JP4045719B2 - 無機質建材の保護方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セメント等の水硬性無機質の瓦や壁材等の建築部材に適用される、生産効率が良く、耐久性に優れる無機質建材の保護方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポルトランドセメント、珪砂等を主体とする水硬性無機硬化体は、物理強度、寸法安定性、耐火性に優れ、板状に成型して広く瓦や壁材等の建築部材に使用されている。但し水硬性物質が充分に水和し実用に耐える強度を発現するには、常温では1ヶ月程度を要するために、飽和水蒸気下で加圧、加熱し水和を促進するオートクレーブ養生が広く用いられている。
【0003】
一般的に建築部材の保護や美装の観点より合成樹脂をバインダーとする塗装剤を部材表面に塗装する。部材を未塗装でオートクレーブ養生を行った場合、部材表面にエフロレッセンスが生じ、外観およびその後の塗装剤の付着性を低下させるという問題が生ずる。
【0004】
この問題の解決策として、部材表面にシーラーを予め塗装した後、エフロレッセンスの発生を避けつつオートクレーブ養生を行う方法が普及しつつある。例えば、特許公報第2900850号、および特許公報第2900023号に開示されているように特定の樹脂、顔料組成の水性シーラーを未硬化の部材上に塗装し、その後オートクレーブ養生を行い、オートクレーブ中での積み重ねられた部材同士の融着や、シーラー面の融着を防止し、さらにはエフロレッセンスの発生を防止しつつ養生を完結せしめる方法が提案されている。
【0005】
しかしながら、このような方法を用いても、部材を特に外装材に使用するには、耐久性に劣るために保護上塗り塗料を別途塗装する工程が必要であり、行程費が嵩むばかりか、特に工場塗装では、塗装工程短縮のために一般的に行われる加熱強制乾燥方法を用いれば、熱容量の大きい部材を再度加熱しなければならず、エネルギー資源の損失は免れない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は従来技術の長所欠点に鑑み、鋭意研究した結果、特定の組成の自己熱硬化樹脂を主成分とする水性塗装剤を、未硬化の水硬性無機質部材表面に塗装し、その後部材をオートクレーブ養生行うと、養生中のエフロレッセンス発生を防止し、部材同士の融着を防止できるのみか塗膜がオートクレーブの熱により架橋硬化し、基材補強効果を有し、例えば耐候性や耐薬品性等の優れた耐久性を発現し、その後別途上塗り塗装を施さなくてもよい無機質建材の保護方法を見出し本発明を完成させるに到った。
【0007】
即ち本発明は、賦形されているが硬化が終了していない水硬性無機質部材の表面に、エポキシ基とカルボキシル基とを有するビニル系重合体(A)の水性分散体を含んでなる水性塗装剤を塗装し、次いで得られた塗装部材をオートクレーブ養生し、部材の水和と塗装剤の熱硬化を同時に行う無機質建材の保護方法であって、水性塗装剤の顔料含有量が水性分散体中の樹脂固形分100重量部に対し70重量部以下であり、かつ水性塗装剤の塗布量が、固形分で50〜150g/m の範囲である無機質建材の保護方法に関する。
【0008】
さらには本発明は、エポキシ基とカルボキシル基とを有するビニル系重合体(A)の水性分散体が、エポキシ基含有ビニル系単量体(B)、カルボキシル基含有ビニル系単量体(C)と、(B)及び(C)と共重合可能な1種以上の単量体(D)とを乳化共重合して得られるものである、無機質建材の保護方法に関するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明を具体的に説明する。本発明における水硬性無機質部材としては、各種セメント類や珪酸カルシウム、石膏、石灰等水和し硬化する物質に、骨材、繊維補強剤、水等を配合して成形されたものである。
【0010】
『硬化が終了していない水硬性無機質部材』とは、すなわち水硬性無機質部材が未硬化の状態とは、事前に部分水和させるか、配合水量を少なくし物理的に圧縮固化し、部材が形状を保持できる状態を言う。
