JP5557830B2 - 冷凍装置並びにその運転方法 - Google Patents

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本発明は、例えば超低温冷蔵庫のように−50℃以下の温度を安定して保つ必要のある冷蔵庫等における設備に関するものであり、特に自然冷媒を使用して行う新規な冷凍装置並びにその運転方法に係るものである。
超低温冷蔵庫等の設備は、一般に低温が得られる程、例えば生鮮魚体等の被冷凍体の保存に好適とされ、超低温の設備が求められてきた。この結果、商業的に超低温の冷蔵庫はアンモニア冷凍サイクルを一次冷凍サイクルとし、フロン系のR23という冷媒を二次冷媒とする冷凍サイクルの組み合わせから成る冷凍装置が用いられてきた(例えば特許文献1参照)。
しかしながらこのR23という非自然冷媒は、地球温暖化係数が一万数千倍と大きく、現状でも取り扱いに注意を要するとともに、近い将来、規制の対象となる可能性の高い冷媒であり、この視点からはむしろ排除されるべきものである。
一方、例えば魚体等の冷凍保存の適否について探求すると、確かに−50℃以上の一定の温度までは好結果が確認されているものの、それより過剰に冷却した際の結果については、必ずしも適否が確認されていない。
このような状況、すなわち二次冷媒に用いている温暖化係数の過大なフロン系冷媒については、その代替技術が要求されている状況、及び実際に求められる妥当な冷凍条件等を考慮した新規技術の開発が要請されている状況等に対するひとつの解決策として、自然冷媒を用いることが考慮し得る。
もちろん自然冷媒を前提としたとき、アンモニア冷媒で直接、超低温冷蔵庫を冷却することも可能であるが、一方でアンモニアは蒸発圧力が非常に低く、比容積が非常に大きくなり、配管、空気冷却器、冷凍機等が大きくなり、不経済であるばかりでなく、制御が難しく効率が悪くなることが予想される。
また経済性、効率、危険性等を考慮すると、自然冷媒としては実質的にはアンモニア、炭酸ガス、空気等、極限られたものになると考えられる。
このうち炭酸ガスを考慮に入れた場合、炭酸ガスの三重点が約−56.6℃であり、アンモニア炭酸ガスループ式の冷凍機や、アンモニア炭酸ガス二元冷凍機では、三重点飽和温度付近で運転すると、炭酸ガスの凝固により、冷凍サイクルが制御不能になる心配があって、−50℃以下の冷蔵庫に適用されることは技術的に好ましくないものとされ、このような超低温冷蔵庫には適用できないとの断定に近い技術常識が支配的であった。
特開平5−302763号公報
本発明はこのような背景を考慮して成されたものであって、自然冷媒を使用し、安全且つ経済的で効率が良く、−50℃以下の温度を安定して保つことのできる、新規な冷凍装置並びにその運転方法を開発することを技術課題とした。
すなわち請求項1記載の冷凍装置は、アンモニアを一次冷媒とした一次冷凍サイクルと、炭酸ガスを二次冷媒とした二次冷凍サイクルとが、カスケードコンデンサにおいて熱交換するとともに、冷却され液化した炭酸ガスが、庫内冷却器を通過して冷凍庫を冷却する装置において、前記炭酸ガスは、カスケードコンデンサ内において、気相、液相、固相の三相が混在した状態とされるものであり、前記カスケードコンデンサは、アンモニア蒸発器の伝熱面の反対面に炭酸ガスがある程度凝固しても、固相化した炭酸ガスを気相状態または液相状態に戻すための炭酸ガス側伝熱能力確保手段を持ち、且つ蓄熱機能を持たせた炭酸ガス凝縮器を具えたものであり、更に前記カスケードコンデンサの下流には炭酸ガス受液器が設けられ、この炭酸ガス受液器と庫内冷却器との間には炭酸ガスポンプが具えられていることを特徴として成るものである。
