JP4576742B2 - 送受信周波数分割多重無線装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、無線通信システムにおける、アダプティブアレーアンテナを有する送受信周波数分割多重無線装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
アダプティブアレーアンテナは、複数のアンテナ素子からなるアレーアンテナと、ビームパタン制御回路とから構成される。ここで、ビームパタン制御回路は、各素子の励振の振幅及び位相を独立に制御するビームパタン形成回路と、制御する振幅及び位相の情報(以下では「重み係数」という)を算出する重み係数算出部とから構成される。
【0003】
アダプティブアレーアンテナは、通常、受信側で使用される。アレーアンテナから受信した信号は、ビームパタン制御回路に入力され、重み係数算出部において、ビームパタン制御回路の出力で通信相手局からの信号について最適になるように重み係数が算出される。ビームパタン形成回路は、該重み係数により所望通信相手局からの信号方向にビームを向け、非所望通信相手局にヌル(電界強度0)を向けるように、受信ビームパタンを形成することができる。結果として、非所望通信相手局からの干渉に対する所望通信相手局からの信号の利得を高くすることが可能である。
【0004】
図5は、方向に対する利得の関係を示すグラフであり、ビームとヌルとを示している。
【0005】
送信側でも、適切な送信重み係数を求めることにより、所望通信相手局の方向にビームを向け、非所望通信相手局の方向にヌル(電界強度0)を向けることができる。即ち、通信相手局に高利得な信号を送信し、非通信相手局にはほぼ0の信号を送信することが可能である。
【0006】
ここで、送受信周波数分割多重無線通信システムにアレーアンテナを適用した場合、適切な送信重み係数を求めるためには次のような問題がある。
【0007】
第1に、送受信周波数が異なる場合、各周波数の波長が異なるため、各々の周波数における同一アンテナ素子単体の放射特性は異なるものとなる。
【0008】
第2に、アレーアンテナを構成した場合、送受信周波数が異なると、アンテナ素子間相互結合の影響およびアレーアンテナ素子間距離に対する各周波数の波長が異なることにより、アレーアンテナ素子放射特性はアンテナ素子単体の放射特性と一致せず、各々の周波数においても大きく放射特性が異なってしまう。
【0009】
そのため、受信重み係数を送信重み係数として使用した場合、アレーアンテナ前後において同一方向の送受信信号の特性が異なるため、最適なビームパタンを形成することができず、新たに送信重み係数を求める必要がある。
【0010】
上記を解決するための従来技術として、以下のような無線装置が挙げられる。
【0011】
第1の無線装置としては、送受信周波数でアレー応答が同一であるアンテナ素子を用意し、各々でアレーアンテナを構成して同一のアレー応答を有するアレーアンテナを各々具備するものがある。
【0012】
第2の無線装置としては、通信相手局において受信SNRが最大になるように、通信相手局からのフィードバック信号を使用してキャリブレーションを行うもの(例えば特開2001−007754号)がある。
【0013】
従来技術では、送信側で、所望通信相手局にビームを向けるためには所望通信相手局の方向が、非所望通信相手局にヌルを向けるためには非所望通信相手局の方向が既知であれば、適切な送信ビームパタンを形成することができる。
【0014】
第3の無線装置としては、アレーアンテナからの受信信号を用いて、受信信号の到来方向推定を行い、到来方向推定情報と、送信アレー応答データベースを用いて送信重み係数を算出し、送信ビームパタンを形成するものがある。
【0015】
前述した第1の無線装置の場合、受信重み係数をそのまま送信重み係数として用いることにより、受信ビームパタンと同一の送信ビームパタンを形成することができるため、所望通信相手局の方向にビームを、非所望通信相手局の方向にヌル(電界強度0)を向けることができ、所望通信相手局に高利得な信号を、非所望通信相手局にはほぼ0の信号を送信することが可能である。
【0016】
前述した第2の無線装置の場合、逐次追従させることにより、所望通信相手局にビームを向けることが可能である。
