JP4047064B2 - 高周波半導体装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性半導体基板上に形成された高周波半導体装置に関するものであり、特にシリコン基板上に形成された高周波半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話に代表される移動体端末装置の普及にともない、1GHz以上の高い周波数の半導体装置の需要が増加している。このような高周波半導体装置には、今までガリウム砒素基板が用いられていた。しかしながら、ガリウム砒素基板は高価であるため、ガリウム砒素基板を用いた高周波半導体装置では、高集積化、低コスト化が困難である。
【0003】
これに対して、シリコン基板上に形成するトランジスタは廉価ではあるものの高周波領域で十分に動作させることができなかった。しかしながら、シリコン半導体の微細化プロセスの進歩などにより、シリコン基板を用いた高周波半導体装置でも移動体端末装置に必要な仕様を満たすレベルに達しつつある。そこで、現在では1GHz以上の高い周波数の半導体装置として、シリコン基板を用いた高周波半導体装置を用いることができるかどうかが検討されている。
【0004】
シリコン基板上に高周波半導体装置を実装するための問題点の1つにシリコン基板における信号の損失がある。これは、シリコン基板が比較的大きな電流が流れる導電性基板であるために生じる。ガリウム砒素基板では、基板が電流の高絶縁性基板であるためにこのような問題は生じない。
【0005】
上記損失について図16Aの従来の高周波半導体装置の平面図および図16AのA−A’線断面図である図16Bを用いて詳しく説明する。
【0006】
これらの図において、901は不純物がドープされた導電性のp型シリコン基板、902はSiO2等の絶縁膜よりなる絶縁層、903はボンディングワイアをチップに接続するために必要なボンディングパッド、904はパッドとトランジスタなどの素子を接続する配線、905は保護層を示す。
【0007】
ボンディングパッド903と配線904とは、AlまたはCu等の金属膜で構成されている。p型シリコン基板901の表面は絶縁層902で被覆されている。絶縁層902の表面にはボンディングパッド903と配線904とが形成されている。ボンディングパッド903と配線904の上面には保護層905が形成されている。さらに、p型シリコン基板901はグラウンド(図示せず)に接続されている。
【0008】
ここで、図16に示す従来の高周波半導体装置の構成では、ボンディングパッド903や配線904を流れる高周波信号は、絶縁層902の浮遊容量を介してシリコン基板901に漏洩する。そのため、漏洩する分だけ、シリコン基板901の抵抗成分によって損失が発生する。
【0009】
このシリコン基板における損失を低減する高周波半導体装置の従来例としては、Proc. 1998 IEEE BTCM "A bond-pad structure for reducing effects of substrate resistance on LNA performance in a silicon bipolar technology"
に記載されたものが知られている。
【0010】
図17Aおよび図17Bは、他の従来の高周波半導体装置を示している。図17Aは、その高周波半導体装置の平面図である。図17Bは、図17AのA−A’線断面図である。これらの図において、図16Aおよび図16Bに対応する部分には同一の符号が付されている。1011はp型シリコン基板901と比較して不純物濃度が約2桁濃いn型シリコン層、1012および1013はn型シリコン層1011と接地電位を接続する配線を示す。
【0011】
n型シリコン層1011はp型シリコン基板901の表面に形成される。n型シリコン層1011およびp型シリコン基板901は絶縁層902により被覆される。被覆に際してn型シリコン層1011の端子部1011a,1011bは被覆されずに絶縁層902の表面に露呈する。
【0012】
絶縁層902の表面にボンディングパッド903、配線904,1012,1013が形成される。ボンディングパッド903、配線904,1012,1013の上面には保護層905が形成される。端子部1011a,1011bはn型シリコン層1011に接続される。配線1012,1013は接地電位に接続される。p型シリコン基板901とn型シリコン層1011とはPN接合の空乏層により分離される。p型シリコン基板901は図示はしないが接地電位に接続される。
【0013】
図17Aおよび図17Bの構成では、ボンディングパッド903から絶縁層902の浮遊容量を介して漏洩する高周波信号は、n型シリコン層1011、そして配線1012,1013を介して接地電位に流れる。ここで、シリコン基板901と比較して、n型シリコン層1011および配線1012,1013は抵抗成分が非常に小さい。そのため、図17Aおよび図17Bの構成では、高周波信号の損失が低減される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の高周波半導体装置では、図18に示すように、周波数が高くなると、配線1012,1013などで発生する寄生インダクタンスLsの影響が大きくなる。これにより、n型シリコン層1011とグラウンドとは高周波的に分離される。そのため、n型シリコン層1011に漏洩する高周波信号は接地電位には流れず、p型シリコン基板901に流れる。そのため、p型シリコン基板901の抵抗成分によって信号成分に損失が発生する。
【0015】
したがって、本発明は、高周波信号の漏洩に起因する損失が低減される高周波半導体装置およびそれを用いた高周波半導体回路を提供することを主たる目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するためには、本発明の高周波半導体装置は、半導体基板と、前記半導体基板上に設けられた導電体層と、前記導電体層を、前記半導体基板に対して電気的に絶縁する第1の絶縁層と、前記半導体基板上に設けられてN相(ただしNは2以上の正の整数)の信号が供給されるN本の配線と、前記配線を、前記導電体層と前記半導体基板とに対して電気的に絶縁する第2の絶縁層と、前記導電体層と接地との間に前記導電体層と前記接地との間に流れる高周波成分を分離する高周波信号分離部とが備えられている。さらには、前記導電体層の一方面側にN1本(ただし、N1はN以下の0または正の整数)の前記配線が設けられ、前記導電体層の他方面側にN2本(ただし、N2は、N1+N2=Nとなる0または正の整数)の前記配線が設けられている。
【0017】
この高周波半導体装置の場合、導電体層は次のような作用を発揮する。すなわち、導電体層を挟んで半導体基板と対峙する配線に対して導電体層は、シールドとなる。一方、導電体層と半導体基板との間に位置する配線に対して導電体層は、その配線に流れる信号の電界を集中させる働きをする。そのため、信号(高周波信号)が配線から半導体基板に漏洩しにくくなる。これにより、半導体基板の抵抗成分によって生じる高周波信号の損失は低減される。このように作用は、配線が導電体層に対向して配置されている場合に最も顕著になる。
【0018】
この高周波半導体装置は、好ましくは、前記配線は、前記半導体基板上で前記導電体層に対向して設けられた渦巻き型配線であり、前記渦巻き型配線に対向する前記導電体層の部位には切り欠きが設けられており、この切り欠きは、前記渦巻き型配線に対向する部位を中心にして放射線状に設けられている。
この高周波半導体装置は、前記配線は、前記導電体層に対向して設けられた第1の配線と、前記第1の配線上に設けられた誘電体層と、前記誘電体層上で前記第1の配線に対向して設けられた第2の配線で構成されている。
【0019】
前記信号分離部は好ましくは絶縁体である。こうした場合、導電体層はシールドとなる。そのため、配線に流れる差動信号の半導体基板への漏洩は低減する。これにより、半導体基板の抵抗成分によって生じる差動信号の損失は低減する。
【0020】
前記信号分離部は好ましくは抵抗である。こうした場合、導電体層はグラウンド電位となる。そのため、配線から半導体基板に漏洩する同相信号は減衰する。これにより、半導体基板の抵抗成分によって生じる高周波信号の損失は低減する。
【0021】
前記信号分離部は好ましくはインダクタである。こうした場合、導電体層はグラウンド電位となる。そのため、配線から半導体基板に漏洩する同相信号は減衰する。これにより、半導体基板の抵抗成分によって生じる高周波信号の損失は低減する。
【0022】
前記信号分離部は、好ましくはインダクタとキャパシタとが並列に接続された構成であり、この高周波信号分離部の共振周波数は前記配線に供給される信号の周波数帯である。こうした場合、導電体層はグラウンド電位となる。そのため、配線から半導体基板に漏洩する同相信号は減衰する。これにより、半導体基板の抵抗成分によって生じる高周波信号の損失は低減する。
【0023】
好ましくは、前記信号分離部は、前記配線に供給される信号の波長の4分の1の奇数倍の線路長を有する分布定数線路である。こうした場合、導電体層はグラウンド電位となる。そのため、配線から半導体基板に漏洩する同相信号は減衰する。これにより、半導体基板の抵抗成分によって生じる高周波信号の損失は低減する。
【0026】
好ましくは、前記配線どうしの間にインダクタが接続されている。こうした場合、配線と導電体層との間の浮遊容量がインダクタにより相殺される。そのため、配線に流れる差動信号の位相遅れが改善される。これにより、半導体基板の抵抗成分によって生じる信号(高周波信号)の損失は低減する。
【0027】
本発明の高周波半導体回路は、前記高周波半導体装置を複数備え、各高周波半導体装置の前記導電体層どうしが、前記導電体層と前記接地との間に流れる高周波成分を分離する前記高周波信号分離部を介して接続されている。
