JP4046523B2 - 強誘電体メモリ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、強誘電体メモリに関し、特に、強誘電体キャパシタを有する強誘電体メモリに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、強誘電体メモリは、高速で低消費電力な不揮発性メモリとして注目されている。このため、強誘電体メモリに関する研究開発が精力的に行われている。図15は、従来の最も一般的に用いられている強誘電体メモリの代表的な回路図であり、図16は、図15に対応する断面構造図である。図15および図16を参照して、この従来の構造では、半導体基板101の表面上の所定領域に素子分離領域102が形成されている。素子分離領域102によって囲まれた素子形成領域には、所定の間隔を隔てて、ソース領域103およびドレイン領域104が形成されている。ソース領域103とドレイン領域104との間に位置するチャネル領域上には、ゲート絶縁膜105を介して、ワード線(WL)を構成するゲート電極106が形成されている。ドレイン領域104には、ビット線(BL)113が電気的に接続されている。
【0003】
また、ソース領域103には、プラグ電極108を介して、下部電極109が形成されている。下部電極109上には、強誘電体層110を介して、プレート線(PL)を構成する上部電極111が形成されている。この下部電極109、強誘電体層110および上部電極111によって、強誘電体キャパシタ112が構成されている。また、ソース領域103およびドレイン領域104と、ゲート絶縁膜105と、ゲート電極106とによって、トランジスタ107が構成されている。このトランジスタ107は、メモリセルの選択を行うスイッチとして機能する。また、図15に示すように、1つのメモリセル100は、1つのトランジスタ107と、1つの強誘電体キャパシタ112とによって構成されている。
【0004】
しかしながら、図15および図16に示した従来の強誘電体メモリの構造では、1つのメモリセル100が、1つのトランジスタ107と1つの強誘電体キャパシタ112とによって構成されているため、比較的大きなメモリセル面積になるという不都合があった。
【0005】
そこで、従来、1つのメモリセルを1つの強誘電体キャパシタのみによって構成する単純マトリックス型の強誘電体キャパシタを有する強誘電体メモリが開発されている。
【0006】
図17は、従来の単純マトリックス型の強誘電体メモリの回路図であり、図18は、図17に対応した断面構造図である。図17および図18を参照して、従来の単純マトリックス型の強誘電体メモリでは、ビット線(BL)201上に、強誘電体層202が形成されている。そして、その強誘電体層202上に、ビット線201と交差する方向に、ワード線(WL)203が形成されている。このビット線201と強誘電体層202とワード線203とによって、強誘電体キャパシタ210が構成されている。この単純マトリックス型の強誘電体メモリでは、図17に示すように、1つのメモリセル200が、1つの強誘電体キャパシタ210のみによって構成されている。
【0007】
図19は、従来の単純マトリックス型の強誘電体メモリの1/2Vcc法による書き込み動作時の電圧の印加方法を説明するための回路図であり、図20は、従来の単純マトリックス型の強誘電体メモリの1/3Vcc法による書き込み動作時の電圧の印加方法を説明するための回路図である。
【0008】
図19を参照して、従来の1/2Vcc法の場合、選択されたメモリセル(選択セル)を駆動するために、選択セルが繋がるビット線BL1とワード線WL1との間にVccの電圧を加える。すなわち、ワード線WL1には、電源電圧Vccを印加するとともに、ビット線BL1には、0Vを印加する。そして、非選択のメモリセル(非選択セル)の繋がるワード線WL0およびWL2には、0Vを印加し、非選択セルの繋がるビット線BL0およびBL2には、1/2Vccを印加する。これにより、選択セルには、Vccの電圧が印加されるとともに、非選択セルには、1/2Vccが印加される。
【0009】
また、図20を参照して、従来の1/3Vcc法の場合、ワード線WL1には、電源電圧Vccを印加するとともに、ビット線BL1には、0Vを印加する。そして、非選択のメモリセル(非選択セル)の繋がるワード線WL0およびWL2には、1/3Vccを印加し、非選択セルの繋がるビット線BL0およびBL2には、2/3Vccを印加する。これにより、選択セルには、Vccの電圧が印加されるとともに、非選択セルには、1/3Vccが印加される。
【0010】
上記の場合、選択セルの強誘電体層202(図18参照)に対しては、分極反転が十分飽和し、かつ、非選択セルの強誘電体層に対しては、分極状態がほとんど変化しないことが必要となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、現状では、強誘電体ヒステリシスの角型形状が十分でないため、図21に示すように、非選択セルに、1/2Vccまたは1/3Vccが同じ方向に印加され続けると、その情報(電荷量)が失われていくという、いわゆるディスターブが発生する。このようなディスターブが生じると、非選択セルに書き込まれた情報が失われてしまうため、強誘電体メモリとして使用することが困難である。このため、現状では、図17および図18に示した単純マトリックス構造の強誘電体メモリの実用化は困難であると考えられている。
