JP4046400B2 - 磁気テープ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気記録面と反対側の面に形成された所定形状のパターンを利用して、サーボトラッキングが可能になされている磁気テープに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、パソコンネットワークの規模増大やデータ管理のセキュリティ面から、データのバックアップ用媒体である磁気テープの大容量化が要求されている。大容量化の手段としては、記録密度を向上させる方法とテープ長を長くする方法とがある。
【0003】
ハードディスクドライブの記録密度に対して、磁気テープはトラック密度が低いため記録密度が低く、特にサーペンタイン方式の磁気テープの記録密度は低い。これに対して、もう一方の記録方式であるヘリカルスキャン方式の磁気テープは、ATF(Automatic Track Finding )と呼ばれるサーボトラッキング方式を採用しているため、サーペンタイン方式の磁気テープよりもトラック密度が高い。
【0004】
サーペンタイン方式の磁気テープにおいてもトラック密度を向上させるための手段としてサーボトラッキング方式が採用されており、そのようなサーボトラッキング方式として磁気記録面のデータトラックと同じトラックにサーボ信号を書込む方式(埋め込みサーボ方式)や、磁気記録面に専用のサーボトラックを設ける方法等が提案されてきた。特にデータトラックのピッチが数十μmになった場合のサーボトラッキング方式として、特公平7−82626号公報においては磁気記録面に専用のサーボトラックを設け且つ複数のサーボ信号再生ヘッドによってサーボ信号を読み出してトラッキングする方式が提案されている。しかしこの方法は、トラック数の増加に伴いサーボ信号再生ヘッドの数を増やさなければならず、それを避ける為にはサーボトラックを増やさなければならない。このように従来のサーボトラッキング方式は、磁気記録面のデータエリアと同じエリアをサーボトラッキングのためのエリアとして使用するため、データエリアの面積が減少してしまうという問題がある。特に特公平7−82626号公報記載のサーボトラッキング方式では、トラック密度が約30tpmm(トラック/mm)以上といった高トラック密度になるとその問題が著しくなる。
【0005】
従って、本発明の目的は、データエリアの面積を減少させることなくサーボトラッキングを行い得る磁気テープを提供することにある。
また、本発明の目的は、トラック密度が向上した磁気テープを提供することにある。
更に、本発明の目的は、高記録容量を有する磁気テープを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、磁気テープにおける支持体とバックコート層との間に、光反射層と所定形状のパターンを有する中間層とを形成することにより、磁性層のデータエリアの面積を減少させることなくサーボトラッキングを行い得ることを知見した。更に、これらの層を形成してもバックコート層本来の機能が損なわれないことも知見した。
【0007】
本発明はこれらの知見に基づきなされたもので、支持体の一方の面上に磁性層が設けられ、他方の面上にバックコート層が設けられてなる磁気テープにおいて、
上記支持体と上記バックコート層との間に光反射層を設けると共に、該光反射層と該バックコート層との間に、光学的にコントラストを生じさせ得る所定形状のパターンを有する中間層を設け、該パターンからの光情報に基づき上記磁性層のデータトラックのサーボトラッキングが行われるようになされていることを特徴とする磁気テープを提供することにより上記目的を達成したものである。
【0008】
また、本発明は、上記磁気テープを用いた好ましいトラッキング方法および該磁気テープが使用される好ましい磁気記録再生装置を提供するものである。
即ち、上記トラッキング方法は、上記磁気テープの上記パターンに光を照射し、該光の反射光を検出して、該反射光の強度に基づき記録・再生ヘッドの変位を補正するか又は上記磁気テープの幅方向への変位を補正して、上記磁性層におけるデータトラックのトラッキングを行うようにしたことを特徴とするものである。
また、上記磁気記録再生装置は、上記磁気テープの上記バックコート層に対向して設置された光源と、該光源から上記パターンに入射した光の反射光を検出する手段と、該反射光の強度に基づき記録・再生ヘッドの変位を補正するか又は上記磁気テープの幅方向への変位を補正して、上記磁性層におけるデータトラックのトラッキングを行う手段とを具備することを特徴とするものである。
【0009】
本明細書において、中間層が所定形状のパターンを有するとは、中間層を平面視したときに、該中間層がある形状のパターンをなしている場合と、中間層の表面が平面でなく、ある立体的な形状のパターンを有している場合との二つの場合を包含している。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照して説明する。ここで、図1は、本発明の磁気記録再生装置の要部を示す概略図であり、図2は本発明の磁気テープの第1の実施形態の構成を示す概略図であり、図3は図2に示す磁気テープをバックコート層側からみたときの要部を示す図である。
【0011】
図1に示す磁気記録再生装置10は、磁気ヘッドユニット21、一対の位置決めガイドロール22,22’及び並びに順方向用光学ユニット23及び逆方向用光学ユニット23’を備えている。磁気記録再生装置10は、磁気テープ1の順方向(図1中、矢印Fで示す方向)及び逆方向(図1中、矢印Rで示す方向)への走行が可能なようになされている。順方向用光学ユニット23は、磁気ヘッドユニット21に対して順方向Fの下流側に配されている。同様に、逆方向用光学ユニット23’は、磁気ヘッドユニット21に対して逆方向Rの下流側に配されている。磁気ヘッドユニット21は三個の磁気ヘッドがテープ走行方向に沿って直線状に並設されたものから構成されており、中央に記録ヘッド17が配されている。そして、記録ヘッド7に対して順方向Fの上流側に順方向用再生ヘッド18が配されていると共に、逆方向Rの上流側に逆方向用再生ヘッド19が配されている。また、磁気記録再生装置10は、順方向用光学ユニット23及び逆方向用光学ユニット23’と電気的に接続され且つこれらのユニット23,23’で発生した電気信号に基づき磁気テープ1の幅方向への変位を判断するサーボトラッキング処理装置24を備えており、更にこのサーボトラッキング処理装置24と電気的に接続され且つこの装置24からの指令に基づき磁気ヘッドユニット21及び/又は位置決めガイドロール22,22’を駆動させるサーボ機構25を備えている。尚、図示していないが、磁気記録再生装置1には、これらの部材の他に、通常の磁気記録再生装置に備えられている各種部材、例えば磁気テープの駆動装置等と同様のものが備えられていることはいうまでもない。
【0012】
本発明の磁気テープの第1の実施形態について説明すると、図1に示す磁気記録再生装置10によって記録再生が行われる磁気テープ1は、図2に示すように、支持体2上に下層3が設けられており、下層3に隣接して最上層としての磁性層4が設けられている。一方、支持体2の他方の面上にバックコート層5が設けられている。そして、支持体2とバックコート層5との間に光反射層6が設けられており、更に光反射層6とバックコート層5との間に中間層7が設けられている。中間層7は平面視したときに所定形状のパターンを構成している。即ち、図3に示すように、中間層7は、磁気テープ1の長手方向に沿う2本の幅広の連続線状体から構成されており、磁気テープ1のほぼ全長に亘って形成されている。そして、斯かる連続線状体から構成される中間層7により、磁気テープ1の幅方向中央部には、テープ長手方向に沿う1本の幅狭の直線状溝部8が形成されている。
