JP4048695B2 - 半導体混晶層の製造方法、及び半導体デバイスと半導体発光素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特にAlGaInP系赤色半導体レーザ等の半導体発光素子の製造に好適な半導体混晶層の製造方法、及び半導体デバイスと半導体発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体レ−ザ(LD)などの半導体発光素子の素子特性や信頼性を向上させるためには、発熱による特性や結晶の劣化を防止することが重要である。そのためには素子抵抗を小さくし、より低電圧で駆動させることが有効である。赤色あるいは青色の半導体レ−ザは光ディスク用の光源として大きな需要が見込まれているが、これらのレ−ザは駆動電圧が高いという問題がある。また、これらの半導体レ−ザにおいては、結晶成長時あるいは素子プロセス時に取り込まれた水素がド−パントを不活性化することが知られており、それによって素子抵抗や駆動電圧が増大するという問題がある。
【0003】
このような問題を解決する従来例として、LD素子のpコンタクト層とpクラッド層との間に中間の禁制帯幅を有するp型半導体層(以下、ヘテロ障壁緩和層という)を導入してヘテロ障壁を緩和し、ホ−ルの注入を容易にし、素子を低電圧動作かつ低抵抗化する例がある。
例えば、特開昭63−081884号公報には、「赤色半導体レ−ザ素子」として、p−GaAs(ガリウム・ヒ素)コンタクト層とp−AlGaInP(アルミニウム・ガリウム・インジウム・リン)クラッド層との間に中間の禁制帯幅を有するp−GaInP中間コンタクト層(ヘテロ障壁緩和層)が導入されたものが記載されている。
【0004】
この赤色半導体レーザの製造方法としては、まずMOCVD法によりn−GaAs基板上にn−GaAs第1バッファ層、n−InGaP第2バッファ層等を順次成長してダブルへテロウエハを形成する。続いて、p−AlGaInPクラッド層とp−GaInP中間コンタクト層とを成長し、写真蝕刻により幅5μmのストライプ状マスクを形成する。次いで,臭化水素酸と臭素と水との混合液によりエッチングしてストライプ状のp−GaInP中間コンタクト層を形成する。
【0005】
次に、p−AlGaInPクラッド層を途中までエッチングして,メサストライプ(断面形状がメサ状となったストライプ部)を形成する。次いでP(燐)とInとの蒸気雰囲気中にてウエハを800℃程度に加熱保持することにより表面酸化膜を除去した後、MOCVD法により全面にp−GaAsコンタクト層を成長させることにより、上記赤色半導体レーザが作製される。
【0006】
同様の構造は、例えば、エレクトロニクス・レターズ(1987年、第23巻、938頁−939頁)やエレクトロニクス・レターズ(1993年、第29巻、1010頁−1011頁)に報告されている。
【0007】
ヘテロ障壁をさらに小さくした従来例として、例えば、特開平5−183228号公報には、「半導体発光装置」として、p−GaAsコンタクト層とp−GaInPヘテロ障壁緩和層との間にグレ−ディットなInGaAsP層あるいはAlGaAs層を導入して、ヘテロ障壁を解消あるいは減少させた構造が記載されている。
【0008】
なお、従来の半導体発光素子における動作時のヘテロ障壁緩和層付近のバンド構造図を図16に示す。この従来の場合、p−GaAsコンタクト層1501とp−GaInPヘテロ障壁緩和層1502とp−AlGaInPクラッド層1503との間にヘテロ障壁1505とヘテロ障壁1506とがあるためホ−ル注入が妨げられ、電位差V1506が生じる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
InGaAsPグレ−ディット層を用いた場合、InGaAsPグレ−ディット層をGaAs基板に格子整合させるには、AsとPのV族元素の組成制御に高度な技術を必要とするため、安定した再現性が要求される大量生産には適していないという問題がある。
また、他の従来技術としては、単純に、p−GaAsコンタクト層、p−GaInPヘテロ障壁緩和層、p−AlGaInPクラッド層に高濃度のZnド−ピングを行って、素子抵抗を低減する方法がある。しかし、そのような方法では、p−GaAsコンタクト層の成長中にpクラッド層のZnが活性層へ拡散し、著しく素子の特性を低下させるという問題が生じてしまう。
このように、従来例では、結晶成長に問題があり、低抵抗で駆動電圧の小さい素子を歩留まりよく作製するのが困難である。赤色半導体レ−ザは、近年、膨大な需要があり、大量生産が容易に行えることが要求されている。したがって、動作特性や信頼性などの特性を維持したまま、成長後やプロセス後の高い素子歩留まりを実現し、素子作製の費用を低減する必要がある。
