JP4279942B2 - 係止具付き被取付材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、取付け物に係止具を用いて取付けるための被取付材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から取付け物に被取付材を取付けるに当たっては、例えば、先端に係止突部を有するはめ込み突部を被取付材に一体に形成し、取付け物に設けた孔にはめ込み突部をはめ込んで孔に係止突部を係止することで、被取付材を取付け物に取付けるようになっている。
【0003】
ところが、このような従来例にあっては、被取付材に係止突部を有するはめ込み突部を一体に突設形成するため、合成樹脂製品などにおいては金型構造が複雑となり、金型コストが高くなるという問題があり、また、はめ込み突部が破損しても交換できないという問題があり、被取付材に係止突部を有するはめ込み突部を一体に突設形成しているので、係止突部を有するはめ込み突部が邪魔になって被取付材を多段に積み重ねて搬送したり、ストックしたりすることができないという問題がある。
【0004】
また、取付け物に被取付材を取付ける他の従来例としては、被取付け材とは別に係止具を形成し、被取付材の孔と取付け物の孔とを位置合わせして連通させた状態で、係止具のはめ込み突部を上記被取付材の孔と取付け物の孔とに挿通してはめ込み突部の係止突部を取付け物の孔の縁に係止するようにしている。
【0005】
ところが、この従来例にあっては、被取付材を取付け物に取付けるに当たって、上記のように、被取付材の孔と取付け物の孔とを位置合わせして連通させた状態で、係止具のはめ込み突部を上記被取付材の孔と取付け物の孔とに挿通する作業が面倒で、取付け作業がしにくいという問題があり、また、被取付材と係止具とは被取付材の孔への係止具の挿入により連結してあるだけなので、被取付材に対して係止具ががたつきやすくて取付け強度が弱いという問題があり、また、被取付材を取付け物に取付けていない状態では、係止具を被取付材に確実に取付けておくことができないので、係止具を紛失しやすいという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の従来例の問題点に鑑みて発明したものであって、取付け物に被取付材を取付けるに当たって、係止具が別体であるにもかかわらず、被取付材を簡単且つ強固に取付け物に取付けることができ、また、別体の係止具を紛失したりするおそれもなく、係止具が破損した場合にも簡単に係止具を交換することで対応でき、更に、係止具を取付けた状態で、係止具に邪魔されることなく被取付材を多段に積み重ねることができるとともに積み重ねた状態で横にずれるのを防止できる係止具付き被取付材を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の係止具付き被取付材は、取付け物Aに係止具9を用いて取付けるための被取付材Bにおいて、被取付材Bに内面部に係止突部7eを有する凹所7cを設け、凹所7cの底に凹所7c幅よりも小径の外部に開口する孔7dを連通形成し、係止溝部9dを有する本体部9bに本体部9bよりも小径のはめ込み突部9cを突設すると共にはめ込み突部9cの先端に係止手段を設けて係止具9を形成し、係止具9の本体部9bを凹所7c内に配設して係止突部7eを係止溝部9dに係止すると共に、はめ込み突部9cが孔7dを挿通して被取付材Bの表面から突出させたものであって、上記被取付材Bが上下に積み重ねできる形状のものであり、係止具9の本体部9bに被取付材Bの表面から突出するはめ込み突部9cをはめ込むことができる凹溝9aを設けてあることを特徴とするものである。このような構成とすることで、係止具9をあらかじめ被取付材Bに取付けておくことができて、被取付材Bを取付け物Aに係止具9で取付ける作業が簡略化できるものであり、しかも、この場合、係止具9は本体部9bが凹所7c内に配設されて係止突部7eを係止溝部9dに係止するので、確実且つ強固に被取付材Bに取付けられることになる。
【0008】
