JP4042995B2 - ニオブ粉、ニオブ造粒物、ニオブ焼結体及びコンデンサ並びにそれらの製造方法 - Google Patents

ニオブ粉、ニオブ造粒物、ニオブ焼結体及びコンデンサ並びにそれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ニオブを主成分としコンデンサを製造するための素材となりうるコンデンサ用ニオブ粉、ニオブ合金粉、水素化ニオブ粉、または水素化ニオブ合金粉の製造方法に関する。さらに詳しく言えば、単位質量当たりの容量が大きく、漏れ電流特性の良好なコンデンサを得ることのできるコンデンサ用ニオブ粉、ニオブ合金粉、水素化ニオブ粉、または水素化ニオブ合金粉を効率よく製造する方法、それを用いた焼結体、およびその焼結体を用いたコンデンサに関する。
携帯電話やパーソナルコンピューター等の電子機器に使用されるコンデンサは、小型で大容量のものが望まれている。このようなコンデンサの中でもタンタルコンデンサは大きさの割には容量が大きく、しかも性能が良好なため好んで使用されている。タンタルコンデンサの陽極体としては、一般的にタンタル粉の焼結体が使用されている。これらタンタルコンデンサの容量を上げるためには、焼結体質量を増大させるか、またはタンタル粉を微粉化して表面積を増加させた焼結体を用いる必要がある。
焼結体質量を増加させる方法では、コンデンサの形状が必然的に増大して小型化の要求を満たさない。タンタル粉を微粉化して表面積を増大させる方法では、タンタル焼結体の細孔径が小さくなると共に、閉鎖孔が多くなってしまうため、後工程における陰極剤の含浸が困難になる。これらの欠点を解決する研究の1つとして、タンタルより誘電率の大きい材料を用いた焼結体のコンデンサが考えられる。これらの誘電率の大きい材料としてニオブおよびニオブ合金がある。
しかしながら、コンデンサ用ニオブ粉の製造方法としては、特開昭55−157226号公報には、ニオブ凝集粉から粒径2μmあるいはそれ以下のニオブ粉末を成形、焼結したコンデンサ用焼結素子の製造方法が開示されているが、コンデンサ特性についての詳細は記載されていない。
また、米国特許第4,084,965号公報には、ニオブインゴットを水素化して粉砕して5.1μmのニオブ粉末を得、これを焼結して用いたコンデンサが開示されているが、このコンデンサは漏れ電流(以下、LCと略記することがある。)が大きい。
特開2003−003204号公報には、粉砕温度を−200〜30℃の範囲で、粉砕助材として、球状のジルコニアあるいはニオブと分散媒(例えば、水、有機溶媒、液化気体など)を用い粉砕を行い、水素化ニオブまたは水素化ニオブ合金の微粉末を得る方法が開示されている。しかしながら、ジルコニアあるいはニオブビーズを粉砕助材として、コンデンサ用ニオブ粉として好ましい平均粒径が0.6μmより小さいニオブ粉を製造する場合、ニオブ粉を含む分散媒スラリーの粘度上昇により長い粉砕時間を必要とした。
ニオブインゴットを水素化し、適当な分散媒の存在下、適当な粉砕機を用いて粉砕することは公知の技術である(例えば、米国特許4,084,965号公報)。しかしながら、この方法を用いてコンデンサ用のニオブ粉を製造した場合、LC値が高くまたバラツキが大きく、コンデンサとしての高い信頼性を得にくい。このことは、分散媒に存在する酸素が、粉砕中の発熱、あるいは粉砕により生成する水素化ニオブの活性表面と反応または吸着し、その後、焼結体を作製する際に結晶化した酸化ニオブとなり、特にLCに悪い影響を与えていると考えられる。したがって、水素化ニオブ粉中の酸素量を低く抑えることが、LC特性を向上させるために重要である。水素化ニオブ粉中の酸素量を低く抑えるためには、例えば粉砕中の温度上昇を抑える方法がある。
粉砕温度を−200〜30℃の範囲内でジルコニアあるいはニオブのビーズを用いて酸素量を低く抑えてLC特性を向上させる方法が特開2003−003204号公報に開示されている。
しかしながら、この方法で、コンデンサ用ニオブ粉として好ましい平均粒径0.6μm以下のニオブ粉を製造しようとした場合、ニオブ粉を含む分散媒スラリーの粘度が上昇してしまい、粉砕時間が長くなる。高い粘度を避けるためにスラリー濃度を下げることが考えられるが処理量が低下するうえに、さらに粉砕時間が長くなる。また、酸素含有量を低く抑えるためには、短時間の粉砕の方が有利である。
また、この粘度上昇は粉砕機内の圧力を上昇させ、ニオブ粉の2次凝集を引き起こすため、実用的な粉砕時間での到達平均粒径は0.6μmが限度である。
これらのことは、水素化ニオブ合金粉についても同様である。
本発明の目的は、粉砕助材を用いる従来のニオブの微粉化法に伴うスラリーの粘度上昇を抑制することにより、平均粒径が0.6μmより小さい領域まで効率よく短時間で粉砕し、酸素含有量が少なく、単位質量あたりの容量が大きく、漏れ電流が小さく、さらにバラツキの少ないコンデンサ用ニオブ粉を製造する方法を提供することにある。
さらに本発明の目的は、前記コンデンサ用ニオブ粉用いた焼結体およびその焼結体を用いたコンデンサの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、従来技術の課題を鋭意検討した結果、密度2〜3.6g/cm、破壊靭性値が1.5MPa・m1/2以上の粉砕助材(例えば、窒化珪素あるいは窒化珪素を含む化合物からなるビーズ)を用い、水素化ニオブまたは水素化ニオブ合金を粉砕することにより、スラリーの粘度上昇が抑制され、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は以下の項目で構成される。
1.分散媒の存在下、粉砕助材として、密度2〜3.6g/cm、破壊靭性値が1.5MPa・m1/2以上である材料を使用して水素化ニオブまたは水素化ニオブ合金を粉砕する工程を含むコンデンサ用ニオブ粉、ニオブ合金粉、水素化ニオブ粉、または水素化ニオブ合金粉の製造方法。
2.粉砕助材として、金属窒化物、金属炭化物及び金属硼化物からなる群から選択される少なくともひとつの化合物を使用する前記1に記載のコンデンサ用ニオブ粉、ニオブ合金粉、水素化ニオブ粉、または水素化ニオブ合金粉の製造方法。
3.粉砕助材が、窒化珪素、または窒化珪素を含む化合物である前記1に記載のコンデンサ用ニオブ粉、ニオブ合金粉、水素化ニオブ粉、または水素化ニオブ合金粉の製造方法。
4.−200〜30℃の温度範囲で水素化ニオブまたは水素化ニオブ合金を粉砕する前記1乃至3のいずれか1項に記載のコンデンサ用ニオブ粉、ニオブ合金粉、水素化ニオブ粉、または水素化ニオブ合金粉の製造方法。
5.水素化ニオブまたは水素化ニオブ合金を粉砕中、水素化ニオブまたは水素化ニオブ合金の平均粒径が1μmの時の水素化ニオブまたは水素化ニオブ合金及び分散媒からなるスラリーの粘度が20℃において0.03Pa・s以下である前記1に記載のコンデンサ用ニオブ粉、ニオブ合金粉、水素化ニオブ粉、または水素化ニオブ合金粉の製造方法。
