JP4326117B2 - 合成樹脂製パレット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、物品の運搬、保管等に使用される合成樹脂製パレットに関するものであり、特に、貨車やトラック等の車両の荷台への積み込みに適した合成樹脂製パレットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、物品が載置された合成樹脂製パレットのフォーク差し込み口に、フォークリフトのフォークを差し込み、合成樹脂製パレットを持ち上げて、貨車やトラック等の車両の荷台に載置した後、合成樹脂製パレットのフォーク差し込み口からフォークを抜き取り、次いで、合成樹脂製パレットの側面に形成された凹部にフォークの先端を押し込むとともに、合成樹脂製パレットをフォークで押して移動させて、荷台の所望位置に、合成樹脂製パレットを載置するようにした合成樹脂製パレットの移載作業に適した合成樹脂製パレットが知られている(例えば、実用新案登録第2520347号公報等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の合成樹脂製パレットにおいては、凹部が形成された合成樹脂製パレットの側面の強度が十分でないために、合成樹脂製パレットの側壁等に亀裂が走ったり、破損する等の問題があった。
【0004】
また、合成樹脂製パレットの側面に形成された凹部の深さを、十分深くできないために、フォークの先端部が、凹部から外れやすく、外れたフォークの先端部により、デッキに載置されている物品が損傷するという問題があった。
【0005】
更に、合成樹脂製パレットの側面に形成された凹部に、フォークの先端部を差し込んだ後、フォークを、少し上昇させて、合成樹脂製パレットを、若干、持ち上げた状態で、フォークにより、合成樹脂製パレットを押して、合成樹脂製パレットを、所望の位置に移動させることが行われるが、この際にも、凹部の深さを、十分深くできないために、フォークの先端部が、凹部から外れて、持ち上げ垂れた側の合成樹脂製パレットが落下し、落下衝撃により、合成樹脂製パレットが損傷するという問題があった。
【0006】
更にまた、半製品である上部スキッドと下部スキッドとを、桁の先端同士を溶着することにより形成された合成樹脂製パレットの場合に、溶着部に、フォークの先端部が当接する凹部を設けると、フォークが当接した際の衝撃力により、溶着部が剥離するという問題があった。
【0007】
本発明の目的は、上述した従来の合成樹脂製パレットが有する課題を解決することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した目的を達成するために、第1には、隅桁のフォーク差し込み口側の側壁と、中間桁のフォーク差し込み口側の側壁と、上部デッキボードの周縁部と、該周縁部の下方に配置された間口水平リブと、前記周縁部の奥側端と前記間口水平リブの奥側端とを連結する垂直奥壁と、前記周縁部と前記間口水平リブとの間に形成された間口垂直リブとにより、外側に開口を有する複数の凹部が形成されているとともに、前記複数の凹部のうち、フォーク差し込み口の略中央部に位置する凹部を、フォークの先端部が挿入可能に構成したものであり、第2には、フォーク挿入凹部の背後に位置する垂直奥壁と該垂直奥壁に隣接する桁間連結リブとの間に、補強リブを配設したものであり、第3には、フォーク差し込み口の下方に位置する下部デッキボードの隅部に配設された段部に、フォーク当接部を形成したものである。
【0009】
【実施例】
先ず最初に、図1を用いて、一例としての本発明の合成樹脂製パレット(以下、単に、パレットともいう。)の全体構成について説明する。
【0010】
パレットは、上部デッキボード1と下部デッキボード2とを有し、上部デッキボード1と下部デッキボード2とは、その角部が、各辺の中間部及び中央部が、隅桁3、中間桁4及び中央桁5により連結されている。そして、隅桁3と中間桁4との間には、フォークリフトのフォークが挿入可能な、フォーク差し込み口6が形成されている。