また、被取付材Bが上下に積み重ねできる形状のものであり、係止具9の本体部9bに被取付材Bの表面から突出するはめ込み突部9cをはめ込むことができる凹溝9aを設けてあるので、被取付材Bに係止具9をあらかじめがたつかないように強固に取付けてはめ込み突部9cを被取付材Bの表面から突出させたものであるにもかかわらず、係止具9付きの被取付材Bを上下に多段に積み重ねた状態で下段の係止具9のはめ込み突部9cが上段の係止具9の凹溝9a内にはめ込まれることになって、上下多段積みが支障なく行えるものであり、また、下段の係止具9のはめ込み突部9cが上段の係止具9の凹溝9a内にはめ込まれることで、積み重ねた被取付材Bが横にずれるのを防止することができることになる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明を以下添付図面に示す実施形態に基づいて詳述する。
【0010】
添付図面に示す実施形態においては、取付け物Aがパレット11、被取付材Bがパレット11に取付けるための底面ボード7の例を示している。
【0011】
以下、取付け物Aをパレット、被取付材Bを底面ボード7として説明する。
【0012】
取付け物Aであるパレット11はスキッドパレットと称されるシート状のパレットであり、ポリプロピレン又は再生ポリプロピレン等の合成樹脂を射出成形法やプレス成形法により一体成形して形成してある。このパレット11は図13乃至図17に示すように、平面視正方形状又は長方形状をした四角形の板状の載置部1に上面側が上方に開口した凹部2となり且つ下面側が凹部2にはめ込むことができる形状の下方に突出した突部3となった形状の複数の脚部4を縦横に複数列、複数行垂設して構成してある。すなわち、脚部4は平面視における形状が下に行くほど小さくなっていて、凹部2に突部3をはめ込むことができるようにしてある。
【0013】
図14にはパレット11の下面図が示してあり、パレット11の下面において脚部4間がフォーク差込み部6となっている。
【0014】
そして、パレット11の縦方向または横方向のいずれか一方において隣接する脚部4の下面部間に底面ボード7を底面ボード7とは別体の係止具9により着脱自在に取付けてある。
【0015】
被取付物Bである底面ボード7は図2に示すようなもので、平面視帯状をした細長い扁平筒状をしており、合成樹脂の押出し成形により形成してあり、合成樹脂の押し出し成形により形成された押し出し成形品をパレット11のサイズに対応した長さで長手方向(押し出し方向)と直交する方向に切断することで、目的とするサイズのパレット11に使用する底面ボード7を形成するものであり、この底面ボード7は上下に多段に積み重ねることができる形状となっている。ここで、底面ボード7の押し出し方向である長手方向にはリブ7aが長手方向に連続して形成されて長手方向と直交する方向に対する撓みに対して強い強度の梁構造となるものである。また底面ボード7の長手方向と直交する方向の側面が下に行くほど外側となるように傾斜した傾斜面7bとなっている。更に底面ボード7の中央部は長手方向の全長にわたり下方に開口する凹所7cが設けてあり、凹所7cの両側面部には対向して長手方向の全長にわたる係止突部7eが突設してある。上記のように押し出し成形により形成された底面ボード7の上面部の長手方向の所定位置には押し出し成形後に複数の孔7dが形成してあり、この孔7dは上記凹所7cの幅方向の中央部に開口している。孔7dの穿孔位置はパレット11の縦方向又は横方向に底面ボード7を架設するに当たって、縦方向又は横方向に隣接して設けた各脚部4の中心に孔7dが位置するように穿孔するものである。したがって、パレット11のサイズや脚部4間の距離により穿孔する孔7dの位置が決定されるものである。
【0016】
係止具9は図3に示すようなもので、内部が少なくとも下方に開口した凹溝9aとなった筒状をした本体部9bの上部に本体部9bよりも小径の筒状をしたはめ込み突部9cが一体に突設してあり、本体部9bの外周部には環状をした係止溝部9dが設けてある。また、はめ込み突部9cの上端部の外端部には上程内側となるように傾斜したテーパ部を有する係止突起9eが設けてあって係止手段を構成しており、また筒状をしたはめ込み突部9cは複数の割り溝9fが上端部から下方に向けて形成してあって係止突起9eを有するはめ込み突部9cが弾性変形をしやすいようになっている。
【0017】
上記構成の係止具9ははめ込み突部9cを底面ボード7に設けた孔7dに凹所7c側からはめ込んで、係止突部7eに係止溝部9dを係止することで底面ボード7に係止具9を確実且つ強固に取付けて図1に示すような本発明の係止具9付き被取付材Bを構成するのである。
【0018】
ここで、はめ込み突部9cを孔7にはめ込む際、前述のように割り溝9fを設けることで、はめ込み突部9cを弾性変形させて容易に孔7dに通すことができるものである。係止具9を底面ボード7に取付けた状態で、図1に示すように係止具9のはめ込み突部9cが底面ボード7の上面から上方に突出するものであり、また、係止具9の本体部9bの下端部が凹所7cの下端又は凹所7cの下端よりも若干上に位置するようになっている。そして、係止具9を取付けた底面ボード7を上下に多段に積み重ねた状態で、下段の底面ボード7の上面に上段の底面ボード7の下面が載置され、下段の底面ボード7の上面より上方に突出したはめ込み突部9cがちょうど上段の底面ボード7に取付けた係止具9の凹溝9a内にはめ込まれ、これにより係止具9のはめ込み突部9cを突設した底面ボード7を上下多段に嵩低く積み重ねることができるようになっている。この状態では図4に示すように、下段のはめ込み突部9cが上段の凹溝9aにはめ込まれることで、上下に積み重ねた底面ボード7が横にずれるのが防止できて安定した積み重ねができるようになっている。このようにして係止具9を取付けた底面ボード7を積み重ねて搬送、保管しておくものである。
【0019】
パレット11の縦方向または横方向のいずれか一方において隣接する脚部4の下面部間に底面ボード7を別体の係止具9により着脱自在に取付けるに当たっては、上記のようにして構成した別体の係止具9をあらかじめ取付けた係止具9付き底面ボード7を、パレット11の縦方向または横方向のいずれか一方において隣接する脚部4の下面部間に配置して底面ボード7の上面を脚部4の下面に当接すると共に、係止具9の上面から上方に突出しているはめ込み突部9cを脚部4の孔8にはめ込んで孔8の上面側の縁部にはめ込み突部9cに設けた係止突起9eを係止し、これによりパレット11の隣接する脚部4に底面ボード7が着脱自在に取付けられるものである。この場合、前述のように割り溝9fを設けることで、はめ込み突部9cを弾性変形させて容易に孔8に通して係止できるものである。
【0020】
しかして、上記のような構成の運搬用パレットにおいて、使用しない時にはパレット11に底面ボード7を取付けない状態で、図18に示すように、下段の空のパレット11の脚部4の上面側の上方に開口した凹部2に、上段の空のパレット11の脚部4の下面部の下方に突出した突部3をはめ込んで積み重ねるというように上下に多段に空のパレット11を積み重ねるものであり、このようにすることで、上下の積み重ね高さを低くして嵩を低くでき、この状態で保管したり、運搬したりするものである。
【0021】
一方、使用に当たっては、前述のようにしてパレット11の縦方向または横方向のいずれか一方において隣接する脚部4の下面部間に底面ボード7を別体の係止具9により着脱自在に取付けた状態で使用するものである。このように底面ボード7を取付けたパレット11の載置部1の上に載置物Aを載置し、この状態で、フォーク差込み部6にフォークリフトのフォークを差し込んでパレット11を持ち上げて移動するのであるが、この際、脚部4の下面部間に架設される底面ボード7によりパレット11の撓みが防止されるものである。
【0022】
また、パレット11の使用が終わるとパレット11から底面ボード7を取り外し、前述のように、パレット11のみを図18のように上下に多段にはめ込んで嵩を低くして積み重ね、また、係止具9付き底面ボード7を図4のように上下多段に積み重ね、この状態で、保管したり、運搬したりするものである。
【0023】
上記実施形態では、取付け物Aがパレット11、被取付材Bが底面ボード7の例につき説明したが、この実施形態にのみ限定されず、種々の取付け物Aに種々の被取付材Bを取付けるに当たって、本発明の技術に基づいて、被取付材Bにあらかじめ係止具9を取付けるようにすることができるのはもちろんである。特に、被取付材B、係止具9が合成樹脂の場合には被取付材Bと係止具9とを一体成形するものに比べ、被取付材Bと係止具9とを別体に形成することで、金型が複雑とならず、金型コストを低下できるとともに、被取付材Bを前述の実施形態のように押し出し成形により形成したものにおいては、押し出し成形により形成した被取付材Bであっても別体の取付け具9を取付けることで、はめ込み突部が被取付材Bの表面から突出するような構成に簡単にできるものである。
