JP4043716B2 - フィルタカートリッジ、特に内燃機関用フィルタカートリッジ - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明はフィルタカートリッジ、特に内燃機関用フィルタカートリッジに関するものである。
【０００２】
より具体的に言うと、本発明は長手方向両端部間で中心軸線に沿って延在する管状のフィルタエレメントを備えるフィルタカートリッジに関するものである。このフィルタエレメントは、一方で外側円筒面を有するとともに他方で流体を流すための中央通路を形成する内側円筒面を有している。前記フィルタエレメントは、軸方向に端部を有する連続するプリーツを形成する多孔質可撓性シートから作られている。これらプリーツは、半径方向平面における断面で見た時、全てが同じ角度方向に湾曲されたベーンを形成している。各ベーンは、それぞれ上側面および下側面となる前記多孔質シートの２つの部分を備えるとともに、各面が凹面および凸面を有している。各ベーンの各上側面および各下側面は、前記フィルタカートリッジの前記内側円筒面に隣接する内側端部と前記フィルタカートリッジの前記外側円筒面に隣接する外側端部との間に延在している。各ベーンの前記上側面および前記下側面はそれらの外側端部と同一平面内で結合されている。各ベーンの前記下側面はそれら内側端部と同一平面内で隣接するベーンの上側面と結合されるとともに、前記多孔質シートは前記異なる下側面と前記上側面とが互いに離間して保持されるとともに前記多孔質シートに剛性を与える分離部材を有している。
【０００３】
【従来の技術】
米国特許文献 US-A-2 801 009 には、そのようなフィルタカートリッジの一例が開示されている。この発明の欠点は、工業規模で製造するには比較的複雑でかつ細心の注意が必要とされることである。特に、フィルタエレメントのプリーツとして形成された湾曲したベーンの正確な形状を信頼性および再現性を持って制御することは難しいからである。
【０００４】
上述した文献に記載されたベーンは濾過紙に形成された半径方向のエンボシングのために非常に堅固なものとなっているという事実のためにベーンの正確な形状を制御することがより一層難しいものとなっている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、特にこれら欠点を改善することである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
この目的のために、本発明は、各ベーンの前記下側面および前記上側面が前記分離部材によって補強されずかつ前記フィルタエレメントの長手方向両端部間の前記フィルタエレメントの中心軸線と平行に延在するヒンジを形成する最小抵抗線を有し、それ故にこれら最小抵抗線が各下側面および各上側面を少なくとも３つのパネルに分割するとともに、半径方向平面の断面で見てこれら最小抵抗線の１つによって互いに結合された隣接するこれらパネルが１１０゜から１７５゜の角度を成すことを主たる特徴とする当該タイプのフィルタカートリッジを提供するものである。
【０００７】
ヒンジを形成するこれら軸方向の線により、フィルタエレメントにプリーツとして形成されたベーンの湾曲形状をよりよく制御することができる。これによりフィルタの製造工程がより簡単なものとされるとともに製品の信頼性も向上させることができる。
【０００８】
本発明の好ましい実施形態においては、以下の特徴のうち１つおよび／または他のものを組み合わせることができる。
【０００９】
前記フィルタエレメントの多孔質シートは、前記異なるベーンの下側面および上側面を互いから分離するとともに前記フィルタエレメントの長手方向軸線に垂直な線に沿って延在する隆起部を有する。これら隆起部は直線の前記最小抵抗線に沿って前記多孔質シートに本質的に悪影響を生じさせることなく途切れ途切れに設けられている。
【００１０】
前記隆起部は前記最小抵抗線に沿って前記多孔質シートの厚みを本質的に押しつぶすことなく形成されている。
【００１１】
前記隆起部は前記フィルタエレメントの前記多孔質シートにわずかに型押しされた加圧線によって途切れている。これら加圧線は前記ベーンの各上側面および各下側面の凹面上に形成されている。
