JP4047623B2 - 清掃具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は清掃具に関する。
【0002】
【従来の技術】
清掃具として、特開平1-262827号公報に記載の如く、フレームに掻き上げ体を回動自在に支持し、フレームにおける掻き上げ体の後部に塵取部を支持してなるものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
塵取部がフレームに対し掻き上げ体と独立に上下に揺動しない。このため、清掃具を毛足の長いカーペットの清掃に使用したとき、塵取部がカーペットの上面を滑るに従い、掻き上げ体もカーペットの上面を滑るだけになってしまい、カーペットの毛足の中に埋もれたゴミを掻き上げ体で掻き上げることができない。尚、掻き上げ体がカーペットの毛足に潜るべく、使用者により強い力で掻き上げ体を押し付けると、塵取部がカーペットに強く押圧されて大きな前進の抵抗となり、操作性が悪くなる。
【0004】
本発明の課題は、塵取部を床面の上にスムースに滑らせながら、掻き上げ体は毛足の長いカーペットの毛足の中に埋もれたゴミでも確実に掻き上げ可能とすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
フレームに掻き上げ体を回動自在に支持し、フレームにおける掻き上げ体の後部に塵取部を支持し、塵取部をフレームに対し掻き上げ体とは独立に上下に揺動可能に支持し、塵取部の前縁の両端に、床面に対し進み方向の上方に反り上がる反り板状ガイドシューを備え、塵取部の前縁において、両端のガイドシューに挟まれる部分に、ゴミすくい面部の床面側エッジを形成したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
清掃具10は、図1に示す如く、柄11の先端部に継手部12を介して支持アーム13を左右方向に揺動自在に結合し、支持アーム13の両側アーム部13Aに支軸部14を介してフレーム15を前後方向に揺動自在に支持している。
【0007】
フレーム15の前部にはブラシからなる可撓掻き上げ体16が回転軸17を介して回動自在に支持され、フレーム15の後部にはロール体からなる接触回転体18が回転軸19を介して回動自在に支持され、掻き上げ体16と接触回転体18は平行に並べられて配置される。掻き上げ体16は、掻き上げ部16A(ブラシ部)とタイヤ部16Bからなり、掻き上げ部16Aの掻き上げ径(ブラシ径)をタイヤ部16Bのタイヤ径より大きくしている。接触回転体18は、ロール状の接触部18Aとタイヤ部18Bからなり、接触部18Aの外径よりタイヤ部18Bの外径を大きくし、両側タイヤ部18Bを後述する塵取部23の両外側にて床面上を転動可能にし、接触部18Aを塵取部23の内側に配置させる。これにより、接触部18Aが塵取部23により床から遮断され、床側の毛羽等が接触部18Aに付着することを防止する。タイヤ部18Bは塵取部23の外に位置する。尚、接触回転体18の接触部18Aには、その表面に凹凸部を設けても良い。凹凸部とは、接触部18Aのロール表面にリブや凸部、凹部、しぼ面等を設けたことをいう。
【0008】
掻き上げ体16と接触回転体18の上には、それらに跨がる粘着ロール21が乗せられ、粘着ロール21は掻き上げ体16と接触回転体18の回転に連れ回る。フレーム15の上部は粘着ロール21の出し入れ口とされ、取外し可能な透明カバー15Aにより被覆される。粘着ロール21は、粘着シートの巻取りロールの構成、又は表面が粘着性のエラストマーからなり、その表面を洗浄して再使用可能とする構成等を含む。本実施例の粘着ロール21は、粘着シート21Aをコア21Bに巻き回し、粘着シート21Aの粘着面を外側に向けて巻出し可能かつ切断可能にした巻取りロールにて構成される。
【0009】
