JPH10242737A - Fir型ディジタルフィルタのフィルタ係数演算装置、fir型ディジタルフィルタ、ディジタルビーム形成装置及び適応ディジタルビーム形成装置 - Google Patents

Fir型ディジタルフィルタのフィルタ係数演算装置、fir型ディジタルフィルタ、ディジタルビーム形成装置及び適応ディジタルビーム形成装置

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JPH10242737A
JPH10242737A JP4343197A JP4343197A JPH10242737A JP H10242737 A JPH10242737 A JP H10242737A JP 4343197 A JP4343197 A JP 4343197A JP 4343197 A JP4343197 A JP 4343197A JP H10242737 A JPH10242737 A JP H10242737A
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JP
Japan
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signal
digital
filter
fir
frequency
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JP4343197A
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English (en)
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Takashi Sekiguchi
高志 関口
Yoshio Karasawa
好男 唐沢
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ATR KANKYO TEKIOU TSUSHIN KENK
ATR KANKYO TEKIOU TSUSHIN KENKYUSHO KK
Original Assignee
ATR KANKYO TEKIOU TSUSHIN KENK
ATR KANKYO TEKIOU TSUSHIN KENKYUSHO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 指向特性のサイドローブ特性を制御すること
ができる適応ディジタルビーム形成装置のためのFIR
型ディジタルフィルタのフィルタ係数演算装置を提供す
る。 【解決手段】 インパルス応答長M(<素子数N)を有
する正規化時間周波数の1次元狭帯域低域通過デジタル
フィルタのインパルス応答に基づいてこれに対応する1
次元の周波数応答を演算し、当該周波数応答に対して所
望波の入射角に基づいた1次元から2次元への周波数変
換を行って正規化時間周波数と正規化空間周波数との2
次元の周波数応答を演算し、2次元の周波数応答に対し
て逆フーリエ変換して、2次元の周波数応答のインパル
ス応答を演算し、素子数Nとタップ数Kに基づいて、イ
ンパルス応答のサイドローブを0に打ち切ることによ
り、演算されたインパルス応答に基づいて所望通過領域
で所定の振幅応答値を有する複数のFIR型ディジタル
フィルタのフィルタ係数を演算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、到来する伝搬波信
号のうち、所望信号の方向にビームを形成して受信し、
干渉信号の到来方向にはヌルを向けて抑圧する適応ディ
ジタルビーム形成装置と、当該適応ディジタルビーム形
成装置のためのFIR型ディジタルフィルタのフィルタ
係数演算装置及びFIR型ディジタルフィルタに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来技術のファンフィルタは、ビーム形
成装置(又はビームフォーマ)の一種である(例えば、
従来技術文献1「K. Nishikawa et al.,“Wideband bea
mforming using fan filter",Proceedings of IEEE Int
ernational Symposium on Circuits and Systems,pp.53
3-536,1992年」参照。)。この場合、対象とする伝搬波
信号は、音響信号や地震波信号のようなベースバンド伝
搬波信号であるが、当然のことながら、比帯域幅が50
%を超える帯域通過形伝搬波信号に対しても適用可能で
ある。あらかじめ複数の異なる方向にビームを形成して
おいて、それらを制御することにより干渉波を抑圧する
ビームスペース形適応アレーは、少ない自由度で効率よ
く所望波補足や干渉波抑圧が可能であることが知られて
いる(例えば、従来技術文献2「K.Takao et al.,“Bea
mspace partially adaptive antenna",IEE Proceeding,
Vol.136,PartH,No.6,pp.439-444,1989年12月」及び従来
技術文献3「千葉ほか,“ビームスペースCMAアダプ
ティブアレーアンテナ”,電子情報通信学会論文誌B−
II,Vol.J77−B−II,No.3,pp.1
30−138,1994年」参照。)。
【0003】また、従来のファンフィルタは遮断域が低
周波数域も高周波数域も同一の幅で設計されているが、
ビーム形成においては、これが低域の指向特性を極端に
劣化させる要因になっており、この問題点を解決するた
めに、例えば、従来技術文献4「西川清ほか,“フーリ
エ級数法によるファンフィルタの設計”,電子情報通信
学会第6回ディジタル信号処理シンポジウム講演論文
集,講演番号B3−2,pp.287−292,199
1年」において、遮断域の幅が周波数に比例して広くな
るような、くさび型の特性のファンフィルタを設計する
方法(以下、従来例という。)について提案している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に、広帯域信号に
対応したビームスペース形適応アレーにおけるマルチビ
ーム形成回路を構成する各広帯域ビーム形成回路は、サ
イドローブ特性が周波数に依存しないようにする必要が
ある(従来文献5「関口ほか,“スペクトル変換と窓関
数法の組み合わせによる広帯域ディジタルビームフォー
ミングアンテナのための2次元複素係数FIRディジタ
ルフィルタの設計法”,電子情報通信学会論文誌A,Vo
l.J80-A,No.1,pp.61-73,1997.」参照。)。一方、従来
例の特性近似方法は窓関数法だが、近似すべき所望特性
を、通過域1、阻止域0と与えているためにサイドロー
ブ特性の制御ができなくなるという問題点があった。こ
れでは目的とするマルチビーム形成回路には適さず、指
向特性におけるサイドローブ特性が周波数に依存しない
ようにするには、阻止域所望周波数応答値を0とするの
ではなく、所望特性そのものがサイドローブを持ち、そ
れが指向特性でみたときに周波数に依存しない形で与え
る必要がある。
【0005】本発明の目的は以上の問題点を解決して、
従来例に比較して指向特性のサイドローブ特性を制御す
ることができる適応ディジタルビーム形成装置のための
FIR型ディジタルフィルタのフィルタ係数演算装置、
FIR型ディジタルフィルタ、ディジタルビーム形成装
置及び適応ディジタルビーム形成装置を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1記
載のディジタルビーム形成装置のためのFIR型ディジ
タルフィルタのフィルタ係数演算装置は、複数N個のセ
ンサ素子が1直線上に所定の素子間隔で並置されたリニ
アアレーセンサを用いて、上記複数のセンサ素子に対応
してそれぞれ設けられ、かつ複数K個のタップ数を有
し、所望の入射角の方向でビームを形成するディジタル
ビーム形成装置のための複数のFIR型ディジタルフィ
ルタのフィルタ係数演算装置であって、上記Nよりも小
さいインパルス応答長Mを有する正規化時間周波数の1
次元狭帯域低域通過デジタルフィルタのインパルス応答
に基づいて、上記インパルス応答に対応する1次元の周
波数応答を演算し、上記1次元の周波数応答に対して、
所望波の入射角に基づいた所定の1次元から2次元への
