JP4044260B2 - ヘッド移動装置およびこれを備えたディスク装置 - Google Patents
ヘッド移動装置およびこれを備えたディスク装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4044260B2 JP4044260B2 JP2000026093A JP2000026093A JP4044260B2 JP 4044260 B2 JP4044260 B2 JP 4044260B2 JP 2000026093 A JP2000026093 A JP 2000026093A JP 2000026093 A JP2000026093 A JP 2000026093A JP 4044260 B2 JP4044260 B2 JP 4044260B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- movable member
- head
- moving device
- head moving
- disk
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Moving Of Heads (AREA)
- Moving Of The Head For Recording And Reproducing By Optical Means (AREA)
- Optical Recording Or Reproduction (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、ディスク装置の光学ヘッドあるいは磁気ヘッドなどの所望のヘッドを一定の経路で往復動させるのに用いられるヘッド移動装置、およびこのヘッド移動装置を備えたディスク装置に関する。
【0002】
ただし、本明細書において単に「ディスク」という場合には、磁気ディスク、光ディスクあるいは光磁気ディスクなどのデータ記憶媒体としての各種のディスクを意味している。また、本明細書において単に「ディスク装置」という場合には、磁気ディスク、光ディスクあるいは光磁気ディスクなどの所定のディスクへのデータの記録、再生、消去を行うための装置、またはそれらのうちの少なくとも1つの処理を行うための装置を意味している。
【0003】
【従来の技術】
周知のとおり、たとえば光磁気ディスク装置において、データの記録・再生処理を行うには、光磁気ディスクの目的のトラックを光学ヘッドによって検出させる動作、すなわちシーク動作を行う必要がある。そこで、従来においては、ボイスコイルモータを利用したヘッド移動装置がある。このヘッド移動装置は、直動型と称されるものであり、具体的には、図7に示すような構造を有している。
【0004】
この従来のヘッド移動装置は、光学ヘッド9をサスペンション95を介して支持するキャリッジ90と、一対のボイスコイルモータVCMとを具備して構成されている。光学ヘッド9は、図示されていない光源装置から水平方向に進行してくるレーザ光を受けると、たとえばこのレーザ光をミラー9aにより上向きに反射させてから対物レンズ9bによって集束させることにより、光磁気ディスクDの記録層上にビームスポットを形成する役割を果たす。各ボイスコイルモータVCMのコイル部93は、キャリッジ90に設けられている。各ボイスコイルモータVCMは、コイル部93への通電により発生される磁界と、マグネット91およびヨーク92による磁束との相互作用により、キャリッジ90を矢印Tgで示すトラッキング方向に移動自在とするものである。キャリッジ90は、トラッキング方向に延びる一対のガイド部材94により、その移動ガイドがなされるように設けられている。
【0005】
このような構成のヘッド移動装置によれば、ボイスコイルモータVCMの駆動により、キャリッジ90および光学ヘッド9をトラッキング方向に所定量だけ移動させることができる。したがって、上述したシーク動作が可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のヘッド移動装置においては、次のような不具合があった。
【0007】
すなわち、光磁気ディスクDへのデータの記録・再生処理を的確に行うには、シーク動作後において、光学ヘッド9を光磁気ディスクDの目的のトラックに追従させる制御(トラッキング制御)を行う必要がある。ところが、このようなトラッキング制御を、上記従来のヘッド移動装置を利用して行わせる場合には、シーク動作の場合と同様に、キャリッジ90の全体をトラッキング方向に移動させることとなる。その一方、キャリッジ90は、光学ヘッド9を適切に支持し得るサイズに形成する必要があるのに加え、一対のガイド部材94によって安定的に支持される形態に形成する必要もあり、キャリッジ90の全体のサイズおよび重量は、ある程度大きくなってしまう。
