JP4044353B2 - 低元冷凍サイクルの冷媒ガスの回収方法とその装置 - Google Patents

低元冷凍サイクルの冷媒ガスの回収方法とその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多元冷凍システムを形成する低元冷凍サイクルにおいて、当該冷凍システムの運転停止時に形成され低元冷凍サイクル内に充満する高圧高温ガスをサイクル外に放出させ、放出冷媒ガスをガスハイドレートにより回収するようにした低元冷凍サイクルの冷媒ガスの回収方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に−70℃程度以下の冷熱源には、二元冷凍システムを使用し、低元側には低温下でもある程度圧力があり、且つ比体積の小さい低沸点の例えばメタン、エタン、CO、プロパン、窒素等の冷媒を使用し、高元側冷凍サイクルには一般冷媒を使用した他の冷凍機を使用して多元冷凍システムを構成し、前記低元冷凍サイクルの冷媒を圧力の低い低温で凝縮させ、前記異なる冷媒を使用した二つの冷凍サイクルを組み合わせて低温を得るようにし、−120℃位までの低温を得るようにしている。
【0003】
上記多元冷凍システムの構成について、例えば高元側にアンモニア冷媒を使用し、低元側の二酸化炭素を使用した二元冷凍サイクルにより、その構成を下記に説明する。
則ち、二元冷凍サイクルは、図5に示すように、膨張タンク60を設けた低元CO冷凍サイクル50と高元側アンモニア冷凍サイクル51とよりなり、該冷凍サイクル51の蒸発器59と低元側カスケードコンデンサ54とを熱交換させ、高元側冷凍サイクルのアンモニア冷媒の蒸発潜熱により低元冷凍サイクルの冷媒であるCOガスを凝縮させている。
図に見るように高元側圧縮機57により圧縮されたアンモニア冷媒は凝縮器58で冷却水により凝縮され蒸発器59で発生させた冷熱を介して低元側のカスケードコンデンサ54での熱交換により低元側冷媒のCOの凝縮熱を奪い、凝縮された低元側冷媒は膨張弁61を経由して下流の蒸発器55を介して冷却負荷56を冷却する構成にしてある。
【0004】
上記構成よりなる二元冷凍サイクルにおいて、高元側アンモニア冷凍サイクル51が運転を停止した場合は、低元CO冷凍サイクル50における圧縮機53により圧縮された高圧高温COガスは、前記冷却機能を停止した高元側冷凍サイクルの蒸発器59で冷却されることなく高温ガスの状態でカスケードコンデンサ54を通過する。そのため当該低元冷凍サイクルは高温高圧COガスで充満する。この過度的膨張を吸収するため、低元冷凍サイクルの圧縮機53の両端には大容積の耐圧膨張タンク60を配設し、膨張した冷媒ガスを放出させ過渡的膨張を吸収するようにしてある。
そして、上記膨張タンク60の容量は、冷媒の液状の時の体積とガスの時の体積の比が1/600であるため、低元冷凍サイクルの液保有量の約600倍の容積が必要とされている。
そして、前記膨張タンクの耐圧強度は少なくとも低元側冷媒の常温飽和圧以上に構成するとともに、低元冷凍サイクルの冷媒の完全なガス化の場合の耐圧強度に対応する構成にしている。
【0005】
上記構成よりなる従来の多元冷凍システムにおいては、下記要領で高元側運転停止の事態に対応させている。
なお、上記膨張タンク60には圧縮機53の吐出側に接続する導管53aと吸入側に設けた導管53bを設け、
a、二元冷凍システムの運転中は、前記導管53aに付設した弁Vを解放状態にし、導管53bに付設した弁Vを閉鎖状態に置き、膨張タンク60内を低圧状態に保持する。
b、そして、運転停止時には、前記Vを解放しカスケードコンデンサ54を含む前後の高圧高温COガスを膨張タンク60に導入放出させ、サイクル内の急激な圧力上昇を飽和圧以下に抑制する。
c、さらにサイクル内の圧力が上昇する場合は、膨張タンク60に設けた安全弁を作動させる。
再起動時には、外部へ放出した低元側冷媒のCOを補充して運転を再開する。
【0006】
また、上記低元冷凍サイクルにおいては、低沸点の冷媒(例えばR22やCO等)を使用しているため、運転停止中熱交換器やアキュームレータの中の液冷媒とガスが共存する形で冷媒を貯蔵すると、25℃の外気温度では冷凍装置の許容圧力を越えた高い圧力が掛かることになり、このためにも、液保有量の約600倍の膨張タンクを用意している。
【0007】
