JP4042551B2 - マイクロアクチュエータ装置及び光スイッチシステム - Google Patents

マイクロアクチュエータ装置及び光スイッチシステム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロアクチュエータアレー、並びに、これを用いたマイクロアクチュエータ装置、光スイッチアレー及び光スイッチシステムに関するものである。このような光スイッチアレーは、例えば、光通信などに利用することができるものである。
【0002】
【従来の技術】
マイクロマシニング技術の進展に伴い、種々の分野においてアクチュエータの重要性が高まっている。マイクロアクチュエータが用いられている分野の一例として、例えば、光通信などに利用され光路を切り替える光スイッチを挙げることができる。このような光スイッチの一例として、例えば、下記特許文献1に開示された光スイッチを挙げることができる。
【0003】
特許文献1に開示された光スイッチにおいて採用されているマイクロミラーを移動させるマイクロアクチュエータは、固定部に対して移動可能にされた可動部を有し、バネ力にて可動部が上方位置(マイクロミラーが入射光を反射させる位置)に復帰するように構成されている。そして、固定部に第1の電極部(固定電極)が配置され、可動部に第2の電極部(可動電極)が配置されている。第1及び第2の電極部間に電圧を印加して両者の間に静電力を発生させることで、可動部が下方位置(マイクロミラーが入射光をそのまま通過させる位置)に移動されて保持される。第1及び第2の電極部間への電圧の印加を停止すると、バネ力により可動部が上方位置に復帰する。
【0004】
また、光スイッチの他の例として、下記特許文献2に開示されたマトリクス光スイッチがある。この光スイッチでは、同一基板上にマトリクス状に配置された複数のマイクロアクチュエータにより各微小ミラーが駆動される。各マイクロアクチュエータは、電磁誘導などを駆動原理としたものである。そして、この光スイッチでは、前記基板上に、指令信号をデーコードして各マイクロアクチュエータに駆動信号を供給するアドレス回路(Xアドレスデコーダ、Yアドレスデコーダ)が搭載されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−42233号公報(段落番号[0002]〜[0004]、図10、図11)
【特許文献2】
特開平5−113543号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
光スイッチの規模は、2×2チャネルや4×4チャネルの小規模なものから、128×128チャネルや256×256チャネルといった大規模なものまで、いろいろなものがある。特許文献1は、1チャンネルの光スイッチのみしか開示されていないが、特許文献2の場合と同様に、特許文献1に開示されたマイクロアクチュエータを同一基板上に複数並べてその規模を拡大することができる。
【0007】
静電力を用いるマイクロアクチュエータを複数並べて光スイッチを構成するとき、この規模の大きさによって配線の方法が変わってくる。
【0008】
特許文献1,2には開示されていないが、小規模の場合には、従来は、全てのマイクロアクチュエータの固定電極及び可動電極のうちの一方の電極を基板上で電気的に共通に接続して共通電極とし、他方の電極を互いに電気的に接続することなくそれぞれ個別電極として基板の外に引き出していた。よって、例えば、N×Nチャネルでは、N+1本の配線を基板から引き出していた。なお、電極を引き出すとは、外部接続用の配線を当該電極に電気的に接続することをいう。説明の便宜上、このような方式を共通電極・個別電極引き出し方式と呼ぶ。
【0009】
一方、大規模の場合には、従来は、特許文献2の場合と同様に、マイクロアクチュエータを搭載した基板に、CMOS等でアドレス回路等を作製し、基板の外には、10本程度の配線を引き出していた。説明の便宜上、このような方式をアドレス回路搭載方式と呼ぶ。
【0010】
アドレス回路搭載方式の場合には、規模が大きくなっても、外部に引き出す配線の数が少なくて済み、この点では非常に有利である。しかし、アドレス回路搭載方式の場合には、下記の第1乃至第3の欠点があり、規模がある程度以上でなければ、下記の欠点の弊害が前記利点をはるかに上回ってしまい、中規模以下の場合には適していない。
【0011】