【0028】
この高周波半導体回路の場合、次のような作用を発揮する。各高周波半導体装置の配線から漏洩する信号が、導電体層を介して別の高周波半導体装置の配線に回り込むのを低減できる。これにより、半導体基板の抵抗成分によって生じる信号(高周波信号)の損失は低減する。
【0029】
この高周波半導体回路は、次のように構成するのが好ましい。すなわち、この高周波半導体回路の少なくとも2つと、スイッチ回路部とが備えられている。前記少なくとも2つの高周波半導体装置は、前記スイッチ回路部を介して接続されている。前記スイッチ回路部は、制御電圧に基づいて前記少なくとも2つの高周波半導体装置間を電気的に隔離する制御を行う回路部である。この場合、信号損失の小さい高周波差動スイッチ回路が実現できる。
【0030】
この高周波半導体回路は、次のように構成するのが好ましい。すなわち、この高周波半導体装置の少なくとも2つと、増幅回路部とが備えられている。前記少なくとも2つの高周波半導体装置は前記増幅回路部を介して接続されている。前記増幅回路部は、前記少なくとも2つの高周波半導体装置の内の入力ノードに接続された高周波半導体装置から入力される信号を増幅して、前記少なくとも2つの高周波半導体装置の内の出入力ノードに接続された高周波半導体装置に出力する回路部である。この場合、低雑音で出力電力損失が小さく安定した差動増幅回路が実現できる。
【0031】
この高周波半導体回路は次のように構成するのが好ましい。すなわち、この高周波半導体装置の少なくとも3つと、周波数変換回路部とが備えられている。前記高周波半導体装置は前記周波数変換回路部に接続されている。前記周波数変換回路部は、前記高周波半導体装置のうち、少なくとも2つの高周波半導体装置から入力される入力信号を周波数変換して、残りの高周波半導体装置に出力する回路部である。この場合、低雑音であり出力電力損失が小さく、各入出力ポート間のアイソレーションが良好な差動周波数変換回路が実現できる。
【0032】
この高周波半導体回路は次のように構成するのが好ましい。すなわち、この半導体装置と、前記高周波半導体装置に接続された発振回路部とが備えられている。
【0033】
この場合、低雑音であり外乱の強い差動発振回路が実現できる。
【0042】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1Aおよび図1Bを参照して第1の実施形態に従う高周波半導体装置の第1構成例が説明される。半導体基板として不純物がドープされた導電性のp型シリコン基板101の表面は、SiO2等の絶縁膜よりなる下側絶縁層102で被覆される。下側絶縁層102の表面にp型シリコン基板101より不純物濃度の高いn型シリコン層103が導電体層として形成される。n型シリコン層103の表面は、SiO2等の絶縁膜よりなる上側絶縁層104で被覆される。上側絶縁層104の表面にAlまたはCu等の金属膜よりなる第1、第2の配線105,106が形成される。第1、第2の配線105,106の上面に保護層107が形成される。p型シリコン基板101は不図示の接地に接続される。n型シリコン層103と、第1、第2の配線105,106とは、図1の対称面に対して面対称に形成される。図1Aと図1Bは、前記対称面に対して上下の位置関係を合わせて配置されて図示される。この対称面の位置関係は、後述のすべての図について同様である。
【0043】
下側絶縁層102は、n型シリコン層(導電体層)103を、p型シリコン基板101に対して電気的に絶縁する。下側絶縁層102は第1の絶縁層を構成する。上側絶縁層104と下側絶縁層102とは、第1、第2の配線105,106を、n型シリコン層(導電体層)103とp型シリコン基板101とに対して電気的に絶縁する。上側絶縁層104と下側絶縁層102とは第2の絶縁層を構成する。
【0044】
上記高周波半導体装置の動作が説明される。
【0045】
第1、第2の配線105,106に、それぞれ、同振幅で逆位相の信号(逆相信号)が流れるとき、図1の対称面はその信号に対し仮想グラウンドすなわち0電位となる。そのため、2本の第1、第2の配線105,106から上側絶縁層104の浮遊容量を介してn型シリコン層103に漏洩する逆相信号は、仮想グラウンドに流れる。従って、従来技術のように、n型シリコン層103を第1、第2の配線105,106を介して接地する必要はない。
【0046】
一方、第1、第2の配線105,106に、それぞれ、同振幅で同位相の信号(同相信号)が流れるとき、対称面は0電位にならない。そのため、第1、第2の配線105,106から上側絶縁層104の浮遊容量を介してn型シリコン層103に漏洩する同相信号は、さらに下側絶縁層102の浮遊容量を介してp型シリコン基板101に流れ、p型シリコン基板101の抵抗成分で減衰される。なお、逆相信号と同相信号とを含めて差動信号という。
【0047】
図2Aおよび図2Bを参照して第1の実施形態に従う高周波半導体装置の第2構成例が説明される。2本のボンディングパッド211,212は上側絶縁層104と保護層107との間に形成され、かつ、第1、第2の配線105,106にそれぞれ接続される。ボンディングパッド211,212も図2の対称面に対して面対称に形成される。ボンディングパッド211,212は、第1、第2の配線105,106とは使用目的が異なるが、電気的な作用は、第1、第2の配線105,106と同じであるから、配線に含められる。
【0048】
第2の構成例の高周波半導体装置も、第1の構成例のそれと同様に、第1、第2の配線105,106、さらにボンディングパッド211,212からn型シリコン層103に漏洩する逆相信号は仮想グラウンドに流れる。一方、同相信号はp型シリコン基板101の抵抗成分で減衰される。
【0049】
第1の実施形態の高周波半導体装置は、従来の高周波半導体装置に比べて、寄生インダクタンスの影響が非常に小さくなり、第1、第2の配線105,106に流れる逆相信号をp型シリコン基板101からシールドできる。
【0050】
第1の実施形態の高周波半導体装置は、従来の高周波半導体装置に比べて、接地されていない第1、第2の配線105,106に同相信号として入力された外乱信号をp型シリコン基板101の抵抗成分で減衰できる。
【0051】
従来の高周波半導体装置では、導電体層であるn型シリコン層を接地に接続する構成である。そのため、高周波半導体装置の集積度が高くなるにつれてn型シリコン層をグラウンドに接続するための配線が長くなる。したがって、配線が高周波半導体装置に占める面積が飛躍的に大きくなるという問題がある。
【0052】
第1の実施形態の高周波半導体装置は、n型シリコン層103を下側絶縁層102と上側絶縁層104とによって接地から分離するだけでよい。そのため、第1の実施形態の高周波半導体装置は、従来の高周波半導体装置と比べてn型シリコン層103を接地に接続する配線を短くできる。そのため、配線を短くできる分、第1の実施形態の高周波半導体装置は小型化できる。
【0053】
配線に対する差動信号の供給は従来から半導体装置において行われている。また、配線として用いられるn型シリコン層は、その下層の絶縁層に囲まれてフローティング構造となる半導体装置の構成において基板の平坦化を促進する目的で用いられることがある。
【0054】
しかしながら、シリコン基板における損失が問題となる数百MHz以上の高周波信号を伝送する配線は、表皮効果による寄生抵抗の増大をさけるために比較的線幅が太くされる(例えば、5〜20μm)。
【0055】
これに対し、平坦化を目的して設けられるn型シリコン層は高周波信号との共振をさけるため1μm以下と比較的線幅が狭く設定される。そのため、第1、第2の配線105,106の下層全体をn型シリコン層103が覆う構成とはならない。したがって、第1の実施形態の高周波半導体装置の構成(特に、n型シリコン層103の構成)は、平坦化を目的して設けられるn型シリコン層の構成とは全く異なる構成である。
【0056】
以上のように、第1の実施形態によれば、面対称形状の第1、第2の配線105,106とp型シリコン基板101との間に不純物濃度の濃いn型シリコン層103を設けることにより、第1、第2の配線105,106に流れる逆相信号がp型シリコン基板101の抵抗成分で損失するのを低減できる。
【0057】
なお、n型シリコン層(導電体層)103と、第1、第2の配線105,106とは、図3に提示される第1の実施形態の第3の構成例に示されるように、その形成位置が上下逆であってもよい。この場合、導電体層103は、第1、第2の配線105,106の近傍に配置されれば、前記と同様の効果が得られる。これは、第1、第2の配線105,106に流れる高周波信号の電界が導電体層103に集中することにより、p型シリコン基板101への漏洩が減少するためである。
【0058】
この場合、下側絶縁層102と上側絶縁層104とは、n型シリコン層(導電体層)103を、p型シリコン基板101に対して電気的に絶縁する。下側絶縁層102と上側絶縁層104とは第1の絶縁層を構成する。下側絶縁層102と上側絶縁層104とは、第1、第2の配線105,106を、n型シリコン層(導電体層)103とp型シリコン基板101とに対して電気的に絶縁する。上側絶縁層104と下側絶縁層102とは第2の絶縁層を構成する。
【0059】
第1の実施形態においては、2相の配線が用いられているが、3相あるいは4相の配線が用いられてもよい。3相の配線が用いられる場合は120ーずつ位相がズレた信号を流し、4相の配線を用いる場合は90ーずつ位相がズレた信号を流すことにより、同様の効果が得られる。
【0060】
第1の実施形態においては、2本の配線が用いられているが、3本以上の複数の配線に交互に同相信号と逆相信号が流されてもよい。
【0061】
