JP4044639B2 - 合成樹脂製パレット - Google Patents

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    • B65D2203/10Transponders

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁波やマイクロ波にて通信可能なIDタグが配設された合成樹脂製パレットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、合成樹脂製パレットの隅桁間に位置する中間桁等に、カプセルや箱体に収容されたIDタグを取り付けた合成樹脂製パレットが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の合成樹脂製パレットにおいては、IDタグをカプセルや箱体に収納し、該カプセルや箱体に収納されたIDタグを合成樹脂製パレットに取り付けたものであるので、IDタグの取り外しが困難であるとともに、IDタグのみを購入して、合成樹脂製パレットに取り付けることができないという問題があった。
【0004】
また、合成樹脂製パレットを、粉砕してリサイクルする場合にも、IDタグがカプセルや箱体に収納されているために、その取り出しが困難であるために、合成樹脂製パレットのリサイクル費用が高価なものになるという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、上述した従来の合成樹脂製パレットが有する課題を解決するとともに、IDタグの再利用が可能な合成樹脂製パレットを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した目的を達成するために、第1には、上部デッキボードの周縁部には、IDタグが縦方向に収納可能な縦穴が穿設されているとともに、上記上部デッキボードの側面には、上記縦穴に連通するとともに、その横幅が、上記縦穴の横幅に比べて狭い横穴が穿設されており、また、上記縦穴の内壁には、上記縦穴に収納されたIDタグの周面が当接する係止部材が形成されており、上記IDタグが、上記縦穴に収納された際には、上記IDタグが、上記係止部材に係止されて、上記IDタグの縦穴からの抜け出しが阻止されるように構成されているとともに、上記横穴から、上記縦穴に収納されたIDタグが確認できるように構成されており、且つ、上記横穴から、レバーを挿入して、該レバーを、上記IDタグの下部周面に当てた後、前記レバーを持ち上げることにより、上記IDタグを、上記縦穴から取り出すことができるように構成したものであり、第2には、IDタグが挿入可能な縦穴の垂直内壁に、金型補強用の楔状の凹部を形成したものである。
【0007】
【実施例】
以下に、本発明の合成樹脂製パレットの斜視図である図1、本発明の合成樹脂製パレットのIDタグ取り付け機構の拡大斜視図である図2、図2に示されたIDタグ取り付け機構の側部断面図である図3、本発明の合成樹脂製パレットの他のIDタグ取り付け機構の拡大斜視図である図4、図4に示されたIDタグ取り付け機構の側部断面図である図5、図4に示されたIDタグ取り付け機構の正面図である図6、本発明の合成樹脂製パレットの更に他のIDタグ取り付け機構の拡大斜視図である図7、図7に示されたIDタグ取り付け機構の側部断面図である図8及び図7に示されたIDタグ取り付け機構の正面図である図9を用いて、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら、本実施例に限定されるものではない。
【0008】
先ず最初に、図1〜図3を用いて、本発明の一実施例について説明する。
【0009】
一例としての合成樹脂製パレットPは、上部デッキボード1と下部デッキボード2とを有し、上部デッキボード1と下部デッキボード2とは、合成樹脂製パレットPの四隅に配置された隅桁3と該隅桁3間に配置された中間桁4と合成樹脂製パレットPの中央部に配置された、図示されていない中央桁により連結されている。また、隅桁3と中間桁4との間には、フォーク差し込み孔5が形成されている。中間桁4の上方に位置する上部デッキボード1には、後述するIDタグ取り付け機構Cが配設されている。
【0010】
c1は、中間桁4の上方に位置する上部デッキボード1の周縁部に形成された、一例としての円盤状のIDタグTが縦方向に収納可能な縦穴であり、上部デッキボード1の側面1aからは、縦穴c1に連通する横穴c2が形成されている。横穴c2は、正面形状が縦長の長方形に形成されており、その横幅w1が、縦穴c1の横幅w2に比べて狭く、縦穴c1の略中心部に配置されている。c3は、縦穴c1と上部デッキボード1の側面1aとの間に形成された、上記横穴c2が形成された壁部であり、該壁部c3の縦穴c1側の内壁の上方には、水平方向に延在する係止部材としての係止凸条c4が突設されている。図3に示されているように、縦穴1cに挿入されたIDタグTの上端部t1が、係止凸条c4の下面に圧接されて、縦穴1cに挿入されたIDタグTが、簡単に、縦穴1cから抜け出ないように構成されている。なお、係止凸条c4は、縦穴1cの上部デッキボード1の中央部側の内壁c5に形成することもできる。なお、係止凸条c4は、IDタグTの上端部t1に係合する長さを有しておればよく、金型の設計上から、横穴c2の幅と同じに長さにすることが好ましい。
