JP3919541B2 - 一成分トナー及びプロセスカートリッジ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法などを利用した記録方法に用いられるトナー及びプロセスカートリッジに関するものである。詳しくは、予め潜像担持体上にトナー像を形成後、転写材上に転写させて画像形成する複写機、プリンター、ファックス等の画像形成装置に用いられる一成分トナー及びプロセスカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真法を用いた機器は、従来の複写機に加え、例えばプリンターやファックスのごとき装置に適用されている。特にプリンターやファックスでは、複写装置部分を小さくする必要があるため、現像装置を中心としたトナーユニットと感光体を中心としたドラムユニットを一体化したプロセスカートリッジを用いることが多い。
【0003】
プロセスカートリッジに用いられる現像方式としては一成分現像方式が多い。一成分現像方法は、トナー規制部材とトナー粒子の摩擦及びトナー担持体とトナー粒子の摩擦によりトナー粒子に電荷を与え、かつトナー担持体上に薄く塗布しトナー担持体と潜像担持体とが対向した現像領域に搬送し、潜像担持体上の静電潜像を現像し、トナー画像として顕像化する方法である。
【0004】
一成分現像方式は、二成分現像方式では必要とされるガラスビーズや鉄粉、フェライト等のキャリア粒子が不要のため、現像装置自体を小型化、軽量化できる。さらに二成分現像方式は現像剤中のトナー濃度を一定に保つ必要があるため、トナー濃度を検知し必要量のトナーを補給する装置が必要であり、現像装置の大型化、重量化を招く。この点においても一成分現像方式は小型化、軽量化に有利である。
【0005】
一般的に、非磁性一成分現像方法では、トナー担持体に当接した弾性ローラによってトナー担持体上にトナーを供給し、次いでトナーをトナー規制部材によりトナー担持体上に薄く塗布し、トナー規制部材との摩擦及びトナー担持体との摩擦によりトナー粒子に電荷を与える。
【0006】
しかしながらこのような現像方式においては、トナー担持体と、これに当接したトナー供給ローラやトナー規制部材との摩擦熱により、これらの部材や現像装置周辺の温度が上昇することがわかった。さらに、トナー担持体を小径化することで現像装置の小型化が一層有利になる一方、単位時間当たり同じプリント枚数を得るためには、トナー担持体を高速回転で回す必要があり、発熱がより発生しやすくなる。また、潜像担持体とトナー担持体を接触させる接触現像方式においては、潜像担持体とトナー担持体との摺擦による発熱もある。
【0007】
一方、潜像担持体周辺においても、帯電部材やクリーニング部材の当接による摩擦は、ドラムユニットの小型化のための小径ドラム(潜像担持体)を用いると、発熱がより生じやすくなる。
【0008】
さらにプロセスカートリッジにおいては、トナーユニットとドラムユニットを一体化しているため、トナーユニットとドラムユニットが別々のカートリッジからなる物に比べて、前記の理由でそれぞれのユニットから発生した熱がより滞留し易くなり、温度上昇をより悪化させることが判明した。
【0009】
この発熱により、現像領域が高温となり、所望の帯電と逆極性の、すなわち反転トナーが発生し、かぶりが生じるといった問題が発生する。また容器に収容されているトナーが長期にわたり高温にさらされるため、トナーの流動性が悪化し、トナーの搬送性が悪化し、画像上に白抜けが発生するといった問題が発生することが確認された。
【0010】
また、トナーとしては、一般に結着樹脂、着色剤、ワックス等を含有するものが使用されるが、トナー規制部材や潜像担持体に付着しやすいトナーが使用されると、長期間の耐久試験において縦スジやフィルミングが発生しやすくなる。このことは上記のような小型化したマシンにおいてはさらに顕著であり、摺擦回数やスピードが増え熱履歴を受けやすい状況では、縦スジやフィルミングがより発生しやすく、悪化しやすい。
【0011】
また、使用するトナーによっては、摺擦回数やスピードの増加により、トナー粒子表面の外添剤によるフィルミングを引き起こし易くなり、熱履歴を受けることによりトナー中のワックスがトナー表面にブリードアウトするためにフィルミングや定着不良を引き起こすことが確認された。
【0012】
一方、摺擦回数やスピードの増加、熱履歴を受けやすい状況に比較的強いトナーを使用した場合でも、高湿下でのトナー吸湿によるかぶりが発生することがあった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、小径のトナー担持体と小径の潜像担持体を用いる接触一成分現像方式のプロセスカートリッジにおいて、昇温により悪化する反転かぶりを防ぎ、昇温によるトナーの流動性悪化が引き起こす画像白抜けを改善し、長期間の耐久試験でも縦スジやフィルミングが発生せず、高温高湿環境下においてもカブリや定着不良を発生しない一成分トナー及びプロセスカートリッジを提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、回転自在なドラム状の潜像担持体と、現像装置とを少なくとも有し、これらが一体的に、かつ画像形成装置に対して着脱自在に構成され、潜像担持体の直径は33mm以下であり、現像装置は、トナーを収容する現像容器と、潜像担持体に接触して設けられる回転自在なロール状のトナー担持体と、トナー担持体に接触して設けられ、現像容器内のトナーをトナー担持体に供給する回転自在なロール状のトナー供給ローラと、現像容器内に回転自在に設けられ現像容器内のトナーを攪拌し、トナー供給ローラに向けて搬送するトナー搬送手段と、を有し、トナー担持体の直径は20mm以下であり、トナー供給ローラの回転数に対するトナー搬送部材の回転数の比は0.1以上0.5以下であり、トナー担持体上のトナーコート量をA[mg/cm2]とし、現像容器のトナー充填率をB[g/cm3]としたときに0.9B≦A≦3Bを満たすプロセスカートリッジに用いられるトナーであって、少なくとも結着樹脂、着色剤、及びワックスを含有するトナー粒子を有し、メタノール濡れ性半値が30〜80%であることを特徴とする一成分トナーにより達成される。
【0015】
さらに、上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、回転自在なドラム状の潜像担持体と、現像装置とを少なくとも有し、これらが一体的に、かつ画像形成装置に対して着脱自在に構成され、少なくとも結着樹脂、着色剤、及びワックスを含有するトナー粒子を有し、メタノール濡れ性半値が30〜80%である一成分トナーを静電潜像の現像に用いるプロセスカートリッジであって、潜像担持体の直径は33mm以下であり、現像装置は、トナーを収容する現像容器と、潜像担持体に接触して設けられる回転自在なロール状のトナー担持体と、トナー担持体に接触して設けられ、現像容器内のトナーをトナー担持体に供給する回転自在なロール状のトナー供給ローラと、現像容器内に回転自在に設けられ現像容器内のトナーを攪拌し、トナー供給ローラに向けて搬送するトナー搬送手段と、を有し、トナー担持体の直径は20mm以下であり、トナー供給ローラの回転数に対するトナー搬送部材の回転数の比は0.1以上0.5以下であり、トナー担持体上のトナーコート量をA[mg/cm2]とし、現像容器のトナー充填率をB[g/cm3]としたときに0.9B≦A≦3Bを満たすことを特徴とするプロセスカートリッジにより達成される。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明者が鋭意検討を行った結果、回転自在なドラム状の潜像担持体と、現像装置とを少なくとも有し、これらが一体的に、かつ画像形成装置に対して着脱自在に構成され、潜像担持体の直径は33mm以下であり、現像装置は、トナーを収容する現像容器と、潜像担持体に接触して設けられる回転自在なロール状のトナー担持体と、トナー担持体に接触して設けられ、現像容器内のトナーをトナー担持体に供給する回転自在なロール状のトナー供給ローラと、現像容器内に回転自在に設けられ現像容器内のトナーを攪拌し、トナー供給ローラに向けて搬送するトナー搬送手段と、を有し、トナー担持体の直径は20mm以下であり、トナー供給ローラの回転数に対するトナー搬送部材の回転数の比は0.1以上0.5以下であり、トナー担持体上のトナーコート量をA[mg/cm2]とし、現像容器のトナー充填率をB[g/cm3]としたときに0.9B≦A≦3Bを満たすプロセスカートリッジに用いられるトナーであって、少なくとも結着樹脂、着色剤、及びワックスを含有するトナー粒子を有し、メタノール濡れ性半値が30〜80%であることを特徴とする一成分トナーを用いることにより、昇温により悪化する反転かぶりを防ぎ、昇温によるトナーの流動性悪化が引き起こす画像白抜けを改善でき、さらに耐久試験時の縦スジやフィルミング、高温高湿下でのトナーの吸湿によるかぶりや定着不良を防ぐことを見出した。
