JP4046181B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、球戻り防止装置を備えた遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の遊技機の球戻り防止装置(以下、単に球戻り防止装置ともいう)としては例えば、特許文献1に挙げるものがある。この球戻り防止装置では、舌片の先端部を内側ガイドレール(内側レール)方向に曲げ、且つこの先端部と当接可能な位置に突起を設けることにより、舌片に発生する振動を抑えるように構成している。振動を抑えることにより、後続の遊技球の弾道に影響を及ぼすことを防止可能とされている。
【0003】
【特許文献1】
特許第3203066号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術によれば、遊技球が戻る際の内側レール方向への振動は突起によって抑えられるものの、逆方向の遊技領域側への振動については全く抑制されていない。また、球戻りを防止するという本来の目的から、自ずと舌片の先端部の曲げ量は大き目になり、発射される遊技球との衝突角度が大きくなり、後続の遊技球のみならず全ての発射球の弾道に影響を与える(例えば、速度が減少する、弾道が乱れるなど)可能性がある。さらに、舌片の略中央部が突起に当接することにより舌片に疲労が発生して先端部が破損するおそれがある。
【0005】
本発明はかかる課題に鑑みなされたもので、振動がすみやかに減衰し、発射球の弾道への影響を低減する球戻り防止装置を備えた遊技機を提供することを目的としている。本発明の他の目的は、疲労を抑制して破損を防止することが可能な球戻り防止装置を備えた遊技機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
かかる課題を解決するためになされた請求項1に記載の遊技機は、
遊技領域が形成された遊技盤と、該遊技盤の盤面に設けられた外側レールと、該外側レールよりも内側に設けられた内側レールと、該内側レールの先端部に取り付けられ発射装置により前記遊技領域に発射された遊技球が前記発射装置側に戻ることを防止する球戻り防止装置とを、備えた遊技機において、
前記球戻り防止装置は、
前記内側レールに取り付けられる本体部と、
前記本体部に固定され、遊技球が前記遊技領域に射出される際に該遊技球が衝突する防止片と、
前記防止片を間において前記内側レールとは反対側に位置し、遊技球が衝突した際に前記防止片が振動することにより当接するよう、該防止片との間に隙間をおいて設けられた振動抑止部材と、
前記本体部に取り付けられ、前記遊技盤の盤面に沿って前記内側レールから前記外側レールに向かって延出し、前記遊技領域から前記発射装置側へ戻ろうとする遊技球が前記防止片に衝突した際の該防止片の前記内側レール方向への変位を抑制する抑制手段と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
このように構成された球戻り防止装置を備える遊技機によれば、遊技領域に発射される遊技球が防止片に衝突した際に、防止片が振動抑止部材に当接しながら振動するので、振幅が限定され、また振動抑止部材との当接により振動が速やかに減衰するので次に発射される遊技球の弾道に与える影響を少なくすることができる。
しかも、振動抑止部材が防止片を間において内側レールとは反対側に位置しているので、防止片の振動抑止部材との当接は、遊技領域側で行なわれるため、防止片を曲げる必要がなく、従って防止片と遊技球との衝突角度を緩やかにすることができ、遊技球の弾道への影響を少なくすることができる。
【0008】
また、防止片が静止している状態では、振動抑止部材は防止片から離れているため、防止片は遊技領域に発射される遊技球が衝突した際には振動する部分が、防止片の先端から振動抑止部材までの距離よりも長く、柔軟性を持って振動することができ、最初に発射される遊技球の弾道への悪影響も少なくてすむ。さらに、防止片に疲労が発することを抑制して防止片の破損を防止することを達成できる。
【0009】
また、請求項1に記載の遊技機に装備された球戻り防止装置は、前記本体部に取り付けられ、前記遊技盤の盤面に沿って前記内側レールから前記外側レールに向かって延出し、前記遊技領域から前記発射装置側へ戻ろうとする遊技球が前記防止片に衝突した際の該防止片の前記内側レール方向への変位を抑制する抑制手段を備えており、遊技球が発射装置側に戻って来た場合に、防止片の変位を抑止手段が抑制するので、遊技球が内側レールへと戻るのを着実に防ぐことができる。
【0010】
請求項2に記載の遊技機は、前記抑制手段の前記外側レール側の端部に面取りが施されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機である。
