JP3993026B2 - サイドローブキャンセラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、アンテナのサイドローブから入射される干渉波を抑圧するサイドローブキャンセラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図9は例えば特開昭60−41802号公報に示された従来のサイドローブキャンセラを示す構成図であり、図において、1は所望信号方向に指向性を有する主アンテナ、2−1,2−2は広い指向性を有する補助アンテナ、3は主アンテナ1のサイドローブから入射される干渉波を抑圧する適応フィルタ、4は主アンテナ1の受信信号と補助アンテナ2−1,2−2の受信信号から位相と振幅を持つ複素の荷重を計算する適応荷重計算部、5−1,5−2は補助アンテナ2−1,2−2の受信信号に対して適応荷重計算部4により計算された荷重を乗算する乗算器、6は乗算器5−1,5−2の出力信号を合成する合成器、7は主アンテナ1の受信信号から合成器6による合成信号を減算する減算器である。
【0003】
なお、主アンテナ1及び補助アンテナ2−1,2−2の受信信号は、ベースバンドにダウンコンバートされ、A/D変換器などによりディジタル信号に変換されるものとする。
以下、x0(t)を主アンテナ1の受信信号、xm(t)を補助アンテナ2−1,2−2の受信信号(ただし、m=1,2)、y(t)を合成器6による合成信号、e(t)を減算器7の出力信号、wmを荷重(ただし、m=1,2)とする。また、これらの信号の表記式におけるtは時間を表す因子であり、信号はすべて複素信号とする。ここでは、2つの補助アンテナを有するサイドローブキャンセラについて説明するが、一般にM個の補助アンテナを有する構成が可能である。
【0004】
次に動作について説明する。
従来のサイドローブキャンセラでは、適応荷重計算部4が後述するように主アンテナ1の受信信号x0(t)と補助アンテナ2−1,2−2の受信信号xm(t)から荷重wmを計算すると、乗算器5−1,5−2が補助アンテナ2−1,2−2の受信信号xm(t)に対して荷重wmを乗算する。
そして、合成器6は、下記の式(1)に示すように、乗算器5−1,5−2の出力信号を合成し、その合成信号y(t)を減算器7に出力する。
減算器7は、下記の式(2)に示すように、主アンテナ1の受信信号x0(t)から合成器6による合成信号y(t)を減算して、サイドローブキャンセラの出力信号e(t)を得る。
【0005】
【数1】
【0006】
ここで、適応荷重計算部4は、減算器7の出力信号e(t)において、補助アンテナ2−1,2−2の受信信号xm(t)と相関が高い成分が抑圧されるような荷重wmを決定する。
具体的には、主アンテナ1の受信信号x0(t)と補助アンテナ2−1,2−2の受信信号xm(t)から、減算器7の出力信号e(t)の電力が最小になるように荷重wmを決定する。
【0007】
このような荷重wmを決定する適応アルゴリズムは様々なものが提案されており、例えば、信号x1(t)〜xM(t)を要素とする信号ベクトルX(t)と、荷重w1〜wMを要素とするベクトルWを式(3),(4)のように定義して、相関行列Rと相互相関ベクトルPを式(5),(6)のように算出すれば、最適荷重は式(7)で与えられる。
【0008】
【数2】
【0009】
ただし、E[]は時間平均、肩字の*は複素共役、肩字のTは転置を表している。指向性がブロードな補助アンテナ2−1,2−2の受信信号に含まれる所望波電力は、所望波方向に指向性を有する主アンテナ1の受信信号と比べて十分小さいので、主アンテナ1の受信信号に含まれる所望波成分は抑圧されず、干渉波成分のみが抑圧される。
【0010】
しかし、従来のサイドローブキャンセラでは、入射する干渉波がCWである場合や、主アンテナ1と補助アンテナ2−1,2−2が受信する干渉波の周波数特性が一致している場合には、有効に干渉波を抑圧することができるが、干渉波が広帯域であるために合、主アンテナ1と補助アンテナ2−1,2−2間で周波数特性が異なると、干渉波を抑圧することができない。サイドローブキャンセラでは、適応フィルタ3に入力されるまでのアンプ等のハードウェア特性のばらつきや、線路長の影響など様々な要因で、主アンテナ1と補助アンテナ2−1,2−2の周波数特性には不整合がある。
【0011】
図9は主アンテナ1と補助アンテナ2−1,2−2の振幅周波数特性が異なっている場合の一例を示しており、このように周波数特性が異なる場合には、荷重によって補助アンテナ2−1,2−2の周波数特性が平行移動するだけであるので、補助アンテナ2−1,2−2の受信信号を荷重合成しても、主アンテナ1の受信信号の干渉波成分と同一の信号を生成することができないことが分かる。従って、減算器7の出力信号において干渉波の消え残りが生じ、干渉波を完全には除去できないことになる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従来のサイドローブキャンセラは以上のように構成されているので、干渉波が広帯域になる程、帯域内の周波数特性の不整合量が増加する。そのため、補助アンテナ2−1,2−2の受信信号を荷重合成しても、主アンテナ1の受信信号の干渉波成分と同一の成分を生成することが困難になり、干渉波の抑圧性能が劣化するなどの課題があった。
