JP2006237143A - 強誘電体トランジスタラッチ回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】データの読み書きの際に格別な制御方式や手順が必要なく、通常のMOSFET回路と同じような取り扱いができ、かつ占有面積も少ない不揮発性のラッチ回路を提供すること。
【解決手段】この発明は、ゲート部に強誘電体薄膜を有するN型MFSFET101と、P型MOSFET102とを組み合わせた相補型のインバータ回路107と、ゲート部に強誘電体薄膜を有するN型MFSFET103と、P型MOSFET104とを組み合わせた相補型のインバータ回路108と、を備えている。インバータ回路107とインバータ回路108とは、互いにその出力を入力として帰還させるようにたすき掛けに接続されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、強誘電体を用いた電界効果型トランジスタによる不揮発性のラッチ回路に関するものであり、例えば半導体集積回路において、不揮発性のメモリとして内蔵する際に好適なものである。
近年、メモリ分野において、電気的にデータを書き込み、消去可能な不揮発性メモリの重要性が増している。また、集積回路の一部にデータを書き込み、消去可能な不揮発性のメモリを内蔵することがしばしば要請される。
不揮発性メモリとして各種のものがあるが、高速性、低電圧特性、低消費電力等の観点から強誘電体メモリが注目されている。強誘電体メモリの具体的な構成は、以下の例に示すように様々である。
強誘電体メモリの一例としては、強誘電体膜内部の残留分極の状態により2状態を定義する強誘電体コンデンサを用いたものが知られている。これは、データの書き込みの際には、強誘電体コンデンサに、強誘電体薄膜の抗電界以上の電圧を極性の異なる2種のかけ方で1か0かの内部分極状態を作り出し、残留分極による保存状態を経て、データの読み出しの際には、強誘電体薄膜の抗電界以上の電圧をかけて電荷を取り出し、1か0かの内部の記憶状態を検知するようになっている。このような強誘電体メモリを説明するための図が、図17、図18、図19、および図20である。
図17は、強誘電体コンデンサの構造を示す断面図である。この強誘電体コンデンサは、無機の強誘電体からなる強誘電体薄膜1740を、金属電極からなる第1端子1741と第2端子1742によって挟む構造になっている。
図18は、図17に示す強誘電体コンデンサの分極電荷−印加電圧特性を示すものである。図18において、1801、1802、1803、1804、1805、1806の各点の特性点を通る曲線が、図17の強誘電体コンデンサの第1端子1741と第2端子1742の間に加えた電圧Vと内部分極電荷Qの特性を表している。
特性点1801は第2端子1742に第1端子1741より正の高い電圧Vを加えた状態を示し、特性点1804は第1端子1741に第2端子1742より正の高い電圧Vを加えた状態を示している。特性点1801と特性点1804においては、内部の分極は正負、逆の分極をする。
特性点1801の状態にあった強誘電体コンデンサの第1端子1741と第2端子1742の電位差を0として開放すると、内部の分極は残留分極として保存され、特性点1802に示す状態となる。また、特性点1804の状態にあった強誘電体コンデンサの第1端子1741と第2端子1742の電位差を0として開放すると、内部の分極は残留分極として保存されて、特性点1805に示す状態となる。
したがって、強誘電体コンデンサの内部分極電荷と印加電圧はヒステリシス特性を持っていると同時に、強誘電体コンデンサの両端の端子を開放し、電圧を0としても前の状態によって、異なった残留分極を有している。この状態が特性点1802と特性点1805に相当して、不揮発性のデータを記憶できる。
ここで、図18の特性点1801〜1806に対応する強誘電体コンデンサの内部分極の各状態を模式的に示すと、それぞれ図19の(A)〜(F)に示すようになる。ただし、図18における印加電圧Vは、図19において上部のコンデンサの電極を基準として正負を定めている。
さて、強誘電体コンデンサの両端の端子が開放された状態から第2端子1742を基準として第1端子1741に電圧V(ΔVB)をかけると、特性点1804に移動する。このとき、前の状態が特性点1802であれば図18に示すΔQHBの電荷が取り出され、特性点1805の状態であればΔQLBの電荷が取り出される。図18から明らかにΔQLB≪ΔQHBであるので、残留分極として記憶されていた前の状態を1または0として判別できる。
以上の動作を行う具体的な回路の一例として、図20に示す回路が知られている。
この回路は、図20に示すように、強誘電体コンデンサ2011と、N型の絶縁ゲート電界効果型トランジスタ(以下、MOSFETと略す)2012とからなり、ワード線(WL)2013、ビット線(BL)2014、およびプレート線(PL)2015を含んでいる。ここで、MOSFETとは、Meatal−Oxide−Semiconductor−Field−Effect−Transistorの略語である。
さらに詳述すると、ワード線2013は、MOSFET2012のゲートに接続されている。また、ビット線2014は、MOSFET2012のソースまたはドレインとなる電極に接続されている。さらに、プレート線2015は、強誘電体コンデンサ2011の一端に接続されている。強誘電体コンデンサ2011の他端は、MOSFET2012のドレインまたはソースとなる電極に接続されている。
このような構成からなる図20に示す回路では、ビット線2014とプレート線2015に強誘電体コンデンサ2011にかける電位を供給し、ワード線2013によってMOSFET2012をオン、オフすることにより、前述した電荷の書き込み動作と読み出し動作を行う。
ここで、上記の方法は、データを読み出す際に電荷を取り出す。すなわち、データを破壊してしまうので、破壊読み出しと一般的に呼ばれる方式であり、この方式の一例として特許文献1に示すものが知られている。
また、データを読み出す際にデータを破壊しない、非破壊読み出しと呼ばれる方法が知られている。この一例として、図21に示すように、MFSFET2100を用いたメモリセルが知られている。ここで、MFSFETとは、Meatal−Ferroelectrics−Semiconductor−Field−Effect−Transistorの頭文字を連ねたものである。
MFSFET2100は、ゲート部に強誘電体薄膜を有するものであり、通常のMOSFETのゲート絶縁膜を強誘電体膜(強誘電体薄膜)に置き換えた構造からなる。
このようなMFSFET2100では、ゲート電極2101と基板間2105、もしくはソース電極2103、ドレイン電極2104に強誘電体薄膜の抗電圧以上の電圧を加え、強誘電体薄膜に分極を起こし、印加電圧を取り除いた後もその残留分極の状態によってデータを記憶する。さらに、その残留分極によって、MFSFET2100は、そのチャルネルに誘起される電荷が異なり、スレッショルド電圧の相違となって、流れる電流値が異なることから書き込まれた分極の方向を知る、つまり1か0かの差違を検出することができる。
次に、MFSFET2100がそのゲート部の強誘電体薄膜に分極を起こし、その残留分極によるスレッショルド電圧の変化を検出する方法について、以下に説明する。
図21において、ワード線2115を通してゲート電極2101に0電位を与え、第1ビット線2113と第2ビット線2114を通して、ソース電極2103とドレイン電極2104に抗電圧以上の正のV電位を与え、強誘電体薄膜がゲート側に正極、基板2105側に負極の分極を起こしている。あるいはワード線2115を通してゲート電極2101に抗電圧以上の正のV電位を与え、第1ビット線2113と第2ビット線2114を通して、ソース電極2103とドレイン電極2104に0電位を与え、強誘電体薄膜がゲート側に負極、基板2105側に正極の分極を起こしている。そこで、これらの分極の相違によるスレッショルド電圧の差異による電流量の差異を検出する。
図21に示すMFSFETを用いたメモリセルによる方式では、図22に示すように、MFSFETを行列状に配置し、ワード線、ビット線を制御してそのMFSFETのデータ記憶状態を検出することが一般的手法として採用されている。
