明 細 書
類の製法
技術分野
[0001] この発明は、テルペン類の合成法に関し、より詳細には、トランス型のビュル基を有 するテルペン類の合成法に関する。
背景技術
[0002] テルペンは, 1 , 5_ポリェン構造のイソプレンユニット力ら成り、ビタミン A、カロチン 、補酵素 Q,ビタミン K、ビタミン Ε、ドリコール、べチユラプレノール、バクテリアプレノ ール、天然ゴムなどを含む重要な天然有機化合物であり、シス型又はトランス型のィ ソプレンユニットを連続して含む構造をしている。その合成は、アルキルァリルスルホ ンに強塩基を作用させ、アルキルァリルスルホンァニオンを生成させ、アルキルァリル ハライドとカップリング反応させる方法が一般的であるが、その合成は多段階を要し、 また脱スルホン時に二重結合の異性化が起きるなど問題があった (非特許文献 1一 3) 一方、下式で表されるァリルビュルァミンの [3,3]転位はァザクライゼン転位反応とし て知られている (非特許文献 4)。
しかし、この転位反応には 200°C以上の高温を必要とするため、実際の合成にはほ とんど用いられていない。そのため、より低温で進行するこの転位反応が求められて いた。
[0003] 非特 g午文献 1 : S. Inoue and K. Honda, Chemical Structures of Synthetic
Polyisoprenoids Biopolymers vol.2, ρρ27~48, Wiley-VCH (2001)
非特許文献 2 : K. Honda, et al, Chemistry Letters 671-672 (1996)
非特許文献 3:井上誠一,本田清「多置換ォレフィン類の立体選択的構築」有機合成 化学協会誌 第 51卷、第 10号、 894-909 (1993)
非特許文献 4 : Y. Makisumi, Tetrahedron Letters No.52, pp.6413— 6417 (1966) 発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0004] 本発明者は、テルペンを合成する研究を行ってきたが、従来より遥かに低温で進行 するァザクライゼン反応を見出し、この反応を利用してトランス型のビュル基 (例えば 、イソプレンユニット)が連続するテルペン類を合成する方法を提供する。
課題を解決するための手段
[0005] 発明者は、以下の反応機構により、トランス型のビニル基(アルキル基などの置換基 を有してレ、てもよレ、)を構築することが出来ることを見出した。
即ち、まずビュル基に結合する炭素原子に 4級アンモニゥム基を有する 4級アンモ 二ゥム塩を合成する。これに塩基を作用させると、中間体として窒素イリドが生成する 。この転位反応によりトランス型のビュル基が生成し、同時にイミニゥム塩が生成する 。その後このイミ二ゥム塩を還元してアミンを得る。この反応により、トランス型のビエル 基が付加される。この反応は- 70— 30°C程度の低温で進行する。また、これらの反 応を繰り返すことにより、トランス型のビニル基を複数付加することが可能になり、テル ペン類を合成することが可能になった。
[0006] 即ち、本発明は、下記一般式(1)
Y— CHR1— X (1)
(式中、 Yは R ≡C-又は R¾4C = CR5-を表し、 R2、 R3及び R4はそれぞれ水素原 子、アルキル基、アルコキシカルボニル基、アミド基又はシァノ基を表し、 R5はアルキ ル基を表し、 R1は水素原子又は- CH—〇R6を表し、 R6はアルキル基、— C〇R7基(
2
但し、 R7はアルキル基、トリフルォロメチル基又はァリール基を表す。)、—SO R8基(
2 但し、 R8はアルキル基、トリフルォロメチル基又はァリール基を表す。)又はァリール 基を表し、 Xはハロゲン原子又はスルホナート基を表す。)で表される化合物と下記一 般式 (2)
R9R10C = CR -CH (NR12R13) -CH _R14 (2)
2
(式中、 R9及び R1Qはそれぞれ水素原子又はアルキル基を表し、 R11は水素原子、ァ ノレキル基、アルコキシメチル基又はアルコキシェチル基を表し、 R12及び R13はアルキ
ル基を表し、 R は、アルキル基、ァリール基、アルコキシ基、ァリールォキシ基、アル アルキル基、エステル基、ァラルキロキシ基若しくはシロキシ基、又はこれらの置換体 を有していてもよく不飽和結合を有していてもよい炭化水素基を表す。)で表される化 合物とを反応させる第 1段階、及び第 1段階の生成物に塩基及び還元剤を作用させ る第 2段階から成るテルペン類の製法である。
前記塩基は下記一般式 (3)
R^OM1 (3)
(式中、 R15はアルキル基を表し、 M1はアルカリ金属を表す。)で表される塩基又はそ の前駆体であることが好ましレ、。
[0007] また、前記一般式(1)で表される化合物は、
H C = CR16-CH (-CH _〇R6)— X
2 2
で表される化合物であり、前記一般式(2)で表される化合物は、
H C = CR16-CH (NR12R13) -CH一(CH— CR16 = CH— CH ) -R17
2 2 2 2 n
で表される化合物(これらの式中、 CH -CR16 = CH-CH基はトランスであり、 R16は
2 2