【0013】
図2に示す磁気テープ1は、サーペンタイン記録方式に用いられるものであり、磁性層4には、磁気テープ1の走行方向と平行に複数本のデータトラックが形成されている。この磁気テープ1の使用時には、所定個数の磁気ヘッドを備えたヘッドユニットを磁気テープ1の幅方向に順次移動させてデータトラックの切り替えを行いながら、各磁気ヘッドにより対応するデータトラックに対して記録または再生が行われる。そして、データトラックの切り替えの際ならびに記録および再生の際に、各磁気ヘッドが適正なデータトラック上に位置するようにサーボトラッキングが行われる。サーボトラッキングは、2本の連続線状体から構成される中間層7および該中間層7によって画定される溝部8からのトラッキング情報に基づき行われるようになされている。尚、上述の通り、磁性層4におけるデータトラックも溝部8と同様に磁気テープ1の長手方向に沿って直線状に形成されているが、データトラックと溝部8との相対的な位置関係については特に制限はない。
【0014】
中間層7および該中間層7によって画定される溝部8からのトラッキング情報の読み取り方法には、中間層7と溝部8との間で生ずる光学的なコントラスト(光情報)を利用した読み取り方法、具体的にはバックコート層5の側から所定波長の光を入射させ、中間層7からの反射光と溝部8からの反射光との強度の強弱によるコントラストを利用した読み取り方法がある。斯かる読み取り方法を用いたサーボトラッキングを行う場合には、プッシュプル法や3ビーム法等の光サーボ方式によりサーボトラッキングを行うことができる。プッシュプル法や3ビーム法等の光サーボ方式は、各種光ディスクのサーボトラッキングに一般的に用いられている技術である。
【0015】
上記磁気テープ1のサーボトラッキングを、プッシュプル法を用いた場合を例にとり図4を参照して説明する。ここで、図4は図1に示す光学ユニット23の要部を示す図である。尚、以下の説明では、簡便のために磁気テープ1が順方向に走行する場合、即ち、順方向用光学ユニット23を用いてサーボトラッキングが行われる場合についてのみ説明するが、磁気テープ1が逆方向に走行する場合についても順方向の場合と同様の説明が適用される。
【0016】
図4(a)に示すように、光学ユニット23は、光源30、レンズ31、ハーフミラー32及び光検出器33から構成されている。紙面に対して直角方向に走行する磁気テープにおけるバックコート層5に対向して設置された半導体レーザー等の光源30からの光はレンズ31によって所定径のビーム状に絞られ、ハーフミラー32を通過して、図4(b)に示すように溝部8に入射する。この際、ビーム径は溝部8の幅Wよりも若干小さくなされている。溝部8においては光反射層6が露出しており、光の反射率が高くなされている。従って、溝部8から強い反射光が生じる。この反射光はハーフミラー32において反射し進行方向が変わり、光検出器33によってその強度が検出される。反射光の強度は電気信号に変換されて、サーボトラッキング処理装置24に送られる。サーボトラッキング処理装置24(これについては後述する)は、この状態をオントラックの状態、即ち、磁気ヘッドが磁性層における所定のデータトラック上に適正に位置している状態と判断する。
【0017】
一方、図4(c)及び(d)に示すように、光が溝部8にすべて入射せずに、溝部8の左右何れかにずれて中間層7にも入射した場合には、中間層7が遮光率の高い材料から構成されているため、入射光が中間層7と光反射層6との界面にまで到達しにくく、十分な反射が行われない。その結果、反射光の強度は図4(b)に示す場合よりも弱くなる。サーボトラッキング処理装置24は、これらの状態をオフトラックの状態、即ち、磁気ヘッドが磁性層における所定のデータトラック上に適正に位置していない状態と判断する。
【0018】
サーボトラッキング処理装置24におけるオントラック・オフトラックの判断について詳述すると、このサーボトラッキング処理装置24では、反射光のビーム強度の対称性についての処理がなされる。即ち、ビーム強度が所定のしきい値よりも大きければ、十分な反射光が生じており光源30からの光が溝部8にすべて入射していると判断する〔図4(b)〕。この場合、サーボトラッキング処理装置24は、磁気ヘッドユニット21のサーボ機構25に対してトラッキングの指令は発しない。一方、ビーム強度がゼロか或いは所定のしきい値よりも小さく、ビームの中心線に関して左右何れかに非対称である場合には、光が中間層7にも入射していることになるので、入射光が溝部8の中心線から左方または右方の何れかの方向にずれて入射していると判断する〔図4(c)及び(d)〕。この場合、サーボトラッキング処理装置24は、ビーム強度の非対称性に基づき磁気テープが幅方向の何れの方向に変位したかを判断し、磁気ヘッドユニット21のサーボ機構25及び/又は位置決めガイドロール22,22’に対して磁気ヘッドユニット21を適正な位置に移動するよう指令を発する。その結果、該サーボ機構25によってトラッキングが行われ、磁気ヘッドユニット21はデータトラック上の適正な位置に復帰する。尚、このサーボ機構としては、磁気記録再生装置に通常用いられているものと同様のものが使用される。
【0019】
中間層7の厚みT(図2参照)は、支持体2の厚みやバックコート層5の厚みにもよるが、0.05〜1μmとすることが好ましい。厚みTが0.05μmに満たないと溝部8との物理的差異が現れにくく、サーボトラッキングが困難となることがあり、1μmを超えると、中間層7上のバックコート層5の厚みが溝部8におけるバックコート層5の厚みよりも相対的に薄くなる結果、溝部8におけるバックコート層5の表面に窪みが生じる場合がある。斯かる窪みが生じた磁気テープを巻回すると、該窪みの形状が磁性層4の表面に転写して磁性層4の表面性が低下する結果、エラーレートの増加を招くおそれがある。厚みTの更に好ましい範囲は0.05〜0.5μmである。
【0020】
中間層7間の間隔、即ち溝部8の幅W(図2及び図3参照)は、情報の読み取り方法等にもよるが、0.25〜30μmの範囲であると、良好にサーボトラッキングが可能となることから好ましい。幅Wの更に好ましい範囲は0.25〜25μmである。
【0021】
所定パターンの中間層7によって画定される溝部8は、図3に示すパターンの他、図5に示すように、磁気テープ1の幅方向全域に亘り所定間隔をおいた複数本の連続な幅狭の直線状パターンからなっていてもよい。或いは、磁気テープ1の幅方向に関して一部分にのみ、例えば幅方向中央部に所定間隔をおいて複数本存在していてもよく、また左右何れかの側方部にのみ所定間隔をおいて複数本存在していてもよい。更には磁気テープ1の幅方向に関して二カ所またはそれ以上の箇所に所定間隔をおいて存在していてもよい。例えば、左右両側方部に同一または異なる本数でそれぞれ一本以上、中央部および左右何れかの側方部に同一または異なる本数でそれぞれ一本以上、或いは中央部および左右両側方部に同一または異なる本数でそれぞれ一本以上存在していてもよい。そして、これら何れの場合においても、溝部8の本数は磁性層4におけるデータトラックの本数の整数分の1であることが好ましい。
【0022】
更に、中間層7によって画定される溝部8はテープ長手方向に平行でなくてもよい。例えば図6に示すように、テープ長手方向に対して所定の角度θ傾斜した斜線からなる溝部8がテープ幅方向を横切るように所定間隔をおいて規則的に配列されていてもよい。
【0023】
更に、中間層7によって画定される溝部8は直線状でなくてもよく、例えば磁気テープ1の長手方向に沿う一本または複数本の正弦波状の連続なパターンからなっていてもよい。更に、溝部8は連続でなくてもよく、例えば図7に示すように、磁気テープ1の長手方向に沿う不連続なパターンからなっていてもよい。
【0024】
