JP4047137B2 - 現像装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、おもに電子写真方式を用いた画像形成装置に着脱自在なプロセスカートリッジ、及び現像装置に関する。
【0002】
ここで、画像形成装置としては、例えば、電子写真方式を用いた、電子写真複写機、LEDプリンタ、レーザビームプリンタ等の電子写真プリンタ、電子写真ファクシミリ装置等、静電記録方式を用いた画像形成装置等、が含まれる。又、画像形成装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジとは、帯電手段、現像手段及びクリーニング手段の少なくとも一つ或いは全部と、電子写真感光体等の像担持体とを一体的に構成し、画像形成装置本体に対して着脱可能としたものである。
【0003】
【従来の技術】
複写機やレーザービームプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置は、露光手段により画像情報に対応した光を、帯電した像担持体としての電子写真感光体(感光体)に照射して潜像を形成し、この潜像に現像装置で記録材料である現像剤(トナー)を供給して顕像化して現像像(トナー像)とし、更に感光体から記録媒体としての記録紙へ画像を転写することで記録紙上に画像を形成している。
【0004】
現像装置には、現像を行う現像部にトナー収納部である現像容器(トナー容器)が連結しており、画像を形成することでトナーは消費されていく。現像手段としてのトナー容器を有する現像装置、像担持体としての感光体、感光体に潜像を形成するために感光体の表面を帯電する帯電手段等は、プロセスカートリッジとして一体に構成されていることが多く、トナーが無くなったら使用者はプロセスカートリッジを交換することで、再び画像を形成することができる。
【0005】
又、電子写真の現像方式においては、種々の現像方式が実用化されているが、中でもシンプルな構造の現像装置でトラブルが少なく、寿命も長く、メンテナンスが容易であることから、磁性トナーを用いた一成分現像方式が好ましく用いられている。
【0006】
近年、レーザービームプリンタの高速化に伴い、プロセスカートリッジに対して高速化、高寿命化が求められるなかで、プロセスカートリッジに充填されるトナー量の増加が図られるとともに、トナー容器も大容量化する必要がある。
【0007】
プロセスカートリッジの高速化、大容量化を達成する上で、トナーに求められる性能は、より高度なものになってきており、なかでも以下に述べる(A)低温定着性と(B)帯電安定性は重要であることから、従来より数々の提案が行われてきた。
【0008】
(A)低温定着性について説明する。
【0009】
高速現像システムにおいては、熱と圧力で記録媒体にトナーを定着させる定着工程における定着不良を防止する目的で、結着樹脂の主成分がポリエステルであるトナーが一般的に使用される。
【0010】
ポリエステル系トナーは、従来から広く用いられているスチレン−アクリル系トナーに比べると、ガラス転移温度(Tg)が比較的低く、低温定着性にすぐれるため、高速定着システムに適している。
【0011】
しかし、一方では、ポリエステルは吸湿性、親水性が高いため、高温高湿環境下で使用した場合、ポリエステル樹脂の吸湿によってトナーの流動性が低下してしまい、種々の問題が発生する。
【0012】
ポリエステル系トナーに関して、特許文献1ではポリエステル樹脂の特定の分子量成分の構成割合を変化させることによって、低温定着性及び耐高温オフセット性を向上させる技術が開示されており、又、特許文献2では疎水性シリカを外添することで、トナーの表面性及び流動性を改善する技術が開示されている。
【0013】
しかしながら、いずれの提案もポリエステル系トナーの疎水特性を向上させる技術に関するものではなく、高温高湿環境下でのトナー流動性に関しては改善の余地がある。
【0014】
(B)帯電安定性について説明する。
【0015】
大容量トナーを収納した現像システムにおいて、トナーの帯電量の立ち上がりが速く、環境安定性に優れ、長期の使用においてもトナーに安定した帯電付与を行う帯電安定性は重要である。
【0016】
磁性トナーは磁性酸化鉄を含有させることで、トナーに磁性を持たせており、トナー粒子表面での磁性酸化鉄の分散状態はトナーの帯電特性に大きな影響を与えている。
【0017】
トナー粒子表面に磁性酸化鉄の露出が少ないほど、即ち結着樹脂成分によってトナー粒子表面が覆われている割合が多いほど、トナーの帯電性が向上し、より高い現像性が得られるが、低温低湿環境下での過剰帯電につながる恐れがある。
【0018】
逆に、トナー粒子表面に磁性酸化鉄の露出が多いほど、即ち結着樹脂成分によってトナー粒子表面が覆われている割合が少ないほど、トナー粒子表面の磁性酸化鉄が帯電リークサイトとなるため、(特に高温高湿環境下では)トナーは十分に帯電できないため、現像性が劣り、画像不良につながる。
【0019】
もちろんトナーの帯電性に関しては、無機微粒子、金属酸化物等の外添剤の添加により改良の余地はあるが、高寿命化が求められる現像システムにおいては、長期使用における外添剤の遊離や剥離による帯電性の変化を回避する必要がある。そこで、外添剤の添加よりも、結着樹脂や磁性酸化鉄といった、いわゆるトナー母体による帯電量制御が重要であり、即ちトナー粒子表面における磁性酸化鉄の露出量を適正にすることが重要になってくる。