水素原子又はアルキル基を表し、 nは 0— 30の整数を表し、 R17は、アルキル基、ァリ ール基、アルコキシ基、ァリールォキシ基、アルアルキル基、エステル基、ァラルキロ キシ基若しくはシロキシ基又はこれらの置換体を表す。)であることが好ましい。
発明の効果
[0008] 本発明の方法は、従来に比べ低温でァザクライゼン転位反応を起こすことができる 。この反応により、テルペン類にトランス型のビュル基を付加することができる。この反 応を順次繰り返すことができるので、その結果、所望の数のトランス型イソプレンュニ ットを付加することができる。本発明の方法により得られるテルペン類は、天然のテル ペン類などの有用なテルペン類を合成するための中間体等に利用することができる など広い応用が可能である。
発明を実施するための最良の形態
[0009] 本発明の方法の第 1段階は、下記一般式(1)
Y— CHR1— X (1)
で表される化合物と下記一般式 (2)
R9R10C = CR -CH (NR12R13) -CH -RM (2)
2
で表される化合物(ァミン)とを反応させる。
[0010] 以下、一般式(1)
Y— CHR1— X (1)
で表される化合物を説明する。
Yは R2C≡ C—又は R3R4C = CR5—を表す。
この R2、 R3及び R4は、それぞれ水素原子、アルキル基、アルコキシカルボニル基、 アミド基又はシァノ基を表し、好ましくは水素原子を表す。これらは、水素原子以外は 、メチル基に変換可能な置換基である。 R3及び R4の一方は水素原子であることが好 ましレ、。また、電子供給性のアルキル基よりも電子吸引性のアルコキシカルボニル基 、アミド基又はシァノ基が好ましい。また、アルキル基及びアルコキシ基の炭素数は 4 以下が好ましぐアルコキシカルボニル基の炭素数は 5以下が好ましい。
R5は、水素原子又はアルキル基、好ましくはアルキル基、より好ましくは炭素数が 4 以下のアルキル基、最も好ましくはメチル基を表す。
R1は、水素原子又は- CH—OR6を表す。 Yが R ≡C—で表される場合には、 R1
2
は水素原子であり、 Yが R¾4C = CR5-で表される場合には、 R1は _CH—OR6で表
2 されることが好ましい。この R6は、 -CH—OR6から OR6として脱離する性質を有する
2
基であればよぐ _OR6が脱離した結果一 CH— OR6はメチレン基( = CH )となる。こ
2 2 のような R6として、アルキル基、— COR7基、 -SO R8基又はァリール基、好ましくはァ
2
ルキル基が挙げられる。アルキル基の炭素数は好ましくは 4以下である。ァリール基 は好ましくは p又は m位に置換基を有してレ、てもよレ、フエニル基である。この置換基と してメチル基、メトキシ基又はニトロ基が挙げられる。 R7及び R8はアルキル基、トリフ ルォロメチル基又はァリール基を表す。このアルキル基の炭素数は好ましくは 4以下 であり、このァリール基は好ましくはフエニル基である。
Xは、脱離基として機能し、ノ、ロゲン原子又はスルホナート基、好ましくはハロゲン 原子、より好ましくは塩素原子又は臭素原子を表す。このスルホナート基は一般式一 OSO R (Rはアルキル基、ァリール基など)で表される。
2
[0011] このような一般式(1)で表される化合物として、例えば、 CH三 CHCH X、 RC≡C
2
HCH X、 ROC〇C≡CHCH X、 H NOCC≡CHCH X、 CH =CHRCHXCH
2 2 2 2 2 2
OR、 RCH = CHRCHXCH OR、 CH =CHRCHXCH〇Ph、 ROCOCH = CH
2 2 2
RCHXCH OR、 H NOCCH = CHRCHXCH OR、 NCC≡CHCH X、 H NOC
2 2 2 2 2
C≡CHCH X (式中、 Rはメチル基又はェチル基、 Xは塩素原子、臭素原子、メタン
2
スルホナート基、ベンゼンスルホナート基又はトリフルォロメタンスルホナート基、 Ph は p又は m位にメチル基、メトキシ基又はニトロ基を有してレ、てもよレ、フエ二ル基を表 す。)等が挙げられる。
[0012] 以下、一般式 (2)
R9R10C = CR -CH (NR12R13) -CH _R14 (2)
2
で表される化合物を説明する。
R9及び R1Qはそれぞれ水素原子又はアルキル基を表し、好ましくは水素原子である 。このアルキル基は、好ましくは炭素数力 以下のアルキル基、より好ましくはメチル 基である。
R11は水素原子、アルキル基、アルコキシメチル基又はアルコキシェチル基を表し、 好ましくはアルキル基又はアルコキシメチル基、より好ましくはアルキル基である。こ のアルキル基は、好ましくは炭素数が 4以下のアルキル基、より好ましくはメチル基で あり、アルコキシ基の炭素数は好ましくは 4以下である。
R12及び R13はアルキル基を表し、その炭素数は小さいほど好ましぐより好ましくは 4以下である。 R12及び R13は、同じであっても異なってもよぐ好ましくは同じである。
R12及び R13は、最も好ましくは両者ともメチル基である。
[0013] R14は、アルキル基、ァリーノレ基、アルコキシ基、ァリールォキシ基、アルアルキル基 (aralkyl基)、エステル基、ァラルキロキシ基、シロキシ基、又は炭化水素基を表す。 この炭化水素基は不飽和結合を有してレ、てもよレ、。炭化水素基は好ましくは直鎖 であり、炭素数が 2以下のアルキル基、好ましくはメチル基の側鎖を有してもよぐ含 まれ得る不飽和結合は、好ましくは二重結合である。