【0008】
したがって、従来のヘッド移動装置によりトラッキング制御を行う場合には、その際の可動部分の重量(慣性質量)が比較的大きいことに起因して、ボイスコイルモータVCMの駆動に対するキャリッジ90および光学ヘッド9の移動動作の応答性が悪くなっていた。これでは、光磁気ディスクDへのデータ記録・再生処理の高速化を図る場合において、その高速化に対応した迅速かつ的確なトラッキング制御が困難となる。
【0009】
上記した不具合を解消する手段としては、たとえば微小ストロークでの動作が可能な微動アクチュエータ(図示略)をキャリッジ90上に搭載し、この微動アクチュエータを利用して光学ヘッド9をトラッキング方向に移動自在とする手段が考えられる。ところが、このような手段においては、高価な微動アクチュエータをボイスコイルモータVCMとは別個に設けねばならないために、ヘッド移動装置全体のコストが高価となる不具合を生じる。
【0010】
本願発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、製造コストの上昇を抑制しつつ、ディスク装置におけるシーク動作や高速追従性に優れるトラッキング制御を適切に行うことが可能なヘッド移動装置を提供することをその課題としている。また、本願発明は、そのようなヘッド移動装置を備えたディスク装置を提供することを他の課題としている。
【0011】
【発明の開示】
上記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0012】
本願発明の第1の側面によって提供されるヘッド移動装置は、ヘッドを搭載したキャリッジと、このキャリッジを一定方向に往復動させるための駆動力を発生させるボイスコイルモータと、を有している、ヘッド移動装置であって、上記キャリッジは、上記ヘッドを支持し、かつ上記ボイスコイルモータのコイル部を有している第1の可動部材と、ガイド部材による上記一定方向への移動ガイドが可能な第2の可動部材とに分割されているとともに、上記第1の可動部材は、上記一定方向への弾性変形が可能な少なくとも1つのバネ部材を介して上記第2の可動部材に支持されることにより、上記第2の可動部材に対して上記一定方向に相対移動可能となっており、かつ、上記第2の可動部材は、上記第2の可動部材に対して一定寸法を超えて相対移動した上記第1の可動部材の当接を受けて上記第1の可動部材と同方向に移動可能とされていることを特徴としている。
【0013】
このような構成を有するヘッド移動装置においては、上記ヘッドを上記一定寸法以下の短いストロークで移動させる場合には、上記キャリッジの第1の可動部材を第2の可動部材とは独立させて単独で移動させることができる。このようにすれば、上記第2の可動部材を移動させない分だけ、上記キャリッジの可動部分全体の重量を小さくすることができ、上記第1の可動部材および上記ヘッドを上記ボイスコイルモータの駆動に対して応答性良く、迅速に移動させることが可能となる。一方、上記ヘッドを上記一定寸法を超える長いストロークで移動させる場合には、上記第1の可動部材が上記第2の可動部材に当接することによって上記第2の可動部材を押動させることにより、これら第1および第2の可動部材を一緒に移動させることができる。このようにすれば、上記第2の可動部材を上記ガイド部材のガイド作用によって長いストロークにわたって安定させた状態で移動させることができるために、上記第1の可動部材および上記ヘッドについても、それに伴わせて長いストロークにわたって安定した状態で移動させることが可能となる。
【0014】
このように、本願発明に係るヘッド移動装置においては、一定寸法を超える長いストロークにおけるヘッドの安定した移動動作と、一定寸法以下の短いストロークにおけるヘッドの迅速な移動動作との2種類の移動動作を両立させることができる。このため、本願発明に係るヘッド移動装置によって、ディスク装置のヘッドをトラッキング方向に移動させるようにすれば、適正なシーク動作と高速追従性に優れるトラッキング制御とが可能となる。また、本願発明においては、上記したヘッドの2種類の移動動作が、いずれもボイスコイルモータの駆動力を利用して行われる。したがって、ボイスコイルモータとは別の微動アクチュエータを利用してヘッドを微動させる手段と比較すると、ヘッド移動装置のコストを廉価にすることができる。
【0015】
本願発明の好ましい実施の形態においては、上記第2の可動部材は、上記第1の可動部材との間に隙間を形成するようにして上記第1の可動部材を上記一定方向において挟む一対の被押圧部を有している。
【0016】