【0012】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、
この発明の1つの目的は、非選択のメモリセルにおけるディスターブ耐性を向上することが可能な強誘電体メモリを提供することである。
【0013】
この発明のもう1つの目的は、非選択のメモリセルにおけるディスターブ耐性を向上することによって、単純マトリックス型の強誘電体メモリを実用化することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1による強誘電体メモリは、ビット線と、ビット線と交差するように配置されたワード線と、ビット線とワード線との間に配置され、強誘電体キャパシタと強誘電体キャパシタに直列に接続された1つの順方向ダイオードとからなるメモリセルとを備え、順方向ダイオードのオン電圧およびブレークダウン電圧をそれぞれVtおよびVbとした場合に、データの書き込みおよび読み出しの少なくともいずれか一方の時に、非選択セルにVb≦V≦Vtの範囲の電圧Vを印加するとともに、ビット線とワード線とのスタンバイ電圧は、(Vt+Vb)<スタンバイ電圧<0の範囲にある。
【0015】
請求項1では、上記のように、強誘電体キャパシタと、強誘電体キャパシタに直列に接続された1つの順方向ダイオードとからなるメモリセルを設けるとともに、順方向ダイオードのオン電圧およびブレークダウン電圧をそれぞれVtおよびVbとした場合に、データの書き込みおよび読み出しの少なくともいずれか一方の時に、非選択セルにVb≦V≦Vtの範囲の電圧Vを印加するように構成することによって、ダイオードに電流がほとんど流れない電圧範囲では、ダイオードの抵抗がほとんど無限大になるので、大部分の電圧はダイオードにかかり、強誘電体キャパシタにはほとんど電圧がかからない。したがって、データの書き込み時または読み出し時に、ダイオードに電流がほとんど流れない範囲の電圧を非選択セルに印加すれば、強誘電体キャパシタにほとんど電圧がかからないので、単純マトリックス型の強誘電体メモリにおいて非選択セルのディスターブを回避することができる。その結果、単純マトリックス型の強誘電体メモリにおいて非選択セルのディスターブ耐性を向上することができる。これにより、単純マトリックス型の強誘電体メモリを実用化することができる。また、順方向ダイオードのオン電圧およびブレークダウン電圧をそれぞれVtおよびVbとした場合に、ビット線とワード線とのスタンバイ電圧は、(Vt+Vb)<スタンバイ電圧<0の範囲にある。このように構成すれば、スタンバイ電圧を0Vにする場合に比べて、スタンバイ電圧が強誘電体キャパシタとダイオードとで構成されるメモリセルのヒステリシス特性の中心に近くなるので、スタンバイ電圧を0Vにする場合に比べて、書き込みまたは読み出しを行わない時の雑音に対する耐性を強くすることができる。この場合、スタンバイ電圧を(Vt+Vb)/2に設定するのが好ましい。このように構成すれば、書き込みまたは読み出しを行わない時の雑音に対する耐性をより強くすることができる。
【0017】
請求項2による強誘電体メモリは、請求項1または2の構成において、ビット線とワード線とに非対称な電圧パルスを印加することにより、データの書き込みおよび読み出しの少なくともいずれか一方を行う。このように構成すれば、請求項1の強誘電体メモリを用いて、容易に、データの書き込みまたは読み出しを行うことができる。
【0018】
請求項3による強誘電体メモリは、請求項1または2の構成において、強誘電体キャパシタに高い電圧を印加した場合には分極反転を生じるとともに、強誘電体キャパシタに低い電圧を印加した場合には実質的に分極反転を生じないような所定のパルス幅を有するパルスをメモリセルに印加するためのパルス印加手段をさらに備え、データの書き込み時および読み出し時の少なくともいずれか一方の時に、選択されたメモリセルには、所定のパルス幅を有する高い電圧のパルスを印加するとともに、非選択のメモリセルには、所定のパルス幅を有する低い電圧のパルスを印加する。このように構成すれば、選択されたメモリセルに対しては、書き込みまたは読み出しを行うことができるとともに、非選択のメモリセルに対しては、ほとんど分極反転を生じないようにすることができる。その結果、非選択のメモリセルにおけるディスターブ耐性をより向上することができる。
【0019】
請求項4による強誘電体メモリは、請求項1〜3のいずれかの構成において、ダイオードは、p型半導体層とn型半導体層との接合により形成されるp−n接合ダイオードを含む。このように構成すれば、強誘電体層の結晶化のためのアニール(熱処理)によっても特性が劣化しないダイオードを形成することができる。
【0020】