【0013】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、広帯域な干渉波が入射される場合でも、その干渉波を抑圧することができるサイドローブキャンセラを得ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るサイドローブキャンセラは、複数の適応フィルタが主アンテナ及び補助アンテナに係る対応帯域の帯域分割信号から荷重を計算して、補助アンテナに係る対応帯域の帯域分割信号に対して当該荷重を乗算し、その乗算結果の合成信号と主アンテナに係る帯域分割信号との差分を計算するようにしたものである。
【0016】
この発明に係るサイドローブキャンセラは、主アンテナの受信信号と補助アンテナに係る対応帯域の帯域分割信号から荷重を計算して、補助アンテナに係る対応帯域の帯域分割信号に対して当該荷重を乗算し、その乗算結果の合成信号を出力する複数の荷重合成手段を設け、適応フィルタが主アンテナの受信信号と複数の荷重合成手段による合成信号から荷重を計算して、複数の荷重合成手段による合成信号に対して当該荷重を乗算し、その乗算結果の合成信号と主アンテナの受信信号との差分を計算するようにしたものである。
【0017】
この発明に係るサイドローブキャンセラは、主アンテナ及び補助アンテナに係る対応帯域の帯域分割信号から荷重を計算して、補助アンテナに係る対応帯域の帯域分割信号に対して当該荷重を乗算し、その乗算結果の合成信号を出力する複数の荷重合成手段を設け、適応フィルタが主アンテナの受信信号と複数の荷重合成手段による合成信号から荷重を計算して、複数の荷重合成手段による合成信号に対して当該荷重を乗算し、その乗算結果の合成信号と主アンテナの受信信号との差分を計算するようにしたものである。
【0018】
この発明に係るサイドローブキャンセラは、荷重合成手段から出力された合成信号の帯域を分割して、複数の帯域分割信号を出力する帯域分割手段を設け、適応フィルタが主アンテナの受信信号と複数の帯域分割信号から荷重を計算して、その複数の帯域分割信号に対して当該荷重を乗算し、その乗算結果の合成信号と主アンテナの受信信号との差分を計算するようにしたものである。
【0019】
この発明に係るサイドローブキャンセラは、主アンテナの受信信号の帯域を分割するとともに、荷重合成手段から出力された合成信号の帯域を分割して、複数の帯域分割信号を出力する帯域分割手段を設け、複数の適応フィルタが帯域分割手段から出力された主アンテナ及び補助アンテナに係る対応帯域の帯域分割信号から荷重を計算して、その補助アンテナに係る対応帯域の帯域分割信号に対して当該荷重を乗算し、その乗算信号と主アンテナに係る対応帯域の帯域分割信号との差分を計算するようにしたものである。
【0020】
この発明に係るサイドローブキャンセラは、受信信号又は合成信号を周波数領域信号に変換して、その周波数領域信号に複数の帯域に対応する窓関数をそれぞれ乗算し、各乗算結果を時間領域信号に変換するようにしたものである。
【0021】
この発明に係るサイドローブキャンセラは、複数の通過帯域を有する帯域フィルタを用いて、受信信号又は合成信号の帯域を分割するようにしたものである。
【0022】
この発明に係るサイドローブキャンセラは、適応フィルタがグラムシュミット処理を実行するようにしたものである。
【0023】
この発明に係るサイドローブキャンセラは、荷重計算手段又は適応フィルタが適応アルゴリズムを用いて荷重を計算するようにしたものである。
【0024】
この発明に係るサイドローブキャンセラは、荷重合成手段が最大比合成アルゴリズムを用いて荷重を計算するようにしたものである。
【0025】
この発明に係るサイドローブキャンセラは、荷重合成手段が適応アルゴリズムを用いて荷重を計算するようにしたものである。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるサイドローブキャンセラを示す構成図であり、図において、11は所望信号方向に指向性を有する主アンテナ、12−1,12−2は広い指向性を有する補助アンテナ、13−1,13−2は補助アンテナ12−1,12−2の受信信号の帯域を分割して、複数の帯域分割信号を出力する帯域分割部(帯域分割手段)、14は主アンテナ11のサイドローブから入射される干渉波を抑圧する適応フィルタである。
【0027】
15は主アンテナ11の受信信号と補助アンテナ12−1,12−2の受信信号から位相と振幅を持つ複素の荷重を計算する適応荷重計算部(荷重計算手段)、16−1,16−2は補助アンテナ12−1,12−2の受信信号に対して適応荷重計算部15により計算された荷重を乗算する乗算器(乗算手段)、17は乗算器16−1,16−2の出力信号を合成する合成器、18は主アンテナ11の受信信号から合成器17による合成信号を減算する減算器である。なお、合成器17及び減算器18から差分計算手段が構成されている。
【0028】
なお、主アンテナ11及び補助アンテナ12−1,12−2の受信信号は、ベースバンドにダウンコンバートされ、A/D変換器などによりディジタル信号に変換されるものとする。