周波数変換を行うことにより、正規化時間周波数と正規
化空間周波数との2次元の周波数応答を演算し、上記2
次元の周波数応答に対して逆フーリエ変換することによ
り、上記2次元の周波数応答のインパルス応答を演算
し、上記センサ素子の素子数Nと上記タップ数Kに基づ
いて、上記インパルス応答のサイドローブを0に打ち切
ることにより、演算されたインパルス応答に基づいて上
記所望通過領域で所定の振幅応答値を有する上記複数の
FIR型ディジタルフィルタのフィルタ係数を演算する
係数演算手段を備え、上記周波数変換は、ディジタルビ
ーム形成装置の指向特性が周波数に依存しないように実
行されたことを特徴とする。
【0007】また、本発明に係る請求項2記載のディジ
タルビーム形成装置のためのFIR型ディジタルフィル
タは、請求項1記載のFIR型ディジタルフィルタのフ
ィルタ係数演算装置によって演算された上記複数のFI
R型ディジタルフィルタのフィルタ係数が設定されたこ
とを特徴とする。
【0008】本発明に係る請求項3記載のディジタルビ
ーム形成装置は、複数のセンサ素子からなるアレーセン
サと、上記各センサ素子によって受信された各受信信号
をそれぞれA/D変換して、上記各受信信号に対応する
各ディジタル信号を出力する変換手段と、それぞれ所定
の複数のフィルタ係数に基づいて、上記変換手段から出
力される上記複数のディジタル信号をろ波して出力する
複数のFIR型ディジタルフィルタと、上記複数のFI
R型ディジタルフィルタから出力される複数のろ波後の
ディジタル信号を加算して加算後の信号を出力信号とし
て出力する加算器とを含むディジタルビーム形成回路と
を備え、上記複数のFIR型ディジタルフィルタの複数
のフィルタ係数は、請求項1記載のフィルタ係数演算装
置によって演算されたことを特徴とする。
【0009】また、本発明に係る請求項4記載の適応デ
ィジタルビーム形成装置は、複数N個のセンサ素子から
なるアレーセンサと、上記各センサ素子によって受信さ
れた各受信信号をそれぞれA/D変換して、上記各受信
信号に対応する各ディジタル信号を出力する変換手段
と、上記各センサ素子に対して複数N個のFIR型ディ
ジタルフィルタが対応しかつ形成すべき複数B個のビー
ムの各ビームに対して複数N個のFIR型ディジタルフ
ィルタが対応するように設けられ、それぞれ上記各ディ
ジタル信号を予め決められたフィルタ係数に従ってろ波
して出力する複数(N×B)個のFIR型ディジタルフ
ィルタと、それぞれ上記各ビームを形成するための複数
N個のFIR型ディジタルフィルタから出力される複数
N個の信号を加算して出力する複数B個の加算器とを備
え、上記変換手段から出力される各ディジタル信号に基
づいて、複数B個の異なる方向にそれぞれビームを形成
して、当該ビームに対応する複数B個のビーム受信信号
を出力するビーム形成手段と、上記ビーム形成手段から
出力される複数B個のビーム受信信号から複数L個のビ
ーム受信信号を選択して出力する信号選択手段と、上記
信号選択手段から入力される上記複数L個のビーム受信
信号と入力される複数L個の荷重係数とをそれぞれ乗算
して乗算結果の信号を出力する複数L個の乗算器と、上
記信号選択手段から出力される複数L個のビーム受信信
号に基づいて、少なくとも所望信号の周波数を含む所定
の周波数範囲において、上記アレーセンサの主ビームを
所望信号の到来方向に向けかつ干渉信号の到来方向の受
信信号のレベルを零にするような上記複数L個の荷重係
数を上記各乗算器に対して演算して、当該複数L個の荷
重係数をそれぞれ対応する上記各乗算器に出力する係数
制御手段と、上記複数L個の乗算器から出力される複数
L個の乗算結果の信号を加算して受信信号として出力す
る加算手段とを備え、上記複数(N×B)個のFIR型
ディジタルフィルタの複数のフィルタ係数は、請求項1
記載のフィルタ係数演算装置によって演算されたことを
特徴とする。
【0010】さらに、本発明に係る請求項5記載の適応
ディジタルビーム形成装置は、複数N個のセンサ素子か
らなるアレーセンサと、上記各センサ素子によって受信
された各受信信号をそれぞれA/D変換して、上記各受
信信号に対応する各ディジタル信号を出力する変換手段
と、上記各センサ素子に対して複数N個のFIR型ディ
ジタルフィルタが対応しかつ形成すべき所望波と干渉波
を含む複数(B+1)個のビームの各ビームに対して複
数N個のFIR型ディジタルフィルタが対応するように
設けられ、それぞれ上記各ディジタル信号を予め決めら
れたフィルタ係数に従ってろ波して出力する複数{N×
(B+1)}個のFIR型ディジタルフィルタと、それ
ぞれ上記各ビームを形成するための複数N個のFIR型
ディジタルフィルタから出力される複数N個の信号を加
算して出力する複数(B+1)個の加算器とを備え、上
記変換手段から出力される各ディジタル信号に基づい
て、複数(B+1)個の異なる方向にそれぞれビームを
形成して、当該ビームに対応する複数(B+1)個のビ
ーム受信信号を出力するビーム形成手段と、上記ビーム
形成手段から出力される干渉波の複数B個のビーム受信
信号から複数L個のビーム受信信号を選択して出力する
信号選択手段と、上記信号選択手段から入力される上記
複数L個のビーム受信信号と入力される複数L個の荷重
係数とをそれぞれ乗算して乗算結果の信号を出力する複
数L個の乗算器と、上記信号選択手段から出力される複
数L個のビーム受信信号に基づいて、少なくとも所望信
号の周波数を含む所定の周波数範囲において、上記アレ
ーセンサの主ビームを干渉信号の到来方向の受信信号の
レベルを最大にするような上記複数L個の荷重係数を上
記各乗算器に対して演算して、当該複数L個の荷重係数
をそれぞれ対応する上記各乗算器に出力する係数制御手
段と、上記複数L個の乗算器から出力される複数L個の
乗算結果の信号を加算して干渉波の受信信号として出力
する第1の加算手段と、上記ビーム形成手段から出力さ
れる所望波の1個のビーム受信信号から、上記第1の加
算手段から出力される干渉波の受信信号を減算して、干
渉波を除去した所望波の受信信号を出力する第2の加算
手段とを備え、上記複数{N×(B+1)}個のFIR
型ディジタルフィルタの複数のフィルタ係数は、請求項
1記載のフィルタ係数演算装置によって演算されたこと
を特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る実施形態について説明する。
【0012】<第1の実施形態>図1は、本発明に係る
第1の実施形態のディジタルビーム形成装置の構成を示
すブロック図であり、図2は、図1のディジタルビーム
形成装置のFIR型ディジタルフィルタの構成を示すブ
ロック図である。
【0013】本発明者は、比帯域幅が約40%以下の伝
搬波信号を対象としたビームスペース型適応アレーアン
テナ装置を、先行する特願平8−088534号の特許
出願(以下、先行特許出願という。)において発明し
た。ここで、アンテナアレー配置は、間隔dの等間隔リ
ニアアレーである。この適応アレーアンテナ装置におけ
るマルチビーム形成回路は比帯域幅が約40%以下の広
帯域信号に対応しており、マルチビーム形成回路を構成
する各ビーム形成回路の指向特性が周波数に依存しない
ように係数を決めていた。
【0014】本発明に係る第1の実施形態においては、
先行特許出願に比較してよりさらに広い、比帯域幅が5
0%を超える広帯域信号に対応する適応ディジタルビー
ム形成装置を構成するために、そのディジタルビーム形
成回路(以下、DBF回路という。)5や、マルチビー
ム形成器6及び7aに適用することを目的とした線形位
相FIRファンフィルタの係数の演算方法を開示する。
【0015】ファンフィルタの指向特性が阻止域を含め
て近似的に周波数に依存しないような特性近似を行う必
要があるが、それには1次元から2次元への周波数変換
法と窓関数法を組合せている。1次元から2次元への周
波数変換によるファンフィルタ設計法は数多く提案され
ているが(例えば、従来技術文献6「J.H.McClellen,
“The design of two-dimensional digital filters by
transformations",Proceedings of 7th Annuity Princ
eton Conference,Information Science and System,pp.