6.粉砕終了時、水素化ニオブまたは水素化ニオブ合金及び分散媒からなるスラリーの20℃におけるチクソトロピー指数が0.8以下である前記1に記載のコンデンサ用ニオブ粉、ニオブ合金粉、水素化ニオブ粉、または水素化ニオブ合金粉の製造方法。
7.水素化ニオブ粉または水素化ニオブ合金粉を粉砕後、100〜1000℃の温度で脱水素する工程を含む前記1乃至6のいずれか1項に記載のコンデンサ用ニオブ粉、ニオブ合金粉、水素化ニオブ粉、または水素化ニオブ合金粉の製造方法。
8.分散媒が、水、有機溶剤及び液化気体からなる群より選ばれる少なくとも1種である前記1乃至7のいずれか1項に記載のコンデンサ用ニオブ粉、ニオブ合金粉、水素化ニオブ粉、または水素化ニオブ合金粉の製造方法。
9.水素化ニオブまたは水素化ニオブ合金の平均粒径が0.6μm以下となるまで粉砕する前記1乃至8のいずれか1項に記載のコンデンサ用ニオブ粉、ニオブ合金粉、水素化ニオブ粉、または水素化ニオブ合金粉の製造方法。
10.前記1乃至9のいずれか1項に記載の製造方法で得られることを特徴とするコンデンサ用ニオブ粉、ニオブ合金粉、水素化ニオブ粉、または水素化ニオブ合金粉。
11.平均粒径が0.01〜10μmである前記10に記載のコンデンサ用ニオブ粉、ニオブ合金粉、水素化ニオブ粉、または水素化ニオブ合金粉。
12.BET比表面積が0.5〜40m/gである前記10または11に記載のコンデンサ用ニオブ粉、ニオブ合金粉、水素化ニオブ粉、または水素化ニオブ合金粉。
13.嵩密度が0.5〜4g/mlである前記10乃至12のいずれか1項に記載のコンデンサ用ニオブ粉、ニオブ合金粉、水素化ニオブ粉、または水素化ニオブ合金粉。
14.細孔径の孔径分布ピークが0.01〜7μmである前記10乃至13のいずれか1項に記載のコンデンサ用ニオブ粉、ニオブ合金粉、水素化ニオブ粉、または水素化ニオブ合金粉。
15.コンデンサ用ニオブ粉の酸素含有量(質量%)を比表面積(m/g)で除した値が1.5%/(m/g)以下である前記10乃至14のいずれか1項に記載のコンデンサ用ニオブ粉、ニオブ合金粉、水素化ニオブ粉、または水素化ニオブ合金粉。
16.コンデンサ用ニオブ粉が、さらにホウ素、窒素、炭素および硫黄の元素からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を含む前記10乃至15いずれか1項に記載のコンデンサ用ニオブ粉、ニオブ合金粉、水素化ニオブ粉、または水素化ニオブ合金粉。
17.前記10乃至15のいずれか1項に記載のコンデンサ用ニオブ粉、ニオブ合金粉、水素化ニオブ粉、または水素化ニオブ合金粉を造粒して得られる平均粒径が10〜500μmの造粒物。
18.BET比表面積が0.5〜40m/gである前記17に記載の造粒物。
19.細孔径の孔径分布ピークが0.01〜500μmの範囲内にある前記17または18に記載の造粒物。
20.嵩密度が0.05〜4g/mlである前記17乃至19のいずれか1項に記載の造粒物。
21.酸素濃度が14質量%以下である前記17乃至20のいずれか1項に記載の造粒物。
22.前記10乃至16のいずれか1項に記載のコンデンサ用ニオブ粉、ニオブ合金粉、水素化ニオブ粉、または水素化ニオブ合金粉、及び/または前記17乃至21のいずれか1項に記載の造粒物を焼結して得られる焼結体。
23.前記22に記載の焼結体を一方の電極とし、前記焼結体表面上に形成された誘電体と、前記誘電体上に設けられた他方の電極とから構成されたコンデンサ。
24.誘電体の主成分が酸化ニオブである前記23に記載のコンデンサ。
本発明で使用する粉砕機は、粉砕助材を用いる粉砕機である。例えば、ビーズミルが挙げられる。
粉砕助材の材質としては、密度2〜3.6g/cm、好ましくは2.5〜3.5g/cm、さらに好ましくは3〜3.4g/cm、破壊靭性値が1.5MPa・m1/2以上、好ましくは2.5MPa・m1/2以上、さらに好ましくは3MPa・m1/2以上の材質が使用でき、好ましくは金属窒化物、金属炭化物、または金属硼化物、またはこれらを1つ以上含む化合物が好ましい。さらに好ましくは窒化珪素または窒化珪素を含む化合物が好ましい。
粉砕助材の密度は低すぎると粉砕機中でスラリーの流線に沿って動いてしまい粉砕助材同士の衝突あるいは接触が起こらず粉砕効率が低下してしまう。密度が高すぎると粉砕機内部でビーズの沈降が起こり粉砕機の片摩耗を引き起こしやすい。
粉砕助材の破壊靭性値は低すぎると粉砕助材の欠けや割れが起こり、製品中への混入量が増加しやすい。
金属窒化物、金属炭化物、または金属硼化物の金属には、水素、窒素、酸素、フッ素、ネオン、硫黄、塩素、アルゴン、臭素、クリプトン、ヨウ素、キセノン、ラドンの非金属を除く元素が挙げられる。
窒化珪素を含む化合物としては、例えばサイアロンあるいは複合サイアロン(Si−AlN−Al,Si−Y−AlN,α’−/β’−複合サイアロン,Si−BeO−Be)のような、窒素を酸素で、珪素をアルミニウムあるいはイットリウムあるいはベリリウムで置換した固溶体等が挙げられる。
本発明における粉砕に使用するスラリーは平均粒径1μmまで粉砕した時に20℃で測定した粘度が好ましくは0.03Pa・s以下、より好ましくは0.025Pa・s以下、さらに好ましくは0.020Pa・s以下に調整する。平均粒径1μmより大きいニオブ粉を製造する場合には、平均粒径に対して粘度をプロットして外挿線によって1μmの粘度を推定する。
このスラリーの20℃におけるチクソトロピー指数は、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.78以下、さらに好ましくは0.75以下である。
本発明で用いる粘度は20℃においてB型粘度計(例えば、(株)トキメック製B型粘度計BM型)で測定した粘度値(縦軸)をローター回転数(横軸)に対して両対数紙にプロットしてローター回転数10.0rpmの値を算出した値である。
チクソトロピー指数は両対数グラフにローター回転数(横軸)に対して粘度(縦軸)をプロットしたグラフの傾きにあたり最小二乗法により算出した値である(JIS Z 8803,JIS Z 3284より)。
本発明により、粉砕助材を使用して粉砕することにより上記課題が解決され、従来の製造法よりも単位質量あたりの容量が大きく、漏れ電流が小さく、さらにバラツキの少ないコンデンサを提供し得るコンデンサ用ニオブ粉を効率よく製造できる詳細な理由は明らかでないが、次のように考えられる。
従来の技術のようにニオブまたはジルコニアビーズのような金属あるいは酸化物のビーズを使用した場合、粉砕過程のスラリー(水素化ニオブあるいは水素化ニオブ合金+分散媒)中の粉末の表面はビーズから生成する金属あるいは酸化物の微粒子により被覆される。この粉末最表面は酸化物そのもの、あるいは金属の酸化被膜を形成しており表面には−OH基が形成され、水分子と表面は水和している。
