図
【図10】本発明の実施の形態9に係る無線受信装置の
構成を示すブロック図
【図11】本発明の実施の形態10に係る無線受信装置
の構成を示すブロック図
【符号の説明】
100 アンテナ 101 受信部 102 シフトレジスタ 103 既知信号記憶部 104 コンボルバ 105 差分演算部 106 加算部 107 メモリ 108 検出部 118 演算長決定部 202 選択部 301 周波数推定部 401 パワー演算部 501 受信状況推定部 503 演算長制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジョブ・クレオパ・ムスヤ 神奈川県横浜市港北区綱島東四丁目3番1 号 松下通信工業株式会社内 (72)発明者 佐川 守一 神奈川県川崎市多摩区東三田3丁目10番1 号 松下技研株式会社内 (72)発明者 米山 正義 神奈川県横浜市港北区綱島東四丁目3番1 号 松下通信工業株式会社内 Fターム(参考) 5K004 AA05 FG03 FH08 5K047 AA13 BB01 EE02 HH01 HH03 HH15 MM12 MM33 MM43

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 既知信号を用いて所定の演算長で受信信
    号に対して相関演算を行う相関演算手段と、前記相関演
    算後の信号を用いて遅延検波を行う遅延検波手段と、遅
    延検波出力から同期タイミングを検出する検出手段と、
    を具備する無線受信装置。
  2. 【請求項2】 前記相関演算により、受信信号に含まれ
    る希望信号成分の比を大きくした信号を得て、その信号
    を用いて遅延検波を行うことを特徴とする請求項1記載
    の無線受信装置。
  3. 【請求項3】 複数の既知信号から一つの既知信号を選
    択する選択手段をさらに具備することを特徴とする請求
    項1記載の無線受信装置。
  4. 【請求項4】 検出手段は、同期タイミングを検出した
    際に前記既知信号の系列を特定することを特徴とする請
    求項3記載の無線受信装置。
  5. 【請求項5】 遅延検波後の信号に含まれる周波数成分
    を検出する周波数推定手段をさらに具備することを特徴
    とする請求項1記載の無線受信装置。
  6. 【請求項6】 周波数推定手段で推定された周波数成分
    に基づいて前記演算長を制御することを特徴とする第1
    演算長制御手段をさらに具備する請求項5記載の無線受
    信装置。
  7. 【請求項7】 第1演算長制御手段は、前記周波数推定
    手段で推定された周波数が目的の周波数に近づくについ
    て演算長を長くすることを特徴とする請求項6記載の無
    線受信装置。
  8. 【請求項8】 第1演算長制御手段は、同期タイミング
    の検出回数に応じて演算長を制御することを特徴とする
    請求項6記載の無線受信装置。
  9. 【請求項9】 周波数推定手段は、周波数ずれを検出す
    ることを特徴とする請求項5記載の無線受信装置。
  10. 【請求項10】 遅延検波後の出力をパワー演算するパ
    ワー演算手段をさらに具備することを特徴とする請求項
    1記載の無線受信装置。
  11. 【請求項11】 受信信号から受信状況を推定する受信
    状況推定手段と、前記受信状況推定手段で推定された受
    信状況に応じて前記演算長を制御する第2演算長制御手
    段と、をさらに具備することを特徴とする請求項1記載
    の無線受信装置。
  12. 【請求項12】 第2演算長制御手段は、受信状況が悪
    いときに演算長を長くし、受信状況が良いときに演算長
    を短くすることを特徴とする請求項11記載の無線受信
    装置。
  13. 【請求項13】 第2演算長制御手段は、同期タイミン
    グの検出回数に応じて演算長を制御することを特徴とす
    る請求項11記載の無線受信装置。
  14. 【請求項14】 既知信号を用いて所定の演算長で受信
    信号に対して相関演算を行う相関演算工程と、前記相関
    演算後の信号を用いて遅延検波を行う遅延検波工程と、
    遅延検波出力から同期タイミングを検出する検出工程
    と、を具備することを特徴とする同期タイミング検出方
    法。
  15. 【請求項15】 前記相関演算により、受信信号に含ま
    れる希望信号成分の比を大きくした信号を得て、その信
    号を用いて遅延検波を行うことを特徴とする請求項14
    記載の同期タイミング検出方法。
  16. 【請求項16】 複数の既知信号から一つの既知信号を
    選択する選択工程をさらに具備することを特徴とする請
    求項14記載の同期タイミング検出方法。
  17. 【請求項17】 遅延検波後の信号に含まれる周波数成
    分を検出する周波数推定工程をさらに具備することを特
    徴とする請求項14記載の同期タイミング検出方法。
  18. 【請求項18】 周波数推定工程で推定された周波数成
    分に基づいて前記演算長を制御する第1演算長制御工程
    をさらに具備することを特徴とする請求項17記載の同
    期タイミング検出方法。
  19. 【請求項19】 受信信号から受信状況を推定する受信
    状況推定工程と、前記受信状況推定工程で推定された受
    信状況に応じて前記演算長を制御する第2演算長制御工
    程と、をさらに具備することを特徴とする請求項14記
    載の同期タイミング検出方法。
JP2001045688A 2000-02-21 2001-02-21 無線受信装置 Pending JP2001313684A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001045688A JP2001313684A (ja) 2000-02-21 2001-02-21 無線受信装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000-42267 2000-02-21
JP2000042267 2000-02-21
JP2001045688A JP2001313684A (ja) 2000-02-21 2001-02-21 無線受信装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001313684A true JP2001313684A (ja) 2001-11-09