図7に示す溝部8について説明すると、該溝部8は中間層7と共に海島構造をなしており、中間層7が海部に相当し、溝部8が島部に相当している。溝部8は磁気テープ1の長手方向に関して角度θ°傾斜した溝部8aと、角度−θ°傾斜した溝部8bとが、磁気テープ1の長手方向に沿って交互に且つ磁気テープの長手方向に沿う中心線Cに関して対称に形成されたものから構成されている。角度θの値はサーボトラッキングの位置決め精度に影響するので、充分な精度を確保するために、該角度θの値を5〜85°、特に10〜30°とすることが好ましい。溝部8a及び溝部8bの長さは異なっていてもよく、それぞれ5〜140mm、特に5〜80mmであることが好ましい。磁気テープ1の長手方向に関する溝部8aと溝部8bとの間隔gは、加工上の制約もあるが、できるだけ小さい方が望ましい。そして、図7に示す溝部8を用いた場合にも、図2及び図3の場合と同様のサーボトラッキングを行うことができる。
【0025】
次に、本発明の磁気テープの第2の実施形態を図8及び図9を参照して説明する。ここで、図8は、本発明の磁気テープの第2の実施形態の構成を示す概略図(図2相当図)であり、図9は、図8に示す磁気テープをバックコート層側から見たときの要部を示す図(図3相当図)である。尚、第2の実施形態については、第1の実施形態と異なる点についてのみ説明し、同じ点については特に説明しないが、第1の実施形態に関して詳述した説明が適宜適用される。図8及び図9において図2及び図3と同じ部材には同じ符号を付した。
【0026】
第2の実施形態の磁気テープが第1の実施形態の磁気テープと異なる点は、第1の実施形態では、2つの中間層7が形成されることによって、テープ幅方向中央部に所定幅の溝部8が形成されていたが、第2の実施形態においては、図8及び図9に示すように、一方のテープエッジEからテープ幅方向中央線Cまでの間の領域に一本の幅広の連続線状体からなる中間層7が形成されており、残りの領域、即ち、テープ幅方向中央線Cからもう一方のテープエッジE’まで間の領域には中間層が形成されておらず、中間層非形成部9となされている点である。
【0027】
詳細には、図8及び図9に示すように、中間層7及び中間層非形成部9は何れも同幅となされており、それぞれテープ長手方向に沿う一本の連続な幅広の直線状パターンをなしている。そして、中間層7と中間層非形成部9との境界K(この境界Kはテープ幅方向中央線Cと同位置にある)から得られるトラッキング情報に基づき磁性層4のデータトラックのサーボトラッキングが行われるようになされている。尚、第1の実施形態の場合と同様に、境界Kの位置と磁性層4におけるデータトラックとの相対的な位置関係については特に制限はない。
【0028】
中間層7と中間層非形成部9との境界Kから得られるトラッキング情報の読み取り方法としては第1の実施形態に関して詳述した方法と同様の方法を用いることができる。トラッキング情報の読み取り方法として、反射光の強度の強弱によるコントラストを利用した読み取り方法を、図10を参照して説明する。ここで、図10は、第2の実施形態の磁気テープにおけるトラッキング情報の読み取りに用いられる光学ユニットの要部を示す図(図4相当図)である。
【0029】
本実施形態におけるトラッキング情報の読み取りも、バックコート層5に入射した光の反射光の強度を検出することによって行われる。図10(a)に示すように、半導体レーザー等の光源30からの光はレンズ31によって所定径のビーム状に絞られ、ハーフミラー32を通過して、バックコート層5に入射する。この場合、第1の実施形態の場合と同様に、中間層非形成部9の反射率は中間層7の反射率よりも高くなるようになされている。従って、図10(b)に示すように、光が中間層7と中間層非形成部9との境界Kに入射した場合には、反射光の強度は、中間層7からの反射光の強度と中間層非形成部9からの反射光の強度との中間の値になる。一方、図10(c)に示すように光が中間層7にすべて入射した場合には、その反射光の強度は図10(b)に示す場合よりも小さくなり、逆に図10(d)に示すように光が中間層非形成部9にすべて入射した場合には、その反射光の強度は図10(b)に示す場合よりも大きくなる。このように、光が入射する位置によって反射光の強度が連続的に変化し、その強度は光検出器33によって検出される。光検出器33で検出された反射光の強度は電気信号に変換されて、サーボサーボトラッキング処理装置24に送られる。サーボトラッキング処理装置24は、電気信号の値に応じて、磁気ヘッドが磁性層における所定のデータトラック上に適正に位置しているか否かを判断し、磁気ヘッドが所定のデータトラック上に適正に位置していないと判断した場合にはサーボ機構25に対してサーボトラッキングを行うよう指令を発する。
【0030】
次に、本発明の磁気テープの第3の実施形態を図11を参照して説明する。ここで、図11は、本発明の磁気テープの第3の実施形態の構成を示す概略図(図2相当図)である。尚、第3の実施形態については、第1及び第2の実施形態と異なる点についてのみ説明し、同じ点については特に説明しないが、第1及び第2の実施形態に関して詳述した説明が適宜適用される。図11において図2と同じ部材には同じ符号を付した。
【0031】
本実施形態の磁気テープが第1及び第2の実施形態の磁気テープと異なる点は、第1及び第2の実施形態の磁気テープでは、中間層を平面視したときに、該中間層がある形状のパターンを構成していたのに対し、本実施形態の磁気テープでは、中間層は平面視して所定のパターンを構成するものではなく、代わりに、中間層の表面が平面でなく立体的な形状となっており、斯かる形状により所定のパターンが形成されている点である。
【0032】
詳述すると、図11に示すように、中間層7は光反射層6の全面を被覆するように形成されていると共に、その表面(即ち、バックコート層5との界面)が凹凸形状となっている。従って、本実施形態の磁気テープは、第1及び第2実施形態の磁気テープと異なり、バックコート層5と光反射層6とが直接接していない。凸部7’は、テープ長手方向に沿う幅広の直線状パターンとなっており、2本形成されている。一方、凹部7”は2本の凸部7’,7’間に位置しており、テープ長手方向に沿う幅狭の直線状パターンとなっている。凸部7’及び凹部7”は何れもテープ長手方向全域に亘って形成されている。
【0033】
本実施形態の磁気テープにおけるサーボトラッキングの方法は第1の実施形態の磁気テープのそれと同様である。即ち、第1の実施形態の磁気テープにおいては、中間層7からの反射光と溝部8からの反射光との強度の差を利用してサーボトラッキングが行われるが、これと同様に本実施形態の磁気テープについても、凸部7’からの反射光と凹部7”からの反射光との強度の差を利用してサーボトラッキングが行われる。詳細には、本実施形態の磁気テープにおける中間層7は、第1の実施形態の磁気テープにおける中間層と同様に、遮光性の高い材料から構成されているので、中間層7における凸部7’と凹部7”とで厚みが異なることに起因して両者の反射光の強度が異なる。具体的には厚みの小さい凹部7”からの反射光の方が、凸部7’からの反射光よりも強度が高くなる。つまり、本実施形態における凹部7”は第1の実施形態における溝部8に相当し、一方、本実施形態における凸部7’は第1の実施形態における中間層7に相当している。その結果、本実施形態の磁気テープは、第1の実施形態の磁気テープと同様のサーボトラッキングが行われる。
【0034】
本実施形態の磁気テープにおける中間層7の厚みT(即ち、凸部7’の厚み、図11参照)は第1及び第2の実施形態と同様である。また、凹部7”の幅Wは、第1の実施形態における溝部8の幅Wと同様であり、凹部7”の深さdは、中間層7の厚み(即ち凸部7’の厚み)Tの5〜99%、特に10〜90%であることが好ましい。凹部7”の深さdが斯かる範囲内であれば、凸部7’からの反射光と凹部7”からの反射光との光学的コントラストが、精密なサーボトラッキングを行うのに十分となる。また、磁性層4への転写の問題も生じない。