フレーム15における掻き上げ体16の後部には塵取部23が支持されている。塵取部23は、床面に接する底面部23Aと、掻き上げ体16に隙間なく(又は隙間を介して)相対する曲面状(又は平面状)のすくい面部23Bと、凹状のゴミ受け部23Cを有する。更に塵取部23は前述の如く接触回転体18の接触部18Aを床から遮断するように配置されている。塵取部23は、フレーム15に後述する如くに上下に揺動可能に支持され、自重により底面部23Aとすくい面部23Bの最下端部を床面に隙間なく接し、掻き上げ体16の掻き上げ部16Aが掻き上げるゴミを床面に沿う後方に逃がすことなく、その全てのゴミをすくい面部23Bにより粘着ロール21の側にガイドし、大きなゴミはゴミ受け部23Cに送り込む。
【0010】
清掃具10による清掃動作は以下の通りなされる。
(1)柄11の軸方向に加える操作力により清掃具10を前進させ、掻き上げ体16及び接触回転体18を回動させ、同時に粘着ロール21を連れ回り回転させる。
【0011】
(2)掻き上げ体16の掻き上げ部16Aが床面上のゴミを掻き上げると、このゴミは塵取部23にガイドされて粘着ロール21の側に送り出され、粘着ロール21の粘着面に吸着捕捉される。
【0012】
(3)粘着ロール21の粘着面に捕捉されたゴミは、粘着ロール21の回動とともに接触回転体18の側に移動し、接触回転体18により粘着ロール21の粘着面に押付けられて固定化される。
【0013】
(4)透明カバー15Aから粘着ロール21の粘着面の全周に多量のゴミが捕捉されたことが視認されたら、カバー15Aを開いて粘着シート21Aの1周分を剥離切断除去し、新規粘着面を露出せしめた後、カバー15Aを閉じる。
【0014】
尚、清掃具10は前進だけでなく、後進もできる。塵取部23は、底面部23Aの尾端部をアール状に跳ね上げ、後進時にこの尾端部が床面に引掛かるのを防止する。
【0015】
上記清掃具10によれば、カーペットは掻き上げ体16によりゴミを掻き上げられ、このゴミをその後粘着ロール21に吸着捕捉される。粘着ロール21がカーペットに直接接触しないから、カーペットを傷めることがなく、カーペットの繊維の深い部分に沈んでいるゴミも捕捉できるし、粘着ロール21の粘着性能の持続性も向上する。
【0016】
また、フローリングにおいても、カーペットと同様であり、粘着ロール21がフローリングに直接接触しないから、粘着ロール21がフローリングに強力に粘着して固定化してしまうことがない。
【0017】
以下、フレーム15による塵取部23の支持構造について説明する。(図1〜図3)
【0018】
塵取部23をフレーム15に対し、掻き上げ体16とは独立に上下に揺動可能に支持するとともに、塵取部23のゴミ受け部23Cをフレーム15から開放可能に支持した。
【0019】
具体的には、図1に示す如く、塵取部23における掻き上げ体16に近い側の前端を揺動部40(塵取部23の前端側両側面に設けたピン41を、フレーム15の両側壁に設けた長孔42の中で上下動可能に係入したもの)によりフレーム15に揺動可能に支持する。また、塵取部23における掻き上げ体16から遠い側の後端に設けた係脱部50の孔51を、フレーム15に設けた係脱可能ピン52に係脱可能にし、孔51を係脱可能ピン52から外して塵取部23の後端をフレーム15から開放可能に支持する。塵取部23の孔51をフレーム15の係脱可能ピン52に係入した状態で、係脱可能ピン52を塵取部23の揺動の中心軸とし、塵取部23の孔51をフレーム15の係脱可能ピン52から外した状態で、揺動部40を塵取部23の開放の中心軸とする。
【0020】
更に、図2、図3に示す如く、塵取部23の前縁23Dの両端に、床面に対し前方上方に反り上がる反り板状ガイドシュー23Eを備える。ここでガイドシュー23Eは床面と面接触し、すくい面部23Bを有さない。塵取部23の前縁23Dにおいて、両端のガイドシュー23Eに挟まれる部分は、すくい面部23Bの床面側のエッジ(最下端部)を形成し、フローリングや畳の床面に隙間なく摺接する。
【0021】
従って、このような清掃具10によれば以下の作用がある。