なお、二元冷凍システムにおいては、前記高元側に起因する運転停止の場合に限らず、低元冷凍サイクルの圧縮機の吐出温度の上がり過ぎによる圧縮機の運転停止や、低元冷凍サイクルのアキュームレータより圧縮機への液戻りによる圧縮機破損や、前記膨張弁制御の不良等の低元側に起因する冷凍システムの運転停止の場合もあり、この場合は高元側冷凍サイクルの冷熱源は他の部位に流用使用できる。
【0008】
ところで、冷凍サイクルの冷媒回収機に係わる提案が、特開2001−116407公報に「冷媒回収装置」として開示されている。
該提案によれば、図7に示すように、回収装置80は、空気調和器の室外機71に備えた二方弁78および79を連結するために設けた回収口及び液戻し口とに接続され潤滑油と冷媒ガスを分離するオイルセパレータ83と、同オイルセパレータ83に接続された冷媒を凝縮する凝縮器84と、同凝縮器84と前記オイルセパレータ83の接続管路に設置された切り替え弁86と、前記凝縮器84で液化された冷媒を貯留する回収容器87等とを設置したもので、
従来より使用されている回収機に見られる圧縮機を配設した回収機の代わりに、使用冷媒が回収される被回収空気調和機の室外機71の圧縮機73を使用して行なう構成としたもので、室外機(被回収機)71の凝縮器75と膨張弁76の手前の回路を含む内部にある冷媒を同じく室外機71の圧縮機73を使用して回収装置80に送り該装置内の凝縮器を使用液冷媒として回収している。
【0009】
また、冷媒回収機に係わる別の提案が、特開2000−105028公報に「冷媒回収システム」として開示されている。
該提案によれば、図6に示すように、圧縮機92、凝縮器93、キャピラリチューブ(減圧装置)94、蒸発器95を含む被回収機100において、前記凝縮器93の両端に開閉弁97、99を設け、冷媒回収の際は、開閉弁99を閉鎖した後、圧縮機92を稼働させ矢印方向に冷媒を圧縮して前記開閉弁97と99の管路の間に凝縮蓄積させ、所定時間経過後キャピラリチューブ94上流に設けた圧力計Aにおける圧力零の指示された時点で、前記開閉弁97、99を閉鎖しその両端管路部位を分離して然るべき処理場に搬送して、該管路部位内の冷媒を回収する構成にしている。
【0010】
上記二つの冷媒回収の提案の何れも冷媒ガスを凝縮して、液冷媒として回収する方法によっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、従来の多元冷凍システムにおいては、低元冷凍サイクルに使用している冷媒には低沸点の冷媒を使用している点も原因して、前記システムの運転停止に発生する大量の高圧高温ガスに対応するため、低元冷凍サイクルには液保有量の600倍の大容量にして、且つ常温(25℃)飽和圧以上の耐圧強度を持つ膨張タンクの配設を必要とし、それが高コストの原因を形成しており、何らかの対策が強く望まれている。
【0012】
本発明は上記問題点に鑑みなされたもので、
多元冷凍システムを形成する低元冷凍サイクルにおいて、当該冷凍システムの運転停止時に形成され低元冷凍サイクル内に充満する高圧高温ガスをサイクル外に放出させ、ガスハイドレートにより回収するようにした低元冷凍サイクルの放出冷媒ガスの回収を可能とした、低元冷凍サイクルの冷媒ガスの回収方法とその装置の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明の低元冷凍サイクルの冷媒ガスの回収方法は、
多元冷凍システムを形成する低元冷凍サイクルにおいて、CO 冷凍サイクルからなる前記低元冷凍サイクルが前記システムの運転停止により惹起される高圧高温冷媒ガスをサイクル外に放出させ、放出冷媒ガスを冷熱源によりガスハイドレートによる回収を行なうようにし、前記サイクル外への放出が該サイクルを構成する圧縮機の吐出側と導入側とのそれぞれから放出可能とするとともに、回収初期においては吐出側から放出しその後放出冷媒ガスの圧力降下後には導入側から放出するようにしたことを特徴とする。
【0014】
前記発明は、多元冷凍システムを形成する低元冷凍サイクルの運転稼働中の冷媒が当該冷凍システムの運転停止により惹起される高圧高温冷媒ガスをサイクル外に設けた従来の膨張タンクに代わる回収装置に放出させ、該装置による放出冷媒ガスの回収に係わるもので、
