JP4045824B2 - ダイバーシチ受信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、N本のアンテナからの受信信号X1n(1≦n≦N)を入力する入力手段を有するダイバーシチ受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ダイバーシチ受信装置については、例えば、公開特許公報「特開2001−156689:マルチキャリア変調用ダイバーシチ受信方式及びマルチキャリア変調用ダイバーシチ受信装置」に記載されているダイバーシチ受信装置等が一般に知られている。
図9に、これらの従来のダイバーシチ受信装置のデジタル信号処理部の構成を例示した制御ブロックダイヤグラムを示す。
【0003】
通常、これらの従来のダイバーシチ受信装置では、各アンテナで受信した信号間の相関係数を基に、各受信信号に係わる各重み係数が決定される。例えば、上記の公開特許公報の構成では、合成した信号と各アンテナで受信した信号の相関係数を基に重み係数(位相情報をも有する複素数)を決定している。この時、この重み係数は、所望波の位相が同位相となるように決定されるため、所望波の到来方向によって重み係数は一意に決定される。
【0004】
この様な従来のダイバーシチ受信装置から出力される信号の主成分は、複数の到来波のうち最も強い波(即ち、所望波)に概ね一致し、遅延波の影響は、このダイバーシチ効果により、アンテナが1本の場合等に比べ受け難くなる。これにより、特定のアンテナの受信レベルが極端に低下した場合でも、確実に所望波を合成することが可能となり、安定した受信信号が得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図9の従来方式に従えば、相関演算処理部の数がアンテナの本数に比例することになる。また、この相関演算処理では、目的とする所望波の周波数に追従した高速な処理能力が要求されるため、演算処理コストが高くなると言う問題があり、したがって、これらの方式やハードウェア構成はダイバーシチ受信装置の低価格化の阻害要因と成っていた。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、その目的は、高品質の移動体通信をより低い演算コストで実現することである。
【0007】
【課題を解決するための手段、並びに、作用及び発明の効果】
上記の課題を解決するためには、以下の手段が有効である。
主たる構成は、N本のアンテナからの受信信号X1n(1≦n≦N)を入力する入力手段を有するダイバーシチ受信装置において、受信信号X1nの位相情報を含んだ重み演算用の第1受信信号モデルz1n(1≦n≦N)を受信信号X1nからダウンサンプリングにより抽出する受信信号モデル抽出手段と、第1受信信号モデルz1nに基づいて最終的に出力すべき本来の所望波Yout の受信信号X1nに関する各構成比(重み係数un )を算出する出力係数算出手段と、出力係数算出手段により算出された重み係数un (1≦n≦N)と受信信号X1nとに基づいて所望波Yout の値「 n=1ΣN un X1n」を算出する出力波演算手段とを設ける。
【0008】
ただし、以下簡単のため、特に断らない限り、各重み係数w1n,w2n,...,wkn(1≦k≦K+1,1≦n≦N)は、それぞれ規格化されるものとする。即ち、任意の自然数kに対して n=1ΣN |wkn|=1とする。また、各重み係数w1n,w2n,...,wkn(1≦n≦N)は、それぞれ位相情報をも含んだ複素数で表現されるものとする。したがって、例えば、|wkn|≡1/N(1≦∀n≦N)成る場合には、各重み係数wknは、本質的には位相情報のみを有することになる。
【0009】
尚、これらの制約は、本発明の有効範囲自身をも制約するものではない。即ち、本発明の作用は、これらの具体的な表現に一々拘束されない本質的なものであり、特にこれらの制約(具体的な表現)を前提とすることなく、一般的にも導くことができるものである。言い換えれば、上記の具体的な表現に直接係わらない、本発明と数学的に全く等価な処理形式が有り得るが、それらの処理形式に従う受信装置も勿論本発明の範疇にある。
