JP4043992B2 - スチレンブタジエン系軟質樹脂架橋発泡体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、従来の軟質塩化ビニルフォームに代わる独立発泡体として好適な軟質樹脂架橋発泡体及びその製造方法に関する。さらに詳細には、塩化ビニルフォームに近い柔軟性と風合いを持ち、さらに難燃性を備えることができるスチレンブタジエン系軟質樹脂架橋発泡体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、各種の軟質樹脂架橋発泡体が提供されているが(例えば特許文献1)、好適な柔軟性と風合いを持ち、また難燃性を有する点で、軟質塩化ビニルフォームに勝る軟質樹脂架橋発泡体は提供されていない。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−60772号公報(第2頁第1欄第2〜9行)
【0004】
一方、塩化ビニル樹脂は、熱分解時にダイオキシン等の有害物質が発生しやすいので環境問題の点で好ましくないことから、これに代替する水素添加スチレンブダジエンブロック共重合体が提案されている(特許文献2)。
【0005】
【特許文献2】
特開2003−10559号公報(第2頁第1欄第27〜31行)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、水素添加スチレンブダジエンブロック共重合体を用いて、軟質塩化ビニル樹脂フォームとほぼ同等の柔軟性と風合いを持ち、また難燃性を有する軟質樹脂架橋発泡体の製造は未だ提供されていない。
【0007】
他方、従来、軟質樹脂架橋発泡体は、軟質樹脂中にフタル酸ジオクチルなどの可塑剤を配合する場合があるが、環境ホルモン等の問題から、非配合の設計が望まれている。
【0008】
本発明の目的は、可塑剤を配合することなく、軟質塩化ビニル樹脂フォームとほぼ同等の柔軟性と風合いを持ち、さらには難燃性を付与することができる、軟質塩化ビニル樹脂フォームに代る軟質樹脂架橋発泡体及びその製造方法を提供するところにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、水素添加スチレンブタジエン系共重合熱可塑性エラストマー樹脂に、少なくとも分解型発泡剤と架橋剤を、80℃以上〜110℃未満の温度範囲にて添加混練して発泡性原料組成物となし、
前記発泡性原料組成物は、前記架橋剤が前記水添スチレンブタジエン系共重合熱可塑性エラストマー樹脂100重量部に対して1.2〜2.0重量部含まれる発泡性原料組成物であって、
この発泡性原料組成物を、140℃以上〜170℃以下の範囲内の温度にて加圧状態下で加熱することにより、架橋発泡させるスチレンブタジエン系軟質樹脂架橋発泡体の製造方法である。
【0010】
これにより、水素添加されたスチレンブタジエン系共重合熱可塑性エラストマー樹脂をマトリックスとする独立気泡の架橋発泡体であって、その見かけ密度が0.08〜0.15g/cm3、表面硬度(スプリング硬さ試験、日本ゴム協会標準規格 SRIS−0101 高分子計器社製、アスカーゴム・プラスチック硬度計、C形、詳細は後述の通り。)が7〜20であって、可塑剤を配合することなく、軟質塩化ビニル樹脂フォームとほぼ同等の柔軟性と風合いを持つ軟質樹脂架橋発泡体を得ることができる。
【0011】
また、前記発泡性原料組成物中に、前記水素添加されたスチレンブタジエン系共重合熱可塑性エラストマー樹脂100重量部に対して、マイクロカプセル化ポリ燐酸アンモニウムが少なくとも10重量部、水和金属酸化物を少なくとも15重量部に含む発泡性原料組成物を用いて、140℃以上〜170℃以下の範囲内の温度にて加圧状態下で加熱して架橋発泡させることにより、塩化ビニル樹脂フォームとほぼ同等の柔軟性と風合いを持ちながら、同時に良好な難燃性をも発揮する軟質樹脂架橋発泡体を得ることができる。
【0012】
【発明の実施の態様】
本発明の製造方法は、前記の方法であれば特に限定されないが、具体例としては以下のとおりである。