【0011】
抑制手段の外側レール側の端部に面取りが施されているので、抑制手段は遊技球が外側レールと内側レールの間を走行する際の妨げにならない。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。
ここでは遊技機として、いわゆるセブン機と呼ばれるタイプの第一種パチンコ機(弾球遊技機)を例に取り、その構造について図1及び図2を参照して説明する。
【0013】
パチンコ機1の前面部は、図1及び図2に示すように、主として外枠(本体枠)2と、中枠3と、前面枠4と、上皿部5と、下皿部6と、シリンダ錠7とから構成されている。
外枠2は、木製の板状体を略長方形の額縁状に組立て固着したものであり、この外枠2にてパチンコ機1の遊技盤を収納する。中枠3は、全体がプラスチック製で、枠体部(図2参照)3aと下板部とを有し、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。中枠3の右端中央にはシリンダ錠7が設けられ、シリンダ錠7は、正面視すると鍵穴を備えた略長方形状を呈し、前面枠4を閉鎖した場合に施錠するためのものである。
【0014】
ここで枠体部3aは、上端から下方へ中枠3全体の略2/3程度に略長方形の額縁状に形成され、上端部には、前面枠4の略三角形状の枠飾りLED用レンズ4c,4eに対応して、左側に賞球表示LED(図示を省略)及び賞球表示LED基板が、右側にストップ表示LED(図2では図示略)及びストップ表示LED基板が配設されている。
【0015】
また、下板部は、下端から上方へ中枠3全体の略1/3程度を占め、左端には、上皿部5に形成されたスピーカー面5aに対応すべく、遊技状態に応じた効果音その他の音(音声)を発生させるスピーカーが配設され、略中央には、遊技球を発射する発射装置ユニット(図示略)に対し、上皿部5に貯留された遊技球を供給する供給装置等(図示略)が設けられている。
【0016】
さらに、下板部の下方には、灰皿や玉抜きレバー等を備えた下皿部6が設けられ、下皿部6の略中央には、パチンコ機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが開設され、右端に発射装置ユニット(図示略)を操作する発射ハンドル9が設けられている。また、この発射ハンドル9には、遊技者がタッチしていることを検出するタッチスイッチ9aが装着され、その近傍には、発射停止を一時的に指令する発射停止スイッチ9bが配置されている。
【0017】
前面枠4は、図1及び図2に示すように、全体がプラスチック製であり、遊技盤を前方から視認するべく、遊技盤に形成された遊技領域の形状に対応して略円周状に開設された開口部4aを有している。そして、その裏面には、開口部4aに応じてガラス板4rが嵌められた略長方形状のガラス枠4s(図2参照)が装着されている。尚、本実施例では、ガラス枠4sが、前面枠4に裏面に装着され、このガラス枠4fによって、ガラス板4rの周縁部が保持されている。そして、遊技者を基準とすれば、遊技盤に形成された遊技領域は、ガラス板4eの後方に形成されている。尚、前面枠4の前面側にガラス枠4sを装着し、前面枠4の前面側で、ガラス板4rを保持してもよい。また、ガラス板4r以外の透明板(例えば、透明な樹脂板)を、前面枠4に装着された透明板枠で保持することもできる。
【0018】
また、この前面枠4は、パチンコ機1の前面全体の約2/3のサイズを占め、中枠3の左端に軸着され開閉可能に形成されている。さらに、上端部には、枠飾りランプ用レンズ4bも設けられ、このレンズ4b内部には、開口部4a上端の円弧部分に沿って、枠飾りランプ基板及び複数個の遊技効果ランプ(図示略)が配設されている。
【0019】
上皿部5は、前面枠4の下側で、中枠3の左端に軸着され開閉可能に形成されている。皿外縁部5bには、玉抜きボタンや遊技球の貸出・返却ボタン等が配設されている。また、上皿部5には、パチンコ機1の内部から遊技球を排出するための排出口5cが開設されている。左端には、複数の長孔を有するスピーカー面5aが形成され、その裏面には、音量スイッチ基板が設けられている。パチンコ機1の左端側には、プリペイドカードユニット13が装着されている。
【0020】
次に、本実施例の遊技盤10の表面構造について図3を参照して説明する。遊技盤10は、略長方形の木製の板状体であって中枠3(図1及び図2参照)に保持されるとともに、裏機構盤によりその背面側が覆われている。遊技盤10には、遊技盤10の表面に設けられた外側レール14と内側レール15とにより略円形状の遊技領域11が形成され、遊技領域11内には、中央装置16と、第一種始動口(普通電動役物)17と、変動入賞装置18と、左入賞口19、右入賞口20、左下入賞口21、右下入賞口22と、多数の釘23等が配設されている。なお、本図では図を簡素にするため、釘23の一部、ランプ風車などを省略している。
