JP4046999B2 - 無段変速機の手動変速切り替え制御装置 - Google Patents

無段変速機の手動変速切り替え制御装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無段変速機の自動変速モードから手動変速モードへのモード切り替え時における手動変速段の選択が好適に行われるよう改良した無段変速機の手動変速切り替え制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
無段変速機はトロイダル型無段変速機やVベルト式無段変速機に代表されるように、例えば図7に細い実線で示すごとき予定の変速パターンを基にスロットル開度TVO(エンジン負荷)および車速VSPから目標変速機入力回転数Nioを求め、これが達成されるように無段階に変速制御される。
図7から明らかなように、アクセルペダルの踏み込みによりエンジン負荷が増大するにつれ目標変速機入力回転数Nioが上昇されることから、無段変速機は変速機入力回転数が増大するよう対応するロー側変速比に向けダウンシフトされ、逆にアクセルペダルの戻しによりエンジン負荷が低下するにつれ無段変速機は変速機入力回転数が低下するよう対応するハイ側変速比に向けアップシフトされる。
【0003】
ところで無段変速機にあっても運転者は、手動変速機のような変速操作感を望むことがあり、この要求に鑑み、図7に破線で示すような複数の固定変速比の手動変速段(M1:手動第1速〜M10:手動第10速)を予め設定し、上記の変速を行う自動変速(D)モードから手動変速(M)モードに切り替えた後は、手動スイッチによるアップシフト指令やダウンシフト指令の度に隣り合う手動変速段M1〜M10間で順次アップシフトやダウンシフトを行わせ得るようにした手動変速モード付きの無段変速機が多く実用化されている。
そして、無段変速機を自動変速モードから手動変速モードに切り替える時には、当該D→Mモード切り替え時における実変速機入力回転数に最も近い手動変速段が選択されるよう無段変速機を変速させるのが普通である。
【0004】
一方で、アクセルペダルを釈放するなどのエンジン低負荷状態で無段変速機を自動変速モードから手動変速モードに切り替えるのはエンジンブレーキ要求時であって、上記のような一般的なD→Mモード切り替え時変速制御ではモード切り替え後に運転者が手動によるダウンシフトを行う必要が生じて煩わしいことから、また当該モード切り換えをエンジンブレーキにより体感し得るようにするのが好ましいことから、エンジン低負荷状態で自動変速モードから手動変速モードに切り替えた時はダウンシフトが発生するような手動変速段の選択がなされるようにすることを狙って、例えば特開平9−264416号公報に記載のようなD→Mモード切り替え変速制御装置が従来提案されている。
【0005】
この装置は、例えば図7に太い実線でαで示すように車速VSPごとの最低目標入力回転数を定めておき、目標入力回転数Nioがこの最低目標入力回転数αよりも小さい時に自動変速モードから手動変速モードに切り替える場合、目標入力回転数Nioを最低目標入力回転数αと定め直して変速機入力回転数を最低目標入力回転数αまで上昇させるダウンシフトを生起させ、これによりD→Mモード切り替え時に要求されるダウンシフトを実現するというものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記のような構成では、以下に説明するごとくD→Mモード切り替え時にダウンシフトを必ずしも実現させることができない状態が発生する。
つまり、例えば図7のA点(スロットル開度TVOを5/8にした自動変速モード)における入力回転数での運転状態からアクセルペダルを釈放した(スロットル開度TVOを0/8にした)結果、目標入力回転数NioがB点に変化してA点からB点への変速が行われている間で、実入力回転数が未だ線α上のC点に達していない時にD→Mモード切り替えが行われると、実入力回転数がC点より高い回転数であるにもかかわらず目標入力回転数NioがC点における最低目標入力回転数αに定め直されてしまうため、これへの変速が変速機入力回転数をC点相当値に低下させるアップシフトとなり、この場合D→Mモード切り替え時に要求されるダウンシフトを実現させることができず、運転者の要求するエンジンブレーキ力が得られないという問題を生ずる。