【0011】
この未硬化の水硬性無機質部材表面に塗装する塗装剤は、エポキシ基とカルボキシル基とを有するビニル系重合体(A)の水性分散体を主成分とし、かつ顔料含有量が水性分散体中の樹脂固形分100重量部に対し70重量部以下である水性塗装剤であり、とりわけエポキシ基含有ビニル系単量体(B)、カルボキシル基含有ビニル系単量体(C)と、(B)及び(C)と共重合可能な1種以上の単量体(D)とを乳化共重合して得られる水性分散体を主成分とし、かつ顔料含有量が水性分散体中の樹脂固形分100重量部に対し70重量部以下である水性塗装剤が好ましい。さらに、得られる塗膜の耐候性の観点から、(メタ)アクリル酸エステル単量体を、少なくとも全単量体中50重量%以上用いて乳化共重合して得られる水性分散体を主成分とする水性塗装剤が好適である。
【0012】
エポキシ基含有ビニル系単量体(B)としては、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルクロトネート、グリシジルアリルエーテル、シクロマーM100(脂環エポキシ(ダイセル化学工業(株));1−メチレン3,4−エポキシシクロヘキシルメタクリレート)等同一分子内にエポキシ基と重合性ビニル基を有する単量体であり、一種もしくは二種以上の混合物として好ましくは全単量体中0.2〜10重量%の範囲で使用される。使用量が0.2重量%未満では塗装剤の熱架橋密度が不十分に成り易く、最終的に得られる硬化塗膜の耐候性等が劣るようになる。逆に10重量%を超える量を使用してもその効果が飽和するばかりでなく、塗料の安定性が低下しやすくなるので好ましくない。全単量体中0.4〜6重量%の範囲で使用するのが更に好ましい。
【0013】
ところで、グリシジルメタクリレートの如きグリシジル基を有するビニル系単量体を共重合した水性分散体は、T.Fujisawa and S.Takemoto(Daicel Chemical Industries,LTD.Reserch Center)らの報告(第9回高分子ミクロスフェア討論会講演要旨集、p51〜52.1996)で示すように、グリシジル基が常温での保存中にエポキシ基が分解し架橋効果が損なわれるため、本用途では塗装剤管理が重要となる。
【0014】
一方メチルグリシジル基を有する例えばメチルグリシジルメタクリレートは、共重合した水性分散体中でエポキシ基が分解し難く保存中でも安定であり、この観点よりエポキシ基含有ビニル系単量体(B)としてメチルグリシジルメタクリレートを用いることが好ましく、より好適にはエポキシ基含有ビニル系単量体(B)の30重量%以上をメチルグリシジルメタクリレートとすることである。
【0015】
また、ソルビトールポリグリシジルエーテル(例えばCR−5L;大日本インキ化学工業(株))や自己乳化型ビスフェノールタイプエポキシ樹脂(例えばEM−85−75W;大日本インキ化学工業(株))等のエポキシ基含有樹脂とカルボキシル基含有水性分散体との混合物を塗装剤として用いる方法もあるが、これらの混合物は充分な相溶性が得られ難く、塗膜の耐久性、特に耐候性という観点では、エポキシ基含有ビニル系単量体を共重合せしめた水性分散体に劣る。
更に前述の混合物では経時による塗装剤の性能維持が得られ難い。
【0016】
次ぎに、カルボキシル基含有ビニル系単量体(C)について述べる。これは前述のエポキシ基含有ビニル系単量体(B)のエポキシ基と加熱時に架橋する必須の成分であり、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の一塩基酸、さらにはイタコン酸、マレイン酸、フマル酸等の二塩基酸、及びこれらのアルコールとのハーフエステル類等が挙げられ、1種もしくは2種以上の混合物として、全単量体中1〜5重量%の範囲で使用されるのが好ましい。更に好ましくは1.5〜4重量%の範囲である。
【0017】