【0035】
次に、第1〜第3の実施形態における中間層7、バックコート層5及び光反射層6についてそれぞれ説明する。
【0036】
中間層7は、光学的コントラストを十分に得るために、遮光性の高い材料から構成されていることが好ましい。また、形成および加工が容易な材料から形成されていることも好ましい。これらの点から、中間層は、結合剤中に遮光性材料が分散されて形成されていることが好ましい。遮光性材料としては、黒色系粉末、例えばカーボンブラック等が好ましく用いられる。一方、結合剤としては、例えば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂及び反応型樹脂並びにこれらの混合物などが挙げられる。具体的には、塩化ビニルの共重合体及びその変成物、アクリル酸、メタクリル酸及びそのエステルの共重合体、アクリロニトリルの共重合体(ゴム系の樹脂)、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、繊維素系樹脂、ポリアミド樹脂などを使用できる。結合剤の数平均分子量は2,000〜200,000であることが好ましい。上記遮光性材料の分散性を向上させるために、上記結合剤に水酸基、カルボキシル基またはその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、ニトロ基または硝酸エステル基、アセチル基、硫酸エステル基またはその塩、エポキシ基、ニトリル基、カルボニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルキルアンモニウム塩基、スルホベタイン、カルボベタインなどのベタイン構造などの分極性の官能基(いわゆる極性基)を含有させてもよい。結合剤は、上記遮光性材料100重量部に対して、25〜900重量部、特に60〜500重量部配合されることが好ましい。また、中間層7に従来公知の潤滑剤や硬化剤を配合させてもよい。
【0037】
第1及び第2の実施形態の磁気テープのように、中間層7が、平面視して所定形状のパターンを構成する場合には、該中間層は例えばレーザー加工や印刷により形成されることが好ましい。一方、第3の実施形態のように、中間層7の表面に所定のパターンが形成されている場合には、該中間層は例えばエンボス加工やレーザー加工により形成されることが好ましい。
【0038】
前者の例としてレーザー加工を用いた場合について、図2及び図3に示す磁気テープの中間層の形成方法を図12を参照して説明すると、先ず、上述した成分が溶剤中に溶解・分散されてなる中間層塗料を光反射層6の全面に塗布し乾燥させたウエブを作製する。次いで図12に示すように、図中、矢印A方向に所定速度で走行する上記ウエブ1’の中間層7に向けて、レーザー光源40からレーザービーム41を照射し、このレーザービーム41のエネルギーによって中間層7を破壊して、光反射層6が露出するようにし、溝部8を形成する。この際、レーザービーム41のビーム径をコントロールすることによって溝部8の幅を調節することができる。ビーム径は0.25〜30μm、特に0.25〜25μmであることが好ましい。また、出力は0.02〜5W、特に0.1〜1Wであることが好ましい。溝部8の形成の際には、図示していないが、ウエブ1’における何れかのエッジを所定の手段によって規制し、ウエブ幅方向の走行振れが起こらないようにして、テープエッジから溝部8までの距離が一定になるようにすることが好ましい。
【0039】
上記レーザー加工に代えて印刷を用いる場合には、各種印刷方法、例えばグラビア印刷やフレキソ印刷等が特に制限無く用いられる。これらの印刷方法は公知であり、例えば「印刷工学便覧」(財団法人 日本印刷学会編、1983年発行)、「機械工学便覧」エンジニアリング編 C1産業機械の装置(日本機械学会編、昭和63年11月25日発行)、「コーティング工学」(原崎勇次著、昭和46年3月20日発行)等に記載されているので、ここでは特に説明しない。これらの印刷方法のうち、特に精密な印刷が可能であることから、レーザー等で高精度に彫刻されたグラビアロールを用いたグラビア印刷等が好ましい。
【0040】
後者の例として、エンボス加工を用いた場合について、図11に示す磁気テープの中間層の形成方法を図13を参照して説明すると、先ず、上記中間層塗料を光反射層6の全面に塗布し乾燥させたウエブを作製する。次いで図13に示すように、回転方向に沿って突条52が形成されたロール面を有するエンボスロール50と平滑ロール51との間に、上記ウエブ1’を矢印A方向に向かって通す。この場合、ウエブ1’における中間層7の面がエンボスロール50のロール面に当接するようにする。両ロール50,51からの押圧によって、中間層7には、突条52に対応する凹部7”が形成され、それ以外の部分が凸部7’となる。そして、突条52の幅および高さ、ロールの線圧等をコントロールすることによって、凹部7”の深さd及び幅Wを調節することができる。突条52の幅は、1.0〜30μm、特に1.5〜25μmであることが好ましく、高さは0.08〜0.5μm、特に0.08〜0.35μmであることが好ましい。また、ロールの線圧は50〜300kg/cm、特に50〜120kg/cmであることが好ましい。凹部7”の形成の際には、上述のレーザー光加工の場合と同様の手段を用いて、テープエッジから凹部7”までの距離が一定になるようにすることが好ましい。
【0041】
上記エンボス加工に代えてレーザー加工を用いる場合には、上述した溝部形成に用いられるレーザー加工を用いることができる。但し、この場合には溝部の形成と異なり、中間層をその表面から所定の深さまで除去して凹部を形成するようにする。
【0042】
バックコート層5には、通常の磁気テープにおけるバックコート層の機能が当然に必要とされる。従って、バックコート層5は、通常のバックコート層と同様に、結合剤を主体として形成されている。結合剤としては、中間層に用いられるものと同様のものが用いられる。更に、磁気テープ1の走行性や耐久性を高めるために潤滑剤が含有されていてもよい。潤滑剤としては一般に脂肪酸及び脂肪酸エステルが用いられる。脂肪酸としては、例えば、炭素数8〜30の直鎖又は分岐のものが使用でき、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、リノレン酸、オレイン酸が好適である。一方、脂肪酸エステルとしては、例えば、上記脂肪酸のアルキルエステル等が挙げられ、総炭素数12〜36のものが好ましい。潤滑剤は、上記結合剤100重量部に対して好ましくは0.5〜20重量部配合される。更に、バックコート層5の塗膜強度を高めるために、上記結合剤の硬化剤が含有されていてもよい。硬化剤としては、一般に、日本ポリウレタン工業(株)製のコロネートL(商品名)に代表されるイソシアネート系硬化剤やアミン系硬化剤が用いられる。硬化剤は、上記結合剤100重量部に対して好ましくは10〜80重量部、更に好ましくは15〜30重量部、一層好ましくは15〜20重量部配合される。
【0043】
サーボトラッキングを確実にするために、バックコート層5側から中間層7に入射した光(第1及び第2の実施形態の場合)又は凸部7’(第3の実施形態の場合)に入射した光の反射率を低くする共に(以下、当該部分を低反射率部という)、中間層7が形成されていない部分に入射した光(第1及び第2の実施形態の場合)又は凹部7”(第3の実施形態の場合)に入射した光の反射率を高くすること(以下、当該部分を高反射率部という)が好ましい。そして、高反射率部の反射率/低反射率部の反射率の値が2以上、特に2.5以上であると、反射光のS/N比が十分でトラッキング精度が良好となるので好ましい。更には、高反射率部に入射した光の反射率を10%以上、特に20%以上とし、低反射率部に入射した光の反射率を15%以下、特に10%以下とすることが好ましい。尚、本明細書において、光反射率の値は、サーボトラッキングに用いられる光の波長において測定された値である。