請求項5による強誘電体メモリは、請求項1〜3のいずれかの構成において、順方向ダイオードは、半導体基板に形成されたp型領域およびn型領域の接合により形成されるp−n接合ダイオードを含む。このように構成すれば、セルサイズを小さくすることができるとともに、強誘電体層の結晶化のためのアニール(熱処理)によっても特性が劣化しないダイオードを形成することができる。
【0021】
請求項6による強誘電体メモリは、請求項1〜3のいずれかの構成において、順方向ダイオードは、導電層と半導体層との接合により形成されるショットキーダイオードを含む。このように構成すれば、強誘電体層の結晶化のためのアニール(熱処理)によっても特性が劣化しないダイオードを形成することができる。
【0022】
なお、上記の強誘電体メモリにおいて、ショットキーダイオードを構成する導電層は、金属とシリコンとを含有し、その金属はIr、Pt、Ru、Re、Ni、CoおよびMoからなるグループより選択される少なくとも1つを含むようにしてもよい。また、ショットキーダイオードを構成する導電層は、金属と窒素とシリコンとを含有し、その金属は、Ir、Pt、Ru、Re、Ni、CoおよびMoからなるグループより選択される少なくとも1つを含むようにしてもよい。このように構成すれば、熱的に安定なショットキー接合を形成することができる。
【0023】
また、請求項3の構成において、p型半導体層とn型半導体層とは、アモルファス層を含んでいてもよい。このように構成すれば、微細なp−n接合ダイオードを均一に作製することができる。
【0024】
また、請求項6の構成において、ショットキーダイオードを構成する半導体層は、アモルファス層を含んでいてもよい。このように構成すれば、微細なショットキーダイオードを均一に作製することができる。
【0025】
また、請求項1〜3のいずれかの構成において、順方向ダイオードは、半導体基板に形成されたp型領域またはn型領域と、p型領域またはn型領域上に形成された導電層との接合により形成されるショットキーダイオードを含んでいてもよい。このように構成すれば、セルサイズを小さくすることができるとともに、強誘電体層の結晶化のためのアニール(熱処理)によっても特性が劣化しないダイオードを形成することができる。
【0026】
なお、以下のような強誘電体メモリの動作方法に向けた発明も考えられる。すなわち、強誘電体メモリの動作方法は、ビット線と、ビット線と交差するように配置されたワード線と、ビット線とワード線との間に配置され、強誘電体キャパシタと強誘電体キャパシタに直列に接続されたダイオードとを含むメモリセルとを備えた強誘電体メモリの動作方法であって、ビット線とワード線とに非対称な電圧パルスを印加することにより2値データの書き込みまたは読み出しを行う。このように構成すれば、ダイオードに電流がほとんど流れない電圧範囲では、ダイオードの抵抗がほとんど無限大になるので、大部分の電圧はダイオードにかかり、強誘電体キャパシタにはほとんど電圧がかからない。したがって、データの書き込み時または読み出し時に、ダイオードにほとんど電流が流れない範囲の電圧を非選択セルに印加すれば、強誘電体キャパシタにほとんど電圧がかからないので、単純マトリックス型の強誘電体メモリにおいて非選択セルのディスターブを回避することができる。
【0027】
上記強誘電体メモリの動作方法において、好ましくは、ダイオードのオン電圧およびブレークダウン電圧をそれぞれVtおよびVbとした場合に、ビット線とワード線とのスタンバイ電圧は、(Vt+Vb)<スタンバイ電圧<0の範囲にある。このように構成すれば、スタンバイ電圧を0Vにする場合に比べて、スタンバイ電圧が強誘電体キャパシタとダイオードとで構成されるメモリセルのヒステリシス特性の中心に近くなるので、スタンバイ電圧を0Vにする場合に比べて、書き込みまたは読み出しを行わない時の雑音に対する耐性を強くすることができる。この場合、スタンバイ電圧を(Vt+Vb)/2に設定するのが好ましい。このように構成すれば、書き込みまたは読み出しを行わない時の雑音に対する耐性をより強くすることができる。
【0028】
上記強誘電体メモリの動作方法において、好ましくは、強誘電体キャパシタに高い電圧を印加した場合には分極反転を生じるとともに、強誘電体キャパシタに低い電圧を印加した場合には実質的に分極反転を生じないような所定のパルス幅を有するパルスをメモリセルに印加するためのパルス印加手段をさらに備え、データの書き込み時および読み出し時の少なくともいずれか一方の時に、選択されたメモリセルには、所定のパルス幅を有する高い電圧のパルスを印加するとともに、非選択のメモリセルには、所定のパルス幅を有する低い電圧のパルスを印加する。このように構成すれば、選択されたメモリセルに対しては、書き込みまたは読み出しを行うことができるとともに、非選択のメモリセルに対しては、ほとんど分極反転を生じないようにすることができる。その結果、非選択のメモリセルにおけるディスターブ耐性をより向上することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0030】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による単純マトリックス型の強誘電体メモリの全体構成を示した回路図である。図2は、図1に示した第1実施形態による強誘電体メモリのメモリセルの構成を説明するための概略図である。