【0020】
ここで、一成分磁性トナー粒子表面に存在している磁性酸化鉄の量を知る方法として、トナーの特定溶媒に対する疎水特性を評価する方法、即ち特定有機溶媒に対する濡れ性評価がある。
【0021】
この濡れ性評価は、特定有機溶媒に対してのトナーの濡れ(沈降度合い)を透過率で測定し、特定有機溶媒に対する濡れ性(水に対する疎水特性)を評価するものである。つまり、低濃度でトナーが濡れやすいほど吸湿しやすいトナーであることを示している。一般に特定有機溶媒としては、メタノール/水混合溶媒が使用される。
【0022】
磁性トナーのメタノール/水混合溶媒に対する濡れ性は、一成分磁性トナー粒子の表面材料組成及びその存在状態により大きな影響を受ける。トナー粒子表面に磁性酸化鉄の露出が少ないほど、即ち結着樹脂成分によってトナー粒子表面が覆われている割合が多いほど、高いメタノール濃度で磁性トナーが濡れる、即ち濡れにくくなる。又、逆にトナー粒子表面に磁性酸化鉄の露出が多いほど、即ち結着樹脂成分によってトナー粒子表面が覆われている割合が少ないほど、低いメタノール濃度で磁性トナーが濡れる、即ち濡れやすくなる。
【0023】
ここで、トナー粒子表面での磁性酸化鉄の露出を多くすると、帯電能力は低下し、濡れ性が悪化するため高温高湿環境下での流動性が悪くなる傾向にある。言い換えると、低温低湿環境下における磁性トナーの過帯電を防止し、長期使用にわたってトナーの帯電を安定化させるためには、トナー粒子表面へ磁性酸化鉄をある程度露出、分散させる必要があるが、トナー粒子表面に露出した磁性酸化鉄はトナーの濡れ性を悪化させ、高温高湿環境下でのトナーの流動性を悪化させる。
【0024】
特に、大容量トナーを収納した高速現像システムにおいては、低温定着の観点からポリエステル系トナーを用いる必要があるため、更に樹脂の吸湿性(親水性)が加わり、高温高湿環境下における流動性の悪化は顕著になり、以下に示すような種々の問題が発生してしまう。
【0025】
・第1の問題としては、トナー容器から感光体へとトナーを担持搬送する現像剤担持体である現像ローラへのトナー供給が均一に行われないことが原因でフェーディング等の画像不良が発生する。
【0026】
・第2の問題としては、現像ローラから規制部材によって掻きとられたトナーが現像ローラ裏に滞留してしまい、現像ローラと摺擦され続けることで過剰帯電になってしまうことが原因で画像濃度の低下、カブリ等の画像不良が発生する。
【0027】
・第3の問題としては、流動性の低下が原因で循環不良になってしまったトナーが、現像ローラ裏に滞留してしまい、現像ローラ近傍で発生する摺擦熱にさらされることが原因でトナーが熱的損傷を受け(トナー劣化)、画像不良につながる。
【0028】
・第4の問題としては、大容量のトナー容器において、そのために、流動性の悪いトナーはトナーの自重によって、パッキングを起こしやすく、そのような状態で高温高湿環境下に保管された場合、現像容器内でのブロッキングを生じる恐れがある。
【0029】
上記第1〜第4の問題の対策として、トナーの流動性という観点から、特許文献3では樹脂の物性を変化、特許文献4ではトナー粒子に含有されるワックスによる流動性変化、特許文献5においては、磁性体の流動性指数を変化させることで、トナーの流動性を高める技術が開示されている。
【0030】
又、トナーの疎水特性という観点から、特許文献6では高い疎水特性を有するシリカを外添したトナーが開示されている。
【0031】
又、大容量トナーを収納した現像装置構成に関して、特許文献7では、トナーを収納するトナー容器内を複数の部屋に仕切り、それぞれの部屋に配設された攪拌部材によってトナーを攪拌、搬送する技術が開示されている。
【0032】
これによると、トナーの自重を分散させ、トナー容器内のトナー循環を大きくすることができるため、大容量トナーを収納した場合においても、トナーの循環不良によるパッキング、トナー劣化等の問題が発生することなく、長期にわたる使用においても良好な画像を得ることができる。
【0033】
【特許文献1】
特開2000−147832号公報
【特許文献2】
特開平06−242630号公報
【特許文献3】
特開平07―281478号公報
【特許文献4】
特開2000−284522号公報
【特許文献5】
特開平06―230604号公報
【特許文献6】
特開2000−310884号公報
【特許文献7】
特開2001−201931号公報
【0034】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献3、特許文献4、特許文献5に開示された、樹脂の物性を変化させたり、トナー粒子に含有されるワックスによって流動性を変化させたり、又、磁性体の流動性指数を変化させることで、トナーの流動性を高める技術においては、目的のトナー流動性指数を得るためにはトナーの各種原材料の物性を変化させるため、コスト面での負荷がかかる上に、結果的に良好な現像特性を得られなくなる場合がある。
【0035】