【0010】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、グレ−ディット層の組成制御を高精度かつ安定した再現性をもって行うことができ、赤色半導体レ−ザ素子等において、p−AlGaInPクラッド層又はその上に形成される燐化合物半導体層とp−GaAsコンタクト層との間のヘテロ障壁を低減又は解消し、動作電圧及び素子抵抗を低くして、良好な温度特性と高い信頼性と共に、生産が容易な低コストな素子を実現することができる半導体混晶層の製造方法、及び半導体デバイスと半導体発光素子を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するため、以下の構成を採用した。すなわち、本発明の半導体混晶層の製造方法では、第1半導体層と該第1半導体層よりもバンドギャップの大きい第2半導体層とを複数層交互に組み合わせると共に第1半導体層の層厚を徐々に小さくすると同時に第2半導体層の層厚を徐々に大きくしてチャープ超格子構造体を形成する工程と、前記チャープ超格子構造体にp型又はn型のドーパントを添加する工程と、前記ドーパントを添加する工程後に熱アニール処理を施して前記第1半導体層と前記第2半導体層とを構成する母体原子の相互拡散を促進させて超格子構造を無秩序化する工程とを備えたことを特徴とする。
【0012】
この半導体混晶層の製造方法では、チャープ超格子構造体にp型又はn型のドーパントを添加した後に、熱アニール処理を施して第1半導体層と第2半導体層とを構成する母体原子の相互拡散を促進させて超格子構造を無秩序化するので、加熱作用により2つの半導体層が相互拡散すると組成が均一に変化していき、層厚の異なる2種類の層が少しずつ減少あるいは増大するように互い違いに組み合わされているチャープ超格子が無秩序化されて、層厚方向に連続的にエネルギバンドが変化したグレ−ディット構造の半導体混晶層を容易に作製することができる。
【0013】
本発明の半導体混晶層の製造方法では、価電子帯エネルギ準位が層厚方向に段階的に大きくなる複数の半導体層を積層してステップ超格子構造体を形成する工程と、前記ステップ超格子構造体にp型又はn型のドーパントを添加する工程と、前記ドーパントを添加する工程後に熱アニール処理を施して前記各半導体層を構成する母体原子の相互拡散を促進させて各半導体層界面近傍で組成変化を生じさせ又は超格子構造を無秩序化する工程とを備えたこと特徴とする。
【0014】
この本発明の半導体混晶層の製造方法では、ステップ超格子構造体にp型又はn型のドーパントを添加した後に熱アニール処理を施し、各半導体層を構成する母体原子の相互拡散を促進させて各半導体層界面近傍で組成変化を生じさせ又は超格子構造を無秩序化するので、ステップ超格子が価電子帯エネルギ準位の層厚方向に連続的に変化する波形又は直線形のグレ−ディット構造に変化する。すなわち、ステップ超格子の界面近傍の組成変化は緩やかに連続的であり、ステップ超格子が完全に失われていないグレーディット構造又はステップ超格子が完全に無秩序化された直線型のグレ−ディット構造に変化する。
【0015】
また、本発明の半導体混晶層の製造方法では、前記ドーパントを添加する工程での前記ドーパントの添加量又は前記熱アニール処理を施す工程での加熱時間及び温度の少なくとも一方を制御し、価電子帯エネルギ準位の層厚方向の分布を制御することを特徴とする。
【0016】
この本発明の半導体混晶層の製造方法では、前述したステップ超格子が完全に失われていないグレーディット構造を、ド−ピング量や加熱時間を比較的小さくして得ることができ、ヘテロ界面近傍の価電子帯のヘテロ障壁を低減できる。また、前述したステップ超格子が完全に無秩序化された直線型のグレ−ディット構造を、ド−ピング量や加熱時間と温度を前者の場合(ステップ超格子が完全に失われていない場合)よりも大きくすれば、ステップ超格子の界面近傍の組成変化はさらに緩やかになり、最終的にはステップ超格子が完全に無秩序化されて得られる。したがって、本製造方法では、ド−ピング量や加熱時間と温度を制御することにより、波形から直線形までの所望のグレ−ディット構造が得られる。
【0017】
また、本発明の半導体混晶層の製造方法では、前記ドーパントを添加する工程において、前記チャープ超格子構造体又は前記ステップ超格子構造体の超格子界面およびその近傍にその周囲より高濃度のド−ピングが施されることが好ましい。
この半導体混晶層の製造方法では、チャープ超格子構造体又はステップ超格子構造体の超格子界面およびその近傍にその周囲より高濃度のド−ピングを施すことにより、チャープ超格子やステップ超格子の無秩序化をさらに促進することができる。
【0018】
また、本発明の半導体混晶層の製造方法では、前記ドーパントを添加する工程において、p型のドーパントを5×1017cm-3から5×1019cm-3の範囲内で添加することが好ましい。
この半導体混晶層の製造方法では、ドーパントを添加する工程において、p型のドーパントを5×1017cm-3から5×1019cm-3の範囲内で添加することにより、チャープ超格子構造の無秩序化又はステップ超格子界面の組成変化を確実に行うことができる。
【0019】
さらに、本発明の半導体混晶層の製造方法では、前記ドーパントを添加する工程において、少なくとも前記p型のドーパントとしてZnを1×1018cm-3から6×1018cm-3の範囲内で添加することが好ましい。
この半導体混晶層の製造方法では、ドーパントを添加する工程において、少なくともp型のドーパントとしてZnを1×1018cm-3から6×1018cm-3の範囲内で添加することにより、1時間程度の埋め込み成長でグレーディット半導体層が得られるため、グレーディット化のための特別なプロセスを追加する必要が無い。
【0020】
また、本発明の半導体デバイスでは、半導体混晶層を有する半導体デバイスであって、前記半導体混晶層が、上記本発明の半導体混晶層の製造方法により形成されたことを特徴とする。
