以下、図面に基づき本発明の好適な実施の形態を説明する。
(第1の実施形態)
図2は、本発明のこの実施形態における画像読取装置であるネットワーク複写機1のブロック図である。ネットワーク複写機1は、従来のスタンドアロン複写機としてのカラー多値ローカルコピー機能の他に、カラー多値スキャナとしての機能と、カラー多値プリンタとしての機能と、ネットワークで接続されたネットワーク複写機間で複写を行うカラー多値リモートコピー機能と、カラー多値ファクシミリ機能も持つ複合機である。
ネットワーク複写機(以下、複写機と略記する)1は他の複写機4−1および4−2やコンピュータ3−1および3−2等とネットワーク2を介して接続されている。本実施形態の場合、このネットワーク2はイーサネット(登録商標)で構成されているが、複数の機器をネットワーク接続するものであれば、他のインタフェースでもよい。
図2は複写機1について示しているが、他の複写機4−1,4−2も同様な構成である。まず複写機1をスタンドアロン複写機として用いる場合は、後述する原稿載置部上に置かれた原稿を画像読取部7で読み取って電気信号に変える。そして読取特性補正部8で画像読取部7の特性補正を行い、画像処理部9で様々なデジタル画像処理を行い、画像形成部11で画像を形成する。
本発明の画像読取装置は、両面原稿の両側の面を2つの画像読取部7−1,7−2により、実質的にほぼ同時に読み取る機能を持っている。片面原稿および両面原稿の第1面は、画像読取部7−1で読み取り、両面原稿の第2面は、画像読取部7−2で読み取る。このように両面原稿の両側をほぼ同時に読み取ることにより、両面原稿の読取時間を短くすることができ、操作者が読取りを待つ時間を短くすることができる。
このように両面同時読取りを行う場合、2つの画像読取部7−1,7−2の読取特性を合わせることが重要である。特に画像読取部7が白黒2値読取機能だけでなく、本実施形態のようにカラー多値読取機能を持っている場合には、差異が目立つため、より重要となってくる。このため本実施形態では各画像読取部7−1,7−2で読み取った画像データを、読取特性補正部8−1,8−2でそれぞれ補正することにより両者の読取特性を合わせるようにしている。
また第1の画像読取部7−1は、カラー多値画像データの読取りが可能であるが、第2の画像読取部7−2は、白黒多値画像データの読取りが可能な構成となっている。すなわち両側の画像読取部の能力に差をつけた構成となっている。これは現在、カラーの大量な両面文書を読むニーズが、白黒の大量な両面文書を読むニーズに比べて少ないため、白黒の大量な両面文書を両面同時読取りさえできれば、多くのニーズを満足させることができるためである。またカラーの画像読取部は白黒の画像読取部に比べて、RGBのCCDを使う必要があり、読み取ったデータを処理する回路も約3倍必要である。さらに光量も上げる必要があるため大規模となり、大きく、重く、コストも高いものになる。
したがって第2の画像読取部7−2については白黒多値画像データの読取りが可能な構成にすることで、第2の画像読取部7−2の大きさ、重さ、コストを抑えることができる。しかも白黒の大量な両面文書については両面同時読取りが可能となる。第1の画像読取部7−1は、カラー多値画像データの読取りが可能であるが、読み取ったカラー画像データは画像処理部9で白黒多値画像データに変換可能な構成となっている。また第1の画像読取部7−1で読み取ったカラー画像データや第2の画像読取部7−2で読み取った白黒多値画像データは、画像処理部9で白黒2値画像データに変換可能な構成となっている。
複写機1をスタンドアロン複写機として用いる場合、片面原稿および両面原稿の第1面については、画像読取部7−1で読み取った画像データは、画像メモリ13を経由することなく、そのまま画像形成部11に送られて画像形成が行われる。一方、両面原稿の第2面については、第1面とほぼ同時に読取りが行われるが、画像形成部11による画像形成が片面ずつしか行えないため、画像読取部7−2で読み取った画像データは、画像メモリ13に一旦書き込まれる。そして画像形成部で第1面が形成された後、画像メモリ13から読み出された第2面の画像データは、画像形成部11に送られ、第2面の画像形成が行われる。
つぎに複写機1をプリンタとして用いる場合は、外部装置であるコンピュータ3から送られてきたぺ一ジ記述言語(PDL:Page Description Language )で記述されたPDLデータは外部インタフェース5およびCPUバス19を経由して、CPU15の制御により画像メモリ13にラスタ画像として展開される。そして画像形成部11に起動がかけられる。画像メモリ13から読み出された画像データ14は、画像処理部9を経由して画像形成部11に送られ、ここで画像形成が行われる。
つぎに複写機1をスキャナとして用いる場合には、後述する原稿載置部上に置かれた原稿を画像読取部7で読み取って、電気信号に変える。そして読取特性補正部8で各画像読取部の特性補正を行い、画像処理部9で様々なデジタル画像処理を行う。画像処理された画像データ12は、画像メモリ13にラスタ画像として書き込まれる。つぎに画像メモリ13から読み出されたラスタ画像データは、CPUバス19および外部インタフェース5を経由して、CPU15の制御により外部装置であるコンピュータ3に送出される。