【0017】
また、前述した第3の無線装置の場合、所望通信相手局からの受信信号の到来方向推定ことにより、所望通信相手局にビームを向けることが可能である。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、第1の無線装置では、送受信各々でアレーアンテナを装備する必要がある。また送受信周波数でアレーアンテナ素子放射特性が同一であるアレーアンテナを開発する、または送受信アレーアンテナ素子放射特性がほぼ同一であるアレーアンテナを用意し、更に各々の特性が同一となるようにキャリブレーションを行う装置を具備する必要がある。
【0019】
第2の無線装置では、通信手順を新たに確立する必要があり、制御が複雑となる。また、ビーム制御のみしか行うことができない。
【0020】
また、第3の無線装置では、ビーム制御のみしか行うことができない。ヌル制御を行うためには、すべての通信相手局の受信信号について、到来方向推定を行う必要があり、回路構成が大規模となる。
【0021】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決するためのものであり、送受信アレーアンテナを用いた送受信周波数分割多重無線装置において、簡易でかつ高精度な送信ビームパタン制御を実現することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明の送受信周波数分割多重無線装置は、上記目的を達成するために、送信周波数と受信周波数でアレー応答が異なる複数のアンテナ素子を有する送受信アレーアンテナと、アレーアンテナから受信した信号を出力にて最適になるような受信重み係数を算出して制御する受信ビームパタン制御手段と、ステアリングベクトルを蓄積するステアリングベクトル蓄積メモリと、受信ビームパタン制御手段で算出された受信重み係数と、ステアリンブベクトル蓄積メモリから出力されるステアリングベクトルと、送信周波数における送信アレー応答ベクトルデータとを用いて、送信重み係数を算出する送信重み係数算出手段とを有する。このように、受信側の情報のみに基づいて受信ビームパタンに近似した送信ビームパタンを形成することにより、簡易でかつビームおよびヌルを形成した高精度な送信ビームパタン形成が実現できる。
【0023】
本発明の他の実施形態によれば、送信重み係数算出手段は、全方向もしくは全所要方向についてサンプリングした受信ビームパタンを算出する受信ビームパタン算出手段と、全方向もしくは全所要方向についてサンプリングした送信アレー応答ベクトルから相関行列を算出する重み付き相関行列算出手段と、相関行列に、各々方向について対応させて逆数を乗算させ、方向について全て行列和演算を行う行列和演算手段と、求められた一つの相関行列の逆行列を算出する逆行列演算手段と、ステアリングベクトルに左行列積演算を行うのと等価な処理を行い、得られたベクトルを送信重み係数として出力する行列積演算手段とを有することも好ましい。
【0024】
ステアリングベクトルは、ある要素を1、その他の要素を0としたベクトルであってもよい。また、ステアリングベクトルは、全ての要素を1としたベクトルであってもよい。
【0025】
また、本発明の送受信周波数分割多重無線装置は、上記目的を達成するために、送信周波数と受信周波数でアレー応答が異なる複数のアンテナ素子を有する送受信アレーアンテナと、アレーアンテナから受信した信号を出力にて最適になるような受信重み係数を算出して制御する受信ビームパタン制御手段と、ステアリングベクトルを算出するステアリングベクトル算出手段と、受信ビームパタン制御手段で算出された受信重み係数と、ステアリンブベクトル算出手段から出力されるステアリングベクトルと、送信周波数における送信アレー応答ベクトルデータとを用いて、送信重み係数を算出する送信重み係数算出手段とを有する。このように、受信側の情報のみに基づいて受信ビームパタンに近似した送信ビームパタンを形成することにより、簡易でかつビームおよびヌルを形成した高精度な送信ビームパタン形成が実現できる。
【0026】
本発明の他の実施形態によれば、ステアリングベクトル算出手段は、アレーアンテナから受信した信号と、受信周波数におけるアレー応答ベクトルデータとを用いて、角度スペクトラムのピークを検出し、所望通信相手局から到来する信号の方向を推定した到来方向推定情報を算出する到来方向推定手段と、到来方向推定手段から出力された到来方向推定情報より、所望通信相手局から到来する信号の方向の送信アレー応答ベクトルをステアリングベクトルとして算出する所望送信アレー応答ベクトル算出手段とを有することも好ましい。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下では、図面を用いて、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0028】
図1は、本発明の第1の実施形態による無線装置の構成図である。同図において、101はN素子アレーアンテナを構成するアレーアンテナ素子(1)、102はアレーアンテナ素子(2)、103はアレーアンテナ素子(N)、111はサーキュレータ(1)、112はサーキュレータ(2)、113はサーキュレータ(N)、120は受信ビームパタン制御回路、121は受信部である。130は送信ビームパタン制御回路であり、131送受信アレー応答ベクトルデータベース、132送信重み係数算出部、133ステアリングベクトル蓄積メモリ、134送信ビームパタン形成回路から構成され、135は送信部である。
【0029】
送信部135より出力された送信信号は、送信ビームパタン形成回路134において、アレーアンテナ素子毎に分岐され、送信重み係数を用いて各々の信号の振幅および位相が操作され、サーキュレータ111〜113を通してアレーアンテナ素子101〜103に出力される。ここで、重み係数とは、アレーアンテナ素子101〜103毎に、各々操作される振幅および位相の変化量を含有する情報であり、アレーアンテナ素子数Nの要素をもつ複素ベクトルで表される。送信重み係数算出部132では、受信ビームパタン制御回路120において、アレーアンテナ素子毎に受信された受信信号を、各々の振幅および位相を操作することにより、出力で相手通信局の受信信号について最適になるように算出された受信重み係数と、ステアリングベクトル蓄積メモリ133から出力されたステアリングベクトルと、送受信アレー応答ベクトルデータベース131に蓄積されたデータを用いて、送信重み係数の算出が行われ、送信ビームパタン形成回路134に出力される。ここで、送受信アレー応答データベースには、送受信周波数において、各々アレーアンテナ素子101〜103の全方向もしくは所要の全方向にわたって予め測定した振幅および位相情報を含むアレー応答を、全方向もしくは全所要方向にわたってサンプリングしたアレーアンテナ素子数Nの要素をもつアレー応答ベクトルのデータが蓄積されている。
【0030】
以上において、アレーアンテナ素子101〜103の配置は、任意に設定させておくことができ、また、送受信アレー応答ベクトルデータベース131に蓄積させておく送受信周波数におけるアレー応答ベクトルデータは、任意に設定したアレーアンテナ素子101〜103の配置に対応したデータを蓄積させておく。
【0031】
図3は、送信重み係数算出部132の詳細な構成図である。301は受信ビームパタン算出回路、302は重み付き相関行列算出回路、303は行列和演算回路、304は逆行列演算回路、305は行列積演算回路である。
【0032】
まず、受信ビームパタン算出回路301では、受信重み係数制御回路120から出力されたアレーアンテナ素子数N次の受信重み係数ベクトルW=(wR1,・・・,wRNと、送受信アレー応答ベクトルデータベース131に蓄積されている、全方向もしくは全所望方向にわたってMサンプリングされたアレーアンテナ素子数N次の受信応答ベクトルデータX(m)=(XR1m,・・・,XRNm,(m=1,・・・,M)を用いて、次式の行列積により、全方向もしくは全所望方向にわたってMサンプリングされた受信ビームパタンDRm,(m=1,・・・M)を算出する。
【0033】
【数1】
Figure 0004576742
【0034】
ここで、Tは転置、Hは転置共役複素、*は複素共役を表し、アレーアンテナ素子数N次の受信重み係数の列ベクトルWと全方向もしくは全所望方向にわたってMサンプリングされたアレーアンテナ素子数N次の受信アレー応答ベクトルX(m)は、ともに振幅・位相情報含み、通常複素ベクトルで表される。
【0035】
図6は、全方向もしくは全所望方向にわたって15サンプリングされたアレーアンテナ素子数2次の受信アレー応答ベクトルデータの振幅をサンプリングした図である。
【0036】
図7は、全方向もしくは全所望方向にわたって15サンプリングされたアレーアンテナ素子数2次の受信アレー応答ベクトルデータの位相をサンプリングした図である。
【0037】
また、重み係数を送受信ビームパタン形成回路で使用する際は、ここで使用している表記を用いると、該受信ビームパタン算出回路301でMサンプリングされたビームパタンを算出したように、W を行列乗算するのと等価な処理が行われる。
【0038】
算出されたサンプリングされた受信ビームパタンDRm,(m=1,・・・M)は重み付き相関行列算出回路302に入力され、送受信アレーアンテナ素子放射特性データベース131に蓄積されている、全方向もしくは全所要方向にわたってMサンプリングされたアレーアンテナ素子数N次の送信応答ベクトルデータX(m)=(XS1m,・・・,XSNm,(m=1,・・・,M)より算出された、相関行列X (m)X(m)に対し、逆数をとった形で各々対応する方向のサンプルm,(m=1,・・・,M)の相関行列に乗算することにより、次式のように重み付き相関行列RXX(m),(m=1,・・・,M)が求められる。
【0039】
【数2】
Figure 0004576742
【0040】
ここで、相関行列X (m)X(m)および重み付き相関行列RXX(m),(m=1,・・・,M)は、自己相関行列と等価である行列であり、この場合、アレーアンテナ要素数Nを次数とした正方行列となる。
【0041】
算出された全方向もしくは全所要方向毎の重み付き相関行列RXX(m),(m=1,・・・,M)は、行列和演算回路303に入力され、次式のように全ての行列和が求められる。
【0042】
【数3】
Figure 0004576742
【0043】
出力のアレーアンテナ要素数Nを次数とした1つの相関行列RXXは、逆行列演算回路304に入力され、逆行列RXX −1が求められる。
【0044】
行列積演算回路305では、ステアリングベクトル蓄積メモリ133に蓄えられたアレーアンテナ素子数Nの要素をもつステアリングベクトルを列ベクトルS、入力である重み付き相関行列の逆行列RXX −1としたとき、行列積RXX −1Sと等価な演算が行われ、アレーアンテナ素子数Nの次数のベクトルである送信重み係数が求められる。
【0045】
=RXX −1
【0046】
ここで、ステアリングベクトルは、ある要素を1、残りのN-1の要素を0、つまりS={1,0,・・・,0}、もしくは、全ての要素を1、つまりS={1,・・・,1}、としたアレーアンテナ素子数Nの次数のベクトルである。
【0047】
上記の重み付き相関行列算出回路302において、入力であるサンプリングされた受信ビームパタンの逆数の乗算を行わないもしくは全て1、送信アレー応答ベクトルデータを、アレーアンテナ素子数Nより少ない、ある特定方向についてのみ、と仮定した場合に、送信重み係数算出部132から出力される送信重み係数を用いて送信ビームパタン形成回路134によって形成された送信ビームパタンは、送信アレー応答ベクトルデータを使用した、アレーアンテナ素子数Nより少ない、ある特定方向にヌルが形成される。これは、アダプティブアレー技術における、電力反転効果とよばれる特性である。本発明では、重み付き相関行列算出回路302において、全方向もしくは全所要方向にわたってサンプリングされた受信ビームパタンを、逆数をとった形で各々対応する方向の相関行列に乗算して重み付けを行い、行列和演算回路203において、全ての行列和を求めることにより、受信ビームパタンに近似した送信ビームパタンを得ることが可能となる。
【0048】
以上より、受信ビームパタンに近似した送信ビームパタンを受信側の情報のみに基づいて形成することが可能となるため、簡易でかつビームおよびヌルを形成した高精度な送信ビームパタン形成が実現でき、課題は解決される。
【0049】
図2は、本発明の第2の実施形態による無線装置の構成図である。同図において、201はN素子アレーアンテナを構成するアレーアンテナ素子(1)、202はアレーアンテナ素子(2)、203はアレーアンテナ素子(N)、211はサーキュレータ(1)、212はサーキュレータ(2)、213はサーキュレータ(N)、220は受信ビームパタン制御回路、221は受信部である。230は送信ビームパタン制御回路であり、231送受信アレー応答ベクトルデータベース、232送信重み係数算出部、233ステアリングベクトル算出部、234送信ビームパタン形成回路から構成され、235は送信部である。
【0050】
送信重み係数算出部232は、図3の送信重み係数算出部と同じ構成である。
【0051】
図4は、ステアリングベクトル算出回路233の詳細な構成図である。401は相関行列算出回路、402は固有値分解回路、403は到来波数推定および雑音空間推定回路、404は角度スペクトラム算出回路、405は到来方向検出回路、406は所望送信アレー応答ベクトル算出回路である。
【0052】
ステアリングベクトル算出部233における相関行列算出回路401から到来方向検出回路405までの、到来方向推定手段としては、参考として、1998科学技術出版「アレーアンテナによる適応信号処理」菊間信良著、特開2000-114849、特開平11-248813等がある。
【0053】
まず、相関行列算出回路401では、サーキュレータ211〜213の出力である、各アレーアンテナ素子で受信した所望通信相手局の信号について、相関行列を算出する。相関行列は固有値分解回路402に入力され、アレーアンテナ素子数N個の固有値と、アレーアンテナ素子数N個のN次固有値ベクトルが算出される。到来波数推定回路および雑音空間推定回路403において、402で求めた固有値を、あるスレッショルドを用いて、スレッショルドより大きい固有値を所望通信相手局からの信号に起因する固有値、スレッショルドより小さい固有値を雑音に起因する固有値として、所望通信相手局からの信号に起因する固有値の数を到来波数とする。
また、雑音に起因する固有値に対応する固有ベクトルを雑音空間とする。角度スペクトラム算出回路では、雑音に起因する固有値に対応する固有ベクトルで構成される雑音空間および送受信アレー応答ベクトルデータベース231に蓄積されている、全方向もしくは全所望方向にわたってサンプリングされた受信アレー応答ベクトルデータを用いて、角度スペクトラムを算出し、到来方向検出回路405にて、角度スペクトラムのピークを検出し、所望通信相手局の受信信号の到来方向推定情報を求める。所望送信アレー応答ベクトル算出回路406では、所望通信相手局の受信信号の到来方向推定情報より、所望通信相手の受信信号方向の送信アレー応答ベクトルを算出し、ステアリングベクトルとして送信重み係数算出部232に出力する。
【0054】
前述した本発明の種々の実施形態によれば、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略は、当業者によれば容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
【0055】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、送受信周波数分割多重無線通信システムにおいて、送受信周波数でアレーアンテナ素子の放射パタンが異なる場合においても、簡易的に無線装置内のみの処理により、所望通信相手局にビームを、非所望通信相手局にヌルを向けた適切な送信ビームパタンを作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による無線装置の構成図である。
【図2】本発明の第2の実施形態による無線装置の構成図である。
【図3】図1の送信重み係数算出部132の詳細な構成図である。
【図4】図2のステアリングベクトル算出部233の詳細な構成図である。
【図5】ビームパタンにおける方向に対する利得の関係を示すグラフである。
【図6】全方向もしくは全所望方向にわたって15サンプリングされた振幅のサンプリング図である。
【図7】全方向もしくは全所望方向にわたって15サンプリングされた位相のサンプリング図である。
【符号の説明】
101、102、103、201、202、203 n素子アレーアンテナ
111、112、113、211、212、213 サーキュレータ
120、220 受信ビームパタン制御回路
121、221 受信部
130、230 送信ビームパタン制御回路
131、231 送受信アレー応答ベクトルデータベース
132、232 送信重み係数算出部
134、234 送信ビームパタン形成回路
135、235 送信部
133 ステアリングベクトル蓄積メモリ
233 ステアリングベクトル算出部
301 受信ビームパタン算出回路
302 重み付き相関行列算出回路
303 行列和演算回路
304 逆行列演算回路
305 行列積演算回路
401 相関行列算出回路
402 固有値分解回路
403 到来波数推定および雑音空間推定回路
404 角度スペクトラム算出回路
405 到来方向検出回路
406 所望送信アレー応答ベクトル算出回路

Claims (5)

  1. 送信周波数と受信周波数で応答が異なる複数のアンテナ素子を有する送受信アレーアンテナと、
    前記アレーアンテナから受信した信号を出力にて最適になるような受信重み係数を算出して制御する受信ビームパタン制御手段と、
    ステアリングベクトルを蓄積するステアリングベクトル蓄積メモリと、
    前記受信ビームパタン制御手段で算出された受信重み係数を用い、全方向もしくは全所要方向についてサンプリングした受信ビームパタンを算出する受信ビームパタン算出手段と、全方向もしくは全所要方向についてサンプリングした送信アレー応答ベクトルから相関行列を算出する重み付き相関行列算出手段と、前記相関行列に、各々方向について対応させて逆数を乗算させ、方向について全て行列和演算を行う行列和演算手段と、求められた一つの相関行列の逆行列を算出する逆行列演算手段と、前記ステアリングベクトル蓄積メモリから出力されるステアリングベクトルに左行列積演算を行うのと等価な処理を行い、得られたベクトルを送信重み係数として出力する行列積演算手段とを有する、送信重み係数を算出する送信重み係数算出手段と
    を有することを特徴とする送受信周波数分割多重無線装置。
  2. 前記ステアリングベクトルは、ある要素を1、その他の要素を0としたベクトルであることを特徴とする請求項に記載の送受信周波数分割多重無線装置。
  3. 前記ステアリングベクトルは、全ての要素を1としたベクトルであることを特徴とする請求項に記載の送受信周波数分割多重無線装置。
  4. 送信周波数と受信周波数で応答が異なる複数のアンテナ素子を有する送受信アレーアンテナと、
    前記アレーアンテナから受信した信号を出力にて最適になるような受信重み係数を算出して制御する受信ビームパタン制御手段と、
    ステアリングベクトルを算出するステアリングベクトル算出手段と、
    前記受信ビームパタン制御手段で算出された受信重み係数を用い、全方向もしくは全所要方向についてサンプリングした受信ビームパタンを算出する受信ビームパタン算出手段と、全方向もしくは全所要方向についてサンプリングした送信アレー応答ベクトルから相関行列を算出する重み付き相関行列算出手段と、前記相関行列に、各々方向について対応させて逆数を乗算させ、方向について全て行列和演算を行う行列和演算手段と、求められた一つの相関行列の逆行列を算出する逆行列演算手段と、前記ステアリングベクトル算出手段から出力されるステアリングベクトルに左行列積演算を行うのと等価な処理を行い、得られたベクトルを送信重み係数として出力する行列積演算手段とを有する、送信重み係数を算出する送信重み係数算出手段と
    を有することを特徴とする送受信周波数分割多重無線装置。
  5. 前記ステアリングベクトル算出手段は、
    前記アレーアンテナから受信した信号と、前記受信周波数におけるアレー応答ベクトルデータとを用いて、角度スペクトラムのピークを検出し、所望通信相手局から到来する信号の方向を推定した到来方向推定情報を算出する到来方向推定手段と、
    前記到来方向推定手段から出力された前記到来方向推定情報より、所望通信相手局から到来する信号の方向の送信アレー応答ベクトルをステアリングベクトルとして算出する所望送信アレー応答ベクトル算出手段と
    を有することを特徴とする請求項に記載の送受信周波数分割多重無線装置。
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