以下、x0(t)を主アンテナ11の受信信号、xm(t)を補助アンテナ12−1,12−2の受信信号(ただし、m=1,2)、xa1(t)〜xaNf1(t)を帯域分割部13−1により分割されたNf1個の帯域分割信号、xa(Nf1+1)(t)〜xa(Nf1+Nf2)(t)を帯域分割部13−2により分割されたNf2個の帯域分割信号、y(t)を合成器17による合成信号、e(t)を減算器18の出力信号、wiを荷重(ただし、i=1,・・・,I、I=Nf1+Nf2)とする。また、これらの信号の表記式におけるtは時間を表す因子であり、信号はすべて複素信号とする。ここでは、2つの補助アンテナを有するサイドローブキャンセラについて説明するが、一般にM個の補助アンテナを有する構成が可能である。
【0029】
次に動作について説明する。
まず、帯域分割部13−1は、補助アンテナ12−1の受信信号x1(t)の帯域を分割して、帯域分割信号xa1(t)〜xaNf1(t)を出力し、帯域分割部13−2は、補助アンテナ12−2の受信信号x2(t)の帯域を分割して、帯域分割信号xa(Nf1+1)(t)〜xa(Nf1+Nf2)(t)を出力する。
このように、帯域分割部13−1が補助アンテナ12−1の受信信号x1(t)の帯域をNf1個に分割する場合、相互に通過帯域が異なるNf1個の帯域フィルタを用意して、Nf1個の帯域フィルタに補助アンテナ12−1の受信信号x1(t)を通せばよい。同様に、帯域分割部13−2が補助アンテナ12−2の受信信号x2(t)の帯域をNf2個に分割する場合、相互に通過帯域が異なるNf2個の帯域フィルタを用意して、Nf2個の帯域フィルタに補助アンテナ12−2の受信信号x2(t)を通せばよい。
【0030】
ここでは、帯域分割部13−1,13−2が複数の帯域フィルタを搭載するものについて示したが、帯域分割部13−1,13−2を図2のように構成して、補助アンテナ12−1,12−2の受信信号の帯域を分割してもよい。
即ち、帯域分割部13−1,13−2のFFT21が補助アンテナ12−1,12−2の受信信号を周波数領域信号に変換する。
【0031】
そして、ミキシング装置23が、その周波数領域信号の要素毎に、複数の帯域に対応する窓関数22を掛け合わせるようにする。これにより、通過帯域は減衰されず、遮断帯域が零になる。例えば、周波数領域信号が6個の要素から為り、3つの帯域に分割する場合、下記の式(8)〜式(10)に示すような窓関数wf1(f)〜wf3(f)を用いる。
その後、IFFT24がミキシング装置23の出力信号を時間領域の信号に変換して乗算器16−1,16−2に出力する。
【0032】
【数3】
ただし、wf1(f)は始めの1/3の帯域、wf2(f)は真中の1/3の帯域、wf3(f)は後の1/3の帯域を通過させる窓関数となっている。FFT21から出力される周波数領域信号の信号列ベクトルをX(f)(f=1〜6)とすると、例えば窓関数wf1(f)との要素毎のミキシングは次式のように行う。
【0033】
【数4】
なお、IFFT24が式(11)のXw(f)を時間領域の信号に変換することにより、帯域分割された信号が得られる。
【0034】
乗算器16−1,16−2は、上記のようにして帯域分割部13−1,13−2が補助アンテナ12−1,12−2の受信信号x1(t),x2(t)の帯域を分割して、帯域分割信号xai(t)(ただし、i=1,・・・,I、I=Nf1+Nf2)を出力すると、その帯域分割信号xai(t)に対して適応荷重計算部15により計算された荷重wiを乗算する。
【0035】
そして、合成器17は、下記の式(12)に示すように、乗算器16−1,16−2の出力信号wixai(t)を合成し、その合成信号y(t)を減算器18に出力する。
減算器18は、下記の式(13)に示すように、主アンテナ11の受信信号x0(t)から合成器17による合成信号y(t)を減算して、サイドローブキャンセラの出力信号e(t)を得る。
【数5】
【0036】
ここで、適応荷重計算部15は、減算器18の出力信号e(t)において、補助アンテナ12−1,12−2の受信信号xm(t)と相関が高い成分が抑圧されるような荷重wiを決定する。
具体的には、主アンテナ11の受信信号x0(t)と補助アンテナ12−1,12−2の受信信号xm(t)から、減算器18の出力信号e(t)の電力が最小になるように荷重wiを決定する。
【0037】
このような荷重wmを決定する適応アルゴリズムは様々なものが提案されており、例えば、信号xa1(t)〜xaI(t)を要素とする信号ベクトルX(t)と、荷重w1〜wIを要素とするベクトルWを式(14),(15)のように定義して、相関行列Rと相互相関ベクトルPを式(16),(17)のように算出すれば、最適荷重は式(18)で与えられる。
【数6】
【0038】
従来例でも説明したように、指向性がブロードな補助アンテナ12−1,12−2の受信信号に含まれる所望波電力は、所望波方向に指向性を有する主アンテナ11の受信信号と比べて十分に小さいので、主アンテナ11の受信信号に含まれる所望波成分は抑圧されず、干渉波成分のみが抑圧される。
なお、式(18)を直接解いて荷重を決定するアルゴリズムをSMI(Sample Matrix Inversion)といい、少ないサンプル数でも精度の高い荷重を算出できる特徴がある。ただし、荷重の個数Iの3乗に比例する演算量が必要となり、演算負荷が高い。
【0039】
上記のSMIアルゴリズムよりも演算量が軽いものとしてLMSアルゴリズムがある。LMSアルゴリズムは、次式に示すように荷重を漸化的に解くものである。
