JP4050936B2 - 水に濡れた被処理物の水切り処理方法 - Google Patents

水に濡れた被処理物の水切り処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水に濡れた被処理物の水切り処理方法、さらに詳しくは、水系洗浄剤により洗浄された被洗浄物などの水に濡れた被処理物を、アルコール含有フッ素系溶剤からなる水切り剤を使用し、かつ有用な物質を廃棄せずに循環使用するため、環境対策上も、経済上のいずれの点でも優れた水切り処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のオゾンホール問題や環境問題などを契機として、レンズ、ミラー、ハードディスク部品、コネクターなどの各種の電子部品、プラスチック成形品、ガラス製品などの産業分野における物品の洗浄の一部は水を主体とする水系洗浄剤によって行われ、水に濡れた被処理物が生成する。また、水を用いて処理される、例えば、電気鍍金操作で処理される場合も同様、水に濡れた被処理物が生成する。これら被処理物に付着した水を切り離すために、被処理物をそのまま乾燥した場合は、水の高い蒸発潜熱により長い乾燥時間や高い乾燥温度を必要とし、多大なエネルギーを必要とするとともに、場合によっては水の蒸発縞が被処理物の表面に発生し被処理物の商品価値も損なわれる等の問題が発生する。
【0003】
このため、多くの場合、水に濡れた被処理物の乾燥は、水切り剤による水切り処理が行われている。この場合の水切り剤に要求される性質として、水切り処理効果が大きい、不揮発性分を残さない、毒性がないか又は小さい、不燃性であることなどがある。さらに、望ましくは、水切り剤には引火性がなく、またその濃度管理も難しくないなどが要求される。
【0004】
このような要求を満たす水切り剤として、これまで、アルコールや界面活性剤を含有するフッ素系溶剤が提案、使用されている。特にアルコールを含有するフッ素系溶剤は、界面活性剤を使用する場合に比べて、コストが小さく、仕上り状態がよく、水切り剤を使用した後にリンスも必要ないなどの点で優れている。また、オゾン破壊係数が小さく、不燃性のフッ素系溶剤とのマッチングもよく、有望な水切り剤である。
【0005】
しかし、このようなアルコール含有フッ素系溶剤を使用した場合、その水切り処理工程からは、水、アルコール及びフッ素系溶剤を含む混合物からなる排出液が発生する。通常、この排出液は比重差による二層分離法により分離され、アルコールを含む水層とフッ素系溶剤を含む層とに分離される。そして、フッ素系溶剤を含む層には無水アルコールを添加してアルコール濃度を回復させ、水切り処理工程に循環使用される。しかし、上記アルコール水は、多くの場合、そのまま、或いは特別な処理を施し無害化した後に廃棄されるのが通常であり、有用な資源の無駄使いであるとともに、環境上も問題である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の事情に鑑みて、水に濡れた被処理物の水切り処理工程から排出される、水とアルコールとフッ素系溶剤とを含む排出液を特定の工程を通じてクローズ化処理することにより、いずれの化学物質も廃棄することなく循環使用する新規な水切り処理方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、環境対策上も資源の有効活用上も有利であるとともに、生産された被洗浄物の仕上がりや品質に悪影響を与えることのない水切り処理方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記した目的を達成するべく鋭意研究したところ、下記する一連の特定のクローズ化プロセスを採用することにより、上記本発明の目的を充分に満足させることを見出した。
(1)水に濡れた被処理物をアルコール含有フッ素系溶剤からなる水切り剤と接触させて被処理物に付着する水を切り離す水切り処理工程からの排出液を、アルコール水と回収水切り剤とに分離し、上記分離アルコールを濃縮処理することにより高濃度アルコールを生成させ、該高濃度アルコールを上記回収水切り剤と接触させて高濃度アルコール中のアルコールを回収水切り剤に抽出させることにより、アルコール濃度が上昇した回収水切り剤と低濃度アルコール水とを生成させ、該アルコール濃度が上昇した回収水切り剤は上記水切り処理工程に循環使用することを特徴とする水に濡れた被処理物の水切り処理方法。
