JP4057686B2 - 掃除用ブラシ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は日用品として用いるブラシに係わるものであり、詳しくは絨毬、カーペット掃除用ロール型ブラシに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来 室内敷物として用いる絨毬、カーペット等に付着したペットの毛、人間の毛髪、糸屑等の除去は電気掃除機の吸引による方法、粘着剤付きロールを転がし当該ロールに塗布した薬剤の効果によりペット毛、人間の毛髪、糸屑等を粘着除去する方法(コロコロ (株)ニトムズ製)、また、エチケットブラシを電気掃除機用吸引口に取付たもの(サウバージュータン吸ピー SB−300 アズマ工業株式会社製 及び、ぱくぱく 日本シール株式会社製(特許登録 875225))等がある。
【0003】
電気掃除機の吸引による除去はペットの毛、人間の毛髪、糸屑等(以後、本発明に於いては、これらを毛屑と称す)が絨毬、カーペット等(以後、本発明に於いては、これらをカーペットと称す)の繊維にからみつき、その除去は極めて困難である。この欠点を改善すべくパワーブラシ付き電気掃除機が開発された。
そして当該掃除機の吸引部に表面にブラシやゴム板を装着したロールを取付、それが吸引時に同時に回転することにより、当該ブラシ、ゴム板の回転にて掻き取る方法が採用されている。
しかしながら、そのブラシに使用されている毛はストレートであり、毛足が長く、毛の腰が弱いため、毛屑を掻き出す際、ブラシの先は回転方向と逆向きに曲がり、カーペット上に於いてはその除去効果が乏しく、カーペット内部の毛屑に対してはその除去効果は著しく低下する。
また、ゴム板使用に於いては、かえって、毛屑をカーペット内部に押し込むという欠点がある。
【0004】
エチケットブラシ使用電気掃除機吸引口はブラシの毛の形状は純目、逆目がありストレートの形状をしている。当該エチケットブラシを逆目方向に移動させることにより毛屑をこそぎとる方法である。
しかし、ブラシの繊維密度が大きく、しかも、人力により左右、又は前後に動かすため、毛屑の除去は相当の力が必要で広い範囲の除去作業には困難を伴うばかりか、カーペットのような毛足の長い起毛品に対してはカーペットの表面の毛屑は取り除くが、ブラシの毛がカーペットの内部に入らず、内部の毛屑の除去は極めて困難であるという欠点があるばかりか、カーペット繊維の摩耗損傷を招くと言う大きな欠点もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
室内の敷物としてのカーペットは住宅の洋式化に伴いその利用が増加しつつあり、そのため、カーペット上に付着した毛髪や糸屑の除去は頭痛の種であると同時に、必要不可欠のものとなりつつある。
特に、都市近郊ではマンション化が進行し、犬や猫等のペットを室内で飼う人が年々増加している。これらペットを飼っている人々にとってのペットの毛抜けは悩みの種であり、その除去に日夜悪戦苦闘しているのが現状である。
上述の欠点に鑑みカーペット繊維の損傷を極力少なく、しかも、カーペット内部に入り込んだ毛屑を取り除く方法を提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決しようとする手段】
上記の目的を達成するため、本発明は合成繊維から成るパイル織物のパイル部の先端部を切り開いて対向する一対のフック形状としたフック型パイル織物を円筒状物に巻き付けてなる掃除用ブラシにおいて、
パイル部は、湾曲して突出する先端部の一個所でのみ切り離された形状からなっており、
前記パイル部のループを形成する広面を円筒型ブラシの回転軸に対して直交する方向に向けて配置してなり、
前記掃除用ブラシの円筒状物をカーペット等の被清掃面で転がすことにより、パイル部の前記先端部で切り開いた回転方向の前側が押し潰されてパイル部の先端部の切り口を開いて屑をくわえ、被清掃面から離れると前記切り口が閉じて屑を保持してなることを特徴とする。
【0007】