このような構成によれば、上記隙間の範囲内において上記第1の可動部材を移動させる場合には、この第1の可動部材を上記第2の可動部材とは独立させて移動させることができる。その一方、上記第1の可動部材を上記一対の被押圧部のいずれかに接触または接近させた場合には、その被押圧部を上記第1の可動部材によって押圧することができ、この第1の可動部材を上記第2の可動部材とともに移動させることができる。上記第1の可動部材を上記第2の可動部材とともに移動させることが可能となる。したがって、上記構成によれば、上記第1の可動部材を単独で移動させる動作と第2の可動部材とともに移動させる動作とのいずれかを選択する場合に、その選択を行うための特別な切り替え手段などを別途設けるような必要はなく、キャリッジの構造を簡易にすることができる。
【0017】
本願発明の他の好ましい実施の形態においては、上記第2の可動部材は、上記第1の可動部材を収容する空間部を形成するように間隔を隔てて対向する前壁部および後壁部を有しており、かつこれら前壁部および後壁部のそれぞれの一部が上記一対の被押圧部とされている。
【0018】
このような構成によれば、上記第2の可動部材の空間部内に上記第1の可動部材を収容した構造にできるために、上記第1および第2の可動部材を組み合わせたキャリッジ全体のサイズを小さくするのに有利となる。
【0021】
本願発明の第2の側面によって提供されるディスク装置は、ディスクの半径方向にヘッドを移動させるためのヘッド移動装置を具備している、ディスク装置であって、上記ヘッド移動装置として、本願発明の第1の側面によって提供されるヘッド移動装置が用いられていることを特徴としている。上記ヘッドは、光学ヘッドまたは磁気ヘッドである構成とすることができる。
【0022】
このような構成を有するディスク装置によれば、本願発明の第1の側面によって提供されるヘッド移動装置において説明したのと同様な効果が期待できる。
【0023】
本願発明のその他の特徴および利点については、以下に行う発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0025】
図1〜図6は、本願発明に係るヘッド移動装置およびディスク装置の一例を示している。本実施形態のディスク装置Aは、光磁気ディスクDへのデータ記録とその再生が可能な光磁気ディスク装置であり、図1および図2によく表れているように、光磁気ディスクDを水平に支持して高速回転させるスピンドル10と、光学ヘッド2を矢印Tgで示すトラッキング方向に移動させるためのヘッド移動装置Bと、光源・検出部60とを具備して構成されている。このディスク装置Aは、後述するように、光磁気ディスクDへのデータ記録・再生に必要な磁界を形成するための磁気ヘッドあるいはコイル(いずれも図示略)も具備している。
【0026】
光学ヘッド2は、光磁気ディスクDの記録層にレーザ光をスポット照射する役割を果たすものであり、たとえば対物レンズ20を保持するスライダ21と、ミラー22とを組み合わせて構成されている。この光学ヘッド2は、トラッキング方向に延びる板バネ部材からなるサスペンション3の先端部に支持されており、光磁気ディスクDの下方に配置されるようになっている。スライダ21は、光磁気ディスクDが高速回転するときに、このスライダ21と光磁気ディスクDとの間に空気が流れ込む作用により、光磁気ディスクDの下向き表面に対して微小間隔を隔てて対向(浮上)し、常にその間隔が一定となるように、光磁気ディスクDの面振れ(矢印Fsで示すフォーカス方向の振れ)に追従するようになっている。また、このスライダ21は、サスペンション3の先端部に相対して種々の方向に傾斜可能であり、光磁気ディスクDの表面が傾斜したときにはそれに追従して傾斜することにより、上記表面と一定な関係を維持するようになっている。
【0027】
ミラー22は、光源・検出部60からミラー61を介して水平方向に進行してきたレーザ光を対物レンズ20に入射させるように反射するいわゆる立ち上げミラーとしての役割を果たすものである。このミラー22としては、たとえば三角プリズムを利用したミラーを用いることができる。対物レンズ20は、ミラー22から進行してきたレーザ光を集束させることにより、光磁気ディスクDの記録層にビームスポットを形成するものである。この対物レンズ20は、1枚のレンズによって構成してもかまわないが、複数枚のレンズを組み合わせた構成とすることもできる。ビームスポットの微小化を図り、光磁気ディスクDの記録密度を高める観点からすれば、固体浸レンズなどを含む複数のレンズを組み合わせることにより、対物レンズ20の開口数を高めることが好ましい。スライダ21と光磁気ディスクDの表面との間隔および対物レンズ20からビームスポットが形成される位置までの距離のいずれをも微小にすれば、光磁気ディスクDの面振れに対するスライダ21の追従動作のみによってビームスポットを常に光磁気ディスクDの記録層に適正に形成することが可能である。したがって、このような場合には、フォーカス制御の必要性を無くすことができる。