また請求項2記載の冷凍装置は、前記要件に加え、前記カスケードコンデンサにおける二次冷媒たる炭酸ガスは、三重点近くの温度、圧力に設定されていることを特徴として成るものである。
更にまた請求項3記載の冷凍装置は、前記要件に加え、前記炭酸ガス受液器内には、受液器冷却用のアンモニア蒸発器が設けられることを特徴として成るものである。
更にまた請求項4記載の冷凍装置は、前記要件に加え、前記カスケードコンデンサは、複数のカスケードコンデンサユニットが並列に接続されて構成されていることを特徴として成るものである。
更にまた請求項5記載の冷凍装置は、前記要件に加え、前記二次冷凍サイクル装置のカスケードコンデンサ付近には、炭酸ガスの圧力を検出して、二次冷媒の状態を調整するようにした圧力調節器を設けたことを特徴として成るものである。
更にまた請求項6記載の冷凍装置は、前記要件に加え、前記二次冷凍サイクル装置における、炭酸ガス受液器またはその出口周辺に、温度調節器を設けたことを特徴として成るものである。
また請求項7記載の冷凍装置の運転方法は、前記請求項1、2、3、4、5または6いずれか記載の装置を運転するにあたり、カスケードコンデンサ内の二次冷媒たる炭酸ガスを三重点飽和圧力に設定するには、カスケードコンデンサ内に凝固した炭酸ガスの量を増減させることにより、制御することを特徴として成るものである。
また請求項8記載の冷凍装置の運転方法は、前記請求項5記載の装置を運転するにあたり、二次冷媒たる炭酸ガスの凝縮圧力を制御するには、圧力調節器により、炭酸ガスの三重点飽和圧力と、それより0.1MPa高い圧力との間で、炭酸ガス圧力を制御することを特徴として成るものである。
更にまた請求項9記載の冷凍装置の運転方法は、前記請求項6記載の装置を運転するにあたり、二次冷媒たる炭酸ガスの凝縮圧力を制御するには、温度調節器により、炭酸ガスの三重点温度と、−53℃との間で、炭酸ガス受液器内の液体炭酸ガス温度を制御することを特徴として成るものである。
更にまた請求項10記載の冷凍装置の運転方法は、前記請求項4記載の装置を運転するにあたり、複数あるカスケードコンデンサユニットの一部において、アンモニア冷媒の給液を止めて冷却を停止することにより、凝固した固体状態の炭酸ガスを融解し、融解が完了した後、一次冷媒たるアンモニアの供給を再開し、続いて他のカスケードコンデンサユニットに対する一次冷媒たるアンモニアの供給を停止し、順次この操作を繰り返し、各カスケードコンデンサユニットに対する一定以上の炭酸ガスの凝固をさせないようにすることを特徴として成るものである。
そしてこれら各請求項記載の要件を手段として前記課題の解決が図られる。
まず請求項1記載の発明によれば、カスケードコンデンサは炭酸ガス側伝熱能力確保手段を有し、炭酸ガス伝熱面の表面に気相状態の炭酸ガスが冷却されて、一部凝固して固相状態となり積層される。そして炭酸ガスの一部は凝縮して液相状態となり、炭酸ガス受液器に流下する。この状態では、カスケードコンデンサ内の炭酸ガス圧力は三重点飽和圧力に近い圧力に安定して保つことができる。
ここに炭酸ガス側伝熱能力確保手段とは、フィン付コイル等におけるフィンの工夫(面積増大化等)等の構造や、運転制御によるものとして実現されるものである。
また請求項2記載の発明によれば、伝熱面に付着した固相状態の炭酸ガスの厚みが増えてカスケードコンデンサの効率がある程度低下したとき、二次冷凍サイクルを運転したまま一次冷凍サイクルを停止すると、カスケードコンデンサの伝熱面に蓄えられた固相状態の炭酸ガスが液化することにより、周辺の気相状態の炭酸ガスを液化してサイクル内の圧力を三重点相当圧力付近に保つ働きをする。これらのことにより、炭酸ガス蒸発器の蒸発温度を三重点相当飽和温度である、−56.6℃に近い温度に安定して保つことができる。