これらカルボキシル基含有ビニル系単量体(C)を共重合すると、水性分散体にカルボキシル基が導入でき、水性分散体の機械的安定性や基材付着性、顔料分散性が向上するが、反面カルボキシル基が塗膜中に残存すると塗膜の耐水性、耐アルカリ性、耐候性等の耐久性が低下しやすい。
【0018】
本発明の水性分散体中のビニル系重合体は、一般に溶液重合で得られる樹脂の分子量(数千程度)よりもはるかに大きい分子量(数十〜数百万)を有するが、オートクレーブ養生時の熱によりカルボキシル基とエポキシ基との架橋反応によりさらに分子量が増大し、カルボキシル基は架橋、消費されて、得られる塗膜の耐久性及び耐ブロッキング性が大幅に向上する。
【0019】
本発明の水性分散体は、エポキシ基含有ビニル系単量体(B)、カルボキシル基含有ビニル系単量体(C)、と(B)及び(C)と共重合可能な1種以上の単量体(D)とを乳化共重合して得ることができる。この場合(B)及び(C)と共重合可能な1種以上の単量体(D)は、全単量体中98.8〜85重量%の範囲で用いるのが好ましい。
【0020】
上記エポキシ基含有ビニル系単量体(B)及びカルボキシル基含有ビニル系単量体(C)と共重合可能なビニル系単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸エステル類;
【0021】
酢酸ビニル、塩化ビニル等のビニル化合物;スチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物;
【0022】
(メタ)アクリルアマイド、アミノプロピルメタクリルアミド、モノメチルアクリルアミド、モノエチルアクリルアミド、ジエチロールアミノプロピルアクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の官能基含有単量体類;
【0023】
ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレンジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート等の架橋単量体類;
【0024】
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタアクリルオキシプロピルトリメトキシシラン等のシラン含有単量体類が挙げられる。
【0025】
得られる塗膜の耐候性を考慮すると(メタ)アクリル酸エルテル類を主に使用するのが好ましいし、耐アルカリ性を考慮すると(メタ)アクリル酸エステル類と芳香族ビニル化合物を主に使用するのがよい。
【0026】
水性分散体のガラス転移点については特に制限はないものの、得られる塗膜の耐久性やオートクレーブ中での溶融、熱架橋のしやすさ等を考慮すると、理論ガラス転移点が10〜50℃の範囲にあるのが好ましい。
【0027】
本発明に用いられる塗装剤は、顔料を併用した塗料であり、部材の表面、裏面、端面等の保護に用いられる。使用する顔料については特に制限はないものの、充分な耐熱性と耐アルカリ性を具備することが望ましく、この観点より無機顔料を使用するのが好ましい。顔料濃度があまりに高くなると、得られる塗膜が多孔質になりやすく、本発明の効果が失われやすくなるので、バインダーすなわち水性分散体中の樹脂固形分100重量部に対し70重量部以下の使用量であることが必要である
【0028】
塗装剤の塗布量は塗装剤固形分で50〜150g/ の範囲であることが必要である。塗布量が50g/m 未満では本発明の保護効果が得られ難く、逆に150g/m を越える塗布量では効果が飽和する。
【0029】
本発明の塗装剤は未硬化の水硬性無機質部材の上に塗装され硬化熱や熱風により予め指触乾燥以上に乾燥されるのが好ましい。塗装基材はオートクレーブに入れられ塗膜が熱硬化すると共に、基材も水和硬化する。部材のオートクレーブ中での温度、積み込み方には特に制限な無いが、温度は生産性を考慮すると130〜190℃の範囲で5〜12時間程度養生するのが好ましい。
【0030】