また、この炭化水素基は、置換基としてアルコールの保護基となりうる基を有してい てもよく、このアルコールの保護基となりうる基として、特に限定は無いが、例えば、ァ ノレキノレ基、ァリール基、アルコキシ基、ァリールォキシ基、アルアルキル基、エステル
基、ァラルキロキシ基、シロキシ基又はこれらの置換体が挙げられる。このァリール基 は好ましくはフエニル基であり、ァリールォキシ基は好ましくはフエノキシ基である。ァ ルコキシ基は、好ましくはその炭素数が 4以下であり、より好ましくはメトキシ基又はェ トキシ基である。
また、置換体の置換基は、炭素数力 ¾以下のアルキル基、炭素数が 4以下のアルコ キシ基、ニトロ基、ハロゲン原子、チォ基、シロキシ基、ァリーノレ基、ァラルキロキシ基 、ァリールォキシ基などであってもよい。
[0014] このアルコールの保護基となりうる基として、例えば、ベンジルォキシ基、テトラヒドロ ピラニルォキシ基、メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、メトキシチオメチル基、 p—メ トキシベンゾィルメチル基、 p_ニトロベンゾィルメチル基、 o_ニトロベンゾィルメチル 基、 t一ブトキシメチル基、シロキシメチル基、 1_エトキシェチル基、ァリルォキシ、 p_ メトキシベンジルォキシ基、 o_ニトロベンチルォキシ基、 p—ニトロベンチルォキシ基、 トリェチルシロキシ基、トリイソプロビルシロキシ基、 tーブチルジメチルシロキシ基、 t- ブチルジフエニルシロキシ基、トリベンジルシロキシ基、 tーブチルメトキシフエ二ルシロ キシ基、アセテート基、クロ口アセテート基、ジクロロアセテート基、トリクロ口アセテート 基、フエノキシアセテート基、ピバロエート基、 2,2,2-トリクロ口エトキシ基、 p—メトキシ ベンゾィル基、 3,4-ジメトキシベンゾィル基、 p-ニトロベンゾィル基などが挙げられる。
[0015] 本発明の製法は、一般式(2)で表される化合物に、一般式(1)で表される化合物 に含まれるビニル基等を含む部分を順次付加することができるため、この R14は、本 発明の製法によりこのように付加された生成物の部分を表すことが好ましい。従って、
R14は (CH -CR16 = CH-CH ) R17であることが好ましい。このビニル基はトラン
2 2 n
スである。
R16は水素原子又はアルキル基、好ましくはアルキル基を表す。このアルキル基は 、好ましくは炭素数が 4以下のアルキル基、より好ましくはメチル基である。
nは 0— 30、好ましくは 0— 20の整数を表す。
R17は、上記のアルキル基、ァリール基、アルコキシ基、ァリールォキシ基又はアル アルキル基などのアルコールの保護基となりうる基である。
[0016] このような一般式(2)で表される化合物として、例えば、 CH =CHRCH (NR ) CH
2 2
OR、 CH =CHRCH(NR ) CH OPh、 CH =CHRCH(NR ) CH Ph、 CH =C
2 2 2 2 2 2 2 2
HRCH (NR )CH (CH CR = CHCH ) OR、 CH =CHRCH(NR ) CH (CH C
2 2 2 2 n 2 2 2 2
R=CHCH ) OPh、 CH =CHRCH(NR )CH (CH CR = CHCH ) Ph
2 n 2 2 2 2 2 n 、(NR
2
) (CH CH( = R)) CH CH =CH CH OR、 (NR ) (CH CH( = R)) CH CH
2 m 2 2 2 2 2 2 m 2 2
=CH CH OPh、 (NR ) (CH CH( = R)) CH CH =CH CH Ph、 (NR ) (CH
2 2 2 2 m 2 2 2 2 2 2
CH( = R)) CH CHR=CH CH〇R、 (NR ) (CH CH( = R)) CH CHR = CH m 2 2 2 2 2 m 2 2
CH OPh、 (NR ) (CH CH( = R)) CH CHR = CH CH Ph (式中、 Rは 1価の場
2 2 2 m 2 2 2
合はメチル基又はェチル基、 2価の場合はメチレン基又はメチルメチレン基、 Phはフ ェニル基、 n及び mは 30以下の整数を表す。)等が挙げられる。
[0017] 第 1段階の反応は容易に進行し、第 2段階に比べて反応条件の制限は少ない。こ の反応は通常液相で行われ、溶媒として、レ、かなるものを用いても進行する力 アル コール、エーテル、エステル、ケトン、 DMFなどのアミド、 DMS〇、二トリル系溶媒な どが好ましぐより好ましくは二トリル系溶媒を用いる。二トリル系溶媒として、ァセトニト リル、ベンゾニトリル、プロピオ二トリルなどが挙げられる力 ァセトニトリルが最も好まし レ、。
反応溶液中の一般式(2)で表される化合物(ァミン)の濃度は 1一 40重量%が好ま しい。
一般式(2)で表される化合物 (化合物 2)に対して、一般式(1 )で表される化合物( 化合物 1)は、過剰量 (モル基準)用いることが好ましい。この化合物 2:化合物 1(モル 比)は、好ましくは 1:1一 10、より好ましくは 1:1一 2である。
第 1段階は、通常一 40— 30°C、好ましくは 0—室温にて行われる。
この反応の結果、 4級アンモニゥム塩が生成する。この生成物を反応液からー且取 り出し、更に精製することが好ましい。
[0018] 第 2段階にぉレ、ては、第 1段階の生成物 (4級アンモニゥム塩)に塩基及び還元剤 を作用させる。この段階は、下記(1)又は (2)のいずれかの方法で行われることが好ま しい。