更にまた請求項3記載の発明によれば、液相状態の炭酸ガス中に、固相状態の炭酸ガスを蓄えることができ、アンモニア蒸発器に重量負荷をあまり多くかけることなく、大量の蓄熱が可能になる。
更にまた請求項4記載の発明によれば、カスケードコンデンサ内に凝固した炭酸ガスは、アンモニアの給液を止められると気相状態の炭酸ガスの凝縮負荷により融解して下方に設けられた受液部に流下して減少し、無くなる。順次、この操作を各カスケードコンデンサユニット毎に繰り返すことにより、カスケードコンデンサの伝熱面積の一定以上を効率の良い状態に保つことができ、安定した効率の良い運転が可能になる。
更にまた請求項5記載の発明によれば、三重点飽和圧力と、0.1MPa高い圧力の間になるようにカスケードコンデンサ内の炭酸ガスの圧力を制御することにより、比較的安価な温度調節器を使用しても、冷凍機のオン・オフ制御のような単純な制御で−53℃〜−56.6℃付近の炭酸ガスの蒸発温度を実現することができる。
更にまた請求項6記載の発明によれば、冷凍庫内の空気冷却器が運転していて冷凍機が止まっていても、カスケードコンデンサにある程度の固相状態の炭酸ガスが存在すれば、気相状態の炭酸ガスは三重点飽和温度付近近くの温度で液化して、炭酸ガス受液器に流下する。したがって、炭酸ガス受液器の温度を検出して制御装置からポンプ等に指令を出して炭酸ガス蒸発器の炭酸ガス蒸発温度を三重点飽和温度と遠くない温度に保つことが容易に実現できる。
更にまた請求項7記載の発明によれば、カスケードコンデンサの伝熱面の表面に気相状態の炭酸ガスが冷却されて、一部凝固して固体となり伝熱面表面に積層され、一部凝縮して液相状態となり、炭酸ガス受液器に流下する。この状態では、カスケードコンデンサ内の炭酸ガスの圧力は三重点飽和圧力に近い圧力に安定して保つことができる。
更にまた請求項8記載の発明によれば、三重点飽和圧力と、0.1MPa高い圧力の間になるようにカスケードコンデンサ内の炭酸ガスの圧力を制御することにより、比較的安価な温度調節器を使用しても、冷凍機のオン・オフ制御のような単純な制御で−53℃〜−56.6℃付近の蒸発温度を実現することができる。
更にまた請求項9記載の発明によれば、冷凍庫内の空気冷却器が運転していて冷凍機が止まっていても、カスケードコンデンサにある程度の固相状態の炭酸ガスが存在すれば、気相状態の炭酸ガスは三重点飽和温度付近近くの温度で液化して、炭酸ガス受液器に流下する。したがって、炭酸ガス受液器の温度を検出して制御装置からポンプ等に指令を出して炭酸ガス蒸発器の炭酸ガス蒸発温度を三重点飽和温度と遠くない温度に保つことが容易に実現できる。
更にまた請求項10記載の発明によれば、各カスケードコンデンサユニット内に凝固した炭酸ガスは、アンモニアの給液を止められると気相状態の炭酸ガスの凝縮負荷により融解して下方に設けられた受液部に流下して減少し、無くなる。順次、この操作をカスケードコンデンサユニット毎に繰り返すことにより、カスケードコンデンサの伝熱面積の一定以上を効率の良い状態に保つことができ、安定した効率の良い運転が可能になる。
本発明の冷凍装置の基本的な実施例を示すブロック図である。 炭酸ガス受液器内にアンモニア蒸発器が設けられた実施例を示すブロック図である。 複数のカスケードコンデンサユニットが並列に接続された実施例を示すブロック図である。
本発明の冷凍装置並びにその運転方法は以下の実施例に示すものを最良の形態の一つとするとともに、この技術思想に基づき改変される形態も含むものである。
また本発明の冷凍装置並びにその運転方法は、自然冷媒で熱移送能力や熱伝導に優れた性能を持つ炭酸ガスの三重点が−56.6℃であるため、−50℃以下の超低温冷蔵庫等に使用するのが困難であったが、逆に従来避けるべきとされていた三重点を積極的に活用することにより、−50℃以下の目的の状態に省エネルギーを達成しながら実現したものである。
