JP4049853B2 - 伸縮ブームの同時伸縮機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
【0002】
本発明は、伸縮ブームの同時伸縮機構に関するものである。
【従来の技術】
【0003】
一般に、伸縮ブームの同時伸縮機構は、少なくともテレスコープ状に組付けられた三つのブーム、即ち、基端側ブームと該基端側ブームに伸縮自在に嵌挿された中間ブームと該中間ブームに伸縮自在に嵌挿された先端側ブームとを備えた伸縮ブームを対象とし、上記基端側ブームと中間ブームとを、該基端側ブームにピストンロッドの先端部を、上記中間ブームの基端部にシリンダチューブのロッド側端部を、それぞれ連結した伸縮用シリンダにより伸縮駆動可能とするとともに、上記伸縮用シリンダのボトム側端部に設けた伸側シーブにU字状に掛け回されるとともにその一端側が上記先端側ブームの基端部に、その他端が上記基端側ブーム側に設けた連結部材にそれぞれ固定された伸側ワイヤロープと、上記伸縮用シリンダのロッド側端部に設けた縮側シーブにU字状に掛け回されるとともにその一端側が上記先端側ブームの基端部に、その他端が上記連結部材にそれぞれ固定された縮側ワイヤロープとを備えて構成される。そして、上記伸縮ブームの縮小状態からの伸長動作時には、上記伸縮シリンダを伸長させて上記基端側ブームに対して上記中間ブームを伸長させると同時に、該中間ブームの伸長変位を上記伸側ワイヤロープを介して上記先端側ブームに伝達して該先端側ブームを上記中間ブームに対して伸長させる。また、上記伸縮ブームの伸長状態からの縮小動作時には上記伸縮シリンダを縮小させて上記基端側ブームに対して上記中間ブームを縮小させると同時に、該中間ブームの縮小変位を上記縮側ワイヤロープを介して上記先端側ブームに伝達して該先端側ブームを上記中間ブームに対して縮小させるようになっている。
【0004】
ところで、このような伸側ワイヤロープと縮側ワイヤロープとを用いた同時伸縮機構を備えた伸縮ブームにおいては、該各ワイヤロープの張力が適正でないと該各ワイヤロープを介して連結された上記中間ブームと先端側ブームの間においてガタツキが発生し、またこれら中間ブームと先端側ブームの相対位置、特にブーム最縮小状態での相対位置にバラツキが生じるため、工場出荷時に各ワイヤロープの張力調整、及び上記中間ブームと先端側ブームとの相対位置の調整を行うとともに、出荷後においても上記各ワイヤロープは伸縮ブームの伸縮動作時にブーム自重及び伸縮ブームの先端に吊下した吊荷重による張力を受けて長期の使用中に次第に伸びを生じることから、該各ワイヤロープの張力調整及び中間ブームと先端側ブームとの相対位置の調整を定期的に実施することが必要である。
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、従来の伸縮ブームの同時伸縮機構においては、上記伸側ワイヤロープと縮側ワイヤロープとがそれぞれ個別に配置され且つそれぞれ個別にワイヤ張力調整部材を備えていたため、ワイヤロープの張力調整を伸側ワイヤロープと縮側ワイヤロープのそれぞれにおいて個別に行う必要がある。また、上記中間ブームと先端側ブームの相対位置は、上記伸側ワイヤロープと縮側ワイヤロープとの間の有効長さの相対関係によって決定されるものであり、しかも上記中間ブームと先端側ブームとは相互に逆方向に作用する上記伸側ワイヤロープの張力と縮側ワイヤロープの張力との平衡によってその相対位置が保持されるものである。従って、中間ブームと先端側ブームとの相対位置の調整による伸縮ブームの最縮小位置の調整作業はワイヤロープの張力調整作業の延長上の作業として位置付けられる。
【0006】
このため、これら各調整作業を行う場合には、先ず最初に、上記伸側ワイヤロープと縮側ワイヤロープの張力調整を個別に行い、しかる後、伸側ワイヤロープを緩めると同時に縮側ワイヤロープを締める操作と、上記縮側ワイヤロープを緩めると同時に上記伸側ワイヤロープを締める操作とを交互に何回か繰り返して行い、最終的に最適な位置を見つけ出すこととなり、これら各調整作業が煩雑であり調整作業に時間がかかるという問題があった。
