JP4099872B2 - 電気掃除機用吸込具及び電気掃除機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気掃除機用吸込具及び前記吸込具を用いた電気掃除機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来この種の電気掃除機用吸込具は、図10〜12に示すようなものが一般的であった。吸込具本体内1にアジテ−タ−2を内設し、上記アジテタ−2は、回転自在な回転子3と、上記回転子の周囲長手方向に複数設けられた突状帯4および微細繊維のカットパイル状の紡績布から成る起毛布ブラシ体5等から構成され、電動モ−タ−(図示せず)あるいは吸込風を利用したエアタ−ビン(図示せず)等を駆動源として利用して上記アジテ−タ−2が回転し、床面6や絨毯面7などの掃除面に突状帯4およびブラシ体5を衝突させることにより、ごみをかきあげ掃除している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のアジテ−タ−の構成では、図11に示すようにブラシ体の先端部は床面と当接するよう設定されているため、絨毯面上では図12に示すようにブラシ体5の毛先のカット端面5aが回転方向の後方に逃げることにより、ごみをかきあげる力が低減する等の課題を有していた。
【0004】
本発明は以上のような従来の課題を解決するものであって、特に絨毯上でのごみのかきあげ力を改良し、集塵性能の向上を図った電気掃除機用吸込具を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、回転自在のアジテ−タ−を内設し、前記アジテ−タ−を回転子と、前記回転子の周囲の長手方向に設けたブラシ体で形成し、前記ブラシ体を突出代の異なるブラシ群で構成し、先端部が床面と当接するように設定された突出代の大きいブラシ群を、先端部が絨毯面と当接するように設定された突出代の小さいブラシ群で挟むようにすると共に、突出代の小さいブラシ群を突出代の大きいブラシ群より硬質に形成したものである。
【0006】
上記発明によれば、突出代の大きいブラシ群の先端部は床面と当接するよう設定し、突出代の小さいブラシ群先端部は絨毯上に当接するよう設定することにより、アジテ−タ−の回転時、床面上では突出代の大きいブラシ群の毛先のカット端面が床面に衝突し、絨毯上では突出代の小さいブラシ群の毛先のカット端面が絨毯面に衝突するため、絨毯掃除に適した長さのブラシ群を設けたことで、特に従来に比べ絨毯上でのブラシ毛先でのごみをかきあげる効果が向上し集塵性能の向上を実現するともに、床面掃除に適した長さのブラシ群も一個のブラシ体に同時に設けたことにより、回転子へのブラシ体の挿入工数増加等のコストアップも生ずることなく、すべての掃除面を効率良く掃除できるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1記載の発明は、回転自在のアジテ−タ−を内設し、前記アジテ−タ−を回転子と、前記回転子の周囲の長手方向に設けたブラシ体で形成し、前記ブラシ体を突出代の異なるブラシ群で構成し、先端部が床面と当接するように設定された突出代の大きいブラシ群を、先端部が絨毯面と当接するように設定された突出代の小さいブラシ群で挟むようにすると共に、突出代の小さいブラシ群を突出代の大きいブラシ群より硬質に形成したもので、アジテ−タ−の回転時、床面上では突出代の大きいブラシ群の毛先のカット端面が床面に衝突し、絨毯上では突出代の小さいブラシ群の毛先のカット端面が絨毯面に衝突するため、絨毯掃除に適した長さのブラシ群を設けたことで、特に従来に比べ絨毯上でのブラシ毛先でのごみをかきあげる効果が向上し集塵性能の向上を実現するともに、床面掃除に適した長さのブラシ群も一個のブラシ体に同時に設けたことにより、回転子へのブラシ体の挿入工数増加等のコストアップも生ずることなく、すべての掃除面を効率良く掃除できるものである。また突出代の大きいブラシ群の先端部は床面と、突出代の小さいブラシ群先端部は絨毯上に当接するよう設定することにより、アジテ−タ−の回転時、床面上でも絨毯上でもそれぞれのブラシ群の毛先のカット端面が掃除面に向かうことで、従来より毛先でのごみをかきあげる効果を向上できる。