【0031】
まず、図1および図2を参照して、第1実施形態の単純マトリックス型の強誘電体メモリの全体構成について説明する。この第1実施形態による強誘電体メモリでは、メモリセルアレイ50は、複数のメモリセル1がマトリックス状に配置されて構成されている(図1では、説明の便宜上、9個のメモリセルのみを示している)。各メモリセル1を構成する強誘電体キャパシタ2の一方の端子は、ビット線BL0〜BL2に接続され、強誘電体キャパシタ2の他方の端子は、ダイオード3の一方の端子に接続されている。ダイオード3の他方の端子は、ワード線WL0〜WL2に接続されている。すなわち、この第1実施形態では、メモリセル1は、強誘電体キャパシタ2と、強誘電体キャパシタ2に直列に接続された1つのダイオード3とから構成されている。なお、ダイオード3の詳細については後述する。
【0032】
各ワード線WL0〜WL2は、ロウデコーダ31に接続されている。また、各ビット線BL0〜BL2は、カラムデコーダ32に接続されている。
【0033】
外部から指定されたロウアドレスおよびカラムアドレスは、アドレスピン33に入力される。そのロウアドレスおよびカラムアドレスは、アドレスピン33からアドレスラッチ34へ転送される。アドレスラッチ34でラッチされた各アドレスのうち、ロウアドレスは、アドレスバッファ35を介してロウデコーダ31へ転送され、カラムアドレスはアドレスバッファ35を介してカラムデコーダ32へ転送される。
【0034】
ロウデコーダ31は、各ワード線WL0〜WL2のうち、アドレスラッチ34でラッチされたロウアドレスに対応したワード線を選択し、各ワード線の電位を動作モードに対応して制御する。
【0035】
カラムデコーダ32は、各ビット線BL0〜BL2のうち、アドレスラッチ34でラッチされたカラムアドレスに対応するビット線を選択し、各ビット線の電位を動作モードの対応して制御する。
【0036】
また、ロウデコーダ31およびカラムデコーダ32は、それぞれ、各ワード線WL0〜WL2および各ビット線BL0〜BL2に電圧パルスを印加するためのパルス印加回路41およびパルス印加回路42を含んでいる。
【0037】
外部から指定されたデータは、データピン36に入力される。そのデータは、データピン36から入力バッファ37を介してカラムデコーダ32へ転送される。カラムデコーダ32は、各ビット線BL0〜BL2の電位を、そのデータに対応した電位に制御する。
【0038】
任意のメモリセル1から読み出されたデータは、各ビット線BL0〜BL2からカラムデコーダ32を介してセンスアンプ38へ転送される。センスアンプ38は電圧センスアンプである。センスアンプ38で判別されたデータは、出力バッファ39からデータピン36を介して外部へ出力される。
【0039】
なお、上記した各回路(31〜39、41、42)の動作は、制御コア回路40によって制御される。
【0040】
ここで、この第1実施形態のメモリセル1を構成するダイオード3は、図2に示すように、正のオン電圧Vtと、オン電圧Vtよりも絶対値の大きい負のブレークダウン電圧Vbとを有する。このメモリセル1の両端における印加電圧Vに対する電荷量Qは、図3に示すようになる。この場合、電圧(Vt+Vb)/2を中心として、Vb≦V≦Vtとなる電圧Vにおいて、印加電圧のほとんどはダイオードにかかることになる。すなわち、上記した範囲の電圧Vでは、ダイオード3にほとんど電流が流れないので、ダイオード3の抵抗はほとんど無限大になる。このため、印加電圧のほとんどはダイオード3にかかり、強誘電体キャパシタ2にはほとんど電圧がかからない。
【0041】
図3を参照して、第1実施形態では、(Vt−Vb)/2≧1/2Vccを満足し、かつ、待機時のスタンバイ電圧を(Vt+Vb)/2とした場合に(Vt+Vb)/2+Vccで十分分極反転する電圧となるように、電源電圧Vccを設定する。この場合、(Vt−Vb)/2≧1/2Vccは、メモリセル1に、(Vt+Vb)/2±1/2Vccを印加した場合に、ダイオード3にほとんど電流が流れないような電源電圧Vccの条件を示している。
【0042】
図4は、本発明の第1実施形態による強誘電体メモリの電圧印加方式を説明するための回路図である。図4を参照して、第1実施形態では、選択セルに、(Vt+Vb)/2+Vccまたは(Vt+Vb)/2−Vccの電圧パルスを印加するとともに、非選択セルに、(Vt+Vb)/2±1/2Vccの電圧パルスを印加する。この選択セルに印加される(Vt+Vb)/2+Vccおよび(Vt+Vb)/2−Vccは、0Vを中心とすると、非対称な電圧パルスである。また、非選択セルに印加される(Vt+Vb)/2+1/2Vccおよび(Vt+Vb)/2−1/2Vccも、0Vを中心とすると、非対称な電圧パルスである。このような非対称な電圧パルスを印加すれば、選択セルでは分極反転によりデータの書き込みまたは読み出しを行うことができるとともに、非選択セルの強誘電体キャパシタ2にはほとんど電圧が印加されない。これにより、非選択セルにおけるディスターブを回避することができる。