(2)上記分離アルコール水の濃縮処理が蒸留処理であり、高濃度アルコールを高濃度アルコール水又は高濃度アルコール蒸気として生成させ、かつ高濃度アルコール水又は高濃度アルコール蒸気中のアルコール濃度が回収水切り剤のアルコール濃度と平衡な濃度よりも高いが、含有アルコールと水との共沸混合物濃度以下である(1)に記載の水に濡れた被処理物の水切り処理方法。
(3)フッ素系溶剤は、沸点が40〜90℃、水への溶解度が1000ppm以下であり、かつオゾン破壊係数がゼロである(1)又は(2)に記載の水に濡れた被処理物の水切り処理方法。
(4)アルコールは、水との共沸点温度が95℃以下である(1)、(2)又は(3)に記載の水に濡れた被処理物の水切り処理方法。
(5)水に濡れた被処理物が、水系洗浄剤により洗浄された被洗浄物である(1)〜(4)のいずれかに記載の水に濡れた被処理物の水切り処理方法。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明において使用される水に濡れた被処理物の水切り剤としては、アルコール含有フッ素系溶剤が使用される。フッ素系溶剤は、一般に安定性がよく、毒性が小さいという優れた性質を有するが、オゾン破壊係数がオゾン層破壊に影響しない値以下であり、また、温暖化係数が低く、不燃性でかつ引火性をもたず、加水分解性や水への溶解性が小さく、乾燥性から沸点が低く、表面張力も小さいものが好適である。表面張力が小さい場合には、複雑な形状の被洗浄物でも細部まで高い精度で洗浄、乾燥ができる。
【0009】
かかるフッ素系溶剤しては、その沸点が好ましくは30〜95℃、特に好ましくは40〜90℃であり、かつ水への溶解度が好ましくは1000ppm以下、特に好ましくは、100ppm以下であるのが好ましい。その例としては、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテル、などが挙げられ、その好ましい例としては、2,3−ジハイドロデカフロロペンタン(沸点:55℃、表面張力:14.1mN/m、水への溶解度140ppm)、パーフルオロブチルメチルエーテル(沸点:61℃、表面張力:13.6mN/m、水への溶解度12ppm)、パーフルオロブチルエチルエーテル(沸点:76℃、表面張力:13.6mN/m、水への溶解度:20ppm未満)、ヘクタフルオロシクロペンタン(沸点:82.5℃、表面張力:20.3mN/m、水への溶解度:720ppm)などが挙げられる。
【0010】
本発明で使用される水切り剤には、上記フッ素系溶剤とともにアルコールが含有される。ここでのアルコールは、被洗浄物に付着している水分を効果的に良好に除去するために使用されるもので、アルコールの種類及び量は水切り効果に影響する。使用するアルコールとしては、上記フッ素系溶剤と相互に溶解し、かつ、共沸物を生成する特性を有するのが好ましい。共沸する場合は、共沸点において引火点を有さないことが望ましい。
【0011】
本発明で水切り剤に含有されるアルコールは、水との共沸点温度が好ましくは95℃以下であり、特に好ましくは90℃以下であることが好適である。また、アルコール濃縮処理に際してのエネルギー消費を少なくするためには、アルコール含有弗素溶剤と水の系において、水へのアルコールの溶解度が低いことが望ましい。アルコールとしては、炭素数が好ましくは、1〜7、特には1〜4の脂肪族アルコールが好適である。アルコールとしては、第1級〜第3級のアルコールがいずれも使用でき、また、モノアルコールでも多価アルコールのいずれでもよい。その好ましい具体例としては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどが挙げられる。
【0012】
水切り処理剤を構成するアルコール含有フッ素系溶剤中のアルコール濃度は、水切り効果に影響するが、好ましくは0.5〜30重量%である。アルコール濃度が0.5重量%より小さい場合には、水切り特性が不充分であり、一方、アルコール濃度が30重量%より大きい場合には、水切り処理剤の引火性が大きくなり、好ましくない。なかでも、上記アルコール濃度は、1〜20重量%が好適である。
【0013】