この半導体デバイスでは、半導体混晶層が、上記本発明の半導体混晶層の製造方法により形成されているので、グレ−ディット構造の半導体混晶層における組成が高精度かつ安定した再現性をもって得られる。
【0021】
本発明の半導体発光素子は、p型コンタクト層とp型クラッド層との間にp型の半導体混晶層を有する半導体発光素子であって、前記半導体混晶層は、上記本発明の半導体混晶層の製造方法により形成されたことを特徴とする。
この半導体発光素子では、p型コンタクト層とp型クラッド層との間のp型半導体混晶層が、上記本発明の半導体混晶層の製造方法により形成されているので、ヘテロ障壁緩和層として組成が高精度に制御されたp型半導体混晶層が得られ、p型コンタクト層とp型クラッド層との間のヘテロ障壁を低減又は解消し、動作電圧及び素子抵抗を低くして、良好な温度特性と高い信頼性と共に、生産が容易な低コストな素子を実現することができる。
【0022】
また、本発明の半導体発光素子では、前記p型コンタクト層から前記p型クラッド層にかけて層厚方向に価電子帯エネルギ準位が連続的に変化していることが好ましい。
この半導体発光素子では、p型コンタクト層からp型クラッド層にかけて層厚方向に価電子帯エネルギ準位が連続的に変化しているので、ホール注入の障害になる半導体層間のヘテロ障壁をさらに低減または消滅させることができる。
【0023】
また、本発明の半導体発光素子では、前記半導体混晶層が、GaAs基板に格子整合するInAlGaAsP混晶層やGaAs基板に格子整合するInGaAsP混晶層とAlGaInP混晶層との2層を少なくとも有する場合に好適である。すなわち、この半導体発光素子では、ヘテロ障壁緩和層として5元混晶であるInAlGaAsP混晶層や4元混晶であるInGaAsP混晶層とAlGaInP混晶層の2層においても、高精度に組成制御が行われて良好な特性を得ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る半導体混晶層の製造方法及び半導体発光素子(半導体デバイス)の第1実施形態を、図1から図4を参照しながら説明する。
【0025】
本実施形態の半導体発光素子は、AlGaInP系赤色半導体レーザであって、図1に示す立体構造を有している。この半導体レーザは、図1に示すように、Siドープn型GaAs基板1上に、n−GaAsバッファ層2(層厚0.5μm)と、n−(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pクラッド層3(層厚1.2μm)と、(Al0.5Ga0.5)0.5In0.5P光ガイド層4(層厚0.05μm)と、活性層5としてGa0.58In0.42Pウェル(層厚6nm:4層)及び(Al0.5Ga0.5)0.5In0.5Pバリア(層厚5nm:3層)からなる歪多重量子井戸構造活性層層5と、(Al0.5Ga0.5)0.5In0.5P光ガイド層6(層厚0.05μm)と、p−(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pクラッド層7(層厚0.2μm)と、p−(Al0.2Ga0.8)0.5In0.5Pエッチングストッパ(停止)層8(層厚0.02μm)と、p−(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pクラッド層9(層厚1.2μm)と、p型ヘテロ障壁緩和層10(層厚60nm)と、p−GaAsコンタクト層11(層厚0.3μm)と、n−GaAs電流ブロック層12(層厚0.6μm)と、p−GaAsコンタクト層13(層厚1.0μm)と、n電極14と、p電極15とからなるリッジ埋め込み構造となっている。
【0026】
n−AlGaInPクラッド層3のド−ピング濃度は、2〜8×1017cm-3であり、p−AlGaInPクラッド層9のド−ピング濃度は、2〜8×1017cm-3である。
【0027】
図2にp型ヘテロ障壁緩和層10の断面構造図を示す。
なお、以下の各実施形態において、特に断らない限りp型ヘテロ障壁緩和層のド−ピング濃度は5×1017cm-3〜2×1018cm-3である。なお、p型のドーパントを5×1017cm-3から5×1019cm-3の範囲内で添加することにより、後述するチャープ超格子構造の無秩序化又はステップ超格子界面の組成変化を確実に行うことができる。
また、p型ヘテロ障壁緩和層の層厚に関する限定は特にないが、必要以上に大きいと素子抵抗が増大するので、0.01μm以上0.4μm以内が望ましく、層厚50nm〜200nmのものは効果が大きい。
【0028】
第1実施形態におけるp型ヘテロ障壁緩和層10は、p−(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5P層201(層厚20nm)と、p−Inu1(Alw1Ga1-w1)1-u1As1-v1Pv1 (0≦u1≦1、0≦v1≦1、0≦w1≦1)グレ−ディット層202(層厚174nm)(半導体混晶層)と、p−GaAs層203(20nm)とからなる。
【0029】
p−(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5P層201は、p−(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pクラッド層9と隣接し、p−GaAs層203は、p−GaAsコンタクト層11に隣接する。