【数7】
【0040】
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、補助アンテナ12−1,12−2の受信信号の帯域を分割して、複数の帯域分割信号を出力する帯域分割部13−1,13−2を設けるようにしたので、荷重合成に用いる信号の帯域を狭くすることができる結果、各信号当たりの周波数特性の不整合を小さくすることができる。また、従来例と異なり、各帯域において独立に荷重制御を行えるので、主アンテナ11の受信信号の干渉波成分にマッチしたレプリカ信号を合成して、抑圧性能を高めることができる。
【0041】
実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2によるサイドローブキャンセラを示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
31は主アンテナ11の受信信号の帯域を分割して、複数の帯域分割信号を出力する帯域分割部(帯域分割手段)、32,33,34は主アンテナ11及び補助アンテナ12−1,12−2に係る同一帯域(対応帯域)の帯域分割信号から荷重を計算して、補助アンテナ12−1,12−2に係る同一帯域の帯域分割信号に対して当該荷重を乗算し、その乗算結果の合成信号と主アンテナ11に係る帯域分割信号との差分を計算する適応フィルタである。
【0042】
32a,33a,34aは主アンテナ11及び補助アンテナ12−1,12−2に係る同一帯域の帯域分割信号から荷重を計算する適応荷重計算部、32b,33b,34bは補助アンテナ12−1,12−2に係る同一帯域の帯域分割信号に対して当該荷重を乗算する乗算器、32c,33c,34cは乗算器32b,33b,34bの出力信号を合成する合成器、32d,33d,34dは主アンテナ11に係る帯域分割信号から合成器32c,33c,34cによる合成信号を減算する減算器、35は適応フィルタ32〜34の出力信号を合成する合成器(合成手段)である。
【0043】
この実施の形態2では、主アンテナ11の受信信号も、補助アンテナ12−1,12−2の受信信号と同様にして、帯域分割部31によって複数の帯域に分割するようにする。主アンテナ11の受信信号の分割数は、補助アンテナ12−1,12−2の受信信号の分割数と同じIとする。
主アンテナ11の受信信号の帯域分割信号をx0i(t)(i=1,・・・,I)とし、補助アンテナ12−mの受信信号の帯域分割信号をxmi(t)(i=1,・・・,I)とする。
【0044】
この実施の形態2では、帯域分割部31,13−1,13−2から出力される複数の帯域分割信号のうち、同一の帯域の帯域分割信号同士が別々の適応フィルタ32〜34で処理される。
適応フィルタ32〜34の動作は、上記実施の形態1とほぼ同様であるが、下記の式(20)に示すように、補助アンテナ12−mの帯域分割信号xmi(t)に荷重wmiを乗算して合成し、その合成信号yi(t)を得る。
そして、下記の式(21)に示すように、主アンテナ11に係る帯域分割信号x0i(t)から合成信号yi(t)を減算して、適応フィルタ32〜34の出力信号ei(t)を得る。
最後に合成器35が適応フィルタ32〜34の出力信号ei(t)を下記の式(22)に示すように合成して、その合成信号e(t)を出力する。
【0045】
【数8】
【0046】
ここで、適応荷重計算部32a,33a,34aは、適応アルゴリズムを用いて減算器32d,33d,34dの出力信号ei(t)の電力が最小となるように決定する。このような荷重を決定する適応アルゴリズムとして、例えば、上記実施の形態1で説明したLMSアルゴリズムやSMIアルゴリズムを用いることができる。以上により各帯域分割信号において干渉波成分が除去される。
【0047】
この実施の形態2では、補助アンテナ12−1,12−2の受信信号を帯域分割した帯域分割信号毎に適応フィルタ32〜34を備えて、主アンテナ11の受信信号の帯域分割信号から減算することにより干渉波を抑圧することを特徴としている。これにより、荷重合成に用いる各信号の帯域を狭くできるので、各信号当たりの周波数特性の不整合を小さくして、広帯域の干渉波に対する抑圧性能を高めることができる。また、適応フィルタ32〜34の荷重数が帯域分割の数分だけとなるので、例えば、SMIアルゴリズムを用いる場合には、上記実施の形態1と比べて演算量を少なくすることができる。
【0048】
実施の形態3.
図4はこの発明の実施の形態3によるサイドローブキャンセラを示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
41,42,43は主アンテナ11の受信信号と補助アンテナ12−1,12−2に係る同一帯域(対応帯域)の帯域分割信号から荷重を計算して、補助アンテナ12−1,12−2に係る同一帯域の帯域分割信号に対して当該荷重を乗算し、その乗算結果の合成信号を出力する荷重合成部(荷重合成手段)、41a,42a,43aは主アンテナ11の受信信号と補助アンテナ12−1,12−2に係る同一帯域の帯域分割信号から荷重を計算する荷重計算部、41b,42b,43bは補助アンテナ12−1,12−2に係る同一帯域の帯域分割信号に対して当該荷重を乗算する乗算器、41c,42c,43cは乗算器41b,42b,43bの出力信号を合成する合成器である。