さらに、突出代の大きいブラシ群の回転方向の後方に突出代の小さいブラシ群を設けることで、突出代の大きいブラシ群の毛先カット面が絨毯面より逃げるのを防止でき、絨毯上での集塵性能の向上を実現するとともに、突出代の小さいブラシ群により回転方向の前後で挟みつけるだけで、突出代の大きいブラシ群の腰折れが防止できるため、床面掃除のソフト感を維持しながら床面上でも集塵性能の向上が図れるものである。さらに、絨毯面での突出代の小さいブラシ群のいわゆる腰折れによるブラシ毛先カット面の回転方向の後方への逃げがより少なくなり、絨毯面に付着しているごみのかきあげが効果が向上し、絨毯上での集塵性能の向上が図れるとともに、床面掃除においても突出代の大きいブラシ群を軟質に形成することで、床面掃除のソフト感の維持も可能であり、各々の掃除面を効率良く掃除できるものである。
【0008】
本発明の請求項2記載の発明は、電動送風機を内蔵し、請求項1に記載の電気掃除機用吸込具と連通するように接続される吸込口を備えた電気掃除機である。
【0009】
【実施例】
以下、本発明の第1の実施例を、図1〜3を用いて説明する。図1、2、3において、吸込具本体11は上部枠体12と下部枠体13にて構成されており、内部に集塵室14を有し、上記集塵室14の掃除面方向には下部枠体13に開口15が設けられている。そして、吸込具後部にはパイプ16を有し、上記パイプ16内部には前記集塵室14から吸引口17を介し電気掃除機本体32よりの吸引を伝達する通路18が設けられている。また、上記集塵室14内にアジテ−タ−19を内設し、上記アジテ−タ−19は、回転自在な回転子20と、上記回転子20の周囲の長手方向に連続した溝部21を複数設け、上記溝部21に突状帯22およびブラシ体23を嵌着して形成されている。上記ブラシ体23は、本発明では微細繊維のカットパイル状の紡績布から成る起毛布ブラシ体を用いており、突出代の異なる2種類のブラシ群から一体にて構成され、突出代の大きいブラシ群24の先端部は床面25と当接する長さに設定し、上記突状帯22の先端部と突出代の小さいブラシ群26先端部が絨毯面27に当接する長さに設定してある。
【0010】
上記構成による動作、作用は以下の通りである。アジテ−タ−19は電動モ−タ−(図示せず)あるいは吸込風を利用したエアタ−ビン(図示せず)等の駆動源により回転する。突出代の大きいブラシ群24の先端部は床面25と当接するよう設定し、突状帯22と突出代の小さいブラシ群26先端部は絨毯面27に当接するよう設定してあるため、上記アジテ−タ−19の回転時、床面25上では突出代の大きいブラシ群24の毛先カット面が床面25をはきだすように相対的に移動することにより床面25に付着しているごみのかきあげを行う。また、絨毯面27においては、突状帯22の先端部と突出代の小さいブラシ群26の毛先カット面が絨毯面27をかきわけるように相対的に移動することで、絨毯面27に付着しているごみのかきあげが行え、床面25と絨毯面27のいずれの場合にもそれぞれ適した長さのブラシ群を一個のブラシ体に同時に設けたことにより、回転子へのブラシ体の挿入工数増加等のコストアップも生ずることなく、すべての掃除面を効率良く掃除できるものである。
【0011】
以下、本発明の第2の実施例を、図4を用いて説明する。吸込具本体11の構成は、第1の実施例と同じ構成のため説明は省略する。図4において、ブラシ体23は、突出代の大きいブラシ群24を突出代の小さい同じ長さのブラシ群26で挟む構成とするもので、突出代の大きいブラシ群24の先端部は床面25と当接するよう設定し、第1の実施例と同様、突状帯22の先端部と突出代の小さいブラシ群26先端部は絨毯面27に当接するよう設定してある。
【0012】
上記構成による動作、作用は以下の通りである。突出代の大きいブラシ群24の先端部は床面25と当接するよう設定し、上記突状帯22の先端部と上記突出代の大きいブラシ群24を挟む突出代の小さいブラシ群26先端部は絨毯面27に当接するよう設定してあるため、アジテ−タ−19の回転時、床面25上では突出代の大きいブラシ群24の毛先カット面が床面25をはきだすように相対的に移動することにより床面25に付着しているごみのかきあげを行う。また、絨毯面27においても突状帯22の先端部と突出代さの小さいブラシ群26の毛先カット面が絨毯面27をかきわけるように相突出代移動する。