【0021】
また、遊技盤10の下方にはアウト口48が設けられ、そのアウト口48の下部にはバック球防止部材58が設けられており、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。一方、球戻り防止装置59は、内側レール15の先端部に取り付けられ、返しゴム60は、球戻り防止装置59の位置とは略正反対側の、遊技盤10の右半分側の位置であって、外側レール14に沿って嵌合状に取り付けられている。
【0022】
球戻り防止装置59について図4〜図7を参照して説明する。図4(a)に示すように球戻り防止装置59は、本体部62に板バネ64とバネストッパー66を取り付けた構造をしている。内側レール15に取り付けられる本体部62には図4(b)に示すように振動抑止部材68が設けられている。振動抑止部材68は板バネ64の長手方向の略中央に位置し、板バネ64の厚さ方向に対し略3mmの隙間C(図4(c)参照)が空けられている。なお、支持部材70は板バネ64を根元部分で抑える部材である。また、本体部62には内側レール15に取り付けられるための溝部62aが形成された取付部材62bが設けられている。
【0023】
防止片としての板バネ64は図5(b)に示すように厚み略0.2mmのステンレス製の1枚の板金が湾曲されて形成されており、その根元部分72が本体部62の底部74の押しこまれ、固定されている。すなわち、図6(a)に示すように、外側レール14と内側レール15との距離lは略19mmであり、板バネ64の自由端側の端部としての先端部64aと外側レール14との距離Wは7〜8mmであるので、距離Wは遊技球77の半径r(略5.5mm)よりも大きく、かつ直径2rよりも小さく設定されている。抑制手段としてのバネストッパー66は、図6(b)に示すように、外側レール14側の端部に面取り66aが施されており、遊技球77が外側レール14・内側レール15間を走行する際の妨げにならないようにされている(図6(c)参照)。なおバネストッパー66は本体部62に一体的に形成してもよい。パチンコ機1において発射装置ユニットにより発射され、外側レール14・内側レール15間に弾発された遊技球77(図6(a)参照)が遊技領域11に到達する際に板バネ64に衝突して板バネ64を振動させる。この振動は、振動抑止部材68があることにより、図4(a)に示すように板バネ64が本体部62に当接する位置Aと、板バネ64が振動抑止部材68に当接する位置A’との間で行なわれる。従来の球戻り防止装置は振動抑止部材68を備えていなかったので振動の振幅が大きく、振動が長く続いたが、本実施例の球戻り防止装置59によれば、振幅が小さいため、振動が速やかにおさまり、次に発射された遊技球77の弾道に悪影響を及ぼすことが従来よりも少ない。しかも板バネ64の振動抑止部材68への当接は、遊技領域11側で行なわれるため、板バネ64の曲げは、全体の湾曲程度であり、従って板バネ64と遊技球77との衝突角度を緩やかにすることができ、遊技球77の弾道への影響を少なくすることができる。また、距離Wが遊技球77の半径rよりも大きいので、遊技球77の板バネ64に衝突することによる板バネ64の振動が比較的抑制され、遊技球77の弾道に与える影響を低減している。
【0024】
また、遊技領域11に達した遊技球77が遊技盤10上の釘23等に衝突して外側レール14・内側レール15間に戻ろうとした際には、図7に示すように板バネ64は位置Aよりも内側(遊技領域11と反対側)へ倒れるが、バネストッパー66に当接して位置Dにて留まる。これにより遊技球77が外側レール14・内側レール15間に戻るのを着実に防止する。
【0025】
このとき、振動抑止部材68と板バネ64との間に隙間Cが形成されているので、板バネ64がたわむことにより板バネ64の疲労が抑制される。これにより、板バネ64の破損を防止可能である。
なお、本実施形態の球戻り防止装置が奏する作用効果は、以下のように捉えることもできる。
【0026】
すなわち、板バネ64と外側レール14との間に距離Wを形成するとともに、板バネ64の長さ方向の途中の部位を振動抑止部材68により遊技領域11側から押えることにより、板バネ64の振動時の基端を板バネ64の先端側へより近付けて、板バネ64の振動する部分の長さを可及的に小とすることができ、板バネ64の振動が収束する時間(例えば、板バネ64の振幅が最大となる遊技球放出後の約10%以下程度となるのに要する時間)を短縮することができる。これによって例えば、約0.6秒後に発射された後続の遊技球の放出に、振動収束の遅れが悪影響を及ぼすことを防止できる。