前記冷媒ガスを水和させるとともに冷熱源により適当温度で冷却し、複数の水分子(HO)により形成された立体篭型の包接格子(クラスレート)の中に、冷媒ガスであるハイドレート形成物質の分子を入り込ませ、包接され当該冷媒ガスの液容量の3倍容量を持つ結晶構造体を形成させたもので、前記回収装置を形成するハイドレート生成容器の容量も従来の膨張タンクに比較して格段に小さい容量を持つ容器で代用できる。
【0015】
前記ガスハイドレートは、天然ガスの水和物を指し、複数の水分子(HO)により形成された立体篭型の包接格子(クラスレート)の中に、天然ガスの各成分を構成するハイドレート形成物質(メタン、エタン、プロパン)等の分子が入り込み包接された結晶構造をなすもので、高密度ガス包蔵性を持ち、氷と同量の冷熱を発生する。
例えばメタンハイドレートの安定に存在し得る条件下、則ち、−30℃の大気圧下(約0.1MPa)においては、気体状態と比較して約1/170の体積を持つ構造体で形成される。且つこのようにガスハイドレートは比較的容易に得られる温度・圧力条件下での製造が可能で、安定した貯蔵が可能である。
【0016】
COハイドレートは水分子の造るケージ構造の中にCO分子が取り込まれ、0〜−10℃、10atmの雰囲気下で、撹拌のもとにクラスレート(包接)化合物として形成される。
【0017】
また、前記低元冷凍サイクルの冷媒ガスの回収方法において、
ガスハイドレートによる回収は、低元冷凍サイクルの設計圧力以下で回収可能とした貯蔵タンクと、冷熱源とを備えたガスハイドレート生成機により行なうようにするのが好ましい。
【0018】
前記発明は、前記サイクル外に放出させた放出冷媒ガスである高圧高温冷媒ガスのハイドレート処理をするハイドレート生成について記載したもので、
前記ハイドレート処理は、一般に、当該冷媒のハイドレート生成条件下の圧力と温度のもとにハイドレート生成容器で該容器に付設した冷熱源により低元冷凍サイクルの設計圧力以下のもとに行なわれ、
メタンハイドレートは、−10℃以下の温度で大気圧以上の圧力のもとに形成されて、COハイドレートは、0〜−10℃、10atmのもとに撹拌して形成される。
従って、前記サイクル外への放出が該サイクルを構成する圧縮機の吐出側と導入側とのそれぞれから放出可能とするとともに、回収初期においては吐出側から放出される高温高圧のガスを放出してその後放出冷媒ガスの圧力降下後には導入側から放出するように切り替えることで、ハイドレートを効果的に行なうことができる。
【0019】
また、前記低元冷凍サイクルの冷媒ガス回収方法における冷熱源は、当該多元冷凍機の高元側冷凍サイクルの冷熱源を使用する構成が好ましい。
【0020】
前記したように、二元冷凍システムの運転停止は、低元冷凍サイクルの圧縮機の機能停止に基づく運転停止もあり、この場合は稼働可能な高元側冷凍サイクルの冷熱源を使用する。
【0021】
そこで、本発明の多元冷凍システムを形成する低元冷凍サイクルの放出冷媒ガスを回収する冷媒ガス回収装置において、
CO 冷凍サイクルからなる前記低元冷凍サイクルの高圧高温冷媒ガスをサイクル外に放出する放出部と、放出冷媒ガスより該ガスの水和物を形成し冷熱によりガスハイドレートを生成するハイドレート生成容器と、該生成容器に付設した冷熱源と、放出冷媒ガスの放出量の調整と冷却温度の調整をする調整部と、より構成し、前記放出部は前記低元冷凍 サイクルを構成する圧縮機の吐出側からの放出管と圧縮機の導入側からの放出管によってなり、前記調整部によって回収初期には前記吐出側の放出管から放出し該放出冷媒ガスの圧力降下後には導入側の放出管から放出するように制御することを特徴とする。
【0022】
前記発明は、本発明の低元冷凍サイクルの冷媒ガスの回収方法を利用した好適な装置の構成について記載したもので、
回収する低元冷凍サイクルの放出冷媒ガスをサイクル外へ導出する放出部と、
放出冷媒ガスよりその水和物を形成させるとともに冷熱により特定の温度と圧力の生成条件のもとにガスハイドレートを生成する生成容器と、
放出冷媒ガスの放出量の調整と冷熱による冷却温度を調整して前記好適な生成条件のもとにガスハイドレートを生成させる調整部と、
前記生成時の冷熱を供給する冷熱源とより構成されている。
さらに、前記放出部は前記低元冷凍サイクルを構成する圧縮機の吐出側からの放出管と圧縮機の導入側からの放出管によってなり、前記調整部によって回収初期には前記吐出側の放出管から放出し該放出冷媒ガスの圧力降下後には導入側の放出管から放出するように制御される。
【0023】
また、前記冷媒ガス回収装置における冷熱源は、前記多元冷凍システムの高元側冷凍サイクルの冷熱を使用する構成が好ましい。