【0011】
図2に示されているように、IDタグTを立てた状態、即ち、円盤状のIDタグTの円形状側面t2が垂直の状態で、IDタグTを、縦穴c1に挿入し、縦穴c1に挿入されたIDタグTは、その上端部t1が、壁部c3の縦穴c1側の内壁に形成された係止凸条c4の下面に圧接されて係止されることになる。縦穴c1に挿入されたIDタグTは、横穴c2から確認できるので、段積みされた空の或いは物品が載置された合成樹脂製パレットPの側面から、合成樹脂製パレットPにIDタグTが配設されているかどうかを確認することができる。また、縦穴c1に挿入されたIDタグTを、取り出す際には、横穴c2から適当なレバーを挿入し、レバーを、IDタグTの下部側面に当てるとともに、上方に移動させることにより、IDタグTを上方に持ち上げて、IDタグTの上端部を、縦穴c1から突出させた後に、手やペンチ等で挟んで、縦穴c1から取り出すことができる。
【0012】
図4〜図6に示された実施例は、上述した縦穴c1に、上部デッキボード1の側面1aから連通する横穴c6は、その横幅が、縦穴c1の幅と略同じに広く形成されており、従って、上述した実施例に比べて、縦穴c1に挿入されたIDタグTの横穴c2からの確認を、より容易に、確実に行うことができる。横穴c6の横幅が、縦穴c1の幅と略同じに広く形成されているので、横穴c6から、縦穴c1に挿入されたIDタグTが抜け出る可能性があるので、横穴c6からのIDタグTの抜けを防止するために、横穴c6の底面から、突片c7が突設されている。このような突片c7を突設したことにより、縦穴c1に挿入されたIDタグTの側面下部が、突片c7に当接し、従って、横穴6cから、IDタグTが抜け出るようなことがない。c8は、縦穴c1の相対する側壁面c1a、c1bに形成された、水平方向に延在する、係止部材としての凸条である。IDタグTを立てた状態、即ち、円盤状のIDタグTの円形状側面t2が垂直の状態で、IDタグTを、縦穴c1に挿入すると、縦穴c1に挿入されたIDタグTは、図6に示されているように、その上端部t1付近の肩部が、縦穴c1の両側壁面c1a、c1bに形成された凸条c8に係止されて、縦穴c1から上方に抜け出ることが防止できる。縦穴c1に挿入されたIDタグTを、取り出す際には、上述した実施例と同様に、横穴c6から適当なレバーを挿入し、レバーを、IDタグTの下部側面に当てるとともに、上方に移動させることにより、IDタグTを上方に持ち上げて、IDタグTの上端部を、縦穴c1から突出させた後に、手やペンチ等で挟んで、縦穴c1から取り出すことができる。
【0013】
図7〜図9に示されている実施例においては、縦穴c1に連通する横穴c9は、正面形状が縦長の長方形に形成されており、上述した図2に示されている実施例と同様に、その横幅が、縦穴c1の横幅に比べて狭く、また、図9から明らかなように、正面から見たときに、縦穴c1の一方の端部側に偏在して形成されている。また、縦穴c1の一方の側壁面c1aには、水平方向に延在する、係止部材としての凸条c10が突設されている。IDタグTを立てた状態、即ち、円盤状のIDタグTの円形状側面t2が垂直の状態で、IDタグTを、縦穴c1に挿入すると、縦穴c1に挿入されたIDタグTは、図9に示されているように、その上端部t1付近の一方の肩部が、縦穴c1の一方の側壁面c1aに形成された凸条c10に係止されて、縦穴c1から上方に抜け出ることが防止できる。勿論。このような凸条c10は、上述した図4〜図6に示された実施例のように、縦穴c1の相対する両側壁面c1a、c1bに形成することもできる。縦穴c1に挿入されたIDタグTを、取り出す際には、上述した2つの実施例と同様に、横穴c9から適当なレバーを挿入し、レバーを、IDタグTの下部側面に当てるとともに、上方に移動させることにより、IDタグTを上方に持ち上げて、IDタグTの上端部を、縦穴c1から突出させた後に、手やペンチ等で挟んで、縦穴c1から取り出すことができる。
【0014】
c11は、縦穴c1の上部デッキボード1の中央部側の内壁c5に形成された楔状の凹部であり、このような楔状の凹部c11を形成することにより、合成樹脂製パレットPを射出成形する際に、縦穴成形用の金型の厚さを、楔状の凹部c11に対応する部分だけ厚く形成することができる。IDタグTの厚さが薄く、縦穴c1の奥行きが狭い場合には、縦穴成形用の金型が薄くなり、従って、縦穴成形用の金型を縦穴c1から抜く際に、縦穴成形用の金型が折れ曲がったりして損傷することがある。本実施例にように、縦穴c1の上部デッキボード1の中央部側の内壁c5に楔状の凹部c11を形成したことにより、この楔状の凹部c11の分だけ、縦穴成形用の金型を厚く、丈夫に形成することができるので、合成樹脂製パレットPの成形後、縦穴成形用の金型を縦穴c1から抜く際に、射出圧力の影響で倒れて、縦穴成形用の金型が折れ曲がったりするようなことが防止できる。