247-251,1973年」、従来技術文献7「E.Z.Psarakis,et
al.,“Design oftwo-dimensional zero phase FIR fan
filters via the McClellan transform",IEEE Transact
ions on Circuits & Systems,Vol.CAS-37,No.1,pp.10-1
6,1990年1月」、及び従来技術文献8「S.S.Kidambi,“D
esign of two-dimensional non-recursive filters bas
ed on frequency transformations",IEEE Transactions
onSignal Processing,Vol.43,No.12,pp.3025-3029,199
5年12月」参照。)、指向特性が周波数に依存しないよ
うにしたものは見あたらない。また、窓関数法だけでは
阻止域特性をコントロールするのは困難である。後述す
る第4の実施形態では、提案する方法を用いて設計した
ファンフィルタを図3及び図4のビームスペース形適応
ディジタルビーム形成装置に適用して比帯域幅の広い広
帯域干渉信号の抑圧が可能となることを示す。
【0016】次いで、図1及び図2を参照して、広帯域
信号に対応したビームスペース形適応ディジタルビーム
形成装置について説明する。
【0017】第1の実施形態のディジタルビーム形成装
置において、FIR型ディジタルフィルタ係数演算器
(以下、係数演算器という。)13は、詳細後述するよ
うに、アレーアンテナ100の素子数N個のよりも小さ
いインパルス応答長Mを有する正規化時間周波数の1次
元狭帯域低域通過デジタルフィルタのインパルス応答に
基づいて、上記インパルス応答に対応する1次元の周波
数応答を演算し、上記1次元の周波数応答に対して、所
望波の入射角に基づいた所定の1次元から2次元への周
波数変換を行うことにより、正規化時間周波数と正規化
空間周波数との2次元の周波数応答を演算し、上記2次
元の周波数応答に対して逆フーリエ変換することによ
り、上記2次元の周波数応答のインパルス応答を演算
し、上記アンテナ素子の素子数Nと上記タップ数Kに基
づいて、上記インパルス応答のサイドローブを0に打ち
切ることにより、演算されたインパルス応答に基づいて
上記所望通過領域で振幅を有する上記複数のFIR型デ
ィジタルフィルタのフィルタ係数を演算することを特徴
とする。
【0018】ここで、係数演算器13は、上述のよう
に、フィルタ係数wn,kを演算して出力し、FIR型デ
ィジタルフィルタ9−1乃至9−Nはそれぞれ、当該フ
ィルタ係数wn,kに基づいて、入力されるディジタル信
号xn(m)をろ波して、加算器10に出力する。これ
によって、加算器10は複数N個のろ波後のディジタル
信号xn(m)を加算して、加算後の信号を、主ビーム
方向近傍から入射する広帯域信号が抽出されかつ主ビー
ム方向近傍以外から入射する広帯域信号が抑圧された出
力信号z(m)として出力する。ここで、n=1,2,
…,Nであり、以下、本明細書において特に断らない限
り同様とする。また、ディジタル信号xn(m)におけ
る括弧()内のmは時刻(時刻の番号)を表す。
【0019】以下、図1を参照して、第1の実施形態の
ディジタルビーム形成装置について詳細に説明する。第
1の実施形態のディジタルビーム形成装置において、複
数N個のアンテナ素子1−nで受信された高周波信号は
それぞれ、受信機2−nで増幅され、A/D変換器3−
nでそれぞれディジタル信号xn(m)に変換される。
そして、これらのディジタル信号xn(m)は、FIR
型ディジタルフィルタ9−1乃至9−Nと加算器10と
からなるDBF回路5のFIR型ディジタルフィルタ9
−nに入力される。ここで、第1の実施形態において、
アレーアンテナ100は一直線上に所定の素子間隔dで
アンテナ素子1−1乃至1−Nが並置されたリニアアレ
ーアンテナである。本実施形態においては、対象とする
伝搬波が電波であって、センサ素子はアンテナである。
しかしながら、本発明はこれに限らず、対象とする伝搬
波が音響信号の場合は、センサ素子としてマイクロフォ
ンを用いてもよい。
【0020】FIR型ディジタルフィルタ係数演算器1
3は、詳細後述するように、ビームを形成するべき方向
である入射角θが与えられたとき、その方向にビームを
形成するようにフィルタ係数wn,0、wn,1、…、w
n,K-1を演算して、演算したK個の荷重係数をFIR型
ディジタルフィルタ9−nに出力する。
【0021】そして、DBF回路5において、FIR型
ディジタルフィルタ9−nは、FIR型ディジタルフィ
ルタ係数演算器13から入力されるフィルタ係数
n,0、wn ,1、…、wn,K-1に基づいて、入力されるデ
ィジタル信号xn(m)をディジタル的にろ波して、ろ
波後のディジタル信号xn(m)を加算器10に出力す
る。加算器10は各FIR型ディジタルフィルタ9−n
から入力される複数N個のろ波後のディジタル信号xn
(m)を加算して、加算後の信号を、主ビーム方向θ近
傍から入射する広帯域信号が抽出されかつ主ビーム方向
近傍以外から入射する広帯域信号が抑圧された出力信号
z(m)として出力する。フィルタ係数wn,0、wn,1
…、wn,K-1の計算方法は後で説明する。
【0022】次に、図2を参照して、FIR型ディジタ
ルフィルタ9−nの構成を説明する。FIR型ディジタ
ルフィルタ9−nは、図2に示すように、複数(K−
1)個の遅延器91−1乃至91−(K−1)と、K個
の乗算器92−1乃至92−Kと、(K−1)個の加算
器93−1乃至93−(K−1)とからなる。ここで、
FIR型ディジタルフィルタ9−nにおいてKはタップ
長と呼ばれ、第1の実施形態では奇数に設定される。そ
して、FIR型ディジタルフィルタ9−nに入力される
ディジタル信号xn(m)は、遅延器91−1と乗算器
92−1とに入力される。また、FIR型ディジタルフ
ィルタ9−nに入力されるフィルタ係数wn,K-1は乗算
器92−k(k=1,2,…,K)に入力される。
【0023】FIR型ディジタルフィルタ9−nにおい
て、遅延器91−k(k=1,2,…,K−1)は、入
力されるディジタル信号xn(m−k+1)を1サンプ
ル周期だけ遅らせて1サンプル周期だけ遅れた信号xn
(m−k)を遅延器91−(k+1)と乗算器92−
(k+1)とに出力する。乗算器92−1は、入力され
るディジタル信号xn(m)とフィルタ係数wn,0とを乗
算して、加算器93−1に出力する。乗算器92−k
(k=2,3,…,K)は、入力される信号xn(m−
k+1)とフィルタ係数wn,k-1とを乗算して、加算器
93−(k−1)に出力する。加算器93−1は、乗算
器92−1から入力される信号と乗算器92−2から入
力される信号とを加算して、加算器93−2に出力す
る。加算器93−k(k=2,3,…,K−2)は、加
算器93−(k−1)から入力される信号と乗算器92
−(k+1)から入力される信号とを加算して、加算器
93−(k+1)に出力する。加算器93−(k−1)
は、加算器93−(k−2)から入力される信号と乗算
器92−kから入力される信号とを加算して、加算器1
0に出力する。ここで、第1の実施形態では、(K−
1)個の加算器93−1乃至93−(K−1)を設けて
構成したが、本発明はこれに限らず、(K−1)個の加
算器93−1乃至93−(K−1)に代えて、乗算器9
2−1乃至92−Kから出力されるK個の出力信号を一
括して加算して加算器10に出力する1つの加算器を用
いて構成してもよい。また、そのような加算器を用いず
に、乗算器92−1乃至92−Kから出力されるK個の
出力信号を直接、加算器10に出力してもよい。
【0024】以上のように構成されたFIR型ディジタ
ルフィルタ9−nは、FIR型ディジタルフィルタ係数
演算器13から入力される各フィルタ係数wn,0
n,1、…、wn,K-1に基づいて、A/D変換器3−nか
ら入力されるディジタル信号xn(m)をディジタル的
にろ波して加算器10に出力する。以上のように構成さ
れたFIR型ディジタルフィルタ9−1乃至9−Nを備
えたDBF回路5は、2次元ディジタルフィルタと考え
ることができる。なお、図2のFIR型ディジタルフィ
ルタ9−1乃至9−Nの構造は直接形としたが、他の構
成、例えば、縦続形やラティス形でもよい。ただし、F
IR型ディジタルフィルタ9−nに入力されるフィルタ
係数の演算方法はFIR型ディジタルフィルタ9−nの
構造に応じて異なる。
【0025】<第2の実施形態>図3は、本発明に係る
第2の実施形態のディジタルビーム形成装置の構成を示
すブロック図であり、図3において、図1及び図2と同
様のものについては同一の符号を付している。この実施
形態の適応ディジタルビーム形成装置は、マルチビーム
形成器6と、信号選択器8と、複数M個の乗算器12−
1乃至12−Mと、係数制御器11と、加算器10とを
備えたことを特徴とする。
【0026】図3において、N個のアンテナ素子1−n
(n=1,2,…,N)で受信された信号はそれぞれ、
第1の実施形態のディジタルビーム形成装置と同様に、
受信機2−nで増幅され、A/D変換器3−nでそれぞ
れディジタル信号に変換され、当該ディジタル信号xn