【0007】
そこで本発明では、伸縮ブームの同時伸縮機構において、ワイヤロープの張力調整作業とブームの位置調整作業とを切り離してこれらをそれぞれ個別に行い得るようにすることで各調整作業の簡略化及び作業性の向上を図ることを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明ではかかる課題を解決するための具体的手段として、基端側ブーム3と該基端側ブーム3に伸縮自在に嵌挿された中間ブーム4と該中間ブーム4に伸縮自在に嵌挿された先端側ブーム5とを備えてなる伸縮ブーム1の上記基端側ブーム3の基端部3aにそのピストンロッド7Bの先端部を連結すると共に上記中間ブーム4の基端部4aにそのシリンダチューブ7Aのピストンロッド側端部を連結した状態で上記伸縮ブーム1内に内装配置された伸縮用シリンダ7と、上記伸縮シリンダ7における上記シリンダチューブ7Aのボトム側端部に配置された伸側シーブ11と、上記伸縮シリンダ7における上記シリンダチューブ7Aのピストンロッド側端部に配置された縮側シーブ12と、その基端部29aを上記基端側ブーム3の基端部3aに連結した状態で上記伸縮ブーム1内に該伸縮ブーム1の軸方向に向けて内装配置された連結部材29と、上記伸側シーブ11にU字状に掛け回された状態で上記連結部材29の先端部29bと上記先端側ブーム5の基端部5aとの間に張設された伸側ワイヤロープ13と、上記縮側シーブ12にU字状に掛け回された状態で上記連結部材29の先端部29bと上記先端側ブーム5の基端部5aとの間に張設された縮側ワイヤロープ14とを備え、上記伸縮シリンダ7の伸縮動作により上記基端側ブーム3に対して上記中間ブーム4を伸縮させると同時に、該中間ブーム4の伸縮変位を上記伸側ワイヤロープ13又は縮側ワイヤロープ14を介して上記先端側ブーム5に伝達して該先端側ブーム5を上記中間ブーム4に対して伸縮させるようにした伸縮ブームの同時伸縮機構において、上記連結部材29の先端部29bに位置調整部材22を介して可動部材16を連結し、該可動部材16を上記位置調整部材22により上記伸縮シリンダ7の軸方向に位置調整可能なる如くする一方、上記伸側ワイヤロープ13の連結部材側端部13aと上記縮側ワイヤロープ14の連結部材側端部14aとをそれぞれ上記可動部材16を介して上記連結部材29の先端部29bに連結するとともに該伸側ワイヤロープ13の連結部材側端部13aと上記縮側ワイヤロープ14の連結部材側端部14aの少なくともいずれか一方にワイヤ張力調整部材21を取り付けたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の伸縮ブームの同時伸縮機構によれば、上記伸側シーブ11にU字状に掛け回された上記伸側ワイヤロープ13と、上記縮側シーブ12にU字状に掛け回された上記縮側ワイヤロープ14とが、共に上記先端側ブーム5の基端部5aと上記連結部材29の先端部29aに設けた上記可動部材16との間に張設されることで上記伸側ワイヤロープ13と縮側ワイヤロープ14とがループ状となっており、しかも該伸側ワイヤロープ13の連結部材側端部13aと該縮側ワイヤロープ14の連結部材側端部14aのいずれか一方にワイヤ張力調整部材21が備えられているので、上記伸縮ブーム1を縮小させた状態で上記ワイヤ張力調整部材21を操作することで、該ワイヤ張力調整部材21による調整力が上記伸側ワイヤロープ13と縮側ワイヤロープ14の双方に伝達され、上記伸側ワイヤロープ13と縮側ワイヤロープ14との張力調整が同時に行われ、該伸側ワイヤロープ13の張力と縮側ワイヤロープ14の張力とが平衡状態とされ、且つその調整後の張力がそのまま保持されることになる。
【0010】