以下に、上記の水切り剤を使用して、本発明の方法を実施するための代表的なプロセスの概略を示した図1に従って説明する。水切り処理槽1には、水切り剤を収容する水切り剤槽2から水切り剤3が供給される。該水切り処理槽1には、例えば、水を主体とする水系洗浄剤にて洗浄された電子部品などの被洗浄物が持ち込まれ、水切り剤槽2から水切り剤3を供給しながら水切り剤3中に浸漬処理される。水切り処理槽1での水切り処理は既知の条件にて行われるが、通常、常温にて1〜2分間、超音波振動を与えながら被洗浄物を浸漬することにより行われる。
【0014】
水切り処理槽1では、被処理物から切り離された水は槽上部に浮上し、供給された水切り剤3と共に水切り処理槽1から、排出液4として排出される。排出液4は、2層分離器5に供給され、ここで、比重の差を利用して、回収アルコール水6の層と、アルコール濃度が低下した回収水切り剤7の層とに分離される。
【0015】
回収アルコール水6は、次いで、回収アルコール水槽8に移される。回収アルコール水槽8は、必ずしも設ける必要はないが、回収アルコール水6を一次的に貯蔵し、プロセスを円滑に実施するため、また、後記するように、抽出装置15から排出されるアルコール水16を受け入れ、ここで混合するために設けるのが好ましい。回収アルコール水槽8に貯蔵されたアルコール含有水9は、濃縮装置である、蒸留塔10に供給される。蒸留塔10は、塔下部から排出される水中のアルコール濃度を殆ど無くすことができること、及び蒸留塔10の頂部からの濃縮アルコール濃度をできるだけ共沸濃度に近づけることの理由で、多段蒸留塔が使用されるのが好ましい。濃縮装置は必ずしも蒸留塔である必要はなく、アルコールを濃縮できる膜式装置などであってもよい。
【0016】
蒸留塔10では、アルコール含有水が蒸留されるが、水とアルコールとは共沸現象を起こすために分離されることなく、最高濃度まで濃縮された場合にはアルコール−水の共沸物が得られる。蒸留塔10からの蒸発ガス11中、又は該蒸発ガス11を凝縮して得られる高濃度アルコール中のアルコール濃度は、回収水切り剤中のアルコール濃度と平衡な濃度、すなわち、回収水切り剤7と接触する、回収アルコール水6中のアルコール濃度が平衡に達する濃度よりも高く、かつ含有アルコールと水との共沸混合物濃度以下であることが好ましい。なかでも、該アルコールの濃度は、回収水切り剤のアルコール濃度と平衡な濃度の好ましくは103重量%以上、特に好ましくは105重量%以上であるのが好適であり、特には共沸混合物濃度であることが好ましい。蒸留塔10からは、水が12として排出される。
【0017】
濃縮アルコールの蒸発ガス11は、次いで、凝縮器13に供給される。凝縮器13は、濃縮アルコール−蒸気の冷却を促進するためのものである。凝縮器13の設置は必ずしも必須のものではなく、図1には示めされていないが、蒸発ガス11が抽出装置15に直接供給してもよい。かくして、抽出装置15には、又は凝縮器13で凝縮された高濃度アルコール水14、又は蒸発ガス11が供給される。抽出装置15では、高濃度アルコールと、上記2層分離器5で分離された回収水切り剤7とを接触させることにより、回収水切り剤7に高濃度アルコール中のアルコールを抽出移行させる。
【0018】
抽出装置15は、蒸発ガス11又は高濃度アルコール水14の高濃度アルコールと、回収水切り剤7との接触を効率良く良好に実施するために、回収水切り剤7は塔上部から、また高濃度アルコールは下部から供給し、好ましくは交流的に接触抽出するのが好ましい。抽出装置15としては、好ましくはスプレー塔型、段塔型抽出塔などの抽出塔の使用が好ましい。簡易な抽出装置として、高濃度アルコールと、回収水切り剤7とを機械的攪拌槽に導入し、回収水切り剤7中に高濃度アルコールを分散させて抽出操作を行った後、2層分離器にて分離する方法でもよい。また、回収水切り剤7は、2層分離器5から抽出装置15に直接供給しないで、水切り剤槽2に一旦供給し、該水切り剤槽2から取り出した回収水切り剤7を抽出装置15に供給してもよい。
【0019】