つまり、図22に示すように、MFSFET2201を行列状に配置し、ワード線2205、第1ビット線2213、および第2ビット線2214を共用化して、メモリセルアレイ2220を構成するようにしている。さらに、このように構成したメモリセルアレイ2220のワード線群とビット線群を制御する制御回路を、メモリセルアレイ2220の周辺に設け、それらを制御するようにしている。
しかし、図22に示す方式は、ゲート電極の下に強誘電体薄膜を設けて残留分極を記憶し、かつその記憶データの差異を検出するためにMFSFETのゲート電極にトランジスタがオン(ON)する電位をかける方法である。このため、記憶データを消さないように、かつ行列状に配置されたメモリセルとしての各MFSFETに誤動作や誤書き込みを防ぐような方式を、ワード線側とビット線側の制御回路に付与する必要がある。
なお、このような一例として、ゲート部に強誘電体薄膜を有する電界効果型トランジスタが記載される特許文献2が知られている。
特開平11−39882号公報 特開2003−68890号公報
しかしながら、上記の従来の強誘電体メモリでは、以下に述べるような不具合がある。すなわち、図17〜図20あるいは特許文献1に示されるデータを破壊読み出しする方式では、データの読み出し後、消えたデータを再書き込みする必要がある。したがって、データを読み出した後に書き込み動作を行うので、余計な膨大な素子数の制御回路と無視できない時間を要し、アクセスタイムやサイクルタイムに影響を与える。
また、図21、図22あるいは特許文献2に示すような、データを非破壊読み出しする方式では、周辺回路が複雑で多大な素子数の回路を必要とする。
このため、大規模メモリの場合には、上記の従来方式であっても特に上記の点が課題にはならないと考えられる。しかし、集積回路の中に比較的小容量の読み書き可能な不揮発性メモリを内蔵するような場合には、従来の方式では周辺回路の大きさと制御の煩雑さ、さらにはデータの読み書きに要する長い時間が大きな課題となる。
そこで、本発明の目的は、上記の点に鑑み、データの読み書きの際に格別な制御方式や手順を必要とせず、通常のMOSFET回路と同じような取り扱いが可能で、かつ占有面積も少ない不揮発性のラッチ回路を提供することにある。
上記の課題を解決し本発明の目的を達成するために、本発明は、以下のような構成からなる。
すなわち、第1の発明は、第1の導電型であってゲート部に強誘電体薄膜を有する第1の電界効果型トランジスタと、第2の導電型である第1の絶縁ゲート電界効果型トランジスタとを組み合わせた相補型の第1のインバータ回路と、第1の導電型であってゲート部に強誘電体薄膜を有する第2の電界効果型トランジスタと、第2の導電型である第2の絶縁ゲート電界効果型トランジスタとを組み合わせた相補型の第2のインバータ回路とを備え、前記第1のインバータ回路と第2のインバータ回路とは、互いにその出力を入力として帰還させるようにたすき掛けに接続させたものである。
第2の発明は、第1の導電型であってゲート部に強誘電体薄膜を有する第1の電界効果型トランジスタと、第2の導電型であってゲート部に強誘電体薄膜を有する第2の電界効果型トランジスタとを組み合わせた相補型の第1のインバータ回路と、第1の導電型であってゲート部に強誘電体薄膜を有する第3の電界効果型トランジスタと、第2の導電型であってゲート部に強誘電体薄膜を有する第4の電界効果型トランジスタとを組み合わせた相補型の第2のインバータ回路とを備え、前記第1のインバータ回路と第2のインバータ回路とは、互いにその出力を入力として帰還させるようにたすき掛けに接続させたものである。
第3の発明は、電源と接続される第1電源端子および第2電源端子と、第1の導電型であって、ゲート部に強誘電体薄膜を有する第1の電界効果型トランジスタと、第1の導電型であって、ゲート部に強誘電体薄膜を有する第2の電界効果型トランジスタと、第2の導電型である第1の絶縁ゲート電界効果型トランジスタと、第2の導電型である第2の絶縁ゲート電界効果型トランジスタと、を有し、前記第1の電界効果型トランジスタのソース電極は前記第1電源端子に接続され、前記第1の絶縁ゲート電界効果型トランジスタのソース電極は前記第2電源端子に接続され、前記第1の電界効果型トランジスタのドレイン電極と前記第1の絶縁ゲート電界効果型トランジスタのドレイン電極は互いに接続され、かつ、前記第1の電界効果型トランジスタのゲート電極と前記第1の絶縁ゲート電界効果型トランジスタのゲート電極は互いに接続され、前記第2の電界効果型トランジスタのソース電極は前記第1電源端子に接続され、前記第2の絶縁ゲート電界効果型トランジスタのソース電極は前記第2電源端子に接続され、前記第2の電界効果型トランジスタのドレイン電極と前記第2の絶縁ゲート電界効果型トランジスタのドレイン電極は互いに接続され、かつ、前記第2の電界効果型トランジスタのゲート電極と前記第2の絶縁ゲート電界効果型トランジスタのゲート電極は互いに接続され、前記第1の電界効果型トランジスタのドレイン電極と前記第1の絶縁ゲート電界効果型トランジスタのドレイン電極は、前記第2の電界効果型トランジスタのゲート電極と前記第2の絶縁ゲート電界効果型トランジスタのゲート電極に接続され、さらに、前記第2の電界効果型トランジスタのドレイン電極と前記第2の絶縁ゲート電界効果型トランジスタのドレイン電極は、前記第1の電界効果型トランジスタのゲート電極と前記第1の絶縁ゲート電界効果型トランジスタのゲート電極に接続されている。
第4の発明は、電源と接続される第1電源端子および第2電源端子と、第1の導電型であって、ゲート部に強誘電体薄膜を有する第1の電界効果型トランジスタと、第2の導電型であって、ゲート部に強誘電体薄膜を有する第2の電界効果型トランジスタと、第1の導電型であって、ゲート部に強誘電体薄膜を有する第3の電界効果型トランジスタと、第2の導電型であって、ゲート部に強誘電体薄膜を有する第4の電界効果型トランジスタと、を有し、前記第1の電界効果型トランジスタのソース電極は前記第1電源端子に接続され、前記第2の電界効果型トランジスタのソース電極は前記第2電源端子に接続され、前記第1の電界効果型トランジスタのドレイン電極と前記第2の電界効果型トランジスタのドレイン電極は互いに接続され、かつ、前記第1の電界効果型トランジスタのゲート電極と前記第2の電界効果型トランジスタのゲート電極は互いに接続され、前記第3の電界効果型トランジスタのソース電極は前記第1電源端子に接続され、前記第4の電界効果型トランジスタのソース電極は前記第2電源端子に接続され、前記第3の電界効果型トランジスタのドレイン電極と前記第4の電界効果型トランジスタのドレイン電極は互いに接続され、かつ、前記第3の電界効果型トランジスタのゲート電極と前記第4の電界効果型トランジスタのゲート電極は互いに接続され、前記第1の電界効果型トランジスタのドレイン電極と前記第2の電界効果型トランジスタのドレイン電極は、前記第3の電界効果型トランジスタのゲート電極と前記第4の電界効果型トランジスタのゲート電極に接続され、さらに、前記第3の電界効果型トランジスタのドレイン電極と前記第4の電界効果型トランジスタのドレイン電極は、前記第1の電界効果型トランジスタのゲート電極と前記第2の電界効果型トランジスタのゲート電極に接続されている。
第5の発明は、第1乃至第4のうちの何れかの発明において、前記ゲート部に強誘電体薄膜を有する電界効果型トランジスタは、チャネルドープが行われている。
第6の発明は、第1乃至第5のうちの何れかの発明において、前記強誘電体薄膜は、無機強誘電体からなる。
第7の発明は、第6発明において、前記無機強誘電体からなる強誘電体薄膜は、PZTNからなる。
第8の発明は、第1乃至第5のうちの何れかの発明において、前記強誘電体薄膜は、有機強誘電体からなる。
第9の発明は、第8発明において、前記有機強誘電体からなる強誘電体薄膜は、PVDF、P(VDF/TrFE)、もしくはナイロン7、ナイロン11等の奇数ナイロンからなる。
このような構成からなる本発明によれば、電源切断時にMFSFETの有する強誘電体薄膜の残留分極によってMFSFETのスレッショルド電圧が異なり、ラッチ回路を構成する1対のインバータ回路に動作条件の偏りができるので、電源投入後も電源切断時のラッチ回路のデータの保持状態に速やかに復帰させることができる。