【0007】
本発明は、エンジン低負荷状態でのD→Mモード切り替え時においては運転状態の如何にかかわらず確実にダウンシフトが生起されて前記要求通りのエンジンブレーキが得られるような、またエンジン高負荷状態でのD→Mモード切り替え時はこの時に要求される変速フィーリングが得られるような、D→Mモード切り替え時の手動変速段選択方式を具えた無段変速機の手動変速切り替え制御装置を提案することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的のため本発明による無段変速機の手動変速切り替え制御装置は、請求項1に記載のごとく
自動変速モードの他に、予め設定した複数の固定変速比の手動変速段を任意に手動選択可能な手動変速モードを具えた無段変速機において、
エンジン負荷を小さくした状態での走行中に自動変速モードから手動変速モードへのモード切り替えが検出された場合、該モード切り替え時における変速機入力回転数を基に定めた第1の目標入力回転数と、車速ごとに求めた要求エンジンブレーキ力発生用の最低変速機入力回転数に対応した第2の目標入力回転数のうち大きい方を目標入力回転数として選択し、該選択した目標入力回転数に最も近いロー側の手動変速段が選択されるような変速制御を行う構成にしたものである。
【0009】
なお、上記第1の目標入力回転数は請求項2に記載のごとく、上記のモード切り替え時における変速機入力回転数と同じ値にすることができる。
【0010】
また、上記第1の目標入力回転数は請求項3に記載のごとく、上記のモード切り替え時における変速機入力回転数に、当該モード切り替え時の要求エンジンブレーキを補償するための所定値を加算して求めることができる。
【0011】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、低エンジン負荷走行中に自動変速モードから手動変速モードへのモード切り替えがなされた場合、このモード切り替え時における変速機入力回転数を基に定めた第1の目標入力回転数と、車速ごとに求めた要求エンジンブレーキ力発生用の最低変速機入力回転数に対応した第2の目標入力回転数のうち大きい方を目標入力回転数とし、この選択した目標入力回転数に最も近いロー側の手動変速段が選択されるような変速制御を行う構成であるから、
モード切り替え時に、この時の変速機入力回転数を基に定めた第1の目標入力回転数および最低変速機入力回転数に対応した第2の目標入力回転数のうちの大きい方に最も近いロー側の手動変速段が選択されることとなって、如何なる運転状態のもとでも当該手動変速モードへのモード切り替え時に必ずダウンシフトを生起させることができる。
【0012】
従って、エンジン低負荷走行中の上記モード切り替え時に要求されるエンジンブレーキを補償することができて、当該モード切り替え後に運転者が手動によるダウンシフトを行う必要が生ずるという煩わしさを回避し得ると共に、当該モード切り換えをエンジンブレーキにより確実に体感することができる。
【0013】
上記第1の目標入力回転数は、請求項2に記載のごとく上記モード切り替え時における変速機入力回転数と同じ値にしてもよいし、
この代わりに請求項3に記載のごとく、上記モード切り替え時における変速機入力回転数に、当該モード切り替え時の要求エンジンブレーキを補償するための所定値を加算して求めることができるが、後者の場合特に以下の作用効果が奏し得られる。