【0028】
光源・検出部60は、レーザ光を出射する光源としての役割に加え、光磁気ディスクDの記録層にビームスポットを形成したときにこの記録層から反射してくるレーザ光を受けることにより記録データの検出処理やたとえばトラッキンエラー信号の検出処理を行う検出部としての役割をも果たすように構成されている。ただし、光源と検出部とを分離させた構成とすることもできる。光磁気ディスクDにたとえば磁界変調方式によるデータの書き込みや読み取りを行う場合において、ビームスポットの形成箇所に必要磁界を形成する手段としては、たとえば光学ヘッド2に磁界発生用のコイルを搭載しておく手段を採用することができる。このような手段によれば、光学ヘッドとは別に磁気ヘッドを設ける必要がなく、ディスク装置の構造の簡素化を図ることができる。本願発明でいう光学ヘッドとは、このような磁界発生用のコイルを兼備したものも含む概念である。もちろん、本願発明においては、光学ヘッド2とは別の磁気ヘッドを光磁気ディスクDの上方に設けておき、この磁気ヘッドをビームスポットの形成箇所に接近させる手段を採用することもできる。
【0029】
図3および図4によく表れているように、ヘッド移動装置Bは、キャリッジ7と、このキャリッジ7を上記トラッキング方向に往復動させるための一対のボイスコイルモータVCMとを具備して構成されている。各ボイスコイルモータVCM自体の構成は、従来のものと同様であり、コイル部80、ヨーク81およびマグネット82を具備して構成されている。ヨーク81およびマグネット82は、広義の磁気回路を構成するものである。ヨーク81は、強磁性体からなり、たとえば矩形の枠状に形成されている。コイル部80は、ヨーク81のトラッキング方向に延びる直状部分に緩く外嵌している。
【0030】
キャリッジ7は、第1の可動部材7aと第2の可動部材7bとに分割されており、本実施形態は、このキャリッジ7の構成に最大の特徴を有している。第1の可動部材7aは、たとえば略直方体状であり、この第1の可動部材7aの上面部に設けられた支持板70aにサスペンション3の基端部が接合されている。第1の可動部材7aの幅方向両端部には、一対のコイル部80が設けられている。したがって、ボイスコイルモータVCMの駆動力はこの第1の可動部材7aに直接的に作用することとなり、一対のコイル部80への通電ならびにその停止、および通電方向の切り替えを行うことにより、第1の可動部材7aをトラッキング方向において所望量だけ前進または後退させることが可能である。本願発明においては、コイル部80のコイル導線が一部に巻かれたボビンを、第1の可動部材7aとすることができる。
【0031】
図4および図5によく表れているように、第1の可動部材7aのトラッキング方向における前端および後端は、第2の可動部材7bの底部71から上方に立ち上がった2枚の板バネ74a,74bの各上端に取り付けられている。これら2枚の板バネ74a,74bは、トラッキング方向に適度な弾性復元力をもって撓み変形可能であり、これらの下端はたとえば第2の可動部材7bの底部71に固定して取り付けられた固定板76によって支持されている。本実施形態においては、2枚の板バネ74a,74bを用いて第1の可動部材7aを支持させているが、本願発明はこれに限定されず、たとえば1つのバネ部材により、あるいは3以上のバネ部材により、第1の可動部材7aを支持させた構造とすることもできる。第1の可動部材7aの支持を安定させる観点からすれば、本実施形態と同様に、複数のバネ部材を用いることが望ましい。
【0032】
第2の可動部材7bは、底部71の前端および後端のそれぞれから上方に立ち上がった前壁部72および後壁部73を有しており、全体の形態は、上方が開口したボックス状またはボックス状に近い形態とされている。前壁部72と後壁部73との間には空間部が形成されており、この空間部内に第1の可動部材7aや一対の板バネ74a,74bが収容配置されている。このような構成すれば、第2の可動部材7bの外部に第1の可動部材7aや一対の板バネ74a,74bが大きくはみ出さないようにすることができるために、キャリッジ7の全体のサイズを小さくするのに好ましいものとなる。
【0033】