さらに、絨毯面27上においては突出代の大きいブラシ群24の回転方向の後方に突出代の小さいブラシ群26を設け、突出代の大きいブラシ群24を突出代の小さいブラシ群26により回転方向の前後で挟みつけ、突出代の大きいブラシ群24をいわゆる曲がり難くすることで、腰折れにより突出代の大きいブラシ群24の毛先カット面が絨毯面27より逃げるのを防止でき、絨毯面27に付着しているごみのかきあげが効果が向上し、特に絨毯上での集塵性能の向上が図れる。また、床面25上においても、ブラシ毛の硬さ等を変えることなく突出代の大きいブラシ群24を突出代の小さいブラシ群26により回転方向の前後で挟みつけるだけで、突出代の大きいブラシ群24の腰折れが防止できるため、床面掃除のソフト感を維持しながら床面上でも集塵性能の向上が図れるため、各々の掃除面において集塵性能の向上が実現できるものである。また、絨毯上においては絨毯のパイルにからみついたごみを絨毯のパイルより外し、吸込風にて集塵させるため、ブラシ毛はいわゆる腰折れが等生じにくい、例えばパイルの直径を大きくする等、硬質に形成した方が良い。一方、床面においては、床上のワックス等を傷つけないように、かつ湿気などによりかるく吸着しているごみを床面よりはぎとるため、ブラシ毛はいわゆるソフト感がある、例えばパイルの直径を小さくする等、軟質に形成した方が良い。従って、本発明の第3の実施例のように、ソフト感が必要な床面25の集塵が中心である突出代の大きいブラシ群24より絨毯面27の集塵が中心である突出代の小さいブラシ群26を硬質に形成することで、絨毯面27での突出代の小さいブラシ群26のいわゆる腰折れによるブラシ毛先カット面の回転方向の後方への逃げがより少なくなり、絨毯面27に付着しているごみのかきあげが効果が向上し、絨毯上での集塵性能の向上が図れるとともに、床面掃除においても突出代の大きいブラシ群24を軟質に形成することで、床面掃除のソフト感の維持も可能であり、各々の掃除面を効率良く掃除できるものである。
【0013】
以下、本発明の第4の実施例を、図5を用いて説明する。吸込具本体11の構成は、第1の実施例と同じ構成のため説明は省略する。図5において、突出代の異なる2種類のブラシ群より構成されているブラシ体において、アジテ−タ−19の回転時、突出代の小さいブラシ群26を突出代の大きいブラシ群24より先に掃除面に衝突させるよう設定したものである。
【0014】
上記構成による動作、作用は以下の通りである。突出代の大きいブラシ群24を突出代の小さいブラシ群26より先に絨毯面27に衝突させた場合には、突出代の大きいブラシ群24は腰折れして回転方向の後方に逃げるために、回転後方に位置する突出代の小さいブラシ群26間に腰折れした突出代の大きいブラシ群24が入り込んでしまい、突出代の小さいブラシ群26の毛先カット面が絨毯面27に付着しているごみをかきあげる力を低減させてしまう。従って、突出代の小さいブラシ群26を突出代の大きいブラシ群24より先に掃除面に衝突させることで絨毯上での毛先カット面でのごみをかきあげる効果の低減を防止でき、絨毯上での集塵性能の向上を実現するものである。
【0015】
以下、本発明の第5の実施例を、図6を用いて説明する。吸込具本体11の構成は、第1の実施例と同じ構成のため説明は省略する。図6において、突出代の異なる2種類のブラシ群より構成されているブラシ体において、アジテ−タ−19の回転時、突出代の大きいブラシ群24を突出代の小さいブラシ群26より先に掃除面に衝突させるよう設定したものである。
【0016】
上記構成による動作、作用は以下の通りである。突出代の大きいブラシ群24の先端部は床面25と当接するよう設定し、突出代の小さいブラシ群26先端部は絨毯面27に当接するよう設定してあり、アジテ−タ−19の回転時、床面25上では突出代の大きいブラシ群24の毛先カット面が床面25をはきだすように相対的に移動することにより床面24に付着しているごみのかきあげを行う。突出代の大きいブラシ群24の回転方向の後方に突出代の小さいブラシ群26を設け、突出代の大きいブラシ群24をいわゆる曲がり難くすることで、腰折れにより突出代の大きいブラシ群24の毛先カット面が床面25上より逃げるのを防止でき、床面25上に付着しているごみのかきあげが効果が向上し、特に床面上での集塵性能の向上が図れる。
【0017】