本発明では活性層ならびに光ガイド層の材料と構造は限定しない。本実施形態ではnド−パントにはSi、pド−パントにはZnを用いるが、ド−パントはそれらに限定しない。なお、p型のドーパントとしてZnを1×1018cm-3から6×1018cm-3の範囲内で添加することにより、1時間程度の埋め込み成長でグレーディット半導体層(p型ヘテロ障壁緩和層)が得られるため、グレーディット化のための特別なプロセスを追加する必要が無いという利点がある。
【0030】
次に、本実施形態における半導体レーザの製造方法について、以下に簡単に説明する。
【0031】
本実施形態の半導体レーザ構造は、3回のMOVPE法で作製される。
まず、1回目の成長として、n型GaAs基板1のウエハを硫酸系溶液でエッチングして表面を清浄化した後、MOVPE反応管中に設置し、n型GaAsバッファ層2、n−(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pクラッド層3、(Al0.5Ga0.5)0.5In0.5P光ガイド層4、活性層5、(Al0.5Ga0.5)0.5In0.5P光ガイド層6、p−(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pクラッド層7、p−(Al0.2Ga0.8)0.5In0.5Pエッチングストッパ層8、p−(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pクラッド層9、p型ヘテロ障壁緩和層10、p−GaAsコンタクト層11を順次成長させる。
【0032】
反応管から成長済みウエハを取り出した後、該ウエハ上に熱CVD法で400℃の温度でシリコン酸化膜を300nmの膜厚に堆積する。次に、このシリコン酸化膜をフォトリソグラフィ技術により4μm幅のストライプ状にエッチングする。次いで、シリコン酸化膜マスクを使ってp−GaAsコンタクト層11、p型ヘテロ障壁緩和層10、p−(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pクラッド層9を選択的にエッチングしてリッジ(メサストライプ)を形成する。このとき、臭化水素系のエッチャントを用いると、p−(Al0.2Ga0.8)0.5In0.5Pエッチングストッパ層8でエッチングは停止する。
【0033】
このウエハを水洗後再び反応管に設置し、2回目の成長で埋め込み層であるn型GaAs電流ブロック層12を形成する。その後、反応管から取り出してシリコン酸化膜マスクを除去後、再び反応管に設置して3回目の成長でp型GaAsコンタクト層13を成長させる。さらに、n電極14及びp電極15を形成することにより、図1の構造が得られる。
このウエハを、例えば、共振器長500μmのレーザチップにへき開し、30%−80%の端面コーティングを施すとともに、このレーザチップをSiのヒートシンクに融着後、直径5.6mmのステム等に組立てることにより、パッケージされた半導体レーザが作製される。
【0034】
図3に、p型ヘテロ障壁緩和層10近傍のバンドエネルギのプロファイルを示す。この図からわかるように、p−InAlGaAsPグレ−ディット層202の効果により価電子帯のエネルギのプロファイルが平坦になっている。
【0035】
次に、上記p−Inu1(Alw1Ga1-w1)1-u1As1-v1Pv1グレ−ディット層202の形成方法について説明する。
【0036】
すなわち、図4に示すp型チャ−プ超格子構造体400の無秩序化によりp−Inu1(Alw1Ga1-w1)1-u1As1-v1Pv1グレ−ディット層202を形成する。特に、基板に格子整合したp型チャ−プ超格子構造体400の無秩序化により、基板に格子整合したp−Inu1(Alw1Ga1-w1)1-u1As1-v1Pv1グレ−ディット層が容易に得られる。なお、p型チャ−プ超格子構造体400における価電子帯エネルギのプロファイルを図5に示す。
【0037】
p型チャ−プ超格子構造体400(層厚174nm)は、図4に示すように、複数のp−GaAs層(第1半導体層)401とp−(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5P層(第2半導体層)402とを交互に組み合わせたチャープ型超格子の構造体であり、p−AlGaInPクラッド層9のある層厚方向に、超格子を形成するp−GaAs層401の層厚が徐々に小さくなると同時にp−(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5P層402の層厚が徐々に大きくなっている。また、p型チャ−プ超格子構造体400には、チャープ超格子構造の無秩序化を確実に行うためにp型のドーパントが5×1017cm-3から5×1019cm-3の範囲内で添加されるが、本実施形態では、Znが1〜6×1018cm-3の範囲内で添加されている。
【0038】
なお、本実施形態のp型チャ−プ超格子構造体400のp−GaAs層401の層厚d1(nm)は、d1=1、2、4、8、12、16、20、24(nm)であり(合計87nm)、p−(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5P層402の層厚d2(nm)は、d2=24、20、16、12、8、4、2、1(合計87nm)である。