抽出装置15はその上部に2層分離器を有するため、アルコール濃度が上昇した水切り剤17が得られるとともに、アルコール濃度の低下したアルコール水16が排出される。アルコール水16は、好ましくは回収アルコール水槽8に供給され、ここで、2層分離器5から得られる回収アルコール含有水6と混合される。その混合物は、上記した蒸留塔10に送られ、アルコール分は濃縮される。アルコール濃度が上昇した水切り剤17は、水切り剤槽2に供給され、貯蔵される。なお、上記水切り剤17は、必要に応じて、その全量を水切り剤槽2に供給せずにその一部を他の用途に使用することもできる。水切り剤槽2には、必要に応じて、無水アルコール18が供給されるが、本発明では、全プロセスがクローズ化できるため、失われるアルコールはほとんどないので新たに補充される無水アルコール18は極めて少量にすることができる。
【0020】
本発明の水切り処理方法は、金属、プラスチックス、セラミックス、ガラスなどを材料とする、レンズ、ミラー、ディスク、コネクター、各種電子部品などの複雑な形状部品や、熱に弱い部品など多くの被洗浄物に適用でき、効果的かつ良好に水切り処理が実施でき、水切り処理された被洗浄物も極めて良好な仕上がり性を有する。
【0021】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではないことはもちろんである。
実施例1
水切り剤として、イソプロピルアルコール5重量%を含むC49OCH3を用い、図1に示されるプロセスに従って水切りを実施した。水切り処理槽1中に、水が付着した、メッキされたプラスチックス成型品(以後"ワーク"という)を浸漬した。ワークは水に濡れた状態で浸漬され、1時間当り10kgの水が持ち込まれた。
【0022】
水切り処理槽1には、水切り剤槽2からアルコール濃度が5重量%の水切り剤3が1時間当り500kgで供給された。水切り処理によりワークに付着していた水の99重量%が分離浮上した。浮上した水は水切り処理槽1から溢流する水切り剤と共に2層分離器5に導入された。2層分離器5の上層から、アルコール約7.5kgを含む回収アルコール水が1時間当り約17.5kgが排出し、回収アルコール水槽8に供給された。
【0023】
回収アルコール水槽8の回収アルコール水6は、後述する抽出装置15からのアルコール水16と共に蒸留塔10に供給された。蒸留塔10には、アルコール約13.4kgを含むアルコール水が1時間当り約26.1kgが供給された。蒸留塔10の下部からは1時間当り10.0kgの水12が排出された。また、蒸留塔10の上部からの蒸発ガス11は凝縮器13にて全凝縮液化され、濃度約83.4重量%のアルコール水14が1時間当り約16.1kgが取り出され、抽出装置15に供給された。
【0024】
抽出装置15の上部からはアルコール濃度約69重量パーセントのアルコール水16が1時間当り約8.6kgが取り出され、回収アルコール水槽8に供給された。抽出装置15の下部からはアルコール濃度が約5重量%に上昇した水切り剤17が1時間当り約500kgが取り出され、水切り剤槽2に戻された。
【0025】
実施例2
水切り剤として、エタノールを10重量%含むC5210を用いて、図1に示されるプロセスに従って実施した。水切り処理槽1中に水に濡れた、金属加工成型品(以後"ワーク"という)を浸漬した。ワークは水に濡れた状態で浸漬され、1時間当り10kgの水が持ち込まれた。
【0026】
水切り処理槽1には水切り剤槽2からエタノール濃度10重量%の水切り剤3が1時間当り500kgで供給された。ワークに付着していた水の99重量%が分離浮上した。浮上した水は水切り処理槽1から溢流する水切り剤と共に2層分離器5に導入された。2層分離器5の上層からアルコール約8.4kgを含む回収アルコール水が1時間に約18.4kgが排出され、回収アルコール水槽8に導入された。
【0027】
回収アルコール水槽8の回収アルコール水6は、後述する抽出装置15からのアルコール水16と共に蒸留塔10に供給された。蒸留塔10には、アルコール約18.1kgを含むアルコール水が1時間当り約31.0kgが供給された。蒸留塔10の下部からは1時間当り10.0kgの水12が排出された。また、蒸留塔10の上部からの蒸発ガス11は凝縮器13にて全凝縮液化され、アルコール濃度約86.0重量%のアルコール水14が1時間当り約21.0kgが取り出され、抽出装置15に供給された。
【0028】
抽出装置15の上部からはアルコール濃度約76.7重量%のアルコール水16が1時間当り約12.6kgが取り出され、回収アルコール水槽8に導入された。下部からはアルコール濃度が約5重量%に上昇した水切り剤17が1時間当り約500kgが取り出され、水切り剤槽2に戻された。
【0029】
実施例3