【００１２】
前記フィルタエレメントの多孔質シートは、前記異なるベーンの前記下側面および前記上側面を互いに分離する型押しされた突起を有している。前記多孔質シートはこれら突起を有していない滑らかな軸方向のストリップを有し、これら軸方向のストリップは前記最小抵抗線を形成している。
【００１３】
前記フィルタエレメントの多孔質シートは、前記異なるベーンの前記下側面と前記上側面とを互いに離間して維持させる組立式分離部材を有している。前記多孔質シートはこれら分離部材のない滑らかな軸方向のストリップを有し、これら軸方向のストリップは前記最小抵抗線を形成している。
【００１４】
前記組立式分離部材は接着剤の線である。
【００１５】
前記最小抵抗線によって区切られた前記パネルは実質的に平坦である。
【００１６】
前記最小抵抗線によって区切られた前記パネルは、半径方向外側に向かって１つのパネルから隣のパネルへと一定幅あるいは増加する幅を有している。
【００１７】
前記フィルタエレメントの前記多孔質シートは、前記異なるベーンの前記下側面と前記上側面とを互いに離間し続ける分離部材を備えている。ベーンの各下側面は同じベーンの前記上側面および隣接するベーンの前記上側面の両方と前記分離部材を介して当接している。これにより、各隣接する下側面および上側面は、前記隣接する上側面および下側面の間に前記隣接する下側面および上側面の前記内側端部から外側に位置する前記外側端部にかけて実質的に一定の空間を形成する自由空間を形成している。前記フィルタエレメントの前記全ての下側面および上側面は、半径方向平面において実質的に同一の面積を有するとともに、同じベーンの前記下側面の前記外側端部と前記上側面の前記外側端部とは、前記フィルタエレメントの前記外側円筒面と実質的に平行に延在する端面によって互いに結合されている。
【００１８】
各下側面は、半径方向平面において前記フィルタエレメントの、第１直径ｄを有する前記内側円筒面に沿う第１曲線距離ｌと、同じ半径方向平面において、第２直径Ｄを有する前記外側円筒面に沿う第２曲線距離Ｌとによって隣接する上側面から分離されている。前記第１曲線距離と前記第２曲線距離との比ｌ／Ｌは、前記第１直径と前記第２直径との比ｄ／Ｄと実質的に等しい。
【００１９】
前記フィルタエレメントの各ベーンの前記端面は、半径方向平面において実質的に直線な断面を有している。前記端面は折り曲げによって形成された２つの軸方向端部によって前記ベーンの前記下側面と前記上側面とを結合している。
【００２０】
本発明の他の特徴および他の有利な点は以下に述べるいくつかの実施形態および添付した図面から明らかとなる。また、これら実施形態は例として挙げたものであり本願発明をこれら実施形態に制限するものではない。
【００２１】
【発明の実施の形態】
図面において、同じあるいは同様の部材には同じ符号を使用している。
【００２２】
図１および図２はフィルタカートリッジ１を示す。このフィルタカートリッジは、たとえば液体燃料あるいは空気でエンジン内が満たされるような内燃機関の潤滑油を濾過するのに使用することができる。
【００２３】
このフィルタカートリッジは、管状のフィルタエレメント２と、２枚のエンドプレート３と、オプションとして設けることのできる剛性を有し複数の穿孔が設けられた内部チューブ６（図２参照）とを備えている。
【００２４】
管状のフィルタエレメント２は、中心軸線Ｚのまわりを１周するように配置されるとともに、２つの長手方向端部間で軸方向に延在している。このフィルタエレメントは、プリーツを備えた、可撓性を有する多孔質シート、たとえば紙などから作られている。
【００２５】
２枚のエンドプレート３は、たとえばフィルタエレメントの２つの長手方向端部のそれぞれを覆う金属製の環状クラウン形態を有するものである。これらエンドプレートは密封性を良くするために特に接着によってこれら端部に取り付けられている。各エンドプレート３は内側端部４と外側端部５との間で半径方向に延在している（図２参照）。これにより２つのプレートの外側端部５がフィルタエレメント２を取り囲むとともにその外側円筒表面を規定している。
【００２６】