そして、特許文献6に開示された外添剤を添加する方法は、外添剤自体には高い疎水特性があるが、その外添条件によってトナー粒子表面への分散状態も異なるため、トナー本来の疎水特性を表しているとは言い難い。特に、大容量、高速現像システムにおいては、長期の使用にわたってもトナー特性の変化なく安定した帯電量を維持することが重要になってくるため、外添剤によるトナー特性(疎水特性)の改良だけでは十分ではない。
【0036】
一方、長期にわたる使用が求められる高速現像システムにおいては、高い疎水特性を有するトナーを用いた場合でも、それだけでは不十分であり、現像装置構成の最適化が必須であることは言うまでもない。
【0037】
又、特許文献7で開示された、大容量トナーを収納した現像装置構成に関する、トナー容器内を複数の部屋に仕切り、それぞれの部屋に配設された攪拌部材によってトナーを攪拌、搬送する技術においても、トナー容器自体の大型化は避けられず、複数の攪拌部材が必要となってくるため、装置の小型化及びコストの面で問題が生じてしまう。
【0038】
又、攪拌部材の回転速度を制御する制御手段及び攪拌駆動手段を設けて、使用環境及び使用状況に応じて攪拌部材の回転速度を変化させることで、トナーの帯電量を安定させ、トナー循環を制御する方法も提案されているが、この場合も新たに駆動手段及び制御手段を設ける必要があるため、装置の小型化及びコストの面で不具合を生じてしまう。
【0039】
従って、本発明の目的は、大容量トナーを収納した高速現像システムを用いた画像形成装置に具備される現像装置において、装置の小型化、コストの面での不具合を生じることなく、低温定着性に優れたポリエステル系一成分磁性トナーを用いて、それによって発生するトナーの流動性の悪化を回避し、環境安定性にすぐれ、長期の使用においても画像不良の発生がなく、良好な画像を形成する現像装置及びそれを備えたプロセスカートリッジを提供することである。
【0040】
【課題を解決するための手段】
上記目的は本発明に係る現像装置及びプロセスカートリッジにて達成される。要約すれば、第1の本発明は、少なくとも結着樹脂及び磁性酸化鉄を含む一成分磁性トナーにて構成される現像剤を収納する現像容器と、前記現像剤を担持、搬送する現像剤担持体と、前記現像容器内に備えられ、該現像容器内の前記現像剤を撹拌する単一の撹拌部材と、を有する現像装置において、
前記一成分磁性トナーは、メタノール/水混合溶媒に対する濡れ性を780nmの波長光の透過率で測定した場合、透過率が80%のときのメタノール濃度が45〜65体積%の範囲内であり、
且つ、前記撹拌部材は、前記現像剤担持体の回転半径よりも大きい回転半径を備え、現像動作時において前記現像剤担持体の回転速度a(rps)は前記撹拌部材の回転速度b(rps)に対して一定速度であり、0.1≦b/a≦0.2を満たすことを特徴とする現像装置を提供する。
【0041】
第2の本発明は、少なくとも結着樹脂及び磁性酸化鉄を含む一成分磁性トナーにて構成される現像剤を収納する現像容器と、前記現像剤を担持、搬送する現像剤担持体と、前記現像容器内に備えられ、該現像容器内の前記現像剤を撹拌する複数の撹拌部材と、を有する現像装置において、
前記一成分磁性トナーは、メタノール/水混合溶媒に対する濡れ性を780nmの波長光の透過率で測定した場合、透過率が80%のときのメタノール濃度が45〜65体積%の範囲内であり、
且つ、前記複数の撹拌部材のうち前記現像剤担持体の近くに設けられた撹拌部材は、前記現像剤担持体の回転半径よりも大きい回転半径を備え、現像動作時において前記現像剤担持体の回転速度a(rps)は、前記複数の撹拌部材のうち前記現像剤担持体の近くに設けられた撹拌部材の回転速度b(rps)に対して一定速度であり、0.1≦b/a≦0.2を満たすことを特徴とする現像装置を提供する。
【0042】
本発明の他の態様によれば、像担持体と、上記第1又は第2の本発明に従ったいずれかの現像装置と、を備え、画像形成装置に着脱自在に設けられたプロセスカートリッジが提供される。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る現像装置及びプロセスカートリッジを図面に則して更に詳しく説明する。
【0045】
実施例1
画像形成装置としては、本発明は、静電記録方式のものにも適用できるが、電子写真方式の画像形成装置に対して特に有効である。そして、本実施例の画像形成装置は、図2に示すように、ホストコンピュータ、ネットワーク等から画像情報を受け取り、それを記録紙上に画像出力するレーザービームプリンタ14であり、プロセスカートリッジCは、画像形成装置本体14の所定部(装着手段15)に対して所定の要領で挿入装着され、又、装置本体14から抜き外しできるようにされている。
【0046】
画像形成装置14に備えられたプロセスカートリッジCを図1に示す。図1で示すように、プロセスカートリッジCは、像担持体である電子写真感光体(感光体)1と、感光体1を均一に帯電するための帯電手段7と、現像手段である、感光体1に非接触で対向配置された現像装置40として、現像剤担持体である現像ローラ2及びトナー規制部材5と連結している現像剤(トナー)Tの収納部である現像容器(トナー容器)4と、トナー容器4内に配置され、トナー容器4内のトナーを攪拌する攪拌部材6と、クリーニング手段8と、クリーニング手段8により感光体1から除去された廃トナーを収容する廃トナー容器9とが一体的に構成されている。
【0047】