本実施形態の場合、ラスタ画像データは圧縮されないで送出されるが、圧縮して送出するようにしてもよい。また外部装置であるコンピュータ3への送出は、ネットワーク2を経由して送出されるが、このとき画像データは複数のパケットに分割されて、不連続に出力される。これは、複数の装置が接続されるネットワーク2を占有しないようにするためである。複数のパケットに分割された画像データは、受信側のコンピュータ3で復元される。
複写機1をスキャナとして用いる場合、片面原稿については画像読取部7−1で読み取った片面分の画像データは画像メモリ13を経由して、各ペ一ジごとに順番にコンピュータ3に送出される。一方、両面原稿については第1面と第2面の読取りがほぼ同時に行われ、読み取られた各画像データはパラレルに画像メモリ13に書き込まれる。そして1枚の両面原稿に関して、第1面の画像データと第2面の画像データが画像メモリ13に書き込まれた後、各ペ一ジごとに順番にコンピュータ3に送出される。
本実施形態では、このように両面同時読取りの場合でも両面の各ペ一ジごとに順番にコンピュータ3に送出するようにしている。これは、コンピュータ側の受信処理を片面の場合と同じにできるという利点がある。一方、両面同時読取りの場合には両面の画像データを画素ごと、あるいはラインごとに交互にコンピュータ3に送出するようにした場合も本発明の実施例として含まれる。この方式は、両面同時読取りの場合のコンピュータ側の受信処理を片面の場合と変える必要が生じるが、両面の全ての画像データが画像メモリ13に書き込まれる前に転送を開始でき、また画像メモリ13の容量が少なくてもよいという利点がある。
また本実施形態では、1枚の原稿ごとに画像データの読取りとコンピュータ3への送出を繰り返すようにしている。これは、画像メモリ13の容量が比較的小さくて済むという利点がある。一方、ハードディスク等の大量の画像メモリを持ち、原稿給紙用載置部31に置かれた複数枚の原稿の画像データを画像メモリに書き込んだ後に、コンピュータ3へ送出するようにした場合も本発明の他の実施例として含まれる。この場合、片面読取りあるいは両面同時読取りで読み取った画像データは、コンピュータ3への送出とは非同期に画像メモリ13に書き込まれる。一方、画像メモリ13から読み出された画像データは、画像の読取りとは非同期にコンピュータ3へ送られる。このように構成することにより、コンピュータ3への送出に時間がかかる場合でも、送出完了を待つことなく、画像の読取りが行えるため読取作業が早く終了し、操作者は早く原稿を持って立ち去ることができるという利点がある。
つぎに複写機1を読取側のネットワーク複写機として用いる場合には、スキャナとして用いる場合と同様に、外部装置である他の複写機4−1や4−2に送出される。ただし、スキャナとして用いる場合と読取側のネットワーク複写機として用いる場合とでは、適用される機能が異なるため異なる処理となる。たとえば複写機としては拡大、縮小、トリミング、マスキングおよびセンター移動など多彩な機能が必要である。スキャナとして用いる場合は、後にコンピュータ側で自由に処理することができるため、必ずしも必要でない。また複写機としては、読取側の複写機と画像形成側の複写機とが機械的動作に関して同期して動作しないと高い生産性が得られない。これに対してスキャナとして用いる場合は、コンピュータ側での処理は全て電気的な処理であるため、同期させる必要がなく非同期でよいという違いがある。複写機1を読取側のネットワーク複写機として用いる場合の両面原稿の画像データの送り方は、スキャナとして用いる場合と同様である。
つぎに複写機1を画像形成側のネットワーク複写機として用いる場合には、プリンタとして用いる場合と同様にして、外部装置である他の複写機4−1や4−2から送られてきた画像データを受け取り、画像形成が行われる。ただし、プリンタとして用いる場合と画像形成側のネットワーク複写機として用いる場合とでは、適用される機能が異なるため異なる処理となる。たとえばプリンタの場合はコンピュータからPDLデータを受け取って、それをラスタ画像データに展開してプリントする。画像形成側のネットワーク複写機の場合は、読取側のネットワーク複写機からラスタ画像データを受け取ってプリントするという違いがある。またプリンタの場合はコンピュータ側の処理とプリンタ側の処理とは同期する必要はなく、バッチ処理的に処理される。画像形成側のネットワーク複写機の場合は、生産性を上げるためには読取側のネットワーク複写機の読取動作と同期して形成動作を行う必要があるという違いがある。
つぎに複写機1を読取側のファクシミリとして用いる場合には、スキャナとして用いる場合と同様にして、読み取ったラスタ画像データが画像メモリ13に書き込まれる。ついで画像メモリ13内のラスタ画像データは、CPU15によりJPEG法などを用いて符号化処理を施され、コードデータとして再び、画像メモリ13に書き込まれる。ついでCPU15により画像メモリ13から読み出されたコードデータは、モデム20に書き込まれて変調され、CCITT勧告によって定められた通信機能に基づいて、公衆回線21を経由して他のファクシミリ装置に送られる。複写機1を読取側のファクシミリとして用いる場合の両面原稿の画像データの送り方は、スキャナとして用いる場合と同様である。