内部チューブ６は、軸線Ｚを中心に配置されるとともに内部チューブの端部にこれらプレートの内側端部４が重ねて設けられている。この複数の穿孔が設けられたチューブは、濾過された潤滑油を流すための中央通路を形成するとともに、フィルタエレメント２の内側表面を規定するものである。
【００２７】
この複数の穿孔が設けられたチューブ６は選択的に省略することができる。この場合、フィルタカートリッジを製作する際にチューブあるいはそれと同等のものをフィルタエレメント２の内側に一時的に配置して、製造終了後、このチューブをフィルタエレメントから取り除いている。
【００２８】
図２および図４に示すように、濾過紙２はベーンの形を想定させる、軸方向端部を有する環状に連続するプリーツ７を形成している。これらプリーツは、半径方向平面の断面で見た場合、全て同じ環状方向に曲げられている。
【００２９】
湾曲したベーンの形態を有するこれらプリーツ７のそれぞれは、濾過紙のシート部に２つの部分を有している。これら２つの部分とは、それぞれ凹面および凸面を有する上側面８および下側面９として示した部分のことである。
【００３０】
これら下側面および上側面は、同じベーン７内およびある１つのベーンからその隣のベーンに至るまで全て同一（半径方向平面の断面で見た場合、同じ形状および同じ長さ）である。
【００３１】
２つの隣接するベーン７の下側面および上側面は、穿孔されたチューブ６と当接するように配置された１つの折曲部１０によってこれらの内側端部と同じ高さで接合されている。
【００３２】
さらに、各ベーン７の上側面８および下側面９の半径方向外側端部は、フィルタエレメントの外側円筒面と実質的に平行に延在する端面１１によって互いに接合されている。
【００３３】
図２および図４に示す実施形態において、端面１１がいずれの半径方向平面においても実質的に直線となる部分を有するように、各ベーンの端面１１は軸方向端部を形成する２つの折曲部１２を介して各ベーンの上側面８と下側面９とを接合している。したがって、これら異なるベーンの端面１１はフィルタエレメント２の外側円筒面の輪郭と略一致する。
【００３４】
しかしながら、これらベーンの端面１１を、好ましくは実質的にフィルタエレメント２の外側円筒面の輪郭と（半径方向断面において）一致する、特に角あるいは丸みのある形状を有した別の形状とすることもできる。
【００３５】
さらにまた、濾過紙２は交番波形を形成させるようにエンボス加工されており、波形の各部位は図３および図４に示すように半径方向に延在している。
【００３６】
濾過紙が折り曲げられるとこれらの隆起部１３が互いに当接するようになり、これら隆起部の間に複数の通路が形成されるとともに、これら通路の１つ１つもまた半径方向に延在するようになる。
【００３７】
隆起部１３および通路１４により内側の折曲部１０がその形状において比較的丸みをおびて形成されていることに留意しなければならない。
【００３８】
本発明によれば、通路１４と同一平面内において各上側面９と各下側面８との間を隔てる空間ｅは、これら上側面および下側面の内側端部から、この内側端部よりも外側にあるこれら上側面および下側面の外側端部にかけて実質的に一定を保つよう保証されている。
【００３９】
実質的に一定な空間とはフィルタエレメントの外側に向かってサイズ的に増加しないことを意味するものであり、この空間は上側面および下側面の内側端部および外側端部の近傍で実質的に同じとなっている。
【００４０】
言い換えれば、各ベーン７の下側面および上側面は隆起部１３を介する相互接触となっているとともに、これら面間にフィルタエレメントの内側円筒面から外側円筒面まで実質的に一定の通路断面を有する自由空間を規定し、かつこれらベーン７自身もまた隆起部１３によって相互接触している。自由空間はフィルタエレメントの内側円筒面から、この内側円筒面よりも外側にある外側円筒面に向け実質的に一定の通路断面を有する下側面および上側面の間に形成されている。
【００４１】
２つのベーン７の間に位置する空間ｅの値は、選択的に同じベーンの下側面と上側面との間の空間ｅの値と異なるようにすることができる。
【００４２】
しかしながら、好ましい実施形態において、空間ｅは全ての下側面と上側面との間で同じである。この空間は好適に濾過紙の厚さの２倍よりも小さいことが望ましく、ごく普通に使用される例としては、その厚みが１mm以下のものが一般的である。