【0024】
前記発明は、前記低元冷凍サイクルの高圧高温冷媒のサイクル外への放出が、低元冷凍サイクルの運転停止に起因する場合についての冷熱源の使用につき特定したもので、この場合は高元側冷凍サイクルの冷熱源を切り替え使用する。
【0025】
また、前記冷媒ガス回収装置における生成容器は、回収する低元冷凍サイクルの冷媒液保有量の少なくとも3倍以上の容積で構成するのが好ましい。
【0026】
前記発明は、前記ガスハイドレート生成容器の容量について記載したもので、
その大きさは、冷媒液量に対し3倍の容量が必要とすることが記載され、従来の冷媒液保有量の600倍の容量を必要とした膨張タンクと比較して顕著なコスト削減効果を上げることができる。
【0027】
また、前記冷媒ガス回収装置における生成容器は、温度調整可能な構成が好ましい。
【0028】
前記発明は、前記ハイドレート生成には冷媒別の生成条件があり、ハイドレート生成時に前記制御部による温度調整をして最適生成条件のもとにハイドレート生成を行なうようにする。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載される構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的記載が無い限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は、本発明の冷媒ガス回収装置と二元冷凍システムの低元冷凍サイクルとを結合する管路図で、図2は図1の別の実施例に基づく管路図で、図3は図1、図2の別の実施例を示す管路図である。
【0030】
図1は、本発明の冷媒ガス回収装置と二元冷凍システムの低元冷凍サイクルとを結合する管路図である。
図に見るように、前記二元冷凍システムは高元側アンモニア冷凍サイクル51と低元CO冷凍サイクル50とにより構成され、該システムに結合する本発明の冷媒ガス回収装置10は、ハイドレート生成容器であるタンク10bと制御部14と冷熱源12と放出用の管路15、16とより構成し、低元CO冷凍サイクル50には管路15、16で結合させ、当該二元冷凍システムの運転停止時には前記低元CO冷凍サイクル内の高圧高温冷媒ガスであるCOガスを回収する構成にしてある。
【0031】
前記冷媒ガス回収装置10は、ガスハイドレート生成機能を持ち、適量の水和用水10aを持つタンク10b内に、前記管路15、16を介して低元CO冷凍サイクル50内の高圧高温COガスを導入し、前記水和用水10aとの接触面で水和反応を惹起させるとともに、冷熱源12により最適のガスハイドレート生成平衡条件のもとにCOガスのガスハイドレートを形成する構成にしてある。
【0032】
前記最適ガスハイドレート生成平衡条件は、ガスハイドレートを安定した状態で生成し、生成したガスハイドレートの貯蔵を可能とする条件で、該条件を図4のグラフに示してある。図4に見るように、
冷媒ガスがメタンの場合は、−30〜−10℃の温度範囲で大気圧以上の加圧のもとにガスハイドレートを生成する。
COガスの場合は、0〜−10℃,約10気圧のもとに生成される。
図1に示すように、上記最適生成条件は制御部14により圧力センサ14a、温度センサ14bによる(二点鎖線による指図)検出値を介して、冷熱源12の制御と管路15、16に設けたバルブ制御(点線指図)により流量制御を行なうようにしている。
なお、上記ハイドレートの生成に使用するタンク10bの容量は、前記低元CO冷凍サイクル50の冷媒液保有量の少なくとも3倍以上の容量を必要とする。(液化ガスに対するガスハイドレートのガス密度は1/3)
【0033】
なお、当該二元冷凍システムの運転停止が高元側冷凍サイクルによらない場合は、図に示すようにバルブ21a、21bを閉鎖してバルブ22a、22bを介して高元側アンモニア冷凍サイクル51の冷熱源Bを冷熱源12の代わりに投入しても良い。
【0034】
上記図1の場合は、回収の初期には圧縮機62の吐出側管路15より圧縮直後の高圧高温のCOガスを導入し、圧力降下後は圧力センサ14aを介して制御部14を作動させ導入側を管路15より管路16に切り替え、ハイドレートを効率的に行なうようにしても良い。
【0035】
図2には図1の別の実施例に基づく管路図が示してある。
図に見るように、放出冷媒ガスの導入を圧縮機群62、62、62…の吐出側の管路15により行なうようにしたもので、圧縮直後の高圧高温冷媒ガスを導入できる。