つまり、手動変速段数が多くてクロスギヤレシオ気味である場合、モード切り替え時における変速機入力回転数を基に定めた第1の目標入力回転数が目標入力回転数として選択される時、これと、これに最も近いロー側の手動変速段との間における回転数差が小さくて十分なエンジンブレーキが得られないが、請求項3の発明によればモード切り替え時における変速機入力回転数に最も近いロー側の手動変速段よりも更にロー側の手動変速段を選択させ得ることとなって、手動変速段数が多い場合においても十分なエンジンブレーキを得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態になる手動変速切り替え制御装置を具えた車両のパワートレーンを、その制御系と共に示し、該パワートレーンをエンジン1と無段変速機2とで構成する。
エンジン1は内燃機関であり、そのスロットルバルブ3を運転者が操作するアクセルペダルにより開度変更することで出力を調整することができる。
【0015】
無段変速機2は周知のVベルト式無段変速機とし、トルクコンバータ4を介してエンジン1の出力軸に駆動結合されたプライマリプーリ5と、これに整列配置したセカンダリプーリ6と、これら両プーリ間に掛け渡したVベルト7とを具える。
そして、セカンダリプーリ6にファイナルドライブギヤ組8を介してディファレンシャルギヤ装置9を駆動結合し、これらにより図示せざる左右駆動輪を回転駆動するものとする。
【0016】
無段変速機2の変速動作は、プライマリプーリ5およびセカンダリプーリ6のそれぞれのV溝を形成するフランジのうち、一方の可動フランジを他方の固定フランジに対して相対的に接近させてV溝幅を狭めたり、逆に離間させてV溝幅を拡げることにより行うようにし、
両可動フランジのストローク位置を、変速制御油圧回路10からのプライマリプーリ圧Ppriおよびセカンダリプーリ圧Psecにより決定する。
【0017】
変速制御油圧回路10は変速アクチュエータとしてのステップモータ11を具え、変速機コントローラ12が、ステップモータ11を後述する目標入力回転数(これを変速機出力回転数で除算したものが目標変速比)に対応したステップ位置STPに駆動させることで、無段変速機2を、実入力回転数(実変速比)が目標入力回転数(目標変速比)に一致するように無段変速させることができる。
【0018】
かかる変速制御のため変速機コントローラ12には、スロットルバルブ3のスロットル開度TVOを検出するスロットル開度センサ13からの信号と、
車速VSPを検出する車速センサ14からの信号と、
無段変速機2の変速モードを運転者が決定するためのシフトレバー15からの信号と、
変速機入力回転数(プライマリプーリ回転数)Niを検出する入力回転センサ16からの信号とを入力する。
【0019】
シフトレバー15は図示のように、駐車(P)レンジ位置と、後退走行(R)レンジ位置と、中立(N)レンジ位置と、自動変速(D)レンジ(自動変速モード)位置と、エンジンブレーキ(L)レンジ位置とを同列に有するほか、自動変速(D)レンジ(自動変速モード)位置の横に並べた手動変速(M)モード位置を有し、これらの位置に操作されるとき対応するレンジ信号およびモード信号を出力する。
なお手動変速(M)モード位置においてシフトレバー15はアップシフト位置(+)とダウンシフト(−)位置との中間に弾支され、運転者がシフトレバー15をアップシフト位置(+)に倒す度に隣のハイ側手動変速段へのアップシフト指令を発し、運転者がシフトレバー15をダウンシフト(−)位置に倒す度に隣のロー側手動変速段へのダウンシフト指令を発するものとする。
【0020】
シフトレバー15を自動変速(D)モード位置にしている間、これからの自動変速(D)モード信号を受けて変速機コントローラ12は例えば図7に細い実線で示したような変速パターンを基にスロットル開度TVOおよび車速VSPから目標入力回転数Nioを求め、これに対応するステップ位置STPへステップモータ11を駆動することで目標入力回転数Nio(目標変速比)が達成されるよう無段変速機2を変速させる。
【0021】
シフトレバー15を手動変速(M)モード位置にしている間、これからの手動変速(M)モード信号を受けて変速機コントローラ12は、図7に破線で例示するごとくに予め設定した手動変速段M1〜M8の変速パターンを基に、シフトレバー15からのアップシフト(+)指令またはダウンシフト(−)指令と現在の手動変速段との対比により新たな手動変速段を選択し、この新たに選択された手動変速段および車速VSPから目標入力回転数Nioを求め、これに対応するステップ位置STPへステップモータ11を駆動することで目標入力回転数Nio(新たに選択された手動変速段)が達成されるよう無段変速機2を変速させる。