つぎに複写機1を画像形成側のファクシミリとして用いる場合には、公衆回線21を経由して送られてきた変調データは、モデム20でコードデータに戻される。そのコードデータは一度画像メモリ13に書き込まれ、ついでCPU15によりデコード処理を施され、ラスタ画像データとして再び、画像メモリ13に書き込まれる。ついで画像メモリ13から読み出されたラスタ画像データ14は、画像処理部14に送られる。ここで解像度変換等の画像処理を施され、画像処理を施されたラスタ形式の画像データ10は画像形成部11に送られて、ここで画像形成が行われる。
このように第1面の原稿読取部7−1および第2面の原稿読取部7−2は、走査機能を行う場合、ネットワーク複写機としてリモートコピーを行う場合、ファクシミリ送信を行う場合、スタンドアロン複写機としてローカルコピーを行う場合、これらいずれの場合にも兼用して使われる。操作部6は、操作者により種々の操作指示を行うためのものである。CPU15は複写機1の制御を行うものであり、ROM16はCPU15で動作するプログラムや固定的データを保存するためのものである。揮発性RAM17は、電源をオフすると中身のデータが揮発してしまう、作業用データを保持する書換え可能なメモリである。一方、不揮発性RAM18は、電源をオフしても中身のデータが揮発しない、半恒久的データを保持する書換え可能なメモリである。
図3は、複写機1の外観図である。図3(A)は、シート原稿を読む場合の状態を示し、図3(B)は、ブック原稿を読む場合の状態を示している。画像形成部11の上部に、原稿を読み取るためのスキャナ部の本体部39が置かれ、その上部に原稿給紙部40が配置され、その手前に操作部6が配置される。原稿給紙部40は、図3(B)のように奥側を固定点として、手前が上部に開く構成となっている。シート原稿を読み取る場合、図3(A)のように原稿給紙部40を閉じた状態で、原稿給紙部40上の後述する原稿給紙用載置部に複数枚のシート原稿を置いて読込みを指示する。一方、ブック原稿を読み取る場合には原稿給紙部40を上げて、原稿載置部41の上にブック原稿を下向きに載置して読込みを指示する。
図4は、原稿給紙部40を閉じた状態のスキャナ部を手前から見た概略断面図である。ブック原稿を読み取る場合には、原稿給紙部40を上げて、原稿載置部41の上に原稿を下向きに載置して原稿給紙部40を下げて原稿を押さえる。第1の画像読取部7−1を、図示しない駆動系によって読取開始位置43まで移動する。つぎに矢印42の方向に走査することにより読取りを行う。画像読取部7−1は、図示しない光源とCCD等の画像読取素子と光学系とから構成される。光源から出た光は、ガラスで構成された原稿載置部41を透過して原稿で反射する。その反射光を画像読取素子で読み取ることにより、画像データの読取りを行う。
一方、シート原稿を読み取る場合は、まず1枚以上で構成されるシート原稿を原稿給紙用載置部31に置く。原稿給紙用載置部31に置かれた原稿は、ローラ32、ガイド33およびローラ34により上から1枚ずつ給紙される。そして第2の画像読取部7−2と第1の画像読取部7−1の前を通過し、シート状ローラ35、ガイド36およびローラ37により原稿排紙部38に排紙される。片面原稿および両面原稿の第1面(原稿給紙用載置部31に置かれた状態で上側の面)は、原稿が通過するのに合わせて、第1の画像読取部7−1で画像の読取りが行われる。一方、両面原稿の第2面(原稿給紙用載置部31に置かれた状態で下側の面)は、原稿が通過するのに合わせて、第2の画像読取部7−2で画像の読取りが行われる。
第2の画像読取部7−2も第1の画像読取部7−1と同様に、図示しない光源とCCD等の画像読取素子と光学系から構成されるが、第1の画像読取部7−1と異なり固定位置で使用される。また、図3のように第2の画像読取部7−2は、原稿給紙部40に内蔵される構成となっており、ブック原稿の読取時には、図3(B)のように原稿給紙部40の上部への開放に伴って移動し、読取りには使われない。一方、シート原稿の場合には、図3(A)のように原稿給紙部40を閉じることに伴って移動し、読取りに使われる。
またブック原稿の場合には、原稿を固定して画像読取部7−1を走査させることで原稿全体の読取りを行う。シート原稿の場合には画像読取部7−1,7−2を固定して、原稿の方を移動させることにより原稿全体の読取りを行う。ブック原稿の読取りにおいて画像読取部7−1を矢印42の方向に走査して読み取ったのは、シート原稿の走査方向とブック原稿の走査方向を、原稿に対して相対的に同じにするためである。しかしローカルコピーにおいても、読み取った画像データを画像メモリ13に一度蓄積する構成にすれば、画像メモリ13において走査方向の違いは吸収可能である。このような場合はブック原稿の読取りにおいて画像読取部7−1を矢印42と逆の方向に走査して読み取るようにしてもよい。
図4において第1の画像読取部7−1と第2の画像読取部7−2は、少し位置をずらして配置されている。これは、同じ位置で読み取ると、片側の光源から出た光が紙を透過して逆側の画像読取りに悪影響を与えてしまう危険性があり、それを避けるためである。