また、本発明では、ラッチ回路自体の構成がデータの書き込み回路とデータ出力回路を兼ねることができる。このため、余分な制御回路や読み出し、書き込みの手順が不要となり、高速かつ少ない回路素子となって、小容量の不揮発性メモリ内蔵のLSIに対してコストと、占有面積の観点から非常に適した回路を提供できるという効果がある。
また、本発明において、MFSFETにチャネルドープを行なう場合には、MFSFETのスレッショルド電圧を適切に調整することができる。このため、強誘電体薄膜の残留分極の方向の相違によってMFSFETがオン、オフする際の差が明確化して確実に動作領域に持ち込むことができるようになり、データの検出をより一層、容易かつ確実にして、電源切断時のラッチ回路のデータの保持状態に安定して復帰させることができる。
また、本発明において、MFSFETのゲート部の強誘電体薄膜の材料に無機強誘電体のPZTNを用いる場合には、その強誘電体薄膜の分極電荷−印加電圧のヒステリシス特性として角型特性の良いものを実現できる。
また、本発明では、MFSFETの強誘電体薄膜に、理想的なMFS構造が容易に形成できる有機強誘電体であるPVDF、P(VDF/TrFE)、もしくはナイロン7、ナイロン11等の奇数ナイロンを用いるようにした。したがって、この場合には、MFSFETのゲート部における強誘電体薄膜の残留分極によってMFSFETのスレッショルド電圧が変わり、電流の流れ易さの相違として現れるので、電源切断時のデータ保持状態が確実に復元するという効果がある。
さらに、本発明において、分極電荷−印加電圧のヒステリシス特性において角型特性の良い無機強誘電体のPZTNや、理想的なMFS構造を容易に形成する有機強誘電体であるPVDF、P(VDF/TrFE)、あるいはナイロン7、ナイロン11等の奇数ナイロンを、MFSFETの強誘電体薄膜に用いた場合には、諸特性が改善され、製造が容易かつ安定性を増す効果がある。そして、その結果、品質信頼性が高まるとともに、製造コストが低下するという効果がある。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
〔本発明の強誘電体トランジスタラッチ回路の第1実施形態〕
(第1実施形態の回路の概要)
図1は、本発明の強誘電体トランジスタラッチ回路の第1実施形態の構成を示す回路図である。
この第1実施形態は、図1に示すように、インバータ回路107とインバータ回路108とを備え、インバータ回路107とインバータ回路108とは互いにその出力を入力として帰還させるようにたすき掛けに接続させた不揮発性のラッチ回路からなる。
また、第1実施形態は、そのような構成により、電源の切断時に1ビットのデータを保持でき、電源の投入時には電源の切断時におけるデータの保持状態に速やかに復帰でき、しかもそのラッチ回路自体の構成がデータの書き込み回路とデータ出力回路を兼ねることができるようにしたものである。
インバータ回路107は、導電型がN型であってゲート部に強誘電体薄膜を有する電界効果型トランジスタ(以下、N型MFSFETという)101と、導電型がP型の絶縁ゲート電界効果型トランジスタ(以下、P型MOSFETという)102とを組み合わせた相補型の回路からなる。
インバータ回路108は、導電型がN型であってゲート部に強誘電体薄膜を有する電界効果型トランジスタ(以下、N型MFSFETという)103と、導電型がP型の絶縁ゲート電界効果型トランジスタ(以下、P型MOSFETという)104とを組み合わせた相補型の回路からなる。
(MFSFETの構成と動作原理)
次に、図1に示す回路の詳細およびその動作の説明に先立って、インバータ回路107、108を構成するN型MFSFET101、103の構造、およびその動作原理について、図2〜図5を参照して説明する。
図2は、N型の導電性を持つMFSFETのチャネル部のソース・ドレイン方向に切断した断面図である。図2において、201は金属からなるゲート電極、202はN拡散からなるソースもしくはドレインとなる第1電極、203はN拡散からなるドレインもしくはソースとなる第2電極である。209はシリコン基板である。
200は無機強誘電体であるPZTNからなる強誘電体薄膜である。結晶性の優れたPZTNから形成された強誘電体薄膜200は、その両端に電圧を印加すると、内部に分極が起こるとともに、一度起きた分極は反転しにくい性質があり、図3に示すような角型性の良いヒステリシス特性を持っている。
なお、図18は、強誘電体薄膜として従来から多く使用されているPZTやSBTの代表的な特性図である。図3と図18を比較すると、PZTNは、従来の代表的な強誘電体よりも角型性のよいヒステリシス特性を持っていることが解る。
ここで、PZTとは、Pb(Zr,Ti)Oの総称である。また、PZTNとは、PZTのTiの一部をNbで置き換えたものの総称である。さらに、SBTとは、SrBiTaもしくはそれに近い組成の総称である。
なお、図2において、強誘電体薄膜200の構成材料は、PZTNが最も望ましいが、PZTやSBTを用いても良い。また、金属電極201は、白金(Pt)が一般的に用いられる。
図3は、図2に示す強誘電体薄膜200がPZTNの場合の分極電荷−印加電圧特性である。
図3において、強誘電体薄膜に抗電界以上の負の電圧を加えると特性点311の状態となり、そこで印加電圧を除き、開放すると特性点312となり、かつ、縦軸の交差点に相当する量が残留分極として保持される。さらに、抗電圧以上の正の電圧を加えると特性点314の状態に移る。そこで、印加電圧を除き、開放すると特性点315となり、かつ縦軸の交差点に相当する量が残留分極として保持される。
さて、図3に示したように、図2に示す構造のMFSFETにおいて、強誘電体薄膜200に抗電圧以上の電圧を印加すると、強誘電体薄膜200は内部に分極を起こすので、これについて図4および図5を参照して説明する。
例えば、図4に示すように、ゲート電極端子404を通してゲート電極201が0電位でドレイン電極もしくはソース電極となる202、203が電極端子405、406を通して+V電位であると、強誘電体薄膜200はゲート電極201側が正、ドレイン電極もしくはソース電極となる202、203側が負の内部分極を起こす。この分極は、N型の電界効果型トランジスタとしてのチャネル部409の電子が誘起するのを抑制する方向に働く。つまりN型MFSFETはスレッショルド電圧が高くなる。
また、図5に示すように、ゲート電極端子504を通してゲート電極201が+V電位でドレイン電極もしくはソース電極となる202、203が電極端子405、406を通して0電位であると図5の強誘電体薄膜200はゲート電極201側が負、ドレイン電極もしくはソース電極となる202、203側が正の内部分極を起こす。この分極は、N型の電界効果型トランジスタとしてのチャネル部409に電子を誘起する。N型の場合は、電子の流れる経路チャネルを形成しやすい方向に作用する。つまりN型MFSFETはスレッショルド電圧が低くなる。
図5において、チャネル部409の上部を複数の破線模様で表現しているのは、強誘電体薄膜200の分極の結果、チャネル部409において電子が誘起されている様子を表現しているものである。
さて、図3は強誘電体薄膜にかかる電圧Vと内部分極電荷Qの関係を示しているが、静電容量をCとしてQ=CVの一般的な関係により、MOS容量の変化を図3から読みとれる。また、MOSFETのスレッショルド電圧の変化は、MOS容量の変化に関連している。したがって、図3において、特性曲線が大きく変化する抗電圧付近でN型MFSFETはスレッショルド電圧が大きく変わる。
これは、MFSFETの強誘電体薄膜の内部分極の方向と大きさによって、電界効果型トランジスタとしてのスレッショルド電圧が変わることに対応している。
図3において、特性曲線が抗電圧付近で変わる際の電圧は、電界効果型トランジスタの動作電圧に比較しても充分に影響を与える変化量である。そして、特性点312や315における残留分極も充分に大きいので、電源を切断した際に残留分極が保存されたMFSFETはスレッショルド電圧も大きな差として保存されている。
(第1実施形態の回路の詳細説明)
次に、第1実施形態におけるインバータ回路107、108の具体的な構成について、図1を参照して説明する。
N型MFSFET101のソース電極は−VSS〔V〕の電位を持つ負極の電源端子に接続され、P型MOSFET102のソース電極は+VDD〔V〕の電位を持つ正極の電源端子に接続され、N型MFSFET101のゲート電極とP型MOSFET102のゲート電極とは互いに接続され、その共通接続部が入出力端子105に接続されている。また、N型MFSFET101のドレイン電極とP型MOSFET102のドレイン電極とは互いに接続されている。