【0039】
本実施形態では、p型チャープ超格子構造体400にp型のドーパントを添加した後に、熱アニール処理を施してp−GaAs層401及びp−(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5P層402を構成する母体原子の相互拡散を促進させて超格子構造を無秩序化するので、加熱作用により2つの半導体層が相互拡散すると組成が均一に変化していき、層厚の異なる2種類の層が少しずつ減少あるいは増大するように互い違いに組み合わされているチャープ超格子が無秩序化されて、層厚方向に連続的にエネルギバンドが変化したグレ−ディット構造のp−Inu1(Alw1Ga1-w1)1-u1As1-v1Pv1グレ−ディット層202を容易に作製することができる。
【0040】
また、p−GaAsコンタクト層(p型コンタクト層)11とp−(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pクラッド層(p型クラッド層)9との間のp型ヘテロ障壁緩和層10におけるp−Inu1(Alw1Ga1-w1)1-u1As1-v1Pv1グレ−ディット層(p型半導体混晶層)202が、上記の製造方法により形成されているので、ヘテロ障壁緩和層として組成が高精度に制御されたp型半導体混晶層が得られ、ヘテロ障壁を低減又は解消し、動作電圧及び素子抵抗を低くして、良好な温度特性と高い信頼性と共に、生産が容易な低コストなレーザ素子を実現することができる。
【0041】
なお、図3に示された本実施形態のp型ヘテロ障壁緩和層10付近のバンド構造図では、本発明のグレ−ディット構造により価電子帯のヘテロ障壁が解消されており、ヘテロ障壁部分に顕著な電位差が生じない。
【0042】
次に、本発明に係る半導体混晶層の製造方法及び半導体発光素子(半導体デバイス)の第2実施形態を、図6から図9を参照しながら説明する。
【0043】
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態のp型ヘテロ障壁緩和層10は、一つのp型チャープ超格子構造体400を無秩序化したものであるのに対し、第2実施形態のp型ヘテロ障壁緩和層600は、図6に示すように、p−(AlzGa1-z)0.5In0.5P(0≦z≦0.7)グレ−ディット層601とp−InuGa1-uAs1-vPv(0≦u≦1、0≦v≦1)グレ−ディット層603とを備えている点で異なる。
【0044】
すなわち、本実施形態のAlGaInP系赤色半導体レーザにおけるp型ヘテロ障壁緩和層600(層厚0.37μm)は、p−(AlzGa1-z)0.5In0.5P(0≦z≦0.7)グレ−ディット層601(層厚174nm)と、p−Ga0.51In0.49P無秩序層602(層厚20nm)と、p−InuGa1-uAs1-vPv(0≦u≦1、0≦v≦1)グレ−ディット層603(層厚174nm)とからなる。なお、p型チャ−プ超格子構造体600における価電子帯エネルギのプロファイルを、図7に示す。p型ヘテロ障壁緩和層600は、図8に示すp型チャープ超格子構造体800の無秩序化によって得られる。
【0045】
p型チャープ超格子構造体800は、p型チャープ超格子構造体801とp型チャープ超格子構造体802からなる。p−(AlzGa1-z)0.5In0.5P(0≦z≦0.7)グレ−ディット層601は、p型チャープ超格子構造体801を無秩序化して得られる。また、p−InuGa1-uAs1-vPv(0≦u≦1、0≦v≦1)グレ−ディット層603は、p型チャープ超格子構造体802を無秩序化して得られる。
【0046】
p型チャープ超格子構造体801は、複数のp−Ga0.51In0.49P層804(第1半導体層)とp−(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5P層803とを交互に組み合わせたチャープ型超格子の構造体を無秩序化することで得られる。これもpクラッド層9のある層厚方向に、超格子を形成するp−Ga0.51In0.49P層804の層厚が徐々に小さくなると同時にp−(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5P層803の層厚が徐々に大きくなっている。
【0047】
p型チャープ超格子構造体802は、複数のp−GaAs層(第1半導体層)806とp−Ga0.51In0.49P層(第2半導体層)805とを交互に組み合わせたp型チャープ超格子構造体で、pクラッド層9のある層厚方向に、超格子を形成するp−GaAs層806の層厚が徐々に小さくなると同時にp−Ga0.51In0.49P層805の層厚が徐々に大きくなっている。なお、図9に上記p型チャ−プ超格子構造体800の価電子帯エネルギのプロファイルを示す。
【0048】
第2実施形態のp型ヘテロ障壁緩和層600は、第1実施形態のp型ヘテロ障壁緩和層10よりAl組成が小さい特徴を有する。このため、第2実施形態では、電流注入用のメサストライプをウエットエッチングで形成する際に、メサのサイドエッチングで埋込時にメサ脇に空洞ができやすいといった問題を防げる利点を有する。
【0049】
次に、本発明に係る半導体混晶層の製造方法及び半導体発光素子(半導体デバイス)の第3実施形態を、図10から図14を参照しながら説明する。