【0044】
また、バックコート層5は以下の性状であることが好ましい。
(1)サーボトラッキングに用いられる中間層7のパターンの、磁性層4への転写防止のため、中心線平均粗さRaが5〜50nm、特に7〜30nmであること。
(2)同様の目的のため、十点平均粗さRzが40〜250nm、特に50〜200nmであること。
(3)帯電防止のため、表面電気抵抗が1×109 Ω/□以下であること。
(4)上述した反射率が得られる程度の透明性を有すること。
【0045】
上記(1)及び(2)の性状が満たされるためには、バックコート層5に、球状もしくは無定形で平均粒子径が1〜50nmの無機粉末(以下、粉末A1 という)又は針状で短軸長が1〜50nmの無機粉末(以下、粉末A2 という)と、平均粒子径が50〜700nmの無機粉末(以下、粉末Bという)とを含む二種以上の無機粉末を含有させることが好ましい。粉末A1 又は粉末A2 と粉末Bとの混合比率(重量比)は100:0.1〜100:20、特に100:0.2〜100:15であることが好ましい。これら粉末A1 、粉末A2 及び粉末Bの総量は、上記結合剤100重量部に対して50〜800重量部、特に100〜700重量部であることが好ましい。
【0046】
上記無機粉末としては、例えば特開平9−35246号公報の第6欄3行目〜14行目に記載のものの他、非磁性のMn含有酸化鉄、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、インジウムドープ酸化錫(ITO)、酸化インジウム、SiO2 及びアルキル変性シリコーン樹脂粒子などが挙げられる。
【0047】
上記(3)の性状が満たされるためには、バックコート層5に、導電性の無機粉末を含有させることが好ましい。斯かる導電性の無機粉末としては、上述した無機粉末のうち、カーボンブラック、非磁性のMn含有酸化鉄、ATO、ITO及び酸化インジウム等が好ましい。特に、上記(3)の性状に加えて(4)の性状をも満たす目的で、導電性の無機粉末として非磁性のMn含有酸化鉄、ATO、ITO及び酸化インジウムを用いることが好ましい。導電性の無機粉末の大きさは、上述した粉末A1 又は粉末A2 の大きさと同様の範囲が好ましい。導電性の無機粉末は、上記結合剤100重量部に対して10〜800重量部、特に30〜700重量部、更には50〜700重量部配合されることが好ましい。
【0048】
上記(4)の性状が満たされるためには、非黒色系粉末を、バックコート層5に配合される各種粉末の主成分として使用することが好ましい。但し、十分な透明性、ひいては上述した程度の反射率が確保できる範囲においてカーボンブラック等の黒色系粉末を併用することは妨げられない。該非黒色系粉末の大きさは、上述した粉末A1 若しくは粉末A2 又は粉末Bの大きさと同様の範囲であればよい。
【0049】
バックコート層5は、上述の各成分が溶剤に分散されてなるバックコート塗料を塗布することによって形成されている。このバックコート塗料を塗布して形成されるバックコート層5の厚さB(図2参照)は、中間層7の厚みや、磁性層4及び中間層3の合計厚さとのバランス等を考慮して0.1〜0.8μm、特に0.1〜0.6μmとすることが好ましい。特に、バックコート層5の厚みBと中間層7の厚みTとの比(前者/後者)を2〜120、とりわけ10〜60とすることが、溝部8に窪みが生ずることを効果的に防止し得る点から好ましい。
【0050】
光反射層6は光反射率の高い材料から構成されている。該材料としては、金属、合金もしくは半金属またはその全部もしくは一部が酸化膜、炭化膜からなって材料等が挙げられる。特に反射率の高い材料としては、金属としてアルミニウム、亜鉛、銅、すず、ニッケル、銀およびコバルト等が挙げられ、合金としてこれらの金属を含む任意の合金が挙げられる。本発明の効果を逸脱しない範囲であれば、金属の一部または全部をケイ素、ゲルマニウム、ヒ素、スカンジウム及びアンチモン等の半金属などに置き換えることができる。また、上記金属、合金または半金属に対して酸化反応または炭化反応等を行い一部または全部を酸化膜または炭化膜などのようにセラミックス化させた材料を用いることもできる。更に、これらの物質からなる光反射層6に添加物をドープして、その導電率等を向上させることも好ましい。
【0051】
光反射層6の形成方法に特に制限は無く、公知の薄膜形成手段が適宜選択されて用いられる。薄膜形成手段としては、蒸着型磁気テープやハードディスク等の製造に用いられる真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等が挙げられ、生産性の高さから真空蒸着法が好適に用いられる。このようにして形成される光反射層6の厚みは、0.001〜0.1μm、特に0.01〜0.05μmであることが好ましい。
【0052】
次に、本発明の磁気テープにおける一般事項について説明する。
【0053】
図2、図8及び図11に示す磁気テープ1においては、磁性層4は、強磁性粉末および結合剤を含む磁性塗料を塗布することにより形成されている。即ち、上記磁気テープ1は塗布型の磁気テープである。
【0054】
上記強磁性粉末としては、特開平9−35246号公報3欄2行目〜第4欄24行目記載のものが使用できる。例えば針状または紡錘状の強磁性粉末および板状の強磁性粉末を用いることができる。該針状または紡錘状の強磁性粉末としては、鉄を主体とする強磁性金属粉末や、強磁性酸化鉄系粉末などが挙げられる。一方、該板状の強磁性粉末としては、強磁性六方晶系フェライト粉末などが挙げられる。
【0055】
強磁性金属粉末としては、金属分が40重量%以上であり、該金属分の40%以上が鉄である強磁性金属粉末が挙げられる。また、強磁性酸化鉄系粉末としては、γ−Fe2 3 、Co被着γ−Fe2 3 、Co被着FeOx (4/3≦x<1.5)などが挙げられる。これら強磁性粉末は、その長軸長が0.03〜0.2μm、特に0.05〜0.16μmであることが好ましく、針状比(即ち、長軸長/短軸長)が3〜15、また、その保磁力(Hc)は125〜200kA/mが好ましく、その飽和磁化(σs)は110〜170Am2 /kgであることが好ましい。また、これら強磁性粉末のBET比表面積は40〜70m2 /gであることが好ましい。
【0056】
強磁性六方晶系フェライト粉末としては、例えば特開平9−35246号公報の第4欄1〜5行に記載の微小平板状フェライト粉末が挙げられる。該強磁性六方晶系フェライト粉末は、その板径が10〜90nm、とりわけ10〜40nmであることが好ましく、板状比(板径/板厚)が2〜7、特に2〜5であることが好ましい。その保磁力(Hc)は135〜260kA/mであることが好ましく、その飽和磁化(σs)は27〜72Am2 /kgであることが好ましい。また、強磁性六方晶系フェライト粉末のBET比表面積は30〜70m2 /gであることが好ましい。
【0057】
上記強磁性粉末には、必要に応じて希土類元素や遷移金属元素を含有させることができる。更に、上記強磁性粉末には、その分散性などを向上させるために、例えば特開平9−35246号公報の第4欄9〜24行に記載の表面処理を施してもよい。
【0058】
上記結合剤としては、中間層7の形成に用いられる結合剤として例示したものと同様のものを用いることができる。従って、該結合剤の詳細については特に説明しないが、中間層7に関して詳述した説明が適宜適用される。該結合剤は、上記強磁性粉末100重量部に対して10〜40重量部、特に15〜25重量部配合されることが好ましい。