また、N型MFSFET103のソース電極は−VSS〔V〕の電位を持つ負極の電源端子に接続され,P型MOSFET104のソース電極は+VDD〔V〕の電位を持つ正極の電源端子に接続され、N型MFSFET103のゲート電極とP型MOSFET104のゲート電極とは互いに接続され、その共通接続部が入出力端子106に接続されている。また、N型MFSFET103のドレイン電極とP型MOSFET104のドレイン電極とは互いに接続されている。
さらに、インバータ回路107を構成するN型MFSFET101とP型MOSFET102のドレイン電極は入出力端子106に接続され、インバータ回路108を構成するN型MFSFET103とP型MOSFET104のドレイン電極は入出力端子105に接続され、インバータ回路107とインバータ回路108とによって全体として第1実施形態に係るラッチ回路を構成している。
なお、以上の構成において、インバータ回路107とインバータ回路108は、レイアウトパターンにおいて同一、もしくは対称形に構成され、かつ、MFSFETとMOSFETの特性は対応する素子において同一の特性とする。
(第1実施形態の回路の動作説明)
次に、このような構成からなる第1実施形態の動作について、図1を参照しながら説明する。
いま、図1に示す入出力端子105に、正の電位+VDD、あるいはそれに近い正の電位が加わると、N型MFSFET101はオン(ON)し、P型MOSFET102はオフ(OFF)するので、N型MFSFET101とP型MOSFET102のドレイン電極は負の電位−VSSとなる。
したがって、N型MFSFET101とP型MOSFET102のドレイン電極に接続された入出力端子106は負の電位−VSSとなり、N型MFSFET103はオフし、P型MOSFET104はオンする。
この結果、N型MFSFET103とP型MOSFET104のドレイン電極は、正の電位+VDDとなる。この電位は、初め正の電位を加えられた入出力端子105に伝わり安定状態となる。
このときには、N型MFSFET101は、ゲート電極が正の電位+VDDであり、ソース電極とドレイン電極が負の電位−VSSとなっているので、N型MFSFET101の強誘電体薄膜は分極が起こる。この分極は、図5で説明したように、N型MFSFET101の電界効果型トランジスタのスレッショルドを導通しやすい低いスレッショルド電圧にする。
これに対して、N型MFSFET103は、ゲート電極が負の電位−VSSであり、ドレイン電極が正の電位+VDDとなっているので、N型MFSFET103の強誘電体薄膜はN型MFSFET101とは逆の分極が起こる。この分極は、図4で説明したように、N型MFSFET103の電界効果型トランジスタのスレッショルドをオフしやすい高いスレッショルド電圧にする。
したがって、この状態で電源(電源電圧)が遮断されると、N型MFSFET101の強誘電体薄膜はスレッショルド電圧を低い状態とする残留分極となって保存され、N型MFSFET103の強誘電体薄膜はスレッショルド電圧を高い状態とする残留分極となって保存される。
その後、再び電源が投入されると、強誘電体薄膜の残留分極によるスレッショルド電圧の影響により、N型MFSFET101はオンしやすく、N型MFSFET103はオフしやすい。このため、N型MFSFET101とN型MFSFET103、およびP型MOSFET102とP型MOSFET104が、それぞれ対称形に構成されていれば、偏りとしては強誘電体薄膜の残留分極によるスレッショルド電圧の差のみとなる。
従って、N型MFSFET101がオンし、N型MFSFET103がオフする状態、つまり、入出力端子105が正の電位+VDD、入出力端子106が負の電位−VSS電位の状態で安定する。
これは、電源を遮断する前のラッチ回路の状態に、電源を再投入後も安定して復帰することを意味している。これは、2つのN型MFSFET101、103の強誘電体薄膜の残留分極による効果である。
次に、入出力端子105に負の電位−VSS、あるいはそれに近い負の電位が加わると、N型MFSFET101はオフし、P型MOSFET102はオンするので、N型MFSFET101とP型MOSFET102のドレイン電極は正の電位+VDDとなる。
したがって、N型MFSFET101とP型MOSFET102のドレイン電極に接続された入出力端子106は正の電位+VDDとなってN型MFSFET103はオンし、P型MOSFET104はオフする。
この結果、N型MFSFET103とP型MOSFET104のドレイン電極は負の電位−VSSとなる。この電位は初め負の電位を加えられた入出力端子105に伝わり安定状態となる。
このとき、N型MFSFET101のゲート電極は負の電位−VSSであり、ドレイン電極は正の電位+VDDとなっているので、N型MFSFET101の強誘電体薄膜はこの電位状態を反映した分極が起こる。この分極は、N型MFSFET101の電界効果型トランジスタのスレッショルドをオフしやすい高いスレッショルド電圧にする。
また、N型MFSFET103のゲート電極は正の電位+VDDであり、ソース電極とドレイン電極は負の電位−VSSとなっているので、N型MFSFET103の強誘電体薄膜はN型MFSFET101とは逆の分極が起こる。この分極は、N型MFSFET103の電界効果型トランジスタのスレッショルドを導通しやすい低いスレッショルド電圧にする。
したがって、この状態で電源が遮断されると、N型MFSFET101の強誘電体薄膜はスレッショルド電圧を高い状態とする残留分極となって保存され、N型MFSFET103の強誘電体薄膜はスレッショルド電圧を低い状態とする残留分極となって保存される。
その後、再び電源が投入されると、強誘電体薄膜の残留分極によるスレッショルド電圧の影響により、N型MFSFET101はオフしやすく、N型MFSFET103はオンしやすい。このため、N型MFSFET101とN型MFSFET101103、およびP型MOSFET102とP型MOSFET104がそれぞれ対称形に構成されていれば、偏りとしては強誘電体薄膜の残留分極によるスレッショルド電圧の差のみとなる。
従って、N型MFSFET101はオフし、N型MFSFET103はオンする状態、つまり第1入出力端子105が負のVSS電位、第2入出力端子106は正のVDD電位の状態で安定する。
これは、電源を遮断する前のラッチ回路の状態に、電源を再投入も安定して復帰することを意味している。これも2つのN型MFSFET101、103の強誘電体薄膜の残留分極による効果である。
以上により、図1に示すラッチ回路は、電源を遮断し、その後、電源を再投入したときに、前の状態に復帰する不揮発性のラッチ回路となっていることが解る。
また、このラッチ回路では、記憶されるデータを読み出すには、入出力端子105もしくは入出力端子106の電位を用いればよく、かつ、このとき充分に高いインピーダンスで信号を読み出せば、その記憶状態や強誘電体薄膜の内部分極には影響を与えない。
さらに、このラッチ回路では、記憶状態のデータを書き換えるには、N型MFSFET101、103やP型MOSFET102、104のインピーダンスに比較し、充分に低いインピーダンス源で、入出力端子105もしくは入出力端子106に信号を加えれば良い。一度、ラッチ回路の状態が反転すれば、書き換えの入力信号が無くなっても、ラッチ回路を保持する状態が強誘電体薄膜の内部分極を前述した記憶機能に望ましい方向に自ら強化する。
なお、このラッチ回路では、動作時の内部分極や残留分極がスレッショルド電圧に与える影響が電界効果型トランジスタのスレッショルド電圧、あるいは回路動作上、最適点とならないことが考えられる。この場合には、N型MFSFET101、103にそれぞれチャネルドープを行い、動作点を調整することが場合により有効であり、一層効果的となる。
また、図4、図5では、ソース電極とドレイン電極が同電位の場合の分極とキャリアの状態を示しているのに対し、図1のラッチ回路において、MFSFET101、103では必ずしもソース電極とドレイン電極とが同電位とはならない。つまり、オンする場合にはソース電極とドレイン電極は同電位となるが、オフしている場合はソース電極とドレイン電極は異なる電位がかかる。