本発明は合成繊維パイル織物のパイル部にポリエステル、ポリアミド、ポリアクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等を素材からなるフィラメント繊維の構成本数 20本まで、太さ100デニールから500デニール、好ましくは150デニールから350デニールの糸を使用し、パイル長2mmから5mm、パイル密度1平方センチメートルに25本から400本の範囲、好ましくは70本から250本の範囲パイル織物を使用する。
そして、当該織物のパイルの先端部を切り開いたことによって得られた織物を用いる。この形態の織物を本発明にてはフック型パイル織物と称する。
【0008】
図1は本発明に使用するフック型パイル織物形状を示したものであり、(2)はフック型パイル織物の基布、(1)パイル部、(3)はパイル先端の切り開らいた部分である。
基布はパイルに使用する糸と同じ太さを用いる必要はなく、通常20デニールから80デニールのものが使われる。
図2は本発明によるフック型パイル織物を使用した手動式円筒型ブラシであり、フック型パイル織物(4)を円筒状物(5)に巻き付けたものである。(この状態のものを本発明に於いては以後円筒型ブラシと称す)、(5)はスポンジ、或いは、ゴム等の弾力のある物質がクッションとして作用するため良い。
(22)回転軸、(7)円筒型ブラシ、(6)柄である。
【0009】
図3は本発明による円筒型ブラシと、これに付着した毛屑除去装置の縦断面図、図4はその横断面図である。図中の点線部は手動式円筒型ブラシである。
(13)の駆動モーターによる動力は(14)のベルトに伝えられ、(11)の円筒状物に装着された(12)の掻き落とし板が回転、(7)の円筒型ブラシに付着した毛屑を除去する。
(12)の掻き落とし板と(7)の円筒型ブラシの回転方向は順方向でも逆方向でも良いが、図3、図4に於いては、(9)、(10)に歯車を採用し(7)の円筒型ブラシの回転方向と、(12)の掻き落とし板の回転方向が逆方向となるように設計した。
【0010】
図5は円筒型ブラシと毛屑掻き落とし板とを一体形としたパワーブラシ付き電気掃除機用装置であり、図6は図5のAA’BB’CC’面の断面図である。図中(16)は回転軸、(17)は回転軸を電気掃除機の吸口部に固定する接続部、(15)は毛屑掻き落とし板である。
図7は図5、及び、6のブラシと掻き落とし板一体形装置を電気掃除機の吸口部に装着した状況である。(18)は電気掃除機の吸口部であり、駆動モーターからの動力をベルト(19)にて回転軸(16)に伝える設計になっている。
図8は図7のDD’面の断面図である。
【0011】
【作用】
ブラシ、及びエチケットブラシを含む起毛品によるカーペット、床面、及び畳からの毛屑の除去は、通常、フィラメント繊維、並びに、フィラメント繊維の間隙にそれら毛屑がからみ付くことによりカーペット等の被掃除物から除去される。本発明はそれら通常の効果に加えて、更に、新しい作用が加えられたものである。
それを図9にて説明する。(イ)毛屑除去前でありパイル先端部は閉じた状態にある。フック型パイル(1)が図中の矢印方向に回転すると、パイル部がカーペットに接触開始し、当該部分が回転方向の前側が押しつぶされパイル先端部の切り口が(ロ)の如く開きはじめてる。(ハ)パイル部が接地しパイル先端部の切り口は開き毛屑(21)をくわえてる。次いで、更に、回転が進と、パイル先端部が毛屑を保持しながら、(ニ)の如く、カーペットから離れる。
この新たな掴み込むと言う作用が毛屑の除去に一段の効果を与え、毛屑の保持量を増加さえる成果を引き出し実用性を高めることに成功した。
【0012】
即ち、本発明による円筒型ブラシはフック型パイル織物の一つ一つのパイルの開閉動作により、毛屑を掴み、それを保持すると言う新しい特徴を有したため、カーペット上は無論のこと、カーペット内部の毛屑をも掴み出し、除去することを可能にした。
しかも、円筒型ブラシは被掃除物の表面を転がると言う動作のみで毛屑除去作業が完了するため、エチケットブラシの如ぐカーペット表面を摩擦することによるカーペット繊維の損傷はなく、粘着剤付きロールの如くカーペットの毛抜け損傷も発生しないという優れた特徴を有する。
【0013】
【発明の実施の形態】
図2は本発明の手動式円筒型ブラシであり、柄の部分を持ち前後にフック型パイル織物を装着した円筒型ブラシ(7)を前後に転がすことにより、カーペットに付着した毛屑を除去する。