(1)溶媒中で、第 1段階の生成物、塩基及び還元剤を混合する。
即ち、この方法においては、第 2段階は一段階で行われる。各成分の投入順序は
いずれでもよい。通常第 1段階の生成物を溶媒に溶解し、塩基及び還元剤を加える
(2)溶媒中で、第 1段階の生成物及び塩基を混合する。次に、この混合液に還元剤 を加える。
即ち、この方法においては、第 2段階は二段階で行われる。前段階においてまず通 常第 1段階の生成物を溶媒に溶解し、それに塩基を加える。次段階で前段階の反応 液に還元剤を加える。
この段階の溶媒として、いかなるものを用いても進行する力 アルコール、エーテル 、エステル、ケトン、 DMFなどのアミド、 DMS〇、二トリル系溶媒などが好ましぐより 好ましくはアルコール又はエーテル系溶媒を用いる。
第 1段階と第 2段階で用レ、る溶媒が異なる場合には、通常第 1段階の生成物を一旦 取り出して第 2段階の溶媒に溶解して用いる。
[0019] 塩基としては、一般式(3)— (6)で表される塩基、 DBU (ジァザビシクロウンデセン) 、 DBN (ジァザビシクロノネン)、トリアジン等を用いることができる。
R^OM1 (3)
R15はアルキル基、好ましくは炭素数が 4以下のアルキル基を表す。 R15として、例え ば、メチノレ基、ェチル基、 n—プロピル基、イソプロピル基、 t一ブチル基、 n—ブチル基 、 s-ブチル基、 i-ブチル基が挙げられる。
M1はアルカリ金属、特に、 Li、 Na、 K、 Rb又は Csを表す。
塩基として、最終的にこの一般式(3)で表される塩基が反応系に存在すればよい ため、一般式(3)で表される塩基の前駆体を用いてもよい。例えば、前駆体として n— BuLiを用いて、これを溶媒であるメタノールに溶解すると、 MeOLiが生成する。従つ て、溶媒としては、 R15〇Hで表されるアルコール (即ち、塩基と同じアルキル基を有 するアルコール)を用いることが好ましい。
[0020] R16M2 (4)
R16は、水素原子、アルキル基、ァリール基、又はシリル基を表す。
M2はアルカリ金属又はアルカリ土類金属、好ましくはアルカリ金属、より好ましくは、 Li、 Na又は Kを表す。
R17 NM3 (5)
2
R17は、炭化水素基、特にアルキル基又はァリール基を表す。 M3はアルカリ金属、 特に Li、 Na又は Kを表す。
R18 N (6)
3
R18は、炭化水素基、特にアルキル基又はァリール基を表す。
この中で好ましレ、塩基は、一般式(3)で表される塩基である。
[0021] 還元剤は、中間体として生成するイミ二ゥム塩を還元すればよいため、いかなる還 元剤を用いることができる。但し、上記のように溶媒としてアルコールを用いることが 好ましいため、アルコール中で機能する還元剤が好ましいこととなる。このような還元 剤として、例えば、 LiBH、 NaBH、 KBH、 Zn (BH )、 Ca (BH ) ' 2THF、 NaB
4 4 4 4 2 4 2
CH CN, Li fBuO) AlH、Li (EtO) AlH、Li (s_Bu) BH、K (s_Bu) BH、K (iP
3 3 3 3 3 rO) BH、 LiEt BHなどが挙げられる。
3 3
[0022] 反応溶液中の 4級アンモニゥム塩の濃度は 1一 10重量%が好ましい。
反応溶液中の 4級アンモニゥム塩:塩基(当量比)は、好ましくは 1 : 1一 10、より好ま しくは 1 : 1一 2である。
反応溶液中の 4級アンモニゥム塩:還元剤(当量比)は、好ましくは 1 : 0. 2— 10、よ り好ましくは 1 : 0. 2— 2である。
第 2段階は、通常- 70— 80°C、好ましくは- 40— 30°C、より好ましくは- 10°C—室 温にて行われる。
[0023] 以上の第 1段階及び第 2段階力 成る本発明の方法によって、一般式(2)で表され る化合物(ァミン)に、一般式(1)で表される化合物 (ハロゲンィ匕物)から、トランス型の ビュル基 (例えば、イソプレンユニット)を導入することができる。第 2段階の生成物に 、更にこの第 1段階及び第 2段階を所望の回数繰り返せば、所望の数のトランス型の ビュル基 (例えば、イソプレンユニット)を導入することができる。
[0024] 以下、本発明の方法によりトランス型のビニル基(C4)を連続的に導入する方法の 例を説明する。
まず、出発物質として、例えば、下式で表される化合物を用意する(式中、 Rはアル キル基を表し、 Meはメチル基を表す。)。
[化 2]
これに、塩基の存在下で、下式
で表されるようなビュル基とハロゲン原子やスルホナート基 (X)を有する化合物を反 応させると、 4級アンモニゥム塩が得られ、更に塩基を作用させると、中間体として窒 素イリドを経て、転位反応によりトランス型のビニル基が生成する。同時に生成するィ ミニゥム塩を、還元剤を用いてァミン (b)を得る。
この反応経路を下式に示す。
[化 4]
塩
ここで生成するァミン (b)は、出発物質 (a)にトランス型のビエル基を付加したものであ り、その他の構造は出発物質 (a)と同一である。更に、このアミン (b)を出発物質として、 4級アンモニゥム塩の生成及び転位一還元反応を繰り返すことにより、トランス型のビ 二ル基を連続的に導入し、下記一般式
で表わされるァミン (c) (nは 1一 30程度の整数)を製造することができる。