水切り剤として、ターシャルアミルアルコールを4重量%含むヘクタフルオロシクロペンタンを用いて、図1に示されるプロセスに従って実施した。水切り処理槽1中に水に濡れた、金属加工成型品(以後"ワーク"という)を浸漬した。ワークは水に濡れた状態で浸漬され、1時間当り10kgの水が持ち込まれた。
【0030】
水切り処理槽1には水切り剤槽2からヘクタフルオロシクロペンタン濃度4重量%の水切り剤3が1時間当り500kgで供給された。ワークに付着していた水の99重量%が分離浮上した。浮上した水は水切り処理槽1から溢流する水切り剤と共に2層分離器5に導入された。2層分離器5の上層からアルコール約0.34kgを含む回収アルコール水が1時間に約10.3kgが排出され、回収アルコール水槽8に導入された。
【0031】
回収アルコール水槽8の回収アルコール水6は、後述する抽出装置15からのアルコール水16と共に蒸留塔10に供給された。蒸留塔10には、アルコール約0.35kgを含むアルコール水が1時間当り約10.5kgが供給された。蒸留塔10の下部からは1時間当り10.0kgの水12が排出された。また、蒸留塔10の上部から、アルコール濃度が約65.2重量%の蒸発ガス11が1時間当り約0.5kgが取り出され、抽出装置15に供給された。
抽出装置15の上部からはアルコール濃度約4.6重量%のアルコール水16が1時間当り約0.2kgが取り出され、回収アルコール水槽8に導入された。下部からはアルコール濃度が約5重量%に上昇した水切り剤17が1時間当り約500kgが取り出され、水切り剤槽2に戻された。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、水に濡れた被処理物の水切り処理工程から排出される水−アルコール−フッ素系溶剤を含む混合物を特定の工程を通じてクローズ化処理することにより、いずれの化学物質も廃棄することなく循環使用する新規な水切り処理方法が提供される。
更に、本発明によれば、有用な資源を有効活用し、環境対策上も有利であるとともに、生産された被洗浄物の仕上がりや品質に悪影響を与えることのない水切り処理方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施するための代表的なプロセスの概略を示す。
1:水切り処理槽 2:水切り剤槽
3:水切り剤: 4:排出液
5:2層分離器 6:回収アルコール水
7:回収水切り剤 8:回収アルコール水槽
9:回収アルコール水 10:蒸留塔
11:蒸発ガス 12:水
13:凝縮器 14:高濃度アルコール水
15:抽出装置 16:アルコール水
17:水切り剤 18:アルコール

Claims (5)

  1. 水に濡れた被処理物をアルコール含有フッ素系溶剤からなる水切り剤と接触させて被処理物に付着する水を切り離す水切り処理工程からの排出液を、回収アルコール水と回収水切り剤とに分離し、上記回収アルコール水を濃縮処理することにより高濃度アルコールを生成させ、該高濃度アルコールを上記回収水切り剤と接触させて高濃度アルコール中のアルコールを回収水切り剤に抽出させることにより、アルコール濃度が上昇した回収水切り剤と低濃度アルコール水とを生成させ、該アルコール濃度が上昇した回収水切り剤は上記水切り処理工程に循環使用することを特徴とする水に濡れた被処理物の水切り処理方法。
  2. 上記分離アルコール水の濃縮処理が蒸留処理であり、高濃度アルコールを高濃度アルコール水又は高濃度アルコール蒸気として生成させ、かつ高濃度アルコール水又は高濃度アルコール蒸気中のアルコール濃度が、回収水切り剤のアルコール濃度と平衡な濃度よりも高いが、含有アルコールと水との共沸混合物濃度以下である請求項1に記載の水に濡れた被処理物の水切り処理方法。
  3. フッ素系溶剤は、沸点が40〜90℃、水への溶解度が1000ppm以下であり、かつオゾン破壊係数が0である請求項1又は2に記載の水に濡れた被処理物の水切り処理方法。
  4. アルコールは、水との共沸点温度が95℃以下である請求項1、2又は3に記載の水に濡れた被処理物の水切り処理方法。
  5. 水に濡れた被処理物が、水系洗浄剤により洗浄された被洗浄物である請求項1〜4のいずれかに記載の水に濡れた被処理物の水切り処理方法。
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