【0043】
また、上記した第1実施形態では、待機時に各セルに印加される電圧であるスタンバイ電圧を(Vt+Vb)/2に設定するとともに、選択セルにはスタンバイ電圧に±Vccを加えた電圧を印加し、かつ、非選択セルにはスタンバイ電圧に±1/2Vccを加えた電圧を印加する。これにより、読み出しまたは書き込みを行わないときに、スタンバイ電圧に対して(Vt−Vb)/2までの電圧変動が生じても、ダイオード3にほとんど電流が流れないので、強誘電体キャパシタ2にはほとんど電圧が印加されない。その結果、スタンバイ電圧を0Vにする場合に比べて、雑音耐性を高くすることができる。
【0044】
第1実施形態では、上記のように、強誘電体キャパシタ2と、強誘電体キャパシタ2に直列に接続された1つのダイオード3とを含むメモリセル1を設けることによって、ダイオード3に電流がほとんど流れない電圧範囲では、ダイオード3の抵抗がほとんど無限大になるので、大部分の電圧はダイオード3にかかり、強誘電体キャパシタ2にはほとんど電圧がかからない。したがって、データの書き込み時または読み出し時に、ダイオード3にほとんど電流が流れない範囲の上記した電圧を非選択セルに印加すれば、強誘電体キャパシタ2にほとんど電圧がかからないので、単純マトリックス型の強誘電体メモリにおいて非選択セルのディスターブを回避することができる。その結果、単純マトリックス型の強誘電体メモリを実用化することができる。
【0045】
図5は、本発明の第1実施形態の変形例による強誘電体メモリの電圧印加方式を説明するための回路図である。図5を参照して、この第1実施形態の変形例では、(Vt−Vb)/2≧1/3Vccを満足し、かつ、待機時のスタンバイ電圧を(Vt+Vb)/2とした場合に(Vt+Vb)/2+Vccで十分分極反転する電圧となるように、電源電圧Vccを設定する。この場合、(Vt−Vb)/2≧1/3Vccは、メモリセル1に、(Vt+Vb)/2±1/3Vccを印加した場合に、ダイオード3にほとんど電流が流れないような電源電圧Vccの条件を示している。
【0046】
そして、第1実施形態の変形例では、図5に示すように、選択セルに、(Vt+Vb)/2+Vccまたは(Vt+Vb)/2−Vccの電圧パルスを印加するとともに、非選択セルに、(Vt+Vb)/2±1/3Vccの電圧パルスを印加する。この選択セルに印加される(Vt+Vb)/2+Vccおよび(Vt+Vb)/2−Vccは、0Vを中心とすると、非対称な電圧パルスである。また、非選択セルに印加される(Vt+Vb)/2+1/3Vccおよび(Vt+Vb)/2−1/3Vccも、0Vを中心とすると、非対称な電圧パルスである。このような非対称な電圧パルスを印加すれば、選択セルでは分極反転によりデータの書き込みまたは読み出しを行うことができるとともに、非選択セルの強誘電体キャパシタ2にはほとんど電圧が印加されない。これにより、非選択セルにおけるディスターブを回避することができる。
【0047】
なお、上記した第1実施形態の変形例では、第1実施形態と同様、待機時のスタンバイ電圧を(Vt+Vb)/2に設定するともに、選択セルにはスタンバイ電圧に±Vcc、非選択セルにはスタンバイ電圧に±1/3Vccを印加すればよい。
【0048】
(第2実施形態)
この第2実施形態では、ダイオード3に電流が流れるような電圧が非選択セルに印加された場合にも、非選択セルのディスターブを抑制する方法について説明する。
【0049】
すなわち、上記第1実施形態では、非選択セルには、スタンバイ電圧(Vt+Vb)/2を中心として、Vb≦V≦Vtとなる電圧Vを印加することによって、非選択セルのダイオード3にほとんど電流が流れないので、印加電圧のほとんどがダイオード3にかかる。これに対して、この第2実施形態では、(Vt−Vb)/2<1/2Vccを満足し、かつ、(Vt+Vb)/2+Vccで十分分極反転する電圧となるように、電源電圧Vccを設定した場合においても、ディスターブを抑制する方法について述べる。この場合の(Vt−Vb)/2<1/2Vccは、メモリセル1に、(Vt+Vb)/2±1/2Vccを印加した場合に、ダイオード3に電流が流れるような電源電圧Vccの条件を示している。
【0050】
上記のように設定した第2実施形態の電源電圧Vccにおいて、図4に示したように、選択セルに、(Vt+Vb)/2±Vcc、非選択セルに、(Vt+Vb)/2±1/2Vccの電圧パルスを印加する。この場合、選択セルの強誘電体キャパシタ2には、(Vb−Vt)/2+Vccまたは(Vt−Vb)/2−Vccの電圧が印加される。また、非選択セルでは、第1実施形態と異なり、ダイオード3に電流が流れるので、非選択セルの強誘電体キャパシタ2には、(Vb−Vt)/2+1/2Vccまたは(Vt−Vb)/2−1/2Vccの電圧が印加される。
【0051】