【0049】
44は主アンテナ11の受信信号と荷重合成部41〜43による合成信号から荷重を計算して、その合成信号に対して当該荷重を乗算し、その乗算結果の合成信号と主アンテナ11の受信信号との差分を計算する適応フィルタ、44aは主アンテナ11の受信信号と荷重合成部41〜43による合成信号から荷重を計算する適応荷重計算部、44bは荷重合成部41〜43による合成信号に対して当該荷重を乗算する乗算器、44cは乗算器44bの出力信号を合成する合成器、44dは主アンテナ11の受信信号から合成器44cによる合成信号を減算する減算器である。
【0050】
この実施の形態3では、2つの補助アンテナ12−mの帯域分割数をIとし、主アンテナ11の受信信号をx0(t)、補助アンテナ12−mの受信信号の帯域分割信号をxmi(t)(i=1,・・・,I)とする。
この実施の形態3では、帯域分割部13−1,13−2から出力される複数の帯域分割信号のうち、同一の帯域の帯域分割信号同士が別々の荷重合成部41〜43で処理される。
【0051】
荷重合成部41〜43の動作では、下記の式(23)に示すように、補助アンテナ12−mの帯域分割信号xmi(t)に荷重wbmiを乗算して合成し、その合成信号yi(t)を得る。
【数9】
【0052】
なお、荷重計算部41a,42a,43aでは、入力を同相に合わせて合成するような荷重を算出する。このようなアルゴリズムとして、以下に示す最大比合成アルゴリズム、固有ビームフォーミング法や前述の適応アルゴリズムを用いる方法がある。適応アルゴリズムを用いる場合は、主アンテナ11の受信信号x0(t)と合成器41c,42c,43cによる合成信号yi(t)との差分信号の電力が最小化するような荷重を決定すればよく、例えば、上記実施の形態1で説明したLMSアルゴリズムやSMIアルゴリズムを用いることができる。
【0053】
最大比合成アルゴリズムでは、下記の式(24)に示すように、荷重を算出する。これにより、信号が同相合成されることになる。
【数10】
【0054】
固有ビームフォーミング法では、下記の式(25)に示すように補助アンテナ12−mの受信信号の帯域分割信号から構成される信号ベクトルをXi(t)として、下記の式(26)に示すような相関行列Riを算出する。
次に相関行列Riを固有値分解して、固有値と固有ベクトルを算出する。そして、求めた固有値の中で、最も大きい固有値に対応する固有ベクトルを荷重wbmiとして設定する。これにより、信号が同相合成されることになる。
【数11】
【0055】
次に、主アンテナ11の受信信号x0(t)と合成器41c,42c,43cによる合成信号yi(t)を入力として適応フィルタ44で処理される。
適応フィルタ44の動作は、下記の式(27)に示すように、その合成信号yi(t)に荷重wiを乗算して合成し、その合成信号y(t)を得る。
そして、下記の式(28)に示すように、主アンテナ11の受信信号x0(t)から合成信号y(t)を減算して、適応フィルタ44の出力信号e(t)を得る。
【数12】
【0056】
適応荷重計算部44aでは、適応アルゴリズムを用いて減算器44dの出力信号e(t)の電力が最小となるように荷重wiを決定する。このような荷重wiを決定する適応アルゴリズムとして、例えば、上記実施の形態1で説明したLMSアルゴリズムやSMIアルゴリズムを用いることができる。以上により広帯域な干渉波成分も除去される。
【0057】
この実施の形態3では、補助アンテナ12−mの受信信号を帯域分割した帯域分割信号毎に荷重合成部41〜43を備えて同相の合成信号を取得し、適応フィルタ44において、この合成信号に荷重を乗じたものを主アンテナ11の受信信号から減算することにより干渉波を抑圧することを特徴としている。これにより、荷重合成に用いる各信号の帯域を狭くできるので、各信号当たりの周波数特性の不整合を小さくして、広帯域の干渉波に対する抑圧性能を高めることができる。また、各帯域において独立に荷重制御を行えるので、より主アンテナ11の受信信号の干渉波成分にマッチしたレプリカ信号を合成して、抑圧性能を高めることができる。
また、荷重合成部41〜43の荷重数は素子数分となり、適応フィルタ44の荷重数は帯域分割の数分だけとなるので、例えば、SMIアルゴリズムを用いる場合には、上記実施の形態1と比べて演算量を少なくすることができる。
【0058】
実施の形態4.
図5はこの発明の実施の形態4によるサイドローブキャンセラを示す構成図であり、図において、図4と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
41dは主アンテナ11及び補助アンテナ12−1,12−2に係る同一帯域(対応帯域)の帯域分割信号から荷重を計算する荷重計算部である。
【0059】
上記実施の形態3では、主アンテナ11の受信信号の帯域を分割しないものについて示したが、上記実施の形態2と同様に、主アンテナ11の受信信号の帯域を分割し、荷重合成部41,42,43の荷重計算部41dが、主アンテナ11の受信信号の代わりに、その帯域分割信号を用いて荷重wbmiを計算するようにしてもよい。なお、荷重wbmiの計算は、荷重計算部41a,42a,43aと同様のアルゴリズムを用いればよい。
以下、上記実施の形態3と同様であるため説明を省略する。
【0060】
実施の形態5.
図6はこの発明の実施の形態5によるサイドローブキャンセラを示す構成図であり、図において、図4と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
51は主アンテナ11の受信信号と補助アンテナ12−mの受信信号から荷重を計算して、補助アンテナ12−mの受信信号に対して当該荷重を乗算し、その乗算結果の合成信号を出力する荷重合成部(荷重合成手段)、51aは主アンテナ11の受信信号と補助アンテナ12−mの受信信号から荷重を計算する荷重計算部、51bは補助アンテナ12−mの受信信号に対して当該荷重を乗算する乗算器、51cは乗算器51bの出力信号を合成する合成器、52は荷重合成部51から出力された合成信号の帯域を分割して、複数の帯域分割信号を出力する帯域分割部(帯域分割手段)である。なお、帯域分割部52は帯域分割部13−1,13−2と同様の方法により合成信号の帯域を分割する。
【0061】
この実施の形態5では、補助アンテナ12−mの受信信号に荷重を乗算して合成し、その合成信号を帯域分割して適応フィルタ処理を行う構成となっている。ここでは、主アンテナの受信信号をx0(t)、補助アンテナ12−mの受信信号をxm(t)とする。
荷重合成部51の動作は、下記の式(29)に示すように補助アンテナ12−mの受信信号xm(t)に荷重wbmを乗算して合成し、その合成信号ys(t)を得る。
【数13】
【0062】
荷重計算部51aでは、入力を同相に合わせて合成するような荷重を算出する。このようなアルゴリズムとして、上記実施の形態3と同様に、最大比合成アルゴリズム、固有ビームフォーミング法や前述の適応アルゴリズムを用いる方法がある。適応アルゴリズムを用いる場合は、主アンテナ11の受信信号の帯域分割信号x0(t)と合成器51cによる合成信号ys(t)との差分信号の電力が最小化するように荷重を決定すればよく、例えば、上記実施の形態1で説明したLMSアルゴリズムやSMIアルゴリズムを用いることができる。
【0063】
次に主アンテナ11の受信信号x0(t)と、合成器51cによる合成信号ys(t)を帯域分割して得られるysi(t)(i=1,・・・,I)とを入力として適応フィルタ44で処理する。
適応フィルタ44の動作は、下記の式(30)に示すように、帯域分割信号ysi(t)に荷重wiを乗算して合成し、その合成信号y(t)を得る。
そして、下記の式(31)に示すように、主アンテナ11の受信信号x0(t)から合成信号y(t)を減算して、適応フィルタ44の出力信号e(t)を得る。
【数14】
【0064】
この実施の形態5では、補助アンテナ12−mの受信信号を荷重合成部51によって同相合成し、この合成信号を帯域分割して、適応フィルタ44において、この帯域分割信号に荷重を乗じて合成したものを主アンテナ11の受信信号から減算することにより干渉波を抑圧することを特徴としている。これにより、荷重合成に用いる各信号の帯域を狭くできるので、各信号当たりの周波数特性の不整合を小さくして、広帯域の干渉波に対する抑圧性能を高めることができる。また、各帯域において独立に荷重制御を行えるので、より主アンテナ11の受信信号の干渉波成分にマッチしたレプリカ信号を合成して、抑圧性能を高めることができる。また、荷重合成部51の荷重数は素子数分となり、適応フィルタ44の荷重数は帯域分割の数分だけとなるので、例えば、SMIアルゴリズムを用いる場合には、上記実施の形態1と比べて演算量を少なくすることができる。
【0065】
実施の形態6.
図7はこの発明の実施の形態6によるサイドローブキャンセラを示す構成図であり、図において、図6と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
53,54,55は帯域分割部31から出力された主アンテナ11及び補助アンテナ12−mに係る同一帯域(対応帯域)の帯域分割信号から荷重を計算して、その補助アンテナ12−mに係る同一帯域の帯域分割信号に対して当該荷重を乗算し、その乗算信号と主アンテナ11に係る帯域分割信号との差分を計算する適応フィルタ、53a,54a,55aは帯域分割部31から出力された主アンテナ11及び補助アンテナ12−mに係る同一帯域の帯域分割信号から荷重を計算する適応荷重計算部、53b,54b,55bは主アンテナ11に係る帯域分割信号と同一帯域の補助アンテナ12−mに係る帯域分割信号に対して当該荷重を乗算する乗算器、53c,54c,55cは主アンテナ11に係る帯域分割信号から乗算器53b,54b,55bの乗算信号を減算する減算器である。
【0066】
この実施の形態6は、上記実施の形態5と比較して、主アンテナ11の受信信号についても帯域分割する点で相違している。
適応フィルタ53〜55の動作は、下記の式(32)に示すように、帯域分割部52から出力された帯域分割信号ysi(t)に荷重wiを乗算して、その乗算信号yi(t)を得る。
そして、下記の式(33)に示すように、帯域分割部31から出力された帯域分割信号x0i(t)から乗算信号yi(t)を減算して、適応フィルタ53〜55の出力信号ei(t)を得る。
最後に合成器35が適応フィルタ53〜55の出力信号ei(t)を下記の式(34)に示すように合成して、その合成信号e(t)を出力する。
【数15】
【0067】
適応荷重計算部53a,54a,55aでは、適応アルゴリズムを用いて減算器53c,54c,55cの出力信号ei(t)の電力が最小となるように荷重を決定する。このような荷重を決定する適応アルゴリズムとして、例えば、上記実施の形態1で説明したLMSアルゴリズムやSMIアルゴリズムを用いることができる。以上により広帯域な干渉波成分も除去される。
【0068】
この実施の形態6では、補助アンテナ12−mの受信信号を荷重合成部51によって同相合成し、この合成信号を帯域分割して、適応フィルタ53〜55において、この帯域分割信号に荷重を乗じて合成したものを主アンテナ11の受信信号の帯域分割信号から減算することにより干渉波を抑圧することを特徴としている。これにより、荷重合成に用いる各信号の帯域を狭くできるので、各信号当たりの周波数特性の不整合を小さくして、広帯域の干渉波に対する抑圧性能を高めることができる。また、各帯域において独立に荷重制御を行えるので、より主アンテナ11の受信信号の干渉波成分にマッチしたレプリカ信号を合成して、抑圧性能を高めることができる。また、荷重合成部51の荷重数は素子数分となり、適応フィルタ53〜55の荷重数は帯域分割の数分だけとなるので、例えば、SMIアルゴリズムを用いる場合には、上記実施の形態1と比べて演算量を少なくすることができる。
【0069】
実施の形態7.
上記実施の形態1〜6では、特に言及していないが、図8に示すように、例えば、適応フィルタ14がグラムシュミット処理を実行するようにしてもよい。
図8の例では、主アンテナ11の受信信号(メイン入力)と、補助アンテナ12−mの受信信号(サブ入力)とを入力として、複数の2入力1出力適応フィルタ60から構成される適応フィルタ14で処理される。2入力1出力適応フィルタ60では、第1の入力から第2の入力に荷重を乗じたものを減算して出力を得る。2入力1出力適応フィルタ60の荷重計算部では、この出力信号の電力を最小化するように荷重を決定する。
グラムシュミット処理は、LMSアルゴリズムと等価であるが、信号を直交化して処理するので、荷重の収束が速くなる利点がある。
【0071】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、複数の適応フィルタが主アンテナ及び補助アンテナに係る対応帯域の帯域分割信号から荷重を計算して、補助アンテナに係る対応帯域の帯域分割信号に対して当該荷重を乗算し、その乗算結果の合成信号と主アンテナに係る帯域分割信号との差分を計算するように構成したので、広帯域な干渉波が入射される場合でも、その干渉波を抑圧することができる効果がある。
【0072】
この発明によれば、主アンテナの受信信号と補助アンテナに係る対応帯域の帯域分割信号から荷重を計算して、補助アンテナに係る対応帯域の帯域分割信号に対して当該荷重を乗算し、その乗算結果の合成信号を出力する複数の荷重合成手段を設け、適応フィルタが主アンテナの受信信号と複数の荷重合成手段による合成信号から荷重を計算して、複数の荷重合成手段による合成信号に対して当該荷重を乗算し、その乗算結果の合成信号と主アンテナの受信信号との差分を計算するように構成したので、広帯域な干渉波が入射される場合でも、その干渉波を抑圧することができる効果がある。
【0073】
この発明によれば、主アンテナ及び補助アンテナに係る対応帯域の帯域分割信号から荷重を計算して、補助アンテナに係る対応帯域の帯域分割信号に対して当該荷重を乗算し、その乗算結果の合成信号を出力する複数の荷重合成手段を設け、適応フィルタが主アンテナの受信信号と複数の荷重合成手段による合成信号から荷重を計算して、複数の荷重合成手段による合成信号に対して当該荷重を乗算し、その乗算結果の合成信号と主アンテナの受信信号との差分を計算するように構成したので、広帯域な干渉波が入射される場合でも、その干渉波を抑圧することができる効果がある。
【0074】
この発明によれば、荷重合成手段から出力された合成信号の帯域を分割して、複数の帯域分割信号を出力する帯域分割手段を設け、適応フィルタが主アンテナの受信信号と複数の帯域分割信号から荷重を計算して、その複数の帯域分割信号に対して当該荷重を乗算し、その乗算結果の合成信号と主アンテナの受信信号との差分を計算するように構成したので、広帯域な干渉波が入射される場合でも、その干渉波を抑圧することができる効果がある。
【0075】
この発明によれば、主アンテナの受信信号の帯域を分割するとともに、荷重合成手段から出力された合成信号の帯域を分割して、複数の帯域分割信号を出力する帯域分割手段を設け、複数の適応フィルタが帯域分割手段から出力された主アンテナ及び補助アンテナに係る対応帯域の帯域分割信号から荷重を計算して、その補助アンテナに係る帯域分割信号に対して当該荷重を乗算し、その乗算信号と主アンテナに係る帯域分割信号との差分を計算するように構成したので、広帯域な干渉波が入射される場合でも、その干渉波を抑圧することができる効果がある。
【0076】
この発明によれば、受信信号又は合成信号を周波数領域信号に変換して、その周波数領域信号に複数の帯域に対応する窓関数をそれぞれ乗算し、各乗算結果を時間領域信号に変換するように構成したので、構成の複雑化を招くことなく、帯域分割信号が得られる効果がある。
【0077】
この発明によれば、複数の通過帯域を有する帯域フィルタを用いて、受信信号又は合成信号の帯域を分割するように構成したので、構成の複雑化を招くことなく、帯域分割信号が得られる効果がある。
【0078】
この発明によれば、適応フィルタがグラムシュミット処理を実行するように構成したので、荷重の収束速度を高めることができる効果がある。
【0079】
この発明によれば、荷重計算手段又は適応フィルタが適応アルゴリズムを用いて荷重を計算するように構成したので、構成の複雑化を招くことなく、荷重を計算することができる効果がある。
【0080】
この発明によれば、荷重合成手段が最大比合成アルゴリズムを用いて荷重を計算するように構成したので、構成の複雑化を招くことなく、荷重を計算することができる効果がある。
【0081】
この発明によれば、荷重合成手段が適応アルゴリズムを用いて荷重を計算するように構成したので、構成の複雑化を招くことなく、荷重を計算することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1によるサイドローブキャンセラを示す構成図である。
【図2】 帯域分割部の内部構成を示す構成図である。
【図3】 この発明の実施の形態2によるサイドローブキャンセラを示す構成図である。
【図4】 この発明の実施の形態3によるサイドローブキャンセラを示す構成図である。
【図5】 この発明の実施の形態4によるサイドローブキャンセラを示す構成図である。
【図6】 この発明の実施の形態5によるサイドローブキャンセラを示す構成図である。
【図7】 この発明の実施の形態6によるサイドローブキャンセラを示す構成図である。
【図8】 適応フィルタの内部構成を示す構成図である。
【図9】 従来のサイドローブキャンセラを示す構成図である。
【符号の説明】