以下に詳細を説明する。
【0017】
本発明に用いられるプロセスカートリッジにおいて、潜像担持体の直径は33mm以下、トナー担持体の直径は20mm以下がプロセスカートリッジの小型化において好ましい。
【0018】
しかしながら前述したように、潜像担持体、トナー担持体の小径化は、特にトナーユニットとドラムユニットが一体化されたプロセスカートリッジにおいて、カートリッジ内の発熱の問題があり、これにより現像領域が高温となり所望の帯電と逆極性の反転トナーが発生し、かぶりが生じるといった問題が発生しやすい。
【0019】
本発明においては、一成分トナーの円形度標準偏差が0.050未満であることが好ましく、さらには0.030未満であることがより好ましい。この数値を適切に調整することで、トナーの帯電特性をより好ましい範囲に設定することができる。トナーの円形度標準偏差が0.050を超える場合には、トナーの帯電特性にばらつきが生じ、潜像担持体上やトナー規制部材に付着しやすいトナーが増加することから好ましくない。
【0020】
本発明において、トナーの円形度標準偏差は、円形度頻度分布の分割点iでの円形度(中心地)をci、頻度をfci、平均円形度Cmとして、以下の式により算出される。なお、上記円形度とは、粒子の二次元画像と同一面積を持つ円(相当円)の周囲長をその粒子の二次元画像の周囲長で割って算出される数値であり、平均円形度とは、測定された円形度の総和を測定数で除した数値である。本発明において、トナーの円形度標準偏差は、フロー式粒子像分析装置、例えばFPIA−1000(東亜医用電子社製)、を用いて測定することができる。本発明において円形度標準偏差は、トナー粒子の製造方法や製造条件、製造後の球形化処理等によって調整することが可能である。
【0021】
【数1】
Figure 0003919541
【0022】
円形度標準偏差の測定に際しては、フィルターを通して微細なごみを取り除き、その結果として10-3cm3の水中に測定範囲(例えば、円相当径0.60μm以上159.21μm未満)の粒子数が20個以下のイオン交換水に、界面活性剤(好ましくは和光純薬製コンタミノン)を0.1〜0.5質量%加えて調製した溶液約10ml(20℃)に、測定試料を約0.02g加えて均一に分散させて試料分散液を調製する。分散させる手段としては、例えば株式会社エステムテー社製の超音波分散機UH−50(振動子は5φのチタン合金チップ)を用いることができる。分散時間は5分間以上とし、その際、分散媒の温度が40℃以上にならないように適宜冷却する。
【0023】
このように調製した試料分散液を上記フロー式粒子像分析装置に用い、0.60μm以上159.21μm未満の円相当径を有する粒子の粒度分布及び円形度分布を測定する。この測定の概略は、東亜医用電子社(株)発行のFPIA−1000のカタログ(1995年6月版)、測定装置の操作マニュアル及び特開平8−136439号公報に記載されているが、以下の通りである。
【0024】
試料分散液は、フラットで扁平な透明フローセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って広がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するように、ストロボとCCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に位置するように装着される。試料分散液が流れている間に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得るために1/30秒間隔で照射され、その結果、それぞれの粒子は、フローセルに平行な一定範囲を有する二次元画像として撮影される。それぞれの粒子の二次元画像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出する。さらにそれぞれの粒子の二次元画像と同一面積を持つ円(相当円)の周囲長をそれぞれの粒子の二次元画像の周囲長で割って、それぞれの粒子の円形度を算出する。実際の測定では、円相当径が0.60μm以上159.21μm未満の範囲で粒子の測定を行うことが好ましい。
【0025】
また、メタノール濡れ性半値とは、メタノール疎水化度測定時に利用されるメタノール滴定で透過率を測定し、試料が全て沈んだ点、すなわち透過率が最小となる点(メタノール疎水化度はこの点を終点とし、メタノールの使用体積%で表す)の透過率と、試料添加前の透過率との中間の透過率に達した時点におけるメタノール使用体積%をもって定義する。この値はその粒子の疎水性を示しており、この値が大きい程疎水性が高く、高湿下においても良好な帯電特性を保持できる。ただし、疎水性が高すぎるとワックスが表面に集まりすぎていたり、外添剤が付き過ぎていたりして定着性が阻害される恐れがある。
【0026】
本発明では、良好な帯電特性を定着特性とを両立させる上で、上記メタノール濡れ性半値は30〜80%であり、さらには40〜70%であることが好ましい。メタノール濡れ性半値は、トナーの材料の種類や添加量、及び製造時における分散状態の制御等によって調整することができる。
【0027】
ところで、前述したように、潜像担持体、トナー担持体の小径化は、特にトナーユニットとドラムユニットが一体化されたプロセスカートリッジにおいてはカートリッジ内の発熱の問題を生じやすいが、これはトナーの流動性の悪化を引き起こし、カートリッジ内のトナーの搬送性に不具合を生じ、画像白抜けを起こす要因となる。
【0028】
これに対して、本発明者が検討した結果、トナー供給ローラの回転数に対するトナー搬送手段の回転数の比を0.1以上0.5以下とし、トナー担持体上のトナーコート量(A[mg/cm2])と現像容器中のトナー充填率(B[g/cm3])の関係を0.9B≦A≦3Bとすることで改善すること見出した。
【0029】
この理由に関しての詳細は不明だが、本発明者は、幾つかの検討から以下のように推測している。
【0030】
画像白抜けを発生するようなトナーの流動性の悪化は、トナー外添剤がトナー表面に埋没するために起こることが、本発明者の検討により観察された。しかしながらプロセスカートリッジ内で起こっている昇温状態にトナーを放置しても、トナーの外添剤が表面に埋没する状態は観察されなかった。一方トナーをタッピングによりパッキングした状態で昇温状態に放置したところ、外添剤のトナー表面への埋没の傾向が確認された。また、トナーを常に流動させた状態で昇温させたところ、より高い温度まで外添剤のトナー表面への埋没が起こらなかった。これらの結果から、トナー供給ローラの回転数に対するトナー搬送手段の回転数の比を0.1以上0.5以下とし、トナー担持体上のトナーコート量(A[mg/cm2])と該現像容器中のトナー充填率(B[g/cm3])の関係を0.9B≦A≦3Bとすることで、プロセスカートリッジ内部において発熱が顕著な部分でのトナーが常に流動状態となり、これによりトナーのパッキングが生じないものと推測される。
【0031】
トナー供給ローラの回転数に対するトナー搬送手段の回転数の比が0.1未満の場合、トナー供給ローラへのトナー搬送量が不足し、画像白抜けが発生することがある。また、0.5を超える場合、トナーが過剰に搬送されパッキング状態になるため、昇温が激しいカートリッジ内ではトナーがブロッキングを起こしてしまうことがある。
【0032】