一方、張力調整が完了した時点で、上記位置調整部材22を操作して上記可動部材16を適宜移動させることで、上記ワイヤ張力調整部材21による張力調整状態が維持されたまま上記伸側ワイヤロープ13と縮側ワイヤロープ14とが相対移動し、上記中間ブームと先端側ブームとの間の位置調整が行われる。
【0011】
従って、上記伸側ワイヤロープ13と縮側ワイヤロープ14の張力調整がワイヤ張力調整部材21の操作のみによって同時に行われることで、例えば従来のように上記各ワイヤロープの張力調整をそれぞれ個別に行う必要がある場合に比して、張力調整作業の簡易且つ迅速化が図られる。また、この張力調整とブームの位置調整とが別個の操作とされ且つ位置調整作業に際しては上記伸側ワイヤロープ13及び縮側ワイヤロープ14の張力が何ら影響しないことから、例えば従来のように位置調整に張力調整作業が関与するような場合に比して、該位置調整作業の簡易且つ迅速化が図られる。これら両者の相乗効果として、伸縮ブームの同時伸縮機構全体としての調整作業の簡易且つ迅速化が図られるものである。
【発明の実施の形態】
【0012】
以下、本発明にかかる伸縮ブームの同時伸縮機構を好適な実施形態に基づいて具体的に説明する。
【0013】
図1には、本発明にかかる同時伸縮機構を備えたトラッククレーン用の四段伸縮式ブーム1を示しており、同図において符号2は最基端側に位置する一段目ブーム、3は該一段目ブーム2に対して伸縮可能に嵌挿配置された二段目ブーム、4は該二段目ブーム3に対して伸縮可能に嵌挿配置された三段目ブーム、5は該三段目ブーム4に対して伸縮可能に嵌挿配置された四段目ブームである。尚、次述する同時伸縮機構Zは先端側の三つのブーム、即ち、上記二段目ブーム3〜四段目ブーム5の間に設けられて該二段目ブーム3に対して上記三段目ブーム4と四段目ブーム5とを同時伸縮させる如く機能するものであり、従ってこの実施形態においては、上記二段目ブーム3が特許請求の範囲中の「基端側ブーム」に、上記三段目ブーム4が特許請求の範囲中の「中間ブーム」に、さらに上記四段目ブーム5が特許請求の範囲中の「先端側ブーム」に、それぞれ該当する。
【0014】
尚、上記四段目ブーム5は、その先端部5bにブームヘッド5cを備えるとともに、該先端部5bの前面壁には所定大きさの作業用開口30が形成されている。
【0015】
各部材の構成
上記同時伸縮機構Zは、次述の第1伸縮用シリンダ6と第2伸縮用シリンダ7と実施形態の伸縮ワイヤ機構10とを備えて構成される。尚、上記第1伸縮用シリンダ6は、次述のように、上記一段目ブーム2に対して上記二段目ブーム3を伸縮駆動する機能をもつものであって、その本来的な機能(伸縮駆動機能)は伸縮ブームの同時伸縮作用には全く関与せず、この意味においてこの第1伸縮用シリンダ6は上記同時伸縮機構Zの構成要素とはならないが、これが後述する支持杆体8と一体となって連結部材29として機能することで初めて上記同時伸縮機構Zの構成要素となるものである。
【0016】
上記第1伸縮用シリンダ6は、図1及び図2に示すように、そのシリンダチューブ6Aのボトム側端部に該端部からその軸方向後方へ延出させて所定長さの支持杆体8を一体的に取り付けるとともに、そのシリンダチューブ6Aのロッド側端部にはピン孔18aを備えたブラケット18を該シリンダチューブ6Aの径方向外方へ延出するようにして一体的に取り付けている。
【0017】
この第1伸縮用シリンダ6は、そのピストンロッド6Bの先端部を枢支軸25により上記一段目ブーム2の基端部2aの側板に枢支するとともに、上記ブラケット18をその両側面にそれぞれ設けた左右一対のピン孔18a,18aに嵌挿される左右一対の枢支軸24,24により上記二段目ブーム3の基端部3aの側板に枢支されることで、上記伸縮ブーム1の内部に且つ該伸縮ブーム1の軸心に沿う方向に向けて取り付けられる。
【0018】