まず図1に示す最も基本的な技術思想を示した実施例1について説明する。
冷凍装置Sは、一次冷凍サイクル1と、二次冷凍サイクル2とが、二元的に組み合わされたものたシステムである。すなわちアンモニアを一次冷媒とした一次冷凍サイクル1と、炭酸ガスを二次冷媒とした二次冷凍サイクル2とが、カスケードコンデンサCにおいて熱交換するとともに、冷却された炭酸ガスの二次冷媒が、庫内冷却器24を通過して冷凍庫を冷却するように構成されるものである。
まず前記一次冷凍サイクル1について説明すると、符号10で示す循環経路が一次冷媒流路であって、図面上、理解し易くするため、一次冷媒流路10を単実線で示し、後述する二次冷媒流路20(二重線で示す)と区別するものとする。
そして前記一次冷媒流路10には、圧縮機11、アンモニア凝縮器12、膨張弁13、アンモニア気液分離機15、ポンプ16更にはカスケードコンデンサC内におけるアンモニア蒸発器17が具えられている。
ここで前記一次冷媒流路10について更に具体的にいえば、この流路は、圧縮機11からアンモニア凝縮器12更には膨張弁13に至るまでの高圧流路10aと、アンモニア気液分離機15から圧縮機11に至るまでの低圧流路10bと、アンモニア気液分離機15の液貯め側からポンプ16に及びカスケードコンデンサCにおける蒸発器17に至るまでの作動流路10cとによって構成されるものである。
次に前記二次冷凍サイクル2について説明すると、図中、二重線で示された循環経路が二次冷媒流路20であって、この二次冷媒流路20には、カスケードコンデンサC内における炭酸ガス凝縮器21と、カスケードコンデンサCの下流に炭酸ガス受液器22が具えられ、更に炭酸ガスポンプ23、庫内冷却器24が具えられている。
なおここでカスケードコンデンサCにおけるアンモニア蒸発器17と、炭酸ガス凝縮器21とは、実質的に同じ部材であり、アンモニア冷媒が通過する流路内においてアンモニアが蒸発され、一方、その伝熱面の反対面が炭酸ガスと触れ、炭酸ガス凝縮器21となるものである。
そして本発明の特徴として、カスケードコンデンサCにおける炭酸ガス冷媒は炭酸ガスの三重点近くの温度、圧力に設定されるものであり、カスケードコンデンサC内の二次冷媒たる炭酸ガスを三重点飽和圧力に設定するには、カスケードコンデンサC内に凝固した炭酸ガスの量を増減させることにより行われる。
また炭酸ガス凝縮器21における炭酸ガス側伝熱能力確保手段とは、種々の形態が考慮し得るものであり、構造的な対策手段や、運転制御による対策手段がある。具体的には作動態様の説明に合わせ後述する。
また前記庫内冷却器24は当然ながら、冷風を吹き込むため、コイル24aとファン24bとの組み合わせにより構成されている。
更にこのような一次冷凍サイクル1及び二次冷凍サイクル2には、適宜の制御装置3が設けられるものであり、一例として圧力調節器31がカスケードコンデンサCの近くに設けられ二次冷媒たる炭酸ガス(CO2 )の圧力を検出し、その検出値に応じて、目的の制御を行うべく圧縮機11等の運転状態等の制御が行われる。
また温度調節器32が炭酸ガス受液器22の近くあるいは炭酸ガスポンプ23の出口側等に設けられ、二次冷媒たる炭酸ガス(CO2 )の温度を検出し、その検出値に応じて、目的の制御を行うべく圧縮機11等の運転状態等の制御が行われる。
本発明の冷凍装置Sの基本的な実施例は以上述べたような構成を有するものであり、次のように作動して目的冷却器たる庫内冷却器24において−50℃を充分に下回る冷風を供給できるようにしている。