【００４３】
たとえば、空間ｅを０．６〜０．８mmのオーダにするとともに濾過紙の厚みを０．４〜０．６mmとすることもできる。
【００４４】
異なる（隣り合う）上側面と下側面との間に実質的に一定の空間を作り出すために以下の２つのことが必要である。
【００４５】
第１に、異なる上側面および下側面は全て、半径方向平面において、実質的に（Ｄ²＋ｄ²）／４ｄと等しくなる同じ曲線長さを有すること。ここで、Ｄおよびｄはそれぞれ、フィルタエレメント２の外径および内径である。
【００４６】
第２に、ベーン７は完全に一致する湾曲線に従うこと。すなわち、異なるベーン７を半径方向に対して明確に規定された形状に配置することである。
【００４７】
より具体的に述べると、ベーンの下側面および上側面によって従わされた湾曲線は、軸線Ｚを中心とした直径ｘの円上に配置されたこれら下側面および上側面のいずれの点でもつぎの関係式が成り立つようになっている。その関係式は以下の通りである。
ｓｉｎ α＝ｄ／ｘ
【００４８】
ここで、αはある任意の点における上述した円（直径ｘの円）の接線と下側面あるいは上側面の接線とによって形成された角度である。この角度は半径方向平面内で測られたものである。
【００４９】
また、ｄはフィルタエレメント２の内径である。
【００５０】
ベーン７のこの特別な形状を得るため、複数の最小抵抗線（lines of least resistance）１５（図４参照）が各ベーンの下側面および上側面に設けられている。これら最小抵抗線１５はそれぞれ、フィルタカートリッジの２つの長手方向端部の間で軸線Ｚと平行に延在している。
【００５１】
これら最小抵抗線１５は、有利にはフィルタエレメントの多孔質シートにわずかに押しつけられた加圧線の形態で形成されている。この加圧線はベーン７の曲げを開始するため上側面および下側面の凹面上に形成されている。
【００５２】
当該加圧線は隆起部を単に分割したりあるいはなくしたりするのに役立つものである。これにより、最小抵抗線１５が直線となり、ヒンジとしての役目を果たすことができるようにしている。
【００５３】
しかしながら、これら加圧線は折曲線１０，１２とは違って、実際上濾過紙の劣化を引き起こすことはなく、また本質的にこの濾過紙の不可逆的なつぶれを誘発することもない。
【００５４】
たとえば、折り曲げる前に、たとえば線１５と同一平面内にあるペーパーの濾過能力をできるだけ減らすように、最小抵抗線と同一平面内にある濾過紙の厚みを濾過紙の通常の厚みの７０〜１００％とすることができる。
【００５５】
最小抵抗線１５が各上側面および下側面と同じ平面内で少なくとも２本存在する場合（最小抵抗線は３本にすることもできる）、少なくとも３つの軸方向パネル１６に上側面および下側面がそれぞれ分割される（図に示した例では４つのパネルとなっている）。
【００５６】
これらパネル１６は実質的に平坦であるとともに、最小抵抗線１５の同じ高さ位置における半径方向平面で測って、パネル全体が成す角度（内角）をたとえば１１０゜〜１７５゜の間の範囲とすることができる。
【００５７】
異なるパネル１６の幅は、各下側面および上側面の外側方向に向かう半径方向で１つのパネルから隣のパネルに向けて一定にしたりあるいは選択的に増加させることもできる。
【００５８】
さらに、ベーンの端面１１の幅は、フィルタエレメントの外側円筒面に沿って測られたベーンの上側面８と下側面９との間の曲線距離ＬがＬ／ｌ＝Ｄ／ｄとなるように決められる。
【００５９】
ここで、ｌは上述した半径方向平面内でのフィルタエレメントの内側円筒面に沿って測られたベーンの上側面８と下側面９との間の曲線距離である。
【００６０】
また、ｄおよびＤはそれぞれ、フィルタエレメント２の内径および外径である。
【００６１】
同じ曲線距離ｌおよびＬは、２つの異なるベーン７に属する上側面８と下側面９との間にも見られる。ただし、上述した空間ｅがベーンの内側と外側とで異なる場合を除くものとする（この場合、２つのベーン間の曲線距離がｌ´およびＬ´がＬ´／ｌ´＝Ｄ／ｄで表される）。
【００６２】