粉砕が進むにしたがって粒子1個の質量が小さくなり粒子の撹拌による慣性力に対して水和による水素結合の方が勝るようになり粘度を上昇させる。特に0.6μm以下の領域で顕著に粘度上昇が確認される。
一方、前記の窒化物、炭化物、または硼化物を粉砕助材に使用すると酸化物の粉砕助材を使用したときほど水分子と水和しないため粘度上昇が少ないと推測される。粘度上昇が少ないことから高いスラリー濃度での粉砕が可能となり効率よく製造が可能となる。
適当な分散媒存在下、−200〜30℃の温度範囲、好ましくは−50〜30℃で、例えば、水素化ニオブまたは水素化ニオブ合金を上記粉砕助材を使用して粉砕することにより、スラリーの粘度上昇が少なく、粉砕時間が短く、その結果として酸素含有量が少なく、LC特性の良好なコンデンサの得られる水素化ニオブ粉または水素化ニオブ合金粉を作製できる。上記温度範囲の内、酸素含有量が少なく、LC値を良好にする効果を有する温度範囲は低い程良いが、極低温での粉砕は粉砕設備が過大となるためコスト高となる。したがって、−40〜10℃が特に好ましい。粉砕中の温度を上昇させないことは、粉砕物の酸素含有量の増加を防ぐために好ましい。したがって、−200〜30℃の温度範囲にて粉砕中の温度を一定に保つ、あるいは降下させることがより好ましい。
上記ビーズを使用して低温での粉砕を行うとスラリー粘度の上昇が小さいため粉砕発熱によるスラリーの温度上昇が少ない。
スラリー濃度を20質量%以上にすると粉砕機の高い生産性が得やすい。また80質量%以下にすると粉砕初期からスラリー粘度が低く、粉砕発熱による温度上昇を抑え易い。そのため30℃以下に粉砕温度を保つことが容易になる。したがって、スラリー濃度を20〜80質量%の範囲で粉砕を行うことが好ましい。
分散媒としては、例えば、水、有機溶媒、または液化気体等が好適に使用でき、これらの分散媒を使用する際には充分な脱気を行って用いることが好ましい。有機溶媒としてはアルコール類、エーテル類、セルソルブ類、エステル類、脂肪族炭化水素類、またはハロゲン化炭化水素類等が好適に使用できる。さらに、粉砕温度にて固化しない分散媒が好ましい。液化気体としては液体窒素、液体アルゴンが好ましい。
本発明のコンデンサ用ニオブ粉、ニオブ合金粉、水素化ニオブ粉、及び水素化ニオブ合金粉の原料としては、例えば、ニオブ及び/またはニオブ合金が挙げられる。これらを水素化し、前記粉砕に供すればよい。
前記ニオブ合金のニオブ以外の合金成分としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウム、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジウム、ネオジウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、バナジウム、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、レニウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金、亜鉛、カドミウム、水銀、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、炭素、珪素、ゲルマニウム、スズ、鉛、リン、砒素、アンチモン、ビスマス、セレン、テルル、ポロニウム、アスタチンからなる群より選ばれた少なくとも1種が挙げられる。
水素化ニオブ粉または水素化ニオブ合金粉は、前記粉砕で得られた粉砕物を、公知の乾燥方法等を用いて乾燥することにより得ることができる。このようにして得た粉体は、通常、平均粒径が0.01〜10μmであり、BET比表面積が0.5〜40m/g、嵩密度が0.5〜4g/ml、細孔径のピークが0.01〜7μmの範囲にある。特に高容量を得るためには、前記平均粒径は0.01〜10μmが好ましく、0.02〜5μmがさらに好ましく、0.03〜2μmが特に好ましい。
このようにして得た本発明の水素化ニオブ粉または水素化ニオブ合金粉の酸素含有量(質量%)を比表面積(m/g)で除した値は、通常1.5%/(m/g)以下となる。LC特性をさらに向上させるために、低温または短時間で粉砕するなど、できるだけ酸化されにくくすることにより、酸素含有量を比表面積で除した値を0.01〜0.9%/(m/g)の範囲にすることができる。本発明で用いる酸素含有量は、(株)堀場製作所製のEGMA−620Wを用いて測定した値(質量%)であり、スラリーを直接測定した場合は、スラリー濃度から乾燥粉に換算した値を示す。
本発明で用いる比表面積はQuantachrome社のNOVA1200を用いて測定した値(m/g)である。
本発明の水素化ニオブ粉及び水素化ニオブ合金粉は、そのまま焼結して焼結体作製に用いてもよいし、脱水素(例えば、減圧下100〜1000℃)を行いニオブ粉またはニオブ合金粉として使用してもよい。さらに、これらの水素化ニオブ粉、水素化ニオブ合金粉、ニオブ粉またはニオブ合金粉の漏れ電流値を改善するために、これらのニオブ粉の一部を窒化、ホウ化、炭化、および硫化による処理をしてもよい。窒化、ホウ化、炭化、硫化による処理を行って得られた、窒化物、ホウ化物、炭化物、硫化物、はいずれを含有しても良く、また、これらの2種、3種、4種の組み合わせであってもよい。その結合量、即ち、窒素、ホウ素、炭素、硫黄の含有量の総和は、各粉体の粒径、形状、他方の合金成分、他方の合金成分の存在量によって変わるが、平均粒径0.01〜10μm程度の粉で0ppmより多く200,000ppm以下である。200,000ppmを越えると高い容量が得にくくなる。LCと容量の最適化から、50〜100,000ppmが好ましく、200〜20,000ppmが特に好ましい。
本発明のコンデンサ用水素化ニオブ粉、水素化ニオブ合金粉、水素化物を脱水素して得られたニオブ粉またはニオブ合金粉を適当な形状に造粒した後、使用してもよいし、造粒後に未造粒のニオブ粉を適量混合して使用してもよい。
造粒の方法として、例えば、未造粒のニオブ粉を高減圧下に放置し適当な温度に加熱した後解砕する方法、樟脳、ポリアクリル酸、ポリメチルアクリル酸エステル、ポリビニルアルコールなどの適当なバインダーとアセトン、アルコール類、酢酸エステル類、水などの溶媒と未造粒、あるいは造粒したニオブ粉を混合した後、解砕する方法等が挙げられる。この方法は、水素化ニオブ粉、ニオブ粉、水素化ニオブ合金粉、ニオブ合金粉及びそれらの造粒物でも好適に使用できる。
このようにして造粒した造粒物は、焼結体を製造する際の加圧成形性を向上させる。この場合、造粒物の平均粒径は、10〜500μmが好ましい。造粒物の平均粒径が10μm以下では部分的にブロッキングを起こし、金型への流動性が低下する。500μm以上では加圧成形後の成形体が欠けやすい。さらに、加圧成形体を焼結した後、コンデンサを製造する際の陰極剤の含浸がし易いことから、造粒物の平均粒径は、30〜250μmが特に好ましい。通常、このようにして得られる造粒物のBET比表面積は0.5〜40m/gであり、嵩密度は0.5〜4g/ml、細孔径のピークは0.01〜500μm、含有酸素量は5質量%以下である。