第1の実施形態においては、N相(ただしNは2以上の正の整数)の信号が供給されるN本の配線が設けられる。そして、n型シリコン層(導電体層)の一方面側にN1本(ただし、N1はN以下の0または正の整数)の配線が設けらる。n型シリコン層(導電体層)の他方面側にN2本(ただし、N2は、N1+N2=Nとなる0または正の整数)の配線が設けられる。この配線配置および信号供給方式は、後述の実施形態でも同様である。
【0062】
4相の配線が用いられる場合、または、2相の配線が2組用いられる場合は、図4に示される第1の実施形態の第4の構成例に示される構成でもよい。。図4に示されるように、p型シリコン基板101の表面は、下側絶縁層102で被覆される。下側絶縁層102の表面に第1、第2の配線1411,1412が形成される。第1、第2の配線1411,1412の表面は上側絶縁層104で被覆される。上側絶縁層104の表面にn型シリコン層(導電体層)103が形成される。n型シリコン層103の表面は、SiO2等の絶縁膜よりなる表面側絶縁層1408で被覆される。表面側絶縁層1408の上面に第3、第4の配線1413,1414が形成される。第3、第4の配線1413,1414の上面に保護層107が形成される。p型シリコン基板101はグラウンド(図示せず)に接続される。n型シリコン層103、第1、第2の配線1411,1412、および第3、第4の配線1413,1414は図4の対称面に対して面対称に形成される。n型シリコン層103は、第1、第2の配線1411,1412と第3、第4の配線1413,1414との近傍に配置されると、前述したのと同様の効果が得られる。
【0063】
この場合、下側絶縁層102と上側絶縁層104とは、n型シリコン層(導電体層)103を、p型シリコン基板101に対して電気的に絶縁する。下側絶縁層102と上側絶縁層104とは第1の絶縁層を構成する。下側絶縁層102と上側絶縁層104と表面側絶縁層1408とは、第1〜第4の配線1411,1412,1413,1414を、n型シリコン層(導電体層)103とp型シリコン基板101とに対して電気的に絶縁する。上側絶縁層104と下側絶縁層102と表面側絶縁層1408とは第2の絶縁層を構成する。
【0064】
第1の実施形態の第5の構成例が図5に示される。図5に示されるように、p型シリコン基板101の表面は、下側絶縁層102で被覆される。下側絶縁層102の表面に第1のn型シリコン層(第1の導電体層)1811が形成される。この第1のn型シリコン層1811の表面は、上側絶縁層104で被覆される。上側絶縁層104の表面に第1、第2の配線105,106が形成される。第1、第2の配線105,106の表面は、SiO2等の絶縁膜よりなる表面側絶縁層1808で被覆される。表面側絶縁層1808の上面に第2のn型シリコン層(第2の導電体層)1812が形成される。第2のn型シリコン層1812の上面に保護層107が形成される。p型シリコン基板101はグラウンド(図示せず)に接続される。第1のn型シリコン層1811、第2のn型シリコン層1812、第1、第2の配線105,106は図5の対称面に対して面対称に形成される。第1、第2のn型シリコン層1811,1812は、第1、第2の配線105,106の近傍に配置されると、前述したのと同様の効果が得られる。
【0065】
この場合、下側絶縁層102と上側絶縁層104と表面側絶縁層1808とは、第1、第2のn型シリコン層(導電体層)1811,1812を、p型シリコン基板101に対して電気的に絶縁する。下側絶縁層102と上側絶縁層104と表面側絶縁層1808とは第1の絶縁層を構成する。下側絶縁層102と上側絶縁層104と表面側絶縁層1408とは、第1、第2の配線105,106を、第1、第2のn型シリコン層(導電体層)1811,1812とp型シリコン基板101とに対して電気的に絶縁する。上側絶縁層104と下側絶縁層102と表面側絶縁層1408とは第2の絶縁層を構成する。
【0066】
第1の実施形態においては、複数の配線に対し、逆相信号、同相信号、あるいは均等に異なる位相の信号が流されるが、前記以外の位相ズレの信号が流されても同様の効果が得られる。第1の実施形態では、位相のズレた信号は、大きな同相信号と小さな逆相信号との組み合わせ、あるいは小さな同相信号と大きな逆相信号との組み合わせであると考えられる。そのため、同相成分はp型シリコン基板101の抵抗成分で減衰される。一方、逆相成分がp型シリコン基板101の抵抗成分によって損失することは低減される。
【0067】
n型シリコン層103の代わりに不純物濃度の濃いp型シリコンまたはAlまたはCu等の金属膜よりなる配線が用いられてもよい。
【0068】
下側絶縁層102がない構成でも同様に実施可能である。この場合、n型シリコン層103とp型シリコン基板101とのPN接合に生じる空乏層が下側絶縁層102と同様の機能を発揮する。
【0069】
第1の実施形態の第6の構成例が図6Aおよび図6Bに示される。図6Aおよび図6Bに示されるように、n型シリコン層103は、第1、第2の配線105,106の下層全体を覆わなくてもよい。
【0070】
本発明の第1の実施形態の高周波半導体装置によれば、高周波半導体装置の占めるチップ面積を縮小できる。
【0071】
(第2の実施形態)
図7Aおよび図7Bを参照して第2の実施形態に従う高周波半導体装置の構成例が説明される。導電性のシリコン基板(半導体基板)101の表面は、下側絶縁層102で被覆される。下側絶縁層102の表面にn型シリコン層(導電体層)103が形成される。n型シリコン層103の表面は、端子部103aが残されて上側絶縁層104で被覆される。上側絶縁層104の表面にAlまたはCu等の金属膜よりなる引き出し配線311が形成される。引き出し配線311の表面は、端子部311aが残されてSiO2等の絶縁膜よりなる第3の絶縁層312で被覆される。端子部311a上にタングステン等よりなるプラグ313が埋め込まれる。その後、第3の絶縁層312の上面に第1、第2の配線105,106とインダクタを構成するAl、あるいはCu等の金属膜よりなる渦巻き型配線314が形成される。配線314の上面に保護層107が形成される。p型シリコン基板101はグラウンド(図示せず)に接続される。n型シリコン層103、第1、第2の配線105,106は図7の対称面に対して面対称に形成される。
【0072】
引き出し配線311は端子部103aでn型シリコン層103に接続される。渦巻き型配線314の内周端には内部端子314aが設けられる。内部端子314aはプラグ313を介して引き出し配線311の端子部311aに接続する。渦巻き型配線314の外周端部には外部端子314bが設けられる。外部端子314bはグラウンドに接続される。
【0073】
下側絶縁層102は、n型シリコン層(導電体層)103を、p型シリコン基板101に対して電気的に絶縁する。下側絶縁層102は第1の絶縁層を構成する。上側絶縁層104と下側絶縁層102と表面側絶縁層312とは、第1、第2の配線105,106を、n型シリコン層(導電体層)103とp型シリコン基板101とに対して電気的に絶縁する。上側絶縁層104と下側絶縁層102とは第2の絶縁層を構成する。
【0074】
第2の実施形態の高周波半導体装置においては、図1と同様、接地されていない第1、第2の配線105,106からn型シリコン層103に漏洩する逆相信号は仮想グラウンドに流れる。一方、n型シリコン層103がインダクタを構成する渦巻き型配線314によりグラウンドから分離されているため、第1、第2の配線105,106から漏洩する同相信号は、p型シリコン基板101に流れ、p型シリコン基板101の抵抗成分で減衰される。
【0075】
第2の実施形態の高周波半導体装置は、第1の実施形態において得られる効果に加えて、さらにn型シリコン層103に電荷が溜まらず、n型シリコン層103の直流電位がグラウンドの電位に固定されるという効果を発揮する。
【0076】
第2の実施形態によれば、n型シリコン層103が、インダクタを構成する渦巻き型配線314を介してグラウンドに接続されているために、n型シリコン層103の直流電位がグラウンドの電位に固定される。
【0077】
n型シリコン層103と第1、第2の配線105,106とは、その形成位置が上下逆であってもよい。n型シリコン層103は、第1、第2の配線105,106の近傍に配置すれば(図示せず)、前述したのと同様の効果が得られる。これは、第1、第2の配線105,106に流れる高周波信号の電界がn型シリコン層103に集中することにより、p型シリコン基板101への漏洩が減少するためである。
【0078】
第2の実施形態においては、2相の配線が用いられているが、3相あるいは4相の配線が用いられても実施可能である。3相の配線が用いられる場合は120ーずつ位相がズレた信号を流し、4相の配線が用いられる場合は90ーずつ位相がズレた信号を流すことにより、前述したのと同様の効果が得られる。
【0079】
第2の実施形態においては、2本の配線が用いられたが、3本以上の複数の配線に交互に同相信号と逆相信号が流されてもよい。4相の配線が用いられる場合、または、2相の配線が2組用いられる場合は、図7に示される構成が採られる。AlあるいはCu等の金属膜よりなる渦巻き型配線314の一端は、n型シリコン層103に接続される。これによって、渦巻き型配線314のもう一端が接地されてもよい(図示せず)。n型シリコン層103は、第1の配線105、第2の配線106の近傍に配置されると前述したのと同様の効果が得られる。
【0080】
なお、第2の実施形態においては、先に説明した図5に示される構成が採られてもよい。すなわち、AlあるいはCu等の金属膜よりなる渦巻き型配線314の一端が第1、第2のn型シリコン層1811,1812と接続され、渦巻き型配線314のもう一端が接地されてもよい(図示せず)。第1、第2のn型シリコン層1811,1812は、第1、第2の配線105,106の近傍に配置すれば、前述したのと同様の効果が得られる。