本実施形態の画像読取装置は、両面同時読取り可能な画像読取装置であるが、原稿反転部44〜47も具備している。これは、第2の画像読取部7−2がカラー画像データを読めないため、両面のカラー原稿を従来どおり、第1の画像読取部7−1を用いて各面を逐次的に読むためのものである。具体的には原稿給紙用載置部31に置かれたカラー両面原稿は、ローラ32、ガイド33、ローラ34およびシート状ローラ35により上から1枚ずつ給紙され、第1の画像読取部7−1の前を通過して第1面の読取りが行われる。
原稿はその後、シート状ローラ35、ローラ34によって逆方向に搬送され、原稿反転部44〜47を通って反転され、再び第1の画像読取部7−1の前を通過して第2面の読取りが行われて、原稿排紙部38に排紙される。このようにカラー両面原稿の各面を逐次読み取ると、両面同時読取りを行う場合に比べて、反転時間を含めて2倍以上の時間がかかるが、逐次読取機能を備えることで利便性に優れている。
図5は、操作部6と原稿給紙部40の外観図であり、複写機1のスキャナ部を上から見た図である。装置手前側に操作部6が配置され、原稿載置部上に原稿給紙部40が配置される。操作部6には大型の液晶表示部55の他に、テンキー類56、キャンセルキー57、OKキー58、スキャン設定開始キー51、リモートコピー設定開始キー52、FAX設定開始キー53およびローカルコピー設定開始キー54等から構成されている。液晶表示部55には任意の文字を表示することができ、ここに種々のメッセージが表示され、対話的に操作を行うことができる。
一方、原稿給紙部40は、複写機でよく使われている装置であり、載置された複数のシート原稿を1枚ずつ読取位置まで給紙するための装置である。原稿給紙用載置部31に置かれた原稿は、1枚ずつ給紙されて読取りが行われ、原稿排紙部38に排紙される。
図6は、複写機1をスキャナとして使用する場合の操作フローの例であり、操作部6内の液晶表示部55に表示されるメッセージの流れを示している。まず操作部6内のスキャン設定開始キー51が押されると、まず画面61が表示され、走査した画像を送るべき送り先のコンピュータを選択する。この画面では、予め登録されているコンピュータを1〜4にリスト表示し、その中から選択する。たとえば1のAは、図3のコンピュータAに対応する。画面61では説明の簡略化のため4つしかリスト表示していないが、スクロールしたり、ぺージ切替えしたり、あるいはグループ化を行うことにより多くのリスト表示を行うことができる。選択は操作部上のテンキー56を用いて指示し、OKキー58を押すことで確定する。
画面61で一覧表示を選択すると画面62に移り、現在ネットワークに接続されているコンピュータの一覧が表示され、そのうちから走査した画像を送るべき送り先のコンピュータを選択する。現在ネットワークに接続されているコンピュータを調べるためには、たとえば走査した画像を受け取る機能を持っているかどうかの問合わせを、ネットワークに接続されている全ての装置にブロードキャストする。そして、それに対する各装置の回答を調べることにより行う。走査した画像を送るべき送り先のコンピュータが決定すると、つぎに画面63に移り、原稿が片面であるか両面であるかを指定する。
つぎに画面64では、使用するカラーモードを指定する。本実施形態の場合、カラーモードにはフルカラーであるRGB24ビットタイプ、1画素が白黒8ビットで構成される白黒多値、1画素が白黒1ビットで構成される白黒2値の3種類がある。つぎに画面65では、読取サイズを指定する。本実施形態の場合、読取サイズにはA4縦であるA4SEF(Short Edge Feed )、A4横であるA4、B4縦であるB4およびA3縦であるA3の4種類がある。つぎに画面66では読取画像の解像度を指定する。本実施形態の画像読取部は、400dpiの読取解像度を持ち、画面66では400dpi以下の解像度を指定することができる。400dpi未満の解像度を指定した場合は、400dpiで読み取った画像を画像処理部14で間引き縮小することによりその解像度を実現する。解像度を大きくすると高解像度の画像が得られるが画像サイズも増加し、保存する場合のディスク容量も増え、転送時間もかかる。
つぎに画面67では、読み込んだ後コンピュータに保存する場合に、どういうフォーマットで保存するかを選択する。生データは、読み込んだデータをそのままヘッダ等を付けずに保存することを意味する。TIFF形式やPICT形式はコンピュータの世界でよく使われているフォーマットであり、画像サイズ等の情報をヘッダ等の形で内包したフォーマットで保存することを意味する。JPEG圧縮は、標準的な圧縮方式の1つであるJPEG圧縮を行ってからコンピュータに保存することを意味する。UNIX(登録商標)圧縮は、UNIX(登録商標)で標準的な圧縮方法で圧縮を行ってからコンピュータに保存することを意味する。画像のフォーマットにはこの他にも各種存在するが、この画面では各種のフォーマットのうちの1つを選択する。
つぎに画面68では、保存するファイル名が表示され、走査を行うかどうかの最終指示画面となる。シート原稿を原稿給紙用載置部31に置くか、あるいはブック原稿を原稿載置部41に置き、走査を指示することで画像の読込みが開始される。そして指示した読取サイズ、指示したカラーモード、指示した解像度の画像データが、指示したコンピュータに送られ、指示したファイルフォーマットで保存される。このとき画面63で両面原稿が指示されていると、原稿の両面が読み取られる。一方、片面原稿が指示されていると、原稿の片面のみが読み取られる。本実施形態ではファイル名は自動的に生成され、接頭語『IMG』の後に走査した順番にシリアル番号がつけられ、最後にファイルフォーマットが生データであることを示す『.raw』が付けられる。