【0050】
第3実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態のp型ヘテロ障壁緩和層10は、p型チャープ超格子構造体400を無秩序化したのに対し、第3実施形態のp型ヘテロ障壁緩和層1000は、図10から図13に示すように、価電子帯エネルギ準位が層厚方向に段階的に大きくなる複数の半導体層を積層してp型ステップ超格子構造体1100を半導体層界面近傍で組成変化を生じさせ又は超格子構造を無秩序化して得られる点である。なお、図12は、p型ヘテロ障壁緩和層1000の価電子帯エネルギのプロファイルであり、図13は、上記p型ステップ超格子構造体1100の価電子帯エネルギのプロファイルである。
【0051】
すなわち、本実施形態のAlGaInP系赤色半導体レーザにおけるp型ヘテロ障壁緩和層1000は、図12に示すように、p−(AlzGa1-z)0.5In0.5P(0≦z≦0.7)グレ−ディット層1001(層厚100nm)と、p−Ga0.51In0.49P層1002(層厚20nm)と、p−Alu1Gau2In1-u2As1-vPv(0≦u1<1、0≦u2<1,0≦v≦1)グレ−ディット層1003(層厚100nm)とからなる。
【0052】
このp型ヘテロ障壁緩和層1000を形成するには、図11に示すように、まず、p−(Al0.3 Ga0.7)0.5In0.5P層1101(層厚80nm)と、p−GaInP層1102(層厚60nm)と、p−Al0.4Ga0.6As層1103(層厚80nm)とからなるp型ステップ超格子構造体1100を形成し、さらに熱アニール処理を施して各半導体層を構成する母体原子の相互拡散を促進させて各半導体層界面近傍で組成変化を生じさせ又は超格子構造を無秩序化する。
【0053】
なお、超格子の無秩序化を促進するために、p型ヘテロ障壁緩和層1000の界面近傍の10nmは、Zn濃度が8×1018cm-3であり、それ以外の部分はZn濃度が2×1018cm-3である。
すなわち、本実施形態では、ステップ超格子構造体1100の超格子界面およびその近傍にその周囲より高濃度のド−ピングを施すことにより、ステップ超格子の無秩序化をさらに促進することができる。なお、上述したp型チャープ超格子構造体においても、同様のドーピングを施しても構わない。
【0054】
また、上記ステップ超格子構造体1100のドーピング濃度を上記のものよりも下げた場合に、このステップ超格子構造体1100を上記と同様に熱アニール処理して形成したp型ヘテロ障壁緩和層1200(p−(AlzGa1-z)0.5In0.5P(0≦z≦0.7)グレ−ディット層1201(層厚100nm)、p−Ga0.51In0.49P層1202(層厚20nm)、p−Alu1Gau2In1-u2As1-vPv(0≦u1<1、0≦u2<1,0≦v≦1)グレ−ディット層1203(層厚100nm))の価電子帯エネルギのプロファイルを図14に示す。図13及び図14に示すように、価電子帯エネルギのプロファイルはドーピング濃度が高いほどステップ界面が鈍った構造をしている。
このように本実施形態では、ド−パントの拡散により、ステップ超格子が価電子帯エネルギ準位の層厚方向に連続的に変化する波形又は直線形のグレ−ディット構造に変化する。
【0055】
すなわち、ステップ超格子の界面近傍の組成変化は緩やかに連続的であり、ステップ超格子が完全に失われていないグレーディット構造又はステップ超格子が完全に無秩序化された直線型のグレ−ディット構造に変化する。前者の構造は、ド−ピング量や加熱時間が比較的小さくても得られ、ヘテロ界面近傍の価電子帯のヘテロ障壁を低減できる。また、後者の構造は、ド−ピング量や加熱時間と温度を前者の場合よりも大きくすれば、ステップ超格子の界面近傍の組成変化はさらに緩やかになり、最終的にはステップ超格子が完全に無秩序化されて得られる。したがって、本製造方法では、ド−ピング量や加熱時間と温度を制御することで波形から直線形までの所望のグレ−ディット構造が得られる。
【0056】
また、ステップ超格子の超格子界面近傍に特に高濃度のド−ピングを施すことで、このようなチャ−プ超格子やステップ超格子の無秩序化をさらに促進することができる。あるいはチャ−プ超格子やステップ超格子に、基板と格子定数が0.1〜1%程度異なる歪みを加えるのも無秩序化を促進するのに効果的である。
【0057】
上述したように、上記各実施形態では、グレ−ディット構造の混晶であるp型ヘテロ障壁緩和層を高度な混晶の組成制御なしに、容易に製造することができる。特に、上記各実施形態のp型ヘテロ障壁緩和層は、pコンタクト層およびpクラッド層と価電子帯エネルギが連続している特徴がある。
また、本発明のp型ヘテロ障壁緩和層は基板に格子整合している特徴により、高品質の結晶である特徴を有する。
【0058】
なお、図15に従来例の半導体レーザと本発明の半導体レーザとの電流−電圧特性を示す。この図から、本発明の半導体発光素子における電流−電圧曲線1601の方が、従来の半導体発光素子の電流−電圧曲線1602より、駆動電圧が低減していることがわかる。
【0059】