プロセスカートリッジCを装着する画像形成装置であるレーザープリンタ14には、図2に示すようにプロセスカートリッジCの上方に、画像情報に対応してレーザー光10を照射する露光手段であるレーザースキャナー11が、また下方には感光体1に対向する転写手段12が配設されている。
【0048】
上記構成において、感光体1が帯電手段7によって均一に帯電され、その表面をレーザースキャナー11から照射されるレーザー光10によって走査露光なされ、目的の画像情報の静電潜像が形成される。感光体1表面の静電潜像は、現像装置40の現像ローラ2に印加される現像バイアス等の作用によって、トナー容器4内のトナーTが付着されて現像像(トナー像)として可視化される。現像バイアスは、直流と交流の重畳電圧である。感光体1上のトナー像は、転写手段12で記録媒体である記録紙へ転写される。記録紙は、定着手段13を通って表面にトナー像が画像として定着され、本体外部へ排出される。
【0049】
次に、本発明に使用される現像剤である一成分磁性トナーTに関して詳しく説明する。
【0050】
磁性トナーTは、結着樹脂として、主成分がポリエステル樹脂のものを有し、又、磁性酸化鉄を有している。トナー粒子表面への磁性酸化鉄の露出を最適化するうえで、磁性酸化鉄はSi元素を磁性酸化鉄を基準として0.1〜2.0質量%、及び、Mg、Cu、Zn、Ti、Alから選ばれる、少なくとも一つの元素を磁性酸化鉄を基準として、0.1〜4.0質量%有していることが好ましい。磁性酸化鉄中のSiはトナーの帯電の立ち上がりに有効であり、また、Znは磁性酸化鉄のトナー表面への露出具合等のバランスに優れており、トナーの帯電量の環境安定性に対して有効な働きをする。
【0051】
磁性酸化鉄粒子の製造法に関して以下に簡単に説明する。
【0052】
(S1)硫酸第一鉄水溶液中に、鉄元素に対しケイ素元素の含有量が0.48%となるようにケイ酸ソーダを添加した後、苛性ソーダ溶液を混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製する。(S2)水溶液のpHを10に調整しながら空気を吹き込み、80乃至90℃で酸化反応を行い、種晶を生成させるスラリー液を調製する。(S3)そして、種晶の生成が確認されたら、このスラリー液に更に硫酸第一鉄水溶液を適宜加え、スラリー液のpHを10に調整しながら空気を吹き込み酸化反応を進める。その間に、未反応の水酸化第一鉄濃度を調べながら反応の進行率を調べつつ、適宜硫酸亜鉛を加え、更に水溶液のpHを酸化反応の初期はpHを9に、反応中期にはpHを8に、反応後期にはpHを6にというように段階的に調整することで磁性酸化鉄内での金属元素の分布を制御し、酸化反応を完結させる。(S4)生成した磁性酸化鉄粒子を常法により洗浄、ロ過乾燥する。(S5)得られた磁性酸化鉄粒子の一次粒子は、凝集して凝集体を形成しているので、ミックスマーラーを使用して磁性酸化鉄粒子の凝集体に圧縮力及びせん断力を付与して、凝集体を解砕して磁性酸化鉄粒子を一次粒子にするとともに、磁性酸化鉄粒子の表面を平滑にして磁性酸化鉄粒子を得た。
【0053】
次に、トナーの製造法に関して以下に簡単に説明する。
【0054】
(S1)下記混合物を、140℃に加熱された2軸エクストルーダで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕し、得られた粗粉砕物を、ターボミル(ターボ工業社製)を用いて、機械式粉砕させて微粉砕し、得られた微粉砕粉を固定壁型風力分級機で分級して分級粉を生成する。(S2)更に、得られた分級粉をコアンダ効果を利用した多分割分級装置(日鉄鉱業社製エルボジェット分級機)で超微粉及び粗粉を同時に厳密に分級除去して、重量平均粒径(D4)6.5μmの負帯電性磁性トナー粒子を得た。(S3)この得られたトナー粒子100質量部に対し、ヘキサメチルジシラザン15wt%とジメチルシリコーン15wt%で疎水化処理したメタノールウェッタビリティ80%、BET比表面積120m2/gの疎水性シリカ微粉体を1.3質量部とチタン酸ストロンチウム1.0質量部を外添混合して、以下の組成のトナーT(I)を作製した。
・結着樹脂 100質量部
・磁性酸化鉄粒子 90質量部
・ワックス 4質量部
・荷電制御剤 2質量部
【0055】
上記のように作製された磁性トナーT(I)に対して、メタノール/水混合溶
液に対する濡れ性を780nmの波長光の透過率で測定した場合、透過率が80%の時のメタノール濃度が45〜65体積%の範囲内で、又、透過率が10%の時のメタノール濃度が45〜65体積%の範囲内であった。
【0056】
磁性トナーの場合、メタノール/水混合溶液に対して、濡れ始めてから濡れ終わるまでのメタノール濃度差が小さくなるほど、トナー表面の磁性酸化鉄等の材料分散状態が均一であることを表しており、環境安定性、帯電均一性に優れていることを意味する。
【0057】
ここで、本発明における磁性トナーの濡れ性、即ち疎水特性の測定に用いた、メタノール滴下透過率曲線を用いた測定法について簡単に説明する。装置としては、例えば、(株)レスカ社製の粉体濡れ性試験機WET−100Pを用い、下記の条件及び手順で測定したメタノール滴下透過率曲線を利用する。
【0058】