【0024】
【発明の効果】
本発明にあっては、上述のように、被取付材に内面部に係止突部を有する凹所を設け、凹所の底に凹所幅よりも小径の外部に開口する孔を連通形成し、係止溝部を有する本体部に本体部よりも小径のはめ込み突部を突設すると共にはめ込み突部の先端に係止手段を設けて係止具を形成し、係止具の本体部を凹所内に配設して係止突部を係止溝部に係止すると共に、はめ込み突部が孔を挿通して被取付材の表面から突出させてあるので、係止具をあらかじめ被取付材に確実且つ強固に取付けておくことができて、この結果、取付け物に被取付材を取付けるに当たって、係止具が別体であるにもかかわらず、被取付材を簡単且つ強固に取付け物に取付けることができて、被取付材を取付け物に係止具により取付ける作業が簡略化できるものであり、また、取付け物に被取付材を取付けていない状態であっても、別体の係止具が被取付材に確実且つ強固に取付けられるので別体の係止具を紛失したりするおそれもなく、係止具が破損した場合にも簡単に係止具を交換することで対応できて被取付材まで廃棄する必要がないものであり、また、係止具が被取付材とは別体であるので、被取付材に係止具を一体成形するものに比べて、金型が複雑とならず、コストを低減でできるものである。
【0025】
また、本発明は上記効果に加えて、被取付材が上下に積み重ねできる形状のものであり、係止具の本体部に被取付材の表面から突出するはめ込み突部をはめ込むことができる凹溝を設けてあるので、係止具付き被取付材を、係止具に邪魔されることなく多段に積み重ねることができるとともにはめ込み突部が凹溝にはめ込まれるので積み重ねた状態で横にずれるのを防止できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の係止具付き被取付材の断面図である。
【図2】同上に用いる被取付材を示し、(a)は断面図であり、(b)は一部省略平面図である。
【図3】同上に用いる係止具を示し、(a)は平面図であり、(b)は正面図であり、(c)は断面図である。
【図4】同上の係止具付き被取付材を上下多段に積み重ねた状態の断面図である。
【図5】同上の被取付材が底面ボード、取付け物がパレットの場合において、パレットに底面ボードを取付けた状態の側面図である。
【図6】同上の正面図である。
【図7】同上の底面図である。
【図8】同上の平面図である。
【図9】同上の図8のAーA線の断面図である。
【図10】同上の図8のBーB線の断面図である。
【図11】同上の図8のCーC線の断面図である。
【図12】同上の要部拡大断面図である。
【図13】同上の取付け物であるパレットの正面図である。
【図14】同上の側面図である。
【図15】同上の底面図である。
【図16】同上の平面図である。
【図17】同上の断面図である。
【図18】同上底面ボードを取外したパレットを空の状態で積み重ねた断面図である。
【符号の説明】
A 取付け物
B 被取付材
7c 凹所
7d 孔
7e 係止突部
9 係止具
9a 凹溝
9b 本体部
9c はめ込み突部
9d 係止溝部
Claims (1)
- 取付け物に係止具を用いて取付けるための被取付材において、被取付材に内面部に係止突部を有する凹所を設け、凹所の底に凹所幅よりも小径の外部に開口する孔を連通形成し、係止溝部を有する本体部に本体部よりも小径のはめ込み突部を突設すると共にはめ込み突部の先端に係止手段を設けて係止具を形成し、係止具の本体部を凹所内に配設して係止突部を係止溝部に係止すると共に、はめ込み突部が孔を挿通して被取付材の表面から突出させたものであって、上記被取付材が上下に積み重ねできる形状のものであり、係止具の本体部に被取付材の表面から突出するはめ込み突部をはめ込むことができる凹溝を設けてあることを特徴とする係止具付き被取付材。
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1999
- 1999-05-07 JP JP12681499A patent/JP4279942B2/ja not_active Expired - Fee Related
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