ただし、前壁部72および後壁部73は、これらと一対の板バネ74a,74bのそれぞれの上端との間に適当な隙間s1,s2を形成できる間隔に設けられている。隙間s1,s2の合計寸法は、たとえば1mm程度、あるいは十分の数mm程度である。符号n1,n2で示す前壁部72または後壁部73のそれぞれの上部は、本願発明でいう一対の被押圧部の一例に相当する部分であり、第1の可動部材7aがトラッキング方向に前進または後退したときには、それら一対の被押圧部のいずれか一方が第1の可動部材7aによって押圧可能となっている。前壁部72および後壁部73には、トラッキング方向に延びる一対のロッド状のガイド部材85が貫通している。本実施形態では、第2の可動部材7bは、各ガイド部材85によってその長手方向への移動ガイドがなされるように各ガイド部材85に対して摺動可能としている。なお、第2の可動部材7bにベアリングを取り付け、このベアリングがガイド部材85上を転がり、第2の可動部材7b全体をガイド部材85の長手方向に移動可能とすることもできる。
【0034】
次に、上記構成のヘッド移動装置Bおよびディスク装置Aの作用について説明する。
【0035】
まず、ヘッド移動装置Bにおいては、キャリッジ7の移動動作の態様として、次に述べる2種類の態様が得られる。すなわち、第1の態様は、ボイスコイルモータVCMの駆動力により、第1の可動部材7aを、図5に示した隙間s1,s2の範囲内において微動させる態様である。より具体的には、この第1の態様は、2枚の板バネ74a,74bに撓み変形を生じさせながら、たとえば図6に示すように、板バネ74a,74bのいずれかの上端が第2の可動部材7bの前壁部72または後壁部73に当接するまでの範囲内において、第1の可動部材7aをトラッキング方向に移動させる態様である。この場合、第2の可動部材7bについては、第1の可動部材7aにより押圧されることはないため、静止させておくことができる。したがって、第2の可動部材7bを移動させない分だけ、この第1の態様における可動部分の重量を小さくすることができ、ボイスコイルモータVCMの駆動に対する第1の可動部材7aの移動動作の応答性を良好にすることが可能となる。
【0036】
キャリッジ7の移動動作の第2の態様は、第1の可動部材7aを第2の可動部材7bとともに大きなストロークで移動させる態様である。より具体的には、この第2の態様においては、たとえば図6に示したように、板バネ74aの上端を前壁部72に当接させた状態において、なおも第1の可動部材7aを矢印N1で示す方向に前進させる。このようにすると、前壁部72を第1の可動部材7aにより押圧することができ、第1および第2の可動部材7a,7bをともに前進させることができる。もちろん、板バネ74bの上端を後壁部73に当接させた状態において第1の可動部材7aを後退させれば、第1および第2の可動部材7a,7bをともに後退させることができる。このような第2の態様においては、一対のガイド部材85のガイド作用によって第2の可動部材7bの移動を長いストロークにわたって安定させることができる。一方、第1の可動部材7aは、第2の可動部材7bに支持されており、しかもこの第2の可動部材7bを押動するときにはこの第2の可動部材7bとの相対的な位置関係のずれを生じないようにすることができる。したがって、この第1の可動部材7aについても、第2の可動部材7bと同様に、長いストロークにわたって安定させた移動を行わせることができるのである。
【0037】
ディスク装置Aにおいて、光磁気ディスクDへのデータ記録・再生処理を行うときには、第1の可動部材7aを上記した第2の態様によって移動させることにより、光学ヘッド2をトラッキング方向に長いストロークで安定的に移動させることができる。したがって、シーク動作を適切に行わせることができる。また、その後は光源・検出部60で得られるトラッキングエラー信号に基づいて、第1の可動部材7aを上記した第1の態様によって移動させることにより、光学ヘッド2をトラッキング方向において微動させることができ、トラッキング制御が可能となる。既述したとおり、第1の態様による第1の可動部材7aの移動動作は、ボイスコイルモータVCMの駆動に対する応答性が良いために、高速追従性に優れるトラッキング制御が可能となる。
【0038】
本実施形態のディスク装置Aにおいては、第1の可動部材7aについての上記した第1および第2の態様のいずれの移動動作についても、一対のボイスコイルモータVCMの駆動力を利用して行われている。したがって、たとえば各ボイスコイルモータVCMとは別個の駆動源を用いて第1の可動部材7aをトラッキング方向に微動させる場合と比較すると、ディスク装置の構造が合理的となり、構造の簡素化を図ることが可能となる。
【0039】
本願発明に係るヘッド移動装置およびディスク装置の各部の具体的な構成は、上述した実施形態以外にも種々に設計変更自在である。
【0040】
