JP4043539B2 - スピーカ装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はテレビジョン受像機などの映像用機器や自動車、情報、通信などの各種音響機器に利用されるスピーカの前面に音波を導く音響管を配置したスピーカ装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スピーカの前面にホーンや音響管を結合し、スピーカから発生した音波を上記音響管の開口部まで導く方法は、ホーンや音響管を用いない場合に比べて出力音圧が大きく得られることや、特定の方向に音が伝えられるなどの利点があり、従来から多く用いられている。
【0003】
図7は上記スピーカ装置を内蔵したテレビジョン受像機の構造概念図である。同図において、1は音響管、2はスピーカ、3はテレビキャビネット、4は陰極線管、5はバックキャビネット、aは前面放出音波、bは後面放出音波を表したものである。
【0004】
以上のように構成されたスピーカ装置を内蔵したテレビジョン受像機について以下その動作について説明する。
【0005】
まず、スピーカ2から放出された音波がその前面に配置された開口部が細長くほぼ矩形形状に構成された音響管1を通り、更にそのスピーカ装置の構造がテレビジョン受像機内部の陰極線管4とテレビキャビネット3に沿った形状を取ることにより狭い開口から音波を前面に導き出し、テレビキャビネット3の開口部より前面放出音波aとして放出され、同時にスピーカ2の後面にも後面放出音波bとしてバックキャビネット5の内部に音波が放出されている。以上の構成によりテレビジョン受像機の小型スリム化を可能とするものであった。
【0006】
次にスピーカ2と音響管1からなる上記テレビジョン受像機に用いられるスピーカ装置の詳細について図8、図9により説明する。
【0007】
図8は従来のスピーカ装置の斜視図であり、図9は同側断面図である。同図において6はスピーカ2から発生した音波が通る音路であり、7は音路6に面した吸音孔、10は吸音孔7を一端とする管8と、この管8の他端が連通する空間部9によって構成される共鳴吸音部であり、11は音波を放出する開口部である。
【0008】
以上のように構成されたスピーカ装置について以下にその動作を説明する。まず、スピーカ2に入力信号が印加されると、音波が音響管1の内部の音路6を通って音響管1の開口部11から放射される。
【0009】
しかし、音響管1の開口部11で音響インピーダンスが大きく変化しているため、音波の一部は反射して音路6に戻ってきて定在波を作り、音響管1の長さにより発生する定在波により、中域周波数においてピークを持つ再生音圧周波数特性になる。
【0010】
この定在波による中域周波数におけるピークを取り除くため、上記従来の構成では音路6に面した吸音孔7を一端とする管8と、この管8の他端が連通する空間部9とによって構成される共鳴吸音部10によってピークになる部分を吸音する構成となっていた。
【0011】
なお、この共鳴吸音部10は管8以外は密閉されたものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来のスピーカ装置では、中域周波数におけるピークを取り除くための共鳴吸音部10によりピークになる部分を吸音していたが、吸音した部分が大きなディップとなり、ピークディップの大きな乱れた再生音圧特性になってしまい、音声の明瞭度が低下するという課題を有していた。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明のスピーカ装置の製造方法は、スピーカの前面に開口部が矩形形状の音波を導く音響管を結合し、この音響管の内部に上記スピーカから放射される音波を開口部に導く音路を形成するとともに、この音路に面して設けられた吸音孔を有する空間部からなる共鳴吸音部を形成する過程において、前記共鳴吸音部とこれと外部を遮蔽する前記共鳴吸音部のカバー間の結合固定のための接着剤の塗布範囲を調整して両者間に音圧周波数特性のピークディップを抑制する隙間を設けるものである。
【0014】