トナー担持体上のトナーコート量(A[mg/cm])関して、実際に現像されるトナー量は、プリントされるパターンの画像比率によって変わるが、現像に寄与しなかったトナーもトナー供給ローラによりトナー担持体から剥ぎ取られ現像容器内に戻されるため、新たにトナー担持体上にコートされるトナー量は、画像比率によらず、およそ設定されたトナーコート量Aによって決まる。
【0033】
トナー充填率(B[g/cm3])は、トナーが存在し得る現像容器内の領域の容積に対してのトナー充填量の割合を示したものである。この値は現像容器内でのトナーの動きの自由度と相関がある量と考えられる。
【0034】
プロセスカートリッジを初期状態において、上記A、Bの関係が0.9B≦A≦3Bとなるように設定することで、その後プリントを続けることでトナーが消費されていっても、プロセスカートリッジ内のトナーを常に流動状態にすることが可能であり、トナー担持体付近でのトナーの滞留が防止される。0.9B>Aの場合、トナー供給が過剰になり好ましくない。またA>3Bの場合、画像比率が高いパターを連続してプリントすると、トナー供給不足となり画像白抜けが発生することがある。トナー担持体上のトナーコート量は、例えばトナー供給ローラのトナー供給量や接触状態、及び運転状態等によって調整することが可能である。
【0035】
本発明において、トナー担持体上のトナーコート量を安定させるためには、トナー担持体の径に対するトナー供給ローラの径の比を0.6以上1.3以下にすることが好ましく、また、疎水化処理された外添剤、例えば疎水化処理された無機微粉体をトナーに0.3wt%以上2.5wt%以下外添することが好ましい。
【0036】
さらに本発明においてカートリッジ内部の昇温を抑え、かつトナー担持体上のトナーコート量を安定させるためには、トナー供給ローラが、トナー担持体に接する部分で逆方向に回転し、かつトナー担持体の回転数に対するトナー供給ローラの回転数の比を0.6以上1.5以下にすることが好ましい。
【0037】
なお、本発明において、トナー供給ローラとトナー搬送部材、及びトナー供給ローラとトナー担持体の回転数比は、これらの回転数をそれぞれ制御することで調整することができる。また、これらのうちの一つの回転駆動を制御し、他の部材等は、所定の速度で回転するように歯車等の動力伝達手段によって前記回転駆動に従動させることで調整することができる。
【0038】
本発明のトナーを製造する製造方法には、公知の方法を適用することができる。まず以下に、懸濁重合法によるトナーの製造について説明する。
【0039】
まず重合性単量体中に、ワックス、極性樹脂、着色剤、荷電制御剤、重合開始剤、その他の添加剤を加え、ホモジナイザー、超音波分散機等によって均一に溶解又は分散せしめた単量体系を、分散安定剤を含有する水相中に通常の攪拌機又はホモジナイザー、ホモミキサー等により分散せしめる。この際、好ましくは単量体液滴が所望のトナー粒子のサイズを有するように、攪拌速度、時間を調整し造粒する。その後は、分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、かつ粒子の沈降が防止される程度の攪拌を行えばよい。重合温度は40℃以上、一般的には50℃〜90℃の温度に設定して行うのがよい。また、重合反応後半に昇温してもよく、さらに、トナー定着時の臭いの原因等になる未反応重合性単量体や副生成物等を除去するために、反応後半又は反応終了時に一部水系媒体を留去してもよい。反応終了後、生成したトナー粒子を洗浄、濾過により回収し乾燥する。懸濁重合法においては、通常、単量体系100質量部に対して水300質量部〜3000質量部を分散媒として使用するのが好ましい。
【0040】
トナーの粒度分布制御や粒径の制御は、造粒時の系のpH調整、難水溶性の無機塩や保護コロイド作用をする分散剤の種類や添加量を変える方法や、機械的装置条件、例えばローターの周速、パス回数、攪拌羽根形状等の攪拌条件や、容器形状又は水溶液中での固形分濃度等を制御することにより行える。
【0041】
本発明に用いられる重合性単量体としては、スチレン、o−(m−、p−)メチルスチレン、m−(p−)エチレンスチレン等のスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体;ブタジエン、イソプレン、シクロヘキサン、(メタ)アクリロニトリル、アクリル酸アミド等の単量体が好ましく用いられる。
【0042】
また重合時に添加する極性樹脂としては、スチレン(メタ)アクリル酸の共重合体、マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂が好ましく用いられる。
【0043】
また、本発明で使用されるワックスとしては、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、フィッシャートロプッシュワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、エステルワックス及びこれらの誘導体、又はこれらのグラフト/ブロック化合物等が好ましく用いられる。
【0044】
トナー粒子中のワックスの含有量は、1wt%以上10wt%以下であることが、フィルミングや定着不良、オフセットを防止しつつ、トナーの流動性や帯電性を最適に維持する上で好ましい。
【0045】
本発明では、トナー粒子に荷電制御剤が添加されることが好ましい。本発明に用いられる荷電制御剤としては、公知のものが使用できるが、重合阻害性がなく水系への可溶化物のない荷電制御剤が特に好ましい。具体的化合物としては、ネガ系としてサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸、それらの誘導体の金属化合物、スルホン酸を側鎖に持つ高分子化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーン等が利用でき、ポジ系としては4級アンモニウム塩、該4級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物等が好ましく用いられる。該荷電制御剤は重合性単量体100質量部に対し0.2〜10質量部が好ましい。
【0046】
本発明で使用される重合開始剤としては、例えば2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチルニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチルニトリル等のアゾ系重合開始剤、ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロキシペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド等の過酸化物系重合開始剤が用いられる。
【0047】
重合開始剤の添加量は、目的とする重合度により変化するが、一般的には単量体に対して0.5質量%〜20質量%添加されて用いられる。重合開始剤の種類は重合法により若干異なるが、10時間半減期温度を参考に単独又は混合し利用される。
【0048】
懸濁重合を利用する場合に用いる分散剤としては、例えば無機系酸化物として、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ、磁性体、フェライト等が挙げられる。また有機系化合物としては、例えばポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプン等が水相に分散させて使用される。これらの分散剤は、種類によって異なるが重合性単量体100質量部に対して0.2〜2.0質量部を使用するのが好ましい。
【0049】
これらの分散剤は、市販のものをそのまま用いてもよいが、細かい均一な粒度を有する分散粒子を得るために、分散媒中にて高速攪拌下にて該無機化合物を生成させて得ることもできる。例えばリン酸カルシウムの場合、高速攪拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合することで懸濁重合法に好ましい分散剤を得ることができる。
【0050】
またこれらの分散剤の微細化のために、0.001〜0.1質量部の界面活性剤を併用してもよい。具体的には市販のノニオン、アニオン、カチオン型の界面活性剤が使用でき、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等が好ましく用いられる。