【0081】
第2の実施形態においては、複数の配線に対し、逆相信号、同相信号、あるいは均等に異なる位相の信号が流される。しかしながら、第2の実施形態では、前記以外の位相ズレの信号が流されても同様の効果が得られる。本発明では、位相のズレた信号は、大きな同相信号と小さな逆相信号との組み合わせ、あるいは小さな同相信号と大きな逆相信号との組み合わせであると考えられる。そのため、同相成分はp型シリコン基板101の抵抗成分で減衰される。一方、逆相成分はp型シリコン基板101の抵抗成分による損失が低減される。
【0082】
n型シリコン層103の代わりに不純物濃度の濃いp型シリコンまたはAlまたはCu等の金属膜よりなる配線が用いられてもよい。
【0083】
第1の絶縁層102がない構成でも同様に実施可能である。この場合、n型シリコン層103とp型シリコン基板101とのPN接合に生じる空乏層が第1の絶縁層102と同様の効果を発揮する。
【0084】
インダクタを構成する渦巻き型配線314にMIMキャパシタまたはMOSキャパシタが並列に接続されてもよい。このとき、インダクタとキャパシタの共振周波数は第1の配線105および第2の配線106を流れる信号と同じ周波数帯であることが望ましい。
【0085】
インダクタを構成する渦巻き型配線314の代わりに不純物が注入されたポリシリコン等からなる抵抗が用いられてもよい。この構成が採られることにより、同相信号が抵抗においても減衰される。
【0086】
インダクタを構成する渦巻き型配線314の代わりに金属配線等からなる信号の波長の4分の1の奇数倍の線路長を有する分布定数線路が用いられてもよい。
【0087】
インダクタを構成する渦巻き型配線314の代わりにチップサイズパッケージ(CSP)の再配線層で構成したインダクタが用いられてもよい。インダクタを構成する渦巻き型配線314の代わりに積層基板に内蔵したインダクタが用いられてもよい。
【0088】
(第3の実施形態)
図8Aおよび図8Bを参照して第3の実施形態に従う高周波半導体装置の構成例が説明される。導電性のシリコン基板101の表面は、下側絶縁層102で被覆される。下側絶縁層102の表面にn型シリコン層103が形成される。n型シリコン層103の表面は、上側絶縁層104で被覆される。上側絶縁層104の表面にAlまたはCu等の金属膜よりなる引き出し配線421が形成される。引き出し配線421の表面は、端子部421a,421bが残されて表面側絶縁層312で被覆される。端子部421a,421b上にタングステン等よりなるプラグ422,423がそれぞれ埋め込まれる。そののち、表面側絶縁層312の上面に第1、第2の配線105,106とインダクタを構成するAl、あるいはCu等の金属膜よりなる渦巻き型配線424,425が形成される。配線424,425の上面に保護層107が形成される。p型シリコン基板101はグラウンド(図示せず)に接続される。n型シリコン層103、第1、第2の配線105,106は図8の対称面に対して面対称に形成される。
【0089】
渦巻き型配線424,425の内周端には内部端子424a,425bが設けられる。内部端子424a,425bはプラグ422,423を介して引き出し配線421の端子部421a,421bに接続される。
【0090】
渦巻き型配線424,425の外周端部には外部端子424b,425bが設けられる。外部端子424b,425bは第1の配線105、第2の配線106にそれぞれ接続される。
【0091】
この場合、下側絶縁層102は、n型シリコン層(導電体層)103を、p型シリコン基板101に対して電気的に絶縁する。下側絶縁層102は第1の絶縁層を構成する。下側絶縁層102と上側絶縁層104とは、第1、第2の配線105,106を、n型シリコン層(導電体層)103とp型シリコン基板101とに対して電気的に絶縁する。上側絶縁層104と下側絶縁層102とは第2の絶縁層を構成する。
【0092】
第3の実施形態の高周波半導体装置においては、図1と同様に、接地されていない第1、第2の配線105,106からn型シリコン層103に漏洩する逆相信号は仮想グラウンドに流れる。一方、同相信号はp型シリコン基板101の抵抗成分により減衰される。
【0093】
第3の実施形態の高周波半導体装置は、第1の実施形態において得られる効果に加えて、さらに表面側絶縁層312に生じる浮遊容量成分を渦巻き型配線424,425の誘導成分で相殺できる。そのため、第1、第2の配線105,106を流れる逆相信号の位相遅れを改善できる。
【0094】
第3の実施形態によれば、第1の配線105と第2の配線106とがインダクタを構成する渦巻き型配線424,425を介して接続される構成とすることにより、第1、第2の配線105,106を流れる逆相信号の位相遅れを改善できる。
【0095】
n型シリコン層103と第1、第2の配線105,106とは、その形成位置が上下逆であってもよい。n型シリコン層103は、第1、第2の配線105,106の近傍に配置すれば(図示せず)、前述と同様の効果が得られる。これは、第1の配線105、第2の配線106に流れる高周波信号の電界が導電体層103に集中することにより、p型シリコン基板101への漏洩が減少するためである。
【0096】
第3の実施形態においては、2相の配線が用いられたが、3相あるいは4相の配線が用いられても実施可能である。3相の配線が用いられる場合は120ーずつズレた信号を流し、4相の配線が用いられる場合は90ーずつズレた信号を流すことにより、同様の効果が得られる。2本の配線が用いられたが、3本以上の複数の配線に交互に同相信号と逆相信号が流されてもよい。
【0097】
4相の配線が用いられる場合、または、2相の配線が2組用いられる場合は、図4に示される構成が採られる。この場合、第1の配線1411、第2の配線1412、第3の配線1413、および第4の配線1414に対応してそれぞれ渦巻き型配線が設けられる。そして、各渦巻き型配線の一端が、対応する第1〜第4の配線1412〜1414に接続される。なお、各渦巻き型配線のもう一端は互いに接続されてもよい(図示せず)。n型シリコン層103は、第1の配線1411、第2の配線1412、第3の配線1413、および第4の配線1414の近傍に配置すれば、前述と同様の効果が得られる。
【0098】
なお、第3の実施形態においては、先に説明した図5に示される構成が採られてもよい。すなわち、渦巻き型配線424,425の一端が第1、第2のn型シリコン層1811,1812と接続され、渦巻き型配線424,425のもう一端が接地されてもよい(図示せず)。この場合、第1の導電体層1811および第2の導電体層1812は、第1、第2の配線105,106の近傍に配置されれば、前述したのと同様の効果が得られる。
【0099】
第3の実施形態においては、複数の配線に対し、逆相信号、同相信号、あるいは均等に異なる位相の信号が流される。しかしながら、第3の実施形態では、前記以外の位相ズレの信号が流されても同様の効果が得られる。本発明では、位相のズレた信号は、大きな同相信号と小さな逆相信号との組み合わせ、あるい小さな同相信号と大きな逆相信号との組み合わせであると考えられる。そのため、同相成分はp型シリコン基板101の抵抗成分で減衰される。一方、逆相成分はp型シリコン基板101の抵抗成分による損失が低減される。
【0100】
n型シリコン層103の代わりに不純物濃度の濃いp型シリコンまたはAlまたはCu等の金属膜よりなる配線が用いられてもよい。
【0101】
第1の絶縁層102がない構成でも同様に実施可能である。この場合、n型シリコン層103とp型シリコン基板101とのPN接合に生じる空乏層が第1の絶縁層102と同様の効果を発揮する。
【0102】
(第4の実施形態)
図9を参照して本発明の第4の実施形態に従う高周波半導体回路の構成例が説明される。501,502は第1〜第3の実施形態による高周波半導体装置を示す。503,504,505はFET、506,507はAl、あるいはCu等の金属膜よりなる渦巻き型配線等で構成されたインダクタを示す。FET503,504,505により、両高周波半導体装置501,502間を電気的に隔離する制御を実施するスイッチ回路部508の一例が構成される。入力ノードP1+、P1-は高周波半導体装置501の第1、第2の配線入力にそれぞれ接続される。高周波半導体装置501の第1、第2の配線出力はFET503,504のドレインにそれぞれ接続される。FET503,504のソースは高周波半導体装置502の第1、第2の配線入力にそれぞれ接続される。高周波半導体装置502の第1、第2の配線出力は出力ノードP2+、P2-にそれぞれ接続される。FET503のソースはFET505のドレインに接続される。FET504のソースはFET505のソースに接続される。制御電圧Vctl+はFET503,504のゲートに供給される。制御電圧Vctl-はFET505のゲートに供給される。高周波半導体装置501のn型シリコン層(図示せず)はインダクタ506を介して接地される。高周波半導体装置502のn型シリコン層(図示せず)はインダクタ507を介して接地される。
【0103】
第4の実施形態の高周波半導体回路の動作が説明される。
【0104】
制御電圧Vctl+、Vctl-が適切に設定されることによってFET503,504がオンにされ、FET505がオフにされる。すると、入力ノードP1+、P1-に入力された逆相信号は出力ノードP2+、P2-からほとんど減衰されずに出力される。一方、制御電圧Vctl+、Vctl-が適切に設定されることによってFET503,504がオフにされ、FET505がオンにされる。すると、入力ノードP1+、P1-に入力された逆相信号は出力ノードP2+、P2-から大きく減衰されて出力される。このように、第4の実施形態による高周波半導体回路は差動スイッチ回路として動作する。