他の実施形態を図５に示す。この実施形態において、濾過紙の隆起部１３は、濾過紙の一面および他面に交互に突出するように型押しされるとともにフィルタエレメントが折り曲げられたときに局部的に相互当接するように軸線Ｚに垂直な線に沿って配置された突起（boss）１７に置き換えられている。フィルタエレメント２の異なる上側面および下側面を互いから離間させるため、上述した実施形態のように実質的に一定の幅を有する自由空間を設けたものである（しかしながら、ここでいう自由空間はもはや通路の形状を有するものではない）。
【００６３】
突起線は、濾過紙に突起のない滑らかな軸方向ストリップ１８を残しておくために途切れ途切れに形成されている。この軸方向ストリップは既に述べたように、上述した最小抵抗線１５を形成するとともに異なるパネル１６間でヒンジを形成するものである。
【００６４】
別の変形実施を図６に示す。この実施形態においては、突起１７が濾過紙の両面に設けられた接着剤１９の線に置き換えられている。
【００６５】
なるべくなら、濾過紙の両面に付けられた接着剤１９の線は、このような方法により濾過能力が無力化されてしまうペーパーの表面積を最小化するため互いに合致するようきちんと並べられるようにする。
【００６６】
図５に示す実施形態同様、これら接着剤の線１９は濾過紙に接着剤が全く設けられていない滑らかな軸方向ストリップ１８を設けるために所々、途切れ途切れに設けられている。これにより、上述した最小抵抗線１５を形成するとともに、上側面および下側面のパネル１６間を分割している。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明によるフィルタカートリッジの第１実施形態の側面図である。
【図２】 図１に示すフィルタカートリッジの一部切開平面図である。
【図３】 図２のＩＩＩ−ＩＩＩ線矢視一部断面図である。
【図４】 図１から図３に示すカートリッジのフィルタエレメントの一部斜視図である。
【図５】 本発明の他の実施形態を示す図４同様の図である。
【図６】 本発明の別の実施形態を示す図４同様の図である。
【符号の説明】
２ フィルタエレメント
７ プリーツ（ベーン）
８ 上側面
９ 下側面
１０ 内側端部
１１ 端面
１２ 外側端部（リッジ）
１３ 分離部材（隆起部）
１５ 最小抵抗線（加圧線）
１６ パネル
１７ 分離部材（突起）
１８ ストリップ
１９ 分離部材（接着剤）
ｅ 空間
Ｚ 中心軸線

Claims (12)

1. 長手方向両端部間で中心軸線（Ｚ）に沿って延在する管状のフィルタエレメント（２）を備えるフィルタカートリッジであって、
   前記フィルタエレメントは、一方で外側円筒面を有するとともに他方で流体を流すための中央通路を形成する内側円筒面を有し、かつ軸方向に隆起部を有する連続するプリーツ（７）を形成する多孔質可撓性シートから作られており、
   これらプリーツは、半径方向平面における断面で見て全てが同じ角度方向に湾曲されたベーンを形成し、
   各ベーン（７）は、それぞれ上側面（８）および下側面（９）となる前記多孔質シートの２つの部分を備えるとともに、各面が凹面および凸面を有し、
   各ベーンの各下側面および各上側面は、前記フィルタカートリッジの前記内側円筒面に隣接する内側端部（１０）と前記フィルタカートリッジの前記外側円筒面に隣接する外側端部（１２）との間に延在し、
   各ベーンの前記下側面（９）および前記上側面（８）がそれらの外側端部（１２）と同一平面内で結合され、
   各ベーンの前記下側面（９）はそれら内側端部（１０）と同一平面内で隣接するベーンの上側面（８）と結合されるとともに、
   前記多孔質シートは前記下側面（９）と前記上側面（８）とが互いに離間して維持されるとともに前記多孔質シートを補強する分離部材（１３，１７，１９）を有するフィルタカートリッジにおいて、
   各ベーンの前記下側面（９）および前記上側面（８）は、前記分離部材（１３，１７，１９）によって補強されずかつ前記フィルタエレメントの長手方向両端部間の前記フィルタエレメントの中心軸線（Ｚ）と平行に延在するヒンジを形成する最小抵抗線（１５）を有し、
   これによりこれら最小抵抗線は、各下側面（９）および各上側面（８）を少なくとも３つのパネル（１６）に分割するとともに、半径方向平面の断面で見てこれら最小抵抗線の１つによって互いに結合された隣接するパネルが１１０゜から１７５゜の角度をなすことを特徴とするフィルタカートリッジ。