上記以外の作動は図1と同様であるので説明を省略する。
【0036】
上記図1、図2に示すガスハイドレートによる冷媒ガスの回収の場合は、COガスに対してはメタンよりも、高温、低圧の条件でガスハイドレートができ、
且つ、生成されたガスハイドレートは、メタンの場合は−30℃以下、COの場合は約−10℃以下の状態では大気圧のもとに安定した状態で貯蔵できる。
【0037】
図3には図1、図2に示す実施例の別の実施例を示したもので、図に見るように、放出冷媒ガスの導入を圧縮機群62、62、62…の吸入側の管路16により行なうようにしたものである。
【0038】
(削除)
【0039】
【発明の効果】
本発明は、上記構成により、従来多元冷凍システムの低元冷凍サイクルに配設することを余儀なくされていた大容量(液保有量の約600倍)膨張タンクの代わりにその1/200の容量(液保有量の3倍)で済むハイドレート生成器を設置することにより、設備コストの削減に顕著な効果をもたらすとともに、回収した冷媒も貯蔵可能で、より大きな省エネ効果を上げることができる。
また、COガスの生成条件は5℃、約2MPaで従来の膨張タンクの設計圧力と比較して半分以下に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の冷媒ガス回収装置と二元冷凍システムの低元冷凍サイクルとを結合する管路図である。
【図2】 図1の別の実施例に基づく管路図である。
【図3】 図1、図2の別の実施例を示す図である。
【図4】 ガスハイドレートの生成平衡条件を示すグラフである。
【図5】 従来の二元冷凍システムの構成を示す系統図である。
【図6】 従来の冷凍サイクルの冷媒ガス回収手段を示す図である。
【図7】 従来の冷凍サイクルの冷媒ガス回収の別の実施例を示す図である。
【符号の説明】
10 冷媒ガス回収装置
10a 水和用水
10b タンク
12 冷熱源
14 制御部
15、16 管路

Claims (7)

  1. 多元冷凍システムを形成する低元冷凍サイクルにおいて、CO 冷凍サイクルからなる前記低元冷凍サイクルが前記システムの運転停止により惹起される高圧高温冷媒ガスをサイクル外に放出させ、放出冷媒ガスを冷熱源によりガスハイドレートによる回収を行なうようにし、前記サイクル外への放出が該サイクルを構成する圧縮機の吐出側と導入側とのそれぞれから放出可能とするとともに、回収初期においては吐出側から放出しその後放出冷媒ガスの圧力降下後には導入側から放出するように切り替えることを特徴とする低元冷凍サイクルの冷媒ガスの回収方法。
  2. 前記ガスハイドレートによる回収は、低元冷凍サイクルの設計圧力以下で回収可能とした貯蔵タンクと、冷熱源とを備えたガスハイドレート生成機により行なうようにしたことを特徴とする請求項1記載の低元冷凍サイクルの冷媒ガスの回収方法。
  3. 前記冷熱源は、多元冷凍機の高元側冷凍サイクルの冷熱源を使用する構成としたことを特徴とする請求項1記載の低元冷凍サイクルの冷媒ガスの回収方法。
  4. 多元冷凍システムを形成する低元冷凍サイクルの放出冷媒ガスを回収する冷媒ガス回収装置において、
    CO 冷凍サイクルからなる前記低元冷凍サイクルの高圧高温冷媒ガスをサイクル外に放出する放出部と、放出冷媒ガスより該ガスの水和物を形成し冷熱によりガスハイドレートを生成するハイドレート生成容器と、該生成容器に付設した冷熱源と、放出冷媒ガスの放出量の調整と冷却温度の調整をする調整部と、より構成し、前記放出部は前記低元冷凍サイクルを構成する圧縮機の吐出側からの放出管と圧縮機の導入側からの放出管によってなり、前記調整部によって回収初期には前記吐出側の放出管から放出し該放出冷媒ガスの圧力降下後には導入側の放出管から放出するように制御することを特徴とする冷媒ガス回収装置。
  5. 前記冷熱源は前記多元冷凍システムの高元側冷凍サイクルの冷熱を使用する構成としたことを特徴とする請求項4記載の冷媒ガス回収装置。
  6. 前記生成容器は回収側低元冷凍サイクルの冷媒液保有量の少なくとも3倍以上の容積で構成したことを特徴とする請求項4記載の冷媒ガス回収装置。
  7. 前記生成容器は温度調整可能な構成としたことを特徴とする請求項4記載の冷媒ガス回収装置。
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