つぎに図7は、複写機1をネットワーク複写機として使用する場合の操作フローの例を示している。まず操作部6内のリモートコピー設定開始キー52が押される。すると、まず画面71が表示され、走査した画像を送る送り先のネットワーク複写機を選択する。この画面では、予め登録されているネットワーク複写機を1〜4にリスト表示し、その中から選択する。図6におけるスキャナとしての送り先であるコンピュータと、図7におけるネットワーク複写機としての送り先であるネットワーク複写機とは異なるため異なる送り先が登録される。
画面71で一覧表示を選択すると画面72に移り、現在ネットワークに接続されているネットワーク複写機の一覧が表示され、そのうちから走査した画像を送るべき送り先のネットワーク複写機を選択する。現在ネットワークに接続されているネットワーク複写機を調べるためには、たとえばリモートコピー機能を持っているかどうかの問合わせを、ネットワークに接続されている全ての装置にブロードキャストし、それに対する各装置の回答を調べることにより行う。走査した画像を送るべき送り先のネットワーク複写機が決定すると、つぎに画面73に移り、原稿が片面であるか両面であるかを指定する。
つぎに画面74では、使用するカラーモードを指定する。つぎに画面75では、送り先のネットワーク複写機で形成する部数を指示する。画面76では、プリントを行う送り先のネットワーク複写機の給紙段を選択する。つぎに画面77では、送り先のネットワーク複写機で行うフィニッシング処理を指示する。フィニッシング処理とは、用紙上に画像を形成した後、その用紙に対して行われる後処理であり、1部ごとに並べ替えるソート処理や、ソートされた用紙をステープルするステープル処理、あるいはソートされた用紙を糊付けして綴じるバインド処理などを意味する。
つぎに画面78では、リモートコピーを行うかどうかの最終指示画面となる。シート原稿を原稿給紙用載置部31に置くか、あるいはブック原稿を原稿載置部41に置き、開始を指示することで画像の読込みが開始される。読み込まれた画像データは、指示したネットワーク複写機に送られる。そして、指示したネットワーク複写機23において、指示した給紙段から給紙した用紙上に指示した部数だけプリントされ、指示したフィニッシング処理が施される。このとき画面73で両面原稿が指示されていると、原稿の両面が読み取られる。一方、片面原稿が指示されていると、原稿の片面のみが読み取られる。
つぎに図8は、複写機1をFAXとして使用する場合の操作フローの例を示している。まず操作部6内のFAX設定開始キー53が押されると、まず画面81が表示され、ファクシミリ送信を行う送り先を指定する。つぎに画面82では、原稿が片面であるか両面であるかを指定する。つぎに画面83では、カラーモードを指示する。つぎに画面84では、解像度を指示する。ファクシミリ送信の場合は400dpiを意味するファインと、72dpiを意味するノーマルのどちらかを選択できる。つぎに画面85では、読取サイズを指定する。
つぎに画面86では、ファクシミリ送信を行うかどうかの最終指示画面となる。シート原稿を原稿給紙用載置部31に置くか、ブック原稿を原稿載置部41に置き、開始を指示することで画像の読込みが開始され、読み込まれた画像データが、公衆回線21を経由して他のファクシミリ装置に送られる。このとき画面82で両面原稿が指示されていると、原稿の両面が読み取られる。一方、片面原稿が指示されていると、原稿の片面のみが読み取られる。
つぎに図9は、複写機1をスタンドアロン複写機として使用する場合の操作フローの例を示している。まず操作部6内のローカルコピー設定開始キー54が押されると、まず画面91が表示され、原稿が片面であるか両面であるかを指定する。ローカルコピーの場合は、画像を形成するのは複写機1自体のプリンタ部11であるため、送信先を選ぶ必要はない。つぎに画面92では、原稿を読み取ってカラー画像データを得てカラー画像として形成を行うか、原稿を読み取って白黒多値画像データを得て白黒多値画像として形成を行うか、あるいは原稿を読み取って白黒2値画像データを得て白黒2値画像として形成を行うかのカラーモードを指示する。
つぎに画面93では、プリンタ部11で形成する部数を指示する。つぎに画面94では、複写機1自体のプリンタ部11の給紙段を選択する。つぎに画面95では、プリンタ部11で行うフィニッシング処理を指示する。つぎに画面96では、解像度を指示する。ローカルコピーの場合は、400dpiと200dpiのどちらかを選択することができる。
つぎに画面97では、ローカルコピーを行うかどうかの最終指示画面となる。シート原稿を原稿給紙用載置部31に置くか、あるいはブック原稿を原稿載置部41に置き、開始を指示することで画像の読込みが開始される。読み込まれた画像データが、複写機1自身のプリンタ部11に送られる。プリンタ部11において、指示した給紙段から給紙した用紙上に、指示したカラーモードで指示した部数だけプリントされ、指示したフィニッシング処理が施される。このとき画面91で両面原稿が指示されていると、原稿の両面が読み取られる。一方、片面原稿が指示されていると、原稿の片面のみが読み取られる。