本発明のコンデンサ用ニオブ焼結体あるいはニオブ合金焼結体は、前述の紛体あるいは前述の造粒物を焼結して製造する。焼結体の製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、ニオブまたはタンタルなどの弁作用金属からなる、適当な形状及び長さを有するリードワイヤーを用意し、これを前述した粉または前述の造粒物の加圧成形時にリードワイヤーの一部が成形体の内部に挿入させるように一体成形して、リードワイヤーを前記焼結体の引き出しリードとなるように組み立て設計する。前述の粉または前述の造粒物を所定の形状に加圧成形した後に10−5〜10Paで1分〜10時間、500〜2000℃、好ましくは900〜1600℃、さらに好ましくは900〜1300℃の範囲で加熱することにより、コンデンサ用ニオブ焼結体あるいはニオブ合金焼結体が得られる。
前述した焼結体を一方の電極とし、他方の電極の間に介在した誘電体とからコンデンサを製造することができる。ここでコンデンサの誘電体として、酸化ニオブを主体とする誘電体が好ましく挙げられる。酸化ニオブを主体とする誘電体は、例えば、一方の電極である焼結体を電解液中で化成することによって得られる。焼結体電極を電解液中で化成するには、通常プロトン酸水溶液、例えば、0.1質量%リン酸水溶液、硫酸水溶液または1質量%の酢酸水溶液、アジピン酸水溶液等を用いて行われる。焼結体電極を電解液中で化成して酸化ニオブ誘電体を得る場合、本発明のコンデンサは、電解コンデンサとなり焼結体電極が陽極となる。
本発明のコンデンサにおいて、焼結体の他方の電極(対極)は格別限定されるものではなく、例えば、アルミ電解コンデンサ業界で公知である電解液、有機半導体及び無機半導体から選ばれた少なくとも1種の材料(化合物)が使用できる。
電解液の具体例としては、イソブチルトリプロピルアンモニウムボロテトラフルオライド電解質を5質量%溶解したジメチルホルムアミドとエチレングリコールの混合溶液、テトラエチルアンモニウムボロテトラフルオライドを7質量%溶解したプロピレンカーボネートとエチレングリコールの混合溶液などが挙げられる。
有機半導体の具体例としては、ベンゾピロリン4量体とクロラニルからなる有機半導体、テトラチオテトラセンを主成分とする有機半導体、テトラシアノキノジメタンを主成分とする有機半導体、あるいは下記一般式(1)または一般式(2)で示される繰り返し単位を含む導電性高分子が挙げられる。
Figure 0004042995
式中、R〜Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜10の直鎖上もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和のアルキル基、アルコキシ基あるいはアルキルエステル基、またはハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、1級、2級もしくは3級アミノ基、CF基、フェニル基及び置換フェニル基からなる群から選ばれた一価基を表わす。RとR及びRとRの炭化水素鎖は互いに任意の位置で結合して、かかる基により置換を受けている炭素原子と共に少なくとも1つ以上の3〜7員環の飽和または不飽和炭化水素の環状構造を形成する二価鎖を形成してもよい。前記環状結合鎖には、カルボニル、エーテル、エステル、アミド、スルフィド、スルフィニル、スルホニル、イミノの結合を任意の位置に含んでもよい。Xは酸素、硫黄または窒素原子を表し、RはXが窒素原子の時のみ存在して、独立して水素または炭素数1〜10の直鎖上もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和のアルキル基を表す。
さらに、本発明においては前記一般式(1)または一般式(2)のR〜Rは、好ましくは、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜6の直鎖上もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和のアルキル基またはアルコキシ基を表し、RとR及びRとRは互いに結合して環状になっていてもよい。
さらに、本発明においては、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を含む導電性高分子は、好ましくは下記一般式(3)で示される構造単位を繰り返し単位として含む導電性高分子が挙げられる。
Figure 0004042995
式中、R及びRは、各々独立して水素原子、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和のアルキル基、または該アルキル基が互いに任意の位置で結合して、2つの酸素原子を含む少なくとも1つ以上の5〜7員環の飽和炭化水素の環状構造を形成する置換基を表わす。また、前記環状構造には置換されていてもよいビニレン結合を有するもの、置換されていてもよいフェニレン構造のものが含まれる。
このような化学構造を含む導電性高分子は、荷電されており、ドーパントがドープされる。ドーパントには公知のドーパントが制限なく使用できる。無機半導体の具体例としては、二酸化鉛または二酸化マンガンを主成分とする無機半導体、四三酸化鉄からなる無機半導体などが挙げられる。このような半導体は単独でも、または二種以上組み合わせて使用してもよい。
一般式(1)または一般式(2)で示される繰り返し単位を含む重合体としては、例えば、ポリアニリン、ポリオキシフェニレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリピロール、ポリメチルピロール、及びこれらの置換誘導体や共重合体などが挙げられる。中でもポリピロール、ポリチオフェン及びこれらの置換誘導体(例えばポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)等)が好ましい。
上記有機半導体及び無機半導体として、電導度10−2S/cm〜10S/cmの範囲のものを使用すると、作製したコンデンサのインピーダンス値がより小さくなり高周波での容量を更に一層大きくすることができる。
前記導電性高分子層を製造する方法としては、例えばアニリン、チオフェン、フラン、ピロール、メチルピロールまたはこれらの置換誘導体の重合性化合物を、脱水素的2電子酸化の酸化反応を充分行わせ得る酸化剤の作用で重合する方法が採用される。重合性化合物(モノマー)からの重合反応は、例えばモノマーの気相重合、溶液重合等があり、誘電体を有するニオブ焼結体の表面に形成される。導電性高分子が溶液塗布可能な有機溶媒可溶性のポリマーの場合には、表面に塗布して形成する方法が採用される。