また、受信波や合成波等の波(信号)を同相化する方法は任意である。例えば、各波のピークの時刻に基づいて位相を決定する方法や、相関値が最大となる様に位相を決定する方法等が一般的である。
【0010】
図1は、本発明のダイバーシチ受信装置の基本構造を示す概念図である。本図では、4本のアンテナを有するダイバーシチ受信装置の例を示しているが、勿論アンテナの本数Nは任意で良い。図示するアンテナ、周波数変換器5、及びA/D変換器6から受信信号の入力手段が構成されており、上記の出力波演算手段(図1では、出力波演算部40に相当)に各受信信号X11,X12,X13,X14が入力される。
【0011】
また、符号10は上記の受信信号モデル抽出手段を具現するダウンサンプリング処理部を示している。このダウンサンプリング処理部10は、受信信号X1nから、受信信号X1nの位相情報を含んだ重み演算用の第1受信信号モデルz1nをダウンサンプリングにより抽出するものである。
【0012】
出力係数算出部50(出力係数算出手段)では、上記の第1受信信号モデルz1nに基づいて、出力係数un (重み係数)を算出する。
例えば、従来方式では、信号の伝送レートが6MHzであれば、サンプリング定理により12MHzがサンプルレートの下限値となる。しかしながら、出力係数un (重み係数)の算出処理に関しては、この値un が受信点の移動に伴う電波環境の変化に追従できれば演算処理性能としては必要十分であるため、直接受信信号X1nを演算処理する部分から、この値un を算出する部分を分離することにより、出力係数un (重み係数)の算出処理に関しては、上記のサンプルレートを大幅に下げることが可能となる。
【0013】
例えば、自動車等の移動体の移動速度が100km/h(≒27.8m/sec )であった場合、1cm間隔で出力係数un (重み係数)を更新するためには、約2.78kHzの頻度でその更新を実行する必要が生じる。この時、例えば、1回の重み係数算出のために、100サンプルのデータが必要であったとしても、278kHzまでサンプルレートを落すことができる。この値は、12MHzの1/43以下である。
【0014】
即ち、従来方式によれば、出力係数un (重み係数)の算出処理において、目的とする所望信号の周波数の2倍以上のサンプルレート(上の例では12MHz)で伝送する必要があるが、本発明の手段によれば、それよりも大幅に小さいサンプルレートまで、上記の第1受信信号モデルz1nをダウンサンプリングしても良いことになる。このため、本発明の手段によれば、相関演算処理の演算コストを大幅に削減することが可能となる。
【0015】
また、この演算コスト削減効果により、1つの相関演算処理部を各アンテナ間で時分割的に共有することも可能となるため、従来と同等の処理性能を有する相関演算処理部を用いた場合、その数を大きく削減することも可能である。
したがって、本発明によれば、従来と同等性能のダイバーシチ受信装置を従来よりも安価に製造することが可能又は容易となる。
【0016】
主たる構成に追加すべき構成の例は、第1の到来波Y1 の位相情報を含んだ重み演算用の第1到来波モデルy1 に関するフィードバックループと第1受信信号モデルz1nとを用いた相関演算により、第1の到来波Y1 の各構成要素波X1nに関する各構成比(重み係数w1n)を算出する第1相関係数演算手段と、第1受信信号モデルz1nと重み係数w1nの各値に基づいて第1到来波モデルy1 の値「 n=1ΣN w1nz1n」を算出する第1到来波モデル化手段とを設けることである。
この作用・効果については、後述の第1実施例の所で詳細に説明する。
【0017】
本発明の第1の手段は、N本のアンテナからの受信信号X1n(1≦n≦N)を入力する入力手段を有するダイバーシチ受信装置において、受信信号X1nの位相情報を含んだ重み演算用の第1受信信号モデルz1n(1≦n≦N)を受信信号X1nからダウンサンプリングにより抽出する受信信号モデル抽出手段と、第1受信信号モデルz1nに基づいて最終的に出力すべき本来の所望波Yout の受信信号X1nに関する各構成比(重み係数un )を算出する出力係数算出手段と、出力係数算出手段により算出された重み係数un (1≦n≦N)と受信信号X1nとに基づいて所望波Yout の値「 n=1ΣN un X1n」を算出する出力波演算手段と所望波Yout の位相情報を含んだ重み演算用の所望波モデルyout を所望波Yout からダウンサンプリングにより抽出して、上記の出力係数算出手段にフィードバックする所望波フィードバック手段を設け、出力係数算出手段において、フィードバックされた所望波モデルyout と所定の参照信号rとの偏差e(=yout −r)に基づいて、重み係数un を算出することである。