しかし、この場合でもドレイン側ではオフしやすい方向に分極が起こる。また、ソース側においても、図18の特性点1801の分極と特性点1802の分極ほどの差が分極状態に起こる。これらは、MFSFET101とMFSFET103の分極の差として明確に生じ、かつ、電源再投入時における状態の偏りとしては充分な量である。したがって、図1の回路は、前述した回路動作と機能を有することになる。
〔本発明の強誘電体トランジスタラッチ回路の第2実施形態〕
図6は、本発明の強誘電体トランジスタラッチ回路の第2実施形態の構成を示す回路図である。
この第2実施形態は、図6に示すように、インバータ回路807とインバータ回路808とを備え、インバータ回路807とインバータ回路808とは、互いにその出力を入力として帰還させるようにたすき掛けに接続させた不揮発性のラッチ回路からなる。
また、第2実施形態は、そのような構成により、電源の切断時に1ビットのデータを保持でき、電源の投入時には電源の切断時におけるデータの保持状態に速やかに復帰でき、しかもそのラッチ回路自体の構成がデータの書き込み回路とデータ出力回路を兼ねることができるようにしたものである。
インバータ回路807は、導電型がN型の絶縁ゲート電界効果型トランジスタ(以下、N型MOSFETという)801と、導電型がP型であってゲート部に強誘電体薄膜を有する電界効果型トランジスタ(以下、P型MFSFETという)802とを組み合わせた相補型の回路からなる。
インバータ回路808は、導電型がN型の絶縁ゲート電界効果型トランジスタ(以下、N型MOSFETという)803と,導電型がP型であってゲート部に強誘電体薄膜を有する電界効果型トランジスタ(以下、P型MFSFETという)804と、を組み合わせた相補型の回路からなる。
次に、インバータ回路807、808の具体的な構成について、図6を参照して説明する。
P型MFSFET802のソース電極は+VDD〔V〕の電位を持つ正極の電源端子に接続され、N型MOSFET801のソース電極は−VSS〔V〕の電位を持つ負極の電源端子に接続され、P型MFSFET802のゲート電極とN型MOSFET801のゲート電極とは互いに接続され、その共通接続部が入出力端子805に接続されている。また、P型MFSFET802のドレイン電極とN型MOSFET801のドレイン電極とは互いに接続されている。
また、P型MFSFET804のソース電極は+VDD〔V〕の電位を持つ正極の電源端子に接続され,N型MOSFET803のソース電極は−VSS〔V〕の電位を持つ負極の電源端子に接続され、P型MFSFET804のゲート電極とN型MOSFET803のゲート電極とは互いに接続され、その共通接続部が入出力端子806と接続されている。また、P型MFSFET804のドレイン電極とN型MOSFET803のドレイン電極とは互いに接続されている。
さらに、インバータ回路807を構成するP型MFSFET802とN型MOSFET801のドレイン電極は入出力端子806に接続され、インバータ回路808を構成するP型MFSFET804とN型MOSFET803のドレイン電極は入出力端子805に接続され、インバータ回路807とインバータ回路808とによって全体として第2実施形態に係るラッチ回路を構成している。
なお、以上の構成において、インバータ回路807とインバータ回路808は、レイアウトパターンにおいて同一、もしくは対称形に構成され、かつ、MFSFETとMOSFETの特性は対応する素子において同一の特性とする。
ここで、図6の回路は、P型MFSFETがN型MFSFETより構成しやすい場合に適した構成である。
このような構成から第2実施形態は、図1に示すN型MFSFET101、103を図6に示すP型MFSFET802、804に置き換えるとともに 図1に示すP型MOSFET102、104を図6に示すN型MOSFET801、803に置き換え、この置き換えに伴って電源を逆に構成したものである。
すなわち、図6に示す第2実施形態は、インバータ回路のMFSFETをN型からP型を置き換えるとともに、インバータ回路のMOSFETをP型からN型に置き換え、そのために電源の正と負を逆に構成したものであり、ラッチ回路としては図1に示した第1実施形態と実質的に同一の動作をする。
従って、図6に示す第2実施形態によれば、図1に示す第1実施形態と同様に、データの読み出しと、書き込み動作が可能な不揮発性ラッチ回路が実現できる。
ところで、この第2実施形態では、図6に示すP型MFSFET802、804は、図7および図8に示すような構造のものを使用する。そこで、P型MFSFETにおける残留分極とチャネル部のスレッショルド電圧の変化の様子について、図7、図8を参照して説明する。
図7は、ゲート電極端子604が0電位、ソースもしくはドレインとなる電極端子605、606が正側のV電位となった場合の残量分極とチャネル部に誘起されるキャリアの状態を示すものである。図7では、チャネル部に誘起されたホール(正孔)を複数の破線模様で表現している。
なお、図7において、600は図2に示す強誘電体薄膜200と同様に構成される強誘電体薄膜、601は金属からなるゲート電極である。また、602はP+ 拡散からなるソースもしくはドレインとなる第1電極、603はP+ 拡散からなるドレインもしくはソースとなる第2電極、609はシリコン基板である。
また、図8は、ゲート電極端子604が正側のV電位、ソースもしくはドレインとなる電極端子605、606が正側の0電位となった場合の残量分極とチャネル部に誘起されるキャリアの状態を示すものである。図8では、残留分極がチャネル部のキャリアの発生を抑える方向に作用している。
なお、第2実施形態におけるP型MFSFET802、804についても、第1実施形態のN型MFSFET101、103と同様にそれぞれチャネルドープを行い、その動作点を調整することが有効である。
〔本発明の強誘電体トランジスタラッチ回路の第3実施形態〕
図9は、本発明の強誘電体トランジスタラッチ回路の第3実施形態の構成を示す回路図である。
この第3実施形態は、図9に示すように、インバータ回路907とインバータ回路908とを備え、インバータ回路907とインバータ回路908とは、互いにその出力を入力として帰還させるようにたすき掛けに接続させた不揮発性のラッチ回路からなる。
また、第3実施形態は、そのような構成により、電源の切断時に1ビットのデータを保持でき、電源の投入時には電源の切断時におけるデータの保持状態に速やかに復帰でき、しかもそのラッチ回路自体の構成がデータの書き込み回路とデータ出力回路を兼ねることができるようにしたものである。
インバータ回路907は、導電型がN型であってゲート部に強誘電体薄膜を有する電界効果型トランジスタ(以下、N型MFSFETという)901と、導電型がP型であってゲート部に強誘電体薄膜を有する電界効果型トランジスタ(以下、P型MFSFETという)902とを組み合わせた相補型の回路からなる。
インバータ回路908は、導電型がN型であってゲート部に強誘電体薄膜を有する電界効果型トランジスタ(以下、N型MFSFETという)903と、導電型がP型であってゲート部に強誘電体薄膜を有する電界効果型トランジスタ(以下、P型MFSFETという)904とを組み合わせた相補型の回路からなる。
この第3実施形態では、図9に示すように、ラッチ回路を構成するトランジスタをN型、P型ともすべてMFSFETを用いている点が、図1および図6に示す第1および第2実施形態の構成とは異なる。
なお、第3実施形態で使用されるN型とP型のMFSFETは、第1実施形態で使用されるN型MFSFETと(図2参照)と、第2実施形態で使用されるP型MFSFET(図7参照)と同様のものである。
次に、インバータ回路907、908の具体的な構成について、図9を参照して説明する。
N型MFSFET901のソース電極は−VSS〔V〕の電位を持つ負極の電源端子に接続され、P型MFSFET902のソース電極は+VDD〔V〕の電位を持つ正極の電源端子に接続され、N型MFSFET901のゲート電極とP型MFSFET902のゲート電極とは互いに接続され、その共通接続部が入出力端子905に接続されている。また、N型MFSFET901のドレイン電極とP型MFSFET902のドレイン電極とは、互いに接続されている。