水素添加されたスチレンブタジエン系共重合熱可塑性エラストマー樹脂を、80℃又はこれを超える温度でロールにて混練りし、これに架橋剤を除く発泡剤、改質材、発泡助剤などの各配合剤を添加混練した後、架橋剤を添加混練し、110℃未満の温度にてシート状などの発泡性原料組成物とし、これを金型に充填し、10Mpa以上、140℃以上〜170℃以下の範囲内の温度にて加圧、加熱して架橋発泡させる。特に、好適条件として、10Mpa以上、160℃以上〜170℃以下の範囲内の温度にて加圧、加熱して架橋発泡させる場合は、20〜35分間、加圧、加熱し、圧力開放して発泡させることが好ましい。20分未満では良好な発泡体が得難い。35分を越えると、生産性が低下する。なおまた、加熱温度が170℃を超えると、架橋或は発泡の反応が早すぎて、得られる発泡体の表面と芯部の架橋バランスが悪化し、表面側にヤケが生じるため好ましくない。
【0013】
本発明で使用し得る熱可塑性エラストマー樹脂としては、水素添加されたスチレンブタジエン系共重合熱可塑性エラストマー樹脂であれば特に限定されないが、JIS K 7215に規定するディロメータタイプA硬度(HDA)が66〜70の範囲にある水添スチレンブタジエン系共重合熱可塑性エラストマー樹脂を用いることが好ましい。具体的には、旭化成株式会社製、SOE−SSシリーズ、L601の樹脂((HDA 67))を挙げることができる。なお、本発明においてデュロメータタイプA硬度(HDA)の測定条件は以下の通りである。高分子計器株式会社製デュロメータASKER A型と10Nの荷重がかけられる定圧荷重器を用いて、JIS K 7215:1986「プラスチックのデュロメータ硬さ試験方法」記載の方法に準拠し測定した。その際測定サンプルは、30mm×50mm×4mmのピースを12枚作製し、これを2枚重ねることで厚み8mmの測定サンプルとして6回測定した平均をその樹脂のデュロメータタイプA硬度(HDA)の値とした。
【0014】
本発明で使用し得る発泡剤は、前記水素添加されたスチレンブタジエン系共重合熱可塑性エラストマー樹脂の溶融温度以上の分解温度を有する化学発泡剤であれば使用できるが、特に、140℃以上〜170℃以下の温度範囲で分解する様に発泡助剤を用いて分解温度が調整可能な分解型発泡剤が好ましい。例えば、アゾ系化合物のアゾジカルボンアミド、バリウムアゾジカルボキシレート等:ニトロソ系化合物のジニトロソペンタメチレンテトラミン、トリニトロトリメチルトリアミン等;ヒドラジッド系化合物のp,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジッド等;スルホニルセミカルバジッド系化合物のp,p’−オキシビスベンゼンスルホニルセミカルバジッド、トルエンスルホニルセミカルバジッド等を挙げることができる。これらのうち、アゾジカルボンアミドが好ましく、アゾジカルボンアミドとジニトロソペンタメチレンテトラミンとを併用することが特に好ましい。
【0015】
前記発泡剤の使用量は、前記水添スチレンブタジエン系共重合熱可塑性エラストマー樹脂100重量部に対し、通常0.5〜15重量部が好ましい。
【0016】
本発明で用い得る前記発泡助剤としては、尿素を主成分とした化合物、酸化亜鉛、酸化鉛等の金属酸化物、サリチル酸、ステアリン酸等を主成分とする化合物、即ち高級脂肪酸あるいは高級脂肪酸の金属化合物などがある。
その使用量は、前記水添スチレンブタジエン系共重合熱可塑性エラストマー樹脂100重量部に対し、通常0.5〜3.0重量部が好ましい。
【0017】
本発明で用いる架橋剤としては、発泡性原料組成物中で少なくとも水添スチレンブタジエン系共重合熱可塑性エラストマー樹脂の流動開始温度以上の分解温度を有するものであれば使用できるが、所望の発泡体を得るためには、135℃以上、好ましくは165℃以下の温度範囲で架橋反応が生じるような架橋剤が好ましい。特に、加熱により分解され、遊離ラジカルを発生してその分子間もしくは分子内に架橋結合を生じせしめるラジカル発生剤であるところの有機過酸化物が好ましく、例えばジクミルパーオキサイド、1,1−ジターシャリーブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジターシャリーブチルパーオキシヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジターシャリーブチルパーオキシヘキシン、α,α−ジターシャリーブチルパーオキシイソプロピルベンゼン、ターシャリーブチルパーオキシケトン、ターシャリーブチルパーオキシベンゾエートなどを挙げることができる。これらのうち、ジクミルパーオキサイドが特に好ましい。