ここで、図1は、第1の実施形態におけるネットワーク複写機の制御フローを説明するためのフローチャートである。
まず電源オン後、ステップS11では操作部6上のスキャン設定開始キー51が押されたかどうかをチェックし、押されていればステップS12〜ステップS15の走査の設定処理を行う。
まず、ステップS12では図6の操作フローに従って、操作者により宛先の指定25と原稿タイプ、カラーモード、原稿サイズおよび解像度などの動作モードの設定を行う。つぎにステップS13では指定された動作モードに対し、両面同時読取りが可能かどうかを判定する。本実施形態の第2の画像読取部7−2は、白黒多値の読取能力を持つため、カラー画像の読取りはできない。よって、画面63で原稿タイプが両面と指定され、かつ画面64でカラーモードとして白黒多値か白黒2値が指定された場合のみ、両面同時読取りが実行可能である。
両面同時読取りが可能な動作モードの場合、ステップS14では両面原稿の各面を各画像読取部7−1,7−2を用いてほぼ同時に読み取る。そして読み取った画像データを一旦、画像メモリ13に書き込み、ついで画像メモリ13から読み出した画像データをネットワーク2経由でコンピュータ3−1,3−2等に送信する。両面同時読取りの場合、画像読取りは両面同時に行われるが、画像データの送信は本実施形態の場合、各面ごとに逐次的に行われる。
一方、両面同時読取りが可能でない動作モードの場合、ステップS15では第1の画像読取部7−1を用いて片面読取りを行う。そして読み取った画像データを一旦、画像メモリ13に書き込み、ついで画像メモリ13から読み出した画像データをネットワーク2経由でコンピュータ3−1,3−2等に送信する。ステップS15において両面原稿でカラーモードがフルカラーの場合には、片面を第1の画像読取部7−1を用いて読み取った後、原稿反転部44〜47を用いて原稿の反転を行い、残りの片面を第1の画像読取部7−1を用いて読み込む。
ステップS11では走査設定開始キー51が押されていない場合には、ステップS16でリモートコピー設定開始キー52が押されたかどうかをチェックし、押されていればステップS17〜ステップS20のリモートコピー設定処理を行う。
まず、ステップS17では図7の操作フローに従って、操作者により宛先の指定と原稿タイプ、カラーモード、部数および給紙段などの動作モードの設定を行う。つぎにステップS18では指定された動作モードに対し、両面同時読取りが可能かどうかを判定する。この場合、画面73で原稿タイプが両面と指定され、かつ画面74でカラーモードとして白黒多値か白黒2値が指定された場合にのみ両面同時読取りが実行可能である。
両面同時読取りが可能な動作モードの場合、ステップS19では両面同時読取りを行う。そして読み取った画像データを一旦、画像メモリ13に書き込み、ついで画像メモリ13から読み出した画像データをネットワーク2経由でコンピュータ3−1,3−2等に送信する。両面同時読取りの場合、画像読取りは両面同時に行われるが、画像データの送信は本実施形態の場合、各面ごとに逐次的に行われる。
一方、両面同時読取りが可能でない動作モードの場合、ステップS20では第1の画像読取部7−1を用いて片面読み取りを行う。そして読み取った画像データを一旦、画像メモリ13に書き込み、ついで画像メモリ13から読み出した画像データをネットワーク2経由で他のネットワーク複写機4−1,4−2等に送信する。ステップS20において両面原稿でカラーモードがフルカラーの場合には走査の場合と同様、原稿反転部44〜47を用いて、第1の画像読取部7−1により各面を逐次的に読み込む。
ステップS16においてリモートコピー設定開始キー52が押されていない場合には、ステップS21でFAX設定開始キー53が押されたかどうかをチェックし、押されていればステップS22〜ステップS25のファクシミリ送信設定処理を行う。
まず、ステップS22では図8の操作フローに従って、操作者により送り先の指定と原稿タイプ、カラーモード、解像度および原稿サイズなどの動作モードの設定を行う。つぎにステップS23では指定された動作モードに対し、両面同時読取りが可能かどうかを判定する。この場合も、画面82で原稿タイプが両面と指定され、かつ画面83でカラーモードとして白黒多値か白黒2値が指定された場合にのみ両面同時読取りが実行可能である。
両面同時読取りが可能な動作モードの場合、ステップS24では両面同時読取りを行う。そして読み取った画像データを一旦、画像メモリ13に書き込み、ついで画像メモリ13から読み出した画像データをCPU15によりコード化して一旦画像メモリ13に戻す。つぎにモデム20、公衆回線21経由で他のファクシミリ装置に送信する。両面同時読取りの場合、画像読取りは両面同時に行われるが、画像データの送信は本実施形態の場合、各面ごとに逐次的に行われる。