また、N型MFSFET903のソース電極は−VSS〔V〕の電位を持つ負極の電源端子に接続され、P型MFSFET904のソース電極は+VDD〔V〕の電位を持つ正極の電源端子に接続され、N型MFSFET903のゲート電極とP型MFSFET904のゲート電極とは互いに接続され、その共通接続部が入出力端子906に接続されている。また、N型MFSFET903のドレイン電極とP型MFSFET904のドレイン電極とは互いに接続されている。
さらに、インバータ回路907を構成するN型MFSFET901とP型MOSFET902のドレイン電極は入出力端子906に接続され、インバータ回路908を構成するN型MFSFET903とP型MFSFET904のドレイン電極は入出力端子905に接続され、インバータ回路907とインバータ回路908とによって全体として第3実施形態に係るラッチ回路を構成している。
以上の構成において、インバータ回路907とインバータ回路908はレイアウトパターンにおいて同一、もしくは対称形に構成され、かつ各P型およびN型のそれぞれのMFSFETの特性は、対応する素子において同一の特性とする。
次に、このような構成からなる第3実施形態の動作について、図9、図10、および図11を参照して説明する。
図9に示すように、インバータ回路907は、その構成要素がN型、P型のMFSFETからなる。このため、入出力端子905に正の高電位が加わると、そのドレイン電極は負の低電位となり、N型MFSFET901はオンすると同時に、より導通しやすい低スレッショルド電圧になる方向にゲート部の強誘電体薄膜は分極する。このとき、P型MFSFET902はオフすると同時に、よりオフする高いスレッショルド電圧になる方向にゲート部の強誘電体薄膜は分極する。このときの分極状態は、図10の左側半分に示すようになる。
また、イバータ回路908は、N型MFSFET903とP型MFSFET904によって構成している。このため、入出力端子906に正の高電位が加わると、そのドレイン電極は負の低電位となり、N型MFSFET903はオンすると同時に、より導通しやすい低スレッショルド電圧になる方向にゲート部の強誘電体薄膜は分極する。このとき、P型MFSFET904はオフすると同時に、よりオフする高いスレッショルド電圧になる方向にゲート部の強誘電体薄膜は分極する。このような分極状態は、図11の右側半分に示すようになる。
この第3実施形態では、インバータ回路907とインバータ回路908は、それぞれの入力と出力を互いにたすき掛けしたラッチ回路を構成している。このため、入出力端子905が正の高電位+VDD〔V〕になると、入出力端子906は負の低電位−VSS〔V〕となる(図10参照)。
したがって、このとき、N型MFSFET901とP型MFSFET904はオンしてより導通しやすいスレッショルド電圧となるようにゲート部の強誘電体薄膜は分極する。また、N型MFSFET903とP型MFSFET902はオフしてよりオフするスレッショルド電圧となるようにゲート部の強誘電体薄膜は分極する。
一方、入出力端子905が負の低電位−VSS〔V〕になると、入出力端子906は正の高電位+VDD〔V〕となる(図11参照)。したがって、このとき、N型MFSFET901とP型MFSFET904はオフしてよりオフするスレッショルド電圧となるようにゲート部の強誘電体薄膜は分極する。また、N型MFSFET903とP型MFSFET902はオンしてより導通しやすいスレッショルド電圧となるようにゲート部の強誘電体薄膜は分極する。
以上、図9のラッチ回路の入出力端子が正負いずれの状態でも電源が切断されたとき、そのときのラッチ回路の各MFSFETの状態が反映するように各MFSFETのゲート部の強誘電体薄膜は残留分極として記憶している。
したがって、第3実施形態によれば、ラッチ回路としては安定した状態が2形態あるものの、再び電源が投入された場合に、各MFSFETが前の状態を反映する残留分極とスレッショルド電圧の偏りがあるので、前の状態の安定状態に復帰する。
したがって、図9の構成でも読み出しと、書き込み動作が可能な不揮発性ラッチ回路が実現する。
また、図9に示す第3実施形態では、図1や図8の回路構成に比較して、各トランジスタがすべて前の状態を反映するように残留分極とスレッショルド電圧を記憶しているので、電源を再投入後に前の状態に復帰する確度がより高く、信頼性と安定性がある。
なお、第3実施形態におけるMFSFETについても、第1実施形態のMFSFETと同様にそれぞれチャネルドープを行い、その動作点を調整することが有効である。
〔本発明の強誘電体トランジスタラッチ回路の応用例〕
次に、本発明の強誘電体トランジスタラッチ回路の応用例について説明する。
この応用例の説明に先立って、本発明の強誘電体トランジスタラッチ回路の第1、第2、および第3の実施形態でそれぞれ説明した図1、図8、図9の回路の等価回路を、図12に示す。
図12において、1211、1212は、ゲート部に強誘電体薄膜を有するMFSFETを少なくとも1個有するインバータ回路を示す回路記号(図記号)である。従って、図12は、MFSFETを少なくとも1個有するインバータ回路1211、1212からなり、互いに入力と出力をたすき掛けしたラッチ回路を回路記号で表わしている。
(第1の応用例)
図13は、本発明の強誘電体トランジスタラッチ回路を実際の回路に応用した第1の応用例を示す図である。
この第1の応用例は、図13に示すように、本発明に係る強誘電体トランジスタラッチ回路1310を、集積回路1300内に設けて使用する場合である。
集積回路1300は、その内部にバッファ回路として機能するインバータ回路1321を備え、そのインバータ回路1321の入力端子は、外部からから信号を入力するパッドからなる入力端子1322に接続されている。強誘電体トランジスタラッチ回路1310は、1つの入出力端子がパッドからなる入力端子1322とインバータ回路1321の入力端子に接続されている。
なお、強誘電体トランジスタラッチ回路1310の入出力端子は、出力端子として作用する場合のインピーダンスを集積回路1300の外部の信号源のインピーダンスより充分高く設定する。
次に、このような構成からなる第1の応用例の動作について、図13を参照して説明する。
入力端子1322に集積回路1300の外部から制御信号を加える場合、高電位(High)もしくは低電位(Low)の信号を供給する。このとき、外部から加える制御信号の信号源のインピーダンスは充分低いので、強誘電体トランジスタラッチ回路1310の影響を受けることなくインバータ回路1321の入力端子に制御信号を送ることができる。また、強誘電体トランジスタラッチ回路1310は、この制御信号のデータ情報をラッチして記憶する。
さて、インバータ回路1321の入力端子には、高電位もしくは低電位の信号電位が常に無いと、動作が不安定になったり、貫通電流が流れたりする。したがって、強誘電体トランジスタラッチ回路1310が無い場合には、集積回路1300の外部からいつまでも制御信号を与え続ける必要がある。
しかし、図13に示すように、強誘電体トランジスタラッチ回路1310を入力端子1322に電気的に接続することにより、強誘電体トランジスタラッチ回路1310に記憶された信号がインバータ回路1321の入力端子に加わるので、集積回路1300の外部から信号を与え続けることが不要になる効果がある。
そして、強誘電体トランジスタラッチ回路1310は、その入出力端子に寄生する静電容量の正極側と負極側のバランスに注意を払うことにより、電源を切断し、その後、再投入した場合でも前の状態を記憶している不揮発性のラッチ回路となっている。
ここで、図13の強誘電体トランジスタラッチ回路1310の用い方は、そのラッチ回路1310からみると2個の入出力端子の一方のみに信号配線を接続しているので、電源を再投入しデータを復元させる際に、残留分極以外に偏りの要因として寄生静電容量の偏りが生じてしまう可能性がある。
したがって、信号配線を接続する入出力端子の他端の入出力端子にダミー配線を設けてバランスをとることが、誤動作を防ぐ上で更に望ましい。
(第2の応用例)
図14は、本発明の強誘電体トランジスタラッチ回路を実際の回路に応用した第2の応用例である。
この第2の応用例は、図14に示すように、本発明に係る2つの不揮発性のラッチ回路1401、1402を、揮発性のラッチ回路1405と組み合わせて使用するようにしたものである。