【0018】
前記架橋剤の使用量は、前記水添スチレンブタジエン系共重合熱可塑性エラストマー樹脂100重量部に対し、1.2〜2.0重量部が好ましい。前記架橋剤が1.2重量部未満である場合、架橋が不十分となり、発泡直後の気泡膜強度が不充分でガス抜けしてしまい、発泡体とならなかった。前記架橋剤が2.0重量部を超えると、過剰に架橋し、発泡倍率が上がり難く、発泡体が硬くなって、塩化ビニル樹脂フォームとほぼ同等の柔軟性と風合いを持つことが困難となる。特に本発明では、1.5〜1.9重量部が好ましい。
【0019】
本発明では難燃剤を用いることができるが、従来使用されてきたハロゲン含有の難燃剤や重金属の酸化物含有の難燃剤は環境衛生上好ましくない。環境への悪影響の少ない難燃剤として、ポリ燐酸アンモニウムと水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムのような水和金属酸化物を併用する。ポリ燐酸アンモニウムとしては、マイクロカプセル化されたポリ燐酸アンモニウムを使用することが好ましい。マイクロカプセル化されたポリ燐酸アンモニウムと水和金属酸化物を併用する場合、その使用量は、前記水添スチレンブタジエン系共重合熱可塑性エラストマー樹脂100重量部に対し、通常、10〜30重量部が好ましく、15〜25重量部が特に好ましい。また、前記水和金属酸化物は、前記水添スチレンブタジエン系共重合熱可塑性エラストマー樹脂100重量部に対し、通常、15〜40重量部が好ましく、20〜30重量部が特に好ましい。前記難燃剤の各成分が前記数値より少ないと、難燃性を十分発揮することができず、多すぎると発泡化が困難となり、塩化ビニル樹脂フォームとほぼ同等の柔軟性と風合いを持つことが困難となる。前記水添スチレンブタジエン系共重合熱可塑性エラストマー樹脂100重量部に対し、マイクロカプセル化されたポリ燐酸アンモニウムを10〜30重量部、前記水和金属酸化物を15〜40重量部とすることによって、得られた軟質架橋発泡体が塩化ビニル樹脂フォームとほぼ同等の柔軟性と風合いを持ちながら、難燃性を発揮することができる。なお、前記水和金属酸化物の中で、水酸化アルミニウムが特に好ましい。
【0020】
本発明では、さらに配合材成分として、必要に応じて改質材、顔料、充填材など各種の公知の添加剤、配合材を添加配合することができる。また発泡体のマトリックス成分として、前記水添スチレンブタジエン系共重合熱可塑性エラストマー樹脂のほかに、合成ゴムなどを混練することにより、さらに柔軟性並びに密着性などを持たせる事が出来る。
【0021】
【実施例】
(実施例1)
水添スチレンブタジエン系共重合熱可塑性エラストマー樹脂(旭化成株式会社製、SOE−SSシリーズ、L601の樹脂((HDA 67)))100重量部を加圧ニーダーにより90℃の温度にてよく混練する。ついで、該樹脂100重量部に対して、下記の配合剤を添加する。
【0022】
発泡剤として
アゾジカルボンアミド[ADCA] 6.17重量部
ジニトロソペンタメチレンテトラミン[DPT] 0.20重量部
発泡助剤として
尿素系化合物 [三協化成(株) 商品名:セルトンNP]0.40重量部
酸化亜鉛 0.50重量部
ステアリン酸 1.0重量部
架橋剤として
ジクミルパーオキサイド 1.75重量部
難燃剤として
マイクロカプセル化ポリ燐酸アンモニウム 15重量部
(クラリアントジャパン(株) 商品名:Exolit AP 462)
水酸化アルミニウム 20重量部
そして、100〜110℃でさらによく混練し、1mm厚のシート状の未架橋未発泡の発泡性組成物を得た。次いで、この発泡性組成物を厚さ15mm(内寸)の金型に充填し、160℃、10Mpaで、25分間、加熱加圧した後圧力開放し、密度が0.099g/cm3で、表面硬度(C形)が10.3、平均気泡径が0.16mm、厚さが約30mmであって、難燃性を有しながら、軟質塩化ビニル樹脂フォームとほぼ同等の柔軟性と風合いがあり、密着性及び熱融着性に優れた独立気泡の架橋発泡体を得た。