また、上記ブラケット18には、該ブラケット18を上記第1伸縮用シリンダ6の軸方向と平行な方向に貫通して四個のボルト孔18b,18b,・・が四辺形の各頂点にそれぞれ位置するようにして形成されている。そして、この各ボルト孔18a,18a,・・が開口する上記ブラケット18の前面18bには、次述する第2伸縮用シリンダ7のピストンロッド7Bの先端部に設けたフランジ28が衝合され、該フランジ28は上記各ボルト孔18b,18b,・・にそれぞれ嵌挿される固定ボルト27,27,・・により、該ブラケット18と一体的に締結固定される。さらに、上記第1伸縮用シリンダ6のシリンダチューブ6Aは、上記ブラケット18を介して上記二段目ブーム3の基端部3aに枢支されることで第1伸縮用シリンダ6の伸縮作動に拘わらず上記二段目ブーム3との相対位置が常時一定に保持されており、該シリンダチューブ6Aはこれと一体化された上記支持杆体8とともに連結部材29を構成している。
【0019】
上記第2伸縮用シリンダ7は、図1及び図2に示すように、上記二段目ブーム3に対して上記三段目ブーム4を伸縮駆動させるものであって、そのピストンロッド7Bの先端部は、上述のように上記フランジ28を介して上記第1伸縮用シリンダ6のブラケット18と一体化され且つ該第1伸縮用シリンダ6と共に上記枢支軸24,24により上記二段目ブーム3の基端部3aの側板に枢支される。また、該第2伸縮用シリンダ7のシリンダチューブ7Aのロッド側端部は、その両側部にそれぞれ設けたボス20,20に嵌挿される枢支軸26,26により上記三段目ブーム4の基端部4aに枢支されている。
【0020】
さらに、上記シリンダチューブ7Aの上記各ボス20,20の外側位置には、上記各枢支軸26,26により回転自在に支持された状態で左右一対の縮側シーブ12,12が軸支される一方、該シリンダチューブ7Aのボトム側端部には該端部から軸方向後方へ延出させて支持杆体9が一体的に取り付けられている。そして、この支持杆体9には、左右方向へそれぞれ延出させてシーブ支持軸19,19が取り付けられている。また、上記各シーブ支持軸19,19には、それぞれ伸側シーブ11,11が回転自在に取り付けられている。
【0021】
上記伸縮ワイヤ機構10は、次述のように、伸側ワイヤロープ13と縮側ワイヤロープ14と索端折返し部材15及び可動部材16とで構成されている。尚、説明の便宜上、先ず最初に上記索端折返し部材15と可動部材16についてその構造を説明し、しかる後、上記伸側ワイヤロープ13及び縮側ワイヤロープ14のワイヤリングについて説明する。
【0022】
上記索端折返し部材15は、略半円板状形態をもち且つその円弧側を相互に対向させた状態で配置される伸側折返しシーブ15Aと縮側折返しシーブ15Bとを備えて構成され、上記四段目ブーム5の基端部5aの天板内面に固定されている。
【0023】
上記可動部材16は、所定長さの杆体で構成されるものであって、その長さ方向の中央部には外方に向けて突出する所定長さのボルト22aが取り付けられている。そして、この可動部材16は、上記ボルト22aを、上記支持杆体8のブラケット17に設けたボルト孔17aに対して上記第1伸縮用シリンダ6側から挿通させ且つ該ブラケット17を挟んでその両側からそれぞれナット22b,22b,22bを螺合することで、上記ブラケット17に結合されるとともに、上記各ナット22b,22b,22bの螺回操作によって上記ブラケット17との間隔(換言すれば、上記第1伸縮用シリンダ6、延いては上記二段目ブーム3との相対位置)が変更調整される。尚、この実施形態のものにおいては、上記ボルト22aと各ナット22b,22b,22bとにより特許請求の範囲中の「位置調整部材22」が構成されている。
【0024】
さらに、上記可動部材16の上記ボルト22aの左右両側位置には、上記縮側ワイヤロープ14の両端14a,14aに対してそれぞれその一端がカシメ加工により連結されて該両端14a,14aと一体化された一対のボルト21a,21aが、上記可動部材16を上記ボルト22aと略平行な方向に貫通した状態で配置されるとともに、該各ボルト21a,21aの先端側にはそれぞれナット21b,21bが螺合されている。従って、上記各ナット21b,21bを螺回操作することで、上記各ボルト21a,21aはそれぞれ上記可動部材16に対して進退変位し、上記縮側ワイヤロープ14(間接的には上記伸側ワイヤロープ13)の張力を調整する機能をもつ。尚、この実施形態においては、上記各ボルト21a,21aと各ナット21b,21bとにより特許請求の範囲中の「ワイヤ張力調整部材21」が構成される。
【0025】
上記伸側ワイヤロープ13は、図2に示すように、二つ折り状にして上記索端折返し部材15の上記伸側折返しシーブ15Aと上記可動部材16との間に配置されるものであって、その二つ折り部13bを上記伸側折返しシーブ15Aに掛け回すとともに、該伸側折返しシーブ15Aから引き出された二つ折りの各部分をそれぞれ左右一対の上記伸側シーブ11,11に対してその上側からU字状に掛け回した後、その端部13a,13aをそれぞれ上記可動部材16に固定している。
【0026】
上記縮側ワイヤロープ14は、図2に示すように、二つ折り状にして上記索端折返し部材15の上記縮側折返しシーブ15Bと上記可動部材16との間に配置されるものであって、その二つ折り部14bを上記縮側折返しシーブ15Bに掛け回すとともに、該縮側折返しシーブ15Bから引き出された二つ折りの各部分をそれぞれ左右一対の上記縮側シーブ12,12に対してその上側からU字状に掛け回した後、その端部14a,14aにそれぞれ一体的に連結固定された上記各ワイヤ張力調整部材21,21の各ボルト21a,21aを上記可動部材16に固定している。
【0027】
各調整作業の説明
上述の如く構成された同時伸縮機構Zを備えた伸縮ブーム1においては、例えば図1に示す如き最縮小姿勢からをこれを伸長させる場合には、上記第1伸縮用シリンダ6と上記第2伸縮用シリンダ7とを同時作動あるいは順次作動させる。この場合、上記第2伸縮用シリンダ7の伸長動作により上記二段目ブーム3に対して上記三段目ブーム4が伸長すると同時に、この二段目ブーム3と三段目ブーム4の相対位置の変化が上記伸側ワイヤロープ13の張力を介して上記四段目ブーム5に伝達され、該四段目ブーム5は上記三段目ブーム4の伸長速度の2倍の速度で伸長し、これによって上記三段目ブーム4と四段目ブーム5の同時伸長が実現される。また逆に、伸長状態にある伸縮ブーム1を縮小させる場合には、上記第2伸縮用シリンダ7が縮小動作することで上記二段目ブーム3に対して上記三段目ブーム4が縮小作動すると同時に、この二段目ブーム3と三段目ブーム4の相対位置の変化が上記縮側ワイヤロープ14の張力を介して上記四段目ブーム5に伝達され、該四段目ブーム5は上記三段目ブーム4の縮小速度の2倍の速度で縮小し、これによって上記三段目ブーム4と四段目ブーム5の同時縮小が実現される。
【0028】
ところで、かかる三段目ブーム4と四段目ブーム5の同時伸縮が円滑に且つガタツキなく行われるためには上記伸側ワイヤロープ13と縮側ワイヤロープ14の張力が適正状態に調整されていること、具体的にはこれら各ワイヤロープ13,14に必要以上の弛みがないことが必要であり、また伸縮ブーム1の最縮小状態における長さを規定長さに常時維持するためには、上記伸側ワイヤロープ13及び縮側ワイヤロープ14の長さ変化によって相対位置が変化する上記三段目ブーム4と四段目ブーム5の相対位置が適正となるように位置調整を行うこと、具体的には図1において符号Sで示すように最縮小位置において相互に近接対向する上記三段目ブーム4の先端面と上記四段目ブーム5側のブームヘッド5cの内側端面との間隔を適正値(例えば、「零」)に設定することが必要である。
【0029】
かかる二つの調整作業を相互に独立した作業としてそれぞれ容易且つ迅速に行えることが本願発明の特徴である。以下、これら各調整作業の仕方についてそれぞれ具体的に説明する。
【0030】
この実施形態のものにおいては、先ず各ワイヤロープ13,14の張力調整作業を行い、この張力調整作業の完了後にブーム位置調整作業を行うようになっている。