溶液重合による好ましい製造方法の1つとして、誘電体層を形成したニオブ焼結体を、酸化剤を含む溶液(溶液1)に浸漬し、次いでモノマー及びドーパントを含む溶液(溶液2)に浸漬して重合し、該表面に導電性高分子層を形成得する方法が例示される。また、前記焼結体を、溶液2に浸漬した後で溶液1に浸漬してもよい。また、前記溶液2においては、ドーパントを含まないモノマー溶液として前記方法に使用してもい。また、ドーパントを使用する場合、酸化剤を含む溶液に共存させて使用してもよい。このような重合工程操作を、誘電体を有する前記ニオブ焼結体に対して1回以上、好ましくは3〜20回繰り返すことによって緻密で層状の導電性高分子層を容易に形成することができる。
本発明のコンデンサの製造方法においては、酸化剤はコンデンサ性能に悪影響を及ぼすことなく、その酸化剤の還元体がドーパントになって導電性高分子の電導度を向上させ得る酸化剤であれば良く、工業的に安価で製造上取り扱いの容易な化合物が好まれる。
このような酸化剤としては、具体的には、例えばFeClやFeClO、Fe(有機酸アニオン)塩等のFe(III)系化合物類、または無水塩化アルミニウム/塩化第一銅、アルカリ金属過硫酸塩類、過硫酸アンモニウム塩類、過酸化物類、過マンガン酸カリウム等のマンガン類、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)、テトラクロロ−1,4−ベンゾキノン、テトラシアノ−1,4−ベンゾキノン等のキノン類、よう素、臭素等のハロゲン類、過酸、硫酸、発煙硫酸、三酸化硫黄、クロロ硫酸、フルオロ硫酸、アミド硫酸等のスルホン酸、オゾン等及びこれら複数の酸化剤の組み合わせが挙げられる。
これらの中で、前記Fe(有機酸アニオン)塩を形成する有機酸アニオンの基本化合物としては、有機スルホン酸または有機カルボン酸、有機リン酸、有機ホウ酸等が挙げられる。有機スルホン酸の具体例としては、ベンゼンスルホン酸やp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、α−スルホ−ナフタレン、β−スルホ−ナフタレン、ナフタレンジスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸(アルキル基としてはブチル、トリイソプロピル、ジ−t−ブチル等)等が使用される。
一方、有機カルボン酸の具体例としては、酢酸、プロピオン酸、安息香酸、シュウ酸等が挙げられる。さらに本発明においては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリビニル硫酸ポリ−α−メチルスルホン酸、ポリエチレンスルホン酸、ポリリン酸等の高分子電解質アニオンも使用される。なお、これら有機スルホン酸または有機カルボン酸の例は単なる例示であり、これらに限定されるものではないない。また、前記アニオンの対カチオンは、H、Na、K等のアルカリ金属イオン、または水素原子やテトラメチル基、テトラエチル基、テトラブチル基、テトラフェニル基等で置換されたアンモニウムイオン等が例示されるが、これらに限定されるものではない。前記の酸化剤のうち、特に好ましいのは、3価のFe系化合物類、または塩化第一銅系、過硫酸アルカリ塩類、過硫酸アンモニウム塩類酸類、キノン類を含む酸化剤である。
導電性高分子の重合体組成物の製造方法において必要に応じて共存させるドーパント能を有するアニオン(酸化剤の還元体アニオン以外のアニオン)は、前述の酸化剤から産生される酸化剤アニオン(酸化剤の還元体)を対イオンに持つ電解質アニオンまたは他の電解質アニオンを使用することができる。具体的には例えば、PF 、SbF 、AsF の如き5B族元素のハロゲン化物アニオン、BF の如き3B族元素のハロゲン化物アニオン、I(I )、Br、Clの如きハロゲンアニオン、ClO の如き過ハロゲン酸アニオン、AlCl 、FeCl 、SnCl 等の如きルイス酸アニオン、あるいはNO 、SO 2−の如き無機酸アニオン、またはp−トルエンスルホン酸やナフタレンスルホン酸、炭素数1乃至5のアルキル置換ナフタレンスルホン酸等のスルホン酸アニオン、CFSO 、CHSO の如き有機スルホン酸アニオン、またはCHCOO、CCOOの如きカルボン酸アニオン等のプロトン酸アニオンを挙げることができる。
また、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリビニル硫酸、ポリ−α−メチルスルホン酸、ポリエチレンスルホン酸、ポリリン酸等の高分子電解質のアニオン等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。しかしながら、好ましくは、高分子系及び低分子系の有機スルホン酸化合物あるいはポリリン酸化合物のアニオンが挙げられ、望ましくは芳香族系のスルホン酸化合物(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウム等)がアニオン供出化合物として用いられる。
また、有機スルホン酸アニオンのうち、さらに有効なドーパントとしては、分子内に一つ以上のスルホアニオン基(−SO )とキノン構造を有するスルホキノン化合物や、アントラセンスルホン酸アニオンが挙げられる。
前記スルホキノン化合物のスルホキノンアニオンの基本骨格として、p−ベンゾキノン、o−ベンゾキノン、1,2−ナフトキノン、1,4−ナフトキノン、2,6−ナフトキノン、9,10−アントラキノン、1,4−アントラキノン、1,2−アントラキノン、1,4−クリセンキノン、5,6−クリセンキノン、6,12−クリセンキノン、アセナフトキノン、アセナフテンキノン、カンホルキノン、2,3−ボルナンジオン、9,10−フェナントレンキノン、2,7−ピレンキノンが挙げられる。他方の電極(対極)が固体の場合には、所望により用いられる外部引き出しリード(例えば、リードフレームなど)との電気的接触をよくするため、その上に導電体層を設けてもよい。
導電体層としては、例えば、導電ペーストの固化、メッキ、金属蒸着、耐熱性の導電樹脂フィルムなどにより形成することができる。導電ペーストとしては、銀ペースト、銅ペースト、アルミペースト、カーボンペースト、ニッケルペーストなどが好ましいが、これらは、1種を用いても2種以上を用いてもよい。2種以上を用いる場合、混合してもよく、または別々の層として重ねてもよい。導電ペースト適用した後、空気中に放置するか、または加熱して固化せしめる。メッキとしては、ニッケルメッキ、銅メッキ、銀メッキ、アルミメッキなどが挙げられる。また、蒸着金属としては、アルミニウム、ニッケル、銅、銀などが挙げられる。
具体的には、例えば第二の電極上にアルミペースト、銀ペーストを順次積層し、エポキシ樹脂のような材料で封止してコンデンサが構成される。このコンデンサは、ニオブ焼結体と一体に焼結成形された、または、後で溶接されたニオブまたは、タンタルリードを有していてもよい。