【0059】
磁性層4は、上述の成分に加えて、研磨材粒子、カーボンブラック、潤滑剤、硬化剤等を含んでいてもよい。
【0060】
研磨材粒子としては、例えばアルミナ、シリカ、ZrO2 、Cr2 3 等のモース硬度が7以上の物質の粉末が好ましく用いられる。該研磨材粒子の一次粒径は、走行時の摩擦係数の低下および走行耐久性の向上の点から0.03〜0.6μmであることが好ましく、0.05〜0.3μmであることが更に好ましい。上記研磨材粒子は、上記強磁性粉末100重量部に対して、2〜20重量部、特に5〜15重量部配合されることが好ましい。
【0061】
潤滑剤および硬化剤としては、中間層7の形成に用いられるものと同様のものを用いることができる。また、カーボンブラックとしては一次粒径が15〜80nm、特に17〜40nmのものを用いることが好ましい。上記潤滑剤は、上記強磁性粉末100重量部に対して、0.5〜10重量部、特に0.5〜5重量部配合されることが好ましい。上記硬化剤は、上記強磁性粉末100重量部に対して、1〜6重量部、特に2〜5重量部配合されることが好ましい。上記カーボンブラックは上記強磁性粉末100重量部に対して、0.1〜10重量部、特に0.1〜5重量部配合されることが好ましい。
【0062】
磁性層4には、上述の成分の他に、磁気テープに通常用いられている分散剤、防錆剤、防黴剤等の各種添加剤を必要に応じて添加することもできる。
【0063】
磁性層4の保磁力は十分な記録再生特性を付与し得る点から110〜280kA/mであることが好ましい。また、磁性層4の飽和磁束密度は、0.1〜0.5Tであることが好ましい。
【0064】
磁性層4の厚さは、S/Nの向上や自己減磁の防止の点から0.1〜3μmであることが好ましく、更に好ましくは0.1〜2μmである。
【0065】
次に、下層3について説明する。下層3は、磁性を有する層であってもよく、非磁性の層であってもよい。下層3が磁性を有する層である場合には、該下層3は磁性粉末を含有する磁性の層であり、磁性粉末、非磁性粉末、結合剤および溶剤を主成分とする磁性の塗料を用いて形成される。一方、下層3が非磁性の層である場合には、該下層5は非磁性粉末、結合剤および溶剤を主成分とする非磁性の塗料を用いて形成される(以下、これらの塗料を総称して「下層塗料」という)。
【0066】
上記磁性粉末としては、強磁性粉末が好ましく用いられ、該強磁性粉末としては硬磁性粉末および軟磁性粉末の何れもが好ましく用いられる。上記硬磁性粉末としては、例えば、磁性層4に用いられるものと同様のものが使用できる。これらのうち、強磁性六方晶系フェライト粉末を用いることが特に好ましい。これらの磁性粉末の詳細については、磁性層4に用いられる強磁性粉末と同様である。一方、上記軟磁性粉末としては、酸化物軟磁性粉末や金属軟磁性粉末を使用することができる。
【0067】
非磁性粉末としてはモース硬度6未満の無機物の粉末が好適に用いられ、その例としては、特開平9−35246号公報の第9欄44行〜第10欄5行に記載のもの等が挙げられる。これらの中でも非磁性の酸化鉄(ベンガラ)、酸化チタン、窒化ホウ素などが好ましく用いられる。これら非磁性粉末は単独で又は二種以上を混合して用いてもよい。上記非磁性粉末の形状は、球状、板状、針状、無定形の何れでもよい。その大きさは球状、板状、無定形のものにおいては5〜200nmであることが好ましく、針状のものにおいては長軸長が20〜300nmで針状比が3〜20であることが好ましい。上記非磁性粉末は、上記磁性粉末と併用される場合(即ち、下層3が磁性の層の場合)には、該磁性粉末100重量部に対して、好ましくは30〜70重量部、更に好ましくは40〜60重量部用いられる。一方、上記磁性粉末が用いられない場合(即ち、下層3が非磁性の層の場合)には、該非磁性粉末100重量部に基づいて他の成分の配合量が決定される。上述した各種非磁性粉末には、必要に応じて、上記磁性粉末に施される表面処理と同様の処理を施してもよい。
【0068】
下層3は、磁性であると非磁性であるとを問わず、上述した成分に加えて結合剤を含み、更に研磨材粒子、潤滑剤、カーボンブラックおよび硬化剤等を含んでいてもよい。これらの成分としては、特に説明しないが、中間層7及び磁性層4に用いられる成分と同様のものが用いられる。これらの成分の好ましい配合量は、上記磁性粉末および非磁性粉末の合計量100重量部(下層3が磁性の層である場合)または該非磁性粉末100重量部(下層3が非磁性の層である場合)に対して、それぞれ以下の通りである。
・結合剤:5〜40重量部、特に10〜30重量部
・研磨材粒子:3〜30重量部、特に5〜15重量部
・潤滑剤:1〜20重量部、特に2〜10重量部
・カーボンブラック:0.5〜30重量部、特に3〜25重量部
・硬化剤:1〜12重量部、特に1〜8重量部
また、下層3には、必要に応じて磁性層4に配合される添加剤と同様のものを配合することもできる。
【0069】
下層3の厚さは、磁気テープ1の耐久性に影響する潤滑剤の保持能力を制御する点から、ある程度の厚みが必要であり、一方、厚すぎると変形時にクラックが発生しやすくなることから、0.5〜10μm、特に0.1〜3μmであることが好ましい。
【0070】
下層3が磁性を有する層である場合、その保磁力は、オーバライト特性及び低域〜高域での出力バランスの点から、80〜350kA/mであることが好ましい。また、その飽和磁束密度は、高すぎるとオーバライト特性が悪化してノイズ量が増加し、一方、低すぎると出力が不足する点から、0.02〜0.1Tであることが好ましい。
【0071】
支持体2を構成する材料としては、特開平9−35246号公報の第2欄30〜42行に記載のもの等が挙げられる。これらは単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。これらの材料から構成される上記支持体には、必要に応じて一軸または二軸の延伸処理や、コロナ放電処理、易接着処理等が施されていてもよい。支持体2の厚さには特に制限はないが、本発明の磁気テープは特に高容量の磁気テープに適したものであることから、支持体2は薄い方が好ましく、具体的には1〜13μm、特に1〜8μmであることが好ましい。
【0072】
次に図2、図8及び図11に示す実施形態の磁気テープを製造するための好ましい方法の概略を説明する。まず、支持体2上に磁性層4を形成する磁性塗料と下層3を形成する下層塗料とを、各層が所定の厚さとなるようにウエット・オン・ウエット方式により同時重層塗布を行い、磁性層4および下層3の塗膜を形成する。即ち、磁性層4は、下層3の湿潤時に塗設・形成されることが好ましい。次いで、これらの塗膜に対して、磁場配向処理を行った後に乾燥処理を行い巻き取る。この後、カレンダー処理を行い、更に支持体2の裏面上に光反射層6を形成し、更にその上に所定形状のパターンを有する中間層7を上述した方法により形成する。その上にバックコート塗料を塗布してバックコート層5を形成する。あるいは光反射層6、中間層7及びバックコート層5を形成した後に下層3及び磁性層4を形成してもよい。次いで、40〜80℃下で6〜100時間エージング処理し、所望の幅にスリットして磁気テープ1を得る。具体的な製造方法は、特開平9−35246号公報の第11欄5行〜第12欄7行に記載の方法に準じることが好ましい。
【0073】
尚、磁気テープ1の製造に際しては、必要に応じ、磁性層4の表面の研磨やクリーニング工程等の仕上げ工程を施すこともできる。また、磁性塗料および下層塗料の塗布は、通常公知の逐次重層塗布方法により行うこともできる。
【0074】