2. 前記フィルタエレメントの多孔質シートは、前記異なるベーンの下側面および上側面を互いから分離するとともに前記フィルタエレメントの長手方向軸線（Ｚ）に垂直な線に沿って延在する隆起部（１３）を有し、
   これら隆起部は前記最小抵抗線（１５）に沿って前記多孔質シートに実質的に悪影響を生じさせることなく途切れ途切れに設けられ、
   これら線が直線となるようになっていることを特徴とする請求項１に記載のフィルタカートリッジ。
3. 前記隆起部（１３）は前記最小抵抗線（１５）に沿ってペーパーの厚みを押しつぶすことなく形成されていることを特徴とする請求項２に記載のフィルタカートリッジ。
4. 前記隆起部は前記フィルタエレメントの前記多孔質シートにわずかに型押しされた加圧線（１５）によって区切られ、
   これら加圧線は前記ベーンの各上側面（８）および各下側面（９）の凹面上に形成されていることを特徴とする請求項２または３に記載のフィルタカートリッジ。
5. 前記フィルタエレメントの多孔質シートは、前記異なるベーンの前記下側面（９）および前記上側面（８）を互いに分離する型押しされた突起（１７）を有し、
   前記多孔質シートはこれら突起を有していない滑らかな軸方向のストリップ（１８）を有し、
   これら軸方向のストリップは前記最小抵抗線（１５）を形成していることを特徴とする請求項１に記載のフィルタカートリッジ。
6. 前記フィルタエレメントの多孔質シートは、前記異なるベーンの前記下側面（９）と前記上側面（８）とを互いに離間して維持させる組立式分離部材（１９）を有し、
   前記多孔質シートは分離部材のない滑らかな軸方向のストリップ（１８）を有し、
   これら軸方向のストリップは前記最小抵抗線（１５）を形成することを特徴とする請求項１に記載のフィルタカートリッジ。
7. 前記組立式分離部材は接着剤（１９）の線であることを特徴とする請求項６に記載のフィルターカートリッジ。
8. 前記最小抵抗線によって区切られた前記パネル（１６）は実質的に平坦であることを特徴とする請求項１から７のいずれか１項に記載のフィルタカートリッジ。
9. 前記最小抵抗（１５）線によって区切られた前記パネル（１６）は、半径方向外側に向かって１つのパネルから隣のパネルへと一定幅あるいは増加する幅を有していることを特徴とする請求項１から８のいずれか１項に記載のフィルタカートリッジ。
10. ベーンの各下側面は同じベーンの前記上側面および隣接するベーンの前記上側面の両方と前記分離部材（１３，１７，１９）を介して当接し、
    これにより、各隣接する下側面および上側面は、前記隣接する下側面および上側面の間に前記隣接する下側面および上側面の前記内側端部から外側に位置する前記外側端部にかけて実質的に一定の空間（ｅ）を有する自由空間を形成し、
    前記フィルタエレメントの前記全ての下側面および上側面は、半径方向平面において実質的に同一の面積を有するとともに、
    同じベーンの前記下側面の前記外側端部と前記上側面の前記外側端部とは、前記フィルタエレメントの前記外側円筒面と実質的に平行に延在する端面（１１）によって互いに結合されていることを特徴とする請求項１から９のいずれか１項に記載のフィルタカートリッジ。
11. 各下側面（９）は、半径方向平面において前記フィルタエレメントの、第１直径ｄを有する前記内側円筒面に沿う第１曲線距離ｌと、同じ半径方向平面において、第２直径Ｄを有する前記外側円筒面に沿う第２曲線距離Ｌとによって隣接する上側面（８）から分離され、
    前記第１曲線距離と前記第２曲線距離との間の比ｌ／Ｌは、前記第１直径と前記第２直径との比ｄ／Ｄと実質的に等しいことを特徴とする請求項１１に記載のフィルタカートリッジ。
12. 前記フィルタエレメントの各ベーンの前記端面（１１）は、半径方向平面において実質的に直線な断面を有し、
    前記端面は折り曲げによって形成された２つの軸方向リッジ（１２）によって前記ベーンの前記下側面と前記上側面とを結合していることを特徴とする請求項１０または１１に記載のフィルタカートリッジ。

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