以上のような構成の本発明のコンデンサは、例えば、樹脂モールド、樹脂ケース、金属性の外装ケース、樹脂のディッピング、ラミネートフィルムによる外装により各種用途のコンデンサ製品とすることができる。
また、他方の電極が液体の場合には、前記両極と誘電体から構成されたコンデンサを、例えば、他方の電極と電気的に接続した缶に収納してコンデンサが形成される。この場合、焼結体の電極側は、前記したニオブまたはタンタルリードを介して外部に導出すると同時に、絶縁性ゴムなどにより、缶との絶縁がはかられるように設計される。
以上、説明した本発明の実施態様にしたがって製造した水素化ニオブ粉、水素化ニオブ合金粉、ニオブ粉、ニオブ合金粉およびこれらの造粒物を用いてコンデンサ用焼結体を作製し、該焼結体からコンデンサを製造することにより、漏れ電流値の小さい信頼性の良好なコンデンサを得ることができる。
図1は、実施例1、比較例1及び比較例3における粉砕中の平均粒径の変化を示す。
図2は、実施例1、比較例1及び比較例3における粉砕中の平均粒径に対するスラリー粘度の変化を示す。
発明を実施するための最良の形態
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、各例において所望の物性をもつ前述の粉体、造粒物から作製した焼結体(以下「ニオブ焼結体」、「ニオブ合金焼結体」または単に「焼結体」と略する。)の容量と漏れ電流値およびチップ加工したコンデンサの容量と漏れ電流値は、以下の方法により測定した。
(1)焼結体の容量測定は、室温において、誘電体層を形成した焼結体とタンタル材の電極とを30質量%硫酸中に浸漬させ、それぞれをヒューレットパッカード社製の測定器(プレシジョンLCRメーターHP4284A型)に接続して120Hzでの容量を測定した。焼結体質量当たりのこの測定値を焼結体の容量(単位はμF・V/g)とした。
(2)焼結体の漏れ電流測定は、陽極として誘電体層を形成した焼結体と、陰極とを、室温において、20質量%リン酸水溶液中に浸漬し、直流14Vを3分間印加し続けた後に、電流値を測定した。焼結体質量当たりのこの測定値を焼結体の漏れ電流値(LC値、単位はμA/g)とした。
(3)コンデンサの容量測定は、室温において、作製したチップの端子間にヒューレットパッカード社製LCR測定器を接続し、120Hzでの容量の測定値をチップ加工したコンデンサの容量とした。
(4)コンデンサの漏れ電流測定は、室温において、直流電圧6.3Vを、作製したチップの端子間に1分間印加し続けた後に測定された電流値をチップに加工したコンデンサの漏れ電流値とした。
(5)粒子径測定は、マイクロトラック社製HRA 9320−X100を用い粒度分布をレーザー回折散乱法で測定した。その累積体積%が、50体積%に相当する粒径値(D50;μm)を平均粒径とした。
実施例1:
ニオブインゴット1000gをSUS304製の反応容器に入れ、400℃で10時間水素を導入し続けた。室温まで冷却した後、アルゴン雰囲気下、水素化されたニオブ塊を、ハンマークラッシャーで粗粉砕を行い、粒径0.5mm以下の水素化ニオブ粗粉を得た。次に粉砕助材として粒径0.5mmの窒化珪素製ビーズ(密度3.2g/cm,破壊靭性値6.0MPa・m1/2)、分散媒として脱気した純水を用い、スラリー濃度を40質量%にして、粉砕温度10℃から0℃に冷却しながら、水素化ニオブ粗粉を平均粒径が0.5μmになるまで湿式粉砕し、水素化ニオブ粉の水スラリーを得た。平均粒径1.0μmまで粉砕したときのスラリーの粘度は0.015Pa・s、粉砕後のスラリーのチクソトロピー指数は0.65であった。減圧下、40℃で乾燥を行い、水素化ニオブ粉を得た。この粉体の酸素濃度は5.8質量%であり、比表面積は7.5m/gあった。この様にして得た水素化ニオブ粉を1×10−2Pa、400℃で4時間加熱し脱水素したのち、室温まで冷却した。大気圧下、窒素を導入し300℃で2時間窒化した。このようにして得たニオブ粉を4×10−3Paの減圧下、1150℃で4時間焼結したのち、室温まで冷却した。得られたニオブ塊を解砕してニオブ造粒粉を得た。この造粒粉の平均粒径は、110μmであり、BET比表面積は2.7m/gであり、細孔径の孔径分布ピークは0.32μmであり、嵩密度は1.1g/cmであり、酸素含有量は6.2質量%であった。
このようにして得たニオブ造粒粉を0.3mmφのニオブ線と共に成形し、およそ0.3cm×0.18cm×0.45cmの成形体(約0.1g)を作製した。次にこれらの成形体を4×10−3Paの減圧下、1250℃で30分放置することにより焼結体を得た。得られた焼結体を、0.1質量%リン酸水溶液中で、80℃の温度で6時間、20Vの電圧で化成することにより、表面に誘電体層を形成した。この後、30質量%硫酸中での容量と、20質量%リン酸水溶液中での漏れ電流を各々測定した。その結果を表1に示す。
実施例2〜6:
実施例1と同様な方法で分散媒、粉砕時の温度およびスラリー濃度を変化させてニオブ粉を作製し、続けて造粒粉を作製した。
このようにして得たニオブ造粒粉を0.3mmφのニオブ線と共に成形し、およそ0.3cm×0.18cm×0.45cmの成形体(約0.1g)を作製した。次にこれらの成形体を4×10−3Paの減圧下、1250℃で30分放置することにより焼結体を得た。得られた焼結体を、0.1質量%リン酸水溶液中で、80℃の温度で6時間、20Vの電圧で化成することにより、表面に誘電体層を形成した。この後、30質量%硫酸中での容量と、20質量%リン酸水溶液中での漏れ電流を各々測定した。その結果を表1に示す。
実施例7:
実施例1と同様の方法で水素化ニオブ粗粉を0.4μmになるまで湿式粉砕し、水素化ニオブ粉の水スラリーを得た。減圧下、40℃で乾燥を行い、水素化ニオブ粉を得た。この粉体の酸素濃度は9.9質量%であり、比表面積は13.03m/gあった。この様にして得た水素化ニオブ粉を1×10−2Pa、400℃で4時間加熱し脱水素したのち、室温まで冷却した。大気圧下、窒素を導入し300℃で2時間窒化した。このようにして得たニオブ粉を4×10−3Paの減圧下、1150℃で4時間焼結したのち、室温まで冷却した。得られたニオブ塊を解砕してニオブ造粒粉を得た。この造粒粉の平均粒径は、105μmであり、BET比表面積は4.6m/gであり、細孔径の孔径分布ピークは0.29μmであり、嵩密度は0.9g/cmであり、酸素含有量は10.1質量%であった。
このようにして得たニオブ造粒粉を実施例1と同様な方法で容量と漏れ電流値を測定した。その結果を表1に示す。
実施例8:
実施例1と同様の方法で水素化ニオブ粗粉を0.3μmになるまで湿式粉砕し、水素化ニオブ粉の水スラリーを得た。減圧下、40℃で乾燥を行い、水素化ニオブ粉を得た。この粉体の酸素濃度は12.4質量%であり、比表面積は16.52m/gあった。この様にして得た水素化ニオブ粉を1×10−2Pa、400℃で4時間加熱し脱水素したのち、室温まで冷却した。大気圧下、窒素を導入し300℃で2時間窒化した。このようにして得たニオブ粉を4×10−3Paの減圧下、1150℃で4時間焼結したのち、室温まで冷却した。得られたニオブ塊を解砕してニオブ造粒粉を得た。この造粒粉の平均粒径は、108μmであり、BET比表面積は6.6m/gであり、細孔径の孔径分布ピークは0.27μmであり、嵩密度は0.8g/cmであり、酸素含有量は12.9質量%であった。
このようにして得たニオブ造粒粉を実施例1と同様な方法で容量と漏れ電流値を測定した。その結果を表1に示す。
実施例9〜19:
各種ニオブ合金インゴット1000gをSUS304製の反応容器に入れ、400℃で10時間水素を導入し続けた。室温まで冷却した後、アルゴン雰囲気下、水素化されたニオブ合金塊を、ハンマークラッシャーで粗粉砕を行い、粒径0.5mm以下の粗粉を得た。次に粉砕助材として粒径0.5mmの窒化珪素製ビーズ、分散媒として脱気した純水を用い、スラリー濃度を40質量%にして、粉砕温度10℃から0℃に冷却しながら、水素化ニオブ合金粗粉を平均粒径が0.5μmになるまで湿式粉砕し、水素化ニオブ合金粉の水スラリーを得た。減圧下、40℃で乾燥を行い、水素化ニオブ合金粉を得た。
この様にして得た水素化ニオブ合金粉を1×10−2Pa、400℃で4時間加熱して脱水素したのち、さらに、4×10−3Paの減圧下、1150℃で4時間焼結したのち、室温まで冷却した。得られたニオブ合金塊を解砕してニオブ合金造粒粉を得た。
得られた、ニオブ造粒粉を0.3mmφのニオブ線と共に成形し、およそ0.3cm×0.18cm×0.45cmの成形体(約0.1g)を作製した。
次にこれらの成形体を4×10−3Paの減圧下、1250℃で30分放置することにより焼結体を得た。得られた焼結体を、0.1質量%リン酸水溶液中で、80℃の温度で6時間、20Vの電圧で化成することにより、表面に誘電体層を形成した。この後、30質量%硫酸中での容量と、20質量%リン酸水溶液中での漏れ電流を各々測定した。その結果を表1に示す
比較例1:
ニオブインゴット1000gをSUS304製の反応容器に入れ、400℃で10時間水素を導入し続けた。室温まで冷却した後、アルゴン雰囲気下、水素化されたニオブ塊を、ハンマークラッシャーで粗粉砕を行い、粒径0.5mm以下の粗粉を得た。次に粉砕助材として粒径0.5mmのジルコニア製ビーズ(密度6.0g/cm,破壊靭性値6.0MPa・m1/2)、分散媒として脱気した純水を用い、粉砕温度10℃から実施例1と同様の冷却装置で冷却しながら、水素化ニオブ粗粉を平均粒径0.6μmまで湿式粉砕し、水素化ニオブ粉の水スラリーを得た。平均粒径1.0μmまで粉砕したときのスラリーの粘度は0.047Pa・s、粉砕後のスラリーのチクソトロピー指数は0.83であった。減圧下、40℃で乾燥を行い、水素化ニオブ粉を得た。この粉体の酸素濃度は6.3質量%であった。この様にして得た水素化ニオブ粉を1×10−2Pa、400℃で4時間加熱し脱水素したのち、室温まで冷却した。大気圧下、窒素を導入し300℃で2時間窒化した。さらに、ニオブ粉を4×10−3Paの減圧下、1100℃で2時間焼結したのち、室温まで冷却した。得られたニオブ塊を解砕してニオブ造粒粉を得た。この造粒粉の平均粒径は、110μmであり、BET比表面積は2.2m/gであり、細孔径の孔径分布ピークは0.33μmであり、嵩密度は1.0g/cmであり、酸素含有量は6.8質量%であった。
このようにして得られたニオブ造粒粉を0.3mmφのニオブ線と共に成形し、およそ0.3cm×0.18cm×0.45cmの成形体(約0.1g)を作製した。次にこれらの成形体を4×10−3Paの減圧下、1250℃で30分放置することにより焼結体を得た。得られた焼結体を、0.1質量%リン酸水溶液中で、80℃の温度で6時間、20Vの電圧で化成することにより、表面に誘電体層を形成した。この後、30質量%硫酸中での容量と、20質量%リン酸水溶液中での漏れ電流を各々測定した。その結果を表1に示す。
比較例2:
実施例6と同様な方法で焼結体を得、測定をした。ただし、粉砕助材に粒径0.5mmのジルコニア製ビーズを使用して粉砕した。
比較例3:
実施例1と同様な方法で焼結体を得、測定をした。ただし、粉砕助材に粒径0.5〜1.0mmのニオブビーズ(密度8.5g/cm,破壊靭性値6.0MPa・m1/2以上)を使用して粉砕した。平均粒径1.0μmまで粉砕したときのスラリーの粘度は0.037Pa・s、粉砕後のスラリーのチクソトロピー指数は0.81であった。
以上説明した実施例1、比較例1、比較例3に関して粉砕中の平均粒径の変化を図1に、平均粒径に対するスラリー粘度の変化を図2に示した。
図1から明らかなように実施例1が平均粒径0.5μm以下まで短時間で粉砕できるのに対し、比較例1、3は平均粒径0.6μm付近で粉砕が進みにくくなり、それより小さい粒径にするには相当な粉砕時間を要することがわかる。
また、図2から明らかなように実施例1では平均粒径が小さくなっても粘度上昇が小さいのに対し、比較例1、3では大きく粘度が上昇している。この結果から粘度上昇が小さい方が粉砕が進みやすいことがわかる。
実施例20〜21:
実施例20は実施例1と、実施例21は実施例7と、それぞれ同様な方法で得た焼結体を各50個用意した。これらの焼結体を20Vの電圧で、0.1質量%リン酸水溶液を用い、200分間電解化成して、表面に誘電体酸化皮膜を形成した。次に、60質量%硝酸マンガン水溶液に浸漬後220℃で30分加熱することを繰り返して、誘電体酸化皮膜上に他方の電極層として二酸化マンガン層を形成した。引き続き、その上に、カーボン層、銀ペースト層を順次積層した。次にリードフレームを載せた後、全体をエポキシ樹脂で封止して、チップ型コンデンサを作製した。このチップ型コンデンサの容量とLC値の平均(n=各50個)を表2に示す。なお、LC値は室温で6.3V、1分間印加した時の値である。
実施例22〜23:
実施例22は実施例2と、実施例23は実施例9と、それぞれ同様な方法で得た焼結体を各50個用意した。これらの焼結体を20Vの電圧で、0.1質量%リン酸水溶液を用い、200分間電解化成して、表面に誘電体酸化皮膜を形成した。次に、誘電体酸化被膜の上に、過硫酸アンモニウム10質量%水溶液とアントラキノンスルホン酸0.5質量%水溶液の等量混合液を接触させた後、ピロール蒸気を触れさせる操作を少なくとも5回行うことによりポリピロールからなる他方の電極(対極)を形成した。
引き続き、その上に、カーボン層、銀ペースト層を順次積層した。次にリードフレームを載せた後、全体をエポキシ樹脂で封止して、チップ型コンデンサを作製した。このチップ型コンデンサの容量とLC値の平均(n=各50個)を表2に示す。尚、LC値は室温で6.3V、1分間印加した時の値である。