(S1)まず、メタノール40体積%と、水60体積%を含む含水メタノール液70mlを容器中に入れ、その測定用サンプル中の気泡等を除去するために超音波分散器で5分間分散を行う。(S2)この中に検体である磁性トナーを0.5g精秤して添加し、磁性トナーの疎水特性を測定するためのサンプル液を調製する。(S3)次に、この測定用サンプル液を6.67s-1の速度で攪拌しながら、メタノールを1.3ml/min.の滴下速度で連続的に添加し、波長780nmの光で透過率を測定することで、図3に示したような、縦軸メタノール濃度、横軸透過率である、メタノール滴下透過率曲線を作成する。この際に、メタノールを滴定溶媒としたのは、磁性トナー粒子に含有される染料、顔料、荷電制御剤等の溶出の影響が少なく、磁性トナーの表面状態がより正確に観察できるためである。
【0059】
本実施例における磁性酸化鉄及びトナーTの製造法(外添条件)について上述したが、これに限らず、メタノール/水混合溶液に対する濡れ性を適正にすることができれば、その方法は問わない。
【0060】
実験例1
上記の構成において、低温低湿環境(15℃、10%)及び高温高湿環境(30℃、80%)下で印字率2%の画像パターンの連続プリントを行った場合、いずれの環境下においてもプロセスカートリッジCの使用初期からトナーなし状態になるまで、約20万枚のプリントにわたって、安定したトナーの帯電量が保持され、画像濃度の低下やカブリ、フェーディング等の画像不良なく、良好な画像が得られた。
【0061】
この時の、現像ローラ2上に担持されたトナーの帯電量q(μC/g)を、低温低湿環境において吸引法を用いてケースレー社製の6514型エレクトロメータで測定した結果図5、及び高温高湿環境において同様の測定を行った結果を図6に示した。いずれの環境下においてもトナーの帯電量q(μC/g)は安定して−10付近の値が得られていることが分かる。
【0062】
ここで、本実施例1のトナーをトナー(I)とする。そして、実験例1同様に、トナー(I)に対して、上記の方法で測定した濡れ性が異なるトナー(II)を用いた比較例1、及びトナー(III)を用いた比較例2にて、上記同様に、低温低湿環境(15℃、10%)及び高温高湿環境(30℃、80%)下で印字率2%の画像パターンの連続プリントを行い、比較検討する。
【0063】
比較例1
現像装置構成は図1に示した現像装置40と同様である。比較例1においては、トナーの製造法がトナー(I)の製造法と一部異なる。
【0064】
具体的には、分級後に得られたトナー粒子を、300℃の熱風中に瞬間的に通過させる処理を行った。その得られたトナー粒子100質量部に対し、ヘキサメチルジシラザン15wt%とジメチルシリコーン15wt%で疎水化処理したメタノールウェッタビリティ80%,BET比表面積120m2/gの疎水性シリカ微粉体を1.3質量部とチタン酸ストロンチウム1.0質量部を外添混合してトナーT(II)を作製した。
【0065】
上記の処理によって、トナー粒子表面に存在する磁性酸化鉄の一部を樹脂が覆う状態になり、疎水特性(濡れ性)が高まる。
【0066】
トナーT(II)において、上記と同様な方法で、メタノール/水混合溶液に対する濡れ性を780nmの波長光の透過率で測定した結果を表1に示した。透過率80%時のメタノール濃度は体積%で68%であり、透過率10%時では74%であった。
【0067】
上記のトナーT(II)を用いて、実験例1同様に、低温低湿環境(15℃、10%)及び高温高湿環境(30℃、80%)下で印字率2%の画像パターンの連続プリントを行ったところ、高温高湿環境下においても高い流動性を維持することができたが、トナーの帯電性が高いため、現像ローラ上のトナーの帯電分布が不均一になってしまい、局所的にカブリが発生してしまった。又、低温低湿環境下ではプリント枚数の増加にともない、過剰帯電状態になってしまい、画像全面において濃度の低下、カブリが発生してしまった。
【0068】
比較例2
比較例2においては、現像装置構成は図1に示した現像装置40と同様であるが、トナーの製造法がトナー(I)の製造法と一部異なる。
【0069】
具体的には、粉砕工程は衝突式気流粉砕を用いた微粉砕機で粉砕し、得られたトナー粒子100質量部に対し、ヘキサメチルジシラザン15wt%とジメチルシリコーン15wt%で疎水化処理したメタノールウェッタビリティ80%,BET比表面積120m2/gの疎水性シリカ微粉体を1.3質量部とチタン酸ストロンチウム1.0質量部を外添混合してトナーT(III)を作製した。
【0070】
上記粉砕法を用いることで、粉砕コストを抑えることができる反面、トナー粒子表面における磁性酸化鉄の分散状態を制御できないため、疎水特性(濡れ性)が低下する。
【0071】
トナーT(III)においても、上記と同様な方法で、メタノール/水混合溶液に対する濡れ性を780nmの波長光の透過率で測定した結果を表1に示した。透過率80%時のメタノール濃度は体積%で42%であり、透過率10%時では43%であった。
【0072】
上記のトナーT(III)を用いて、上記同様に、低温低湿環境(15℃、10%)及び高温高湿環境(30℃、80%)下で印字率2%の画像パターンの連続プリントを行ったところ、高温高湿環境下において、流動性が極めて悪く、トナー劣化による画像不良が発生した。又、特に高温高湿環境下においては、トナーの帯電が十分に行われないことによるカブリが発生してしまった。
【0073】