図6は、強誘電体層としてSrBi2Ta2O9(SBT)膜を用いた強誘電体キャパシタにパルスを印加した場合のパルス幅と分極反転電荷量との関係を示した図である。図6から明らかなように、パルス幅が70nsec以下では、印加電圧が高い場合(たとえば1.6V以上)に、分極反転電荷量は、ほぼ飽和して14μC/cm2〜15μC/cm2の電荷量になっている。これに対して、パルス幅が70nsec以下で印加電圧が低い場合(たとえば0.6V以下)には、ほとんど分極反転が生じないことがわかる。このように、パルス幅が比較的短い場合には、高電圧では強誘電体層に分極反転が生じるのに対して、低電圧では分極反転がほとんど生じないことがわかる。
【0052】
この第2実施形態では、上記の特性を利用して、メモリセル1の強誘電体キャパシタ2に(Vb−Vt)/2+Vccまたは(Vt−Vb)/2−Vcc程度の高い電圧を印加した場合は、十分な分極反転を生じ、(Vb−Vt)/2+1/2Vccまたは(Vt−Vb)/2−1/2Vcc程度の低い電圧を印加した場合には、ほとんど分極反転を生じないようなパルス幅を有するパルスをメモリセル1に印加する。これにより、ダイオード3に電流が流れるような電圧が非選択セルに印加された場合にも、非選択セルのディスターブを抑制することができる。
【0053】
なお、上記のようなパルスは、図1に示したパルス印加回路41および42を用いて印加すればよい。この場合のパルス印加回路41および42は、本発明の「パルス印加手段」の一例である。
【0054】
また、上記した第2実施形態の電源電圧Vccにおいて、第2実施形態の変形例として、図5に示したように、選択セルに、(Vt+Vb)/2±Vcc、非選択セルに、(Vt+Vb)/2±1/3Vccの電圧パルスを印加してもよい。この場合、選択セルの強誘電体キャパシタ2には、(Vb−Vt)/2+Vccまたは(Vt−Vb)/2−Vccの電圧が印加される。また、非選択セルの強誘電体キャパシタ2には、(Vb−Vt)/2+1/3Vccまたは(Vt−Vb)/2−1/3Vccの電圧が印加される。この第2実施形態の変形例においても、メモリセル1の強誘電体キャパシタ2に(Vb−Vt)/2+Vccまたは(Vt−Vb)/2−Vcc程度の高い電圧を印加した場合は、十分な分極反転を生じ、(Vb−Vt)/2+1/3Vccまたは(Vt−Vb)/2−1/3Vcc程度の低い電圧を印加した場合には、ほとんど分極反転を生じないようなパルス幅を有するパルスをメモリセル1に印加する。これにより、ダイオード3に電流が流れるような電圧が非選択セルに印加された場合にも、非選択セルのディスターブを抑制することができる。
【0055】
(第3実施形態)
図7は、本発明の第3実施形態による強誘電体メモリのメモリセルの構造を示した断面図であり、図8は、図7に示した第3実施形態によるメモリセルの構造を90°回転した方向からみた断面図である。
【0056】
図7および図8を参照して、この第3実施形態では、メモリセル1(図1参照)を構成する強誘電体キャパシタ2に接続するダイオード3として、シリコン基板に形成されたp−n接合ダイオードを用いる。具体的には、図7に示すように、シリコン基板61の表面上の所定領域にSTI(Shallow Trench Isolation)法による素子分離膜62が形成されている。素子分離膜62の間に位置するシリコン基板61の表面には、n型領域63が形成されている。n型領域63の中にはp型領域64が形成されている。このp型領域64とn型領域63とによって、第3実施形態によるp−n接合ダイオードが構成される。
【0057】
また、全面を覆うように、層間絶縁膜65が形成されている。層間絶縁膜65のコンタクトホール65a内には、p型領域64に電気的に接続するようにプラグ電極66が形成されている。プラグ電極66上には、下部電極67が形成されている。また、下部電極67上には、SBT膜などからなる強誘電体層68を介して、上部電極69が形成されている。この下部電極67と強誘電体層68と上部電極69とによって、第3実施形態による強誘電体キャパシタが構成される。
【0058】
第3実施形態では、上記のように、シリコン基板61にp−n接合ダイオードを形成することによって、セルサイズを小さくすることができるとともに、強誘電体層68の結晶化のための600℃以上のアニール(熱処理)に対しても、特性が劣化することのないダイオードを形成することができる。
【0059】
図9は、図7および図8に示した第3実施形態の変形例によるメモリセルのダイオード部分の構造を示した断面図である。この第3実施形態の変形例では、図9に示すように、2つの電極71および72と、電極71および72間に配置されたp型半導体薄膜73およびn型半導体薄膜74とによって、p−n接合ダイオードを形成している。この場合、p型半導体薄膜73およびn型半導体薄膜74は、アモルファス半導体層や多結晶半導体層を用いて形成する。特に、アモルファス半導体層は、結晶粒界がないため、微細構造を作製してもダイオード特性の均一化を図ることができる。アモルファス半導体層としては、たとえばアモルファスシリコンなどを用いる。
【0060】
(第4実施形態)