【0027】
さらに、振動抑止部材68と板バネ64との間に隙間Cを残し、板バネ64を振動抑止部材68に直接には固定せずに支持部材70で抑えて板バネ64の保持を行なっているので、板バネ64は、抑止部材68から支持部材90までの間、及び両部材68、70から本体部62までの間の空間内で自由に変位できる。したがって、遊技球77を遊技領域11へ放出する際には、板バネ64を、本体部62の側に凸に湾曲させることができ、板バネ64に十分な柔軟性を与えることができる。
【0028】
一方、遊技球77が遊技領域11へ放出された直後には、前述のように、振動抑止部材68が板バネ64の剛性を一時的に高め、板バネ64の振動収束を早めるので、板バネ64には、状況に応じて最適な柔軟性と剛性とが与えられ、遊技球77のより円滑な放出が可能となる。
【0029】
さらに、バネストッパー66の存在により、板バネ64の遊技球放出直後の振動を適切な程度に抑制でき、板バネ64の振動収束をより早めることが可能となる。
なお、バネストッパー66の形状や寸法の設定により、板バネ64の振幅を調整することが可能である。
【0030】
以上、本発明を適用した一実施形態として、球戻り防止装置59について説明してきたが、本発明はこの実施形態に何等限定されるものではなく様々な態様で実施しうる。
例えば、本実施例の球戻り防止装置59では振動抑止部材68と支持部材70とを離間して本体部62に形成していたが、両者の間を埋めるようにして一体化させても良い。こうすると振動抑止部材68の耐久度を増すことができる。
【0031】
また、振動抑止部材68と本体部62との隙間Cを3mmとしたが、振幅の所望値や板バネ64の厚さ等に応じて隙間Cの値を変化させても良い。また振動抑止部材68の位置も、板バネ64の先端方向や根元方向にずらしてもよい。
また、バネストッパー66の断面を図6(d)に示すようにR部66bを備えるような形状にしてもよい。こうすると遊技球77の走行を妨げることなく板バネ64を受ける面積を増やすことができ、バネストッパー66の耐久度を増すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である球戻り防止装置が適用されたパチンコ機を示す正面図である。
【図2】本実施例の球戻り防止装置が適用されたパチンコ機において、前面枠を開いた状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施例に係る遊技機の遊技盤を示す正面図である。
【図4】(a)は本実施例の球戻り防止装置の正面図であり、(b)は側面図であり、(c)はB−B断面図である。
【図5】(a)は本実施例の球戻り防止装置の本体部の斜視図であり、(b)は板バネの斜視図である。
【図6】(a)はバネストッパーの作用を示す説明図であり、(b)及び(c)はそのE−E断面図、(d)はバネストッパーの他の態様を示す断面図である。
【図7】バネストッパーの作用を示す説明図である。
【符号の説明】
1…パチンコ機 2,2a…外枠
3…中枠 3a…枠体部
4…前面枠 5…上皿部
14…外側レール 15…内側レール
59…球戻り防止装置 64…板バネ(防止片)
66…バネストッパー(抑制手段)
68…振動抑止部材
Claims (2)
- 遊技領域が形成された遊技盤と、該遊技盤の盤面に設けられた外側レールと、該外側レールよりも内側に設けられた内側レールと、該内側レールの先端部に取り付けられ発射装置により前記遊技領域に発射された遊技球が前記発射装置側に戻ることを防止する球戻り防止装置とを、備えた遊技機において、
前記球戻り防止装置は、
前記内側レールに取り付けられる本体部と、
前記本体部に固定され、遊技球が前記遊技領域に射出される際に該遊技球が衝突する防止片と、
前記防止片を間において前記内側レールとは反対側に位置し、遊技球が衝突した際に前記防止片が振動することにより当接するよう、該防止片との間に隙間をおいて設けられた振動抑止部材と、
前記本体部に取り付けられ、前記遊技盤の盤面に沿って前記内側レールから前記外側レールに向かって延出し、前記遊技領域から前記発射装置側へ戻ろうとする遊技球が前記防止片に衝突した際の該防止片の前記内側レール方向への変位を抑制する抑制手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。 - 前記抑制手段の前記外側レール側の端部に面取りが施されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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