【0051】
前述した懸濁重合法にて製造されたトナー粒子は、必要に応じて、分級や球形化、無機微粉体等の外添剤の外添、混合を経てトナーとなる。
【0052】
次に粉砕法におけるトナーの製造方法について説明する。
粉砕法によって本発明のトナーを製造する場合に用いられる結着樹脂としては、前記懸濁重合法における重合性単量体を含む樹脂成分や前記極性樹脂が挙げられ、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸アクリル共重合体、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂等を単独又は混合して使用できるが、中でもスチレン−アクリル、スチレン−メタクリル共重合樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。
【0053】
また、粉砕法では、ワックスや荷電制御剤等、重合に関わらないその他の材料については、一般に前述した懸濁重合法と同じものを用いることができる。より具体的には、粉砕法においてトナーを正帯電性に制御する場合は、脂肪酸金属塩等による変性物;トリブチルベンジジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩;アミン及びポリアミン系化合物;高級脂肪酸の金属塩;アセチルアセトン金属錯体;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート等の荷電制御剤を添加する。また、負帯電性に制御する場合は、有機金属錯体、キレート化合物が有効で、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸系の金属錯体等の荷電制御剤を用いることができる。使用量は結着樹脂100質量部に対して0.1〜15質量部、好ましくは0.1〜10質量部である。
【0054】
また、本発明では定着オフセット防止を目的の一つとしてワックスが添加されるが、粉砕法で使用されるワックスとしては、例えば低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス又はその酸化物;カルナバワックス、モンタン酸エステルワックス等の脂肪族エステルを主成分とするワックス、又はその一部又は全部を脱酸化したものなどが挙げられる。
【0055】
また、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸等の飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、パリナリン酸等の不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール等の飽和アルコール;ソルビトール等の多価アルコール類;リノール酸アミド等の脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド等の飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド等の不飽和脂肪酸アミド類;N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミド等の芳香族ビスアミド類;ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩;脂肪族炭化水素系ワックスにスチレン等のビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリド等の脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化物なども用いることができる。
【0056】
次にこれらの結着樹脂、ワックス、荷電制御剤、着色剤等をヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機により十分混合してから、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練して、樹脂類を互いに相溶せしめた中に荷電制御剤、着色剤を分散又は溶解せしめ、冷却固化後、機械的に所望の粒度に微粉砕し、さらに分級によって粒度分布をシャープにする。あるいは、冷却固化後、ジェット気流下でターゲットに衝突させて得られた微粉砕物を、熱又は機械的衝撃力によって球形化する。
【0057】
この球形化にはハイブリダイザ等の公知の装置を用いることができ、処理条件によってトナーの円形度標準偏差やメタノール濡れ性半値等、トナー粒子の形状や表面状態を制御することができる。また、荷電制御剤のようにトナー粒子表面近傍に存在することが好ましい成分を配合する場合では、上記球形化時に系内に前記成分を添加することで、トナー粒子への前記成分の配合とトナー粒子の球形化とを一工程で行うことができる。
【0058】
さらに該無機微粉体の表面処理品を外添で用いることもできる。表面処理剤としては、シランカップリング剤、シリル化剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイル等が挙げられるが、好ましくはシランカップリング剤、シリル化剤、シリコーンオイルで処理したものであり、これらを併用してもよい。
【0059】
さらに本発明においては、現像性、耐久性を向上させるために他の無機粉体を添加することもできる。このような無機粉体としては、例えばマグネシウム、亜鉛、アルミニウム、セリウム、コバルト、鉄、ジルコニウム、クロム、マンガン、ストロンチウム、錫、アンチモン等の金属酸化物;チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウム等の複合金属酸化物;硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウム等の金属塩;カオリン等の粘土鉱物;アパタイト等のリン酸化合物;シリカ、炭化ケイ素、窒化ケイ素等のケイ素化合物;カーボンブラックやグラファイト等の炭素粉末が挙げられる。
【0060】
同様の目的で以下の有機粒子や複合粒子を添加することもできる。このような粒子としては、例えばポリアミド樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子、シリコーンゴム粒子、ウレタン粒子、メラミン−ホルムアルデヒド粒子、アクリル粒子等の樹脂粒子;ゴム、ワックス、脂肪酸系化合物、樹脂等と金属、金属酸化物、塩、カーボンブラック等の無機粒子とからなる複合粒子;テフロン(登録商標)、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂;フッ化カーボン等のフッ素化合物;ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩;脂肪酸、脂肪酸エステル等の脂肪酸誘導体;硫化モリブデン、アミノ酸及びアミノ酸誘導体等が挙げられる。
【0061】
なお上記外添剤は、トナー粒子の製造後における任意の時点で外添することができ、例えばトナー粒子の分級や球形化を行う工程でトナー粒子に外添することができる。
【0062】
次に本発明のプロセスカートリッジについて説明する。
本発明のプロセスカートリッジは、回転自在なドラム状の潜像担持体と、現像装置とを少なくとも有する。
【0063】
潜像担持体には、潜像担持体の形状に応じた導電性基体と、この導電性基体上に形成される感光層とを有する公知の潜像担持体を用いることができ、有機系の感光層を有する有機系感光体(OPC)や、ケイ素原子を主成分とする非晶質材料の感光層を有するアモルファスシリコン系感光体等が本発明では用いられる。
【0064】
現像装置には、公知の接触現像方式用の現像装置を用いることができ、トナーを収容する現像容器と、潜像担持体に接触して設けられる回転自在なロール状のトナー担持体と、トナー担持体に接触して設けられ、現像容器内のトナーをトナー担持体に供給する回転自在なロール状のトナー供給ローラと、現像容器内に回転自在に設けられ現像容器内のトナーを攪拌し、トナー供給ローラに向けて搬送するトナー搬送手段とを有する。トナー担持体は、トナー担持体を潜像担持体に向けて付勢するバネや樹脂製弾性体等の弾性部材を用いる公知の技術によって適切に接触させることができる。