【0022】
上記の変速制御は、自動変速(D)モードまたは手動変速(M)モードが選択され続けている定常状態での変速制御であるが、自動変速(D)モードから手動変速(M)モードへのモード切り替え時における変速制御を変速機コントローラ12は、図2および図3に示す制御プログラムの実行により以下のごとくに行って本発明の目的を達成するものである。
図3は変速制御モードの決定処理を示し、先ずステップS1において車速VSP、スロットル開度TVO、およびシフトレバー15の位置信号を読み込む。
【0023】
ステップS2においては前回が自動変速(D)モードだったか否かを判定し、ステップS3においては今回自動変速(D)モードであるか否かを判定し、ステップS4においては今回手動変速(M)モードか否かを判定する。
ステップS2で前回自動変速(D)モードと判定し、且つ、ステップS3で今回自動変速(D)モードと判定する自動変速(D)モード継続中や、ステップS2で前回自動変速(D)モードでないと判定し、且つステップS4で今回手動変速(M)モードでないと判定するM→Dモード切り替え時は、ステップS5において前記した自動変速(D)モード変速制御を実行することにより目標入力回転数Nioを決定する。
ステップS2で前回自動変速(D)モードでなかったと判定し、且つ、ステップS4で今回手動変速(M)モードと判定する手動変速(M)モード継続中は、ステップS6において前記した手動変速(M)モード変速制御を実行することにより目標入力回転数Nioを決定する。
【0024】
ステップS7では、ステップS5またはステップS6で求めた目標入力回転数Nioを、車速VSPから求まるセカンダリプーリ6の回転数Ns(変速機出力回転数)で除算することにより目標変速比iを算出し、現在の変速比から目標変速比iへの変速が目標変速速度Δiで達成されるようにステップモータ11を駆動すべくこれへのステップ位置STPを決定して出力する。
【0025】
ステップS2で前回自動変速(D)モードと判定し、且つ、ステップS3で今回自動変速(D)モードでないと判定するD→Mモード切り替え時は、ステップS8において本発明が狙いとするD→Mモード切り替え時用の変速制御を実行することにより目標入力回転数Nioを決定する。
かかるD→Mモード切り替え時変速制御は図3に示すごときもので、D→M時エンジンブレーキ補償用入力回転数加算量決定部21においては、D→Mモード切り替え時に前記要求にかなうエンジンブレーキが確実に得られるような手動変速段の選択を補償するための入力回転数加算量ΔNiを設定する。
【0026】
ここで、上記のD→M時エンジンブレーキ補償用入力回転数加算量ΔNiを補足説明するに、図4に例示するように手動変速段M1〜M8の数が多くてクロスレシオ気味である場合は、例えば同図のA1点において自動変速(D)モードから手動変速(M)モードへのM→Dモード切り替えを行った時、このモード切り替え時の実入力回転数に最も近い、つまりA1点に最も近いロー側の手動変速段M5が選択されてA2点における目標入力回転数Nioが指令されるも、A1点およびA2点間における入力回転数差が小さくて所定のエンジンブレーキが得られない。
そこで、図4のA1点およびA2点間の入力回転数差、つまり図5にβで示す回転数差よりも大きな一定のD→M時エンジンブレーキ補償用入力回転数加算量ΔNiを設定しておき、図4におけると同様に図5のA1点でM→Dモード切り替えを行った場合につき説明すると、このモード切り替え時の実入力回転数に上記のD→M時エンジンブレーキ補償用入力回転数加算量ΔNiを加えて求まるA3点に最も近いロー側の手動変速段M4が選択されるようにし、結果としてA4点における目標入力回転数Nioの指令によりA1点およびA4点間の大きな入力回転数差で所定のエンジンブレーキが得られるようにする。