すなわちまず一次冷凍サイクル1の稼動により、圧縮機11に吸い込まれたアンモニア冷媒は、アンモニア凝縮器12において凝縮された後、膨張弁13によって気液混相状態に膨張し、このものがアンモニア気液分離機15内に送られる。この状態では、アンモニア気液分離機15の温度状態は−55〜−65℃程度の温度(炭酸ガスの三重点以下の温度)に設定される。
もちろんこのような温度状態は圧縮機11の運転状態により適宜設定し得るものである。
このようなアンモニア冷媒は、作動流路10c側にポンプPにより圧送され、カスケードコンデンサCにおいてアンモニア蒸発器17の伝熱面の反対面の炭酸ガスを冷却する。すなわちこの反対面が実質的に炭酸ガス凝縮器21(炭酸ガス伝熱確保構造)となっているものである。
このため、カスケードコンデンサCにおけるアンモニア(一次冷媒)は、炭酸ガスの凝縮負荷を受けて、概ね−56℃程に昇温されて気相状態となった後、アンモニア気液分離器15に戻ることとなる。
なおアンモニア気液分離器15内における気相状態のアンモニアは、前述のように圧縮機11に吸い込まれて、冷凍サイクルが継続されることとなる。
このように、一次冷媒たるアンモニアによって冷却されるカスケードコンデンサCにおいては、二次冷凍サイクル2における二次冷媒たる炭酸ガスが、まずここで冷却を受ける。
このとき本発明の大きな特徴は、一次冷媒の作用により炭酸ガスの三重点付近の状態とされることであり、カスケードコンデンサC内においては、二次冷媒たる炭酸ガスは気相、液相、固相の三相が混在した状態となっている。
なお当然ながら固相状態の炭酸ガスは、それ自体で液化潜熱あるいは気化潜熱を有するものであり、一定の蓄熱体として優れた作用を発現している。このような二次冷媒としての炭酸ガスは、液相状態のものと気相状態のもの及び一部固相状態のものが炭酸ガス受液器22に落下し、貯留状態となる。ここにおける温度も、ほぼ三重点飽和圧力状態の−56.6℃前後の温度が発現できている。そしてここにおける液相状態の炭酸ガスは、炭酸ガスポンプ23によって更に二次冷媒流路20を進み、庫内冷却器24のコイル24aを通過する。一方、この熱は庫内冷却に資するため、ファン24bにより吸い込み乃至は押し込みを受ける庫内空気との熱交換がされる。この熱交換は当然、コイル24a表面で見れば顕熱熱交換であるが、この冷凍負荷に応じて二次冷媒流路20内の炭酸ガスは液相から気相状態に一部蒸発するものであり、蒸発潜熱により冷凍庫内を−50℃以下に十分に冷却させる温度状態が得られる。
そして更に二次冷媒たる炭酸ガスは、再びカスケードコンデンサCに至り、冷凍庫負荷によって昇温した状態から再度冷却状態に再生される。なおこのとき重要なのは、カスケードコンデンサC内における炭酸ガスの凝縮温度を三重点相当飽和温度である−56.6℃付近に設定するものであり、この結果、炭酸ガス凝縮器21の表面には凝固した炭酸ガスが積層状態で付着し、熱交換効率を著しく低下させることが予想され、また現実にこの状態は生じ得る。因みにこのことが従来、炭酸ガス冷媒を極低温冷蔵庫に用いなかった理由の一つである。
しかしながら本発明にあっては、炭酸ガス凝縮器21は炭酸ガス側伝熱能力確保手段を具え、上記炭酸ガス凝固に伴う問題の解決を図った。例えば構造的にはフィン付コイル等におけるフィンの工夫(面積増大化等)により、炭酸ガスが凝固しない範囲を確保できるようにしたり、圧力調節器31あるいは温度調節器32を用いて、その設定がされる。基本的に希望する冷却温度にするには、一次冷凍サイクル1の運転状態いかんであるが、例えばカスケードコンデンサC内における炭酸ガスの凝固状態が過剰になった場合、現象としてはその圧力が低下する状態として検出される。したがって圧力が低下したことは、過剰な炭酸ガスの凝固が発生していることを意味し、アンモニア蒸発器17の運転状態を停止または緩和し、固相化した炭酸ガスを気相状態または液相状態に戻すものである。ここでは一例として、二次冷媒たる炭酸ガスの凝縮圧力を制御するには、圧力調節器31により、炭酸ガスの三重点飽和圧力と、それより0.1MPa高い圧力との間で、炭酸ガス圧力を制御するものとする。なおこのような制御は、請求項8記載の発明に対応する炭酸ガス側伝熱能力確保手段である。