【0065】
本発明のプロセスカートリッジでは、構成部材の接触によって発生する熱に対して生じる種々の問題点を有効に解決し得ることから、前記潜像担持体及び現像装置以外にも種々の接触部材を用いることができる。
【0066】
上記観点から、本発明のプロセスカートリッジは、潜像担持体に接触して設けられ潜像担持体を帯電させる帯電部材を有することが可能である。このような構成によれば、放電によって潜像担持体を帯電させる際のオゾンの発生を防止することができ、またより低い電圧での潜像担持体の帯電が可能であることから、環境面及び省力化の観点から好ましい。
【0067】
このような帯電部材としては、例えば芯金と、この芯金周面に形成される導電性の弾性層とを有する帯電ローラや、導電性スリーブと、この導電性スリーブ周面に磁力を発生させるマグネットロール等の磁力発生手段と、導電性スリーブ上に担持される導電性の磁性粒子とを有する磁気ブラシ帯電部材等の、公知の接触帯電部材が用いられる。
【0068】
また本発明のプロセスカートリッジは、潜像担持体に接触して設けられ潜像担持体上の転写残トナーを除去するクリーニング部材を有することが可能である。このような構成によれば、一つの画像形成プロセスが終了し、次の画像形成プロセスが始まる前に、潜像担持体表面をクリーニングすることができ、帯電不良や潜像形成の阻害等に伴う画像不良を防止する上で好ましい。
【0069】
このようなクリーニング部材としては、例えばゴム等の弾性ブレードや、回転自在なロール状のブラシ部材、弾性層によって表面が形成されるロール部材等、公知のクリーニング部材が用いられる。クリーニング部材は、一般に、潜像担持体に向けて開口する廃トナー容器の開口部に設けられ、除去した転写残トナーを廃トナー容器内に収容する。
【0070】
また本発明のプロセスカートリッジは、現像装置において、トナー担持体に接触して設けられトナー担持体に担持されるトナーを規制してトナー担持体上におけるトナーコート量を制御するトナー規制部材を有することが可能である。このような構成によれば、トナー担持体におけるトナーコート量を制御する上で好ましい。
【0071】
このようなトナー規制部材としては、可撓性の板状部材等の公知のトナー規制部材が用いられる。
【0072】
本発明のプロセスカートリッジの一例を図1に示す。図1のプロセスカートリッジは、潜像担持体1と、帯電部材2と、現像装置20と、クリーニングブレード5と、これを開口部に有する廃トナー容器18とを有する。潜像担持体1には例えばOPC感光体が用いられ、帯電部材2には例えば帯電ローラが用いられる。廃トナー容器18と現像装置20との間には、これらを接続するスペーサ31が設けられ、画像信号に対応した露光光の光路が形成されている。
【0073】
現像装置20は、一成分トナーとして非磁性トナーを収容した現像容器10と、現像容器10内の長手方向に延在する開口部に位置し潜像担持体1と対向設置されたトナー担持体11と、トナー供給ローラ12と、トナー規制部材13と、トナー搬送部材14とを備え、潜像担持体1上の静電潜像を現像して可視化するようになっている。
【0074】
現像容器10は、開口部にトナー担持体11が設けられ、図中下方に凸の底面で形成され互いに連通している三つのトナー溜まりが形成されている。最も開口部側のトナー溜まりにはトナー担持体11、トナー供給ローラ12、及びトナー規制部材13が設けられ、真ん中のトナー溜まりにはトナー搬送部材14が設けられている。
【0075】
トナー担持体11は、一例として、弾性層の基層に表層コートした弾性ローラなどを用いることができる。
【0076】
図中におけるトナー担持体11の上方位置には、SUS等の金属板や、ウレタン、シリコーン等のゴム材料や、バネ弾性を有するSUS又はリン青銅の金属薄板を基体とし、トナー担持体11への当接面側にゴム材料を接着したもの等からなるトナー規制部材13が、自由端側の先端近傍をトナー担持体11の外周面に面接触にて当接するように設けられており、その当接方向としては、当接部に対して先端側がトナー担持体11の回転方向上流側に位置するいわゆるカウンター方向になっている。
【0077】
トナー供給ローラ12は、トナー規制部材13とトナー担持体11表面との当接部に対しトナー担持体11の回転方向上流側で当接し、かつ回転可能に支持されている。この構造としては、発泡骨格状スポンジ構造や、芯金上にレーヨン、ナイロン等の繊維を植毛したファーブラシ構造のものが、トナー担持体11へのトナー10の供給、及びトナー担持体11からの未現像トナーの剥ぎ取り、の点から好ましい。このトナー供給ローラ12のトナー担持体11に対する当接幅としては1〜8mmが有効で、またトナー担持体11に対してその当接部において相対速度を持たせることが好ましい。
【0078】
トナー搬送部材14は、回転自在なクラウン状やクランク状の棒体、あるいはこの棒体に舌状部材を取り付けたものなど、回転軸の回転に従って現像容器内にてトナーを攪拌、搬送する部材によって構成されている。
【0079】
図1に示したプロセスカートリッジを装着する画像形成装置を図2に示す。この画像形成装置は、画像信号に応じた光を帯電した潜像担持体1に照射する露光装置6、転写手段である転写ローラ4、ヒータを有する定着ローラ7aとこれに付勢して設けられる加圧ローラ7bとを有する定着装置7、給紙系、排紙系、及び図示しない公知の支持、案内部材を少なくとも有し、この支持、案内部材によってプロセスカートリッジを支持し、転写ローラ4に潜像担持体1が対向し、露光装置6からのレーザー光等の露光光Lが前記スペーサ31による隙間(光路)を通る位置にプロセスカートリッジを案内して装着する。
【0080】
潜像担持体1は、帯電部材2によって一様に帯電する。帯電した潜像担持体1には露光装置6からの露光光Lが照射され、これにより潜像担持体1に静電潜像が形成される。静電潜像が形成された潜像担持体1には現像装置20から静電潜像に応じてトナーが供給され、潜像担持体1上にトナー像が形成される。潜像担持体1上のトナー像は、給紙トレイ15から給紙ローラ16等により搬送される転写材Pへ転写ローラ4によって転写される。未定着トナー像を担持する転写材Pは定着装置7に送られる。定着装置7では、定着ローラ7aと加圧ローラ7bとの間に転写材Pが導入され、加熱加圧によってトナー像が転写材に定着する。画像が定着された転写材Pは排出ローラ17によって画像形成装置外に排出される。
【0081】
現像装置20では、トナー搬送部材14によってトナーを攪拌し、これをトナー供給ローラ12に向けてトナーを搬送する。これにより現像容器10における真ん中のトナー溜まりのトナーは開口部側のトナー溜まりに搬送され、トナー供給ローラ12へ搬送される。また真ん中のトナー溜まりには、発熱の影響が最も少ない奥(図中、紙面に対して右手)のトナー溜まりから、搬送したトナーの量に応じて新たにトナーが供給される。このようにトナー溜まりを現像容器に適宜設けると、トナー同士の摺擦によるトナーの劣化や過剰帯電を抑制する上で有利である。トナー供給ローラ12に搬送されたトナーはトナー担持体11に供給される。トナー担持体11に供給されたトナーは、トナー担持体11上に担持され搬送されるが、トナー規制部材13によって規制され、所定の層厚のトナー層がトナー担持体11上に形成される。
【0082】
トナー担持体11上に薄層形成されたトナーは、一様に潜像担持体1との対向部である現像部へ搬送される。この現像部において、トナー担持体11上に薄層形成されたトナーは、例えばトナー担持体11と潜像担持体1の両者間に印加された直流バイアスによって潜像担持体1の静電潜像に付着し、潜像担持体1上の静電潜像にトナー像として現像される。
【0083】
【実施例】
以下に本発明の実施例及び比較例を示して、本発明をさらに詳細に説明する。なお、「部」とあるのはすべて質量部を意味する。
【0084】
<製造例1>
ビニル系樹脂の単量体として、スチレン380g、ブチルメタクリレート120gを80℃に加温し、エステルワックス(融点75℃)39gを十分溶かした。これに重合開始剤としてジクミルパーオキシド18gを加え、滴下ロートに入れた。