実施例24〜25:
実施例24は実施例4と、実施例25は実施例11と、同様な方法で得た焼結体を各50個用意した。これらの焼結体を20Vの電圧で、0.1質量%リン酸水溶液を用い、200分間電解化成して、表面に誘電体酸化皮膜を形成した。次に、この焼結体を、過硫酸アンモニウム25質量%を含む水溶液(溶液1)に浸漬した後引き上げ、80℃で30分乾燥させ、次いで誘電体を形成した焼結体を、3,4−エチレンジオキシチオフェン18質量%を含むイソプロパノール溶液(溶液2)に浸漬した後引き上げ、60℃の雰囲気に10分放置することで酸化重合を行った。これを再び溶液1に浸漬し、さらに前記と同様に処理した。
溶液1に浸漬してから酸化重合を行うまでの操作を8回繰り返した後、50℃の温水で10分洗浄を行い、100℃で30分乾燥を行うことにより、導電性のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)からなる他方の電極(対極)を形成した。
引き続き、その上に、カーボン層、銀ペースト層を順次積層した。次にリードフレームを載せた後、全体をエポキシ樹脂で封止して、チップ型コンデンサを作製した。このチップ型コンデンサの容量とLC値の平均(n=各50個)を表2に示す。なお、LC値は室温で6.3V、1分間印加した時の値である。
Figure 0004042995
Figure 0004042995
本発明は、単位質量当たりの容量が大きく、漏れ電流特性の良好なコンデンサを得ることのできるコンデンサ用ニオブ粉、ニオブ合金粉、水素化ニオブ粉、または水素化ニオブ合金粉を効率よく製造する方法を提供したものであり、本発明によれば、分散媒存在下で水素化ニオブまたは水素化ニオブ合金を密度2〜3.6g/cm、破壊靭性値1.5MPa・m1/2以上のビーズ、例えば窒化珪素あるいは窒化珪素を含む化合物の媒体を用いて粉砕することにより、効率よく高容量ニオブ粉を得ることができる。

Claims (22)

  1. 分散媒として水の存在下、粉砕助材として、密度2〜3.6g/cm3、破壊靭性値が1.5MPa・m1/2以上であり、かつ、金属窒化物、金属炭化物、金属硼化物及び窒化珪素からなる群から選択される少なくともひとつを含む化合物である材料を使用して水素化ニオブまたは水素化ニオブ合金を粉砕する工程を含むコンデンサ用ニオブ粉、ニオブ合金粉、水素化ニオブ粉、または水素化ニオブ合金粉の製造方法。
  2. 粉砕助材が、窒化珪素、または窒化珪素を含む化合物である請求項1に記載のコンデンサ用ニオブ粉、ニオブ合金粉、水素化ニオブ粉、または水素化ニオブ合金粉の製造方法。
  3. −200〜30℃の温度範囲で水素化ニオブまたは水素化ニオブ合金を粉砕する請求項1または2に記載のコンデンサ用ニオブ粉、ニオブ合金粉、水素化ニオブ粉、または水素化ニオブ合金粉の製造方法。
  4. 水素化ニオブまたは水素化ニオブ合金を粉砕中、水素化ニオブまたは水素化ニオブ合金の平均粒径が1μmの時の水素化ニオブまたは水素化ニオブ合金及び分散媒からなるスラリーの粘度が20℃において0.03Pa・s以下である請求項1に記載のコンデンサ用ニオブ粉、ニオブ合金粉、水素化ニオブ粉、または水素化ニオブ合金粉の製造方法。
  5. 粉砕終了時、水素化ニオブまたは水素化ニオブ合金及び分散媒からなるスラリーの20℃におけるチクソトロピー指数が0.8以下である請求項1に記載のコンデンサ用ニオブ粉、ニオブ合金粉、水素化ニオブ粉、または水素化ニオブ合金粉の製造方法。
  6. 水素化ニオブ粉または水素化ニオブ合金粉を粉砕後、100〜1000℃の温度で脱水素する工程を含む請求項1乃至のいずれか1項に記載のコンデンサ用ニオブ粉、ニオブ合金粉、水素化ニオブ粉、または水素化ニオブ合金粉の製造方法。
  7. 水素化ニオブまたは水素化ニオブ合金の平均粒径が0.6μm以下となるまで粉砕する請求項1乃至のいずれか1項に記載のコンデンサ用ニオブ粉、ニオブ合金粉、水素化ニオブ粉、または水素化ニオブ合金粉の製造方法。
  8. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の製造方法で得られることを特徴とするコンデンサ用ニオブ粉、ニオブ合金粉、水素化ニオブ粉、または水素化ニオブ合金粉。
  9. 平均粒径が0.01〜10μmである請求項に記載のコンデンサ用ニオブ粉、ニオブ合金粉、水素化ニオブ粉、または水素化ニオブ合金粉。
  10. BET比表面積が0.5〜40m2/gである請求項またはに記載のコンデンサ用ニオブ粉、ニオブ合金粉、水素化ニオブ粉、または水素化ニオブ合金粉。
  11. 嵩密度が0.5〜4g/mlである請求項乃至10のいずれか1項に記載のコンデンサ用ニオブ粉、ニオブ合金粉、水素化ニオブ粉、または水素化ニオブ合金粉。
  12. 細孔径の孔径分布ピークが0.01〜7μmである請求項乃至11のいずれか1項に記載のコンデンサ用ニオブ粉、ニオブ合金粉、水素化ニオブ粉、または水素化ニオブ合金粉。
  13. コンデンサ用ニオブ粉の酸素含有量(質量%)を比表面積(m2/g)で除した値が1.5%/(m2/g)以下である請求項乃至12のいずれか1項に記載のコンデンサ用ニオブ粉、ニオブ合金粉、水素化ニオブ粉、または水素化ニオブ合金粉。
  14. コンデンサ用ニオブ粉が、さらにホウ素、窒素、炭素および硫黄の元素からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を含む請求項乃至13いずれか1項に記載のコンデンサ用ニオブ粉、ニオブ合金粉、水素化ニオブ粉、または水素化ニオブ合金粉。
  15. 請求項乃至14のいずれか1項に記載のコンデンサ用ニオブ粉、ニオブ合金粉、水素化ニオブ粉、または水素化ニオブ合金粉を造粒して得られる平均粒径が10〜500μmの造粒物。
  16. BET比表面積が0.5〜40m2/gである請求項15に記載の造粒物。
  17. 細孔径の孔径分布ピークが0.01〜500μmの範囲内にある請求項15または16に記載の造粒物。
  18. 嵩密度が0.05〜4g/mlである請求項15乃至17のいずれか1項に記載の造粒物。
  19. 酸素濃度が14質量%以下である請求項15乃至18のいずれか1項に記載の造粒物。
  20. 請求項乃至14のいずれか1項に記載のコンデンサ用ニオブ粉、ニオブ合金粉、水素化ニオブ粉、または水素化ニオブ合金粉、及び/または請求項15乃至19のいずれか1項に記載の造粒物を焼結して得られる焼結体。
  21. 請求項20に記載の焼結体を一方の電極とし、前記焼結体表面上に形成された誘電体と、前記誘電体上に設けられた他方の電極とから構成されたコンデンサ。
  22. 誘電体の主成分が酸化ニオブである請求項21に記載のコンデンサ。
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