【0031】
準備作業
上記各調整作業に際しては、先ず、その準備作業として、上記伸縮ブーム1を最縮小状態とした後、上記四段目ブーム5の先端面に設けた上記作業用開口30から手を差し入れて上記位置調整部材22のナット22bを適宜緩めて上記可動部材16が伸縮ブーム1の基端寄りに移動できる状態とする。そして、この状態で、例えば手動操作により上記四段目ブーム5を伸長側に引き出し、図1に示すように上記三段目ブーム4の先端面と上記四段目ブーム5側の上記ブームヘッドの内側端面との間に、目標とする適正間隔Sよりも大きめの間隔をもたせる。
【0032】
尚、この操作により上記可動部材16は作業前の位置よりもブーム基端寄りに移動するが、この可動部材16の移動後においても、該可動部材16のブーム基端寄りへの移動代が残存しているように上記ワイヤ張力調整部材21の緩め量を決定する。
【0033】
張力調整作業
準備作業の各完了後、張力調整作業に移る。先ず、上記四段目ブーム5の先端部5bの先端面に設けた上記作業用開口30から手を差し入れて、左右一対の上記各ワイヤ張力調整部材21,21のナット21b,21bをそれぞれ適宜螺回操作して上記ボルト21a,21aを上記可動部材16に対して適宜進退変位させる。すると、このワイヤ張力調整部材21の操作によって上記縮側ワイヤロープ14の張力が調整されてその弛みが解消される。また、この縮側ワイヤロープ14の張力調整に伴って上記可動部材16がブーム基端寄りに引き寄せられるが、この場合、上記縮側ワイヤロープ14と伸側ワイヤロープ13とが上記可動部材16を介して連結されることでこれら両者がループ状となっているため、該縮側ワイヤロープ14の張力調整に伴う上記可動部材16のブーム先端寄りへの移動に伴って上記伸側ワイヤロープ13の張力調整が行われその弛みが解消される。即ち、上記ワイヤ張力調整部材21の操作によって上記伸側ワイヤロープ13と縮側ワイヤロープ14の張力調整が同時に行われるものである。
【0034】
ブーム位置調整作業
張力調整が終了した後、これに引き続いてブーム位置調整作業を行う。このブーム位置調整作業に際しては、先ず、上記四段目ブーム5の作業用開口30から手を差し入れて上記位置調整部材22のナット22bを締め込む。このナット22bの締め込み操作により上記可動部材16がブーム先端寄りに次第に引き寄せられ、上記縮側ワイヤロープ14の張力により上記四段目ブーム5がブーム基端寄りに移動し、該四段目ブーム5側の上記ブームヘッド5cと上記三段目ブーム4の先端面との間隔が次第に縮小変化し、該間隔が適正間隔Sに近づけられる。該間隔が上記適正間隔Sに合致した時点で、上記位置調整部材22の操作を停止する。これでブーム位置調整作業が完了する。
【0035】
このように、この実施形態のものにおいては、上記伸側ワイヤロープ13と縮側ワイヤロープ14の張力調整がワイヤ張力調整部材21の操作のみによって同時に行われるので、例えば従来のように上記各ワイヤロープの張力調整をそれぞれ個別に行う必要がある場合に比して、張力調整作業の簡易且つ迅速化が図られる。また、この張力調整とブーム位置調整とが別個の操作とされ且つ位置調整作業に際しては上記伸側ワイヤロープ13及び縮側ワイヤロープ14の張力が何ら影響しないことから、例えば従来のように位置調整に張力調整作業が関与するような場合に比して、該位置調整作業の簡易且つ迅速化が図られる。これら両者の相乗効果として、伸縮ブームの同時伸縮機構全体としての調整作業の簡易且つ迅速化が図られるものである。
【0036】
その他
(1)上記実施形態においては、上記ワイヤ張力調整部材21を上記縮側ワイヤロープ14側のみに設けているが、本願発明はかかる構成に限定されるものではなく、例えば上記ワイヤ張力調整部材21を上記伸側ワイヤロープ13側のみに設けたり、該ワイヤ張力調整部材21を上記伸側ワイヤロープ13と縮側ワイヤロープ14の双方に設けることもできるものである。