一方、両面同時読取りが可能でない動作モードの場合、ステップS25では第1の画像読取部7−1を用いて片面読取りを行う。そして読み取った画像データを一旦、画像メモリ13に書き込み、ついで画像メモリ13から読み出した画像データをCPU15によりコード化して一旦画像メモリ13に戻し、つぎにモデム20、公衆回線21経由で他のファクシミリ装置に送信する。ステップS25において、両面原稿でカラーモードがフルカラーの場合には走査の場合と同様、原稿反転部44〜47を用いて、第1の画像読取部7−1により各面を逐次的に読み込む。
ステップS21においてFAX設定開始キー53が押されていない場合には、ステップS26でローカルコピー設定開始キー54が押されたかどうかをチェックする。押されていない場合はステップS11に戻るが、押されていればステップS27〜ステップS30のローカルコピー設定処理を行う。
ステップS27では図9の操作フローに従って、操作者により原稿タイプ、カラーモード、部数および解像度などの動作モードの設定を行う。つぎにステップS28では指定された動作モードに対し、両面同時読取りが可能かどうかを判定する。この場合も、画面91で原稿タイプが両面と指定され、かつ画面92でカラーモードとして白黒多値か白黒2値が指定された場合にのみ両面同時読取りが実行可能である。
両面同時読取りが可能な動作モードの場合、ステップS29では両面同時読取りを行う。画像読取部7−1で読み取られた画像データについては、そのまま画像形成部11に流されて画像形成が行われる。一方、画像読取部7−2で読み取られた画像データについては一旦、画像メモリ13に書き込み、画像読取部7−1で読み取られた面の画像データの形成が終わった後、画像メモリ13から読み出される。そして読み出された画像データは画像形成部11に送られて画像形成が行われる。すなわち両面同時読取りの場合、画像読取りは両面同時に行われるが、画像データの形成は本実施形態の場合、各面ごとに逐次的に行われる。
一方、両面同時読取りが可能でない動作モードの場合、ステップS30では第1の画像読み取り部7−1を用いて片面読み取りを行い、読み取った画像データは、そのまま画像形成部11に流されて画像形成が行われる。ステップS30において両面原稿でカラーモードがフルカラーの場合にはスキャンの場合と同様、原稿反転部44〜47を用いて、第1の画像読取部7−1により各面を逐次的に読み込む。
ステップS13,S18,S23,S28での両面同時読取り可能かどうかの判断において、原稿給紙部40が図3(B)のように開いた状態では両面同時読取りは不可能である。よって、本実施形態ではこのとき、原稿タイプとして片面を指示されていればブック原稿であると判断して、ステップS15,S20,S25,S30でそれぞれ、ブック原稿の読取りを行う。一方、原稿タイプとして両面を指示されていれば、エラーを表示する。これに対し、たとえば原稿給紙部40が図3(B)のように開いた状態では、原稿タイプとして両面を指示できないようにした構成も他の実施例として含まれる。
図1においては、説明の簡単化のためリモートコピー受信、ファクシミリ受信およびプリントの場合の制御フローは記載していないが、外部装置からネットワーク2経由または公衆回線21経由でこれらの処理の依頼がきた場合は、その依頼に応じて制御が行われる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態は、第1の実施形態とは第2の読取手段の読取能力と各機能の動作モードの設定方法と両面同時読取りを行うかどうかの判定方法のみが異なっている。ここでは、これらの相違部分のみを説明する。
まず第1の実施形態と異なる第1の点は、本実施形態の画像読取装置は、第1の実施形態の画像読取装置(図2のブロック図)同じ構成であるが、各面の画像読取部7−1と7−2の読取能力が、図10の表のように構成されている点が異なる。
すなわち、まずブック原稿とシート原稿の両方の読取りに使う画像読取部7−1は第1の実施形態と同様、カラー多値の画像データを読め、画像処理部で変換することにより白黒多値も白黒2値のデータも得ることができる。また読取解像度は400dpiで、これも画像処理部で解像度変換することにより、これよりも低い解像度のデータも得ることができる。またA4長手幅のCCDで構成されているため、A3縦までの原稿サイズを読むことができる。またA4縦原稿の読取速度は2秒である。ただし画像処理部で1ラインごとに間引くことにより、A4縦原稿を4秒で読むことも可能な構成となっている。
一方、両面シート原稿の第2面目の読取りにのみ使う画像読取部7−2は、白黒2値のデータしか読みとれない構成となっている。白黒2値の画像読取部はカラーや白黒多値の画像読取部に比べ、CCDなどの部品も小型であり、光量も少なくて済む。また回路規模も小さいので、大きさ、重さ、コスト等の点で有利である。また読取解像度は200dpiであり、これも安いCCDが使えるため、コストの点で有利である。またA4短手幅のCCDで構成されているため、A4縦までの原稿サイズを読むことができる。この点でも安いCCDが使え、CCDなどの部品も小型化できる。またA4縦原稿の読取速度は4秒となっていて、低速で動作させることにより読取りに必要な光量を減らすことができ、また回路の動作速度を遅くすることにより安価な部品が使え、コストの点で有利である。
第1の実施形態においては、画像読取部7−1と7−2の読取能力は、カラー多値と白黒多値の差だけであった。本実施形態においては、図10のように多値/2値、読取解像度、読取サイズ、読取速度の点でも差がつけられている。この結果、画像読取部7−2は、画像読取部7−1に比べて、大きさ、重さ、コストの点でさらに有利となっている。