以上、本発明の磁気テープをその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は、上記実施形態に制限されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
例えば、第1の実施形態においては、磁気テープ1の長手方向に沿う一本または複数本の連続な溝部と、磁気テープ1の長手方向に沿う不連続な溝部とを組み合わせて用いてもよい。
また、図5においては、隣り合う中間層7の間隔を、規則的に増加または減少するように変化させてもよい。
また、溝部8として、平面視して円形や楕円形もしくはその他の形状のパターン又はこれらのパターンの任意の組み合わせを用いてもよい。
また、図2、図8及び図11に示す磁気テープ1において、支持体2と下層3との間もしくは支持体2と光反射層6との間、又は光反射層6と中間層7との間にプライマー層を設けてもよい。
また、図3、図5、図6及び図7においては、中間層7と溝部8との位置関係が逆になっていてもよい。例えば、図3に対して、図14のような関係になっていてもよい。
また、図9においては、境界Kとテープ幅方向中心線Cとが同位置にあるが、これに代えて境界Kの位置を、テープ幅方向中心線Cから何れかのテープエッジE,E’の方向へずらしてもよい。更に、同図においては、中間層7及び中間層非形成部9による幅広の直線状パターンがそれぞれ一本ずつ形成されているが、更に好ましい形態として、中間層7及び中間層非形成部9による直線状パターンをそれぞれ一本以上形成し且つこれらの合計本数を3〜5本程度にする(例えば図12及び図13に示すような形態にする)と、トラッキング精度の一層の向上が期待できる。
また、第3の実施形態の磁気テープにおける中間層7の凹凸形状は、図11に示すものに限られず、他の形状を用いることもできる。例えば、第1及び第2の実施形態に関して上述した説明において、中間層を凸部に置き換え且つ溝部または中間層非形成部を凹部に置き換えた形状のものを用いることができる。具体的には、図8に示す第2の実施形態の磁気テープにおける中間層7を凸部7’に置き換え且つ中間層非形成部9を凹部7”に置き換えた形状を有する図17に示す磁気テープを用いることもできる。
また、上述した実施形態は塗布型の磁気テープであるが、これに代えて金属蒸着型の磁気テープを用いても同等の効果が奏される。
【0075】
【実施例】
以下、実施例により本発明の磁気テープを更に詳細に説明すると共にその有効性を例証する。しかしながら、本発明は斯かる実施例に限定されるものではない。尚、特に断らない限り、「部」は重量部を意味する。
【0076】
〔実施例1〕
下記の配合成分を(硬化剤を除く)を、それぞれニーダーにて混練し、次いで撹拌器にて分散し、更にサンドミルによって微分散し、1μmのフィルターにて濾過後、硬化剤を最後に添加して下記組成のバックコート塗料A、中間層塗料、磁性塗料および下層塗料をそれぞれ調製した。
【0077】
<バックコート塗料A>
・ポリウレタン樹脂(結合剤) 50部
〔日本ポリウレタン工業(株)製、「ニッポラン2301」(商品名)〕
・ニトロセルロース(結合剤) 30部
〔旭化成工業社製、「Celnova BTH 1 /2 」(商品名)〕
・カーボンブラック(一次粒径18nm) 5部
・Mn−ヘマタイト(一次粒径100nm、非磁性) 25部
・ポリイソシアネート(硬化剤) 18部
〔武田薬品工業社製、「D-250N」(商品名)〕
・銅フタロシアニン 5部
・ステアリン酸(潤滑剤) 1部
・メチルエチルケトン(溶剤) 150部
・トルエン(溶剤) 150部
・シクロヘキサノン(溶剤) 150部
【0078】
<中間層塗料>
・ポリウレタン樹脂(結合剤) 50部
〔日本ポリウレタン工業(株)製、「ニッポラン2301」(商品名)〕
・ニトロセルロース(結合剤) 30部
〔旭化成工業社製、「Celnova BTH 1 /2 」(商品名)〕
・カーボンブラック(一次粒径18nm) 50部
・ポリイソシアネート(硬化剤) 18部
〔武田薬品工業社製、「D-250N」(商品名)〕
・銅フタロシアニン 5部
・ステアリン酸(潤滑剤) 1部
・メチルエチルケトン(溶剤) 150部
・トルエン(溶剤) 150部
・シクロヘキサノン(溶剤) 150部
【0079】
<磁性塗料>
・強磁性粉末 100部
(鉄主体の針状強磁性金属粉末、長軸長80nm、保磁力183kA/m、飽和磁化145Am2 /g、BET比表面積55m2 /g)
・塩化ビニル系共重合体(結合剤) 10部
〔日本ゼオン社製、「MR104」(商品名)〕
・ポリウレタン樹脂(結合剤) 10部
〔東洋紡社製、「UR8300」(商品名)〕
・カーボンブラック(一次粒径30nm) 0.5部
・α−アルミナ(研磨材粒子、一次粒径200nm) 10部
・ミリスチン酸(潤滑剤) 2部
・ブチルステアレート(潤滑剤) 0.5部
・イソシアネート系化合物(硬化剤) 2部
〔日本ポリウレタン工業(株)製、「コロネートL」(商品名)〕
・メチルエチルケトン(溶剤) 250部
・シクロヘキサノン(溶剤) 100部
【0080】
<下層塗料>
・針状のα−Fe2 3 (長軸長0.15μm、針状比7)100部
・塩化ビニル系共重合体(結合剤) 10部
〔日本ゼオン社製、「MR104」(商品名)〕
・ポリウレタン樹脂(結合剤) 15部
〔東洋紡社製、「UR8300」(商品名)〕
・α−アルミナ(研磨材粒子、一次粒径200nm) 3部
・カーボンブラック(一次粒径20nm) 5部
・ミリスチン酸(潤滑剤) 2部
・ブチルステアレート(潤滑剤) 2部
・イソシアネート系化合物(硬化剤) 5部
〔日本ポリウレタン工業(株)製、「コロネートL」(商品名)〕
・メチルエチルケトン(溶剤) 150部
・シクロヘキサノン(溶剤) 50部
【0081】
厚さ6μm、幅12.7mmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる支持体上に、下層塗料および磁性塗料を、下層および磁性層の乾燥厚さがそれぞれ1.5μm及び0.2μmとなるように、ダイコーターにて同時重層塗布を行い、それぞれの塗膜を形成した。次いで、これらの塗膜が湿潤状態にある間に400kA/mのソレノイドにより磁場配向処理を行った。更に、乾燥炉にて80℃の温風を10m/分の速度で塗膜に吹きつけ乾燥した。乾燥後、塗膜をカレンダー処理し、下層および磁性層を形成した。引き続き、支持体の反対の面上にアルミニウムからなる厚さ0.03μmの光反射層を真空蒸着法により形成した。この光反射層の全面に上記中間層塗料を塗布し乾燥させることによって厚さ0.2μmの中間層を形成した。次に、図12に示すレーザー加工装置を用い、テープの幅方向中央部に連続した一本の幅狭の帯状の溝部が形成されるようにレーザー光を照射した。形成された溝部の幅W(図2参照)は100μmであった。次に、中間層および溝部を被覆するように上記バックコート塗料を塗布し、更に90℃にて乾燥し厚みB(図2参照)が0.5μmであるバックコート層を形成し、図2及び図3に示す磁気テープを得た。
【0082】
〔実施例2〜4〕
実施例1における溝部の幅Wを表1に示す通りとし且つバックコート塗料として表1に示すものを用いる以外は実施例1と同様にして磁気テープを得た。尚、表1に示すバックコート塗料B及びCの詳細は下記の通りである。
【0083】
<バックコート塗料B>
・針状のα−Fe2 3 100部
(平均粒子径(長軸長):0.12μm、短軸長:12nm、針状比:10、BET比表面積:48m2 /g)
・シリコーン粒子(平均粒子径:0.5μm) 3部
〔東芝シリコーン(株)製、商品名「トスパール105」〕
・リン酸エステル(潤滑剤) 3部
〔東邦化学(株)製、ホスファノールRE610(商品名)〕
・ポリウレタン樹脂(結合剤) 28部
〔数平均分子量25000、スルホン酸基含有量:1.2×10-4モル/g、ガラス転移点45℃〕