【0085】
ポリエステル樹脂の単量体として、ポリオキシポリエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン195g、イソフタル酸60g、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸19g、及び触媒としてジブチル錫オキシド0.5gを5リットルのガラス製4つ口フラスコに入れ、温度計、ステンレス製撹拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を取り付け、マントルヒーターの中で、窒素気流下にて140℃の温度で撹拌しつつ、前記の滴下ロートより5時間かけて滴下した。140℃に保持したまま熟成し、昇温した後225℃にて反応させてバインダー1を得た。
【0086】
・バインダー1 100部
・カーボンブラック 8部
・サリチル酸金属化合物 2部
上記材料を、ヘンシェルミキサーを用いて混合し、二軸押し出し混練機で溶融混練した後、ハンマーミルで粗粉砕し、ジェットミルで微粉砕した後、分級して着色粒子を得た。
【0087】
さらに上記着色粒子100部に対して、スルホン酸基含有樹脂(藤倉化成社製、FCA−1001)を0.5部混合したものを、ハイブリダイザー1型(奈良機械製作所製)を用い2500rpm、3分間処理した。該着色粒子100部に対して、ヘキサメチルジシラザンで疎水化処理したシリカ(BET=180m2/g)1.5部をヘンシェルミキサーFM10Bにて外添してトナーAを得た。
【0088】
<製造例2>
・バインダー1 100部
・マグネタイト 80部
・サリチル酸金属化合物 2部
上記材料を、ヘンシェルミキサーを用いて混合し、二軸押し出し混練機で溶融混練した後、ハンマーミルで粗粉砕し、さらに粉砕機としてクリプトロン(川崎重工製)を用いて微粉砕した後、分級して着色粒子を得た。
【0089】
さらに上記着色粒子100部に対して、スルホン酸基含有樹脂(藤倉化成社製、FCA−1001)を0.5部混合したものを、ハイブリダイザー1型(奈良機械製作所製)を用い2500rpm、3分間処理した。該着色粒子100部に対して、製造例1に用いたシリカ1.5部をヘンシェルミキサーFM10Bにて外添してトナーBを得た。
【0090】
<製造例3>
製造例2において、ハイブリタイザーの処理時間を15分にした以外は同様にしてトナーCを得た。
【0091】
<製造例4>
製造例1において、ハイブリタイザーの処理時間を1分にし、WAXの添加量を23gにした以外は同様にしてトナーDを得た。
【0092】
<製造例5>
製造例2において、ハイブリタイザーの処理時間を30秒にした以外は同様にしてトナーEを得た。
【0093】
<製造例6>
製造例1において、ヘキサメチルジシラザンで疎水化処理したシリカ(BET=180m2/g)の代わりに非処理のシリカを1.5部添加した以外は同様にしてトナーFを得た。
【0094】
<製造例7>
製造例1において、エステルワックスの添加量を7gにした以外は同様にしてトナーGを得た。
【0095】
<製造例8>
製造例1において、エステルワックスの添加量を100gにした以外は同様にしてトナーHを得た。
【0096】
<製造例9>
製造例1において、疎水化処理したシリカの添加量を0.2部にした以外は同様にしてトナーIを得た。
【0097】
<製造例10>
製造例1において、疎水化処理したシリカの添加量を2.7部にした以外は同様にしてトナーJを得た。
【0098】
<製造例11>
高速攪拌装置クレアミックス(エムテクニック社製)を備えた2リットル用4つ口フラスコ中に、イオン交換水630部と、0.1mol/リットルのNa3PO4水溶液485部を添加し、クレアミックスの回転数を14000rpmに調整し63℃に加温した。ここに、1.0mol/リットルのCaCl2水溶液65部を徐々に添加し、さらに10%塩酸を滴下して微小な難水溶性分散剤Ca3(PO4)2を含むpH=5.8の水系媒体を調整した。
【0099】
一方、分散質系は、
Figure 0003919541
をアトライターを用いて15時間分散させた後、上記混合物に下記の成分を加えて、さらに5時間分散させて、分散質系を調製した。
【0100】
次に、上記分散質系に重合開始剤2,2‘−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5部を添加した後、上記分散媒中に投入し、内温58℃の窒素雰囲気下、17000rpmで15分間造粒した。その後、攪拌機をプロペラ攪拌機に交換し、50rpmで攪拌しながら58℃に保ちつつ5時間重合し、さらに内温を85℃に昇温させ5時間重合した。重合終了後、スラリーを冷却し希塩酸を添加して分散剤を除去した。さらに水洗し、乾燥、分級を行い、着色粒子を得た。
【0101】
上記着色粒子100部に対して、製造例1で用いた疎水化処理したシリカ1.2部をヘンシェルミキサーFM10Bにて外添してトナーKを得た。
【0102】
<製造例12>
製造例1において、ハイブリタイザーを使用しなかったこと以外は同様にしてトナーLを得た。
【0103】
<比較製造例1>
製造例1において、エステルワックスの添加量を100gにし、ハイブリタイザーの処理を15分にしたこと以外は同様にしてトナーMを得た。
【0104】
<比較製造例2>
製造例1において、ハイブリタイザーの処理時間を1分にし、WAXの添加量を23g、外添剤を非処理のシリカ1.0部にした事以外は同様にしてトナーNを得た。
【0105】
<実施例1>
製造例1のトナーAを、以下に説明するプロセスカートリッジに充填して評価した。このプロセスカートリッジは、潜像担持体1と、帯電ローラである帯電部材2と、現像装置20と、クリーニング手段とを有し、これらがプリンターに対して一体的かつ着脱自在に構成されたものである。潜像担持体には直径30mmの有機感光体を用いた。またクリーニング手段には、廃トナー容器18と、その開口部に設けられ潜像担持体に当接する弾性板状のクリーニングブレード5とを有するブレード式のクリーニング手段を用いた。
【0106】
図1において、現像装置20は、一成分トナーとして非磁性トナーを収容した現像容器10と、現像容器10内の長手方向に延在する開口部に位置し潜像担持体1と当接して対向設置されたトナー担持体11とを備え、潜像担持体1上の静電潜像を現像して可視化するようになっている。
【0107】
トナー担持体11はNBRの基層にエーテルウレタンを表層コートした直径16mmの弾性ローラである。
【0108】
トナー担持体11の上方位置には、リン青銅の金属薄板を基体とし、トナー担持体11への当接面側にポリアミドエラストマーを接着したものからなるトナー規制部材13が、自由端側の先端近傍をトナー担持体11の外周面に面接触にて当接するように設けられており、その当接方向としては、当接部に対して先端側がトナー担持体11の回転方向上流側に位置するいわゆるカウンター方向になっている。トナー担持体11に対するトナー規制部材13の当接圧は、25g/cm(線圧の測定は、摩擦係数が既知の金属薄板を3枚当接部に挿入し、中央の1枚をばねばかりで引き抜いた値から換算した。)に設定してある。
【0109】
トナー供給ローラ12は、トナー規制部材13のトナー担持体11表面との当接部に対しトナー担持体11の回転方向上流側に当接され、かつ回転可能に支持されている。トナー供給ローラ12は、芯金上にポリウレタンフォームを設けた直径12mmの弾性ローラであり、トナー担持体11に対してその当接部においてカウンター方向に回転する。このとき、トナー担持体の回転数に対するトナー供給ローラの回転数の比が0.8となるようにした。
【0110】
トナー搬送部材14は、回転自在なクランク状の棒体と、この棒体を固定軸としこの固定軸を中心に回転可能なように取り付けられている舌状部材とによって構成されている。トナー搬送部材14の回転数は、トナー供給ローラ12の回転数に対する比が0.3となるように調整した。
【0111】
図2は、評価に用いた電子写真方式のレーザビームプリンタを示す概略構成図である。本プリンターには、上記プロセスカートリッジが装着可能であり、さらに転写ローラ4、露光装置6、定着装置7が配設されている。
【0112】