【0105】
第4の実施形態の高周波半導体回路は、従来の高周波半導体装置に比べて、FET503,504がオンに、FET505がオフにされるとき、入力ノードP1+、p1-に入力された逆相信号がシリコン基板に漏洩することが低減される。また、差動スイッチ回路がオンにされるときの挿入損失が低減される。
【0106】
第4の実施形態の高周波半導体回路は、高周波半導体装置501,502のn型シリコン層に電荷が溜まらず、高周波半導体装置501,502のn型シリコン層の直流電位がグラウンドの電位に固定される。
【0107】
第4の実施形態の高周波半導体回路は、差動スイッチ回路がオフのときのアイソレーションが改善される。それは次のような理由によっている。すなわち、第4の実施形態の高周波半導体回路は、FET503,504がオフにされ、FET505がオンにされるとき、入力ノードP1+、P1-に入力された逆相信号および同相信号が高周波半導体装置501のn型シリコン層や高周波半導体装置502のn型シリコン層を介して出力ノードP2+、P2-に漏洩する可能性がある。しかしながら、このような信号の漏洩は、インダクタ506,507およびグラウンドによって低減される。これにより上述したアイソレーションが低減される。
【0108】
第4の実施形態では、差動スイッチ回路の入出力部に第1〜第3の実施形態の高周波半導体装置を用いている。そのため、その高周波半導体装置のn型シリコン層がインダクタを介して差動スイッチ回路の入出力に接続されることにより、差動スイッチ回路がオンしたときの挿入損失が低減されて抑制される。さらには、差動スイッチ回路がオフしたときのアイソレーションが改善される。
【0109】
インダクタ506,507を除去して、第1〜第3の実施形態による高周波半導体装置501,502のn型シリコン層がそれぞれシリコン酸化膜などからなる絶縁体で覆われてもよい。
【0110】
インダクタ506,507にMIMキャパシタまたはMOSキャパシタが並列に接続されてもよい。このとき、インダクタとキャパシタの共振周波数は第1の配線および第2の配線を流れる信号と同じ周波数帯であることが望ましい。インダクタ506,507の代わりに不純物を注入したポリシリコン等からなる抵抗が用いられてもよい。インダクタ506,507の代わりに金属配線等からなる信号の波長の4分の1の奇数倍の線路長を有する分布定数線路が用いられてもよい。インダクタ506,507の代わりにチップサイズパッケージ(CSP)の再配線層で構成したインダクタが用いられてもよい。インダクタ506,507の代わりに積層基板に内蔵されたインダクタが用いられてもよい。
【0111】
(第5の実施形態)
図10を参照して、本発明の第5の実施形態に従う高周波半導体回路の構成例が説明される。601,602は本発明の第1〜第3の実施形態による高周波半導体装置、603,604はバイポーラトランジスタであり、605,606は抵抗、607,608,609,610,611はAl、あるいはCu等の金属膜よりなる渦巻き型配線等で構成されたインダクタを示す。バイポーラトランジスタ603,604、抵抗605,606およびインダクタ607,608,609,610,611により、高周波半導体装置601が出力する信号を増幅する。そして、増幅した信号は高周波半導体装置602に出力する。これにより、第5の実施形態の高周波半導体回路は、信号を増幅する増幅回路部612として機能する。
【0112】
入力ノードP1+、P1-は高周波半導体装置601の第1、第2の配線入力にそれぞれ接続される。高周波半導体装置601の第1、第2配線出力はバイポーラトランジスタ603,604のベースにそれぞれ入力される。バイポーラトランジスタ603,604のコレクタは高周波半導体装置602の第1、第2の配線入力にそれぞれ接続される。高周波半導体装置602の第1、第2の配線出力は出力ノードP2+、P2-にそれぞれ接続される。バイポーラトランジスタ603,604のエミッタはインダクタ609を介して接地される。バイアス電圧Vbbは抵抗605,606を介してバイポーラトランジスタ603,604のベースに供給される。電源電圧Vccはインダクタ607,608を介してバイポーラトランジスタ603,604のコレクタに供給される。高周波半導体装置601のn型シリコン層はインダクタ610を介して接地される。高周波半導体装置602のn型シリコン層はインダクタ611を介して接地される。
【0113】
第5の実施形態の高周波半導体回路の動作が説明される。
【0114】
入力ノードP1+、P1-に入力された逆相信号は、バイポーラトランジスタ603,604で増幅されて出力ノードP2+、P2-に出力される。一方、入力ノードP1+、P1-に入力された同相信号は、インダクタ609を適切なインダクタンス値に設定することにより、バイポーラトランジスタ603,604で減衰されて出力ノードP2+、P2-に出力される。これにより第5の実施形態の高周波半導体回路は差動増幅回路として動作する。
【0115】
第5の実施形態の高周波半導体回路は、従来の高周波半導体回路に比べて、入力ノードP1+、P1-に入力された差動信号がバイポーラトランジスタ603,604のベースの配線からシリコン基板に漏洩することによる損失が低減される。これにより、差動増幅回路の雑音特性が改善される。
【0116】
第5の実施形態の高周波半導体回路は、従来の高周波半導体回路に比べて、バイポーラトランジスタ603,604のコレクタから出力される差動信号がバイポーラトランジスタ603,604のコレクタの配線からシリコン基板に漏洩することに起因する損失が低減される。これにより、差動増幅回路の出力電力損失が低減される。
【0117】
第5の実施形態の高周波半導体回路は、高周波半導体装置601,602のn型シリコン層に電荷が溜まらず、高周波半導体装置601,602のn型シリコン層の直流電位がグラウンドの電位に固定される。
【0118】
第5の実施形態の高周波半導体回路は、バイポーラトランジスタ603,604のコレクタから出力される差動信号が高周波半導体装置602のn型シリコン層や高周波半導体装置601のn型シリコン層を介してバイポーラトランジスタ603,604のベースに漏洩する可能性がある。しかしながら、このような信号の漏洩は、インダクタ610,611およびグラウンドにより低減される。これにより差動増幅回路の安定性が改善される。
【0119】
第5の実施形態によれば、差動増幅装置の入出力部に第1〜第3の実施形態の高周波半導体装置を用いている。そのため、その高周波半導体装置のn型シリコン層がインダクタを介して差動増幅回路の入出力に接続されることにより、差動増幅回路の雑音特性が改善される。これにより、差動増幅装置の出力電力損失が低減され、その安定性が改善される。
【0120】
インダクタ610,611が除去されたうえで、第1〜第3の実施形態による高周波半導体装置601,602のn型シリコン層が、それぞれシリコン酸化膜などからなる絶縁体で覆われてもよい。
【0121】
インダクタ610,611にMIMキャパシタまたはMOSキャパシタが並列に接続されてもよい。このとき、インダクタとキャパシタの共振周波数は第1の配線および第2の配線を流れる信号と同じ周波数帯であることが望ましい。
【0122】
インダクタ610,611の代わりに不純物を注入したポリシリコン等からなる抵抗が用いられてもよい。インダクタ610,611の代わりに金属配線等からなる信号の波長の4分の1の奇数倍の線路長を有する分布定数線路が用いられてもよい。インダクタ610,611の代わりにチップサイズパッケージ(CSP)の再配線層で構成したインダクタが用いられてもよい。インダクタ610,611の代わりに積層基板に内蔵されたインダクタが用いられてもよい。
【0123】
(第6の実施形態)
図11を参照して本発明の第6の実施形態に従う高周波半導体回路の構成例が説明される。701,702,703は、第1〜第3の実施形態による高周波半導体装置、704,705,706,707,708,709はバイポーラトランジスタ、710,711,712,713は抵抗、714,715,716,717,718,719はAl、あるいはCu等の金属膜よりなる渦巻き型配線等で構成されたインダクタを示す。上記回路要素により、周波数変換回路部720の一例が構成される。
【0124】
入力ノードP1+、P1-は高周波半導体装置701の第1、第2の配線入力にそれぞれ接続される。高周波半導体装置701の第1、第2の配線出力はバイポーラトランジスタ704,705のベースにそれぞれ入力される。バイポーラトランジスタ704のコレクタはバイポーラトランジスタ706,708のエミッタに接続される。バイポーラトランジスタ705のコレクタはバイポーラトランジスタ707,709のエミッタに接続される。バイポーラトランジスタ706,707のコレクタは高周波半導体装置703の第1の配線入力に接続される。バイポーラトランジスタ708,709のコレクタは高周波半導体装置703の第2の配線入力に接続される。高周波半導体装置703の第1、第2の配線出力は出力ノードP3+、P3-にそれぞれ接続される。入力ノードP2+、P2-は高周波半導体装置702の第1、第2の配線入力にそれぞれ接続される。高周波半導体装置702の第1の配線出力はバイポーラトランジスタ706,709のベースに入力される。高周波半導体装置702の第2の配線出力はバイポーラトランジスタ707,708のベースに入力される。バイポーラトランジスタ704,705のエミッタはインダクタ716を介して接地される。バイアス電圧Vbb1は抵抗710,711を介してバイポーラトランジスタ704,705のベースに供給される。バイアス電圧Vbb2は、抵抗712を介してバイポーラトランジスタ706,709のベースに供給される。バイアス電圧Vbb2は、抵抗713を介してバイポーラトランジスタ707,708のベースに供給される。電源電圧Vccはインダクタ714を介してバイポーラトランジスタ706,707のコレクタに供給される。電源電圧Vccは、インダクタ715を介してバイポーラトランジスタ708,709のコレクタに供給される。高周波半導体装置701のn型シリコン層はインダクタ717を介して接地される。高周波半導体装置702のn型シリコン層はインダクタ718を介して接地される。高周波半導体装置703のn型シリコン層はインダクタ719を介して接地される。