また、本発明の生成物の末端に OR基が残存する場合には、アルコールにより処理 することでアルコール末端のものが得られ、更にハロゲン化して還元すれば、炭化水 素末端のものが得られる。
また、本発明の生成物は、上記アミン (c)のように、末端にアミノ基を有する力 これ を既報(S. Inoue et al., Chem. Lett. , 1986, 2035)に従って、酸化し、加水分解すれ ば、アルコール末端のものが得られ、更にハロゲン化して還元すれば、炭化水素末 端のものが得られる。これを上記アミン (c)の場合で示すと下記のような反応機構とな る。
[化 6]
このような処理により、アルコール末端のもの (d)や炭化水素末端のもの (e)を得ること ができる。
[0027] 以下、実施例にて本発明を例証するが、本発明を限定することを意図するものでは ない。
本実施例では、以下の分析機器を用いた。
赤外吸収スペクトル: PERKIN ELMER FT- IR Spectrometer PARAGON 1000 核磁気共鳴スペクトル: JEOL EX-270
ガスクロマトグラフ: 島津ガスクロマトグラフ GC-14A
キヤビラリ一力ラム: レステック社製 RtX (登録商標) -5 Amine (内径 0.25mm X 30m) 精製用シリカゲル: シリカゲルカラムクロマトグラフィー(富士シリシァ化学株式会社 製シリカゲノレ BW_127ZH)
ガスクロマトグラフィー分析条件は以下のとうりである。
He流量 1.25ml/min
Column i,emp. 200。し
INJ. Temp. 200°C
DET. Temp. 250°C
Rt = (Z)10.16 min. (E)11.07min.
[0028] 合成例 1
この合成例では、
(6E)— 3— dimethylamino— 8— benzyloxy— 2,6— dimethylocta— 1,6— diene(3)を合成した。
lOOOmLナスフラスコに 14.6gの (2E)-l-benzyloxy-3,7-dimethy卜 octa-2,6_diene(l) ( 59.9 mmol)、水 52mL、次亜塩素酸カルシウム 7.9g (55.2mmol)、塩化メチレン 380m Lを加え、更にドライアイスの小片を加えながら室温で 1時間撹拌した。セライトろ過後 、塩化メチレンで抽出し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、溶媒を減圧留去し、定量的 に (6E)- 8- benzyloxy-3-chloro- 2,6-dimethylocta- 1,6- diene 2を得た。 300mLナスフ ラスコに全量の 2と 43mLのエタノールと 51 %ジメチルァミン水溶液 130mLを加え、室 温で 9日間撹拌した。エタノールと過剰のジメチルァミンを減圧留去し、ジェチルエー テルと塩化ナトリウムをカ卩えて塩析した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(50倍、 メタノーノレ)により精製し、 7.5gのァミン (3)を収率 44%で得た。
この反応式及び生成物の分析結果を以下に示す。
[化 7]
IR (neat) cm—1 3070, 3030, 2945, 2860, 2815, 2770, 1670, 1650, 1450, 1370, 1205, 1070, 900, 740, 700
'H NMR (CDCl ) δ (ppm) 1.4— 2.0(4H, m), 1.64(3H, s), 1.66(3H, s), 2.20(6H, s),
3
2.40(1H, dd, J = 3.8, 10.1H ), 4.03(2H, d, J = 6.6H ), 4.51(2H, s), 4.8— 4.9(2H, m),
z z
5.40(1H, t, 6.6H ), 7·2—7·4(5Η, m)
z
合成例 2
この合成例では、まず 5-pheny卜 l-penten-3-ol (6)を合成し、続いて 3-dimethyl ammo_5_phenyト pent—丄一 ene (8) 合成した。
52mLのビエルマグネシウムブロミドの THF溶液 (0.75M, 39.0 mmol)を 0度に冷や した 200mLのフラスコにいれ、 3.40gの 3-phenylpropanal(5) (25.3mmol)を 30分かけ て滴下した。混合物を 30分間 0度に保った後、 1時間かけて室温に戻した。泡立つの が止まるまで氷をカ卩え、反応を停止させ、懸濁溶液が均一になるまで 1M硫酸を加え た。エーテルで抽出し、硫酸マグネシウムを用いて乾燥させた。エーテル濃縮後、シ リカゲルカラムクロマトグラフィー (へキサン:酢酸ェチル =8 : 2)で精製してアルコール (6)を収率 75%で得た。
この反応式及び生成物の分析結果を以下に示す。
[化 8]
IR(neat) cm—1 3380, 3025, 2930, 2860, 1495, 1455, 1045, 990, 925, 750, 700
JH NMR (CDCl ) δ (ppm) 1.8— 1.9(2H, m), 2·6— 2·8(2Η, m), 4.13(1H, q, J = 6.2 Hz),
3
5.14(1H, d, J = 10.6 Hz ), 5.25(1H, d, J = 17.15 Hz), 5·8— 6·0(1Η, m), 7·1_7·3(5Η,