(m)は、マルチビーム形成器6に入力される。
【0027】第1のマルチビーム形成器6は、FIR型
ディジタルフィルタ7−1−1乃至7−B−Nと加算器
10−1乃至10−Bとを備えた、一種の空間フィルタ
バンクである。ここで、ディジタル信号xn(m)は、
FIR型ディジタルフィルタ7−1−1,7−2−1,
7−3−1,…,7−B−1に入力され、ディジタル信
号xn(m)は、FIR型ディジタルフィルタ7−1−
2,7−2−2,7−3−2,…,7−B−2に入力さ
れ、以下同様にディジタル信号xn(m)(n=3,
4,…,N)は、FIR型ディジタルフィルタ7−1−
n,7−2−n,7−3−n,…,7−B−nに入力さ
れる。第1のマルチビーム形成器6において、FIR型
ディジタルフィルタの組7−b−1,7−b−2,…,
7−b−N(b=1,2,…,B)は、DBF回路5に
相当する。
【0028】さらに詳細に説明すると、FIR型ディジ
タルフィルタ7−1−n(n=1,2,…,N)はそれ
ぞれ、入力されるディジタル信号xn(m)を所定の係
数に基づいてディジタル的にろ波して加算器10−1に
出力する。そして、加算器10−1はろ波後の各ディジ
タル信号xn(m)を加算して、加算後の信号y1(m)
を信号選択器8に出力する。ここで、FIR型ディジタ
ルフィルタ7−1−nの各フィルタ係数は、第1の実施
形態のFIR型ディジタルフィルタ係数演算器13と同
様の方法を用いて、所定の方向に広帯域のビームを形成
して当該ビームの方向から入射される広帯域の信号に対
応する信号y1(m)に出力するように設定する。
【0029】また、FIR型ディジタルフィルタ7−2
−nはそれぞれ、入力されるディジタル信号xn(m)
を所定の係数に基づいてディジタル的にろ波して加算器
10−2に出力する。そして、加算器10−2はろ波後
の各ディジタル信号xn(m)を加算して、加算後の信
号y2(m)を信号選択器8に出力する。ここで、FI
R型ディジタルフィルタ7−2−nの各係数は、所定の
方向に広帯域のビームを形成して当該ビームの方向から
入射される広帯域の信号に対応する信号y2(m)を出
力するように設定される。以下同様にして、FIR型デ
ィジタルフィルタ7−b−nはそれぞれ、ろ波後のディ
ジタル信号xn(m)を出力し、加算器10−b(b=
3,4,…,B)はそれぞれ、所定のビームに対応した
信号yb(m)を信号選択器8に出力する。ここで、マ
ルチビーム形成器6によって形成される上述の各ビーム
の位相特性を揃え、かつ、無ひずみ伝送を実現するため
には、FIR型ディジタルフィルタ7−b−1乃至7−
b−Nを1つの2次元ディジタルフィルタとみなしたと
き、b=1,2,…,Bに対して同一の線形位相特性で
ある必要がある。このような特性を有するFIR型ディ
ジタルフィルタとしては、直接形構成、縦続形構成、ラ
ティス形構成などが考えられ、第2の実施形態ではいず
れの構成でもよい。
【0030】信号選択器8は、マルチビーム形成器6か
ら出力される複数B個の信号y1(m),y2(m),
…,yB(m)から複数L個の信号を選択して、選択し
た信号yn1(m),yn2(m),…,ynL(m)を
それぞれ、乗算器12−1乃至12−Lに出力する。こ
こで、信号選択器8における選択の方法は、第2の実施
形態では、電力の大きい順にL個の信号を選択するよう
に構成した。しかしながら本発明はこれに限らず、所定
のしきい値以上の電力を有する信号を選択する等、他の
方法を用いてもよい。
【0031】乗算器12−1乃至12−Lの各荷重係数
wB1(m)、wB2(m)、…、wBL(m)は、適応
ディジタルビーム形成装置の出力において、所望信号を
抽出して干渉信号を抑圧するように、係数制御器11で
適応的に制御する。制御すべき荷重係数の数はL個であ
る。これらの各荷重係数wB1(m)、wB2(m)、
…、wBL(m)は一般に実数である。乗算器12−1
乃至12−Lの出力信号を加算器10で加算して、干渉
信号が抑圧された、所望の到来信号である出力信号z
(m)を出力する。
【0032】ここで、第2の実施形態の適応ディジタル
ビーム形成装置において、係数制御器11は、例えばL
MS(Least Mean Square)アルゴリズムなどの公知の適
応アルゴリズムで荷重係数wB1(m)、wB2(m)、
…、wBL(m)を演算する。LMSアルゴリズムなど
多くの適応アルゴリズムでは規範となる参照信号を必要
とするが、図3で図示していない(但し、図4ではy0
(m)が参照信号となっている。)。
【0033】<フィルタ係数の演算方法>次いで、第1
及び第2の実施形態におけるFIR型ディジタルフィル
タ9−n及び7−b−nのフィルタ係数wn,kの演算方
法について以下に述べる。ここで、b=1,2,…,B
であり、以下、本明細書において断らない限り同様とす
る。FIR型ディジタルフィルタ7−b−nのフィルタ
係数はbによって異なるが、この荷重係数の演算方法の
説明においては、wn,kで代表させる。ここで、信号の
入射角θを、図1に示すように、アンテナ素子1−1乃
至1−Nが並置されたラインの垂線と信号の入射する方
向との角度で定義する。また、信号の周波数fとディジ
タルビーム形成装置内のサンプリング周波数fsとを用
いて正規化時間周波数F1を次の数1で定義する。入射
角θと伝搬波の速さ(電波の場合は光速)cと所望信号
の周波数fとを用いると、非正規化空間周波数f2は数
2のように表される。そして、当該非正規化空間周波数
2を数3で表すようにアンテナ素子1−1乃至1−N
の素子間隔dの逆数で正規化して、正規化空間周波数F
2を定義する。ここで、アンテナ素子の素子間隔dの逆
数1/dは、空間サンプリング周波数と呼ばれる。すな
わち、正規化時間周波数F1は、周波数fをサンプリン
グ周波数fsで正規化した周波数であり、正規化空間周
波数F2は入射角θを考慮したアンテナ素子1−kの並
置ライン上で正規化した空間周波数である。
【0034】
【数1】F1=f/fs
【数2】f2=(f1sinθ)/c
【数3】 F2 =df2 =(df1sinθ)/c=F1(dfs/c)sinθ
【0035】第1及び第2の実施形態において、DBF
回路5及びマルチビーム形成器6への入力信号は実数値
をとる。DBF回路5及びマルチビーム形成器6は広帯
域信号を通過させるようにFIR型デジタルフィルタ9
−n及び7−b−nのフィルタ係数を設定する第2の実
施形態において、マルチビーム形成器6からのB個の出
力信号のうち、電力の大きいL個のビーム信号を選択し
て、それらの線形結合により干渉信号を抑圧する。線形
結合係数wBb(m)は適当な適応アルゴリズムで制御
する。このとき、マルチビーム形成器6を構成する各ビ
ーム形成回路が以下の条件を満たす必要がある(例え
ば、先行特許出願参照。) (a)各ビーム形成回路は同一の位相特性を持つこと。 (b)各ビーム形成回路の指向特性が近似的に周波数に
依存しないこと。 ここで、条件(b)は、ビーム形成回路の任意のサイド
ローブ方向から入射した干渉波の受信後のスペクトルが
乱れないようにするためのものである。そのスペクトル
が乱れてしまうと干渉信号のレプリカが生成できなくな
る。正規化していない周波数fと入射角θに関する図2
のFIR型ディジタルフィルタを用いたDBF回路5又
はFIR型ディジタルフィルタ7−b−1,…,7−b
−Nから成るマルチビーム形成器6内の各DBF回路
(以下、代表して、DBF回路5という。)の応答H
(f,θ)は次式のようになる。
【0036】
【数4】
【0037】ここで、Nはアンテナ素子数、Kはタップ
数、Tsはサンプリング間隔、cは伝搬波の速さであ
る。
【0038】次いで、1次元から2次元への周波数変換
について述べる。DBF回路5は時間と空間の変数を持
つ2次元のディジタルフィルタとみなすことができる。
これらの係数wn,kは1次元から2次元への周波数変換
法と窓関数法を組合せて決める。伝搬波信号の受信後に
周波数変換を行わない場合、図1又は図3に示す等間隔
リニアアレーに入射角θで信号が入射すると、DBF回
路5への入力信号の時間−空間スペクトルは、次式の直
線上に現れる(例えば、従来技術文献1参照。)。
【数5】F2=F1(dfs/c)sinθ0
【0039】ここで、fs=1/Tsである。従って、メ
インビーム方向をθ0としたとき、係数設定すべきDB
F回路5の理想特性は次式のようになる。これは知られ
ているように、ファンフィルタそのものである。
【数6】 D(F1,F2) =1,(dfs/c)sin(θ0−ε)・F1≦F2≦(dfs/c)sin(θ0+ε)・F1のとき =0,その他のとき
【0040】ここで、εは小さな正数である。数6はF
1≧0に対するもので、F1<0に対しては数6の原点
に関して対称な特性である。1次元から2次元への周波
数変換は、ファンフィルタの指向特性が周波数に依存し
ないように決める。これは、ファンフィルタの2次元周
波数平面上での振幅等高線が阻止域を含めて数5に沿う
ようにすることと等価である。
【0041】本実施形態においては、1次元の原形フィ
ルタに狭帯域低域通過FIR型ディジタルフィルタを用
いるものとする。通過域の中心である1次元周波数F=
0が2次元周波数平面上で、直線F2=F1(dfs
c)sinθ0に写像されるように、また、その他の1