【0125】
第6の実施形態の高周波半導体回路の動作が説明される。
【0126】
入力ノードP1+、P1-に入力された逆相信号1は、バイポーラトランジスタ704,705で増幅されたのち、バイポーラトランジスタ706〜709に入力される。一方、入力ノードP2+、P2-に入力された逆相信号2は、バイポーラトランジスタ706ないし709に入力される。バイポーラトランジスタ706〜709では、逆相信号1の周波数と逆相信号2の周波数との和または差の周波数の逆相信号が強調されて出力ノードP3+、P3-から出力される。入力ノードP1+、P1-に入力される同相信号は、インダクタ716を適切なインダクタンス値とすることにより、バイポーラトランジスタ704,705で減衰される。減衰された同相信号はバイポーラトランジスタ706〜709に入力される。これにより、第6の実施形態の高周波半導体回路は差動周波数変換回路として動作する。
【0127】
第6の実施形態の高周波半導体回路は、従来の高周波半導体回路に比べて、入力ノードP1+、P1-に入力される差動信号がバイポーラトランジスタ704,705のベース配線からシリコン基板に漏洩しくにくくなる。そのため、損失が低減される。これによって差動周波数変換回路の雑音特性が改善される。
【0128】
第6の実施形態の高周波半導体回路は、従来の高周波半導体回路に比べて、入力ノードP2+、P2-に入力された逆相信号がバイポーラトランジスタ706〜709のベース配線からシリコン基板に漏洩しにくくなる。そのため、損失が低減される。これによって差動周波数変換回路の雑音特性が改善される。
【0129】
第6の実施形態の高周波半導体回路は、従来の高周波半導体回路に比べて、バイポーラトランジスタ706〜709のコレクタから出力される差動信号がバイポーラトランジスタ706ないし709のコレクタの配線およびボンディングパッドからシリコン基板に漏洩しにくくなる。そのため、損失が低減される。これによって、差動周波数変換回路の出力電力損失が低減される。
【0130】
第6の実施形態の高周波半導体回路は、高周波半導体装置701,702,703のn型シリコン層に電荷が溜まらず、高周波半導体装置701,702,703のn型シリコン層の直流電位がグラウンドの電位に固定される。
【0131】
第6の実施形態の高周波半導体回路は、高周波半導体装置701,702,703のn型シリコン層が互いにインダクタ717,718,719およびグラウンドを介して接続されることにより、入力ノードP1+、P1-、入力ノードP2+、P2-および出力ノードP3+、P3-のアイソレーションが改善される。
【0132】
第6の実施形態によれば、差動周波数変換回路の入出力部に、第1〜第3の実施形態の高周波半導体装置を用いている。そのため、その高周波半導体装置のn型シリコン層がインダクタを介して互いに接続されることにより、差動周波数変換回路の雑音特性が改善される。これにより、差動周波数変換回路の出力電力損失が低減され、各入出力ノードのアイソレーションが改善される。
【0133】
インダクタ717,718,719が除去されたうえで、第1〜第3の実施形態による高周波半導体装置701,702,703のn型シリコン層が、それぞれシリコン酸化膜などからなる絶縁体で覆われてもよい。
【0134】
インダクタ717,718,719にMIMキャパシタまたはMOSキャパシタが並列に接続されてもよい。このとき、インダクタとキャパシタの共振周波数は第1の配線および第2の配線を流れる信号と同じ周波数帯であることが望ましい。
【0135】
インダクタ717,718,719の代わりに不純物を注入したポリシリコン等からなる抵抗が用いられてもよい。インダクタ717,718,719の代わりに金属配線等からなる信号の波長の4分の1の奇数倍の線路長を有する分布定数線路が用いられてもよい。インダクタ717,718,719の代わりにチップサイズパッケージ(CSP)の再配線層で構成したインダクタが用いられてもよい。インダクタ717,718,719の代わりに積層基板に内蔵したインダクタが用いられてもよい。
【0136】
(第7の実施形態)
図12を参照して本発明の第7の実施形態に従う高周波半導体回路の構成例が説明される。801は本発明の第1〜第3の実施形態による高周波半導体装置、802,803,814,815はバイポーラトランジスタ、804はバラクタダイオード、805,811,812,819,820,821はAl、あるいはCu等の金属膜よりなる渦巻き型配線等で構成されたインダクタ、806,807,808,813,814はキャパシタ、809,810,817,818は抵抗を示す。上記回路要素により、発振回路部820の一例が構成される。
【0137】
バラクタダイオード804およびインダクタ805は並列に接続される。バラクタダイオード804およびインダクタ805の両端はバイポーラトランジスタ802,803のベースにそれぞれ接続される。キャパシタ806はバイポーラトランジスタ802,803のエミッタの間に挿入される。キャパシタ807はバイポーラトランジスタ802のエミッタとベースとの間に挿入される。キャパシタ808はバイポーラトランジスタ803のエミッタとベースとの間に挿入される。バイポーラトランジスタ802のエミッタはキャパシタ813を介してバイポーラトランジスタ815のベースに接続される。バイポーラトランジスタ803のエミッタはキャパシタ814を介してバイポーラトランジスタ816のベースに接続される。バイポーラトランジスタ802,803のコレクタはそれぞれ高周波半導体装置801の第1、第2の配線入力に接続される。高周波半導体装置801の第1、第2の配線出力は出力ノードP+、P-に接続される。バイポーラトランジスタ802,803のコレクタとバイポーラトランジスタ814,815のエミッタとはすべて互いに接続される。バイポーラトランジスタ802,803のエミッタはそれぞれインダクタ811,812を介して接地される。バイアス電圧Vbb1は抵抗809,810を介してバイポーラトランジスタ802,803のベースにそれぞれ接続される。バイアス電圧Vbb2は抵抗817,818を介してバイポーラトランジスタ814,815のベースにそれぞれ接続される。電源電圧Vccはインダクタ819,820を介してバイポーラトランジスタ814,815のコレクタに接続される。高周波半導体装置801のn型シリコン層はインダクタ821を介して接地される。
【0138】
第7の実施形態の高周波半導体回路の動作が説明される。
【0139】
バラクタダイオード804,インダクタ805、キャパシタ806ないし808は共振回路を形成している。バイポーラトランジスタ802,803で増幅されてエミッタに向けて出力された信号の一部はこの共振回路に入力される。この信号の特定の周波数成分だけがバイポーラトランジスタ802,803のベースに正帰還される。
【0140】
第7の実施形態の高周波半導体装置は差動発振回路として動作する。バイポーラトランジスタ802,803のエミッタに出力された信号の一部はさらにバイポーラトランジスタ815,816で増幅される。増幅された信号は出力ノードP1+、P1-に出力される。
【0141】
第7の実施形態の高周波半導体回路は、従来の高周波半導体回路に比べて、差動発振回路から出力された逆相信号が配線からシリコン基板に漏洩しにくくなる。そのため損失が低減される。これにより差動発振回路の雑音特性が改善される。
【0142】
第7の実施形態の高周波半導体回路は、従来の高周波半導体回路に比べて、差動発振回路から出力された同相信号成分が高周波半導体装置801で減衰されやすくなる。これにより、外乱に強い差動発振回路が実現される。
【0143】
第7の実施形態の高周波半導体回路は、差動発振回路としてのバイポーラトランジスタ802,803とバッファ増幅回路としてのバイポーラトランジスタ815,816とが電流を共有する。これにより、低消費電流の発振回路が実現される。
【0144】
第7の実施形態では、差動発振回路の出力部に第1の実施形態〜第3の実施形態の高周波半導体装置を用いている。そのため、その高周波半導体装置のn型シリコン層がインダクタを介して接地されることにより、低雑音で外乱に強い差動発振回路が実現される。
【0145】
(第8の実施形態)
図13を参照して本発明の第8の実施形態に従う高周波半導体回路の構成例が説明される。1501は本発明の第1〜3の実施形態による高周波半導体装置、1502は差動増幅回路、1503は差動周波数変換回路を示す。入力ノードP1+、P1-は第1の差動増幅回路1502の入力に接続される。第1の差動増幅回路1502の出力は高周波半導体装置1501の入力に接続される。高周波半導体装置1501の出力は第2の差動増幅回路1503の入力に接続される。第2の差動増幅回路1503の出力は出力ノードP2+、P2-に接続される。
【0146】
第8の実施形態の高周波半導体回路は、従来の高周波半導体装置に比べて、逆相信号が第1の差動増幅回路1502と第2の差動増幅回路1503との間の配線からシリコン基板に漏洩することによる損失が低減される。
【0147】