【0023】
得られた発泡体の物性を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
また実施例1の架橋発泡シートは、表1に示す様に、従来の軟質塩化ビニル樹脂フォームと比較して、引張最大点荷重、引裂強度、吸水率に優れており、中でも引張伸張率は3倍以上の性能を発揮している。なお、比較対象となる従来の軟質ビニル樹脂フォームは、見かけ密度0.110g/cm3、表面硬度(C形)7.3、引張最大点荷重18.7N、引張伸張率66.8%、引裂強度14.3N/cm、圧縮永久歪(25%)2.09%、吸水率0.664g/cm3である。
【0026】
表1中、物性評価の試験条件は下記のとおりである。前記従来の軟質ビニル樹脂フォームの前記各評価も下記と同様の試験条件で行なった。
[平均気泡径]
ASTM D2842-69の試験方法に準拠し測定した。すなわち試験体をMD方向(押出方向)、TD方向(面方向にあった押出方向に直行する方向)及びVD方向(厚み方向)に沿って切断し、それぞれの切断面のカット面外側より1/10〜9/10以上内側を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S-3000N)で17〜20倍(場合により200倍)に拡大して撮影する。撮影した画像をA4用紙上に4画像づつ印刷し、夫々の方向に平行な任意の一直線上(長さ60mm)にある気泡数から気泡の平均弦長(t)を下記式により算出した。但し任意の直線はできる限り気泡が接点でのみ接しないようにした(接してしまう場合は気泡数に含める)。計測は6ヶ所とした。
平均弦長 t=60/(気泡数×写真の倍率)
そして次式により各方向における気泡径を算出した。
D=t/0.616
さらにそれらの算術平均を平均気泡径とした。
平均気泡径(mm)=(DMD+DTD+DVD)/3
また、試験片厚みが薄く、VD方向に60mm長さ分の気泡数を数えられない場合は、30mm又は20mm分の気泡数を数えて60mm分の気泡数に換算した。
【0027】
[熱伝導率]
(JIS A1412−2 熱絶縁材の熱抵抗及び熱伝導率の測定方法−第2部:熱流計法(HFM法))
装 置:AUTO−Λ HC−072(英弘精機産業(株)製)
試験片:幅200mm×長さ200mm×厚さ25mm全面切断面
測定方法:1温度測定(20℃)
【0028】
[吸水率測定]
(JIS K6767 発泡プラスチック−ポリエチレン−試験方法)B法
試験片: 幅100mm×長さ100mm×厚さ25mm全面切断面 試験数:3
試験方法:24時間吸水後、エタノールに5秒間浸漬し60℃5分間乾燥。さらに60℃24時間乾燥する。
吸水率Qv(g/cm3)=(W1−W2)/V
W1(g):60℃で5分間乾燥後の質量、W2(g):60℃で24時間乾燥後の質量
V(cm3):試験片の体積
【0029】
[引張試験]
(JIS K6767 発泡プラスチック−ポリエチレン−試験方法準拠)
試験装置:テンシロン万能試験機 UCT−10T((株)オリエンテック製)
試験片:ダンベル状1号形(JIS K6251と同じ) チャック間隔:70mm
試験速度:500mm/min 試験数:5
試験片状態調節・試験環境:20±2℃ RH65±5% 24時間以上
【0030】
[引裂試験]
(JIS K6767 ポリエチレンフォーム試験方法)
試験装置:テンシロン万能試験機 UCT−10T((株)オリエンテック製)
試験片:K6767試験片 試験速度:500mm/min チャック間隔:50mm
試験片状態調節・試験環境:20±2℃ RH65±5% 24時間以上 試験数:5
引裂強さ(N/cm)=最大荷重(N)/試験片厚さ(cm)
【0031】
[表面硬度(スプリング硬さ試験)]
(日本ゴム協会標準規格 SRIS−0101 膨張ゴムの物理試験方法)
試験装置:アスカ−ゴム・プラスチック硬度計 C形(高分子計器(株)製)
試験片:幅100mm×長さ100mm×厚さ25mm 試験数:5