次元周波数も数5のどこかの直線上に写像されるように
1次元周波数Fと2次元周波数F1,F2の写像関係を定
めると、次式のようになる。
【数7】F=1/2{cF2/(dfs1)−sin
θ0
【0042】図6にθ0=10゜、D=0.5{c/
(0.5fs)}=c/fsとしたときの数7の写像関係
を示す。数7より、インパルス応答長が奇数の1次元の
零位相FIR型ディジタルフィルタに対する変換は次式
のようになる。
【数8】cos2πF→cos[π{cF2/(dfs
1)−sinθ0}] このような写像関係により、周波数変換法により指向特
性が周波数に依存しないようなファンフィルタを設計、
つまりそのようなフィルタ係数wn,kを決めることがで
きる。
【0043】次いで、フィルタ係数wn,kの具体的な計
算方法について述べる。素子数Nとタップ数Kは奇数と
する。数4より、DBF回路5の2次元ディジタルフィ
ルタとしての周波数応答G(F1,F2)は次式のように
なる。
【数9】
【0044】ここでは、メインビーム方向がθ0であり
DBF回路5としてのファンフィルタ及び、図3のマル
チビーム形成器6内のDBF回路としてのFIR型ディ
ジタルフィルタのある組7−b−1,…,7−b−Nと
してのファンフィルタを設計するものとし、その係数w
n,kの計算法を説明する。
【0045】(Step1)インパルス応答長M(<
N)の1次元の零位相狭帯域低域通過ディジタルフィル
タを設計する、ここで、Mは便宜上奇数とする。p
(m)をそのインパルス応答とするとき、周波数応答P
(F)は次式のようになる。
【数10】 ここで、Tm(cos2πF)はcos2πFに関する
m次のチェビシェフ多項式である。
【0046】(Step2)数10に数8の周波数変換
を施して、次式の2次元周波数応答Q(F1,F2)を得
る。
【数11】 そして、適当な等間隔の2次元周波数サンプル点上で数
11の周波数応答値を計算する。
【0047】(Step3)Q(F1,F2)のインパル
ス応答q(n1,n2)を求める。これはStep2で計
算した周波数応答値を逆離散フーリエ変換すればよい。
Q(F1,F2)は零位相で、Q(F1,F2)=Q(−F
1,−F2)であることから、q(n1,n2)は実数であ
る。
【0048】(Step4)Step3で求めたインパ
ルス応答q(n1,n2)をアンテナ素子の素子数Nとタ
ップ数Kに応じて、その応答のサイドローブを0にする
ことにより、打ち切って、次式のフィルタ係数wn,k
得る。
【数12】wn,k=q{k−(K−1)/2,−n+
(N−1)/2}, n=0,1,…,N−1;k=0,1,…,K−1
【0049】マルチビーム形成器6を構成する全てのb
=1,2,…,Bに対するFIR型ディジタルフィルタ
の組7−b−1,…,7−b−Nのタップ数Kを等しく
すれば、上述した条件(a)を満足できる。
【0050】次いで、ファンフィルタの実施例について
述べる。メインビーム方向θ0=10゜のファンフィル
タを形成する。パラメータは、素子間隔
【数13】d=0.5{c/(0.5fs)}=c/fs 素子数N=31、タップ数K=31である。1次元原形
フィルタのインパルス応答長はM=11、インパルス応
答p(m)=1/M(m=−5,…,5)とした。
【0051】図7及び図8に得られたファンフィルタの
特性を示す。図8の指向特性から、|F1|≧0.2に
対して、指向特性が周波数によらず近似的に一致してい
ることがわかる。従って、図1のDBF回路5及び図3
のマルチビーム形成器6を構成するDBF回路として
は、帯域が│F1│≧0.2である広帯域帯域通過信号
に対して有効である。
【0052】最後に、先行特許出願との相違点について
述べる。先行特許出願は、比帯域幅が約40%以下の広
帯域信号に対応するのに対して、本発明はそれ以上の比
帯域幅(約50〜100%)の広帯域信号に対応する。
そのため、2次元周波数平面上での通過域形状が異な
る。本発明で近似すべき特性は図5に示す扇形形状であ
る。図5において、ダブルハッチング部分は通過域2
1,22であり、白い部分は阻止域23乃至26(この
部分の特性は、指向特性が周波数依存性がないようにす
る。つまり、振幅等高線が放射状になるようにする。)
であり、斜線部分は任意の特性を有する領域27,28
である。
【0053】<第3の実施形態>図4は、本発明に係る
第3の実施形態の適応ディジタルビーム形成装置の構成
を示すブロック図である。この実施形態は、上記で設計
したファンフィルタを図3のDBF回路としてのFIR
型ディジタルフィルタの組7−b−1,…,7−b−N
として用いて、図1及び図3の適応ディジタルビーム形
成装置をサイドローブキャンセラとして動作させること
を特徴とする。
【0054】第3の実施形態の適応ディジタルビーム形
成装置は、第2の実施形態に比較して、図4に示すよう
に、(a)各アンテナ素子1−nに対して複数N個のF
IR型ディジタルフィルタが対応しかつ形成すべき複数
(B+1)=11個のビームの各ビームに対して複数N
個のFIR型ディジタルフィルタが対応するように設け
られ、それぞれ各ディジタル信号xn(m)を予め決め
られたフィルタ係数に従ってろ波して出力する複数{N
×(B+1)}=11N個のFIR型ディジタルフィル
タと、それぞれ上記各ビームを形成するための複数N個
のFIR型ディジタルフィルタから出力される複数N個
の信号を加算して出力する複数B個の加算器10−1乃
至10−11とを備え、A/D変換器3−nから出力さ
れる各ディジタル信号xn(m)に基づいて、複数(B
+1)=11個の異なる方向にそれぞれビームを形成し
て、当該ビームに対応する複数(B+1)=11個のビ
ーム受信信号を出力するマルチビーム形成器7aと、
(b)マルチビーム形成器7aから出力される干渉波の
複数B=10個のビーム受信信号から複数L=4個のビ
ーム受信信号を選択して出力する信号選択器8aと、
(c)信号選択器8aから入力される上記複数L=4個
のビーム受信信号と入力される複数L=4個の荷重係数
1乃至w4とをそれぞれ乗算して乗算結果の信号を出力
する複数L=4個の乗算器20−1乃至20−4と、
(d)信号選択器8aから出力される複数L=4個のビ
ーム受信信号に基づいて、少なくとも所望信号の周波数
を含む所定の周波数範囲において、上記アレーアンテナ
の主ビームを干渉信号の到来方向の受信信号のレベルを
最大にするような上記複数L=4個の荷重係数w1乃至
4を各乗算器20−1乃至20−4に対して演算し
て、当該複数L=4個の荷重係数w1乃至w4をそれぞれ
対応する上記各乗算器20−1乃至20−4に出力する
係数制御器(図示せず。図3の係数制御器11に対応す
る。)と、(e)複数L=4個の乗算器20−1乃至2
0−4から出力される複数L=4個の乗算結果の信号を
加算して干渉波の受信信号として出力する加算器21
と、(f)マルチビーム形成器7aから出力される所望
波の方向にビームを形成している1個のビーム受信信号
から、加算器21から出力される干渉波の受信信号を減
算して、干渉波を除去した所望波の受信信号を出力する
加算器22とを備え、(g)上記複数{N×(B+
1)}個のFIR型ディジタルフィルタの複数のフィル
タ係数は、上述の係数計算方法により演算されたことを
特徴とする。
【0055】上記で形成したファンフィルタを図3のD
BF回路としてのFIR型ディジタルフィルタの組7−
b−1,…,7−b−Nとして用いて、図1及び図3の
適応ディジタルビーム形成装置をサイドローブキャンセ
ラとして動作させる第3の実施形態の計算機シミュレー
ションを行う。ここで、各アンテナ素子の特性は理想的
なものとする。すなわち、周波数特性はフラットで指向
性は等方性である。素子配置は等間隔リニアアレーであ
る。表1に、シミュレーション条件を示す。干渉波は2
波で、所望信号入射方向は既知であるものとする。雑音
は白色ガウス性である。表2に改めて素子数、タップ数
を示す。併せて、マルチビームの数と主ビーム方向を示
す。
【0056】
【表1】 シミュレーション条件 ─────────────────────────────────── 入射方向 雑音に対する電力 比帯域 中心周波数 ─────────────────────────────────── 所望波(S) 10゜ 20dB 80% 0.30fs 干渉波1(I1) −5゜ 37dB 83% 0.32fs 干渉波2(I2) 40゜ 40dB 86% 0.31fs ───────────────────────────────────
【0057】
【表2】 素子数、タップ数、ビーム数 ─────────────────────────────────── 素子数N 31 ─────────────────────────────────── タップ数K 31 ─────────────────────────────────── マルチビーム数B+1 11 ─────────────────────────────────── ビーム方向 0゜,±10゜,±21゜,±33゜,±47゜,±65゜ ───────────────────────────────────
【0058】マルチビームは│F1│≧0.2において
近似的に直交ビームを形成するように主ビーム方向とビ