第8の実施形態によれば、複数の差動回路を接続する配線に本発明の第1〜3の実施形態による高周波半導体装置が用いられることにより、逆相信号がシリコン基板に漏洩することによる損失が低減される。
【0148】
(第9の実施形態)
図14Aおよび図14Bを参照して第9の実施形態による高周波半導体装置の構成例が説明される。導電性のシリコン基板101の表面は、下側絶縁層102で被覆される。下側絶縁層102の表面に導電体層であるn型シリコン層103が形成される。n型シリコン層103の表面は、上側絶縁層104で被覆される。上側絶縁層104の表面にAlまたはCu等の金属膜よりなる引き出し配線1621,1626が形成される。引き出し配線1621,1626の表面は、端子部1621a,1626aを残して第3の絶縁層312で被覆される。端子部1621a,1626a上にタングステン等よりなるプラグ1622,1623がそれぞれ埋め込まれる。第3の絶縁層312の上面にインダクタを構成するAl、あるいはCu等の金属膜よりなる第1、第2の渦巻き型配線1624,1625が形成される。配線1624,1625の上面に保護層107が形成される。p型シリコン基板101はグラウンド(図示せず)に接続される。n型シリコン層103、第1、第2の渦巻き型配線1624,1625は図14の対称面に対して面対称に形成される。
【0149】
第1、第2の渦巻き型配線1624,1625の内周端に内部端子1624a,1625aが設けられる。内部端子1624a,1625aは、プラグ1622,1623を介して引き出し配線1621の端子部1621a,1626aに接続する。n型シリコン層103には、切り欠き103bが形成される。切り欠き103bの一部は、第1、第2の渦巻き型配線1624,1625の中心から放射状に形成される。また、切り欠き103bの他の一部は、互いに直交する方向に沿って形成される。
【0150】
この場合、下側絶縁層102は、n型シリコン層(導電体層)103を、p型シリコン基板101に対して電気的に絶縁する。下側絶縁層102は第1の絶縁層を構成する。下側絶縁層102と上側絶縁層104とは、第1、第2の渦巻き型配線1624,1625を、n型シリコン層(導電体層)103とp型シリコン基板101とに対して電気的に絶縁する。上側絶縁層104と下側絶縁層102とは第2の絶縁層を構成する。
【0151】
第9の実施形態の高周波半導体装置は、図1と同様に、接地されていない第1、第2の渦巻き型配線1624,1625からn型シリコン層103に漏洩する差動信号は仮想グラウンドに流れる。n型シリコン層103が第3の絶縁層312によりグラウンドと分離されているため、第1の渦巻き型配線1624、および第2の渦巻き型配線1625から漏洩する同相信号は、p型シリコン基板101に流れる。そのため、同相信号はp型シリコン基板101の抵抗成分で減衰される。
【0152】
第9の実施形態の高周波半導体装置の場合、従来の高周波半導体装置に比べて、信号が渦巻き型配線からシリコン基板に漏洩しにくい。そのため、信号の漏洩が減少する分、損失が低減される。
【0153】
n型シリコン層103に放射状の切り欠き103bを形成することにより、n型シリコン層103における渦電流損が低減される。
【0154】
差動のオンチップインダクタの下層にn型シリコン層103に放射状の切り欠き103bが形成されることにより、シリコン基板への信号漏洩による損失およびn型シリコン層における渦電流による損失が低減される。このように、第9の実施形態では、損失の小さい差動オンチップインダクタが実現される。
【0155】
導電体層103と、第1、第2の渦巻き型配線1624,1625とは、その形成位置が上下逆であってもよい。n型シリコン層103は、第1、第2の渦巻き型配線1624,1625の近傍に配置されれば、前述と同様の効果が発揮される。これは、両渦巻き型配線1624,1625に流れる高周波信号の電界がn型シリコン層103に集中することにより、p型シリコン基板101への漏洩が減少するためである。
【0156】
図6に示される構成がとられてもよい。第1、第2の導電体層1811,1812は、第1、第2の渦巻き型配線1624,1625の近傍に配置すれば、前述と同様の効果が得られる。
【0157】
第9の実施形態においては、3相あるいは4相の渦巻き型配線が用いられてもよい。3相の渦巻き型配線が用いられる場合は120ーずつズレた信号を流し、4相の渦巻き型配線が用いられる場合は90ーずつズレた信号を流すことにより、同様の効果が得られる。
【0158】
第9の実施形態の場合、3本以上の複数の渦巻き型配線に交互に同相信号と逆相信号が流されてもよい。第9の実施形態では、複数の配線に対し、逆相信号、同相信号、あるいは均等に異なる位相の信号が流されるのが好ましい。しかしながら、前記以外の位相ズレの信号が流されても同様の効果が得られる。本発明の構成では、位相のズレた信号は、大きな同相信号と小さな逆相信号との組み合わせ、あるいは小さな同相信号と大きな逆相信号との組み合わせであると考えられる。そのため、第9の実施形態の構成では、同相成分はp型シリコン基板101の抵抗成分で減衰される。また、逆相成分がp型シリコン基板101の抵抗成分で損失するのは低減される。
【0159】
n型シリコン層103の代わりに不純物濃度の濃いp型シリコンまたはAlまたはCu等の金属膜よりなる配線が用いられてもよい。
【0160】
下側絶縁層102がない構成でも同様に実施可能である。この場合、n型シリコン層103とp型シリコン基板101のPN接合に生じる空乏層が下側絶縁層102と同様の機能を発揮する。
【0161】
n型シリコン層103はAlまたはCu等の金属膜よりなる渦巻き型配線等のインダクタを介して接地されてもよい。インダクタにMIMキャパシタまたはMOSキャパシタが並列に接続されてもよい。このとき、インダクタとキャパシタの共振周波数は第1の配線および第2の配線を流れる信号と同じ周波数帯であることが望ましい。
【0162】
n型シリコン層103は不純物を注入したポリシリコン等からなる抵抗を介して接地されてもよい。n型シリコン層103は金属配線等からなる信号の波長の4分の1の奇数倍の線路長を有する分布定数線路を介して接地されてもよい。インダクタ821の代わりにチップサイズパッケージ(CSP)の再配線層で構成したインダクタが用いられてもよい。インダクタ821の代わりに積層基板に内蔵したインダクタが用いられてもよい。
【0163】
(第10の実施形態)
図15Aおよび図15Bを参照して本発明の第10の実施形態に従う高周波半導体装置の構成例が説明される。導電性のシリコン基板101の表面は、下側絶縁層102で被覆される。下側絶縁層102の表面に導電体層であるn型シリコン層103が形成される。n型シリコン層103の表面は、上側絶縁層104で被覆される。上側絶縁層104の表面にAlまたはCu等の金属膜よりなる下部極板1741,1742が形成される。下部極板1741,1742の上部にSiO2またはSiN等からなる誘電体層1743,1744が形成される。誘電体層1743,1744の上部にAlまたはCu等の金属膜よりなる上部極板1745,1746が形成される。上部極板1745,1746の表面は、端子部1745a,1746aを残して、表面側絶縁層312で被覆される。端子部1745a,1746a上にタングステン等よりなるプラグ1747,1748がそれぞれ埋め込まれる。表面側絶縁層312の上面にAl、あるいはCu等の金属膜よりなる配線1749,1750が形成される。配線1749,1750の上面に保護層107が形成される。p型シリコン基板101はグラウンド(図示せず)に接続される。n型シリコン層103、下部極板1741,1742、誘電体1743,1744、上部極板1745,1746は図15の対称面に対して面対称に形成される。
【0164】
この場合、下側絶縁層102は第1の絶縁層を構成する。上側絶縁層104は第2の絶縁層を構成する。下部極版1741,1742は第1の配線を構成する。上部極版1745,1746は第2の配線を構成する。
【0165】
第10の実施形態の高周波半導体装置は、図1と同様に、接地されていない下部極板1741,1742からn型シリコン層103に漏洩する逆相信号は仮想グラウンドに流れる。n型シリコン層103が第3の絶縁層312によりグラウンドと分離されているため、下部極板1741,1742から漏洩する同相信号は、p型シリコン基板101に流れ、p型シリコン基板101の抵抗成分で減衰される。
【0166】
第10の実施形態の高周波半導体装置の場合、従来の高周波半導体装置に比べて、オンチップキャパシタの下部電極からシリコン基板に漏洩することによる損失が低減される。
【0167】
第10の実施形態では、差動のオンチップキャパシタの下層にn型シリコン層103が形成されていることにより、p型シリコン基板103への漏洩による損失が低減された差動オンチップキャパシタが実現される。
【0168】
第10の実施形態では、3相あるいは4相の平行平板電極が用いられてもよい。3相の平行平板電極が用いられる場合は120ーずつズレた信号を流し、4相の平行平板電極が用いられる場合は90ーずつズレた信号を流すことにより、同様の効果が得られる。
【0169】
第10の実施形態の場合、3本以上の複数の平行平板電極に交互に同相信号と逆相信号が流されてもよい。
【0170】
第10の実施形態では、複数の平行平板電極に対し、逆相信号、同相信号、あるいは均等に異なる位相の信号が流されるのが好ましい。しかしながら、前記以外の位相ズレの信号が流されても同様の効果が得られる。本発明の構成では、位相のズレた信号は、大きな同相信号と小さな逆相信号との組み合わせ、あるいは小さな同相信号と大きな逆相信号との組み合わせであると考えられ。そのため、第10の実施形態の構成では、同相成分はp型シリコン基板101の抵抗成分で減衰される。また、逆相成分がp型シリコン基板101の抵抗成分で損失するのは低減される。