試験片状態調節・試験環境:23±2℃ 1時間以上
試験方法:荷重1000gf下 30秒後の値を測定
【0032】
[圧縮試験]
(JIS K6767 発泡プラスチック−ポリエチレン−試験方法準拠)
試験装置:テンシロン万能試験機 UCT−10T((株)オリエンテック製)
試験片:幅50mm×長さ50mm×厚さ25mm 試験数:3
試験速度:10mm/min
試験片状態調節・試験環境:20±2℃ RH65±5% 24時間以上
【0033】
[圧縮永久ひずみ試験]
(JIS K6767 発泡プラスチック−ポリエチレン−試験方法 準拠)
試験装置:圧縮永久歪試験器 FCS−1型(高分子計器(株)製)
試験片:幅50mm×長さ50mm×厚さ25mm 試験数:3
圧縮割合:25、75(%)
測定方法:標準状態にて圧縮状態で22時間放置し取り出して24時間放置する。
試験片状態調節・試験環境:20±2℃ RH65±5% 24時間以上
圧縮永久ひずみ(%)=(初めの厚さ(mm)−試験後の厚さ(mm))/初めの厚さ(mm)×100
【0034】
[燃焼性試験]
UL−94:1993「機器の部品用プラスチック材料の燃焼性試験」20mm垂直燃焼試験(94V-0、94V-1または94V-2)記載の方法で測定した。
測定方法
試験体の大きさは125mm×13mm×厚さ10mmとし、1組5枚試験した。試験体の縦軸を垂直にして、上部6mmの位置で試験体を固定し、その下端が最大6mmの自然な厚さまで薄くした1枚の水平で乾燥した外科用脱脂綿(50×50mm)から300mm上にあるようにし、高さ20mmの青い炎が出るように調整されたバーナーで炎を試験体下縁の中心点を中心にバーナーの先端が試験体下端から10mm下にあるようにして10秒間あて続けた。その後、バーナーを150mm以上遠ざけて残炎時間(t1)を測定した。さらに残炎が止むと直ちにバーナーで試験体の残存部分から10mmの位置に再度接炎し、10秒後バーナーを150mm以上遠ざけて残炎時間(t2)及び残燼時間(t3)を測定した。適合または不適合の基準はUL94に規定されるとおりである。
【0035】
[促進曝露試験]
(JIS A1415 プラスチック建築材料の促進曝露試験方法)
照射装置:サンシャインスーパーロングライフウェザーメーターWEL−SUN−HC・B型(スガ試験器(株)製)
試験片:各評価用サイズ
照射条件:ブラックパネル温度(63℃)、スプレー噴霧タイプ(18分/120分)
試験槽温度(43℃)、湿度(30%)
照射時間:0,100,150,200,300時間
【0036】
(実施例2)
難燃剤として、前記水添スチレンブタジエン系共重合熱可塑性エラストマー樹脂100重量部に対して、
マイクロカプセル化ポリ燐酸アンモニウム 15重量部
(クラリアントジャパン(株) 商品名:Exolit AP 462)
水酸化アルミニウム 10重量部
とした以外は、実施例1と同様にして、架橋発泡シートを得た。この架橋発泡体も、実施例1と同様、難燃性を有しながら、軟質塩化ビニル樹脂フォームとほぼ同等の柔軟性と風合いがあり、密着性及び熱融着性に優れた独立気泡の架橋発泡体を得た。
【0037】
(実施例3)
難燃剤として、前記水添スチレンブタジエン系共重合熱可塑性エラストマー樹脂100重量部に対して、
マイクロカプセル化ポリ燐酸アンモニウム 15重量部
(クラリアントジャパン(株) 商品名:Exolit AP 462)
水酸化アルミニウム 2重量部
とした以外は、実施例1と同様にして、架橋発泡シートを得た。この架橋発泡体も、実施例1と同様、軟質塩化ビニル樹脂フォームとほぼ同等の柔軟性と風合いがあり、密着性及び熱融着性に優れていたが、難燃性が低下した独立気泡の架橋発泡体を得た。
【0038】
(実施例4)
難燃剤を含まない以外は、実施例1と同様にして、架橋発泡体を得た。この架橋発泡体は、難燃性は乏しいが、実施例1と同様、軟質塩化ビニル樹脂フォームとほぼ同等の柔軟性と風合いがあり、密着性及び熱融着性に優れた独立気泡の架橋発泡体を得た。
【0039】
【発明の効果】
本発明は、水素添加スチレンブタジエン系共重合熱可塑性エラストマー樹脂に、140℃以上〜170℃以下の温度範囲で分解する分解型発泡剤と135℃以上〜165℃以下の温度範囲で反応する架橋剤を、80℃以上〜110℃未満の温度範囲にて添加混練して発泡性原料組成物となし、
前記発泡性原料組成物は、前記架橋剤が前記水添スチレンブタジエン系共重合熱可塑性エラストマー樹脂100重量部に対して1.2〜2.0重量部含まれる発泡性原料組成物であって、
この発泡性原料組成物を、140℃以上〜170℃以下の範囲内の温度で加圧状態下で加熱することにより架橋発泡させて得られるスチレンブタジエン系軟質樹脂架橋発泡体である。
従って、可塑剤を配合することなく、軟質塩化ビニル樹脂フォームとほぼ同等の柔軟性と風合いを持ち、軟質塩化ビニル樹脂フォームに代る軟質樹脂架橋発泡体を提供することができた。
【0040】
また、さらに、前記水素添加されたスチレンブタジエン系共重合熱可塑性エラストマー樹脂100重量部に対して、マイクロカプセル化ポリ燐酸アンモニウムが少なくとも10重量部、水和金属酸化物が少なくとも15重量部、前記発泡性原料組成物中に含まれている発泡性原料組成物を用いて、前記のとおり架橋発泡させることにより、軟質塩化ビニル樹脂フォームとほぼ同等の柔軟性と風合いを持ちながら、難燃性を更に備えた軟質樹脂架橋発泡体を得ることができる。
【0041】
従って、本発明の軟質樹脂架橋発泡体は、従来の軟質塩化ビニル樹脂フォームに代替する製品として提供できるに至ったものであり、従来の軟質塩化ビニル樹脂フォームに適用されていたあらゆる用途に適用できる。例えばパッキング材、目地材、保温材、防水材、断熱材、消音材、保護緩衝材などを挙げることができる。またダクト部材にも好適に用いることができる。また、本発泡体は、多様な色づけが出来、又柔軟性に富んでいるために、雑貨部材、玩具等にも使用できる。また、本発泡体は、衝撃吸収性があるために、介護部材等にも適用できる。
Claims (6)
- 水素添加スチレンブタジエン系共重合熱可塑性エラストマー樹脂に、少なくとも分解型発泡剤と架橋剤を、80℃以上〜110℃未満の温度範囲にて添加混練して発泡性原料組成物となし、
前記発泡性原料組成物は、前記架橋剤が前記水添スチレンブタジエン系共重合熱可塑性エラストマー樹脂100重量部に対して1.2〜2.0重量部含まれる発泡性原料組成物であって、
この発泡性原料組成物を、140℃以上〜170℃以下の範囲内の温度で加圧状態下で加熱することにより、架橋発泡させるスチレンブタジエン系軟質樹脂架橋発泡体の製造方法。 - 前記水添スチレンブタジエン系共重合熱可塑性エラストマー樹脂を少なくとも80℃で混練し、これに架橋剤を除く配合剤を添加混練した後、架橋剤を添加混練し、110℃未満の温度にて発泡性原料組成物を得る請求項1記載のスチレンブタジエン系軟質樹脂架橋発泡体の製造方法。
- 前記水素添加されたスチレンブタジエン系共重合熱可塑性エラストマー樹脂100重量部に対して、マイクロカプセル化ポリ燐酸アンモニウムが少なくとも10重量部、水和金属酸化物が少なくとも15重量部、前記発泡性原料組成物中に含まれている請求項1又は2記載のスチレンブタジエン系軟質樹脂架橋発泡体の製造方法。
- 水素添加されたスチレンブタジエン系共重合熱可塑性エラストマー樹脂をマトリックスとする独立気泡の架橋発泡体であって、その見かけ密度が0.08〜0.15g/cm3、表面硬度(C形)が7〜20であるスチレンブタジエン系軟質樹脂架橋発泡体。
- 前記水素添加されたスチレンブタジエン系共重合熱可塑性エラストマー樹脂100重量部に対して、ポリ燐酸アンモニウムが少なくとも10重量部、水和金属酸化物が少なくとも15重量部含まれ、可塑剤が含まれていない請求項4記載のスチレンブタジエン系軟質樹脂架橋発泡体。
- 請求項5記載の軟質樹脂架橋発泡体を備えたダクト部材。
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Applications Claiming Priority (1)
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Publications (2)
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