この構成により、機器への組み込みを考慮し開口部を細長い矩形形状としたホーンや音響管を有するスピーカ装置においても、共鳴吸音部とこの共鳴吸音部のカバー間の結合固定のための塗布範囲を調整して両者間に吸音する帯域幅およびディップのQをコントロールしてピークディップを抑制する隙間を形成するものであり、音声の明瞭度の向上を図り、再生音圧特性が平坦な特性となる優れた音響特性のスピーカ装置の製造方法を提供するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1記載のスピーカ装置の製造方法は、スピーカの前面に開口部が矩形形状の音波を導く音響管を結合し、この音響管の内部に上記スピーカから放射される音波を開口部に導く音路を形成するとともに、この音路に面して設けられた吸音孔を有する空間部からなる共鳴吸音部を形成してなるスピーカ装置の製造方法において、前記共鳴吸音部とこれと外部を遮蔽する前記共鳴吸音部のカバー間の結合固定のための接着剤の塗布範囲を調整して両者間に音圧周波数特性のピークディップを抑制する隙間を設けるものであり、この隙間により、吸音する帯域幅およびディップのQをコントロールしてピークディップを抑制し、音声の明瞭度の向上を図り、再生音圧特性が平坦な特性となる優れた音響特性のスピーカ装置を提供できるものである。
【0016】
なお、前記隙間はスピーカ装置の組立時に接着剤塗布により形成されるので音響管の多少の形状変更によっても適宜それに合せてピークディップを吸収するように塗布範囲を変更できる自由度の高いものである。
【0017】
以下、本発明の一実施の形態について、図1〜図6により説明する。なお、説明にあたっては従来技術と同一部分は同一番号を付与し、説明を省略して説明する。
【0018】
(実施の形態1)
図1は本発明の一実施の形態のスピーカ装置の製造方法によるスピーカ装置の側断面図であり、図2は同斜視図であり、図3は同再生音圧周波数特性図である。
【0019】
同図において1はスピーカ2の前面に結合された音響管であり、この音響管1の内部には上記スピーカ2から放射される音波を開口部11まで導くための音路6が形成されるとともに、この音路6に面した吸音孔7により連通した空間部9とによって共鳴吸音部10aが形成される。
【0020】
この共鳴吸音部10aは、共鳴吸音部10aのカバー10bを結合することにより構成されている。前記共鳴吸音部10aは従来、共鳴吸音部10のカバーをホットメルトなどの接着剤で密閉固定していたが、本実施形態では、前記共鳴吸音部とこれとカバー間の結合固定のための接着剤の塗布範囲を調整して両者間に音圧周波数特性のピークディップを抑制する隙間を接着剤の未塗布部10cとして設けたものである。
【0021】
以上のようの構成された本発明のスピーカ装置の製造方法により形成されたスピーカ装置の動作を説明する。まず、スピーカ2に入力信号が印加されると、音波が音響管1の内部の音路6を通って音響管1の開口部11から放射される。その際、音響管1の内部に発生する定在波は吸音孔7から空間部9に取り入れられるが、空間部9の周辺部に未塗布部10cにより設けられた隙間から空気が逃げることにより空間部9内の空気の圧力を調整し、吸音する帯域幅およびディップのQをコントロールすることができ、ピークディップを図3の符号51の再生音圧周波数特性に示すごとく抑制するものである。
【0022】
なお、符号52は従来のスピーカ装置の再生音圧周波数特性である。同図からわかるように、本実施の形態のスピーカ装置の製造方法によるスピーカ装置は中域周波数におけるピークディップを抑制することができ、音声の明瞭度の向上を図り、再生音圧周波数特性が平坦な特性になる音響特性の優れたスピーカ装置を提供することが可能となるものである。
【0023】
なお、前記未塗布部10cによる共鳴吸音部とカバー間の隙間はスピーカ装置の組立時に形成されるので音響管1の多少の形状変更によっても適宜それに合せてピークディップを吸収するように塗布範囲を変更できる自由度の高いものである。
【0024】
また、本発明の製造方法により構成されたスピーカ装置に、後面キャビネットおよびバスレフ、ポート等を設けた場合においても同様の効果が得られることはいうまでもない。
【0025】