ここで、トナー(I)、トナー(II)、トナー(III)の濡れ性を示した表1を参照すると、トナー(I)は、メタノール/水混合溶媒に対する濡れ性を780nmの波長光の透過率で測定した場合、透過率が80%のときのメタノール濃度が45〜65体積%の範囲内であり、更に、メタノール/水混合溶媒に対する濡れ性を780nmの波長光の透過率で測定した場合、透過率が10%のときのメタノール濃度が45〜65体積%の範囲内である。そして、トナー(II)、トナー(III)は、それ以外の範囲にある。
【0074】
【表1】
【0075】
実験例1、及び比較例1、2の結果より、メタノール/水混合溶媒に対するトナーの濡れ性を上記の範囲内になるようにトナーを作成することで、ポリエステル系樹脂を主成分とする決着樹脂を含む一成分磁性トナーにおいても、トナー粒子表面の磁性酸化鉄の露出の割合が好適となり、耐電安定性が好適に維持され、濃度低下、カブリの発生等の画像不良を防止できることが明らかである。
【0076】
トナーの濡れ性を適正に定めた以外に、本発明のもう一つの特徴としては、現像ローラの回転速度a(rps)を撹拌部材の回転速度b(rps)に対して一定速度として回転し、0.1≦b/a≦0.2を満たすようにしたことが挙げられる。
【0077】
本実施例1における現像装置40では、トナーT(I)の充填量を1000g
とし、外径が20mmの現像ローラ2の周速d(mm/sec)を220、即ち回転速度a(rps)を3.5とし、また、回転半径が40mmである攪拌部材6の回転速度b(rps)を0.525とすることで、0.1≦b/a≦0.2の関係を満足する。
【0078】
又、攪拌部材6は、図4に示したように、厚み100μmの可撓性シートであるPPS(ポリフェニルサルファイド)シート61を、回転軸となる支持部材62に貼り付けたものを用いた。
【0079】
このように、攪拌部材6の回転軸に取り付ける部材として、PPSのような弾性シート部材61を用いることで、プロセスカートリッジCの搬送中に振動(タッピング)がかかり、トナー容器内のトナーの密度が増した場合でも、プロセスカートリッジ使用初期において、攪拌部材6に過剰なトルクがかかることを防止することができる。
【0080】
又、トナー容器4内で十分なトナー循環を得るためには攪拌部材6の回転半径を少なくとも現像ローラ2の回転半径(外径)より大きくすることが好ましい。
【0081】
尚、本実施例では画像形成動作時の現像ローラ2の回転速度aは画像印字率、解像度等にかかわらず一定とし、又、攪拌部材6は現像ローラ2と不図示のギア列を介して同期しており、回転速度比b/aは常に一定になるようにした。
【0082】
ここで下記比較例3、4において、回転速度比b/aを変えて、実験例1と同様な連続プリントを行い、本実施例1との比較検討を行う。
【0083】
比較例3
攪拌部材6の回転速度b(rps)を0.315に設定(0.1>b/a)した以外は実施例1と同様である。
【0084】
実験例1と同様な条件で連続プリントを行ったところ、トナー容器4内でのトナー循環が小さくなることで、プリント枚数が増えるに従って現像ローラ2裏に滞留したトナーが過帯電状態になり、カブリや画像濃度の低下が発生してしまった。
【0085】
特に、高温高湿環境ではトナーの流動性悪化により現像ローラ2裏に滞留したトナーが過帯電状態になりやすく、更にパッキング状態によるトナー劣化が発生して、画像濃度の低下やカブリ、現像ローラ2へのトナーの供給不良によるフェーディング画像が発生した。
【0086】
比較例4
攪拌部材6の回転速度b(rps)を0.735に設定(0.2<b/a)した以外は実施例1と同じである。
【0087】
実験例1と同様な条件で連続プリントを行ったところ、トナー容器内でのトナー循環は大きくなるが、特に低温低湿環境ではトナーの流動性が高いため、トナー循環が必要上に大きくなってしまうことによってプロセスカートリッジ使用初期のトナー帯電の立ち上がりが悪くなり、初期の画像濃度の低下やカブリが発生してしまった。
【0088】
又、高温高湿環境では、トナーのパッキング、フェーディング等は発生しないが、攪拌部材から受ける機械的ダメージによってトナーの劣化が早まり、プリント枚数の増加に伴い、帯電不良による画像濃度の低下やカブリが発生した。
【0089】
実験例1、比較例3、比較例4において、現像ローラ2上に担持されたトナーの帯電量q(μC/g)を、吸引法を用いてケースレー社製の6514型エレクトロメータで測定した結果を低温低湿環境及び高温高湿環境について、それぞれ図5及び図6に示した。
【0090】
本実施例1においては、いずれの環境下においてもトナーの帯電量q(μC/g)は安定して−10付近の値が得られていることが分かる。しかし、0.1≦b/a≦0.2の関係を満足していない比較例3、4に関しては、トナーの帯電量が安定せず、画像不良が発生した。
【0091】
又、表2〜4に、トナーT(I)、T(II)、及びT(III)の充填量を
1000g、現像ローラ2の周速d(mm/sec)を220、回転速度a(rps)を3.5の条件で、攪拌部材6の回転速度b(rps)を0.175から1.05(0.05≦b/a≦0.3)の範囲内で所定の速度に設定して、連続プリントを行い、画像濃度、カブリ、フェーディングの項目で評価を行った結果をまとめた。
【0092】
【表2】
【0093】
【表3】
【0094】
【表4】
【0095】