図10は、本発明の第4実施形態による強誘電体メモリのメモリセルの構造を示した断面図であり、図11は、図10に示した第4実施形態によるメモリセルの構造を90°回転した方向からみた断面図である。
【0061】
図10および図11を参照して、この第4実施形態では、メモリセル1(図1参照)を構成する強誘電体キャパシタ2に接続するダイオード3として、シリコン基板81上に形成したショットキーダイオードを用いる。具体的には、図10に示すように、シリコン基板81上の所定領域に、STI法による素子分離膜82が形成されている。素子分離膜82間に位置するシリコン基板81の表面には、n+型領域83が形成されている。n+型領域83の中には、n型領域84が形成されている。n型領域84上には、導電層86が形成されている。n型領域84と導電層86との界面にショットキー障壁が形成される。これにより、n型領域84と導電層86とによって、第4実施形態によるショットキーダイオードが構成される。なお、図10および図11に示したn+型領域83およびn型領域84を、それぞれ、p+型領域およびp型領域に変更して、ショットキーダイオードを構成するようにしてもよい。
【0062】
また、導電層86および素子分離膜82を覆うように、層間絶縁膜85が形成されている。層間絶縁膜85のコンタクトホール85a内には、プラグ電極87が導電層86と接続するように形成されている。プラグ電極87上には、下部電極88が形成されている。下部電極88上には、SBT膜などからなる強誘電体層89を介して、上部電極90が形成されている。下部電極88と強誘電体層89と上部電極90とによって、第4実施形態による強誘電体キャパシタが構成される。
【0063】
第4実施形態では、図10および図11に示したように、シリコン基板81にショットキーダイオードを形成することによって、セルサイズを小さくすることができる。
【0064】
図12は、図10および図11に示した第4実施形態の変形例によるメモリセルのダイオード部分を示した断面図である。この第4実施形態の変形例では、図12に示すように、n型またはp型半導体層93と、導電層92との接合を用いてショットキーダイオードを形成する。n型またはp型半導体層93の導電層92とは反対側の面上には、電極94が形成されている。この場合、n型またはp型半導体層93は、多結晶半導体層やアモルファス半導体層を用いて形成する。特に、アモルファス半導体層は、結晶粒界がないため、微細構造を作製してもダイオード特性の均一化を図ることができる。アモルファス半導体層としては、アモルファスSiなどを用いる。
【0065】
また、ショットキーダイオードに関しては、半導体素子製造工程において、導電層と半導体層との界面での相互拡散によりオーミック特性を示さないように、熱的安定性が必要になる。図13および図14は、それぞれ、IrSi/ポリSiサンプルおよびIrSiN/ポリSiサンプルに対し、800℃の熱処理を施した後の各組成の深さ方向のプロファイルを示した図である。
【0066】
図13および図14から明らかなように、800℃の高温処理後においても、IrSi/ポリSi界面およびIrSiN/ポリSi界面において、顕著な相互拡散は見られず、導電層であるIrSiまたはIrSiNと、半導体層であるポリSiとの接合が熱的に安定であることがわかる。なお、このような熱的に安定な接合は、Ir、Pt、Ru、Re、Ni、CoおよびMoの少なくともいずれか1つと、シリコンとを含有する導電物、または、Ir、Pt、Ru、Re、Ni、CoおよびMoの少なくともいずれか1つと、シリコンと、窒素とを含有する導電物によっても得ることができる。
【0067】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0068】
たとえば、上記第2〜第4実施形態では、強誘電体層としてSBT膜を用いた場合について説明したが、本発明はこれに限らず、SrBi2(Nb,Ta)2O9(SBNT)、Pb(Zr,Ti)O3(PZT)、(Pb,La)(Zr,Ti)O3(PLZT)、(Bi,La)4Ti3O12(BLT)、Bi4Ti3O12(BIT)またはこれに準ずる強誘電体層を用いることができる。特に、図6に示したように、強誘電体層に高い電圧を印加した場合には十分な分極反転を生じるとともに、低い電圧を印加した場合にはほとんど分極反転を生じないようなパルス幅が存在する分極反転特性を有する全ての強誘電体層を用いることができる。
【0069】
また、上記実施形態では、待機時に各セルに印加される電圧であるスタンバイ電圧を(Vt+Vb)/2に設定したが、本発明はこれに限らず、スタンバイ電圧は、(Vt+Vb)<スタンバイ電圧<0の範囲にあればよい。このように構成すれば、スタンバイ電圧を0Vにする場合に比べて、スタンバイ電圧が強誘電体キャパシタのヒステリシス特性の中心に近くなるので、スタンバイ電圧を0Vにする場合に比べて、書き込みまたは読み出しを行わない時の雑音に対する耐性を強くすることができる。ただし、スタンバイ電圧は(Vt+Vb)/2に設定するのが最も好ましい。