ラッチ回路1405は、MOSFETから構成されたNAND回路(非論理積回路)1403、1404からなる。すなわち、NAND回路1403の第1入力ゲートはNAND回路1404の出力端子に接続され、NAND回路1404の第2入力ゲートはNAND回路1403の出力端子に接続されている。つまり、2個のNAND路1403、1404の入力端子、出力端子を相互にたすき掛けすることにより、ラッチ回路1405が構成されている。
また、ラッチ回路1401の一方の入出力端子がNAND回路1403の出力端子に接続され、ラッチ回路1402の一方の入出力端子がNAND回路1404の出力端子に接続されている。
なお、NAND回路1403の第2入力ゲート、およびNAND回路1404の第1入力ゲートには、他の信号が入力されるようになっている。
次に、このような構成からなる第2の応用例の動作について、図14を参照して説明する。
ラッチ回路1405は、前の状態を記憶していて、次の動作に影響を与える役目をしているが、ラッチ回路1405だけでは電源を切ると状態を示すデータは消えてしまい、電源を再投入した場合には、所望の動作をさせる為には、あらためて状態を設定する必要がある。
しかし、この第2の応用例では、図14に示すように、本発明に係るラッチ回路1401の入出力端子がNAND回路1403の出力端子に接続され、ラッチ回路1402の入出力端子がNAND回路1404の出力端子に接続されているので、ラッチ回路1405の状態を記憶している。
このため、電源を一度切断し、再投入後においても、ラッチ回路1405の状態を再現できるので、電源の再投入後に状態を再設定することが不要で、電源の再投入直後から動作可能となる効果がある。
ここで、NAND回路1403、1404と強誘電体トランジスタラッチ回路1401、1402とを対称性を良くレイアウトすることは、正常な動作を実現する上で重要である。
〔強誘電体薄膜の他の材料例〕
上記の各実施形態で使用されるMFSFETでは、例えば図2や図7に示すように、そのゲート電極の直下に強誘電体薄膜が埋め込まれた構造を採用し、強誘電体の材料をPZTN、PZT、あるいはSBTなどの無機の強誘電体としていた。
しかし、図2に示す強誘電体薄膜200などは、シリコン基板209の上方に形成されている。したがって、これはシリコン(Si)の上に強誘電体を結晶化させることになるが、一般的にシリコン結晶上に直接無機強誘電体結晶を成長させることは困難であり、境界においては結晶欠陥を多く残すことになるため、理想的なMFS構造が形成されないおそれがある。
この結果、強誘電体薄膜200と基板209は前記結晶欠陥のために強誘電体薄膜200の残留分極が影響を受け、所望のデータが短期間に消滅してしまうという不具合が考えられる。
そこで、無機の強誘電体材料ではなく、図2や図7において、強誘電体薄膜200、600に有機強誘電体を用いる方法が考えられる。有機強誘電体は、無機強誘電体に比べ低温で形成されるため、シリコンとの界面に欠陥を多く含む層が形成されず、理想的なMFS構造を形成することができる。
したがって、図2や図7において、強誘電体薄膜200、600が有機強誘電体であれば、良好な特性の強誘電体薄膜をゲート部に持つMOSFETのメモリセルが実現できる。
ここで、その有機強誘電体の材料としては、PVDF(poly(vinylidene fluoride) )、P(VDF/TrFE)(poly(vinylidene f luoride−t rifluoroethylene)、もしくはナイロン7、ナイロン11等の奇数ナイロンが適している。
〔MFSFETの他の構造例〕
上記の各実施形態で使用されるMFSFETでは、例えば図2や図6に示すように、そのゲート電極の直下に強誘電体薄膜が埋め込まれた構造を採用するが、図15または図16に示すような構造にするようにしても良い。
図15は、強誘電体薄膜をゲート部に持つMFSFETの第2の構造例を示す断面図である。
図15において、1501は金属からなるゲート電極、1502はN拡散からなるソースもしくはドレインとなる第1電極、1503はN拡散からなるドレインもしくはソースとなる第2電極である。1500は強誘電体薄膜であり、1504は常誘電体薄膜からなる緩衝層である。
図2と図15の相違は、図15において、常誘電体絶縁物からなる緩衝層1504を基板1509と強誘電体薄膜1500との間に設けた点である。
このように緩衝層1504を設けた理由は、強誘電体薄膜1500の結晶性等が不完全であると、図2の構造では、図15においてMFSFETの基板1509と強誘電体薄膜1500の間で電荷の漏洩が起こり、強誘電体薄膜1500の残留分極の保持特性が悪化することが起こりうるからである。従って、絶縁物であり、かつ強誘電体薄膜1500が結晶成長しやすい緩衝層1504を設けることにより、前記特性の劣化を防ぐことができる。
図16は、強誘電体薄膜をゲート部に持つMFSFETの第3の構造例を示す断面図である。
図16において、1601は金属からなるゲート電極、1602はN拡散からなるソースもしくはドレインとなる第1電極、1603はN拡散からなるドレインもしくはソースとなる第2電極である。1600は強誘電体薄膜であり、1604は絶縁性を重視した常誘電体薄膜からなる第1の緩衝層であり、1605は強誘電体が結晶化しやすい材質の第2の緩衝層である。
図15と図16の相違は、図16において、第2の緩衝層1605を第1の緩衝層1604と強誘電体薄膜1600との間に設けた点である。
緩衝層の役目は、基板1609と強誘電体薄膜1600との間の絶縁性と、強誘電体薄膜1600の結晶化とを容易にすることであるが、1つの材料でこれら2つの役目を実現するのが難しい場合がある。
そこで、この第3の構造例では、図16のように、2つの第1緩衝層1604と第2緩衝層1605を設け、これらによりその2つの役目を分担するようにした。
〔その他〕
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。以下に、他の実施形態などについて説明する。
図2において、無機の強誘電体薄膜としてPZTNを好ましい例に挙げ、かつ、強誘電体薄膜の印加電圧−分極電荷特性として第3図を挙げたが、必ずしもPZTNである必要はない。例えば、すでに強誘電体として挙げたPZTやSBTでも良い。なお、このときには、その強誘電体薄膜の特性例は図18が典型的なものとなる。
また、無機の強誘電体薄膜の他の材料例としては、BLT(Bi4XLaTi12)、(Ba,Sr)TiO、BiTi12、BaBiNb等々がある。また、組成の割合が変われば無数にある。さらに、強誘電体薄膜の上層部と下層部で組成のことなる材料を積層させたものを用いるようにしても良い。
また、金属膜、または金属膜の電極の材料としては、前述した白金(Pt)以外に、Ta、Tiを用いても良いし、Pt/Tiの合金を用いても良い。さらに、その材料としてRuO、IrO、SrRuO、RhO等の酸化物導電性膜を用いることも場合によっては可能である。その材料としていかなるものを選択するかは、電気的特性のみならず、品質の信頼性、製造上の容易さ、製造コスト等を総合的に検討する中で選択する。
また、図2、図15、図16等において、MFSFETの構造はバルク基板を持つ型で説明をしたが、埋め込み酸化膜層を有するシリコン・オン・インシュレータ基板SOI(Silicon On Insulator)を用いた集積回路においても同様に適用できる。
さらに、図13、図14において、本発明の強誘電体トランジスタラッチ回路の集積回路での適用例を挙げたが、図13のように入力端子1322のフローティング防止のみならず、同様のフローティング防止という点ではデータのバスラインに用いるようにしても良い。
また、データを記憶するという目的では、図14のラッチ回路1405のみならず、集積回路の電源再投入後に速やかに以前の状態から動作させるのに必要な回路の信号の各箇所に、本発明の強誘電体トランジスタラッチ回路を接続することが効果的である。