一方、本実施形態においては、画像読取部7−2の読取能力が図10に示すような能力であるため、この能力で読みとれる場合にのみ両面同時読取りが可能になる。具体的には白黒2値であり、解像度が200dpi以下で、原稿サイズがA4縦以下の場合である。ただし現在、大量の両面文書は、白黒2値画像でA4サイズのものが多いので、本実施形態の構成においても多くの両面文書は両面同時読取りが可能である。
図11は、第2の実施形態における複合機の制御フローを説明するためのフローチャートである。本実施形態の制御フローは第1の実施形態の制御フローと類似しているため、ここでは第1の実施形態の制御フローチャート(図1)との制御上の相違点のみを説明する。
図11において、図1の場合とはステップS41、ステップS42、ステップS46、ステップS47およびステップS53の処理のみが異なる。
まずステップS41ではコンピュータ3からネットワーク2を経由して、走査指示コマンドがきたかどうかをチェックする。第1の実施形態では、走査動作モードの設定や走査開始指示は操作部6を用いて指示した。本実施形態では、コンピュータ3からネットワーク2を経由して、コマンドで指示する。
つぎにステップS42では同様にして、コンピュータ3からネットワーク2を経由して、画像データの送り先や走査動作モードを受信する。ついでステップS43ではこの動作モードにおいて、両面同時読取りが可能かどうかを判断する。本実施形態の場合、コンピュータ3からコマンドにより、動作モードとして両面原稿が指定され、白黒2値が指定され、また原稿サイズとしてA4SEFが指定され、200dpi以下の解像度が指定された場合にのみ両面同時読取りが可能である。
つぎにステップS46ではコンピュータ3からネットワーク2を経由して、リモートコピー指示コマンドがきたかどうかをチェックする。第1の実施形態ではリモートコピー動作モードの設定やリモートコピー開始指示は操作部6を用いて指示した。本実施形態では、コンピュータ3からネットワーク2を経由して、コマンドで指示する。
つぎにステップS47では同様にして、コンピュータ3からネットワーク2を経由して、画像データの送り先やリモートコピー動作モードを受信する。ついでステップS48ではこの動作モードにおいて、両面同時読取りが可能かどうかをステップS43と同様にして判断する。
つぎにファクシミリ送信処理の中のステップS53では、両面同時読取りが可能かどうかを判定する代わりに、両面原稿かどうかのみを判定して、両面同時読取りを行うかどうかを決定する。これは、本実施形態においては、ファクシミリ送信の場合は、白黒2値で、解像度が200dpi以下であり、原稿サイズがA4縦以下に限定されているためである。よって、指定された動作モードに関係なくファクシミリ送信という機能を用いる場合は、両面原稿については必ず両面同時読取りが行われる。
本実施形態ではファクシミリ送信以外の場合は、使う動作モードにより両面同時読取りを行うかどうかを変えている。これを、各機能ごとに両面同時読取りを行うかどうかを変える場合も実施例として含まれる。たとえばファクシミリ送信のみは両面同時読取りを行い、それ以外は両面同時読取りを行わないようにした構成も実施例として含まれる。また同じファクシミリ送信であっても、全ての原稿を画像メモリに入れてから送信するメモリ送信の場合は、両面同時読取りを行い、原稿の読取りと送信を並行して行うダイレクト送信の場合は、両面同時読取りを行わないようにした構成も実施例として含まれる。
なお、上記の実施形態ではA4/A3系列の原稿の場合について説明したが、レター/11x17インチ等のインチ系の原稿の場合も同様である。
以上の各実施形態では複合機1を1つの装置で構成しているが、これを複数の装置の組み合わせ、たとえばローカル複写機とコントローラという2つの装置から構成した場合も本発明の実施例として含まれる。この場合、モデム20や外部インタフェース5はコントローラ側につき、また構成によっては画像メモリ13もコントローラ側につく。すなわちスタンドアロンのローカルコピー機能のみを用いるユーザの場合はローカル複写機だけで構成し、走査機能、プリント機能、リモートコピー機能、FAX機能も用いるユーザの場合はローカル複写機にコントローラを追加する構成となる。このように分離して構成するのは、ローカルコピー機能のみを使う場合にはモデム20や外部インタフェース5は不要であり、コストアップになるからである。この場合、さらにローカル複写機をスキャナ部と画像形成部11に分離して構成した場合も本発明の実施例として含まれる。このように分離して構成するのは、走査機能のみを使う場合には画像形成部11は不要であり、コストアップになるからである。
また以上の各実施形態においては、ローカルエリアネットワークで接続された例について説明したが、ネットワーク接続されていれば、たとえば日本国内の各支店間を結ぶようなワイドエリアネットワークでもいい。この場合には、A支店のスキャナからB支店のコンピュータやC支店のネットワーク複写機に直接送りつけることが可能となる。また、インターネット経由でネットワーク接続されていてもよい。