【0037】
(2)上記実施形態においては、上記ワイヤ張力調整部材21を上記縮側ワイヤロープ14の両端14a,14aにそれぞれ設けているが、他の実施形態においては該ワイヤ張力調整部材21を上記縮側ワイヤロープ14の両端14a,14aのいずれか一方のみに設けることもできるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる同時伸縮機構が備えられた伸縮ブームの断面図である。
【図2】 本発明にかかる同時伸縮機構を構成する各要素の分解斜視図である。
【符号の説明】
1は伸縮ブーム、2は一段目ブーム、3は二段目ブーム(基端側ブーム)、4は三段目ブーム(中間ブーム)、5は四段目ブーム(先端側ブーム)、6及び7は伸縮用シリンダ、8及び9は支持杆体、10は伸縮ワイヤ機構、11は伸側シーブ、12は縮側シーブ、13は伸側ワイヤロープ、14は縮側ワイヤロープ、15は索端折返し部材、15Aは伸側折返しシーブ、15Bは縮側折返しシーブ、16は可動部材、17及び18はブラケット、19はシーブ支持軸、20はボス、21はワイヤ張力調整部材、22は位置調整部材、23〜26は枢支軸、27は固定ボルト、28はフランジ、29は連結部材、30は作業用開口である。

Claims (1)

  1. 基端側ブーム(3)と該基端側ブーム(3)に伸縮自在に嵌挿された中間ブーム(4)と該中間ブーム(4)に伸縮自在に嵌挿された先端側ブーム(5)とを備えてなる伸縮ブーム(1)の上記基端側ブーム(3)の基端部(3a)にそのピストンロッド(7B)の先端部を連結すると共に上記中間ブーム(4)の基端部(4a)にそのシリンダチューブ(7A)のピストンロッド側端部を連結した状態で上記伸縮ブーム(1)内に内装配置された伸縮用シリンダ(7)と、
    上記伸縮シリンダ(7)における上記シリンダチューブ(7A)のボトム側端部に配置された伸側シーブ(11)と、
    上記伸縮シリンダ(7)における上記シリンダチューブ(7A)のピストンロッド側端部に配置された縮側シーブ(12)と、
    その基端部(29a)を上記基端側ブーム(3)の基端部(3a)に連結した状態で上記伸縮ブーム(1)内に該伸縮ブーム(1)の軸方向に向けて内装配置された連結部材(29)と、
    上記伸側シーブ(11)にU字状に掛け回された状態で上記連結部材(29)の先端部(29b)と上記先端側ブーム(5)の基端部(5a)との間に張設された伸側ワイヤロープ(13)と、
    上記縮側シーブ(12)にU字状に掛け回された状態で上記連結部材(29)の先端部(29b)と上記先端側ブーム(5)の基端部(5a)との間に張設された縮側ワイヤロープ(14)とを備え、
    上記伸縮シリンダ(7)の伸縮動作により上記基端側ブーム(3)に対して上記中間ブーム(4)を伸縮させると同時に、該中間ブーム(4)の伸縮変位を上記伸側ワイヤロープ(13)又は縮側ワイヤロープ(14)を介して上記先端側ブーム(5)に伝達して該先端側ブーム(5)を上記中間ブーム(4)に対して伸縮させるようにした伸縮ブームの同時伸縮機構であって、
    上記連結部材(29)の先端部(29b)に位置調整部材(22)を介して可動部材(16)を連結し、該可動部材(16)を上記位置調整部材(22)により上記伸縮シリンダ(7)の軸方向に位置調整可能なる如くする一方、
    上記伸側ワイヤロープ(13)の連結部材側端部(13a)と上記縮側ワイヤロープ(14)の連結部材側端部(14a)とをそれぞれ上記可動部材(16)を介して上記連結部材(29)の先端部(29b)に連結するとともに、上記伸側ワイヤロープ(13)の連結部材側端部(13a)と上記縮側ワイヤロープ(14)の連結部材側端部(14a)の少なくともいずれか一方にワイヤ張力調整部材(21)を取り付けたことを特徴とする伸縮ブームの同時伸縮機構。
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