JP4608790B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍室と冷蔵室とを互いに独立に冷却を行う冷却サイクルを有する冷蔵庫の冷媒量不足の解消に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、地球温暖化防止の観点より冷凍冷蔵庫等の冷凍装置の省エネルギー化が進められている。従来、冷凍室と冷蔵室のように異なる温度で冷却する冷凍冷蔵庫においては、単独の蒸発器を冷凍室温度以下まで下げて庫内空気と熱交換を行い、庫内の温度調整は熱交換量で制御していた。これに対して、冷凍室と冷蔵室の蒸発器を独立させて、2つの蒸発器を冷凍室温度と冷蔵室温度で運転することにより、比較的圧縮比が低く理論効率の高い冷蔵室冷却サイクルを利用して省エネルギー化を図る試みが為されている。
【0003】
例えば特開平58−88559号公報において、2つの蒸発器を切り替えて冷蔵室と冷凍室を交互に冷却する冷却サイクルを有する冷蔵庫が提案されている。また、2つの蒸発器を切り替える直前に蒸発器に滞留した冷媒を回収して、循環冷媒量不足の問題を解消する方法が特開2000−266443号公報において提案されている。以下、図面を参照しながら冷蔵室と冷凍室を交互に冷却する冷却サイクルを用いた従来の冷蔵庫の特徴について説明する。
【0004】
従来の冷蔵庫のサイクル構成を図18に示す。図18において、1は冷蔵庫、2は冷蔵室、3は冷凍室、4は能力制御可能な圧縮機、5は凝縮器、6は流路切替弁、7は冷蔵室2内に設置された第一の膨張機構、8は冷蔵室2内に設置された第一の蒸発器、9は冷蔵室2内に設置された冷蔵室2内に設置された第一のアキュームレータ、10は冷凍室3内に設置された第二の膨張機構、11は冷凍室3内に設置された第二の蒸発器、12は冷凍室3内に設置された第二のアキュームレータ、13は第二のアキュームレータ12の下流側に設置された逆止弁、14は冷蔵室2および冷凍室3を形成しながら外部と断熱する冷蔵庫箱体、15は圧縮機4と凝縮器5と流路切替弁6が配置された機械室である。
【0005】
以上のように構成された従来の冷蔵庫について、以下その動作を説明する。
【0006】
冷蔵室2を冷却する場合、凝縮器5から第一の膨張機構7への流路が開となり、第二の膨張機構10への流路が閉となるように、流路切替弁6が動作する。そして、圧縮機4で圧縮された気体冷媒が凝縮器5で凝縮液化し、第一の膨張機構7で減圧され、第一の蒸発器8で蒸発する。このとき、第一の送風ファン16により循環している冷蔵室2内の空気が、第一の蒸発器8と熱交換して冷蔵室2内が冷却される。第一の蒸発器8で蒸発した冷媒は、第一のアキュームレータ9で残る液体冷媒と分離され、気体冷媒が圧縮機4へ戻る。また、冷凍室3内に設置された第二の蒸発器11内の圧力は第一の蒸発器8より低くなるが、逆止弁13が閉状態となるため、圧縮機4へ還流する気体冷媒が第二の蒸発器11内に滞留することはない。
【0007】
同様に、冷凍室3を冷却する場合、凝縮器5から第二の膨張機構10への流路が開となり、第一の膨張機構7への流路が閉となるように、流路切替弁6が動作する。そして、圧縮機4で圧縮された気体冷媒が凝縮器5で凝縮液化し、第二の膨張機構10で減圧され、第二の蒸発器11で蒸発する。このとき、第二の送風ファン17により循環している冷凍室3内の空気が、第二の蒸発器11と熱交換して冷凍室3内が冷却される。第二の蒸発器11で蒸発した冷媒は、第二のアキュームレータ12で残る液体冷媒と分離され、気体冷媒が逆止弁13を通過して圧縮機4へ戻る。また、冷蔵室2内に設置された第一の蒸発器8内の圧力は第二の蒸発器より高くなるため、第一の蒸発器8内に滞留している冷媒は蒸発して圧縮機4へ還流していく。
【0008】
一般に、冷蔵室2は0〜5℃、冷凍室3は−18℃前後、に設定されることから第一の蒸発器8の蒸発温度は−10℃程度、第二の蒸発器11の蒸発温度は−30℃程度に制御される。この結果、冷蔵室2を冷却する際に蒸発温度が高く効率の良い運転が可能となり、冷蔵庫1の消費電力を低減することができる。
【0009】
また、冷却サイクルを切り替える際に蒸発器内に冷媒が死蔵される問題を解消する方法として、ポンプダウン(以下PDという)が提案されている。以下に、この冷媒が死蔵される問題と、その解消方法であるPDについて説明する。
【0010】
冷凍室3の冷却から冷蔵室2の冷却に切り替える場合、第二の蒸発器11の蒸発温度に比べて第一の蒸発器8の蒸発温度が高いために、冷凍室3の冷却時に第二の蒸発器11や第二のアキュームレータ12内に滞留した液体冷媒が冷蔵室2の冷却中も滞留したままとなり、結果として冷蔵室2の冷却中に循環冷媒量が不足する問題が発生する。同様に、電源投入時や負荷変動時に第二の蒸発器11の蒸発温度が第一の蒸発器8の蒸発温度より高くなった場合も、冷凍室3の冷却中に循環冷媒量が不足する問題が発生する。
【0011】
そこで、冷却サイクルを切り替える際に、凝縮器5から第一の蒸発器8及び凝縮器5から第二の蒸発器11への流路を閉塞しながら、圧縮機4を運転させて第一の蒸発器と第一のアキュームレータ9、あるいは第二の蒸発器11と第二のアキュームレータ12に滞留する冷媒を凝縮器5に回収する方法であるPDが提案されている。また、PDを行うことで冷却サイクルに過剰な冷媒を封入する必要がなくなり、炭化水素等の可燃性冷媒を用いた冷却サイクルにおいて冷媒封入量が削減でき、安全性が向上する効果も期待される。
【0012】
PDを用いた冷却サイクルの切り替え動作の一例と、このときの圧縮機4の吸入圧力変化を図19に示す。図19に示した動作は、比較的負荷が大きい場合の運転状態であり、圧縮機4を100%出力で連続運転しながら冷蔵室2の冷却と冷凍室3の冷却を交互に行うものである。冷蔵室2の冷却モードでは、流路切替弁6の冷蔵室側を開とし、第一の送風ファン16で冷蔵室2内の空気を冷却しながら、冷却ファン18で凝縮器5の熱を外部へ放熱している。このとき、圧縮機4の吸入圧力は、第一の蒸発器8の蒸発温度に相当する圧力で安定する。次のPDモードでは、流路切替弁6の冷蔵室側及び冷凍室側をともに閉とし、圧縮機4を運転する。このとき、第一の蒸発器8と第一のアキュームレータ9内に滞留する液体冷媒が蒸発しながら圧縮機4へ還流されるとともに、圧縮機4の吸入圧力は急激に低下していく。冷凍室3の冷却モードでは、流路切替弁6の冷凍室側を開とし、第二の送風ファン17で冷凍室3内の空気を冷却しながら、冷却ファン18で凝縮器5の熱を外部へ放熱している。このとき、圧縮機4の吸入圧力は、第二の蒸発器11の蒸発温度に相当する圧力で安定する。次のPDモードでは、流路切替弁6の冷蔵室側及び冷凍室側をともに閉とし、圧縮機4を運転する。このとき、第二の蒸発器11と第二のアキュームレータ12内に滞留する液体冷媒が蒸発しながら圧縮機4へ還流されるとともに、圧縮機4の吸入圧力は急激に低下していく。このように運転モードを切り替えながら冷蔵室2と冷凍室3を交互に冷却することで、循環冷媒量不足の問題が生じることなく高効率な運転が可能となり、冷蔵庫1の消費電力が低減できる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の構成では、PD動作に伴う圧縮機4の損失により消費電力低減の効果が相殺されるだけでなく、PD動作時の圧縮機4の吸入圧力が許容範囲を越えて異常に低下し耐久性が維持できなくなる可能性があった。
【0014】
そこで、PD動作の時間を抑制するとともに、PD動作時の吸入圧力に異常低下を根本的に回避する施策が望まれている。
【0015】
本発明は、冷却サイクル切り替え時に死蔵される冷媒量およびPD動作時の冷媒回収挙動を詳細に検討し、蒸発器構成と吸入圧力との関係を明らかにすることでPD動作の改善を図り、PD動作に伴う電力損失や耐久性低下の問題の解消を目指すものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明の冷蔵庫は、あらゆる条件下で冷凍室の冷却を優先して行い、冷蔵室冷却時の蒸発温度に比べて冷凍室冷却時の蒸発温度が低くなる状態になってから冷却サイクルの切り替えを行うとともに、冷凍室冷却サイクルから冷蔵室冷却サイクルに切り替える直前のみPD動作を行う制御方法を用いるものである。
【0017】
この発明によれば、冷蔵室冷却サイクルから冷凍室冷却サイクルに切り替える際のPD動作を省略し、PD動作に伴う電力損失や耐久性低下の問題を軽減することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、冷蔵室と冷凍室を備えた冷蔵庫であって、圧縮機と、凝縮器と、流路切替弁と、第一の膨張機構と、前記冷蔵室内に設置された第一の蒸発器と、前記冷蔵室内に設置された第一のアキュームレータと、第二の膨張機構と、前記冷凍室内に設置された第二の蒸発器と、前記冷凍室内に設置された第二のアキュームレータと、前記第二のアキュームレータの表面に配置されたヒータとを備え、前記圧縮機と前記凝縮器と前記流路切替弁と前記第一の膨張機構と前記第一の蒸発器と前記第一のアキュームレータとで閉ループを形成すると共に、前記第一の膨張機構と前記第一の蒸発器と前記第一のアキュームレータに並列になるように前記第二の膨張機構と前記第二の蒸発器と前記第二のアキュームレータと逆止弁とを接続し、前記流路切替弁により冷媒の流れを切り替えることで前記冷蔵室と前記冷凍室の冷却を互いに独立して行うものであり、前記冷凍室の冷却を優先するとともに、前記冷凍室の冷却から前記冷蔵室の冷却に切り替わる直前に、前記流路切替弁あるいは前記第二の膨張機構を用いて前記第二の蒸発器への冷媒の流入を遮断した状態で前記ヒータに通電しながら前記圧縮機を運転(すなわちPD動作)する制御手段を備えたことを特徴とする。
【0021】
そして、以上の構成により、あらゆる条件下で冷凍室の冷却を優先して行い、冷蔵室冷却時の蒸発温度に比べて冷凍室冷却時の蒸発温度が低くなる状態になってから冷却サイクルの切り替えを行うことで、冷蔵室冷却サイクルから冷凍室冷却サイクルに切り替える際のPD動作を省略し、冷凍室冷却サイクルから冷蔵室冷却サイクルに切り替える場合にのみPD動作を行い、PD動作に伴う電力損失や耐久性低下の問題を軽減することができる。
【0029】
本発明の請求項に記載の発明は、冷蔵室と冷凍室を備えた冷蔵庫であって、圧縮機と、凝縮器と、流路切替弁と、第一の膨張機構と、前記冷蔵室内に設置された第一の蒸発器と、前記冷蔵室内に設置された第一のアキュームレータと、第二の膨張機構と、前記冷凍室内に設置された第二の蒸発器と、前記冷凍室内に設置された第二のアキュームレータとを備え、前記圧縮機と前記凝縮器と前記流路切替弁と前記第一の膨張機構と前記第一の蒸発器と前記第一のアキュームレータとで閉ループを形成すると共に、前記第一の膨張機構と前記第一の蒸発器と前記第一のアキュームレータに並列になるように前記第二の膨張機構と前記第二の蒸発器と前記第二アキュームレータと逆止弁とを接続し、前記流路切替弁により冷媒の流れを切り替えることで前記冷蔵室と前記冷凍室の冷却を互いに独立して行うものであり、前記冷凍室の冷却を優先するとともに、前記冷凍室の冷却から前記冷蔵室の冷却に切り替わる直前に、前記流路切替弁あるいは前記第二の膨張機構を用いて前記第二の蒸発器への冷媒の流入を遮断した状態で前記圧縮機を運転するもので、前記流路切替弁あるいは前記第一の膨張機構を用いて前記第一の蒸発器へ少量の冷媒を流入させながら前記圧縮機を運転する制御手段を備えたものであり、滞留する液体冷媒への伝熱量に見合う速度で蒸発させることで、滞留する液体冷媒を回収する際の温度低下を抑制し、PD動作時の吸入圧力の低下を抑制することにより、さらにPD動作に伴う電力損失や耐久性低下の問題を軽減することができる。
【0030】
ここで、冷蔵室冷却サイクルから冷媒を流入することにより冷媒回収速度が低下するため、必要冷媒量を回収するPD動作時間は長くなるが、吸入圧力の低下が抑制できることからPD動作に必要な所要動力は削減できる。また、この方法は圧縮機の低能力化による冷媒回収速度の低減に比べて制約条件がなく、滞留する液体冷媒への伝熱量に見合う速度に冷媒回収速度を自由に設定することが可能であるだけでなく、PD動作中に冷蔵室冷却サイクルから流入する冷媒は第一の蒸発器の冷却に寄与することから、冷蔵室冷却サイクルの立ち上がりが早くなる効果も期待できる。
【0049】
以下、本発明の実施の形態について図1〜図17を用いて説明する。これらの図において、図18、図19で示した従来例と同一の構成および運転動作についてはその詳細な説明を省略し、同一符号を付す。
【0050】
(実施の形態1)
図1は本発明の一実施の形態を示す冷蔵庫の冷凍サイクル図、図2は同実施の形態における運転動作と吸入圧力変化を示すタイミングチャートである。
【0051】
本実施の形態における冷蔵庫のサイクル構成は、図18で示した従来例と同一である。本実施の形態における運転動作の特徴は、冷蔵室2の冷却に対して冷凍室3の冷却を優先し、冷凍室3内の空気温度が冷蔵室2内よりも高くなっている間は常に冷凍室3のみを冷却するとともに、図2に示すように冷凍室3の冷却から冷蔵室2の冷却に切り替える時のみPD動作を行うものである。
【0052】
この結果、冷蔵室2の冷却から冷凍室3の冷却に切り替えた時に、冷蔵室2内に設置された第一の蒸発器8や第一のアキュームレータ9に滞留した液体冷媒が、蒸発温度が低い冷凍室3の冷却中に蒸発して圧縮機4に回収されて、冷却サイクルへ還流していくことで循環冷媒量を確保するとともに、PD動作を約半分にすることでPD動作に伴う圧縮機4の入力損失や吸入圧力低下に伴う耐久性低下の問題を軽減することができる。
【0053】
なお、本実施の形態においては、流路切替弁6を用いて凝縮器5からの流路を切り替えたが、第一の膨張機構7と第二の膨張機構10に閉塞機構を持たせれば、流路切替弁6を用いず流路を切り替えることができる。また、第一の膨張機構7と第二の膨張機構10の流路抵抗はキャピラリ等の一定の抵抗でもよいし、膨張弁等の可変抵抗でもよい。
【0054】
(実施の形態2)
図3は本発明の一実施の形態における運転動作と吸入圧力変化を示すタイミングチャートである。
【0055】
本実施の形態における冷蔵庫のサイクル構成は、実施の形態1と同一である。
【0056】
本実施の形態における運転動作の特徴は、冷蔵室2の冷却に対して冷凍室3の冷却を優先し、冷凍室3内の空気温度が冷蔵室2内よりも高くなっている間は常に冷凍室3のみを冷却するとともに、図3に示すように冷凍室3の冷却から冷蔵室2の冷却に切り替える時のみPD動作を行うものである。また、図3に示したようにPD動作中に第二の送風ファン17を運転するものである。
【0057】
この結果、冷蔵室2の冷却から冷凍室3の冷却に切り替えた時に、冷蔵室2内に設置された第一の蒸発器8や第一のアキュームレータ9に滞留した液体冷媒が、蒸発温度が低い冷凍室3の冷却中に蒸発して圧縮機4に回収されて、冷却サイクルへ還流していくことで循環冷媒量を確保するとともに、PD動作を約半分にすることでPD動作に伴う圧縮機4の入力損失や吸入圧力低下に伴う耐久性低下の問題を軽減することができる。さらに、PD動作中に第二の送風ファン17を運転することにより、第二の蒸発器11を冷凍室3内の空気で加温し第二の蒸発器11内に滞留する液体冷媒が蒸発する際の液体冷媒の温度低下を抑制することができ、図3に示したようにPD動作中の吸入圧力の低下が抑制できる。
【0058】
ここで、図3のA点は第二の蒸発器11に滞留する液体冷媒がすべて蒸発した時点であり、このポイントまで吸入圧力の低下が抑制できることを示している。
【0059】
図3のA点を過ぎると、第二のアキュームレータ12に滞留する液体冷媒の蒸発が始まり液体冷媒の温度低下とともに吸入圧力が低下し、B点においてPD動作が終了する。これは、第二のアキュームレータ12が液体冷媒を貯留する目的で設計されるため冷凍室3内の空気の熱交換効率が悪く、第二の送風ファン17を運転するだけでは第二のアキュームレータ12に滞留する液体冷媒の温度低下が防止できないためである。しかしながら、PD開始からA点までの間、主として第二の蒸発器11に滞留する液体冷媒が蒸発した結果、第二の送風ファン17を停止する場合に比べて第二のアキュームレータ12に滞留する液体冷媒の蒸発及び温度低下が抑制される。
【0060】
なお、第二の送風ファン17の運転に伴う発熱量を抑制するために、図3のA点において第二の送風ファン17を停止させる方が望ましい。A点からB点の間で第二の送風ファン17を運転しても第二のアキュームレータ12に滞留する液体冷媒を蒸発させる効果はほとんどない上に、第二の送風ファン17の運転に伴う発熱量によって冷凍室3内の空気温度が上昇する問題が発生する。
【0061】
(実施の形態3)
図4は本発明の一実施の形態を示す冷蔵庫の冷凍サイクル図、図5は同実施の形態における運転動作と吸入圧力変化を示すタイミングチャートである。本実施の形態における冷蔵庫のサイクル構成の特徴は、第二のアキュームレータ12を直接加温するためにその表面にアキュームヒータ19を設置した点である。
【0062】
本実施の形態における運転動作の特徴は、冷蔵室2の冷却に対して冷凍室3の冷却を優先し、冷凍室3内の空気温度が冷蔵室2内よりも高くなっている間は常に冷凍室3のみを冷却するとともに、図5に示すように冷凍室3の冷却から冷蔵室2の冷却に切り替える時のみPD動作を行うものである。また、図5に示したようにPD動作中にのみアキュームヒータ19をONするものである。
【0063】
この結果、冷蔵室2の冷却から冷凍室3の冷却に切り替えた時に、冷蔵室2内に設置された第一の蒸発器8や第一のアキュームレータ9に滞留した液体冷媒が、蒸発温度が低い冷凍室3の冷却中に蒸発して圧縮機4に回収されて、冷却サイクルへ還流していくことで循環冷媒量を確保するとともに、PD動作を約半分にすることでPD動作に伴う圧縮機4の入力損失や吸入圧力低下に伴う耐久性低下の問題を軽減することができる。さらに、PD動作中にアキュームヒータ19をONすることにより、第二のアキュームレータ12を直接加温し第二のアキュームレータ12内に滞留する液体冷媒が蒸発する際の液体冷媒の温度低下を抑制することができ、図5に示したようにPD動作中の吸入圧力の低下が抑制できる。
【0064】
ここで、図5のC点は、第二のアキュームレータ12に滞留する液体冷媒の一部が蒸発してPD動作が終了した点であり、アキュームヒータ19がOFFのまま同量の液体冷媒を蒸発させた場合に比べて、第二のアキュームレータ12に滞留する液体冷媒の蒸発及び温度低下が抑制される。
【0065】
なお、アキュームヒータ19に替えて、第二の蒸発器11の近傍に通常設置される除霜用ヒータ(図示せず)を用いても同様の効果は期待できるが、構造上冷凍室3内の空気との熱交換効率が悪い第二のアキュームレータ12を間接的に加温すると冷凍室3内の空気温度が上昇する問題が発生するため、固体熱伝導を主に第二のアキュームレータ12を加温する手段を用いる方が望ましい。
【0066】
(実施の形態4)
図6は本発明の一実施の形態における運転動作と吸入圧力変化を示すタイミングチャートである。本実施の形態における冷蔵庫のサイクル構成は、実施の形態1と同一である。
【0067】
本実施の形態における運転動作の特徴は、冷蔵室2の冷却に対して冷凍室3の冷却を優先し、冷凍室3内の空気温度が冷蔵室2内よりも高くなっている間は常に冷凍室3のみを冷却するとともに、図6に示すように冷凍室3の冷却から冷蔵室2の冷却に切り替える時のみPD動作を行うものである。また、図6に示したようにPD動作中に圧縮機4の出力を40%に低減するものである。
【0068】
この結果、冷蔵室2の冷却から冷凍室3の冷却に切り替えた時に、冷蔵室2内に設置された第一の蒸発器8や第一のアキュームレータ9に滞留した液体冷媒が、蒸発温度が低い冷凍室3の冷却中に蒸発して圧縮機4に回収されて、冷却サイクルへの還流していくことで循環冷媒量が確保するとともに、PD動作を約半分にすることでPD動作に伴う圧縮機4の入力損失や吸入圧力低下に伴う耐久性低下の問題を軽減することができる。さらに、PD動作中の圧縮機4の出力を40%に低減することにより、第二の蒸発器11及び第二のアキュームレータ12内に滞留する液体冷媒が蒸発する速度を低減し、その結果として液体冷媒の温度低下を抑制することができ、図6に示したようにPD動作中の吸入圧力の低下が抑制できる。
【0069】
ここで、第二の蒸発器11及び第二のアキュームレータ12内に滞留する液体冷媒の温度変化は、蒸発によって失われる蒸発潜熱と冷凍室3内空気あるいは構成部品からの熱伝導によって供給される熱とのバランスによって決まることから、液体冷媒が蒸発する速度を低減することで液体冷媒の温度低下が抑制できるものである。図6のD点は、第二の蒸発器11及び第二のアキュームレータ12に滞留する液体冷媒の一部が蒸発してPD動作が終了した点であり、圧縮機4の出力を100%のまま同量の液体冷媒を蒸発させた場合に比べて、第二の蒸発器11及び第二のアキュームレータ12に滞留する液体冷媒の蒸発及び温度低下が抑制される。
【0070】
なお、本実施の形態ではPD動作中の圧縮機4の出力を40%としたが、一般に家庭用冷蔵庫に用いられるロータリ型圧縮機あるいはレシプロ型圧縮機の場合、圧縮機の回転数を低減して任意に出力を抑制しても同様の効果が期待できる。
【0071】
このとき、第二の蒸発器11及び第二のアキュームレータ12に滞留する液体冷媒の蒸発速度を5g/10s程度以下に制御すると、滞留冷媒の温度低下がかなり抑制できる。また、滞留冷媒の蒸発速度低減と合わせて、実施の形態2〜3で示した方法で加温すると、滞留冷媒の温度がより安定することが期待される。
【0072】
(実施の形態5)
図7は本発明の一実施の形態における運転動作と吸入圧力変化を示すタイミングチャートである。
【0073】
本実施の形態における冷蔵庫のサイクル構成は、実施の形態1と同一である。
【0074】
本実施の形態における運転動作の特徴は、冷蔵室2の冷却に対して冷凍室3の冷却を優先し、冷凍室3内の空気温度が冷蔵室2内よりも高くなっている間は常に冷凍室3のみを冷却するとともに、図7に示すように冷凍室3の冷却から冷蔵室2の冷却に切り替える時のみPD動作を行うものである。また、図7に示したようにPD動作中に第一の膨張機構7を30%開とするとともに流路切替弁6の冷蔵側の流路を開とするものである。
【0075】
この結果、冷蔵室2の冷却から冷凍室3の冷却に切り替えた時に、冷蔵室2内に設置された第一の蒸発器8や第一のアキュームレータ9に滞留した液体冷媒が、蒸発温度が低い冷凍室3の冷却中に蒸発して圧縮機4に回収されて、冷却サイクルへ還流していくことで循環冷媒量を確保するとともに、PD動作を約半分にすることでPD動作に伴う圧縮機4の入力損失や吸入圧力低下に伴う耐久性低下の問題を軽減することができる。さらにPD動作中に第一の膨張機構7を30%開とするとともに流路切替弁6の冷蔵側の流路を開として、冷蔵室2の冷却サイクルに少量の冷媒を供給することにより、第二の蒸発器11及び第二のアキュームレータ12内に滞留する液体冷媒が蒸発する速度を低減し、その結果として液体冷媒の温度低下を抑制することができ、図7に示したようにPD動作中の吸入圧力の低下が抑制できる。
【0076】
ここで、第二の蒸発器11及び第二のアキュームレータ12内に滞留する液体冷媒の温度変化は、蒸発によって失われる蒸発潜熱と冷凍室3内空気あるいは構成部品からの熱伝導によって供給される熱とのバランスによって決まることから、液体冷媒が蒸発する速度を低減することで液体冷媒の温度低下が抑制できるものである。図7のE点は、第二の蒸発器11及び第二のアキュームレータ12に滞留する液体冷媒の一部が蒸発してPD動作が終了した点であり、冷蔵室2の冷却サイクルを閉じたまま同量の液体冷媒を蒸発させた場合に比べて、第二の蒸発器11及び第二のアキュームレータ12に滞留する液体冷媒の蒸発及び温度低下が抑制される。
【0077】
なお、本実施の形態ではPD動作中の第一の膨張機構7の開度を30%としたが、冷蔵室2の冷却サイクル単独運転時の蒸発温度が冷凍室3の空気温度より低い温度になるように第一の膨張機構7の開度を調整すれば、第二の蒸発器11及び第二のアキュームレータ12に滞留する液体冷媒の蒸発を維持しながらその蒸発速度を抑制することができ同様の効果が期待できる。このとき、第二の蒸発器11及び第二のアキュームレータ12に滞留する液体冷媒の蒸発速度を5g/10s程度以下に制御すると、滞留冷媒の温度低下がかなり抑制できる。また、滞留冷媒の蒸発速度低減と合わせて、実施の形態2〜3で示した方法で加温すると、滞留冷媒の温度がより安定することが期待される。
【0078】
また、本実施の形態においては、第一の膨張機構7は膨張弁等の可変抵抗が望ましいが、PD動作中の少量の冷媒を流すために開閉動作を繰り替えして流量制御しても、PD動作のために抵抗の大きいキャピラリに切り替えて流量制御してもよい。
【0079】
(実施の形態6)
図8は本発明の一実施の形態における運転動作と吸入圧力変化を示すタイミングチャートである。
【0080】
本実施の形態における冷蔵庫のサイクル構成は、実施の形態1と同一である。
【0081】
本実施の形態における運転動作の特徴は、冷蔵室2の冷却に対して冷凍室3の冷却を優先し、冷凍室3内の空気温度が冷蔵室2内よりも高くなっている間は常に冷凍室3のみを冷却するとともに、図8に示すように冷凍室3の冷却から冷蔵室2の冷却に切り替える時のみPD動作を行うものである。また、図8に示したようにPD動作中に冷却ファン18を運転するものである。
【0082】
この結果、冷蔵室2の冷却から冷凍室3の冷却に切り替えた時に、冷蔵室2内に設置された第一の蒸発器8や第一のアキュームレータ9に滞留した液体冷媒が、蒸発温度が低い冷凍室3の冷却中に蒸発して圧縮機4に回収されて、冷却サイクルへ還流していくことで循環冷媒量を確保するとともに、PD動作を約半分にすることでPD動作に伴う圧縮機4の入力損失や吸入圧力低下に伴う耐久性低下の問題を軽減することができる。さらに、PD動作中に冷却ファン18を運転することにより、凝縮器5の熱交換を促進して凝縮温度を低減して、結果としてPD動作中の圧縮比を低減することができる。また、凝縮温度を低減と合わせて、実施の形態2〜5で示した方法で吸入圧力の低減を抑制すると、圧縮比がより低く安定することが期待される。
【0083】
なお、吸入圧力の低下に伴う電力損失の増大は、再膨張ガスの圧縮に伴うことから圧縮比に比例して顕著になる、と同時に耐久性低下も再膨張ガスの圧縮に伴う挙動変化に起因し特定の圧縮比以上で顕著となることから、PD動作中の圧縮比に上限を設定することが望ましい。一般の冷蔵庫用レシプロ型圧縮機においては、PD動作中の圧縮比は15〜20程度が上限であり、この圧縮比を超えると効率の著しい低下が起こるとともに、吐出ガス温度の上昇や軸受け部の摩耗が発生して耐久性低下の問題が発生する。
【0084】
(実施の形態7)
図9は本発明の一実施の形態を示す冷蔵庫の冷凍サイクル図、図10は同実施の形態における運転動作と吸入圧力変化を示すタイミングチャートである。本実施の形態における冷蔵庫のサイクル構成の特徴は、第二のアキュームレータ12にその温度を検知する温度検知器20を設置した点である。
【0085】
本実施の形態における運動動作の特徴は、冷蔵室2の冷却に対して冷凍室3の冷却を優先し、冷凍室3内の空気温度が冷蔵室2内よりも高くなっている間は常に冷凍室3のみを冷却するとともに、図10に示すように冷凍室3の冷却から冷蔵室2の冷却に切り替える時のみPD動作を行うものである。また、図10に示したようにPD動作中に温度検知器20が所定の値以下になった時点でPD動作を中止し、冷蔵室冷却モードに移行するものである。
【0086】
この結果、冷蔵室2の冷却から冷凍室3の冷却に切り替えた時に、冷却室2内に設置された第一の蒸発器8や第一のアキュームレータ9に滞留した液体冷媒が、蒸発温度が低い冷凍室3の冷却中に蒸発して圧縮機4に回収されて、冷却サイクルへ還流していくことで循環冷媒量を確保するとともに、PD動作を約半分にすることでPD動作に伴う圧縮機4の入力損失や吸入圧力低下に伴う耐久性低下の問題を軽減することができる。さらに、第二のアキュームレータ12内に滞留する液体冷媒の温度が低下して第二のアキュームレータ12の表面温度が低下した時に、その温度を温度検知器20が検知してPD動作を中止することによりPD動作に伴う圧縮機4の入力損失や吸入圧力低下に伴う耐久性低下の問題を軽減することができる。
【0087】
なお、吸入圧力の低下に伴う電力損失の増大は、再膨張ガスの圧縮に伴うことから圧縮比に比例して顕著になる、と同時に耐久性低下も再膨張ガスの圧縮に伴う挙動変化に起因し特定の圧縮比以上で顕著となることから、PD動作中の圧縮比に上限を設定することが望ましい。一般の冷蔵庫用レシプロ型圧縮機においては、PD動作中の圧縮比は15〜20程度が上限であり、この圧縮比を超えると効率の著しい低下が起こるとともに、吐出ガス温度の上昇や軸受け部の摩耗が発生して耐久性低下の問題が発生する。
【0088】
(実施の形態8)
図11は本発明の一実施の形態を示す冷蔵庫の冷凍サイクル図、図12は同実施の形態における運転動作と吸入圧力変化を示すタイミングチャートである。
【0089】
本実施の形態における冷蔵庫のサイクル構成の特徴は、冷蔵室2及び冷凍室3内に液体冷媒を貯留するアキュームレータを設置していない点である。本実施の形態における運転動作の特徴は、冷蔵室2の冷却に対して冷凍室3の冷却を優先し、冷凍室3内の空気温度が冷凍室2内よりも高くなっている間は常に冷凍室3のみを冷却するとともに、図12に示すように冷凍室3の冷却から冷蔵室2の冷却に切り替える時のみPD動作を行うものである。また、図12に示すようにPD動作中に第二の送風ファン17を運転するとともに、吸入圧力の低下がほとんどない範囲の時間でPD動作を終了するものである。
【0090】
この結果、冷蔵室2の冷却から冷凍室3の冷却に切り替えた時に、冷蔵室2内に設置された第一の蒸発器8や第一のアキュームレータ9に滞留した液体冷媒が、蒸発温度が低い冷凍室3の冷却中に蒸発して圧縮機4に回収されて、冷却サイクルへ還流していくことで循環冷媒量を確保するとともに、PD動作を約半分にすることでPD動作に伴う圧縮機4の入力損失や吸入圧力低下に伴う耐久性低下の問題を軽減することができる。
【0091】
さらに、第二の送風ファン17を運転することで第二の蒸発器11内に滞留する液体冷媒を加温して温度低下及び吸入圧力の低下を防止するとともに、第二の蒸発器11内の液体冷媒がなくなる程度の時間のみPD動作を行うことで時間短縮が図れることによりPD動作に伴う圧縮機4の入力損失や吸入圧力低下に伴う耐久性低下の問題を軽減することができる。
【0092】
ここで、図12のH点は第二の蒸発器11内の液体冷媒がなくなり冷蔵室冷却モードに移行する時点であり、第二の蒸発器11の大きさと圧縮機4の能力によって所定の時間に規定することができる。また、多量の液体冷媒を貯留するアキュームレータを冷凍室3内に設置する場合に比べて、PD動作時間を1/10程度に短縮することができる。
【0093】
なお、冷凍室冷却サイクルと冷蔵室冷却サイクルの内容積に大きな差がなく、冷凍室3内にアキュームレータを設置しない場合は、冷蔵室2内にもアキュームレータを設置しない方が望ましい。冷蔵室冷却サイクルのみ過剰な冷媒が生じることがないため、冷蔵室2内にアキュームレータを設置する必要がないとともに、冷蔵室冷却モードから冷凍室冷却モードへ移行する際に第一の蒸発器8内に貯留された液体冷媒を回収する時間が短縮できる。
【0094】
(実施の形態9)
図13は本発明の一実施の形態における運転動作と吸入圧力変化を示す図である。
【0095】
本実施の形態における冷蔵庫のサイクル構成は、実施の形態8と同一である。
【0096】
また、本実施の形態における運動動作の特徴は、図13に示すように、冷蔵室冷却モードから冷凍室冷却モードに移行する際、及び冷凍室冷却モードから冷蔵室冷却モードに移行する際ともにPD動作を行わない点である。
【0097】
この結果、多量の液体冷媒を貯留するアキュームレータを冷凍室3内及び冷蔵室2内に設置せず、冷却モード移行時に発生する循環冷媒量不足を軽減することでPD動作を廃止し、PD動作に伴う圧縮機4の入力損失や吸入圧力低下に伴う耐久性低下の問題を解決することができる。
【0098】
(実施の形態10)
図14は本発明の一実施の形態を示す冷蔵庫の冷凍サイクル図、図15は同実施の形態における電源投入時の運動動作と吸入圧力変化を示すタイミングチャートである。
【0099】
本実施の形態における冷蔵庫のサイクル構成の特徴は、冷蔵室2及び冷凍室3内に液体冷媒を貯留するアキュームレータを設置していない点と、第二の膨張機構10と並列に冷凍室冷却サイクルを形成するように起動用膨張機構22を設置した点である。また、本実施の形態における運動動作の特徴は、図15に示すように、電源投入後の初期に冷凍室冷却モードにおいて、凝縮器5から第二の膨張機構10につながる冷凍側流路を閉じて、凝縮器5から起動用膨張機構22につながる起動用流路を開けるように三流路切替弁21を動作させる点である。
【0100】
この結果、多量の液体冷媒を貯留するアキュームレータを冷凍室3内及び冷蔵室2内に設置せず、冷却モード移行時に発生する循環冷媒量不足を軽減することでPD動作を廃止し、PD動作に伴う圧縮機4の入力損失や吸入圧力低下に伴う耐久性低下の問題を解消することができる。さらに、電源投入後の初期に比較的抵抗の小さい起動用膨張機構22を用いて冷凍室3を冷却することで、図15の吸入圧力変化の実線に示したように、蒸発温度を上げて冷凍能力を増大させプルダウン時間を短縮することができる。また、冷凍室3内の空気温度が上昇するような過負荷時において、電源投入後の初期と同じように起動用膨張機構22を用いると、蒸発温度を上げて冷凍能力を増大させて冷凍室3内の空気温度を速やかに低下させることも期待できる。
【0101】
なお、本実施の形態においては、三流路切替弁21を用いて凝縮器5からの流路を切り替えたが、第一の膨張機構7と第二の膨張機構10および起動用膨張機構22に閉塞機構を持たせれば、三流路切替弁21を用いずに流路を切り替えることができる。また、第一の膨張機構7と第二の膨張機構10および起動用膨張機構22の流路抵抗はキャピラリ等の一定の抵抗でもよいし、膨張弁等の可変抵抗でもよい。さらに、第二の膨張機構10の抵抗可変範囲を拡大して、電源投入時や過負荷時に抵抗を下げて起動用膨張機構22を代用してもよい。
【0102】
(実施の形態11)
図16は本発明の一実施の形態を示す冷蔵庫の蒸発器及びその周辺の冷凍サイクル図である。本実施の形態における冷蔵庫のサイクル構成、及び運転動作と吸入圧力変化は実施の形態9と同一である。
【0103】
本実施の形態における蒸発器の構成の特徴は、第一の蒸発器8及び第二の蒸発器11の能力を過大に設計するとともに、図16に示すように、冷媒流路となる直管部11aとコーナー部11b、及び冷凍室3内の空気との熱交換を行う冷却フィン11c、出口側配管である立ち上げ管11dから構成された第二の蒸発器11を用いる点である。
【0104】
この結果、多量の液体冷媒を貯留するアキュームレータを冷凍室3内及び冷蔵室2内に設置せず、冷却モード移行時に発生する循環冷媒量不足を軽減することでPD動作を廃止し、PD動作に伴う圧縮機4の入力損失や吸入圧力低下に伴う耐久性低下の問題を解消することができる。さらに、図16に示すように、第二の蒸発器11の冷媒流路を冷凍室3内の空気の流れと対向させた流れにし、かつ入口側となる第二の膨張機構10と出口側配管である立ち上げ管11dとを離すことで、第二の蒸発器11の出口での冷媒の乾き度を100%近くに保つことで、圧縮機4の吸入配管でのスーパーヒートの確保が容易となり、吸入配管の露つきや液体冷媒の吸入による圧縮機4の耐久性低下を防止することができる。
【0105】
ここで、図16に示した第二の蒸発器11の構成では、第二の送風ファン17によって冷凍室3内の空気が下方から供給され、主に第二の蒸発器11の下部で熱交換することから、入口側となる第二の膨張機構10の近傍の温度が最も低くなる。そこで、出口側配管である立ち上げ管11dを第二の膨張機構10と反対の側に設置することで第二の膨張機構10近傍で冷却されることを防止して、出口での冷媒の乾き度を100%近くに保つようにしたものである。また、出口側配管を立ち上げ管11dとしたことで、冷媒流量の変動によって液体冷媒が圧縮機4の吸入配管へ進入することが防止できる。
【0106】
なお、本実施の形態では、第二の蒸発器11の構成についてのみ記述したが、第一の蒸発器8についても同じ構成で同様の効果が期待できる。また、圧縮機4の吸入配管部でのスーパーヒートを確保するため、吸入配管部と冷却サイクルの高温部との熱交換を行うことが望ましい。
【0107】
(実施の形態12)
図17は本発明の一実施の形態を示す冷蔵庫の冷凍サイクル図である。本実施の形態における運転動作と吸入圧力変化は実施の形態9と同一である。
【0108】
本実施の形態における冷蔵庫のサイクル構成の特徴は、圧縮機4の吸入配管部にコンプアキューム24を設けた点である。
【0109】
この結果、多量の液体冷媒を貯留するアキュームレータを冷凍室3内及び冷蔵室2内に設置せず、冷却モード移行時に発生する循環冷媒量不足を軽減することでPD動作を廃止し、PD動作に伴う圧縮機4の入力損失や吸入圧力低下に伴う耐久性低下の問題を解消することができる。さらに、図17に示すように、圧縮機4の吸入配管部にコンプアキューム24を設けたことで、冷媒流量の変動によって液体冷媒が圧縮機4の吸入配管へ進入した場合にコンプアキューム24内に一時貯留することができ、防止吸入配管の露つきや液体冷媒の吸入による圧縮機4の耐久性低下を防止することができる。