たとえば、本願発明に係るヘッド移動装置は、光学ヘッドに代えて、磁気ヘッドを移動させるための装置として構成してもかまわない。光学ヘッドと磁気ヘッドのいずれの場合においても、スライダを利用することによりヘッドをディスク上に浮上させるタイプのものと浮上させないタイプのものとがあるが、いずれのタイプにも本願発明を適用することができる。光学ヘッドや磁気ヘッドは、キャリッジに搭載されたフォーカス制御用のアクチュエータなどによって支持されていてもかまわない。なお、本願発明でいう光学ヘッドとは、少なくともビームスポットを形成するための対物レンズを備えたヘッドをいう。また、本願発明でいう磁気ヘッドとは、少なくとも磁界発生用のコイルを備えたヘッドをいう。
【0041】
その他、本願発明に係るディスク装置は、光磁気ディスク装置に限定されず、光磁気ディスクとは異なるディスク(磁気ディスクや光ディスクなど)を駆動させてデータの書き込みあるいは読み取りを行うディスク装置として構成することができることは言うまでもない。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本願発明によれば、ディスク装置におけるシーク動作や高速追従性に優れるトラッキング制御を適切に行うことが可能となる。また、ヘッドを移動させるための駆動源の数を増加させる必要もないため、ヘッド移動装置およびディスク装置の製造コストの上昇も抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係るヘッド移動装置およびディスク装置の一例を示す概略平面図である。
【図2】図1の概略側面図である。
【図3】図1の要部斜視図である。
【図4】図3の一部断面斜視図である。
【図5】図3の要部側面断面図である。
【図6】図5に示す構造の動作説明図である。
【図7】従来技術を示す要部斜視図である。
【符号の説明】
A 光磁気ディスク装置(ディスク装置)
B ヘッド移動装置
D 光磁気ディスク(ディスク)
VCM ボイスコイルモータ
n1,n2 被押圧部
2 光学ヘッド(ヘッド)
7 キャリッジ
7a 第1の可動部材
7b 第2の可動部材
72 前壁部
73 後壁部
74a,74b 板バネ(バネ部材)
80 コイル部
85 ガイド部材
Claims (4)
- ヘッドを搭載したキャリッジと、このキャリッジを一定方向に往復動させるための駆動力を発生させるボイスコイルモータと、を有している、ヘッド移動装置であって、
上記キャリッジは、上記ヘッドを支持し、かつ上記ボイスコイルモータのコイル部を有している第1の可動部材と、ガイド部材による上記一定方向への移動ガイドが可能な第2の可動部材とに分割されているとともに、
上記第1の可動部材は、上記一定方向への弾性変形が可能な少なくとも1つのバネ部材を介して上記第2の可動部材に支持されることにより、上記第2の可動部材に対して上記一定方向に相対移動可能となっており、かつ、
上記第2の可動部材は、上記第2の可動部材に対して一定寸法を超えて相対移動した上記第1の可動部材の当接を受けて上記第1の可動部材と同方向に移動可能とされていることを特徴とする、ヘッド移動装置。 - 上記第2の可動部材は、上記第1の可動部材との間に隙間を形成するようにして上記第1の可動部材を上記一定方向において挟む一対の被押圧部を有している、請求項1に記載のヘッド移動装置。
- 上記第2の可動部材は、上記第1の可動部材を収容する空間部を形成するように間隔を隔てて対向する前壁部および後壁部を有しており、かつこれら前壁部および後壁部のそれぞれの一部が上記一対の被押圧部とされている、請求項2に記載のヘッド移動装置。
- ディスクの半径方向にヘッドを移動させるためのヘッド移動装置を具備している、ディスク装置であって、
上記ヘッド移動装置として、請求項1ないし3のいずれかに記載のヘッド移動装置が用いられていることを特徴とする、ディスク装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000026093A JP4044260B2 (ja) | 2000-02-03 | 2000-02-03 | ヘッド移動装置およびこれを備えたディスク装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000026093A JP4044260B2 (ja) | 2000-02-03 | 2000-02-03 | ヘッド移動装置およびこれを備えたディスク装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001216666A JP2001216666A (ja) | 2001-08-10 |
JP4044260B2 true JP4044260B2 (ja) | 2008-02-06 |
Family
ID=18551863