帯電部材2は、帯電バイアス電源(不図示)から印加される帯電バイアスによって潜像担持体1を所定の極性、電位に均一に帯電する。
【0113】
転写手段としての転写ローラ4は、潜像担持体1表面に所定の押圧力で接触して転写ニップを形成し、転写バイアス電源(不図示)から印加される転写バイアスにより、潜像担持体1と転写ローラ4間の転写ニップにて潜像担持体1表面のトナー像を転写材Pに転写する。
【0114】
クリーニングブレード5は、転写後に潜像担持体1表面に残った転写残トナーを除去する。
【0115】
露光装置6は、不図示のレーザドライバ、レーザダイオード、ポリゴンミラーなどを備えており、レーザドライバに入力される画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して変調されたレーザ光がレーザダイオードから出力され、高速回転するポリゴンミラーで前記レーザ光を走査し、反射ミラー(不図示)を介して潜像担持体1表面を画像露光することにより、画像情報に対応した静電潜像を形成する。
【0116】
定着装置7は、回転自在な定着ローラ7aと加圧ローラ7bを有しており、定着ローラ7aと加圧ローラ7b間の定着ニップにて転写材Pを挟持搬送しながら、転写材Pの表面に転写されたトナー像を加熱加圧して熱定着させる。
【0117】
本プリンターにおいては、プロセススピード100mm/s、潜像担持体1の周速は100mm/s、トナー担持体11は周速160mm/sで回転させている。
【0118】
この現像部において、トナー担持体11上に薄層形成されたトナーは、トナー担持体11と潜像担持体1の両者間に印加された直流電圧:Vdc=−270Vバイアスによって潜像担持体1上の静電潜像に付着し、静電潜像を現像してトナー像を形成する。
【0119】
上記プロセスカートリッジにトナーAを充填し、印字比率2%で10000枚の連続プリントの試験をした。なお、試験は、30℃/80%RHの環境で行った。1000枚目と10000枚目に、べた白パターンを1枚、ハーフトーンを2枚、べた黒パターンを連続10枚サンプルとしてプリントした。
【0120】
<実施例2〜11>
実施例1で用いたプロセスカートリッジ及びプリンター用いて、製造例2〜11示したトナーB〜Kを実施例1と同様にして評価した。
【0121】
<実施例12〜15>
実施例1で用いたプロセスカートリッジにおいて、各種設定を表1に示す値にした以外は実施例1と同様にして評価した
【0122】
<実施例16>
製造例12で示したトナーLを、実施例1で用いたプロセスカートリッジ及びプリンターを用いて、実施例1と同様にして評価した。
【0123】
<比較例1>
比較製造例1で示したトナーMを、実施例1で用いたプロセスカートリッジ及びプリンターを用いて、実施例1と同様にして評価した。
【0124】
<比較例2>
比較製造例2で示したトナーNを、実施例1で用いたプロセスカートリッジ及びプリンターを用いて、実施例1と同様にして評価した。
【0125】
<比較例3〜6>
実施例1で用いたプロセスカートリッジにおいて、各種設定を表1に示す値にした以外は実施例1と同様にして評価した
【0126】
[評価方法]
(1)画像白抜け
10枚目のべた黒パターンのサンプル内の、40点の濃度を測定する。高濃度5点と低濃度5点のそれぞれの平均値を求め、その差に応じてランク分けした。濃度測定は、反射濃度計RD918(マクベス社製)で行った。
A:濃度差が0.1未満
B:濃度差が0.1以上0.2未満
C:濃度差が0.2以上0.3未満
D:濃度差が0.3以上
【0127】
(2)かぶり
べた白パターンのサンプルと未使用の紙の反射率をそれぞれ、TC−6DS(東京電色社製)で測定し(3点平均)、その差を求めた。評価のランク分けは、以下のように行った。
A:2.0%未満
B:2.0%以上4.0%未満
C:4.0%以上6.0%未満
D:6.0%以上
【0128】
(3)縦スジ
ハーフトーン、ベタ黒パターンのサンプル内の縦スジの本数を数え、以下のようにランク分けした(A4換算、一枚当たり)。
A:3.0本以下
B:6.0本以下
C:10.0本未満
D:10.0本以上
【0129】
(4)フィルミング
サンプル画像上のドラム融着跡を数え、10cm2当たりのドラム融着跡の数により以下のようにランク分けした。
A:1.0個未満
B:1.0個以上3.0個未満
C:3.0個以上7.0個未満
D:7.0個以上
【0130】
(5)定着不良
ベタ黒、ハーフトーンのサンプルで、荷重250gにて10回のこすり試験を行い、その時の初期の濃度と試験後の濃度を反射濃度計RD918にて測定し、その差によって以下のようにランク分けした。
A:0.5%未満
B:0.5%以上1.0%未満
C:1.0%以上1.5%未満
D:1.5%以上
【0131】
評価条件を表1に、評価結果を表2に示す。
【0132】
【表1】
Figure 0003919541
【0133】
【表2】
Figure 0003919541
【0134】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、回転自在なドラム状の潜像担持体と、現像装置とを少なくとも有し、これらが一体的に、かつ画像形成装置に対して着脱自在に構成され、潜像担持体の直径は33mm以下であり、現像装置は、トナーを収容する現像容器と、潜像担持体に接触して設けられる回転自在なロール状のトナー担持体と、トナー担持体に接触して設けられ、現像容器内のトナーをトナー担持体に供給する回転自在なロール状のトナー供給ローラと、現像容器内に回転自在に設けられ現像容器内のトナーを攪拌し、トナー供給ローラに向けて搬送するトナー搬送手段と、を有し、トナー担持体の直径は20mm以下であり、トナー供給ローラの回転数に対するトナー搬送部材の回転数の比は0.1以上0.5以下であり、トナー担持体上のトナーコート量をA[mg/cm2]とし、現像容器のトナー充填率をB[g/cm3]としたときに0.9B≦A≦3Bを満たすプロセスカートリッジに、少なくとも結着樹脂、着色剤、及びワックスを含有するトナー粒子を有し、メタノール濡れ性半値が30〜80%である一成分トナーを用いることから、小径のトナー担持体と小径の潜像担持体を用いる接触一成分現像方式のプロセスカートリッジにおいて、少なくとも昇温により悪化する反転かぶりを防ぎ、昇温によるトナーの流動性悪化が引き起こす画像白抜けを改善し、長期間の耐久試験でも縦スジやフィルミングが発生せず、高温高湿環境下においてもカブリや定着不良を発生しない一成分トナー及びプロセスカートリッジを提供することができる。
【0135】
また、本発明では、トナー粒子中のワックスの含有量が1wt%以上10wt%以下であると、フィルミングや定着不良、オフセットを防止しつつ、トナーの流動性や帯電性を最適に維持する上でより一層効果的である。
【0136】
また、本発明では、メタノール濡れ性半値が40〜70%であると、良好な帯電特性を定着特性とを両立させる上でより一層効果的である。
【0137】
また、本発明では、疎水化処理された外添剤を0.3wt%以上2.5wt%以下有すると、トナー担持体上のトナーコート量を安定させる上でより一層効果的である。
【0138】
また、本発明では、円形度標準偏差が0.050未満であると、トナーの帯電特性をより好ましい範囲に設定する上でより効果的であり、円形度標準偏差が0.030未満であると、トナーの帯電特性をより好ましい範囲に設定する上でより一層効果的である。
【0139】
また、本発明では、トナー担持体の径に対するトナー供給ローラの径の比が0.6以上1.3以下であると、トナー担持体上のトナーコート量を安定させる上でより一層効果的である。
【0140】
また、本発明では、トナー供給ローラが、トナー担持体に接する部分で逆方向に回転し、かつトナー担持体の回転数に対するトナー供給ローラの回転数の比が0.6以上1.5以下であると、カートリッジ内部の昇温を抑え、かつトナー担持体上のトナーコート量を安定させる上でより一層効果的である。
【0141】
また、本発明では、潜像担持体に接触して設けられ潜像担持体を帯電させる帯電部材を有すると、部材同士の接触による発熱に起因する弊害を抑制し、かつ環境面や省力化に優れた画像形成を行う上でより効果的である。
【0142】