この第1の手段の作用・効果については、後述の第2実施例の所で詳細に説明する。
【0018】
また、第2の手段は、上記の第1手段において、重み係数unの算出においては、LMSアルゴリズムを用いることである。
この第2の手段の作用・効果については、後述の第2実施例の所で詳細に説明する。
以上の本発明の手段により、前記の課題を効果的、或いは合理的に解決することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではない。
〔第1実施例〕
従来装置において、最大比合成法に基づいて重み付けを行った場合、アレーアンテナとしての指向性は遅延波の到来方向に対しても何らかの感度を有するため、出力される信号(所望波)には遅延波の成分も含まれる。また、このような問題点は、最大比合成法だけでなく等利得合成法に基づいて重み係数を決定する場合にも生じる。
【0020】
本第1実施例では、この様な遅延波の除去処理に極めて有効な構成を配設した本発明の実施例を示す。
尚、本第1実施例では、この実施例に深く係わる処理方式の作用を中心に説明する「方式説明」と、この処理方式をより詳細に説明する後半の「詳細説明」とに分けて説明する。
【0021】
1.方式説明
本来の所望波Yout の値は、除去されるべきK個の遅延波Yk (2≦k≦K+1)と、図9の従来技術と同様の手順で算定可能な所望波(以下、1次近似の所望波Y1 と言う。)とを用いて、次式(1)の様に書くことができる。
【数1】
ただし、ここで、関数un =f(wkn)は図2の出力係数演算処理部30により規定されるものである。また、各重み係数wkn(1≦k≦K+1,1≦n≦N)は、図2の逐次演算処理部20により、周期的に各々算出される。
【0022】
この逐次演算処理部20は、上記の第k相関係数演算手段と、第k到来波モデル化手段と、第k受信信号モデル化手段などから構成されており、符号10は上記の受信信号モデル抽出手段を示している。この受信信号モデル抽出手段10は、受信信号X1nから、受信信号X1nの位相情報を含んだ重み演算用の第1受信信号モデルz1nを抽出するもので、ダウンサンプリングを実行するもので構成する。
【0023】
以下、逐次演算処理部20の作用について説明する。
前記の従来の手法によれば、フィードバックされる一次近似の所望波Y1 と各受信信号X1nとの間における所定の相関演算にて各受信信号X1nに係わる重み係数w1n得ることにより、次式(2)にしたがって、一次近似の所望波Y1 を随時更新することができる。勿論、周期的に上記のフィードバックを掛けることにより、重み係数w1nも同時に更新される。この重み係数w1nの装置起動時等の初期値は、例えば1/N等で良い。即ち、これらの設定手法等についても、従来と同様に周知の手順で実施可能である。
【数2】
Y1 = n=1ΣN w1nX1n …(2)
【0024】
しかしながら、この重み係数w1nは、元来X1nが有する位相情報等に基づいて決定されているものであるから、X1nの代わりに、ダウンサンプリング等により受信信号X1nから抽出された同等の位相情報を含んだ重み演算用の第1受信信号モデルz1nを用いても、同様の相関演算を実施することができる。即ち、その相関演算によっても式(2)と同じ重み係数w1nを得ることができる。
【0025】
上記の第k相関係数演算手段は、この様な相関演算により逐次重み係数wknを第k受信信号モデルzkn(1≦k≦K+1)を用いて算出するものであり、上記の第k到来波モデル化手段は、そこで算出された重み係数wknに基づいて次式(3)により、第k到来波モデルyk (1≦k≦K+1)の値を算出するものである。
【数3】