ただし、手動変速段数が少なくてD→M時エンジンブレーキ補償用入力回転数加算量ΔNiを設定しなくても所定のエンジンブレーキが得られる場合は、ΔNi=0にする。
【0027】
図3の実入力回転数保持部22では、変速機入力回転数Niを読み込みつつ、D→Mモード切り替え時の変速機入力回転数を保持してNih(図4および図5のA1点における入力回転数)とする。
演算部23では、D→Mモード切り替え時変速機入力回転数Nihと、D→M時エンジンブレーキ補償用入力回転数加算量ΔNiとの加算により第1の目標入力回転数Nio(1)を演算する。
【0028】
図3において24は、車速VSPごとに例えば図6に示すように設定したD→M時要求エンジンブレーキ用最低入力回転数データαで、D→M時車速保持部25は車速VSPを読み込みつつD→Mモード切り替え時における車速保持値VSPhを記憶する。
D→M時要求エンジンブレーキ用最低入力回転数決定部26は、図6に例示したD→M時要求エンジンブレーキ用最低入力回転数データαを基にD→M時車速保持値VSPhからD→M時に要求されるエンジンブレーキを達成するための最低入力回転数Niminを決定する。
【0029】
ここで図6に例示するD→M時要求エンジンブレーキ用最低入力回転数データαは、アクセルペダルを釈放した状態でのD→Mモード切り替え時に要求されるエンジンブレーキ力を発生させるのに必要な最低変速機入力回転数に関するデータを示し、以下のごとくに決定する。
つまり、車速VSP=V1でD→Mモード切り替えを行う場合の要求エンジンブレーキ力を得るには第3速の手動変速段M3(B1点の目標入力回転数)が必要で、車速VSP=V2でD→Mモード切り替えを行う場合の要求エンジンブレーキ力を得るには第4速の手動変速段M4(B2点の目標入力回転数)が必要で、車速VSP=V3でD→Mモード切り替えを行う場合の要求エンジンブレーキ力を得るには第5速の手動変速段M5(B3点の目標入力回転数)が必要で、車速VSP=V4でD→Mモード切り替えを行う場合の要求エンジンブレーキ力を得るには第6速の手動変速段M6(B4点の目標入力回転数)が必要で、車速VSP=V5でD→Mモード切り替えを行う場合の要求エンジンブレーキ力を得るには第7速の手動変速段M7(B5点の目標入力回転数)が必要である車両の場合、図6においてB1点〜B5点の直下における隣のハイ側手動変速段線との交点C1〜C5を結んだ線をD→M時要求エンジンブレーキ用最低入力回転数データαとする。
但し、車速VSPがV1以下の低車速域においてはD→M時要求エンジンブレーキ用最低入力回転数データαが、第3速の手動変速段M3を表す線と交差することのないようにする。
【0030】
アクセルペダル踏み込み状態でのD→M時高負荷用最低入力回転数決定部27は、アクセルペダル踏み込み状態でD→Mモード切り替えをした時に要求される変速特性、つまり実入力回転数Ni、あるいは実入力回転数に基づいて設定された第1の目標入力回転数Nio(1)に最も近いロー側手動変速段が後述するステップS30で必ず選択されてリニヤ感を満たすよう、高負荷用最低変速機入力回転数をNioptを決定する。
【0031】
D→M時スロットル開度保持部28は、当該D→Mモード切り替え時においてスロットル開度TVOをスロットル開度保持値TVOhとして記憶し、
第2の目標入力回転数決定部29は、スロットル開度保持値TVOhが微少設定値未満の低エンジン負荷状態であれば、D→M時要求エンジンブレーキ用最低入力回転数Niminを第2の目標入力回転数Nio(2)として選択し、スロットル開度保持値TVOhが微少設定値以上の高エンジン負荷状態(アクセルペダル踏み込み状態)であれば、0として設定されているD→M時高負荷用最低入力回転数Nioptを第2の目標入力回転数Nio(2)として選択する。
【0032】