また炭酸ガス受液器22あるいはその下流の温度を温度調節器32によって検出しておき、設定より高い温度が検出された場合には、カスケードコンデンサCにおける二次冷媒の冷却が不十分であるか、あるいは冷凍負荷が高いことを意味するため、それに応じた一次冷凍サイクル1の運転状態を強化する等の手段が取り得る。ここでは一例として、二次冷媒たる炭酸ガスの凝縮圧力を制御するには、温度調節器により、炭酸ガスの三重点温度と、−53℃との間で、炭酸ガス受液器内の液体炭酸ガス温度を制御するものとする。なおこのような制御は、請求項9記載の発明に対応する炭酸ガス側伝熱能力確保手段である。
〔他の実施例〕
本発明は、以上述べた構成を基本構成とするものであり、更に次のような改変が可能である。なお実施例の多様化は主としてカスケードコンデンサC及び炭酸ガス受液器22等において成されるものである。
〔炭酸ガス受液器内にアンモニア蒸発器が設けられた実施例〕
まず図2に示すように、炭酸ガス受液器22内に、この受液器を積極冷却するためのアンモニア蒸発器17aが設けられた構成を採用することもできる。
なおこの場合には、カスケードコンデンサC用の電磁弁18aと、アンモニア蒸発器17a用の電磁弁18bとが設けられる。これらの電磁弁18a、18bは、もちろん流量調整を行うために用いてもよいが、基本的には、オン・オフを選択し得るようにして、二次冷媒たる炭酸ガスの作動温度の状態を見ながら、アンモニア冷媒の供給、停止を行うように用いられるものである。
そしてこのような構成が採られることにより、液相状態の炭酸ガス中に、固相状態の炭酸ガスを蓄えることができ、アンモニア蒸発器17aに重量負荷をあまり多くかけることなく、大量の蓄熱が可能になる。なおこのような実施例は、請求項3に対応するものである。
〔複数のカスケードコンデンサユニットが並列に接続された実施例〕
また図3に示すように、カスケードコンデンサCを、複数のカスケードコンデンサユニットC1、C2、C3を並列状態に接続して構成してもよい。それぞれのカスケードコンデンサユニットC1、C2、C3におけるアンモニア冷媒の供給経路上流側には、電磁弁18c1 、18c2 、18c3 が設けられる。
そしてこのような構成が採られることにより、例えばカスケードコンデンサC1内において凝固した炭酸ガスは、電磁弁18c1 が閉じられてアンモニアの給液を止められると、気相状態の炭酸ガスの凝縮負荷により融解して下方に設けられた炭酸ガス受液器22に流下して減少し、やがて無くなることとなる。更にカスケードコンデンサユニットC2、C3において炭酸ガスの凝固が限界に達した場合、順次、このような操作を繰り返すことにより、カスケードコンデンサCの伝熱面積の一定以上を効率の良い状態に保つようにすることにより、安定した温度の炭酸ガス冷媒を庫内冷却器24に供給して効率の良い運転が可能になるものである。
なおこのような実施例は、請求項4、10に対応するものである。
S 冷凍装置
1 一次冷凍サイクル
10 一次冷媒流路
10a 高圧流路
10b 低圧流路
10c 作動流路
11 圧縮機
12 アンモニア凝縮器
13 膨張弁
15 アンモニア気液分離器
16 ポンプ
17 アンモニア蒸発器
17a アンモニア蒸発器
18 電磁弁
18a 電磁弁
18b 電磁弁
18c 電磁弁
18c1 電磁弁
18c2 電磁弁
18c3 電磁弁
2 二次冷凍サイクル
20 二次冷媒流路
21 炭酸ガス凝縮器
22 炭酸ガス受液器
23 炭酸ガスポンプ