以下、本発明の第6の実施例を、図7を用いて説明する。基布28に突出代の大きいブラシ群24に相当する熱収縮性の小さな特性であるパイルの素材を用いたブラシ群と突出代の小さいブラシ群26に相当する熱収縮性の大きな特性であるパイルの素材を用いたブラシ群とを一体に紡績した後、同一長さに同時切断する。さらに、高温槽等へある一定時間放置する等の熱処理を行うことで、熱収縮性の大きな素材を用いたブラシ群の方が熱収縮性の小さな素材を用いたブラシ群より長さが短くなるため、突出代の異なるブラシ群より構成されるブラシ体を製造することができる。同時に、第7の実施例のように、熱処理にて図8のとおりブラシ体の毛先は溶け先端形状が球面状29に形成されるため、掃除面にブラシ群が当たったとき、弾力性が得られ、たたき効果によりごみをまいあげる効果を付加することができる。
【0018】
以下、本発明の第8の実施例を、図9を用いて説明する。内部に塵埃を集塵する塵埃室30とモ−タ−31とを備えた電気掃除機本体32に、ホ−ス33、延長管34を介し吸込具と連通するよう接続される接続口を備えた電気掃除機で、特に従来に比べ絨毯上での集塵性能の向上を実現し、すべての掃除面を効率良く掃除できるものである。
【0019】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載の発明によれば、突出代の小さいブラシ群を突出代の大きいブラシ群より硬質に形成するもので、絨毯面での突出代の小さいブラシ群のいわゆる腰折れによるブラシ毛先カット面の回転方向の後方への逃げがより少なくなり、絨毯面に付着しているごみのかきあげが効果が向上し、絨毯上での集塵性能の向上が図れるとともに、床面掃除においても突出代の大きいブラシ群を軟質に形成することで、床面掃除のソフト感の維持も可能であり、各々の掃除面を効率良く掃除できるものである。
【0020】
本発明の請求項2記載の発明によれば、電動送風機を内蔵し、請求項1に記載の電気掃除機用吸込具と連通するように接続される吸込口を備えた電気掃除機で、特に従来に比べ絨毯上での集塵性能の向上を実現し、すべての掃除面を効率良く掃除できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例を示す電気掃除機用吸込具の側断面図
【図2】 同電気掃除機用吸込具の平面図
【図3】 同電気掃除機用吸込具のアジテ−タ−の側断面図
【図4】 本発明の第2の実施例を示す電気掃除機用吸込具のアジテ−タ−の側断面図
【図5】 本発明の第4の実施例を示す電気掃除機用吸込具のアジテ−タ−の側断面図
【図6】 本発明の第5の実施例を示す電気掃除機用吸込具のアジテ−タ−の側断面図
【図7】 本発明の第6の実施例を示す電気掃除機用吸込具のブラシ体の側断面図
【図8】 本発明の第7の実施例を示す電気掃除機用吸込具のるアジテ−タ−の側断面図
【図9】 本発明の第8の実施例を示す電気掃除機の全体図
【図10】 従来の電気掃除機用吸込具の側断面図
【図11】 同電気掃除機用吸込具のアジテ−タ−の側断面図
【図12】 同電気掃除機用吸込具のアジテ−タ−の回転時の側断面図
【符号の説明】
11 吸込具本体
12 上部枠体
13 下部枠体
14 集塵室
15 開口
16 パイプ
17 吸引口
18 通路
19 アジテ−タ−
20 回転子
21 溝部
22 突状帯
23 ブラシ体
24 突出代の大きいブラシ群
25 床面
26 突出代の小さいブラシ群
27 絨毯面
28 基布
29 毛先形状が球面状のブラシ群
30 塵埃室
31 モ−タ−
32 電気掃除機本体
33 ホ−ス
34 延長管

Claims (2)

  1. 回転自在のアジテ−タ−を内設し、前記アジテ−タ−を回転子と、前記回転子の周囲の長手方向に設けたブラシ体で形成し、前記ブラシ体を突出代の異なるブラシ群で構成し、先端部が床面と当接するように設定された突出代の大きいブラシ群を、先端部が絨毯面と当接するように設定された突出代の小さいブラシ群で挟むようにすると共に、突出代の小さいブラシ群を突出代の大きいブラシ群より硬質に形成した電気掃除機用吸込具。
  2. 電動送風機を内蔵し、請求項1に記載の電気掃除機用吸込具と連通するように接続される吸込口を備えた電気掃除機。
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