その他塗装剤の塗装方法、乾燥方法、使用目的に応じて、公知の塗料添加剤、例えば分散剤、造膜助剤、増粘剤、消泡剤、粘性調整剤、表面張力調整剤、防腐防バイ剤、酸化防止剤、pH調整剤、紫外線吸収剤等公知慣用の塗料添加物の使用が可能であるが、当然これら添加剤の耐熱性等を考慮すべきである。
【0031】
本発明の保護方法は得られる塗膜の耐久性という観点では、オートクレーブ養生後に更に上塗り塗装剤を塗装する必要はないが、例えばホルマリン、悪臭等の生活空間汚染物質の吸着機能、結露防止効果、防バイ、防藻、抗菌性の付与、部材表面の意匠性付与、撥水性や耐汚染性の付与等の新たな機能性付与のための上塗り塗装をすることは、もちろん可能である。以下に実施例及び比較例により本発明をより具体的に説明する。
【0032】
【実施例】
次に本発明を詳細に説明するために以下に実施例を示すが、以下において部及び%は特に断りのない限りすべて重量基準であるものとする。
<評価に用いる水硬性無機部材の製造方法>
下記に示すようにポルトランドセメント、珪砂、繊維パルプ、その他添加剤等の混合物に水を加えて均一に混合した後、プレスして得られた厚さ約8mmの無機部材を温度25℃,湿度60%で24時間自然養生したものを用いた。
【0033】
【表1】
Figure 0004045719
【0034】
<水性分散体の作成>
ノニオン乳化剤1部(対単量体100重量部),アニオン乳化剤1部、そして重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.3部を用いて80℃の熱分解反応により、表2に示す単量体組成の水性分散体を得た。
【0035】
【表2】
Figure 0004045719
【0036】
注1) BA;アクリル酸n−ブチル
MMA;メタアクリル酸メチル
St;スチレン
CHMA;メタアクリル酸シクロヘキシル
GMA;グリシジルメタアクリレート
MGMA;メチルグリシジルメタアクリレート
M100:シクロマーM100(ダイセル化学)
AA;アクリル酸
MAA:メタアクリル酸
IA:イタコン酸
水性分散体12(45%)とエポキシ樹脂の混合物は表3の配合にて作成した。
【0037】
【表3】
Figure 0004045719
【0038】
【表4】
Figure 0004045719
【0039】
*1) 30%品を3%に希釈して使用
【0040】
予め下記A成分をコロイドミルにて混合しペースト状となし、次いでB成分を順次加えてよく混合して白塗料配合を行い、不揮発分45±0.5%、粘度60±5KUとなるように水を用いて調整して白塗料1A〜16Aを作成した。ここで言う白塗料1Aは水性分散体1を使用するものとする。
【0041】
【表5】
Figure 0004045719
【0042】
*2) 23%品を3%に希釈して使用
【0043】
水性分散体に粘度調整剤、造膜助剤、および消泡剤を添加して混合した。次いで顔料、水を添加して更に混合して塗装剤を作成した。
上記水性分散中、1,2,11,12を用い黒塗料配合を行い、不揮発分30±0.5%、粘度20〜100mPa・sに調整した黒塗料1B,2B,11B,12Bを作成して塗装剤として用いた。ここで言う黒塗料1Bは水性分散体1を使用するものとする。
【0044】
<塗装・乾燥方法>
上記の様に塗料配合された塗装剤をスプレーにて、40℃に予熱された無機部材に表6で示す塗装剤量を塗装した後、90℃で5分間乾燥させた。
<試験基材作成方法>
塗装した無機部材をオートクレーブにて160℃,10気圧,12時間養生して塗膜の熱硬化および無機部材の水和硬化を行い試験板とした。(実施例1A4除く)
【0045】
【表6】
Figure 0004045719
【0046】
更に1度塗り試験基材とは別にオートクレーブ養生後、表7に示すように上記同様の<塗装・乾燥方法>により塗装した2度塗りの試験基材も作成した。(実施例1A5,1C,比較例11A2
【0047】
【表7】
Figure 0004045719
【0048】
注2)クリヤー塗料;アクリル乳化重合体1を塗料化せずにそのまま塗装
<試験方法>
実施例中に示した各種物性の試験方法は下記のとおりである。