本発明の強誘電体トランジスタラッチ回路の第1実施形態の構成を示す回路図である。 そのラッチ回路を構成するN型MFSFETの第1の構造例を示す断面図である。 そのN型MFSFETの強誘電体薄膜の印加電圧と分極電荷の代表的なヒステリシス特性を示す特性図である。 そのN型MFSFETの強誘電体薄膜の第1の分極状態を説明する断面図である。 そのN型MFSFETの強誘電体薄膜の第2の分極状態を説明する断面図である。 本発明の強誘電体トランジスタラッチ回路の第2実施形態の構成を示す回路図である。 その第2実施形態に係るP型MFSFETの強誘電体薄膜の第1の分極状態を説明する断面図である。 その第2実施形態に係るP型MFSFETの強誘電体薄膜の第2の分極状態を説明する断面図である。 本発明の強誘電体トランジスタラッチ回路の第3実施形態の構成を示す回路図である。 その第3実施形態におけるMFSFETの強誘電体薄膜の第1の分極状態の様子を説明する断面図である。 その第3実施形態におけるMFSFETの強誘電体薄膜の第2の分極状態の様子を説明する断面図である。 本発明の強誘電体トランジスタラッチ回路をシンボル(図記号)で示した図である。 本発明の強誘電体トランジスタラッチ回路の第1の応用例を示す回路図である。 本発明の強誘電体トランジスタラッチ回路の第2の応用例を示す回路図である。 本発明に使用されるMFSFETの第2の構造例を示す断面図である。 本発明に使用されるMFSFETの第3の構造例を示す断面図である。 従来の強誘電体メモリ装置に用いる強誘電体コンデンサの構造例を示す断面図である。 従来の強誘電体メモリ装置に用いる強誘電体薄膜の印加電圧と分極電荷の代表的なヒステリシス特性を示す特性図である。 従来の強誘電体薄膜の印加電圧と分極電荷の状態を示す模式図である。 従来の強誘電体メモリ装置に用いるメモリセルの構造の第1の例を示す回路図である。 従来の強誘電体メモリ装置に用いるメモリセルの構造の第2の例を示す回路図である。 従来の強誘電体メモリ装置に用いるメモリセルアレイの構成例を示す回路図である。
符号の説明
101、103、901、903・・・N型MFSFET、102、104、・・・P型MOSFET、105、106、805、806、905、906・・・入出力端子、107、108、807、808、907、908・・・インバータ回路、200、600・・・強誘電体薄膜、801、803、2012・・・N型MOSFET、802、804、902、904・・・P型MFSFET

Claims (9)

  1. 第1の導電型であってゲート部に強誘電体薄膜を有する第1の電界効果型トランジスタと、第2の導電型である第1の絶縁ゲート電界効果型トランジスタとを組み合わせた相補型の第1のインバータ回路と、
    第1の導電型であってゲート部に強誘電体薄膜を有する第2の電界効果型トランジスタと、第2の導電型である第2の絶縁ゲート電界効果型トランジスタとを組み合わせた相補型の第2のインバータ回路とを備え、
    前記第1のインバータ回路と第2のインバータ回路とは、互いにその出力を入力として帰還させるようにたすき掛けに接続させたことを特徴とする強誘電体トランジスタラッチ回路。
  2. 第1の導電型であってゲート部に強誘電体薄膜を有する第1の電界効果型トランジスタと、第2の導電型であってゲート部に強誘電体薄膜を有する第2の電界効果型トランジスタとを組み合わせた相補型の第1のインバータ回路と、
    第1の導電型であってゲート部に強誘電体薄膜を有する第3の電界効果型トランジスタと、第2の導電型であってゲート部に強誘電体薄膜を有する第4の電界効果型トランジスタとを組み合わせた相補型の第2のインバータ回路とを備え、
    前記第1のインバータ回路と第2のインバータ回路とは、互いにその出力を入力として帰還させるようにたすき掛けに接続させたことを特徴とする強誘電体トランジスタラッチ回路。
  3. 電源と接続される第1電源端子および第2電源端子と、
    第1の導電型であって、ゲート部に強誘電体薄膜を有する第1の電界効果型トランジスタと、
    第1の導電型であって、ゲート部に強誘電体薄膜を有する第2の電界効果型トランジスタと、
    第2の導電型である第1の絶縁ゲート電界効果型トランジスタと、
    第2の導電型である第2の絶縁ゲート電界効果型トランジスタと、を有し、
    前記第1の電界効果型トランジスタのソース電極は前記第1電源端子に接続され、前記第1の絶縁ゲート電界効果型トランジスタのソース電極は前記第2電源端子に接続され、前記第1の電界効果型トランジスタのドレイン電極と前記第1の絶縁ゲート電界効果型トランジスタのドレイン電極は互いに接続され、かつ、前記第1の電界効果型トランジスタのゲート電極と前記第1の絶縁ゲート電界効果型トランジスタのゲート電極は互いに接続され、
    前記第2の電界効果型トランジスタのソース電極は前記第1電源端子に接続され、前記第2の絶縁ゲート電界効果型トランジスタのソース電極は前記第2電源端子に接続され、前記第2の電界効果型トランジスタのドレイン電極と前記第2の絶縁ゲート電界効果型トランジスタのドレイン電極は互いに接続され、かつ、前記第2の電界効果型トランジスタのゲート電極と前記第2の絶縁ゲート電界効果型トランジスタのゲート電極は互いに接続され、
    前記第1の電界効果型トランジスタのドレイン電極と前記第1の絶縁ゲート電界効果型トランジスタのドレイン電極は、前記第2の電界効果型トランジスタのゲート電極と前記第2の絶縁ゲート電界効果型トランジスタのゲート電極に接続され、
    さらに、前記第2の電界効果型トランジスタのドレイン電極と前記第2の絶縁ゲート電界効果型トランジスタのドレイン電極は、前記第1の電界効果型トランジスタのゲート電極と前記第1の絶縁ゲート電界効果型トランジスタのゲート電極に接続されていることを特徴とする強誘電体トランジスタラッチ回路。
  4. 電源と接続される第1電源端子および第2電源端子と、
    第1の導電型であって、ゲート部に強誘電体薄膜を有する第1の電界効果型トランジスタと、
    第2の導電型であって、ゲート部に強誘電体薄膜を有する第2の電界効果型トランジスタと、
    第1の導電型であって、ゲート部に強誘電体薄膜を有する第3の電界効果型トランジスタと、
    第2の導電型であって、ゲート部に強誘電体薄膜を有する第4の電界効果型トランジスタと、を有し、
    前記第1の電界効果型トランジスタのソース電極は前記第1電源端子に接続され、前記第2の電界効果型トランジスタのソース電極は前記第2電源端子に接続され、前記第1の電界効果型トランジスタのドレイン電極と前記第2の電界効果型トランジスタのドレイン電極は互いに接続され、かつ、前記第1の電界効果型トランジスタのゲート電極と前記第2の電界効果型トランジスタのゲート電極は互いに接続され、
    前記第3の電界効果型トランジスタのソース電極は前記第1電源端子に接続され、前記第4の電界効果型トランジスタのソース電極は前記第2電源端子に接続され、前記第3の電界効果型トランジスタのドレイン電極と前記第4の電界効果型トランジスタのドレイン電極は互いに接続され、かつ、前記第3の電界効果型トランジスタのゲート電極と前記第4の電界効果型トランジスタのゲート電極は互いに接続され、
    前記第1の電界効果型トランジスタのドレイン電極と前記第2の電界効果型トランジスタのドレイン電極は、前記第3の電界効果型トランジスタのゲート電極と前記第4の電界効果型トランジスタのゲート電極に接続され、
    さらに、前記第3の電界効果型トランジスタのドレイン電極と前記第4の電界効果型トランジスタのドレイン電極は、前記第1の電界効果型トランジスタのゲート電極と前記第2の電界効果型トランジスタのゲート電極に接続されていること特徴とする強誘電体トランジスタラッチ回路。
  5. 請求項1乃至請求項4のうちの何れか1の請求項において、
    前記ゲート部に強誘電体薄膜を有する電界効果型トランジスタは、チャネルドープが行われていることを特徴とする強誘電体トランジスタラッチ回路。
  6. 請求項1乃至請求項5のうちの何れか1の請求項において、
    前記強誘電体薄膜は、無機強誘電体からなることを特徴とする強誘電体トランジスタラッチ回路。
  7. 請求項6において、
    前記無機強誘電体からなる強誘電体薄膜は、PZTNからなることを特徴とする強誘電体トランジスタラッチ回路。
  8. 請求項1乃至請求項5のうちの何れか1の請求項において、
    前記強誘電体薄膜は、有機強誘電体からなることを特徴とする強誘電体トランジスタラッチ回路。
  9. 請求項8において、
    前記有機強誘電体からなる強誘電体薄膜は、PVDF、P(VDF/TrFE)、もしくはナイロン7、ナイロン11等の奇数ナイロンからなることを特徴とする強誘電体トランジスタラッチ回路。
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