yk = n=1ΣN wknzkn …(3)
【0026】
したがって、この2つの手段(第k相関係数演算手段及び第k到来波モデル化手段)と、次式(4)の一般形で示される所定の適正な漸化式(第k受信信号モデル化手段)とを用いることにより、逐次演算処理部20は、第kの到来波(k−1番目の遅延波)Yk と同等の位相情報を含んだ第k到来波モデルyk を逐次算出することができる。
【数4】
zk+1,n =g(zkn,wkn,yk ) (1≦k≦K) …(4)
【0027】
即ち、逐次演算処理部20によれば、wkn,yk ,zkn(1≦k≦K+1)を逐次求めることができるので、出力係数演算処理部30は、上記の式(3)、式(4)とこの逐次演算処理部20の出力情報wkn(1≦k≦K+1,1≦n≦N)に基づいて、上記の式(1)の形に一意に関数fを定めることができる。ただし、重み係数wkn(2≦k≦K+1,1≦n≦N)の装置起動時等の初期値も、上記の重み係数w1nと同様に適当に与えることができる。
【0028】
例えば、上記の漸化式を与える関数gを次式(5)で定義する時、K=2に対して、次式(6)の関係を得る。
【数5】
ただし、上付きの添字「*」は、複素共役を示す。
【数6】
ただし、上記のyout は、前記の式(2)のYout と同じ位相情報を持った所望波のモデルを意味するものである。
【0029】
したがって、この関数un =f(wkn)を上記の式(1)に代入することにより、本発明のダイバーシチ受信装置では、従来の式(2)のみしか用いていないダイバーシチ受信装置に比べて、所定の個数の遅延波を除去されたより高い品質の受信信号を得ることができる。
言い換えれば、例えば、この様な手段により、所望波と遅延波が同時に到来する電波環境において、所望波の強度を維持しつつ遅延波を除去することが可能となり、移動通信において高い通信品質を確保することができる。
【0030】
2.詳細説明
以下、図2のダイバーシチ受信装置の更に詳細な構成例について、更に具体的に示す。
尚、以下では、前述の式(1)、式(3)、式(5)を用い、更に、前述の式(6)の変形例である後述の式(7)に従って最終的に出力すべき本来の所望波Yout を求める手順を例示する。また、本実施例では、アンテナの本数Nは4、除去すべき遅延波の数Kは2を仮定するが、用いられる各数式中においては、極力一般形のN,Kを使用するものとする。
【0031】
本第1実施例のダイバーシチ受信装置(図2、図3、図4)では、受信信号モデル抽出手段10において、1/8のダウンサンプリングを実施し、この受信信号モデル抽出手段10と出力波演算手段40は、実際の受信信号X1n(1≦n≦N)を取り扱う関係上、比較的高速な32MHzのクロック周波数で動作する演算処理装置を用いて実装(具現)する。一方、逐次演算処理部20と出力係数演算処理部30は、ダウンサンプリングされた標本信号(モデルyk ,zkn)を演算対象とすればよいため、実際の受信信号X1n(1≦n≦N)を直接処理する必要がない関係上、比較的低速な4MHzのクロック周波数で動作する演算処理装置を用いて実装(具現)する。
【0032】
前述の図2のアンテナ、周波数変換器5、及びA/D変換器6から成る入力手段より各受信信号X11,X12,X13,X14が入力される。受信信号モデル抽出手段10は、1/8のダウンサンプリング処理を実行し、この処理によりy1 算定用の第1受信信号モデルz1nを逐次演算処理部20に出力する。
【0033】
本実施例では、前述の式(6)の変形例である次式(7)に従って関数値un を算出し、この値を前述の式(1)に代入することにより、最終的に出力すべき本来の所望波Yout を求める。
【数7】
【0034】
この式(7)は、「w20=w30=1」成る時、前述の式(6)に帰着する。この重み係数wk0(2≦k≦K+1)は、遅延波y2 ,y3 を過不足無く除去するために設けられた係数である。
【0035】
図3は、本第1実施例のダイバーシチ受信装置の逐次演算処理部20の構成を示す制御ブロックダイヤグラムである。