アドレス回路搭載方式の第1の欠点として、アクチュエータを静電駆動する場合には数10V程度、場合によっては100V以上の高電圧が必要となる場合が多く、アドレス回路等を構成するMOSには高耐圧のものが必要となっていた。高耐圧MOSは通常のMOSと比べて素子の平面寸法が大きくなるため、アクチュエータの寸法も大きくなってしまうという問題があった。また、第2の欠点として、製造工程もMOSの製造工程分だけ増えてしまうため、コスト的にも高くなると言う問題点がある。さらに、第3の欠点として、MOS製造後に平坦化を十分に行わないとその上に作製するMEMSの形状に下地の形状が転写されてしまい、異常な動作の原因ともなるため、平坦化工程のコストが追加されるという問題点もある。
【0012】
これに対し、共通電極・個別電極引き出し方式の場合には、アドレス回路等が搭載されないため、アドレス回路搭載方式の前記欠点が生ずることがない。しかし、中規模以下の場合であっても、規模がわずかに大きくなるだけで、外部に引き出す配線の数が著しく多くなってしまうため、せいぜい8×8チャネル程度の規模が限界である。8×8チャネルの規模であっても、65本もの配線を外部に引き出す必要がある。
【0013】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、アドレス回路等を搭載することなく外部に引き出す配線の本数を減らすことができるマイクロアクチュエータアレー、並びに、これを用いたマイクロアクチュエータ装置、光スイッチアレー及び光スイッチシステムを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の第1の態様によるマイクロアクチュエータアレーは、複数のマイクロアクチュエータと、複数の端子からなる第1の端子群と、複数の端子からなる第2の端子群と、を備えたマイクロアクチュエータアレーであって、(a)前記各マイクロアクチュエータは、固定部に対して移動し得るように設けられた可動部と、前記固定部に設けられた第1の電極部と、前記可動部に設けられ前記第1の電極部との間の電圧により前記第1の電極部との間に静電力を生じ得る第2の電極部と、を有し、(b)前記各マイクロアクチュエータに関して、前記可動部は、前記静電力が増大する第1の位置と前記静電力が低下又は消失する第2の位置との間を移動し得るとともに、前記第2の位置に復帰しようとする復帰力が生ずるように、設けられ、(c)前記各マイクロアクチュエータに関して、当該マイクロアクチュエータの前記第1の電極部が、前記第1及び第2の端子群のうちの一方の端子群のいずれか1つの端子に電気的に接続されるとともに前記第1及び第2の端子群の他の端子に電気的に接続されず、(d)前記各マイクロアクチュエータに関して、当該マイクロアクチュエータの前記第2の電極部が、前記第1及び第2の端子群のうちの他方の端子群のいずれか1つの端子に電気的に接続されるとともに前記第1及び第2の端子群の他の端子に電気的に接続されず、(e)前記各マイクロアクチュエータに関して、当該マイクロアクチュエータの前記第1の電極部に電気的に接続された第1又は第2の端子群の1つの端子と当該マイクロアクチュエータの前記第2の電極部に電気的に接続された前記第1又は第2の端子群の1つの端子との組み合わせは、当該マイクロアクチュエータに固有のものとなり、(f)前記第1の端子群の少なくとも1つの端子が、前記複数のマイクロアクチュエータのうちの2つ以上のマイクロアクチュエータの前記第1又は第2の電極部に、共通して電気的に接続され、(g)前記第2の端子群の少なくとも1つの端子が、前記複数のマイクロアクチュエータのうちの2つ以上のマイクロアクチュエータの前記第1又は第2の電極部に、共通して電気的に接続されたものである。前記可動部は、例えば、薄膜で構成される。
【0015】
前記(e)の「固有」とは、第1の端子群から任意の1つの端子を選択するとともに第2の端子群から任意の1つの端子を選択したとき、この2つの端子に対応する(すなわち、この2つの端子が両電極にそれぞれ電気的に接続されている)マイクロアクチュエータが1つだけ特定される意味である。
【0016】
本発明の第2の態様によるマイクロアクチュエータアレーは、前記第1の態様において、(a)m,nをそれぞれ2以上の整数としたとき、前記複数のマイクロアクチュエータの数がm×n個であり、(b)前記第1の端子群の端子の数がm個であり、(c)前記第2の端子群の端子の数がn個であり、(d)前記第1の端子群の各端子が、前記複数のマイクロアクチュエータのうちのn個のマイクロアクチュエータの前記第1又は第2の電極部に、それぞれ共通して電気的に接続され、(e)前記第2の端子群の各端子が、前記複数のマイクロアクチュエータのうちのm個のマイクロアクチュエータの前記第1又は第2の電極部に、それぞれ共通して電気的に接続されたものである。
【0017】
なお、前記「m×n」は単に前記複数のマイクロアクチュエータの数を表すものであり、前記複数のマイクロアクチュエータの配置は、必ずしもm行×n列のマトリクス配置に限定されるものではない。