▲1▼清掃具10を毛足の長いカーペットに使用したとき、掻き上げ体16がカーペットの毛足の中に潜ってゴミを掻き上げるように、掻き上げ体16をカーペットの毛足に対して押付ける状態で前進させても、塵取部23は両端のガイドシュー23Eがカーペットの毛足にのって浮き上がり、塵取部23の前縁23Dがカーペットの毛足の中に突き刺さって前進の抵抗になることを回避し、スムーズに前進できるため操作性が良い。
【0022】
▲2▼塵取部23は、前縁23Dの両端だけを床面に対し反り上がるガイドシュー23Eとしており、前縁23Dのガイドシュー23Eに挟まれる部分は床面に隙間なく接する。従って、カーペット以外のフローリングや畳の清掃時にも、塵取部23の前縁23Dは床面に隙間なく接し、掻き上げ体16の掻き上げ部16Aが掻き上げるゴミを床面に沿う後方に逃すことなく、その全てのゴミを捕捉できる。
【0023】
▲3▼掻き上げ体16によって掻き上げられたゴミを粘着ロール21により吸着捕捉できる。このとき、接触回転体18は粘着ロール21と接触して該粘着ロール21を確実に連れ回り回転させる。従って、掻き上げ体16に接する粘着ロール21の粘着面を回転により均一かつ効率よく有効活用できるし、掻き上げ体16が掻き上げたゴミを粘着ロール21の新規吸着面により確実に吸着捕捉可能とする。
【0024】
▲4▼粘着ロール21を掻き上げ体16と接触回転体18の上に跨らせるから、大小数種類のどのような外径の粘着ロール21も清掃具10に装填できる。よって、粘着ロール21の外径寸法に製造上の自由度が得られ、床状態に応じて、適切な外径の粘着ロール21を選択できる。
【0025】
▲5▼掻き上げ体16がカーペットの繊維の深い部分から掻き上げるゴミも、フローリングの硬い平坦面から後方に掻き飛ばすゴミも、掻き上げ体21の後部の塵取部23にすくい上げられて確実に粘着ロール21の方向にガイドされ、集塵性能を向上できる。
【0026】
本発明で使用される粘着ロールとして、コアロールに筒状シートを着脱可能に被せるものを使用しても良い。このとき、筒状シートの原形は、枚葉型の封筒状シートをなすものとし、多数の封筒状シートを互いに積層して保管することができる。
【0027】
また、本発明において、掻き上げ体は、ブラシに限らず、スポンジ、ゴムブレード、エラストマー、弾性突起体等でも良い。
【0028】
また、本発明において、接触回転体は、ロール体に限らず、タイヤ等でも良い。
【0029】
また、本発明において、床面とは、畳、フローリング、カーペット等で、特にカーペットに対し顕著で特有な効果を奏する。
【0030】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、塵取部を床面の上にスムースに滑らせながら、掻き上げ体は毛足の長いカーペットの毛足の中に埋もれたゴミでも確実に掻き上げできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は清掃具を示す側面図である。
【図2】図2は図1の正面図である。
【図3】図3は清掃具の分解斜視図である。
【符号の説明】
10 清掃具
15 フレーム
16 掻き上げ体
18 回転体
21 粘着ロール
23 塵取部
23D 前縁
23E ガイドシュー

Claims (2)

  1. フレームに掻き上げ体を回動自在に支持し、フレームにおける掻き上げ体の後部に塵取部を支持し、
    塵取部をフレームに対し掻き上げ体とは独立に上下に揺動可能に支持し、
    塵取部の前縁の両端に、床面に対し進み方向の上方に反り上がる反り板状ガイドシューを備え、
    塵取部の前縁において、両端のガイドシューに挟まれる部分に、ゴミすくい面部の床面側エッジを形成した清掃具。
  2. 前記塵取部における掻き上げ体に近い前端側両側面に設けたピンを、フレームの両側壁に設けた長孔の中で上下動可能に係入し、塵取部における掻き上げ体から遠い側の後端に設けた係脱部の孔を、フレームに設けた係脱可能ピンに係脱可能にした請求項1に記載の清掃具。
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