ーム数B+1を決めた。主ビーム方向が0゜以上のビー
ムに対して、F1=0.3におけるマルチビームパター
ンを図9に示す。あるビームの主ビーム方向が、近似的
に他のビームのヌル方向になっていることがわかる。
【0059】図4において、所望波の入射方向と同じ方
向のビーム(10゜方向のビーム)は常に選択し、その
出力につながる荷重係数値を1に固定する(例えば、従
来技術文献2参照。)。それゆえ、加算器10−11の
出力信号は信号選択器8aに入力されてない。そして、
他の10個のビームの中から出力電力の大きい順に4ビ
ーム選択し、それらの線形結合によって10゜方向のビ
ームで受信した信号に含まれる干渉信号のレプリカを生
成する。ここでは、線形結合係数である荷重係数w
i(i=1,2,3,4)を離散的Wiener−Ho
pf方程式を解くことによって求める。つまり、最小2
乗解を求める。図4の記号を使うと、Wiener−H
opf方程式は以下のようになる。
【0060】
【数14】Rw=r
【数15】
【数16】 r=E{[yj1(m)…yj4(m)]T0(m)}
【数17】w=[w1,w2,w3,w4T
【0061】ここで、{j1,j2,j3,j4}は選択さ
れたビームの番号の組で、この例ではそれぞれ47゜,
33゜,0゜,−10゜のビームに対応する。mは信号
の時間変数である。実際には、期待値E[・]は時間平
均で代用している。図10にサイドローブキャンセラと
しての指向特性と周波数特性(振幅特性)を示す。干渉
波方向に深いヌルが形成されていることがわかる。
【0062】信号対干渉信号電力比(SIR)の改善度
(インプルーブメントファクタ)は、干渉波1に対して
33.9dB、干渉波2に対して43.5dBであっ
た。入力信号のSIRが−21.8dBだったのが、出
力ではSIRが16.0dBに改善されたということに
なる。
【0063】以上説明したように、広帯域信号に対応す
るビームスペース形適応ディジタルビーム形成装置にお
けるマルチビーム形成器6及び7aに適用するための2
次元FIRファンフィルタの係数計算法を発明した。特
性近似は1次元から2次元への周波数変換法と窓関数法
を組合せた。1次元から2次元への周波数変換は、ファ
ンフィルタの指向特性が近似的に周波数に依存しないよ
うに決めている。本方法で形成したファンフィルタを用
いてビームスペース形適応ディジタルビーム形成装置を
構成し、比帯域幅の非常に広い干渉信号を抑圧できるこ
とを示した。
【0064】本実施形態の方法で得られるDBF回路5
は、適応ディジタルビーム形成装置のためのマルチビー
ム形成器6及び7aを構成する広帯域DBF回路に特に
適するだけではなく、単独の広帯域DBF回路として考
えた場合、あらかじめ決めた方向の範囲内のサイドロー
ブレベルを他の領域のサイドローブレベルより下げるこ
とが可能となる。それには1次元原形フィルタの特性
を、対応する特定の周波数範囲の阻止域減衰量を大きく
する(サイドローブレベルを低くする)ような帯域通過
ディジタルフィルタに設定する。これについては第4の
実施形態において詳細後述する。なお、従来例(従来技
術文献4)の方法では、あらかじめ決めた方向の範囲内
のサイドローブレベルを他の領域のサイドローブレベル
より下げることができない。
【0065】<第4の実施形態>第4の実施形態におい
ては、あらかじめ決めた方向の範囲内のサイドローブレ
ベルを他の領域のサイドローブレベルより下げるように
DBF回路5の荷重係数を計算する方法について述べ
る。ビーム形成方向をθ0とし、サイドローブレベルを
下げたい方向範囲をθ1≦θ≦θ2とする。ここではθ0
<θ1又はθ0>θ2とする。つまり、サイドローブレベ
ルを下げたい方向範囲はθ0の右側か左側のどちらか一
方であるとする。もちろん、サイドローブレベルを下げ
たい方向範囲を複数設けることも可能であるが、これか
ら説明する方法を拡張することで容易に対処できるの
で、これについては特に説明はしない。
【0066】設計すべき1次元ディジタルフィルタは、
一般に複素係数をもつ線形位相FIR形帯域通過ディジ
タルフィルタとなる。その1次元複素係数帯域通過ディ
ジタルフィルタは、数18で表される周波数F0を中心
とする狭帯域の通過域を持ち、数19で表される周波数
範囲F01≦F≦F02におけるサイドローブレベルが、他
の阻止域のサイドローブレベルより低くなるように設計
する。これは例えば、従来技術文献8「西原明法ほか,
“Remezアルゴリズムによる複素ディジタルフィル
タの設計”,電子情報通信学会技術報告,CAS88−
20,pp.37−42,1988年6月」に示されて
いる方法などで設計できる。
【0067】
【数18】F0=(1/2)sinθ0
【数19】F0i=(1/2)sinθi,ここで、i=
1,2
【0068】周波数応答については零位相部分のみを考
える。インパルス応答長がMc(奇数)の1次元零位相
FIR形複素係数ディジタルフィルタの周波数応答Pc
(F)は数20のようになる。インパルス応答p
c(m)は、pc(m)=pc*(−m)の関係がある
(ここで、*は複素共役である。)。
【0069】
【数20】
【0070】ここで、Um(cos(2πF))は第2
種のチェビシェフ関数で、以下の漸化式の関係がある。
【0071】
【数21】U0(cos(2πF))=0, U1(cos(2πF))=sin(2πF), Um(cos(2πF))=2cos(2πF)Um-1(cos(2πF))
−Um-2(cos(2πF))
【0072】数20が第1乃至第3の実施形態の数10
と大きく異なるのは、周波数応答にsin(2πF)が
含まれていることである。従って、変数変換はcosだ
けではなく、sinにも施す必要がある。これらに施す
変数変換は次式のようになる。
【0073】
【数22】 cos(2πF)→cos(πcF2/dfs1
【数23】 sin(2πF)→sin(πcF2/dfs1
【0074】こうして得られる2次元ディジタルフィル
タの周波数応答は次式のようになる。この周波数応答か
らインパルス応答を計算し、DBF回路5の荷重係数を
求める方法は上述の(フィルタ係数の演算方法)のSt
ep2〜4と同じである。
【0075】
【数24】
【0076】このような特定方向のサイドローブレベル
を下げることが最適化手法を使用せずに可能になったの
は、数7の変数変換の発明によるものである。
【0077】さらに、第4の実施形態の実施例について
述べる。図12に、上述の荷重係数計算法を用いて広帯
域ビームをθ=0゜方向に形成し、40゜≦θ≦90゜
におけるサイドローブレベルを他の領域のサイドローブ
レベルより約20dB低くすることを目標とした場合の
指向特性を示す。ここで、素子間隔c/fs、素子数2
7、タップ数27、Mc=9である。図12から明らか
なように、F1≧0.2の範囲では、40°≦θ≦90
°におけるサイドローブは、他より低くなっていること
がわかる。
【0078】以上説明したように、本発明に係る実施形
態によれば、最適化手法を用いることなく、広帯域DB
F回路としてのFIR型ディジタルフィルタの係数を計
算することができる。しかも、その指向特性は周波数に
よらず近似的に一致しているため、広帯域マルチビーム
を形成して、その後に、ビームを選択して適応的な広帯
域ビームや広帯域ヌルを形成する場合における、マルチ
ビーム形成器6及び7aにおけるFIR型ディジタルフ
ィルタの係数演算装置に適用することができる。また、
広帯域シングルビームのDBF回路において、事前に与
えられた所定の方向範囲に対するサイドローブレベルを
制御して、他の領域のサイドローブレベルに比較して低
くすることができる。
【0079】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る請求項
1記載のディジタルビーム形成装置のためのFIR型デ
ィジタルフィルタのフィルタ係数演算装置においては、
複数N個のセンサ素子が1直線上に所定の素子間隔で並
置されたリニアアレーセンサを用いて、上記複数のセン
サ素子に対応してそれぞれ設けられ、かつ複数K個のタ
ップ数を有し、所望の入射角の方向でビームを形成する
ディジタルビーム形成装置のための複数のFIR型ディ
ジタルフィルタのフィルタ係数演算装置であって、上記
Nよりも小さいインパルス応答長Mを有する正規化時間
周波数の1次元狭帯域低域通過デジタルフィルタのイン
パルス応答に基づいて、上記インパルス応答に対応する
1次元の周波数応答を演算し、上記1次元の周波数応答
に対して、所望波の入射角に基づいた所定の1次元から
2次元への周波数変換を行うことにより、正規化時間周
波数と正規化空間周波数との2次元の周波数応答を演算
し、上記2次元の周波数応答に対して逆フーリエ変換す
ることにより、上記2次元の周波数応答のインパルス応
答を演算し、上記センサ素子の素子数Nと上記タップ数
Kに基づいて、上記インパルス応答のサイドローブを0
に打ち切ることにより、演算されたインパルス応答に基
づいて上記所望通過領域で所定の振幅応答値を有する上
記複数のFIR型ディジタルフィルタのフィルタ係数を
演算する係数演算手段を備え、上記周波数変換は、ディ
ジタルビーム形成装置の指向特性が周波数に依存しない
ように実行される。従って、最適化手法を用いることな