毛屑除去作業、即ち、掃除終了後は 図3、及び、4に示された毛屑除去装置により円筒型ブラシに付着した毛屑の除去をする。
(12)は羽根型掻き落とし板は、モーター(13)から、駆動ベルト(14)によって動力が伝えられ、羽根型掻き落とし板の回転により円筒型ブラシより毛屑を取り除く方式である。
図3、4の毛屑除去装置は手動式円筒ブラシに組み込み一体形とすることは可能である。
図7、8に示した電気掃除機装着の場合は使用する電気掃除機のパワーブラシ回転スイッチをONにセットする通常の方法にて使用可能である。
即ち、パワーブラシの駆動モーターの動力はベルト(19)に伝えられ、円筒型ブラシ(7)が回転する。円筒型ブラシに付着した毛屑は掻き落とし板(15)にて取り去り、掃除機内部の集塵室へ吸引される。
【0014】
【発明の効果】
本発明は図9に示した如く先端部を切り開いたパイル部分が毛屑を掴むと言う新たな作用が加わったため、被掃除物からの毛屑の除去が表面のみでなく内部からの除去も可能とした。
また、円筒型ブラシを転がすと言う摩擦抵抗の少ない方式であつため、フローリング、畳上にても利用ができ、しかも、優れた除去効果を発揮した。
更に、円筒型ブラシを転がすと言う単純な操作から労力を極めて少なく広い面積の掃除も楽にすることを可能とし、カーペット、フローリング、及び、畳の損傷を極力少なくした優れた効果を発揮することに成功した。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)本発明によるパイル織物の正面図である。
(B)本発明によるパイル織物の横断面図である。
【図2】 本発明による手動式円筒型掃除用ブラシの斜面図である。
【図3】 本発明による手動式円筒型掃除用ブラシのための毛屑除去装置の縦断面図である。
【図4】 本発明による手動式円筒型掃除用ブラシのための毛屑除去装置の横断面図である。
【図5】 本発明による毛屑掻き落とし板一体形円筒型掃除用ブラシの正面図である。
【図6】 本発明による毛屑掻き落とし板一体形円筒式掃除用ブラシの図5に於けるAA’、BB’、CC’部の横断面図である。
【図7】 本発明による毛屑掻き落とし板一体形円筒型掃除用ブラシを電気掃除機の吸口部に装着した時の正面図である。
【図8】 図7に於いて、DD’部で切断した時の横断面図である。
【図9】 本発明によるフック型パイル織物がカーペットからの毛屑を吸着する作用の分解図である。
(イ)パイル部分がカーペットに接触する前の状態である。
(ロ)パイル部分がカーペットに接触開始時点の状態である。
(ハ)パイル部分がカーペットの起毛内部に入り毛屑を掴む時点の状態である。
(ニ)パイル部分がカーペットより離れはじめ、毛屑をすくい上げている状態である。
(ホ)パイル部分がカーペットより離れ、毛屑を保持した状態である。
【符号の説明】
(1)パイル部分
(2)パイル織物の基布
(3)パイル先端部の切り開いた部分
(4)フック型パイル織物
(5)円筒型掃除用ブラシのクッション部分
(6)手動式円筒型掃除用ブラシの柄
(7)円筒型掃除用ブラシ
(8)円筒型ブラシ固定板
(9)円筒型ブラシ駆動歯車
(10)駆動伝達歯車
(11)羽根形掻き落とし板回転軸
(12)掻き落とし板
(13)駆動用モーター
(14)動力伝達用ベルト
(15)掻き落とし板
(16)回転軸
(17)固定部
(18)電気掃除機の吸口部
(19)カーペットの起毛部
(20)カーペットの基布
(21)毛屑
(22)回転軸

Claims (1)

  1. 合成繊維から成るパイル織物のパイル部の先端部を切り開いて対向する一対のフック形状としたフック型パイル織物を円筒状物に巻き付けてなる掃除用ブラシにおいて、
    パイル部は、湾曲して突出する先端部の一個所でのみ切り離された形状からなっており、
    前記パイル部のループを形成する広面を円筒型ブラシの回転軸に対して直交する方向に向けて配置してなり、
    前記掃除用ブラシの円筒状物をカーペット等の被清掃面で転がすことにより、パイル部の前記先端部で切り開いた回転方向の前側が押し潰されてパイル部の先端部の切り口を開いて屑をくわえ、被清掃面から離れると前記切り口が閉じて屑を保持してなることを特徴とする掃除用ブラシ。
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