また、共鳴吸音部10aは管8の長さが音路6と空間部9を隔てる壁1枚の厚さのもの1つとして説明したが、管8の長さや空間部9の異なる2つ以上を設ければ、より平坦な優れた再生音圧周波数特性が得られるものである。
【0026】
(実施の形態2)
図4は本発明の製造方法による他の実施の形態のスピーカ装置の側断面図であり、図5は同斜視図であり、図6は同再生音圧周波数特性図である。
【0027】
本実施の形態のスピーカ装置が図8、図9の従来技術と異なるのは、スピーカ2の前面に開口部が細長くほぼ矩形形状に近い形状で構成された音波を導く音響管1を結合した構成において、この音響管1の内部に共鳴吸音部10aの開口端側に共鳴吸音部10aに連続して開口端まで延長した反射板12とこれに対向する音響管の短辺と平行の反射板13を設けたことであり、共鳴吸音部とカバー間の結合固定のための接着剤の塗布範囲を調整して隙間をスピーカ装置の組み立て時に設けることは実施の形態1と同様である。
【0028】
以上のように構成された本実施の形態2の製造方法によるスピーカ装置について、動作を説明する。
【0029】
まず、スピーカ2に電気信号が印加されると音波が発生し、その音波がスピーカ2の前面に結合された音響管1によって音路6を通り音響管開口部へと導かれ、前面放出音波aとして放出されるものである。
【0030】
従来、共鳴吸音部の配置の関係から内部の管の構造が急激に変化する場所があったため、管内部のインピーダンスの乱れからピークディップの大きい再生音圧特性であったが、管の内部に急激な形状変化を抑える反射板を設けることによりインピーダンスの乱れを調整し、音声の明瞭度の優れた音響特性のスピーカ装置を実現するものである。
【0031】
図6は本実施の形態のスピーカ装置の再生音圧周波数特性を示すが、同図からわかるように、本実施の形態の構成によれば中高域周波数におけるピークディップを符号54の如く抑制することができ、音声の明瞭度の向上を図り、再生音圧周波数特性が平坦な特性になる音響特性の優れたスピーカ装置を提供することが可能となるものである(なお、符号53は従来のスピーカ装置の再生音圧周波数特性を示している。)。
【0032】
以上のような本発明の形態の製造方法によるスピーカ装置をテレビジョン受像機に内蔵することにより、テレビジョン受像機の小型スリム化を実現できるだけでなく、高性能で高音質のテレビジョン受像機を提供することができるものである。
【0033】
【発明の効果】
以上のように本発明のスピーカ装置の製造方法によるスピーカ装置は人の音声を再生する上で重要な中高域周波数におけるピークディップが少ない平坦な再生音圧周波数特性とすることができ、従来品では実現できなかった音声の明瞭度の向上を図った優れた音響特性を実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のスピーカ装置の製造方法の一実施の形態のスピーカ装置の側断面図
【図2】 同斜視図
【図3】 同再生音圧周波数特性図
【図4】 同他の実施の形態のスピーカ装置の側断面図
【図5】 同斜視図
【図6】 同再生音圧周波数特性図
【図7】 従来のスピーカ装置を用いたテレビジョン受像機の構造概念図
【図8】 同スピーカ装置の斜視図
【図9】 同側断面図
【符号の説明】
1 音響管
2 スピーカ
3 テレビキャビネット
4 陰極線管
5 バックキャビネット
6 音路
7 吸音孔
8 管
9 空間部
10a 共鳴吸音部
10b 共鳴吸音部カバー
10c (接着剤の)未塗布部
11 開口部
12 反射板
13 反射板
Claims (1)
- スピーカの前面に開口部が矩形形状の音波を導く音響管を結合し、この音響管の内部に上記スピーカから放射される音波を開口部に導く音路を形成するとともに、この音路に面して設けられた吸音孔を有する空間部からなる共鳴吸音部を形成してなるスピーカ装置の製造方法において、前記共鳴吸音部とこれと外部を遮蔽する前記共鳴吸音部のカバー間の結合工程のための接着剤の塗布範囲を調整して両者間に音圧周波数特性のピークディップを抑制する隙間を設けるスピーカ装置の製造方法。
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