また、本発明と従来との半導体発光素子について、環境温度70℃、光出力30mW(一定)の条件で自動的に駆動電流を制御して信頼性試験を行った。動作電流値が1.2倍に増加するまでの平均時間を素子寿命とした場合、従来型の半導体発光素子では約5000時間の寿命であったのに対し、本発明の半導体レ−ザでは1万時間以上の寿命が得られた。このように高い信頼性が得られるのは、本発明のp型ヘテロ障壁緩和層がグレ−ディット構造を有するためであり、素子抵抗及び動作電圧が低く、発熱が小さいためである。
【0060】
さらに、従来型の半導体発光素子では、水素プラズマにさらすことで、素子抵抗、動作電圧共に大きく増大したが、ヘテロ障壁を解消した本発明の半導体発光素子では、動作電圧の増大は見られなかった。従って、本発明の半導体発光素子では水素汚染の影響を受け難く、電圧の増大が抑制される利点を有する。
【0061】
【発明の効果】
本発明の半導体混晶層の製造方法によれば、チャープ超格子構造体にp型又はn型のドーパントを添加した後に、熱アニール処理を施して第1半導体層と第2半導体層とを構成する母体原子の相互拡散を促進させて超格子構造を無秩序化するので、チャープ超格子が無秩序化されて、層厚方向に連続的にエネルギバンドが変化したグレ−ディット構造の半導体混晶層を容易に作製することができる。
【0062】
また、ステップ超格子構造体にp型又はn型のドーパントを添加した後に熱アニール処理を施し、各半導体層を構成する母体原子の相互拡散を促進させて各半導体層界面近傍で組成変化を生じさせ又は超格子構造を無秩序化するので、ステップ超格子が価電子帯エネルギ準位の層厚方向に連続的に変化する波形又は直線形のグレ−ディット構造の半導体混晶層を容易に作製することができる。
【0063】
そして、本発明の半導体デバイスによれば、半導体混晶層が、上記本発明の半導体混晶層の製造方法により形成されているので、グレ−ディット構造の半導体混晶層における組成が高精度かつ安定した再現性をもって得られる。
【0064】
また、本発明の半導体発光素子によれば、p型コンタクト層とp型クラッド層との間のp型半導体混晶層が、上記本発明の半導体混晶層の製造方法により形成されているので、ヘテロ障壁緩和層として組成が高精度に制御されたp型半導体混晶層が得られ、p型コンタクト層とp型クラッド層との間のヘテロ障壁を低減又は解消し、動作電圧及び素子抵抗を低くして、良好な温度特性と高い信頼性と共に、生産が容易な低コストな素子を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体混晶層の製造方法、及び半導体デバイスと半導体発光素子の第1実施形態において、赤色半導体レーザの立体構造を示す斜視図である。
【図2】 本発明の第1実施形態における赤色半導体レーザのp型ヘテロ障壁緩和層の層構造を示す断面図である。
【図3】 本発明の第1実施形態における赤色半導体レーザのp型ヘテロ障壁緩和層付近のバンドプロファイルを示す模式図である。
【図4】 本発明の第1実施形態における赤色半導体レーザのp型チャープ超格子構造体の層構造を示す断面図である。
【図5】 本発明の第1実施形態における赤色半導体レーザのp型チャープ超格子構造体の価電子帯のエネルギプロファイルを示すグラフである。
【図6】 本発明の第2実施形態における赤色半導体レーザのp型ヘテロ障壁緩和層の層構造を示す断面図である。
【図7】 本発明の第2実施形態における赤色半導体レーザのp型ヘテロ障壁緩和層の価電子帯のエネルギプロファイルを示すグラフである。
【図8】 本発明の第2実施形態における赤色半導体レーザのp型チャープ超格子構造体の層構造を示す断面図である。
【図9】 本発明の第2実施形態における赤色半導体レーザのp型チャープ超格子構造体の層構造を示す断面図である。
【図10】 本発明の第3実施形態における赤色半導体レーザのp型ヘテロ障壁緩和層の層構造を示す断面図である。
【図11】 本発明の第3実施形態における赤色半導体レーザのp型ステップ超格子構造体の層構造を示す断面図である。
【図12】 本発明の第3実施形態における赤色半導体レーザのp型ヘテロ障壁緩和層の価電子帯のエネルギプロファイルを示すグラフである。
【図13】 本発明の第3実施形態における赤色半導体レーザのp型ステップ超格子構造体の価電子帯のエネルギプロファイルを示すグラフである。
【図14】 本発明の第3実施形態における赤色半導体レーザのドーパント濃度を下げたp型ヘテロ障壁緩和層の価電子帯のエネルギプロファイルを示すグラフである。
【図15】 従来型の半導体レ−ザと本発明の半導体レーザとの電流−電圧曲線を示すグラフである。
【図16】 本発明の従来例における赤色半導体レ−ザにおいて、電圧印加時のヘテロ障壁緩和層近傍のバンドエネルギを示す模式図である。
【符号の説明】
1 Siドープn型GaAs基板
2 n−GaAsバッファ層
3 n−(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pクラッド層
4 (Al0.5Ga0.5)0.5In0.5P光ガイド層
5 歪多重量子井戸構造活性層
6 (Al0.5Ga0.5)0.5In0.5P光ガイド層
7 p−(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pクラッド層
8 p−(Al0.2Ga0.8)0.5In0.5Pエッチングストッパ層
9 p−(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pクラッド層
10、600、1000、1200 p型ヘテロ障壁緩和層