合成部k(k=1,2,3)は、前述の第k相関係数演算手段及び第k到来波モデル化手段から構成されている。また、図中の漸化式演算部21は前述の第k受信信号モデル化手段(k=2)から構成されており、漸化式演算部22は前述の第k受信信号モデル化手段(k=3)から構成されている。ここで演算される漸化式は、前記の式(5)である。
【0036】
図4は、本第1実施例の逐次演算処理部20の1部分の詳細な構成を示す制御ブロックダイヤグラムである。以下、本図4に従って、各部の動作を詳細に説明する。
【0037】
合成部1では、受信信号モデル抽出手段10から出力された第1受信信号モデルz1n(即ち、z11,z12,z13,z14)に対して最大比合成法に基づいて決定した重み係数(w11,w12,w13,w14)を掛けた後、それらの総和を算出することにより合成処理を行う。即ち、各アンテナで受信した受信信号X1nと同等の位相情報を有する第1受信信号モデルz1n(即ち、z11,z12,z13,z14)と合成後の第1到来波モデルy1 との相関係数を求め(第1相関係数演算手段)、この係数をそれぞれのアンテナで受信した第1受信信号モデルz1nに対する重み係数(w11,w12,w13,w14)として用いて、式(3)に従って第1到来波モデルy1 の値を算出する(第1到来波モデル化手段)。これにより、一次近似の所望波Y1 の到来方向に指向性のメインビームが形成され、合成した第1到来波モデルy1 においては元来の所望波が主成分となる。
ここまでの手法は、従来技術と相似である。即ち、合成した第1到来波モデルy1 (即ち、一次近似の所望波Y1 のダウンサンプルと等価の標本波)には、サイドローブで受信された遅延波成分も含まれる。
【0038】
漸化式演算部21では、合成部1で用いた重み係数(w11,w12,w13,w14)の複素共役(w11 * ,w12 * ,w13 * ,w14 * )をそれぞれ上記の第1到来波モデルy1 に掛けた信号(w1n * y1 )を、各アンテナ素子で受信した受信信号(即ち、第1受信信号モデルz11,z12,z13,z14)からそれぞれ差し引く(z2n=z1n−w1n * y1 )。即ち、前記の式(5)の漸化式に従って、z2nを求める。ただし、上付きの添字「*」は、複素共役を示す。
【0039】
各重み係数(w11,w12,w13,w14)の絶対値は、各アンテナ素子で受信された受信信号(第1受信信号モデルz1n,1≦n≦N=4)が合成後の信号(第1到来波モデルy1 )に、それぞれどの程度含まれているかを示す比率と一致する。これは、各重み係数(w11,w12,w13,w14)を最大比合成法により決定しているためである。このことから、各重み係数(の複素共役)を合成後の信号y1 にかけて各アンテナ素子で受信された信号z1nから差し引くことで、得られる信号(第1受信信号モデルz1n)は遅延波成分が主成分となる。ただし、ここで、複素共役を取るのは、位相を元に戻すためである。
【0040】
合成部2では、遅延波が主成分となった2次信号(第2受信信号モデルz21,z22,z23,z24)に対して最大比合成または等利得合成を行う。合成部2に入力される信号はC/N比が低下しているが、これらの信号の位相を揃えて合成することで合成部2の出力信号(第2到来波モデルy2 )はC/N比が改善された信号となる。
【0041】
遅延波除去部では合成部1の出力信号y1 と合成部2の出力信号y2 との相関係数を求め、この相関係数の複素共役(重み係数w20)を合成部2の出力信号(即ち、遅延波y2 )に掛けたのち、合成部1の出力信号(即ち、第1到来波モデルy1 )から差し引く。言い換えれば、遅延波除去部では出力信号y12を次式(8)に従って求める。
【数8】
y12=y1 −w20y2 …(8)
【0042】
このときの相関係数の絶対値|w20|は、合成部1の出力信号y1 に含まれる遅延波成分(∝y2 )の大きさを表しており、上記の相関係数の複素共役(重み係数w20)を合成部2の出力信号y2 に掛けることで合成部2から出力される遅延波成分y2 の大きさを合成部1の出力信号に含まれる遅延波成分(∝y2 )の大きさに合わせている。複素共役を取るのは位相も合わせるためである。
【0043】