【0015】
上述した実施例においては、縦穴c1に挿入されるIDタグTとして、円盤状のIDタグTを使用した例が示されているが、方形状の板状のIDタグや柱状のIDタグを使用することができる。柱状のIDタグをしようする場合には、当然のことながら、縦穴c1も、柱状のIDタグが挿入できるような形状とする。
【0016】
また、上述した実施例においては、IDタグ取り付け機構Cが、上部デッキボード1の厚さ範囲内に形成されている例が用いられているが、IDタグTの大きさによっては、或いは、フォークリフトに配設されたIDタグT用のバーアンテナ等の受信部材の位置によっては、IDタグ取り付け機構Cを、中間桁4内に入り込んで配設することもできる。
【0017】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載する効果を奏することができる。
【0018】
デッキボードに、IDタグが挿入可能な縦穴を穿設するとともに、デッキボードの側面から、縦穴に連通する横穴を穿設したので、合成樹脂製パレットへのIDタグの挿入、取り外しが容易になるとともに、合成樹脂製パレットの側面からのIDタグの挿入状態が確認できる。特に、合成樹脂製パレットを多数段積みした際のIDタグの挿入状態が容易に確認できる。
【0019】
デッキボードに穿設された縦穴に、直に、IDタグを挿入したので、IDタグの取り外しが容易であるとともに、合成樹脂製パレットのリサイクル費用の低減化が実現できる。
【0020】
IDタグが挿入可能な縦穴の垂直内壁に、縦穴に挿入されたIDタグが係合する係止部材を形成したので、IDタグの縦穴内への係止が簡単に、しかも、確実にできるとともに、合成樹脂製パレットへのIDタグの挿入、取り外しが容易になる。
【0021】
IDタグが挿入可能な縦穴の垂直内壁に、金型補強用の楔状の凹部を形成したので、縦穴から縦穴成形用の金型を取り外す際に、縦穴成形用の金型が曲がったり、折れたりするようなことが防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の合成樹脂製パレットの斜視図である。
【図2】図2は本発明の合成樹脂製パレットのIDタグ取り付け機構の拡大斜視図である。
【図3】図3は図2に示されたIDタグ取り付け機構の側部断面図である。
【図4】図4は本発明の合成樹脂製パレットの他のIDタグ取り付け機構の拡大斜視図である。
【図5】図5は図4に示されたIDタグ取り付け機構の側部断面図である。
【図6】図6は図4に示されたIDタグ取り付け機構の正面図である。
【図7】図7は本発明の合成樹脂製パレットの更に他のIDタグ取り付け機構の拡大斜視図である。
【図8】図8は図7に示されたIDタグ取り付け機構の側部断面図である。
【図9】図9は図7に示されたIDタグ取り付け機構の正面図である。
【符号の説明】
C・・・・・・・・・・IDタグ取り付け機構
P・・・・・・・・・・合成樹脂製パレット
T・・・・・・・・・・IDタグ
1・・・・・・・・・・上部デッキボード
2・・・・・・・・・・下部デッキボード
4・・・・・・・・・・中間桁
c1・・・・・・・・・縦穴
c2、c6、c9・・・横穴
c4、c8、c10・・係止部材

Claims (2)

  1. 上部デッキボードの周縁部には、IDタグが縦方向に収納可能な縦穴が穿設されているとともに、上記上部デッキボードの側面には、上記縦穴に連通するとともに、その横幅が、上記縦穴の横幅に比べて狭い横穴が穿設されており、また、上記縦穴の内壁には、上記縦穴に収納されたIDタグの周面が当接する係止部材が形成されており、上記IDタグが、上記縦穴に収納された際には、上記IDタグが、上記係止部材に係止されて、上記IDタグの縦穴からの抜け出しが阻止されるように構成されているとともに、上記横穴から、上記縦穴に収納されたIDタグが確認できるように構成されており、且つ、上記横穴から、レバーを挿入して、該レバーを、上記IDタグの下部周面に当てた後、前記レバーを持ち上げることにより、上記IDタグを、上記縦穴から取り出すことができるように構成されていることを特徴とする合成樹脂製パレット。
  2. IDタグが挿入可能な縦穴の垂直内壁に、金型補強用の楔状の凹部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の合成樹脂製パレット。
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