m)
[0030] 3.0gの 5-pheny卜 l-penten-3-ol (6) (18.5mmol)をフラスコに入れ、無水塩化メチレ ン 40mLに溶解させ、トリェチルァミン 3.8mL (29.75mmol、 1.5当量)を加えた。更に 2.49gのメシルクロリド(20.35mmol)を加え、 30分間撹拌した。更に 50mLの無水のジ メチルァミンをカ卩え、室温で 9日間撹拌した。ジメチルァミン及び塩ィ匕メチレンを留去 し、 0.1M水酸化ナトリウム水溶液をカ卩え、酢酸ェチルで抽出した。有機層を飽和塩化 ナトリウム水溶液で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。酢酸ェチルを減圧留去し 、シリカゲルカラムクロマトグラフィー (100倍,酢酸ェチル)を用いて精製し、ァミン (8)を 収率 58%で得た。
この反応式及び生成物の分析結果を以下に示す。
IR(neat) cm—1 3070, 3025, 2940, 2860, 2820, 2775, 1455, 1035, 920, 745, 700
JH NMR (CDC1 ) 5 (ppm) 1.5— 1.8(1H, m), 1.8— 2·0(1Η, m), 2.24(6H, s), 2.4-2.8(2H,
3
m), 5.1 K1H, d, J = 17.8 Hz), 5.25(1H, d, J = 10.2 Hz), 5·6— 5·8(1Η, m),
7.1-7.4(5H, m)
実施例 1
[0031] この実施例では、まず [(6E)-8-benzyloxy-2,6- dimethylocta-l,6- diene- 3- yl]
-[prop-丄 -yne-3-yl]— dimethylammomum bromide(4)を合成し 7こ。
50mLナスフラスコに 317mgの合成例 1で得たアミン (3)と無水のァセトニトリル lOmL を加え、更に蒸留したプロパルギルブロマイド 0.6mLをカ卩えた。室温で 2日間撹拌し、 ァセトニトリル及び過剰のプロパルギルブロマイドを減圧留去し、無水エーテル及び へキサンを加え洗浄し、デカンテーシヨンを数回繰り返したのち、エーテル及びへキ サンを減圧留去し、 437mgの 4級アンモニゥム塩 (4)を収率 97%で得た。
この反応式及び生成物の分析結果を以下に示す。
IR(neat)cm_1 3470, 3160, 2940, 2115, 1435, 1080, 915, 745, 700
JH NMR (CDCl ) 5 (ppm) 1.71(3H, s), 1.94(3H, s), 1.9— 2.1(2H, bs), 2.2- 2.3(2H,bs),
3
2.87(lH,s), 3.34(3H, s), 3.46(3H, s), 4.03(2H, d, J = 6.6 Hz), 4.3— 4·4(1Η, bs), 4.50(2H, s), 4.88(2H, s), 5.42(1H, t, J = 6.6 Hz), 5.58(2H, s), 7.2- 7.4(5H, m) 次に、 [(6E)-8-benzyloxy-2,6-dimethylocta-l,6-diene-3-yl]-[prop-l-yne-3-yl] -dimethylammonium bromide(4)力、ら転位反 J心により
(2E,6E)-(1— benzyloxy— 3, 7-methyl-10-dimetylamino— 9— methylene)deca— 2,6— diene(l 1)を合成した。
338mgの 4級アンモニゥム塩 (4)(0.83mmol)と 154mgの水素化ホウ素ナトリウム(NaBH
4
, 4.15mmol)をフラスコに入れ、 10mLの無水エタノールで完全に溶解させた。 60mgの 金属ナトリウムを 4mLの無水エタノールに入れ完全に溶解させ、ナトリウムエトキシド 塩基 (Na〇Et)のエタノール溶液を調整した。この一部の 2mLのナトリウムエトキシド塩 基のエタノール溶液を 0°Cに冷やした 4級アンモニゥム塩 (4)を入れたフラスコに 8分か けて滴下した。温度を 0°Cに保ったまま 24時間撹拌し、その後 10%塩酸で反応を停 止した。水酸化ナトリウムを用いて塩基性に戻した後、エタノールを減圧留去した。酢 酸ェチルで抽出し、濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸ェチル)を 用いて精製し、 200mgの転位生成物 (11)を収率 73%で得た。更に転位生成物のトラ ンス:シス生成比はガスクロマトグラフィーを用いて E (トランス)/ Z (シス) = 94/6と決定 した。
この反応式及び生成物の分析結果を以下に示す。
11
この反応の結果、トランス型のビエル基が導入されてレ、ることが分かる。
IR(neat)cm— 1 3480, 2850, 1455, 1360, 1090, 1070, 1030, 900, 735, 700
'Η NMR (CDCl ) δ (ppm) 1.56(3H, s), 1.65(3H, s), 2.0— 2.2(4H, m), 2.17(6H, s),
2.72(4H, s), 4.03(2H, d, J = 6.3 Hz), 4.50(2H, s), 4.85(1H, s), 4.94(1H, s), 5.20(1H, t, J=6.3Hz), 5.40(1H, t, J=6.0Hz), 7.2— 7.7(5H, m)
13C NMR (CDCl ) δ (ppm) 15.8, 16.4, 26.4, 39.5, 44.6, 45.4, 64.6, 66.5, 72.0,
113.3, 120.8, 126.4, 127.5, 127.8, 128.3, 132.8, 138.5, 140.3, 145.1
実施例 2
[0033] 本実施例では、まず (5-pheny卜 pent-l-ene-3-yl)-(prop-l-yne-3-yl)_dimethyl ammonium bromide(9) 合成した。
50mLのナスフラスコに、合成例 2で得たアミン (8)157mg及び無水のァセトニトリル 1 OmLを入れ、更に、蒸留したプロパルギルブロマイド 0.5mLを加えた。室温で 2日間 撹拌した後、ァセトニトリル及び過剰のプロパルギルブロマイドを減圧留去し、無水ェ 一テル及びへキサンを加え洗浄した。更に同様に洗浄とデカンテーシヨンを数回繰り 返し、エーテル及びへキサンを減圧留去し、 437mgの 4級アンモニゥム塩 (9)を収率 94%で得た。
この反応式及び生成物の分析結果を以下に示す。
[化 12]
IR(neat)cm— 1 3400, 2115, 1465, 1350, 1010, 950, 860, 750, 700
'Η NMR (CDCl ) δ (ppm) 2.0_2·2(1Η, m), 2.3— 2.7(2H, m), 2.7— 2.9(1H, m),
2.77(1H, s), 3.34(3H, s), 3.40(3H, s), 4.14(1H, t, J = 10.9), 4.80(2H, q),
5.7-6.0(3H, m), 7.1-7.6(5H, m)
[0034] 次に、実施例 1と同様の操作により、 4級アンモニゥム塩 (9)から
(3E)-7-dimethvlamino_6_methlene-l-phenv卜 3_heptene(12)を収率 53%で得た。
転位生成物のトランス:シス生成比はガスクロマトグラフィーを用いて E/Z = 95/5と決 定した。
この反応式及び生成物の分析結果を以下に示す。
[化 13]
12 この反応の結果、トランス型のビエル基が導入されてレ、ることが分かる。
IR (neat) cm—1 3025, 2940, 2855, 2815, 2765, 1455, 1030, 970, 900, 700
JH NMR (CDCl ) δ (ppm) 2.09(6H, s), 2.2— 2.4(2H, m), 2.5— 2.7(6H, m), 4·7— 4·9(2Η,
3
m), 5.4— 5.5(2H, m), 7.0- 7.3(5H, m)
13C NMR (CDCl ) δ (ppm) 34.3, 36.0, 37.2, 45.4, 65.4, 112.5, 125..7, 128.2,
3
128.4, 131.3, 142.0, 146.3
実施例 3 ^
本実施例では、まず
(5 - phenyi_pent_丄- ene - 3 - yl) - (but - 2_yne - 1 - yl) - dimethylammonium bromide(l 0)を合 成した。
実施例 1と同様の方法により、合成例 2で得たアミン (8)と 1_ブロモ -2-ブチンから 4級 アンモニゥム塩 (10)を収率 98%で得た。
この反応式及び生成物の分析結果を以下に示す。
8
IR (neat) cm—1 3440, 2120, 1470, 1460, 1010, 990, 950, 880, 740, 700
'H NMR (CDCl ) δ (ppm) 1.77(3H, s), 2·0_2·2(1Η, m), 2.3_2.6(2H, m), 2.8— 2.9(1H,
m), 3.29(3H, s), 3.36(3H, s), 4.06(1H, t, J = 9.2 Hz), 4.63(2H, s), 5.6_6.0(3H, m), 7.1-7.4(5H, m)
[0036] 次に、実施例 1と同様の操作により、 4級アンモニゥム塩 (10)から転位反応により (3E)-7-dimethylamino-6-ethylidene-l-phenyl-3-heptene (13)を収率 33%で得た。 この反応式及び生成物の分析結果を以下に示す。
[化 15]
この反応の結果、トランス型のビエル基が導入されてレ、ることが分かる。
IR (neat) cm"1 2970, 2810, 1740, 1600, 1495, 1450, 1260, 1030, 970, 860, 745, 700 JH NMR (CDCl ) δ ( pm) 1.61, 1.64(3H, each d, J=6.6Hz; (E)-Me 1.61,(Z)— me
3
1.64, E:Z=1 :3(積分比》, 2.1-2.2(6H, m), 2.2- 2.4(2H, m), 2.6-2.9(6H, m), 5.36(1H, dt, J=7.0Hz, 17.3Hz, 5.51(1H, dt, J = 7.0, 17.3 Hz), 5.54(1H, q, J=6.6Hz), 7.1-7.4(5H, m)
実施例 4
[0037] (2E)- 1- benzyloxy- 3,7-dimethy卜 octa- 2,6- diene(l)の代わりにプレニルべ:
ーテノレ(ィ匕 16)
を用いて合成例 1と同様の操作を行い、 3-chloro-4-phenoxy-2-methylbut-l-ene