【0110】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、蒸発温度の異なる複数の蒸発器を有し、それらの蒸発器を切り替えて冷却を行う冷却サイクルを用いた冷凍冷蔵庫等において、あらゆる条件下で冷凍室の冷却を優先して行い、冷蔵室冷却時の蒸発温度に比べて冷凍室冷却時の蒸発温度が低くなる状態になってから冷却サイクルの切り替えを行うとともに、冷凍室冷却サイクルから冷蔵室冷却サイクルに切り替える直前のみPD動作を行う制御方法を用いることにより、冷蔵室冷却サイクルから冷凍室冷却サイクルに切り替える際のPD動作を省略し、PD動作に伴う電力損失や耐久性低下の問題を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の冷蔵庫の冷凍サイクル図
【図2】本発明の実施の形態1の冷蔵庫の運転動作と吸入圧力変化を示すタイミングチャート
【図3】本発明の実施の形態2の冷蔵庫の運転動作と吸入圧力変化を示すタイミングチャート
【図4】本発明の実施の形態3の冷蔵庫の冷凍サイクル図
【図5】本発明の実施の形態3の冷蔵庫の運転動作と吸入圧力変化を示すタイミングチャート
【図6】本発明の実施の形態4の冷蔵庫の運転動作と吸入圧力変化を示すタイミングチャート
【図7】本発明の実施の形態5の冷蔵庫の運転動作と吸入圧力変化を示すタイミングチャート
【図8】本発明の実施の形態6の冷蔵庫の運転動作と吸入圧力変化を示すタイミングチャート
【図9】本発明の実施の形態7の冷蔵庫の冷凍サイクル図
【図10】本発明の実施の形態7の冷蔵庫の運転動作と吸入圧力変化を示すタイミングチャート
【図11】本発明の実施の形態8の冷蔵庫の冷凍のサイクル図
【図12】本発明の実施の形態8の冷蔵庫の運転動作と吸入圧力変化を示すタイミングチャート
【図13】本発明の実施の形態9の冷蔵庫の運転動作と吸入圧力変化を示すタイミングチャート
【図14】本発明の実施の形態10の冷蔵庫の冷凍サイクル図
【図15】本発明の実施の形態10の冷蔵庫の運転動作と吸入圧力変化を示すタイミングチャート
【図16】本発明の実施の形態11の冷蔵庫の要部冷凍サイクル図
【図17】本発明の実施の形態12の冷蔵庫の冷凍サイクル図
【図18】従来の冷蔵庫の冷凍サイクル図
【図19】従来の冷蔵庫の運転動作と吸入圧力変化を示すタイミングチャート
【符号の説明】
4 圧縮機
5 凝縮器
6 流路切替弁
7 第一の膨張機構
8 第一の蒸発器
9 第一のアキュームレータ
10 第二の膨張機構
11 第二の蒸発器
12 第二のアキュームレータ
13 逆止弁
14 冷蔵庫箱体
15 機械室

Claims (2)

  1. 冷蔵室と冷凍室を備えた冷蔵庫であって、圧縮機と、凝縮器と、流路切替弁と、第一の膨張機構と、前記冷蔵室内に設置された第一の蒸発器と、前記冷蔵室内に設置された第一のアキュームレータと、第二の膨張機構と、前記冷凍室内に設置された第二の蒸発器と、前記冷凍室内に設置された第二のアキュームレータと、前記第二のアキュームレータの表面に配置されたヒータとを備え、前記圧縮機と前記凝縮器と前記流路切替弁と前記第一の膨張機構と前記第一の蒸発器と前記第一のアキュームレータとで閉ループを形成すると共に、前記第一の膨張機構と前記第一の蒸発器と前記第一のアキュームレータに並列になるように前記第二の膨張機構と前記第二の蒸発器と前記第二アキュームレータと逆止弁とを接続し、前記流路切替弁により冷媒の流れを切り替えることで前記冷蔵室と前記冷凍室の冷却を互いに独立して行うものであり、前記冷凍室の冷却を優先するとともに、前記冷凍室の冷却から前記冷蔵室の冷却に切り替わる直前に、前記流路切替弁あるいは前記第二の膨張機構を用いて前記第二の蒸発器への冷媒の流入を遮断した状態で前記ヒータに通電しながら前記圧縮機を運転する制御手段を備えたことを特徴とする冷蔵庫。
  2. 冷蔵室と冷凍室を備えた冷蔵庫であって、圧縮機と、凝縮器と、流路切替弁と、第一の膨張機構と、前記冷蔵室内に設置された第一の蒸発器と、前記冷蔵室内に設置された第一のアキュームレータと、第二の膨張機構と、前記冷凍室内に設置された第二の蒸発器と、前記冷凍室内に設置された第二のアキュームレータとを備え、前記圧縮機と前記凝縮器と前記流路切替弁と前記第一の膨張機構と前記第一の蒸発器と前記第一のアキュームレータとで閉ループを形成すると共に、前記第一の膨張機構と前記第一の蒸発器と前記第一のアキュームレータに並列になるように前記第二の膨張機構と前記第二の蒸発器と前記第二アキュームレータと逆止弁とを接続し、前記流路切替弁により冷媒の流れを切り替えることで前記冷蔵室と前記冷凍室の冷却を互いに独立して行うものであり、前記冷凍室の冷却を優先するとともに、前記冷凍室の冷却から前記冷蔵室の冷却に切り替わる直前に、前記流路切替弁あるいは前記第二の膨張機構を用いて前記第二の蒸発器への冷媒の流入を遮断した状態で前記圧縮機を運転するもので、前記流路切替弁あるいは前記第一の膨張機構を用いて前記第一の蒸発器へ少量の冷媒を流入させながら前記圧縮機を運転する制御手段を備えたことを特徴とする冷蔵庫。
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