11 主アンテナ、12−1,12−2 補助アンテナ、13−1,13−2帯域分割部(帯域分割手段)、14 適応フィルタ、15 適応荷重計算部(荷重計算手段)、16−1,16−2 乗算器(乗算手段)、17 合成器(差分計算手段)、18 減算器(差分計算手段)、21 FFT、22 窓関数、23 ミキシング装置、24 IFFT、31 帯域分割部(帯域分割手段)、32,33,34 適応フィルタ、32a,33a,34a 適応荷重計算部、32b,33b,34b 乗算器、32c,33c,34c 合成器、32d,33d,34d 減算器、35 合成器(合成手段)、41,42,43 荷重合成部(荷重合成手段)、41a,42a,43a 荷重計算部、41b,42b,43b 乗算器、41c,42c,43c 合成器、41d 荷重計算部、44 適応フィルタ、44a 適応荷重計算部、44b 乗算器、44c 合成器、44d 減算器、51 荷重合成部(荷重合成手段)、51a 荷重計算部、51b 乗算器、51c 合成器、52 帯域分割部(帯域分割手段)、53,54,55 適応フィルタ、53a,54a,55a 適応荷重計算部、53b,54b,55b 乗算器、53c,54c,55c 減算器、60 2入力1出力適応フィルタ。
Claims (11)
- 主アンテナの受信信号の帯域を分割するとともに、少なくとも1以上の補助アンテナの受信信号の帯域を分割して、複数の帯域分割信号を出力する帯域分割手段と、上記主アンテナ及び補助アンテナに係る対応帯域の帯域分割信号から荷重を計算して、上記補助アンテナに係る対応帯域の帯域分割信号に対して当該荷重を乗算し、その乗算結果の合成信号と上記主アンテナに係る帯域分割信号との差分を計算する複数の適応フィルタと、上記複数の適応フィルタの出力信号を合成する合成手段とを備えたサイドローブキャンセラ。
- 少なくとも1以上の補助アンテナの受信信号の帯域を分割して、複数の帯域分割信号を出力する帯域分割手段と、主アンテナの受信信号と上記補助アンテナに係る対応帯域の帯域分割信号から荷重を計算して、上記補助アンテナに係る対応帯域の帯域分割信号に対して当該荷重を乗算し、その乗算結果の合成信号を出力する複数の荷重合成手段と、上記主アンテナの受信信号と上記複数の荷重合成手段による合成信号から荷重を計算して、上記複数の荷重合成手段による合成信号に対して当該荷重を乗算し、その乗算結果の合成信号と上記主アンテナの受信信号との差分を計算する適応フィルタとを備えたサイドローブキャンセラ。
- 主アンテナの受信信号の帯域を分割するとともに、少なくとも1以上の補助アンテナの受信信号の帯域を分割して、複数の帯域分割信号を出力する帯域分割手段と、上記主アンテナ及び補助アンテナに係る対応帯域の帯域分割信号から荷重を計算して、上記補助アンテナに係る対応帯域の帯域分割信号に対して当該荷重を乗算し、その乗算結果の合成信号を出力する複数の荷重合成手段と、上記主アンテナの受信信号と上記複数の荷重合成手段による合成信号から荷重を計算して、上記複数の荷重合成手段による合成信号に対して当該荷重を乗算し、その乗算結果の合成信号と上記主アンテナの受信信号との差分を計算する適応フィルタとを備えたサイドローブキャンセラ。
- 主アンテナの受信信号と少なくとも1以上の補助アンテナの受信信号から荷重を計算して、上記補助アンテナの受信信号に対して当該荷重を乗算し、その乗算結果の合成信号を出力する荷重合成手段と、上記荷重合成手段から出力された合成信号の帯域を分割して、複数の帯域分割信号を出力する帯域分割手段と、上記主アンテナの受信信号と上記複数の帯域分割信号から荷重を計算して、その複数の帯域分割信号に対して当該荷重を乗算し、その乗算結果の合成信号と上記主アンテナの受信信号との差分を計算する適応フィルタとを備えたサイドローブキャンセラ。
- 主アンテナの受信信号と少なくとも1以上の補助アンテナの受信信号から荷重を計算して、上記補助アンテナの受信信号に対して当該荷重を乗算し、その乗算結果の合成信号を出力する荷重合成手段と、上記主アンテナの受信信号の帯域を分割するとともに、上記荷重合成手段から出力された合成信号の帯域を分割して、複数の帯域分割信号を出力する帯域分割手段と、上記帯域分割手段から出力された主アンテナ及び補助アンテナに係る対応帯域の帯域分割信号から荷重を計算して、その補助アンテナに係る対応帯域の帯域分割信号に対して当該荷重を乗算し、その乗算信号と上記主アンテナに係る対応帯域の帯域分割信号との差分を計算する複数の適応フィルタと、上記複数の適応フィルタの出力信号を合成する合成手段とを備えたサイドローブキャンセラ。
- 帯域分割手段は、受信信号又は合成信号を周波数領域信号に変換して、その周波数領域信号に複数の帯域に対応する窓関数をそれぞれ乗算し、各乗算結果を時間領域信号に変換することを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載のサイドローブキャンセラ。
- 帯域分割手段は、複数の通過帯域を有する帯域フィルタを用いて、受信信号又は合成信号の帯域を分割することを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載のサイドローブキャンセラ。
- 適応フィルタは、グラムシュミット処理を実行することを特徴とする請求項1から請求項7のうちのいずれか1項記載のサイドローブキャンセラ。
- 荷重計算手段又は適応フィルタは、適応アルゴリズムを用いて荷重を計算することを特徴とする請求項1から請求項8のうちのいずれか1項記載のサイドローブキャンセラ。
- 荷重合成手段は、最大比合成アルゴリズムを用いて荷重を計算することを特徴とする請求項2から請求項5のうちのいずれか1項記載のサイドローブキャンセラ。
- 荷重合成手段は、適応アルゴリズムを用いて荷重を計算することを特徴とする請求項2から請求項5のうちのいずれか1項記載のサイドローブキャンセラ。
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