【0011】
7は、上部デッキボード1の板状の周縁部1aの下方に配設された、隅桁3と中間桁4とを連結するとともに、フォーク差し込み口6の上部辺を形成する間口水平リブである。1bは、隅桁3と中間桁4とを連結する複数の桁間連結リブであり、1cは、桁間連結リブ1bに直交する複数の桁間直交リブであり、桁間連結リブ1b及び桁間直交リブ1cも、共に、上部デッキボード1の一部を形成するものである。8は、周縁部1aの奥側端と間口水平リブ7の奥側端とを連結する垂直奥壁であり、9は、上部デッキボード1の板状の周縁部1aと間口水平リブ7間に形成され、且つ、周縁部1aに直交する方向に延在するとともに、垂直奥壁8に連結された間口垂直リブである。
【0012】
隅桁3のフォーク差し込み口6側の側壁3aと中間桁4のフォーク差し込み口6側の側壁4aと上部デッキボード1の板状の周縁部1aと間口水平リブ7と垂直奥壁8と間口垂直リブ9とにより、外側に開口を有する複数の凹部10が形成されており、フォーク差し込み口6の上方で、略中央部に形成された凹部10は、フォークFの先端部f1が挿入可能に構成されている。なお、フォークFの先端部f1が挿入可能な凹部10を、以下、フォーク挿入凹部と称し、符号10aを付した。このように、フォーク差し込み口6の上方に位置する上部デッキボード1に、フォーク挿入凹部10aを形成した場合には、パレットの強度への影響が大きい隅桁等の桁部に凹部を形成した場合に比べ、パレットの強度を低下することなく、フォーク挿入凹部10aの深さを深くすることができ、従って、フォークの先端部が、フォーク挿入凹部10aから外れるようなことが、確実に防止できる
【0013】
フォーク挿入凹部10aの背後に位置する垂直奥壁8と、垂直奥壁8に隣接する桁間連結リブ1bとの間には、桁間直交リブ1cに加え、桁間直交リブ1c間で、且つ、桁間直交リブ1cに平行な補強リブ11が、適当数、配設されている。このような補強リブ11を配設することにより、垂直奥壁8を補強することができ、従って、フォークFの先端部f1が、フォーク挿入凹部10aに挿入され、垂直奥壁8に当接した際に、垂直奥壁8が損傷するようなことを防止することができる。なお、補強リブ11に代えて、或いは、補強リブ11を形成することに加えて、垂直奥壁8の肉厚を、他の桁間連結リブ1b等の肉厚に比べて、厚く形成することにより、垂直奥壁8の強度を高めることができる。
【0014】
12は、フォーク挿入凹部10aを形成する間口垂直リブ9と垂直奥壁8とにより形成される隅部に配設された補強水平三角片である。このような補強水平三角片12を配設することにより、フォーク挿入凹部10aに挿入されたフォークFの先端部f1が、フォーク挿入凹部10aを形成する間口垂直リブ9に当接しても、間口垂直リブ9が損傷するようなことが防止できる。
【0015】
次に、図5〜図7を用いて、本発明の合成樹脂製パレットの他の実施例について説明する。
【0016】
この実施例は、フォーク差し込み口6の下方に位置する下部デッキボード2の隅部に、即ち、下部デッキボード2と隅桁1aとにより形成される隅部に、フォーク差し込み口6に沿って、上方に膨出する段部13を形成するとともに、段部13の垂直外壁13aに、フォークFの先端部f1が挿入可能な下部フォーク挿入凹部14を形成したものである。
【0017】
上述した上部デッキボード1に配設されたフォーク挿入凹部10aへのフォークFの先端部f1の挿入に加え、下部デッキボード2と隅桁1aとにより形成される隅部に段部13を配設し、段部13の垂直外壁13aに、フォークFの先端部f1が挿入可能な下部フォーク挿入凹部14を形成したことにより、作業者のパレット移動作業の作業性が向上する。また、上部デッキボード1の上面、一杯に物品が載置されている場合、或いは、上部デッキボード1の上面を越えて、物品が載置されている場合には、上部デッキボード1に配設されたフォーク挿入凹部10aへのフォークFの先端部f1の挿入が困難が場合があるが、このような場合には、下部フォーク挿入凹部14を利用することにより、パレット移動作業の作業性が向上する。なお、上述したフォーク挿入凹部10aの補強と同じように、下部フォーク挿入凹部14の肉厚を厚くしたり、下部フォーク挿入凹部14の裏面にリブを設けて、この部分を補強することもできる。