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000026093A Expired - Fee Related JP4044260B2 (ja) | 2000-02-03 | 2000-02-03 | ヘッド移動装置およびこれを備えたディスク装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4044260B2 (ja) |
-
2000
- 2000-02-03 JP JP2000026093A patent/JP4044260B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001216666A (ja) | 2001-08-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH10334493A (ja) | 光ピックアップアクチュエータ | |
JP4044260B2 (ja) | ヘッド移動装置およびこれを備えたディスク装置 | |
JP2000163786A (ja) | 光ピックアップ装置 | |
JPS6158887B2 (ja) | ||
JP2000090506A (ja) | 光ディスク装置 | |
JP2595712B2 (ja) | 光学的記録再生装置 | |
JP2007207290A (ja) | 光ピックアップ | |
JP2653147B2 (ja) | 光学的記録再生装置 | |
JP2970787B2 (ja) | 対物レンズ制御システム | |
JP2002288857A (ja) | 光ピックアップアクチュエータ | |
JP2001134968A (ja) | 光学ヘッド | |
JPH0140405B2 (ja) | ||
JPH11120572A (ja) | 対物レンズ駆動装置 | |
JP2970788B2 (ja) | 対物レンズ制御システム | |
JPS58171731A (ja) | デイスク再生装置 | |
JP2886970B2 (ja) | 光ディスク装置 | |
JP2003091844A (ja) | 対物レンズ駆動装置、光ピックアップ装置及び光ディスク装置 | |
JPH0922536A (ja) | 光学系駆動装置 | |
JPH11185266A (ja) | 2軸アクチュエータ、光学ピックアップ及び光ディスク装置 | |
JPH0660389A (ja) | 光学ヘッド装置 | |
JPH11273094A (ja) | レンズアクチュエータ | |
JPH04301230A (ja) | レンズ・アクチュエータ支持構造 | |
JPS60261037A (ja) | 対物レンズの2次元駆動装置 | |
JPH0573931A (ja) | 対物レンズ駆動装置 | |
JPH05334694A (ja) | 光ディスク装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070110 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070703 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070828 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20071113 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20071115 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101122 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101122 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111122 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111122 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121122 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121122 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131122 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |