JP4045814B2 - ケトスルホン誘導体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬や食品および飼料添加剤の分野で有用な中間体となりうるケトスルホン誘導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カンタキサンチン誘導体やアスタキサンチン誘導体の製造法としてはC13のケトン(β−イオノン)を鍵中間体として、側鎖を増炭しビタミンAさらにはβ―カロチンを経由する手法が用いられてきた(Pure Appl. Chem. (1991) , 63(1) , 35-44)。
しかし、β−イオノンの合成には多段階のプロセスを経ており、市場では非常に高価な原料である。
安価な原料であるゲラニオールやリナロールから誘導されるスルホン誘導体を酸化することによりカンタキサンチン誘導体やアスタキサンチン誘導体の鍵中間体であるケトスルホン誘導体(2)を得る方法が報告されている(特開2000-80073)。しかし酸化剤としてクロムやマンガン、セレン等の金属酸化剤を用いる方法であり、環境に対する負荷を考えると必ずしもよい方法とは言い難いものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、カンタキサンチン誘導体やアスタキサンチン誘導体の鍵中間体であるケトスルホン誘導体の製造方法として、安価な原料であるゲラニオールやリナロールから誘導されるスルホン誘導体を、水の存在下N−ハロゲノ化合物で酸化することにより製造するという、環境にやさしく工業的に有利な製造方法を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果本発明に至った。すなわち、本発明は、一般式(1)
(式中、Arは置換基を有していてもよいアリール基を示す。)
で示されるスルホン誘導体とN−ハロゲノ化合物とを水の存在下に反応させる ことにより一般式(2)
(式中、Arは前記と同じ意味を表わす。)
で示されるケトスルホン誘導体を得る製造方法を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
一般式(1)で示されるスルホン誘導体のArは、置換基を有してもよいアリール基を示し、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基等が挙げられ、置換基としては、C1からC5のアルキル基、C1からC5のアルコキシ基、ハロゲン、ニトロ基等が挙げられる。具体的には、フェニル、ナフチル、o−トリル,m−トリル,p−トリル、o−メトキシフェニル、m−メトキシフェニル、p−メトキシフェニル、o−クロロフェニル、m−クロロフェニル、p−クロロフェニル、o−ブロモフェニル、m−ブロモフェニル、p−ブロモフェニル、o−ヨードフェニル、m−ヨードフェニル、p−ヨードフェニル、o−フルオロフェニル、m−フルオロフェニル、p−フルオロフェニル、o−ニトロフェニル、m−ニトロフェニル、p−ニトロフェニル等が挙げられる。
【0006】
上記酸化反応に用いられるN−ハロゲノ化合物としてはN−ハロゲノこはく酸イミド、トリハロゲノイソシアヌル酸、1,3−ジハロゲノ−5,5−ジメチルヒダントイン等が挙げられ、具体的には、N−ブロモこはく酸イミド、N−クロロこはく酸イミド、N−ヨードこはく酸イミド、トリブロモイソシアヌル酸、トリクロロイソシアヌル酸、トリヨードイソシアヌル酸、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジヨード−5,5−ジメチルヒダントイン、クロロアミン、クロラミンT、クロラミンB、N−クロロ尿素、N−ブロモ酢酸アミドなどが挙げられる。
N−ハロゲノ化合物の使用量はスルホン誘導体(1)に対して通常、1〜10モル倍であり、好ましくは1〜4モル倍である。
上記酸化反応には、通常、有機溶媒が用いられ、かかる溶媒としては、アセトニトリル、 N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の非プロトン性極性溶媒、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ペンタン、 n―ヘプタン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒等が挙げられる。これらは単一であっても2種以上混合して使用してもよい。
上記酸化反応は、上記有機溶媒に水を添加して行われる。水の添加量はスルホン誘導体(1)に対して1当量以上であり、通常、使用する溶媒の5〜50重量%である。
【0007】
反応温度は、通常、0℃から使用する溶媒の沸点の範囲である。また、反応時間は、反応で用いる酸化剤の種類ならびに反応温度によって異なるが、通常1時間から24時間程度の範囲である。
反応後、通常の後処理操作をすることによりケトスルホン誘導体(2)を得ることができる。また、必要に応じて、シリカゲルクロマトグラフィー等により精製することができる。
原料であるスルホン誘導体(1)はリナロールよりハライド化合物を経て合成できることが、日本特許公報2558275に記載されている。
【0008】
【発明の効果】
本発明のケトスルホン誘導体(2)は、医薬や食品および飼料添加剤の分野、例えばカンタキサンチン類やアスタキサンチン類の中間体として有用である。カンタキサンチン、アスタキサンチンへは、下記スキーム1に示す合成ルートによって導くことができる。
【0009】
【実施例】
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0010】
(実施例1)
スルホン(I)18.28g(62.5mmol)をアセトニトリル300mL、水30mLの混合溶媒に溶解し、N−ブロモこはく酸イミド16.7g(93.8mmol)を添加した。同温で30分攪拌した後、さらにN−ブロモこはく酸イミド11.1g(62.4mmol)を添加し7時間攪拌した。N,N-ジエチルアニリン25mLを添加したのち5%Na2SO3水溶液150mLを加え、ジエチルエーテルで3回抽出後、有機層を1MHCl、水、飽和食塩水で順次洗浄し、MgSO4を加えて乾燥後濃縮し、粗製物を得た。得られた粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的物のケトスルホン(II)を収率49%で得た。以下に、実施例で用いた化合物の構造式を示す。
【0011】
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