(14)及び 4— benzyloxy— 3— dimethyl ammo— 2— methylbut— 1— ene(15)をネ守/こ。
[0038] 3-chloro- 4- phenoxy-2- methylbut-1- ene (14)2 g (10 mmol)をァセトニトリル 20 mlに 溶力し 100 mlのフラスコに入れ、 4— benzyloxy— 3— dimethylamino— 2— methylbut— 1— ene
(15) 0.43 g (2 mmol)を滴下し、 50°Cで 3日間加熱撹拌をした。反応終了後、溶媒を減 圧留去し、残った固体を乾燥エーテルでよく洗浄した。充分に洗浄を終えた固体を
室温で減圧乾燥し、四級アンモニゥム塩 [4-benzyloxy-2-methylbut-l-ene-3-yl] _[4_phenoxy_2_metnylbut_l_ene_3_yl]_dimethylammomum chloride (1りノを収量 0.51 g (収率 90 %)で得た。
この反応式及び生成物の分析結果を以下に示す。
[化 17]
16
IR(neat) cm—1 3440, 2870, 1635, 1455, 1360, 1110, 745, 700
JH NMR (CDC ) δ (ppm) 1.87 (6H,s), 2.9-3.1 (6H, m), 3.6—3.9 (4H, m), 4.30 (2H, m), 4.50 (2H, m), 5.4-5.6 (4H, m) , 6.8-7.4 (10H, m)
[0039] 次に、実施例 1と同様の操作により、 4級アンモニゥム塩
[4— benzyloxy— 2— methylbut— 1— ene— 3— yl]— [4— phenoxy— 2— methylbut— 1— ene— 3— yl]— dim ethylammonium chloride (1りノカ b
(6E)-3-dimethylamino-8-benzyloxy-2, 6-dimethylocta- 1,6-diene (3)を収率 67 %で合 成した。
この反応式を以下に示す。
[化 18]
16 実施例 5
[0040] 5 - phenyト 1 - penten - 3 - ol (6)の代わ ^に 3 - hydroxy - 4 - phenoxy - 2 - methylbut - 1 - ene を用いて合成例 2と同様の操作を行い、 4-phenoxy-2-methyl-l-buten-3-yl
methansulfonate (17)を得た。
4_phenoxy_2_methyト l_buten_3_yl methansulfonate (17) 1.2 g (4.7 mmol)をァセト 二トリル 10 mlに溶かし 100mlのフラスコに入れ、
(6E)-j-dimethylamino— 8— benzyloxy— 2,6-dimethylocta— 1,り— diene (3) 0.25 g (0.9 mmol)を室温で滴下し 10日間、ゆっくりと撹拌を行った。反応終了後、溶媒を減圧留 去し、残った固体を乾燥エーテルでよく洗浄した。充分に洗浄を終えた固体を室温 で減圧乾燥し、四級アンモニゥム塩
[(6E)— 8— benzyloxy-2,6— dimethylocta- l,6-dien-j-yl]— [4-phenoxy— 2— metnylbut—丄— e ne-3-yl]-dimethylammonium methanesulfonate (18)を収量 0.40 g (収率 85 %)で得た この反応式及び生成物の分析結果を以下に示す。
[化 19]
IR(neat) cm—1 3440, 1640, 1420, 1360, 1120, 1060, 915, 820, 755, 690
'Η NMR (CDC ) δ (ppm) 1.72 (3Η, s), 1.85 (6H,s), 1.7-2.1 (4H, m), 2.72 (3H, s), 2.9-3.1 (6H, m), 3.7-3.9 (4H, m), 4.24 (2H, m), 4.52 (2H, m), 5.4—5.6 (5H, m) , 6.8-7.4 (10H, m)
次に、実施例 1と同様の操作により、 4級アンモニゥム塩
[(6E)— 8— benzyloxy-2,6— dimethylocta- l,6-dien-j-yl]— [4-phenoxy— 2— methylbut— 1—e ne-3-yl]-dimethylammonium methanesulfonate (18)力、り
(6E, 10E)-3-dimethylamino- 12-benzyloxy-2 ,6, 10-trimethyl dodecyl- 1,6, 10_triene (19)を収率 65 %で合成した。
IR(neat) cm—1 3080, 3030, 2940, 2860, 1650, 1440, 1370, 1200, 1050, 900, 820, 745, 695
JH NMR (CDC ) δ (ppm) 1.62(9H, bs), 1·8_2·4(8Η, m), 2.12 (6H, s), 2.63(1H, t, J = 7.0 Hz), 3.92(2H, d, J = 7.0 Hz), 4.38(2H, s), 4.6-4.8(2H, m), 4·9_5·4(2Η, m), 7.1-7.3 (5H, m)