【0018】
上述した実施例においては、段部13が、隅桁3側の隅部に形成されているが、段部13を、中間桁4側の隅部に形成することもでき、更には、両方の隅部に形成することもできる。なお、段部13の垂直外壁13aの面積を大きくすることができる場合には、凹部14を形成することなく、単なる平面状のフォーク当接部とすることもできる。
【0019】
【発明の効果】
本発明は、以上説明した構成を有しているので、以下に記載する効果を奏するものである。
【0020】
フォーク差し込み口の上方に位置する上部デッキボードに、フォーク挿入凹部を形成したことにより、パレットの強度を低下することなく、フォーク挿入凹部の深さを深くすることができ、従って、フォークの先端部が、フォーク挿入凹部から外れるようなことが、確実に防止できる。
【0021】
フォーク挿入凹部の背後に位置する垂直奥壁と該垂直奥壁に隣接する桁間連結リブとの間に、補強リブを配設したことにより、垂直奥壁を補強することができ、従って、フォークの先端部が、フォーク挿入凹部に挿入され、垂直奥壁に当接した際に、垂直奥壁が損傷するようなことを防止することができる。
【0022】
フォーク差し込み口の下方に位置する下部デッキボードの隅部に配設された段部に、フォーク当接部を形成したことにより、作業者のパレット移動作業の作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の合成樹脂製パレットの斜視図である。
【図2】図2は本発明の合成樹脂製パレットの部分斜視図である。
【図3】図3は本発明の合成樹脂製パレットの部分正面図である。
【図4】図4は本発明の合成樹脂製パレットのフォーク挿入口に沿った部分垂直断面図である。
【図5】図5は本発明の他の実施例の合成樹脂製パレットの斜視図である。
【図6】図6は図5に示されている合成樹脂製パレットの部分正面図である。
【図7】図7は図5に示されている合成樹脂製パレットのフォーク挿入口に沿った部分垂直断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・・・・・・・・・・上部デッキボード
2・・・・・・・・・・・・・・下部デッキボード
3・・・・・・・・・・・・・・隅桁
4・・・・・・・・・・・・・・中間桁
6・・・・・・・・・・・・・・フォーク挿入口
10a・・・・・・・・・・・・フォーク挿入凹部
13・・・・・・・・・・・・・段部
14・・・・・・・・・・・・・下部フォーク挿入凹部

Claims (3)

  1. 隅桁のフォーク差し込み口側の側壁と、中間桁のフォーク差し込み口側の側壁と、上部デッキボードの周縁部と、該周縁部の下方に配置された間口水平リブと、前記周縁部の奥側端と前記間口水平リブの奥側端とを連結する垂直奥壁と、前記周縁部と前記間口水平リブとの間に形成された間口垂直リブとにより、外側に開口を有する複数の凹部が形成されているとともに、前記複数の凹部のうち、フォーク差し込み口の略中央部に位置する凹部は、フォークの先端部が挿入可能に構成されていることを特徴とする合成樹脂製パレット。
  2. フォーク挿入凹部の背後に位置する垂直奥壁と該垂直奥壁に隣接する桁間連結リブとの間に、補強リブを配設したことを特徴とする請求項1に記載の合成樹脂製パレット。
  3. フォーク差し込み口の下方に位置する下部デッキボードの隅部に配設された段部に、フォーク当接部を形成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の合成樹脂製パレット。
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