この結果から分かるように、トナーT(I)を用い、且つ攪拌部材6の回転速
度b(rps)が現像ローラの回転速度a(rps)に対して、0.1≦b/a≦0.2の関係を満たす時は画像不良の発生がなく、トナーなしの状態まで良好な画像が得られた。
【0096】
このように、トナー粒子表面での材料分散状態の最適化により適度な疎水特性を有した磁性トナーを用い、且つ、攪拌部材の回転速度b(rps)を現像ローラの回転速度a(rps)に対して、0.1≦b/a≦0.2の関係を満たすように設定することで、大容量トナーを収納した高速現像システムにおいても、その長期の使用にわたって画像不良の発生がなく、良好な画像を得ることができた。
【0097】
ここで、一成分磁性トナーの濡れ性の評価であるが、メタノール/水混合溶媒に対する濡れ性を780nmの波長光の透過率で測定した場合、透過率が80%のときのメタノール濃度が45〜65体積%の範囲内であれば、透過率が10%のときのメタノール濃度が45〜65体積%の範囲内であるので、本発明の範囲にあるものとする。
【0098】
ここで、攪拌部材は、本実施例のものに限らず、回転軸に、マイラーやPETをシート状にして貼りつけたものであれば、同様の効果が得られる。
【0099】
実施例2
本実施例における画像形成装置及びトナーは実施例1と同様である。
【0100】
実施例2における現像装置は、図7に示したように、更に大容量トナーを収納しており、トナー容器内に攪拌部材を複数有していることを特徴とする。
【0101】
このような構成においては、トナーの自重を分散することができ、トナー容器内のトナー循環を大きくすることができるため、プロセスカートリッジの更なる大容量化を達成することができる。
【0102】
本実施例では、トナーの充填量を1500(g)、現像ローラに近い側の攪拌部材6aの回転速度c(rps)を0.525、現像ローラから遠い側の攪拌部材6bの回転速度e(rps)を0.25に設定した以外は実施例1と同じにした。
【0103】
尚、撹拌部材6a、撹拌部材6bはいずれも撹拌半径40mmとし、図4に示したように、厚み100μmのPPS(ポリフェニルサルファイド)シート61を支持部材62に貼り付けたものを用いた。
【0104】
又、トルク低減の観点から、攪拌部材6aと攪拌部材6bの回転位相をずらすように設定することが好ましい。
【0105】
上記構成において、実施例1にて行った実験例1と同様に、低温低湿環境(15℃、10%)及び高温高湿環境(30℃、80%)下で印字率2%の画像パターンの連続プリントを行った場合、いずれの環境下においてもプロセスカートリッジの使用初期からトナーなし状態になるまで、約30万枚のプリントにわたって、安定したトナーの帯電量が保持され、画像濃度の低下やカブリ、フェーディング等の画像不良なく、良好な画像が得られた。
【0106】
本実施例における構成では、現像ローラ2に近い側の攪拌部材6aは0.1≦c/a≦0.2の関係を満たすが、現像ローラ2から遠い側の攪拌部材6bは上式の関係を満たしていない。これは、トナー容器4内の現像ローラ2近傍におけるトナー循環においては、現像ローラ2に近い側の攪拌部材6aの回転速度cの影響が支配的であり、現像ローラ2から遠い側の攪拌部材6bの回転速度eには依存しないことを意味している。
【0107】
但し、攪拌部材6bに関しては、現像ローラ2側にトナーを均一に搬送することができ、且つトナーに機械的ダメージを与えないような範囲内に設定することが重要であり、0.06≦e/a≦0.23の関係を満たす範囲内に設定することが好ましく、更に好ましくは0.1≦e/a≦0.2の範囲内である。
【0108】
このように、トナー容器4内に複数の攪拌部材を有する現像装置においては、現像ローラ2に近い側に配置された少なくとも一つの攪拌部材6aの回転速度cを0.1≦c/a≦0.2の関係を満たす範囲内に設定することで、画像不良の発生なく、長期の使用にわたって良好な画像を維持することができた。
【0109】
本実施例におけるプロセスカートリッジは、現像装置及び感光体等の潜像担持体以外に、帯電手段、クリーニング装置を備えたものを用いたが、帯電手段かクリーニング手段のいずれかを備えたもの、或いは帯電手段とクリーニング手段を備えないものにおいても、本発明は適用できる。
【0110】
又、画像形成装置は図2に示された構成に限るものではなく、現像装置や像担持体等のプロセス手段をプロセスカートリッジ化せず、それぞれが独立して設けられているものに関してもこの発明は適用できる。又、現像装置は着脱自在であってもなくてもよい。
【0111】
又、プロセスカートリッジ又は現像装置が複数用いられ、複数色のトナー像を重ねてカラー画像を形成するカラー画像形成装置においても、それぞれのプロセスカートリッジ、又は現像装置において本発明は適用できる。
【0112】