【0171】
n型シリコン層103の代わりに不純物濃度の濃いp型シリコンまたはAlまたはCu等の金属膜よりなる配線が用いられてもよい。
【0172】
下側絶縁層102がない構成でも同様に実施可能である。この場合、n型シリコン層103とp型シリコン基板101のPN接合に生じる空乏層が第1の絶縁層102と同様の機能を発揮する。
【0173】
n型シリコン層103はAlまたはCu等の金属膜よりなる渦巻き型配線等のインダクタを介して接地されてもよい。インダクタにMIMキャパシタまたはMOSキャパシタが並列に接続されてもよい。このとき、インダクタとキャパシタの共振周波数は第1の配線および第2の配線を流れる信号と同じ周波数帯であることが望ましい。
【0174】
n型シリコン層103は不純物を注入したポリシリコン等からなる抵抗を介して接地されてもよい。n型シリコン層103は金属配線等からなる信号の波長の4分の1の奇数倍の線路長を有する分布定数線路を介して接地されてもよい。インダクタ821の代わりにチップサイズパッケージ(CSP)の再配線層で構成したインダクタが用いられてもよい。インダクタ821の代わりに積層基板に内蔵したインダクタが用いられてもよい。
【0175】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の高周波半導体装置によれば、配線の近傍に導電体層を形成することにより、配線に流れる差動信号が半導体基板の抵抗成分によって損失するのを低減させることができるとともに、配線に流れる同相信号を半導体基板において減衰させることができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1Aは、本発明の第1の好ましい実施形態に従う高周波半導体装置の第1の構成例の平面図であり、図1Bは、図1AのA−A’線に沿う断面図である。
【図2】 図2Aは、本発明の第1の実施形態の高周波半導体装置の第2の構成例の平面図であり、図2Bは、図2AのA−A’線に沿う断面図である。
【図3】 本発明の第1の実施形態の高周波半導体装置の第3の構成例の断面図である。
【図4】 本発明の第1の実施形態の高周波半導体装置の第4の構成例の断面図である。
【図5】 本発明の第1の実施形態の高周波半導体装置の第5の構成例の断面図である。
【図6】 図6Aは、本発明の第1の実施形態の高周波半導体装置の第6の構成例の平面図であり、図6Bは、図6AのA−A’線に沿う断面図である。
【図7】 図7Aは、本発明の第2の好ましい実施形態に従う高周波半導体装置の構成例の平面図であり、図7Bは、図7AのA−A’線に沿う断面図である。
【図8】 図8Aは、本発明の第3の好ましい実施形態に従う高周波半導体装置の構成例の平面図であり、図8Bは、図8AのA−A’線に沿う断面図である。
【図9】 本発明の第4の好ましい実施形態に従う高周波半導体回路図である。
【図10】 本発明の第5の好ましい実施形態に従う高周波半導体回路図である。
【図11】 本発明の第6の好ましい実施形態に従う高周波半導体回路図である。
【図12】 本発明の第7の好ましい実施形態に従う高周波半導体回路図である。
【図13】 本発明の第8の好ましい実施形態に従う高周波半導体回路図である。
【図14】 図14Aは、本発明の第9の好ましい実施形態に従う高周波半導体装置の構成例の平面図であり、図14Bは、図14AのA−A’線に沿う断面図である。
【図15】 図15Aは、本発明の第10の好ましいの実施形態に従う高周波半導体装置の構成例を説明する平面図であり、図15Bは、図15AのA−A’線に沿う断面図である。
【図16】 図16Aは、従来の高周波半導体装置の構成例の平面図であり、図16Bは、図16AのA−A’線に沿う断面図である。
【図17】 図17Aは、他の従来の高周波半導体装置の構成例の平面図であり、図17Bは、図17AのA−A’線に沿う断面図である。
【図18】 図17の高周波半導体装置における課題を示す断面図である。
【符号の説明】
101 p型シリコン基板 102 下側絶縁層
103 n型シリコン層 104 上側絶縁層
105 第1の配線 106 第2の配線
107 保護層 211 212 ボンディングパッド
311 引き出し配線 312 第3の絶縁層
313 プラグ 314 424 425 渦巻き型配線
421 引き出し配線 422 423 プラグ
503 504 505 FET
603 604 704 705 706 707 708 709 802 803 815 816 バイポーラトランジスタ
605 606 710 711 712 713 809 810 817 818 抵抗
506 507 607 608 609 610 611 714 715 716 717 718 719 805 811 812 819 820 806 807 808 813 814 キャパシタ
804 バラクタダイオード 821 インダクタ
1408 表面側絶縁層 1411 第1の配線
1412 第2の配線 1413 第3の配線
1414 第4の配線 1808 表面側絶縁層
1811 第1のn型シリコン層 1812 第2のn型シリコン層

Claims (14)

  1. 半導体基板と、前記半導体基板上に設けられた導電体層と、前記導電体層を、前記半導体基板に対して電気的に絶縁する第1の絶縁層と、前記半導体基板上に設けられてN相(ただしNは2以上の正の整数)の信号が供給されるN本の配線と、前記配線を、前記導電体層と前記半導体基板とに対して電気的に絶縁する第2の絶縁層と、前記導電体層と接地との間に前記導電体層と前記接地との間に流れる高周波成分を分離する高周波信号分離部と、が備えられ、前記導電体層の一方面側にN1本(ただし、N1はN以下の0または正の整数)の前記配線が設けられ、前記導電体層の他方面側にN2本(ただし、N2は、N1+N2=Nとなる0または正の整数)の前記配線が設けられている、ことを特徴とする高周波半導体装置。
  2. 前記配線は、前記半導体基板上で前記導電体層に対向して設けられた渦巻き型配線であり、前記渦巻き型配線に対向する前記導電体層の部位には切り欠きが設けられており、この切り欠きは、前記渦巻き型配線に対向する部位を中心にして放射線状に設けられていることを特徴とする請求項1記載の高周波半導体装置。
  3. 前記配線は、前記導電体層に対向して設けられた第1の配線と、前記第1の配線上に設けられた誘電体層と、前記誘電体層上で前記第1の配線に対向して設けられた第2の配線とで構成されることを特徴とする請求項1記載の高周波半導体装置。
  4. 前記高周波信号分離部は絶縁体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高周波半導体装置。
  5. 前記高周波信号分離部は抵抗体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高周波半導体装置。
  6. 前記高周波信号分離部はインダクタであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高周波半導体装置。
  7. 前記高周波信号分離部は、インダクタとキャパシタとが並列に接続された構成であり、この高周波信号分離部の共振周波数は前記配線に供給される信号の周波数帯であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高周波半導体装置。
  8. 前記高周波信号分離部は、前記配線に供給される信号の波長の4分の1の奇数倍の線路長を有する分布定数線路であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高周波半導体装置。
  9. 前記配線どうしの間にインダクタが接続されていることを特徴とする請求項1記載の高周波半導体装置。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載の高周波半導体装置を複数備え、各高周波半導体装置の前記導電体層どうしが、前記導電体層と前記接地との間に流れる高周波成分を分離する前記高周波信号分離部を介して接続されていることを特徴とする高周波半導体回路。
  11. 請求項1〜9のいずれかに記載の高周波半導体装置の少なくとも2つと、スイッチ回路部とを備え、前記少なくとも2つの高周波半導体装置は、前記スイッチ回路部を介して接続されており、前記スイッチ回路部は、制御電圧に基づいて前記少なくとも2つの高周波半導体装置間を電気的に隔離する制御を行う回路部であることを特徴とする高周波半導体回路。
  12. 請求項1〜9のいずれかに記載の高周波半導体装置の少なくとも2つと、増幅回路部とを備え、前記少なくとも2つの高周波半導体装置は前記増幅回路部を介して接続されており、前記増幅回路部は、前記少なくとも2つの高周波半導体装置の内の入力ノードに接続された高周波半導体装置から入力される信号を増幅して、前記少なくとも2つの高周波半導体装置の内の出力ノードに接続された高周波半導体装置に出力する回路部であることを特徴とする高周波半導体回路。
  13. 請求項1〜9のいずれかに記載の高周波半導体装置の少なくとも3つと、周波数変換回路部とを備え、前記高周波半導体装置は前記周波数変換回路部に接続されており、前記周波数変換回路部は、前記高周波半導体装置のうち、少なくとも2つの高周波半導体装置から入力される入力信号を周波数変換して、残りの高周波半導体装置に出力する回路部であることを特徴とする高周波半導体回路。
  14. 請求項1〜9のいずれかに記載の高周波半導体装置と、前記高周波半導体装置に接続された発振回路部とを備えることを特徴とする高周波半導体回路。
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