また、本発明では、潜像担持体に接触して設けられ潜像担持体上の転写残トナーを除去するクリーニング部材を有すると、部材同士の接触による発熱に起因する弊害を抑制し、かつ帯電不良や露光不足を防止する上でより効果的である。
【0143】
また、本発明では、トナー担持体に接触して設けられトナー担持体に担持されるトナーを規制してトナー担持体上におけるトナーコート量を制御するトナー規制部材を有すると、部材同士の接触による発熱に起因する弊害を抑制し、かつトナーコート量を制御する上でより効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略図である。
【図2】図1に示すプロセスカートリッジが適用される画像形成装置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 潜像担持体
2 帯電部材
5 クリーニングブレード
4 転写ローラ
6 露光装置
7 定着装置
7a 定着ローラ
7b 加圧ローラ
10 現像容器
11 トナー担持体
12 トナー供給ローラ
13 トナー規制部材
14 トナー搬送部材
15 給紙トレイ
16 給紙ローラ
17 排出ローラ
18 廃トナー容器
20 現像装置
31 スペーサ
L 露光光
P 転写材
t トナー

Claims (20)

  1. 回転自在なドラム状の潜像担持体と、現像装置とを少なくとも有し、これらが一体的に、かつ画像形成装置に対して着脱自在に構成され、
    前記潜像担持体の直径は33mm以下であり、
    前記現像装置は、トナーを収容する現像容器と、前記潜像担持体に接触して設けられる回転自在なロール状のトナー担持体と、前記トナー担持体に接触して設けられ、現像容器内のトナーをトナー担持体に供給する回転自在なロール状のトナー供給ローラと、前記現像容器内に回転自在に設けられ現像容器内のトナーを攪拌し、トナー供給ローラに向けて搬送するトナー搬送手段と、を有し、
    前記トナー担持体の直径は20mm以下であり、前記トナー供給ローラの回転数に対する前記トナー搬送部材の回転数の比は0.1以上0.5以下であり、前記トナー担持体上のトナーコート量をA[mg/cm]とし、前記現像容器のトナー充填率をB[g/cm]としたときに0.9B≦A≦3Bを満たすプロセスカートリッジに用いられるトナーであって、
    少なくとも結着樹脂、着色剤、及びワックスを含有するトナー粒子を有し、メタノール濡れ性半値が30〜80%であることを特徴とする一成分トナー。
  2. 前記メタノール濡れ性半値が40〜70%であることを特徴とする請求項1に記載の一成分トナー。
  3. 疎水化処理された外添剤を0.3wt%以上2.5wt%以下有することを特徴とする請求項1又は2に記載の一成分トナー。
  4. 前記円形度標準偏差が0.050未満であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の一成分トナー。
  5. 前記円形度標準偏差が0.030未満であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の一成分トナー。
  6. 前記トナー担持体の径に対する前記トナー供給ローラの径の比が0.6以上1.3以下であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の一成分トナー。
  7. 前記トナー供給ローラが、前記トナー担持体に接する部分で逆方向に回転し、かつ前記トナー担持体の回転数に対する前記トナー供給ローラの回転数の比が0.6以上1.5以下であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の一成分トナー。
  8. 前記プロセスカートリッジは、前記潜像担持体に接触して設けられ潜像担持体を帯電させる帯電部材を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の一成分トナー。
  9. 前記プロセスカートリッジは、前記潜像担持体に接触して設けられ潜像担持体上の転写残トナーを除去するクリーニング部材を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の一成分トナー。
  10. 前記現像装置は、前記トナー担持体に接触して設けられトナー担持体に担持されるトナーを規制してトナー担持体上におけるトナーコート量を制御するトナー規制部材を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の一成分トナー。
  11. 回転自在なドラム状の潜像担持体と、現像装置とを少なくとも有し、これらが一体的に、かつ画像形成装置に対して着脱自在に構成され、少なくとも結着樹脂、着色剤、及びワックスを含有するトナー粒子を有し、メタノール濡れ性半値が30〜80%である一成分トナーを静電潜像の現像に用いるプロセスカートリッジであって、
    前記潜像担持体の直径は33mm以下であり、
    前記現像装置は、トナーを収容する現像容器と、前記潜像担持体に接触して設けられる回転自在なロール状のトナー担持体と、前記トナー担持体に接触して設けられ、現像容器内のトナーをトナー担持体に供給する回転自在なロール状のトナー供給ローラと、前記現像容器内に回転自在に設けられ現像容器内のトナーを攪拌し、トナー供給ローラに向けて搬送するトナー搬送手段と、を有し、
    前記トナー担持体の直径は20mm以下であり、前記トナー供給ローラの回転数に対する前記トナー搬送部材の回転数の比は0.1以上0.5以下であり、前記トナー担持体上のトナーコート量をA[mg/cm]とし、前記現像容器のトナー充填率をB[g/cm]としたときに0.9B≦A≦3Bを満たすことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  12. 前記メタノール濡れ性半値が40〜70%であることを特徴とする請求項11に記載のプロセスカートリッジ。
  13. 前記一成分トナーが疎水化処理された外添剤を0.3wt%以上2.5wt%以下有することを特徴とする請求項11又は12に記載のプロセスカートリッジ。
  14. 前記円形度標準偏差が0.050未満であることを特徴とする請求項11乃至13のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  15. 前記円形度標準偏差が0.030未満であることを特徴とする請求項11乃至14のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  16. 前記トナー担持体の径に対する前記トナー供給ローラの径の比が0.6以上1.3以下であることを特徴とする請求項11乃至15のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  17. 前記トナー供給ローラが、前記トナー担持体に接する部分で逆方向に回転し、かつ前記トナー担持体の回転数に対する前記トナー供給ローラの回転数の比が0.6以上1.5以下であることを特徴とする請求項11乃至16のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  18. 前記潜像担持体に接触して設けられ潜像担持体を帯電させる帯電部材を有することを特徴とする請求項11乃至17のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  19. 前記潜像担持体に接触して設けられ潜像担持体上の転写残トナーを除去するクリーニング部材を有することを特徴とする請求項11乃至18のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  20. 前記現像装置は、前記トナー担持体に接触して設けられトナー担持体に担持されるトナーを規制してトナー担持体上におけるトナーコート量を制御するトナー規制部材を有することを特徴とする請求項11乃至19のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
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