11 p−GaAsコンタクト層
12 n−GaAs電流ブロック層
13 p−GaAsコンタクト層
14 n電極
15 p電極
201 p−(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5P層
202 p−Inu1(Alw1Ga1-w1)1-u1As1-v1Pv1 グレ−ディット層
203 p−GaAs層
400、800、801、802 p型チャ−プ超格子構造体
401、806 p−GaAs層(第1半導体層)
402 p−(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5P層(第2半導体層)
601 p−(Alz Ga1-z)0.5In0.5Pグレ−ディット層
602 p−Ga0.51In0.49P無秩序層
603 p−InuGa1-uAs1-vPvグレ−ディット層
803 p−(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5P層(第2半導体層)
804 p−Ga0.51In0.49P層(第1半導体層)
805 p−Ga0.51In0.49P層(第2半導体層)
1001、1201 p−(AlzGa1-z)0.5In0.5Pグレ−ディット層
1002、1202 p−GaInP層
1003、1203 p−Alu1Gau2In1-u2As1-vPvグレ−ディット層
1100 p型ステップ超格子構造体
1101 p−(Al0.3Ga0.7)0.5In0.5P層
1102 p−GaInP層
1103 p−Al0.4Ga0.6As層
Claims (10)
- 第1半導体層と該第1半導体層よりもバンドギャップの大きい第2半導体層とを複数層交互に組み合わせると共に第1半導体層の層厚を徐々に小さくすると同時に第2半導体層の層厚を徐々に大きくしてチャープ超格子構造体を形成する工程と、
前記チャープ超格子構造体にp型又はn型のドーパントを添加する工程と、
前記ドーパントを添加する工程後に熱アニール処理を施して前記第1半導体層と前記第2半導体層とを構成する母体原子の相互拡散を促進させて超格子構造を無秩序化する工程とを備え、
前記ドーパントを添加する工程は、前記チャープ超格子構造体の超格子界面およびその近傍にその周囲より高濃度のド−ピングが施されることを特徴とする半導体混晶層の製造方法。 - 価電子帯エネルギ準位が層厚方向に段階的に大きくなる複数の半導体層を積層してステップ超格子構造体を形成する工程と、
前記ステップ超格子構造体にp型又はn型のドーパントを添加する工程と、前記ドーパントを添加する工程後に熱アニール処理を施して前記各半導体層を構成する母体原子の相互拡散を促進させて各半導体層界面近傍で組成変化を生じさせ又は超格子構造を無秩序化する工程とを備え、
前記ドーパントを添加する工程は、前記前記ステップ超格子構造体の超格子界面およびその近傍にその周囲より高濃度のド−ピングが施されることを特徴とする半導体混晶層の製造方法。 - 価電子帯エネルギ準位が層厚方向に段階的に大きくなる複数の半導体層を積層してステップ超格子構造体を形成する工程と、
前記ステップ超格子構造体にp型又はn型のドーパントを添加する工程と、前記ドーパントを添加する工程後に熱アニール処理を施して前記各半導体層を構成する母体原子の相互拡散を促進させて各半導体層界面近傍で組成変化を生じさせ又は超格子構造を無秩序化する工程とを備え、
前記ドーパントを添加する工程での前記ドーパントの添加量又は前記熱アニール処理を施す工程での加熱時間及び温度の少なくとも一方を制御し、価電子帯エネルギ準位の層厚方向の分布を制御することを特徴とする半導体混晶層の製造方法。 - 請求項1ないし3のいずれか記載の半導体混晶層の製造方法において、前記ドーパントを添加する工程は、p型のドーパントを5×1017cm-3から5×1019cm-3の範囲内で添加することを特徴とする半導体混晶層の製造方法。
- 請求項4に記載の半導体混晶層の製造方法において、前記ドーパントを添加する工程は、少なくとも前記p型のドーパントとしてZnを1×1018cm-3から6×1018cm-3の範囲内で添加することを特徴とする半導体混晶層の製造方法。
- 半導体混晶層を有する半導体デバイスであって、前記半導体混晶層が、請求項1から5のいずれかに記載の半導体混晶層の製造方法により形成されたことを特徴とする半導体デバイス。
- p型コンタクト層とp型クラッド層との間にp型の半導体混晶層を有する半導体発光素子であって、前記半導体混晶層は、請求項1から5のいずれかに記載の半導体混晶層の製造方法により形成されたことを特徴とする半導体発光素子。
- 請求項7に記載の半導体発光素子において、前記p型コンタクト層から前記p型クラッド層にかけて層厚方向に価電子帯エネルギ準位が連続的に変化していることを特徴とする半導体発光素子。
- 請求項7又は8に記載の半導体発光素子において、前記半導体混晶層は、GaAs基板に格子整合するAlGaInAsP混晶層であることを特徴とする半導体発光素子。
- 請求項7又は8に記載の半導体発光素子において、前記半導体混晶層は、GaAs基板に格子整合するInGaAsP混晶層とAlGaInP混晶層との2層を少なくとも有することを特徴とする半導体発光素子。
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