尚、評価として◎〜×で行った場合、順位は下記のとおりである。
◎ ○ △ ×
優れる 劣る
【0049】
1)耐エフロレッセンス性
オートクレーブ養生後の表面状態を目視にてエフロレッセンスの発生度合いを判定した。発生度合いは、◎〜×で評価した。
2)耐熱ブロッキング性
200×200mmに切断した試験片の塗装面同士を合わせ、40kgの荷重をかけてオートクレーブ養生し、養生後にその付着性を評価した。付着性は◎〜×で評価した。
【0050】
3)付着性
試験片の塗装面にガムテープ(住友スリーエム社製)を張り付け、直ちに引き剥がすことによって付着性を評価した。付着性は◎〜×で評価した。
4)耐温水白化性
上記で作成した部材を70×150mmの大きさに切断した後、60℃温水中に半没して6時間放置し、取り出し直後および一日乾燥後の白化状態を目視にて判定した。白化状態は、◎〜×で評価した。
【0051】
5)耐アルカリ性
JIS K5400ー1990[耐アルカリ性]に準拠して行った。膨れ、および剥がれは、◎〜×で評価した。
6)耐酸性
JIS K5400ー1990[耐酸性]に準拠して行った。膨れ、および剥がれは、◎〜×で評価した。
【0052】
7)耐水性
JIS K5400ー1990[耐水性]に準拠して行った。膨れ、および白化は、◎〜×で評価した。
8)促進耐候性
JIS K5400ー1990[サンシャインカーボンアーク灯式]に準拠して行った。
試験時間3000時間まで行い、塗膜の劣化状態は、◎〜×で評価した。
【0053】
【表8】
Figure 0004045719
【0054】
<経時による塗装剤の性能評価>
塗装剤として使用した白塗料、および黒塗料を常温にて放置した。そして1ヶ月経過後、再度上記と同様、無機部材に塗装・乾燥行程の後、応用試験を行った。
【0055】
【表9】
Figure 0004045719
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、オートクレーブ養生の熱で塗装剤中の水性塗装剤が熱溶融しながら熱硬化し、水硬性無機質部材と一体化して強靱な表面層を形成し優れた耐久性を部材に付与すると共に、水硬性無機質部材からのエフロレッセンスの発生を防止し、部材同士のブロッキングも防止し、部材も水和硬化が完結するという誠に合理的、理想的な無機質建材の保護方法を提供することができる。

Claims (4)

  1. エポキシ基とカルボキシル基とを有するビニル系重合体(A)の水性分散体を含んでなる水性塗装剤を、賦形されているが硬化が終了していない水硬性無機質部材の表面に塗装した後、加熱して水硬性無機質部材と水性塗装剤との硬化を行う無機質建材の保護方法であって、水性塗装剤の顔料含有量が水性分散体中の樹脂固形分100重量部に対し70重量部以下であり、かつ水性塗装剤の塗布量が、固形分で50〜150g/m の範囲であることを特徴とする無機質建材の保護方法。
  2. エポキシ基とカルボキシル基とを有するビニル系重合体(A)の水性分散体が、エポキシ基含有ビニル系単量体(B)、カルボキシル基含有ビニル系単量体(C)と、(B)及び(C)と共重合可能な1種以上の単量体(D)とを乳化共重合して得られるものである、請求項1記載の無機質建材の保護方法。
  3. エポキシ基とカルボキシル基とを有するビニル系重合体(A)の水性分散体が、エポキシ基含有ビニル系単量体(B)、カルボキシル基含有ビニル系単量体(C)と、(B)及び(C)と共重合可能な1種以上の単量体(D)とを乳化共重合して得られるものであり、かつ単量体(B)、(C)及び(D)の合計100重量部に対して、単量体(B)成分が0.2〜10重量部、単量体(C)成分が1〜5重量部となる範囲で用いて乳化共重合して得られるものである、請求項1記載の無機質建材の保護方法。
  4. エポキシ基含有ビニル系単量体(B)の30重量%以上がメチルグリシジルメタクリレートである、請求項2又は3記載の無機質建材の保護方法。
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