第1&第2目標入力回転数選択部30は、D→Mモード切り替え時の入力回転数Nihを基に定めた第1の目標入力回転数Nio(1)と、第2の目標入力回転数Nio(2)(D→Mモード切り替え時のスロットル開度TVOhに応じ、D→Mモード切り替え時要求エンジンブレーキ用最低入力回転数NiminまたはD→Mモード切り替え時高負荷用最低入力回転数Niopt)との大きい方High{Nio(1),Nio(2)}を選択する。
目標入力回転数決定部31は、当該選択した大きい方のHigh{Nio(1),Nio(2)}に最も近いロー側の手動変速段を選択して、これを基に車速VSPから目標入力回転数Nioを求める。
【0033】
図3のステップS8では上記のようにしてD→Mモード切り替え時の目標入力回転数Nioを求めるが、同図のステップS7では前記したごとく、この目標入力回転数Nioを変速機出力回転数Nsで除算することにより目標変速比iを算出し、現在の変速比から目標変速比iへの変速が目標変速速度Δiで達成されるようにステップモータ11を駆動すべくこれへのステップ位置STPを決定して出力する。
【0034】
ところで本実施の形態によれば、低エンジン負荷での定常走行中あるいは変速中にD→Mモード切り替えがなされた場合、この時における変速機入力回転数Nihを基に定めた第1の目標入力回転数Nio(1)と、車速ごとに求めたD→Mモード切り替え時要求エンジンブレーキ力発生用の最低変速機入力回転数Niminに対応した第2の目標入力回転数Nio(2)との大きい方High{ Nio(1),Nio(2)= Nimin}を目標入力回転数とし、この選択した目標入力回転数High{ Nio(1),Nio(2)= Nimin}に最も近いロー側の手動変速段が選択されるような変速制御を行うため、低負荷走行中のD→Mモード切り替え時において以下の作用効果を達成することができる。
【0035】
つまり低負荷走行状態で、第1の目標入力回転数Nio(1)が図6のE1点相当値となる時にD→Mモード切り替えを行ったとすると、High{ Nio(1),Nio(2)}がE2点相当値Nio(2)=Niminとなり、結果として同図に矢印で示すごとく、E2点に最も近いロー側の第4速手動変速段M4が選択される。
一方、第1の目標入力回転数Nio(1)が図6のE3点相当値となる時にD→Mモード切り替えを行ったとすると、High{ Nio(1),Nio(2)}がE3点相当値Nio(1)となり、結果として同図に矢印で示すごとく、E3点に最も近いロー側の第3速手動変速段M3が選択される。
【0036】
従っていずれの場合も、つまり運転状態の如何にかかわらず、低負荷走行中のD→Mモード切り替え時はダウンシフトを生起させることができる。
これにより、エンジン低負荷走行中の上記モード切り替え時に要求されるエンジンブレーキを補償することができて、当該モード切り替え後に運転者が手動によるダウンシフトを行う必要が生ずるという煩わしさを回避し得ると共に、当該モード切り換えをエンジンブレーキにより確実に体感することができる。
【0037】
なお前記したように、手動変速段数が少ない場合はD→M時エンジンブレーキ補償用入力回転数加算量ΔNiを0にして、第1の目標入力回転数Nio(1)をD→Mモード切り替え時の変速機入力回転数Nihと同じ値にすることができ、
これにより、手動変速段数が少なくてD→M時要求エンジンブレーキが得られるにもかかわらず無駄に第1の目標入力回転数Nio(1)が嵩上げされてエンジンブレーキが大きくなりすぎるのを防止することができる。
【0038】
また前記したように、手動変速段数が多い場合はD→M時エンジンブレーキ補償用入力回転数加算量ΔNiを設定し、第1の目標入力回転数Nio(1)の算出に際し、モード切り替え時の変速機入力回転数Nihに、D→M時エンジンブレーキ補償用入力回転数加算量ΔNiを加算して第1の目標入力回転数Nio(1)を求めることができ、
これにより、手動変速段数が多い場合でもD→M時に要求されるエンジンブレーキを補償して前記の作用効果を確実なものにすることができる。
【0039】
一方で、高エンジン負荷走行中にD→Mモード切り替えが行われた場合は、第2の目標入力回転数Nio(2)の設定に際し、0に設定された変速機入力回転数Nioptをもって第2の目標入力回転数Nio(2)とするため、