く、広帯域DBF回路としてのFIR型ディジタルフィ
ルタの係数を計算することができる。しかも、その指向
特性は周波数によらず近似的に一致しているため、広帯
域マルチビームを形成して、その後に、ビームを選択し
て適応的な広帯域ビームや広帯域ヌルを形成する場合に
おける、マルチビーム形成器6及び7aにおけるFIR
型ディジタルフィルタの係数演算装置に適用することが
できる。また、広帯域シングルビームのDBF回路にお
いて、事前に与えられた所定の方向範囲に対するサイド
ローブレベルを制御して、他の領域のサイドローブレベ
ルに比較して低くすることができる。
【0080】また、本発明に係る請求項2記載のディジ
タルビーム形成装置のためのFIR型ディジタルフィル
タにおいては、請求項1記載のFIR型ディジタルフィ
ルタのフィルタ係数演算装置によって演算された上記複
数のFIR型ディジタルフィルタのフィルタ係数が設定
されている。従って、最適化手法を用いることなく、広
帯域DBF回路としてのFIR型ディジタルフィルタの
係数を計算することができる。しかも、その指向特性は
周波数によらず近似的に一致しているため、広帯域マル
チビームを形成して、その後に、ビームを選択して適応
的な広帯域ビームや広帯域ヌルを形成する場合におけ
る、マルチビーム形成器6及び7aにおけるFIR型デ
ィジタルフィルタに適用することができる。また、広帯
域シングルビームのDBF回路において、事前に与えら
れた所定の方向範囲に対するサイドローブレベルを制御
して、他の領域のサイドローブレベルに比較して低くす
ることができる。
【0081】本発明に係る請求項3記載のディジタルビ
ーム形成装置においては、複数のセンサ素子からなるア
レーセンサと、上記各センサ素子によって受信された各
受信信号をそれぞれA/D変換して、上記各受信信号に
対応する各ディジタル信号を出力する変換手段と、それ
ぞれ所定の複数のフィルタ係数に基づいて、上記変換手
段から出力される上記複数のディジタル信号をろ波して
出力する複数のFIR型ディジタルフィルタと、上記複
数のFIR型ディジタルフィルタから出力される複数の
ろ波後のディジタル信号を加算して加算後の信号を出力
信号として出力する加算器とを含むディジタルビーム形
成回路とを備え、上記複数のFIR型ディジタルフィル
タの複数のフィルタ係数は、請求項1記載のフィルタ係
数演算装置によって演算される。従って、最適化手法を
用いることなく、広帯域DBF回路としてのFIR型デ
ィジタルフィルタの係数を計算することができる。しか
も、その指向特性は周波数によらず近似的に一致してい
るため、広帯域マルチビームを形成して、その後に、ビ
ームを選択して適応的な広帯域ビームや広帯域ヌルを形
成する場合における、マルチビーム形成器6及び7aの
FIR型ディジタルフィルタに適用することができる。
また、広帯域シングルビームのDBF回路において、事
前に与えられた所定の方向範囲に対するサイドローブレ
ベルを制御して、他の領域のサイドローブレベルに比較
して低くすることができる。
【0082】また、本発明に係る請求項4記載の適応デ
ィジタルビーム形成装置においては、複数N個のセンサ
素子からなるアレーセンサと、上記各センサ素子によっ
て受信された各受信信号をそれぞれA/D変換して、上
記各受信信号に対応する各ディジタル信号を出力する変
換手段と、上記各センサ素子に対して複数N個のFIR
型ディジタルフィルタが対応しかつ形成すべき複数B個
のビームの各ビームに対して複数N個のFIR型ディジ
タルフィルタが対応するように設けられ、それぞれ上記
各ディジタル信号を予め決められたフィルタ係数に従っ
てろ波して出力する複数(N×B)個のFIR型ディジ
タルフィルタと、それぞれ上記各ビームを形成するため
の複数N個のFIR型ディジタルフィルタから出力され
る複数N個の信号を加算して出力する複数B個の加算器
とを備え、上記変換手段から出力される各ディジタル信
号に基づいて、複数B個の異なる方向にそれぞれビーム
を形成して、当該ビームに対応する複数B個のビーム受
信信号を出力するビーム形成手段と、上記ビーム形成手
段から出力される複数B個のビーム受信信号から複数L
個のビーム受信信号を選択して出力する信号選択手段
と、上記信号選択手段から入力される上記複数L個のビ
ーム受信信号と入力される複数L個の荷重係数とをそれ
ぞれ乗算して乗算結果の信号を出力する複数L個の乗算
器と、上記信号選択手段から出力される複数L個のビー
ム受信信号に基づいて、少なくとも所望信号の周波数を
含む所定の周波数範囲において、上記アレーセンサの主
ビームを所望信号の到来方向に向けかつ干渉信号の到来
方向の受信信号のレベルを零にするような上記複数L個
の荷重係数を上記各乗算器に対して演算して、当該複数
L個の荷重係数をそれぞれ対応する上記各乗算器に出力
する係数制御手段と、上記複数L個の乗算器から出力さ
れる複数L個の乗算結果の信号を加算して受信信号とし
て出力する加算手段とを備え、上記複数(N×B)個の
FIR型ディジタルフィルタの複数のフィルタ係数は、
請求項1記載のフィルタ係数演算装置によって演算され
る。従って、最適化手法を用いることなく容易にマルチ
ビーム形成器におけるFIR型ディジタルフィルタのフ
ィルタ係数を計算することができる。また、マルチビー
ム形成器が信号帯域において指向特性が周波数に依存し
ない複数の広帯域ビームを形成しているため、適応的に
制御すべき荷重の数もエレメントスペース構成に比べて
少なくてすむ。
【0083】さらに、本発明に係る請求項5記載の適応
ディジタルビーム形成装置においては、複数N個のセン
サ素子からなるアレーセンサと、上記各センサ素子によ
って受信された各受信信号をそれぞれA/D変換して、
上記各受信信号に対応する各ディジタル信号を出力する
変換手段と、上記各センサ素子に対して複数N個のFI
R型ディジタルフィルタが対応しかつ形成すべき所望波
と干渉波を含む複数(B+1)個のビームの各ビームに
対して複数N個のFIR型ディジタルフィルタが対応す
るように設けられ、それぞれ上記各ディジタル信号を予
め決められたフィルタ係数に従ってろ波して出力する複
数{N×(B+1)}個のFIR型ディジタルフィルタ
と、それぞれ上記各ビームを形成するための複数N個の
FIR型ディジタルフィルタから出力される複数N個の
信号を加算して出力する複数(B+1)個の加算器とを
備え、上記変換手段から出力される各ディジタル信号に
基づいて、複数(B+1)個の異なる方向にそれぞれビ
ームを形成して、当該ビームに対応する複数(B+1)
個のビーム受信信号を出力するビーム形成手段と、上記
ビーム形成手段から出力される干渉波の複数B個のビー
ム受信信号から複数L個のビーム受信信号を選択して出
力する信号選択手段と、上記信号選択手段から入力され
る上記複数L個のビーム受信信号と入力される複数L個
の荷重係数とをそれぞれ乗算して乗算結果の信号を出力
する複数L個の乗算器と、上記信号選択手段から出力さ
れる複数L個のビーム受信信号に基づいて、少なくとも
所望信号の周波数を含む所定の周波数範囲において、上
記アレーセンサの主ビームを干渉信号の到来方向の受信
信号のレベルを最大にするような上記複数L個の荷重係
数を上記各乗算器に対して演算して、当該複数L個の荷
重係数をそれぞれ対応する上記各乗算器に出力する係数
制御手段と、上記複数L個の乗算器から出力される複数
L個の乗算結果の信号を加算して干渉波の受信信号とし
て出力する第1の加算手段と、上記ビーム形成手段から
出力される所望波の1個のビーム受信信号から、上記第
1の加算手段から出力される干渉波の受信信号を減算し
て、干渉波を除去した所望波の受信信号を出力する第2
の加算手段とを備え、上記複数{N×(B+1)}個の
FIR型ディジタルフィルタの複数のフィルタ係数は、
請求項1記載のフィルタ係数演算装置によって演算され
る。従って、最適化手法を用いることなく容易にマルチ
ビーム形成器におけるFIR型ディジタルフィルタのフ
ィルタ係数を計算することができる。また、マルチビー
ム形成器が、信号帯域において指向特性が周波数に依存
しない複数の広帯域ビームを形成しているため、適応的
に制御すべき荷重の数もエレメントスペース構成に比べ
て少なくてすむ。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第1の実施形態のディジタルビ
ーム形成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 図1のディジタルビーム形成装置のFIR型
ディジタルフィルタの構成を示すブロック図である。
【図3】 本発明に係る第2の実施形態のディジタルビ
ーム形成装置の構成を示すブロック図である。
【図4】 本発明に係る第3の実施形態のディジタルビ
ーム形成装置の構成を示すブロック図である。
【図5】 本発明と先行特許出願との相違点を説明する
ための、正規化時間周波数F1と正規化空間周波数F2
平面上の領域を示す図である。
【図6】 第1の実施形態における入射角と2次元周波
数との対応関係を示す図である。
【図7】 第1の実施形態の実施例のファンフィルタの
振幅特性を示す3次元図である。
【図8】 第1の実施形態の実施例のファンフィルタの
指向特性を示す図である。