24 庫内冷却器
24a コイル
24b ファン
3 制御装置
31 圧力調節器
32 温度調節器
C カスケードコンデンサ
C1 カスケードコンデンサユニット
C2 カスケードコンデンサユニット
C3 カスケードコンデンサユニット

Claims (10)

  1. アンモニアを一次冷媒とした一次冷凍サイクルと、炭酸ガスを二次冷媒とした二次冷凍サイクルとが、カスケードコンデンサにおいて熱交換するとともに、冷却され液化した炭酸ガスが、庫内冷却器を通過して冷凍庫を冷却する装置において、
    前記炭酸ガスは、カスケードコンデンサ内において、気相、液相、固相の三相が混在した状態とされるものであり、
    前記カスケードコンデンサは、アンモニア蒸発器の伝熱面の反対面に炭酸ガスがある程度凝固しても、固相化した炭酸ガスを気相状態または液相状態に戻すための炭酸ガス側伝熱能力確保手段を持ち、且つ蓄熱機能を持たせた炭酸ガス凝縮器を具えたものであり、
    更に前記カスケードコンデンサの下流には炭酸ガス受液器が設けられ、この炭酸ガス受液器と庫内冷却器との間には炭酸ガスポンプが具えられていることを特徴とする冷凍装置。
  2. 前記カスケードコンデンサにおける二次冷媒たる炭酸ガスは、三重点近くの温度、圧力に設定されていることを特徴とする請求項1記載の冷凍装置。
  3. 前記炭酸ガス受液器内には、受液器冷却用のアンモニア蒸発器が設けられることを特徴とする請求項1または2記載の冷凍装置。
  4. 前記カスケードコンデンサは、複数のカスケードコンデンサユニットが並列に接続されて構成されていることを特徴とする請求項1、2または3記載の冷凍装置。
  5. 前記二次冷凍サイクル装置のカスケードコンデンサ付近には、炭酸ガスの圧力を検出して、二次冷媒の状態を調整するようにした圧力調節器を設けたことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の冷凍装置。
  6. 前記二次冷凍サイクル装置における、炭酸ガス受液器またはその出口周辺に、温度調節器を設けたことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の冷凍装置。
  7. 前記請求項1、2、3、4、5または6いずれか記載の装置を運転するにあたり、カスケードコンデンサ内の二次冷媒たる炭酸ガスを三重点飽和圧力に設定するには、カスケードコンデンサ内に凝固した炭酸ガスの量を増減させることにより、制御することを特徴とする冷凍装置の運転方法。
  8. 前記請求項5記載の装置を運転するにあたり、二次冷媒たる炭酸ガスの凝縮圧力を制御するには、圧力調節器により、炭酸ガスの三重点飽和圧力と、それより0.1MPa高い圧力との間で、炭酸ガス圧力を制御することを特徴とする冷凍装置の運転方法。
  9. 前記請求項6記載の装置を運転するにあたり、二次冷媒たる炭酸ガスの凝縮圧力を制御するには、温度調節器により、炭酸ガスの三重点温度と、−53℃との間で、炭酸ガス受液器内の液体炭酸ガス温度を制御することを特徴とする冷凍装置の運転方法。
  10. 前記請求項4記載の装置を運転するにあたり、複数あるカスケードコンデンサユニットの一部において、アンモニア冷媒の給液を止めて冷却を停止することにより、凝固した固体状態の炭酸ガスを融解し、融解が完了した後、一次冷媒たるアンモニアの供給を再開し、続いて他のカスケードコンデンサユニットに対する一次冷媒たるアンモニアの供給を停止し、順次この操作を繰り返し、各カスケードコンデンサユニットに対する一定以上の炭酸ガスの凝固をさせないようにすることを特徴とする冷凍装置の運転方法。
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