エンジン高負荷状態での上記モード切り替え時は第1の目標入力回転数Nio(1)が第2の目標入力回転数Nio(2)よりも大きくなる結果、これが目標入力回転数High{ Nio(1),Nio(2)}として選択されることとなり、当該高負荷状態でのモード切り替え時に要求されるリニヤ感のある変速フィーリングが得られるような手動変速段の選択を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態になる無段変速機の手動変速切り替え制御装置を具えた車両のパワートレーンを、その制御システムと共に示す概略系統図である。
【図2】 図1の制御システムにおける変速機コントローラが実行する変速制御モード決定プログラムを示すフローチャートである。
【図3】 同変速機コントローラが、自動変速モードから手動変速モードへモード切り替えした当初において実行する変速制御プログラムを示すフローチャートである。
【図4】 自動変速モードから手動変速モードへのモード切り替え時にエンジンブレーキ力が不足する理由を説明するのに用いた手動変速パターンを示す線図である。
【図5】 図1〜図3の実施の形態において、自動変速モードから手動変速モードへのモード切り替え時にエンジンブレーキ力の不足が解消される理由を説明するのに用いた手動変速パターンを示す線図である。
【図6】 エンジン低負荷状態で自動変速モードから手動変速モードへ切り替えた時に要求されるエンジンブレーキ力を発生させるのに必要な最低入力回転数を示す、手動変速パターンを示す線図である。
【図7】 自動変速モードから手動変速モードへのモード切り替え時における従来装置の変速動作を説明するのに用いた無段変速機の変速パターンを示す線図である。
【符号の説明】
1 エンジン
2 無段変速機
3 スロットルバルブ
4 トルクコンバータ
5 プライマリプーリ
6 セカンダリプーリ
7 Vベルト
8 ファイナルドライブギヤ組
9 ディファレンシャルギヤ装置
10 変速制御油圧回路
11 ステップモータ
12 変速機コントローラ
13 スロットル開度センサ
14 車速センサ
15 シフトレバー
16 入力回転センサ
21 D→M時エンジンブレーキ補償用入力回転数加算量決定部
22 D→M時実入力回転数保持部
23 第1目標入力回転数演算部
24 D→M時要求エンジンブレーキ用最低入力回転数データ
25 D→M時車速保持部
26 D→M時要求エンジンブレーキ用最低入力回転数決定部
27 D→M時高負荷用最低入力回転数決定部
28 D→M時スロットル開度保持部
29 第2目標入力回転数決定部
30 第1&第2目標入力回転数選択部
31 目標入力回転数決定部

Claims (3)

  1. 自動変速モードの他に、予め設定した複数の固定変速比の手動変速段を任意に手動選択可能な手動変速モードを具えた無段変速機において、
    エンジン負荷を小さくした状態での走行中に自動変速モードから手動変速モードへのモード切り替えが検出された場合、該モード切り替え時における変速機入力回転数を基に定めた第1の目標入力回転数と、車速ごとに求めた要求エンジンブレーキ力発生用の最低変速機入力回転数に対応した第2の目標入力回転数のうち大きい方を目標入力回転数として選択し、該選択した目標入力回転数に最も近いロー側の手動変速段が選択されるような変速制御を行う構成にしたことを特徴とする無段変速機の手動変速切り替え制御装置。
  2. 請求項1において、前記第1の目標入力回転数を、前記モード切り替え時における変速機入力回転数と同じ値にするよう構成したことを特徴とする無段変速機の手動変速切り替え制御装置。
  3. 請求項1において、前記第1の目標入力回転数を、前記モード切り替え時における変速機入力回転数に、前記モード切り替え時の要求エンジンブレーキを補償するための所定値を加算して求めるよう構成したことを特徴とする無段変速機の手動変速切り替え制御装置。
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