これらの処理により、遅延波成分(∝y2 )は精度よく差し引かれ、よって、遅延波モデルy2 の成分が過不足なく除去された2次近似の所望波モデルy12を得ることができる。したがって、この2次近似の所望波モデルy12は、一次近似の所望波Y1 から一つ目の遅延波Y2 の成分を過不足なく差し引いた(除去した)信号と同等の位相情報を持つことになる。
【0044】
更に、漸化式演算部22では、上記の漸化式演算部21と同様の処理を実行する。合成部3では、上記の合成部2と同様の処理を実行する。相関演算部26では、遅延波モデルy3 と2次近似の所望波モデルy12に基づいて、上記の遅延波除去部と同様に相関係数の複素共役(重み係数w30)を算出する。これにより、全ての重み係数wkj(1≦k≦K+1,0≦j≦N)が一通り揃う。
その後は、式(7)、式(1)に従って、出力係数演算処理部30及び出力波演算手段40を実行すれば良い。
【0045】
尚、以上の第1実施例における各重み係数(w1n,w2n,w3n,1≦n≦N)の決定方法としては、最大比合成法と等利得合成法の両方が適用(応用)可能である。
例えば以上の様な構成により、所望波と遅延波が同時に到来する電波環境において、所望波の強度を維持しつつ遅延波を除去することが可能となり、移動通信において高い通信品質を確保することができる。
【0046】
図5は、上記のダイバーシチ受信装置(図2,図3,図4)の作用・効果を指向性の観点から説明する概念図である。即ち、本図5は、K=1の時の本発明の動作をアレーアンテナの指向性に注目して説明するものである。第k相関係数演算手段では各重み係数は最大比合成に基づいて決定することができる。この時、1次近似の所望波Y1 に現れるアンテナの指向性は図5(a)のようになり、所望波の到来方向にメインビームが形成される。また、このときサイドローブのほうから遅延波が到来していれば、1次近似の所望波Y1 には遅延波の成分も現れる。ただし、最大比合成の効果により1次近似の所望波Y1 では、本来の所望波が主成分となる。
【0047】
一方、第2の到来波(第1の遅延波)Y2 については、例えば上記の式(5)の様な漸化式で表現される上記の第k受信信号モデル化手段の作用により、1次近似の所望波Y1 が差し引かれるため遅延波成分が主成分となる。したがって、第2の到来波(第1の遅延波)Y2 に現れるアンテナの指向性は、図5(b)のように所望波の到来方向にヌルを持つ指向性となる。
更に、指向性の側面から考えると、図5(a)から図5(b)を差し引いた指向性が図5(c)のようになることから、式(1)の出力信号Yout が、図5(c)のように所望波成分のみとなることが判る。即ち、図2の出力信号Yout に現れる指向性は、所望波の到来方向にメインビームを持ち、尚且つ、遅延波の到来方向にヌルを持つ指向性となる。
【0048】
以上のことから判る様に、本発明の手段を用いたダイバーシチ受信装置においては、第k到来波モデル化手段から出力される信号(第k到来波モデルyk )は最大比合成法または等利得合成法に基づいて生成されることから、複数のアンテナで受信された所望波成分が効率的に合成され、高いC/N比(信号対雑音比)になっている。また、上記の式(1)、式(6)に基づいて遅延波成分が差し引かれるので、従来装置に比べてD/U比(所望波対遅延波比)も高くなる。
【0049】
また、上記の構成に従えば、逐次演算処理部20の中のk番目の処理手段とk+1番目の処理手段とを略同じ構造とすることができる。このため、同一の手段(サブルーチン等)を用いることにより、これらの動作を実現することができ、ハードウェア構成、或いはメモリー使用量やプログラム開発コストの点で一定以上の効果を得ることができる。
【0050】
尚、上記の第1実施例においては、遅延波除去係数算出手段により正確な重み係数wk0(k=2,3)を算出する構成を例示したが、これらの重み係数wk0は恒等的に1であると仮定しても良い。この取り扱いにより、上記の式(7)は前述の式(6)に帰着する。
このような手法に従えば、除去されるべき各遅延波Y2 ,Y3 の振幅を精度よく調整する(即ち、過不足なく正確に差し引く)ことができない場合が生じ得るが、その反面、このような手法に従えば、上記の遅延波除去係数算出手段を省略することが可能となり、これにより、本発明のダイバーシチ受信装置をより簡潔に構成できると言う利点を得ることができる。