【図9】 第3の実施形態の実施例のマルチビーム形成
器7aの指向特性パターンを示す図である。
【図10】 第3の実施形態の適応ディジタルビーム形
成装置の指向特性を示す図である。
【図11】 第3の実施形態の適応ディジタルビーム形
成装置の振幅周波数特性を示す図である。
【図12】 第4の実施形態のディジタルビーム形成装
置の指向特性を示す図である。
【符号の説明】 1−1乃至1−N…アンテナ素子、 2−1乃至2−N…受信機、 3−1乃至3−N…A/D変換器、 5…DBF回路、 6,7a…マルチビーム形成器、 7−1−1乃至7−B−N又は7−11−N…FIR型
ディジタルフィルタ、 8,8a…信号選択器、 10,10−1乃至10−B又は10−11,21,2
2,93−1乃至93−(K−1)…加算器、 11…係数制御器、 12−1乃至12−M,20−1乃至20−4,92−
1乃至92−K…乗算器、 13…FIR型ディジタルフィルタ係数演算器、 91−1乃至91−(K−1)…遅延器、 100…アレーアンテナ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数N個のセンサ素子が1直線上に所定
    の素子間隔で並置されたリニアアレーセンサを用いて、
    上記複数のセンサ素子に対応してそれぞれ設けられ、か
    つ複数K個のタップ数を有し、所望の入射角の方向でビ
    ームを形成するディジタルビーム形成装置のための複数
    のFIR型ディジタルフィルタのフィルタ係数演算装置
    であって、 上記Nよりも小さいインパルス応答長Mを有する正規化
    時間周波数の1次元狭帯域低域通過デジタルフィルタの
    インパルス応答に基づいて、上記インパルス応答に対応
    する1次元の周波数応答を演算し、上記1次元の周波数
    応答に対して、所望波の入射角に基づいた所定の1次元
    から2次元への周波数変換を行うことにより、正規化時
    間周波数と正規化空間周波数との2次元の周波数応答を
    演算し、上記2次元の周波数応答に対して逆フーリエ変
    換することにより、上記2次元の周波数応答のインパル
    ス応答を演算し、上記センサ素子の素子数Nと上記タッ
    プ数Kに基づいて、上記インパルス応答のサイドローブ
    を0に打ち切ることにより、演算されたインパルス応答
    に基づいて上記所望通過領域で所定の振幅応答値を有す
    る上記複数のFIR型ディジタルフィルタのフィルタ係
    数を演算する係数演算手段を備え、 上記周波数変換は、ディジタルビーム形成装置の指向特
    性が周波数に依存しないように実行されたことを特徴と
    するディジタルビーム形成装置のためのFIR型ディジ
    タルフィルタのフィルタ係数演算装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のFIR型ディジタルフィ
    ルタのフィルタ係数演算装置によって演算された上記複
    数のFIR型ディジタルフィルタのフィルタ係数が設定
    されたことを特徴とするディジタルビーム形成装置のた
    めのFIR型ディジタルフィルタ。
  3. 【請求項3】 複数のセンサ素子からなるアレーセンサ
    と、 上記各センサ素子によって受信された各受信信号をそれ
    ぞれA/D変換して、上記各受信信号に対応する各ディ
    ジタル信号を出力する変換手段と、 それぞれ所定の複数のフィルタ係数に基づいて、上記変
    換手段から出力される上記複数のディジタル信号をろ波
    して出力する複数のFIR型ディジタルフィルタと、上
    記複数のFIR型ディジタルフィルタから出力される複
    数のろ波後のディジタル信号を加算して加算後の信号を
    出力信号として出力する加算器とを含むディジタルビー
    ム形成回路とを備え、 上記複数のFIR型ディジタルフィルタの複数のフィル
    タ係数は、請求項1記載のフィルタ係数演算装置によっ
    て演算されたことを特徴とするディジタルビーム形成装
    置。
  4. 【請求項4】 複数N個のセンサ素子からなるアレーセ
    ンサと、 上記各センサ素子によって受信された各受信信号をそれ
    ぞれA/D変換して、上記各受信信号に対応する各ディ
    ジタル信号を出力する変換手段と、 上記各センサ素子に対して複数N個のFIR型ディジタ
    ルフィルタが対応しかつ形成すべき複数B個のビームの
    各ビームに対して複数N個のFIR型ディジタルフィル
    タが対応するように設けられ、それぞれ上記各ディジタ
    ル信号を予め決められたフィルタ係数に従ってろ波して
    出力する複数(N×B)個のFIR型ディジタルフィル
    タと、それぞれ上記各ビームを形成するための複数N個
    のFIR型ディジタルフィルタから出力される複数N個
    の信号を加算して出力する複数B個の加算器とを備え、
    上記変換手段から出力される各ディジタル信号に基づい
    て、複数B個の異なる方向にそれぞれビームを形成し
    て、当該ビームに対応する複数B個のビーム受信信号を
    出力するビーム形成手段と、 上記ビーム形成手段から出力される複数B個のビーム受
    信信号から複数L個のビーム受信信号を選択して出力す
    る信号選択手段と、 上記信号選択手段から入力される上記複数L個のビーム
    受信信号と入力される複数L個の荷重係数とをそれぞれ
    乗算して乗算結果の信号を出力する複数L個の乗算器
    と、 上記信号選択手段から出力される複数L個のビーム受信
    信号に基づいて、少なくとも所望信号の周波数を含む所
    定の周波数範囲において、上記アレーセンサの主ビーム
    を所望信号の到来方向に向けかつ干渉信号の到来方向の
    受信信号のレベルを零にするような上記複数L個の荷重
    係数を上記各乗算器に対して演算して、当該複数L個の
    荷重係数をそれぞれ対応する上記各乗算器に出力する係
    数制御手段と、 上記複数L個の乗算器から出力される複数L個の乗算結
    果の信号を加算して受信信号として出力する加算手段と
    を備え、 上記複数(N×B)個のFIR型ディジタルフィルタの
    複数のフィルタ係数は、請求項1記載のフィルタ係数演
    算装置によって演算されたことを特徴とする適応ディジ
    タルビーム形成装置。
  5. 【請求項5】 複数N個のセンサ素子からなるアレーセ
    ンサと、 上記各センサ素子によって受信された各受信信号をそれ
    ぞれA/D変換して、上記各受信信号に対応する各ディ
    ジタル信号を出力する変換手段と、 上記各センサ素子に対して複数N個のFIR型ディジタ
    ルフィルタが対応しかつ形成すべき所望波と干渉波を含
    む複数(B+1)個のビームの各ビームに対して複数N
    個のFIR型ディジタルフィルタが対応するように設け
    られ、それぞれ上記各ディジタル信号を予め決められた
    フィルタ係数に従ってろ波して出力する複数{N×(B
    +1)}個のFIR型ディジタルフィルタと、それぞれ
    上記各ビームを形成するための複数N個のFIR型ディ
    ジタルフィルタから出力される複数N個の信号を加算し
    て出力する複数(B+1)個の加算器とを備え、上記変
    換手段から出力される各ディジタル信号に基づいて、複
    数(B+1)個の異なる方向にそれぞれビームを形成し
    て、当該ビームに対応する複数(B+1)個のビーム受
    信信号を出力するビーム形成手段と、 上記ビーム形成手段から出力される干渉波の複数B個の
    ビーム受信信号から複数L個のビーム受信信号を選択し
    て出力する信号選択手段と、 上記信号選択手段から入力される上記複数L個のビーム
    受信信号と入力される複数L個の荷重係数とをそれぞれ
    乗算して乗算結果の信号を出力する複数L個の乗算器
    と、 上記信号選択手段から出力される複数L個のビーム受信
    信号に基づいて、少なくとも所望信号の周波数を含む所
    定の周波数範囲において、上記アレーセンサの主ビーム
    を干渉信号の到来方向の受信信号のレベルを最大にする
    ような上記複数L個の荷重係数を上記各乗算器に対して
    演算して、当該複数L個の荷重係数をそれぞれ対応する
    上記各乗算器に出力する係数制御手段と、 上記複数L個の乗算器から出力される複数L個の乗算結
    果の信号を加算して干渉波の受信信号として出力する第
    1の加算手段と、 上記ビーム形成手段から出力される所望波の1個のビー
    ム受信信号から、上記第1の加算手段から出力される干
    渉波の受信信号を減算して、干渉波を除去した所望波の
    受信信号を出力する第2の加算手段とを備え、 上記複数{N×(B+1)}個のFIR型ディジタルフ
    ィルタの複数のフィルタ係数は、請求項1記載のフィル
    タ係数演算装置によって演算されたことを特徴とする適
    応ディジタルビーム形成装置。
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