以上に説明した現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置の構成部品の寸法、材質、形状、及びその相対位置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0113】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の現像装置及びプロセスカートリッジによれば、表面での材料分散状態の最適化によって、高い疎水特性を有した磁性トナーを用い、現像容器内における攪拌部材の回転速度を最適化することで、大容量トナーを収納した高速現像システムにおいても、その長期の使用にわたって画像不良の発生がなく、良好な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプロセスカートリッジの一例を示す断面図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【図3】実施例1におけるメタノール滴下透過率曲線を示すグラフである。
【図4】本発明に係る攪拌部材の一例を示す長手方向からの正面図である。
【図5】低温低湿環境における、実施例1、比較例3、及び比較例4における、プリント枚数とトナー帯電量との関係を示すグラフである。
【図6】高温高湿環境における、実施例1、比較例3、及び比較例4における、プリント枚数とトナー帯電量との関係を示すグラフである。
【図7】本発明に係るプロセスカートリッジの他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 感光体(像担持体)
2 現像ローラ(現像剤担持体)
4 トナー容器(現像容器)
6 攪拌部材
7 帯電手段
8 クリーニング手段
14 画像形成装置
40 現像装置
61 シート部材
62 支持部材(回転軸)
C プロセスカートリッジ
Claims (14)
- 少なくとも結着樹脂及び磁性酸化鉄を含む一成分磁性トナーにて構成される現像剤を収納する現像容器と、前記現像剤を担持、搬送する現像剤担持体と、前記現像容器内に備えられ、該現像容器内の前記現像剤を撹拌する単一の撹拌部材と、を有する現像装置において、
前記一成分磁性トナーは、メタノール/水混合溶媒に対する濡れ性を780nmの波長光の透過率で測定した場合、透過率が80%のときのメタノール濃度が45〜65体積%の範囲内であり、
且つ、前記撹拌部材は、前記現像剤担持体の回転半径よりも大きい回転半径を備え、現像動作時において前記現像剤担持体の回転速度a(rps)は前記撹拌部材の回転速度b(rps)に対して一定速度であり、0.1≦b/a≦0.2を満たすことを特徴とする現像装置。 - 前記一成分磁性トナーが有する前記結着樹脂は、ポリエステル樹脂を含むことを特徴とする請求項1の現像装置。
- 前記一成分磁性トナーは、メタノール/水混合溶媒に対する濡れ性を780nmの波長光の透過率で測定した場合、透過率が10%のときのメタノール濃度が45〜65体積%の範囲内であることを特徴とする請求項1又は2の現像装置。
- 前記撹拌部材は、前記現像容器に両端を支持された回転軸と可撓性シート部材を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載の現像装置。
- 画像形成装置に着脱自在であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の現像装置。
- 像担持体と、請求項1〜4のいずれかの現像装置と、を備え、画像形成装置に着脱自在に設けられたプロセスカートリッジ。
- 少なくとも結着樹脂及び磁性酸化鉄を含む一成分磁性トナーにて構成される現像剤を収納する現像容器と、前記現像剤を担持、搬送する現像剤担持体と、前記現像容器内に備えられ、該現像容器内の前記現像剤を撹拌する複数の撹拌部材と、を有する現像装置において、
前記一成分磁性トナーは、メタノール/水混合溶媒に対する濡れ性を780nmの波長光の透過率で測定した場合、透過率が80%のときのメタノール濃度が45〜65体積%の範囲内であり、
且つ、前記複数の撹拌部材のうち前記現像剤担持体の近くに設けられた撹拌部材は、前記現像剤担持体の回転半径よりも大きい回転半径を備え、現像動作時において前記現像剤担持体の回転速度a(rps)は、前記複数の撹拌部材のうち前記現像剤担持体の近くに設けられた撹拌部材の回転速度b(rps)に対して一定速度であり、0.1≦b/a≦0.2を満たすことを特徴とする現像装置。 - 前記一成分磁性トナーが有する前記結着樹脂は、ポリエステル樹脂を含むことを特徴とする請求項7の現像装置。
- 前記一成分磁性トナーは、メタノール/水混合溶媒に対する濡れ性を780nmの波長光の透過率で測定した場合、透過率が10%のときのメタノール濃度が45〜65体積%の範囲内であることを特徴とする請求項7又は8の現像装置。
- 前記複数の撹拌部材は、前記現像容器に両端を支持された回転軸と可撓性シート部材を有することを特徴とする請求項7〜9のいずれかの項に記載の現像装置。
- 前記複数の撹拌部材のうち前記現像剤担持体の遠くに設けられた撹拌部材は、前記現像剤担持体の回転半径よりも大きい回転半径を備えることを特徴とする請求項7〜10のいずれかの項に記載の現像装置。
- 前記複数の撹拌部材のうち前記現像剤担持体の遠くに設けられた撹拌部材の回転速度e(rps)は、0.06≦e/a≦0.23を満たすことを特徴とする請求項11の現像装置。
- 画像形成装置に着脱自在であることを特徴とする請求項7〜12のいずれかの項に記載の現像装置。
- 像担持体と、請求項7〜12のいずれかの現像装置と、を備え、画像形成装置に着脱自在に設けられたプロセスカートリッジ。
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