即ち、遅延波除去係数算出手段を持たない、上記の様なダイバーシチ受信装置を構成した場合においても、本発明の手段により、本発明の作用・効果を得ることができる。
【0051】
また、上記の第1実施例においては、除去すべき遅延波の個数Kを2として、2つの遅延波Y2 ,Y3 を1次近似の所望波Y1 から差し引く(除去する)構成を例示したが、本発明は任意の自然数Kに対して適用可能である。
例えば、K=1とする場合には、上記の第1実施例においてz3n,w3nおよびy3 を算出する一連の(一段の)演算処理を省略して、本発明のダイバーシチ受信装置を構成すれば良い。
この場合には、前述の式(7)に対して「w30=0」を代入することにより、式(7)を上記の第1実施例と全く同様に用いることができる。
【0052】
また、以下の理由により、除去すべき遅延波の個数Kは、1,2又は3程度が比較的望ましく、これらの場合において、より効果的或、効率的、或いはより合理的に遅延波を除去することができる。
(理由1)Kの値を大きくしていくと、それに伴い演算量が爆発的に増大するため、演算コストが高くなり、非効率又は不合理となる。
【0053】
(理由2)z2nの値を求める際等に第1の到来波モデルy1 を用いているが、この到来波モデルy1 は、実際の所望波を1次近似処理(第1相関係数演算手段)により近似したモデルであるので、近似に伴うある程度の誤差を含んでいる。したがって、上記の第1実施例の方式を応用した場合でも、Kの値を大きくすればする程、より高い受信精度が得られるという保証はない。
【0054】
(理由3)昨今組み合わせて利用可能なその他の公知のノイズリダクション技術の水準や、当面想定され得る受信精度等を考慮すれば、更に高次の遅延波については、概ね無視することができるものと考えられる。
【0055】
〔第2実施例〕
図6は、本発明の第2及び第3実施例のダイバーシチ受信装置の基本構造を示す概念図である。この図6の基本構造は、前述の図1の本発明のダイバーシチ受信装置の基本構造に対して、主にダウンサンプリング処理部11から構成される本発明の所望波フィードバック手段を追加したものである。
この様な所望波フィードバック手段を追加することにより、前述の所望波モデル(第1実施例での1次近似の所望波モデルy1 に相当。第2及び第3実施例では所望波モデルyout 。)を、より単純な構成(演算処理)によって算出することができる。
【0056】
また、この手段により、より高い精度で所望波モデルを算出することが可能となる。
このダウンサンプリング処理部11のダウンサンプル比は、図1或いは図2のダウンサンプリング処理部10と同等程度で良い。
また、参照信号rの周波数も、上記のサンプル比に従い、低減することができる。
【0057】
図7は、本第2実施例のダイバーシチ受信装置の出力係数算出部50の構成を示す制御ブロックダイヤグラムである。重み制御部52は、ダウンサンプリング処理部11にて所望波Yout をダウンサンプリングすることにより算出された所望波モデルyout と所定の参照信号rとの差分(誤差信号e=yout −r)に基づいて、重み係数un を算出する。この演算処理は、周知のLMSアルゴリズムに基づいて実行することができる。
【0058】
即ち、例えば、ステップサイズをμとすると、重み係数un の1制御周期当りの変化量dun は、次式(9)で与えることができる。
【数9】
dun =μz1ne* …(9)
ただし、ここで、e* は誤差信号eの複素共役である。
【0059】
これにより、誤差信号eの絶対値|e|が最小化される様に、重み係数un を制御することができる。
上記の重み係数un の更新は、電波環境の変化に追従する程度で良く、高速に演算する(短い周期で算出する)必要はない。言い換えれば、重み係数un が変化しない期間は、その値を継続的に用いれば良い。
例えばこの様な処理方式により、重み係数un の演算コストを大幅に削減することができる。
【0060】
〔第3実施例〕