Family

ID=26585715

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001045688A Pending JP2001313684A (ja) 2000-02-21 2001-02-21 無線受信装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001313684A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013521729A (ja) * 2010-03-29 2013-06-10 株式会社村田製作所 無線通信システムにおける正確な時間同期用の方法および装置
JP2013521730A (ja) * 2010-03-29 2013-06-10 株式会社村田製作所 無線通信システムにおける整数周波数オフセット推定のための方法および装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013521729A (ja) * 2010-03-29 2013-06-10 株式会社村田製作所 無線通信システムにおける正確な時間同期用の方法および装置
JP2013521730A (ja) * 2010-03-29 2013-06-10 株式会社村田製作所 無線通信システムにおける整数周波数オフセット推定のための方法および装置
US9031001B2 (en) 2010-03-29 2015-05-12 Murata Manufacturing Co., Ltd. Method and apparatus for accurate time synchronization in wireless communication system

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7778363B2 (en) Synchronization timing detecting apparatus, receiving apparatus, and synchronization timing detecting method
US5898665A (en) Coherent tracking apparatus and method for CDMA receiver
JP5238824B2 (ja) 入力信号の特性形態を決定する装置
US5724384A (en) PN code sync device using an adaptive threshold
US6668172B1 (en) Reception apparatus and reception processing method
US20060274843A1 (en) Apparatus and method for transmitting/receiving preamble signal in a wireless communication system
EP2039097B1 (en) Method and apparatus for estimating carrier frequency offset
US7139333B2 (en) Frequency error estimating receiver, and frequency error estimating method
US5822364A (en) Receiving apparatus for spectrum spread system
EP0999676B1 (en) OFDM communication receiver and frequency offset detection method for use in a OFDM communication receiver
GB2300093A (en) Receiver for timing recovery and frequency estimation
RU2396724C2 (ru) Способы и устройство для определения временной привязки в системе беспроводной связи
US6111910A (en) Maximal correlation symbol estimation demodulator
US7675997B2 (en) Dynamic DC offset removal apparatus and dynamic DC offset removal method
US20040101073A1 (en) Method and apparatus for estimating response characteristic, and receiving method and receiver utilizing the same
JP2000201131A (ja) Ofdm通信装置
JP2002101019A (ja) 受信機の同期方法および同期装置
JP2001313684A (ja) 無線受信装置
EP1128595A2 (en) Synchronisation of a radio reception apparatus
JP3945623B2 (ja) 周波数同期方法及びこれを用いたofdm受信装置
JP3899425B2 (ja) Qpsk変調方式システムの自動周波数制御装置及びその方法
JPH09246917A (ja) 周波数誤差推定装置
JP2005151396A (ja) 受信装置および受信制御方法
JP2004158933A (ja) 同期追従装置及び方法
JP2007124060A (ja) 相関ピーク検出回路及びその方法、それを用いた同期捕捉回路及びその方法、受信機