【0070】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、非選択のメモリセルにおけるディスターブ耐性を向上することが可能な強誘電体メモリを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による強誘電体メモリの全体構成を示した回路図である。
【図2】図1に示した第1実施形態による強誘電体メモリのメモリセルの構成を説明するための概略図である。
【図3】本発明の第1実施形態による強誘電体メモリの効果を説明するための図である。
【図4】本発明の第1実施形態による強誘電体メモリの電圧印加方式を説明するための回路図である。
【図5】本発明の第1実施形態の変形例による強誘電体メモリの電圧印加方式を説明するための回路図である。
【図6】強誘電体層の分極反転量に関するパルス応答特性を示した図である。
【図7】本発明の第3実施形態による強誘電体メモリのメモリセルの構造を示した断面図である。
【図8】図7に示した第3実施形態によるメモリセルの構造を90°回転した方向からみた断面図である。
【図9】図7および図8に示した第3実施形態の変形例によるメモリセルのダイオード部分の構造を示した断面図である。
【図10】本発明の第4実施形態による強誘電体メモリのメモリセルの構造を示した断面図である。
【図11】図10に示した第4実施形態によるメモリセルの構造を90°回転した方向からみた断面図である。
【図12】図10および図11に示した第4実施形態の変形例によるメモリセルのダイオード部分を示した断面図である。
【図13】本発明の第4実施形態によるショットキーダイオードの熱的安定性を説明するための相関図である。
【図14】本発明の第4実施形態によるショットキーダイオードの熱的安定性を説明するための相関図である。
【図15】従来の最も一般的に用いられている強誘電体メモリの代表的な回路図である。
【図16】図15に示した回路図に対応する断面構造図である。
【図17】従来の単純マトリックス型の強誘電体メモリのメモリセルアレイの回路構成を示した回路図である。
【図18】図17に示した従来の単純マトリックス型の強誘電体メモリの断面構造図である。
【図19】図17および図18に示した従来の単純マトリックス型の強誘電体メモリの1/2Vcc法による書き込み動作の際の電圧印加状態を説明するための回路図である。
【図20】図17および図18に示した従来の単純マトリックス型の強誘電体メモリの1/3Vcc法による書き込み動作の際の電圧印加状態を説明するための回路図である。
【図21】従来の単純マトリックス型の強誘電体メモリの問題点を説明するための強誘電体ヒステリシス特性を示した図である。
【符号の説明】
1 メモリセル
2 強誘電体キャパシタ
3 ダイオード
41、42 パルス印加回路(パルス印加手段)
50 メモリセルアレイ
Claims (6)
- ビット線と、
前記ビット線と交差するように配置されたワード線と、
前記ビット線と前記ワード線との間に配置され、強誘電体キャパシタと前記強誘電体キャパシタに直列に接続された1つの順方向ダイオードとからなるメモリセルとを備え、
前記順方向ダイオードのオン電圧およびブレークダウン電圧をそれぞれVtおよびVbとした場合に、データの書き込みおよび読み出しの少なくともいずれか一方の時に、非選択のメモリセルにVb≦V≦Vtの範囲の電圧Vを印加するとともに、前記ビット線と前記ワード線とのスタンバイ電圧は、(Vt+Vb)<スタンバイ電圧<0の範囲にある、強誘電体メモリ。 - 前記ビット線と前記ワード線とに非対称な電圧パルスを印加することにより、データの書き込みおよび読み出しの少なくともいずれか一方を行う、請求項1に記載の強誘電体メモリ。
- 前記強誘電体キャパシタに高い電圧を印加した場合には分極反転を生じるとともに、前記強誘電体キャパシタに低い電圧を印加した場合には実質的に分極反転を生じないような所定のパルス幅を有するパルスを前記メモリセルに印加するためのパルス印加手段をさらに備え、
データの書き込み時および読み出し時の少なくともいずれか一方の時に、選択されたメモリセルには、前記所定のパルス幅を有する高い電圧のパルスを印加するとともに、前記非選択のメモリセルには、前記所定のパルス幅を有する低い電圧のパルスを印加する、請求項1または2に記載の強誘電体メモリ。 - 前記順方向ダイオードは、p型半導体層とn型半導体層との接合により形成されるp−n接合ダイオードを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の強誘電体メモリ。
- 前記順方向ダイオードは、半導体基板に形成されたp型領域およびn型領域の接合により形成されるp−n接合ダイオードを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の強誘電体メモリ。
- 前記順方向ダイオードは、導電層と半導体層との接合により形成されるショットキーダイオードを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の強誘電体メモリ。
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