・ステアリン酸(潤滑剤) 0.5部
・ポリイソシアネート(硬化剤) 4部
〔日本ポリウレタン工業(株)製の「コロネートL」(商品名)、固形分75 %〕
・メチルエチルケトン(溶剤) 120部
・トルエン(溶剤) 80部
・シクロヘキサノン(溶剤) 40部
【0084】
<バックコート塗料C>
・インジウムドープ酸化錫(ITO) 100部
(平均粒子径:35nm)
・シリコーン粒子(平均粒子径:0.5μm) 3部
〔東芝シリコーン(株)製、商品名「トスパール105」〕
・リン酸エステル(潤滑剤) 3部
〔東邦化学(株)製、ホスファノールRE610(商品名)〕
・ポリウレタン樹脂(結合剤) 28部
〔数平均分子量25000、スルホン酸基含有量:1.2×10-4モル/g、ガラス転移点45℃〕
・ステアリン酸(潤滑剤) 0.5部
・ポリイソシアネート(硬化剤) 4部
〔日本ポリウレタン工業(株)製の「コロネートL」(商品名)、固形分75 %〕
・メチルエチルケトン(溶剤) 120部
・トルエン(溶剤) 80部
・シクロヘキサノン(溶剤) 40部
【0085】
〔実施例5〕
中間層の形成までは実施例1と同様に行った。次いで、図13に示すエンボス加工装置を用いて、テープの幅方向中央部に連続した一本の幅狭の帯状の凹部が形成されるようにエンボス加工を施した。形成された凹部の幅は100μmであり、深さは0.1μmであった。この後は実施例1と同様にして図11に示す磁気テープを得た。
【0086】
〔実施例6〜8〕
実施例5における凹部の幅Wを表1に示す通りとし且つバックコート塗料として表1に示すものを用いる以外は実施例5と同様にして磁気テープを得た。
【0087】
〔実施例9〕
光反射層の形成までは実施例1と同様に行った。次いで、グラビア印刷を用い、一方のテープエッジからテープ幅方向中心線までの間の領域に厚さ0.2μmの中間層を形成した。この後は実施例1と同様にして図8及び図9に示す磁気テープを得た。
【0088】
〔実施例10〕
バックコート塗料としてバックコート塗料Bを用いる以外は実施例9と同様にして図8及び図9に示す磁気テープを得た。
【0089】
〔実施例11〕
中間層の形成までは実施例1と同様に行った。次いで、エンボス加工装置を用いて、一方のテープエッジからテープ幅方向中心線までの間の領域に連続した一本の幅広の帯状の凹部が形成されるようにエンボス加工を施した。形成された凹部の深さは0.1μmであった。この後は実施例1と同様にして図17に示す磁気テープを得た。
【0090】
〔実施例12〕
バックコート塗料としてバックコート塗料Bを用いる以外は実施例11と同様にして図17に示す磁気テープを得た。
【0091】
各実施例で得られた磁気テープの性能を評価するために、これらの磁気テープについて、波長650nmの光による反射光の強度の強弱によるコントラストを利用した読み取り方法を用い、プッシュプル方式のサーボトラッキングを行いつつ磁性層に信号を記録した。尚、実施例1〜8においては図4に示すサーボ方式を用い、実施例9〜12においては図10に示すサーボ方式を用いた。その結果、表1に示すように、何れの実施例においても600本のデータトラックを記録した場合にも、確実なサーボトラッキングが行われた。特に、バックコート層にカーボンブラックが含有されていない実施例3、4、7、8、10及び12の磁気テープでは、表1に示すようにバックコート層における高反射率部分の光反射率が極めて高く、一層確実なサーボトラッキングが行われた。更に、各実施例の磁気テープをそれぞれリールに巻回して3ヶ月保存した後に磁性層の表面状態を観察したところ、その結果は表1示す通りとなり、保存前と同等のレベルの表面状態が保たれており、中間層および光反射層を形成したことに起因するバックコート層の表面形状の磁性層への転写が起こっていないことが判った。更に、表には示していないが、各実施例の磁気テープは再生出力およびドロップアウトについても、通常の磁気テープと同等のレベルが保たれていることが判った。
【0092】
【表1】
Figure 0004046400
【0093】
【発明の効果】
以上、詳述した通り、本発明によれば、データエリアの面積を減少させることなくサーボトラッキングを行い得る磁気テープが得られる。
また、本発明によれば、バックコート層本来の機能が損なわれることなくサーボトラッキングを行い得る磁気テープが得られる。
また、本発明によれば、トラック密度が向上した磁気テープが得られる。
更に、本発明によれば、高記録容量を有する磁気テープが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録再生装置の要部を示す概略図である。
【図2】本発明の磁気テープの第1の実施形態の構成を示す概略図である。
【図3】図2に示す磁気テープをバックコート層側からみたときの要部を示す図である。
【図4】図1に示す光学ユニットの要部を示す図である。
【図5】中間層および溝部の別の態様を示す(図3相当図)である。
【図6】中間層および溝部の別の態様を示す(図3相当図)である。
【図7】中間層および溝部の別の態様を示す(図3相当図)である。
【図8】本発明の磁気テープの第2の実施形態の構成を示す概略図(図2相当図)である。
【図9】図8に示す磁気テープをバックコート層側から見たときの要部を示す図(図3相当図)である。
【図10】第2の実施形態の磁気テープにおけるトラッキング情報の読み取りに用いられる光学ユニットの要部を示す図(図4に相当図)である。
【図11】本発明の磁気テープの第3の実施形態の構成を示す概略図(図3相当図)である。
【図12】レーザー加工により溝部を形成する方法を示す模式図である。
【図13】エンボス加工により凹部を形成する方法を示す模式図である。
【図14】図2に示す実施形態の磁気テープの別の実施形態の構成を示す概略図である。
【図15】第2の実施形態における他の形態の構成を示す概略図(図8相当図)である。
【図16】図12に示す磁気テープをバックコート層側から見たときの要部を示す図(図9相当図)である。
【図17】第3の実施形態における他の形態の構成を示す概略図(図11相当図)である。
【符号の説明】
1 磁気テープ
2 支持体
3 下層
4 磁性層
5 バックコート層
6 光反射層
7 中間層
7’凸部
7”凹部
8 溝部
9 中間層非形成部

Claims (5)

  1. 支持体の一方の面にデータトラックを形成するための磁性層が設けられ、他方の面上にバックコート層が設けられてなる磁気テープにおいて、上記支持体と上記バックコート層との間に光反射層を設けると共に、該光反射層と該バックコート層との間に、光学的にコントラストを生じさせ得る所定形状のパターンを有する中間層を設け、前記パターンを有する中間層を前記磁性層のデータトラックのサーボトラッキングのためのトラッキング情報を得るための手段としたことを特徴とする磁気テープ。
  2. 上記中間層が、テープ長手方向に沿う一本の連続線状体、又は間隔が0.25〜30μmである複数本の連続線状体からなり且つ該連続線状体の厚みが0.05〜1μmであることを特徴とする請求項1記載の磁気テープ。
  3. 上記中間層に、テープ長手方向に沿う一本または複数本の連続な直線状凹凸部が形成されており、該中間層の厚みを0.05〜1μmとし、該凹部の幅を0.25〜30μmとし且つ深さを該中間層の厚みの5〜99%としたことを特徴とする請求項1記載の磁気テープ。
  4. 上記連続線状体が印刷またはレーザー加工されて形成されていることを特徴とする請求項2記載の磁気テープ。
  5. 上記凹凸部が、レーザー光加工されるか又はエンボスロール加工されて形成されていることを特徴とする請求項3記載の磁気テープ。
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