図8は、本第3実施例のダイバーシチ受信装置の出力係数算出部50の構成を示す制御ブロックダイヤグラムである。図8の符号15は、絶対値(振幅)を演算する制御ブロックを示している。この方式はCMAアルゴリズム(定包絡線アルゴリズム)に基づいており、重み制御部53は、目標の振幅σ(定数)と実際の振幅|yout |との差異が最小化される様に動作する。即ち、この方式は、第2実施例の方式と同様に、最急降下法の原理に基づいて、包絡線(振幅)の変動を最小化する様に動作する。
【0061】
したがって、この方式によれば、干渉波や遅延波の影響によって生じる包絡線(振幅)の変動を最小化することができる。
例えばこの様な処理方式においても、本発明の手段により重み係数un の演算コストを大幅に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のダイバーシチ受信装置の基本構造を示す概念図。
【図2】第1実施例のダイバーシチ受信装置の基本構造を示す概念図。
【図3】第1実施例のダイバーシチ受信装置の逐次演算処理部20の構成を示す制御ブロックダイヤグラム。
【図4】第1実施例のダイバーシチ受信装置の逐次演算処理部20の1部分の詳細な構成を示す制御ブロックダイヤグラム。
【図5】第1実施例のダイバーシチ受信装置の作用・効果を説明する概念図。
【図6】第2及び第3実施例のダイバーシチ受信装置の基本構造を示す概念図。
【図7】第2実施例のダイバーシチ受信装置の出力係数算出部50の構成を示す制御ブロックダイヤグラム。
【図8】第3実施例のダイバーシチ受信装置の出力係数算出部50の構成を示す制御ブロックダイヤグラム。
【図9】従来のダイバーシチ受信装置のデジタル信号処理部の構成を示す制御ブロックダイヤグラム。
【符号の説明】
10 … ダウンサンプリング処理部
11 … ダウンサンプリング処理部
20 … 逐次演算処理部
30 … 出力係数演算処理部
40 … 出力波演算部
50 … 出力係数算出部
52 … 重み制御部
53 … 重み制御部
N … アンテナの本数
K … 除去すべき遅延波Yk の数(2≦k≦K+1)
X1n … 実際の受信波(入力波;1≦n≦N)
un … 出力係数(重み係数,1≦n≦N)
y1 … 第1の到来波モデル(1次近似の所望波モデル)
y2 … 第2の到来波モデル(第1遅延波モデル)
y3 … 第3の到来波モデル(第2遅延波モデル)
yk … 第kの到来波モデル(第k-1遅延波モデル)
y12 … 2次近似の所望波モデル
z1n … 第1受信信号モデル(y1 算定用)
z2n … 第2受信信号モデル(y2 算定用)
z3n … 第3受信信号モデル(y3 算定用)
zkn … 第k受信信号モデル(yk 算定用)
wkj … 重み係数(1≦k≦K+1,0≦j≦N)
Yout … 実際の所望波(出力波)
yout … 所望波モデル
r … 参照信号
e … 誤差信号
Claims (2)
- N本のアンテナからの受信信号X1n(1≦n≦N)を入力する入力手段を有するダイバーシチ受信装置において、
ダウンサンプリングにより、前記受信信号X1nの位相情報を含んだ重み演算用の第1受信信号モデルz1n(1≦n≦N)を前記受信信号X1nから抽出する受信信号モデル抽出手段と、
前記第1受信信号モデルz1nに基づいて、最終的に出力すべき本来の所望波Yout の前記受信信号X1nに関する各構成比(重み係数un )を算出する出力係数算出手段と、
前記出力係数算出手段により算出された前記重み係数un (1≦n≦N)と前記受信信号X1nとに基づいて、前記所望波Yout の値「 n=1ΣN un X1n」を算出する出力波演算手段と、
ダウンサンプリングにより、前記所望波Yout の位相情報を含んだ重み演算用の所望波モデルyout を前記所望波Yout から抽出して、前記出力係数算出手段にフィードバックする所望波フィードバック手段とを有し、
前記出力係数算出手段は、フィードバックされた前記所望波モデルyout と所定の参照信号rとの偏差e(=yout −r)に基づいて、前記重み係数un を算出する
ことを特徴とするダイバーシチ受信装置。 - 前記重み係数unの算出においては、LMSアルゴリズムを用いることを特徴とする請求項1に記載のダイバーシチ受信装置。
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