【0018】
本発明の第3の態様によるマイクロアクチュエータ装置は、前記第1又は第2の態様によるマイクロアクチュエータアレーと、前記第1及び第2の端子群の各端子に接続され、前記第1及び第2の端子群の各端子の電位をそれぞれ制御することで前記各マイクロアクチュエータの前記可動部の位置を切り替える制御を行う制御部と、を備えたものである。
【0019】
本発明の第4の態様によるマイクロアクチュエータ装置は、前記第3の態様において、(a)前記制御部は、前記第1の端子群の各端子をそれぞれ第1、第2及び第3の電位状態にし得るとともに、前記第2の端子群の各端子をそれぞれ第4、第5及び第6の電位状態にし得るように構成され、(b)前記第1乃至第6の電位状態における電位は、「第1の電位状態の電位>第2の電位状態の電位>第3の電位状態の電位≧第4の電位状態の電位>第5の電位状態の電位>第6の電位状態の電位」の大小関係又はこの関係と逆の大小関係を満たし、(c)前記第1の電位状態における電位と前記第6の電位状態における電位との電位差は、前記複数のマイクロアクチュエータのうちの前記可動部が前記第2の位置に位置しているマイクロアクチュエータの前記第1及び第2の電極部間に当該電位差が印加されたときに、当該マイクロアクチュエータの前記可動部を前記第1の位置へ移動させる電圧であり、(d)前記第3の電位状態における電位と前記第4の電位状態における電位との電位差は、前記複数のマイクロアクチュエータのうちの前記可動部が前記第1の位置に位置しているマイクロアクチュエータの前記第1及び第2の電極部間に当該電位差が印加されたときに、当該マイクロアクチュエータの前記可動部を前記第2の位置へ復帰させる電圧であり、(e)前記第3の電位状態における電位と前記第5の電位状態における電位との電位差、及び、前記第2の電位状態における電位と前記第4の電位状態における電位との電位差は、前記複数のマイクロアクチュエータのうちの前記可動部が前記第1の位置に位置しているマイクロアクチュエータの前記第1及び第2の電極部間に当該電位差が印加されたときに、当該マイクロアクチュエータの前記可動部を前記第2の位置へ復帰させずに前記第1の位置に保持する電圧であり、(f)前記第2の電位状態における電位と前記第5の電位状態における電位との電位差は、前記複数のマイクロアクチュエータのうちの前記可動部が前記第2の位置に位置しているマイクロアクチュエータの前記第1及び第2の電極部間に当該電位差が印加されたときに、当該マイクロアクチュエータの前記可動部を前記第1の位置へ復帰させずに前記第2の位置に保持する電圧であるものである。
【0020】
前記電位状態は、例えば、電位が時間的に変化しない状態であってもよいし、電位が時間的にパルス状に変化する状態であってもよいし、電位が時間的に正弦波状に変化する状態であってもよい。
【0021】
本発明の第5の態様によるマイクロアクチュエータ装置は、前記第4の態様において、前記第1の電位状態と前記第3の電位状態とが同一の電位状態であるものである。
【0022】
本発明の第6の態様によるマイクロアクチュエータアレーは、前記第1又は第2の態様において、前記各マイクロアクチュエータにおいて、磁界内に配置されて通電によりローレンツ力を生じる電流路が前記可動部に設けられたものである。
【0023】
本発明の第7の態様によるマイクロアクチュエータ装置は、前記第6の態様によるマイクロアクチュエータアレーと、前記磁界を発生させる磁界発生部と、前記第1及び第2の端子群の各端子並びに前記各マイクロアクチュエータアレーの前記電流路に電気的に接続され、前記第1及び第2の端子群の各端子の電位並びに前記各マイクロアクチュエータアレーの前記電流路に流れる電流をそれぞれ制御することで、前記各マイクロアクチュエータの前記可動部の位置を切り替える制御を行う制御部と、を備えたものである。
【0024】
本発明の第8の態様によるマイクロアクチュエータ装置は、前記第7の態様において、(a)前記制御部は、前記第1の端子群の各端子をそれぞれ第1及び第2の電位状態にし得るとともに、前記第2の端子群の各端子をそれぞれ第3及び第4の電位状態にし得るように構成され、(b)前記第2の電位状態における電位と前記第4の電位状態における電位との電位差は、前記複数のマイクロアクチュエータのうちの前記可動部が前記第2の位置に位置しているマイクロアクチュエータの前記第1及び第2の電極部間に当該電位差が印加されるとともに当該マイクロアクチュエータの前記電流路に所定電流が流されたときに、当該マイクロアクチュエータの前記可動部を前記第1の位置へ移動させる電圧であり、(c)前記第1の電位状態における電位と前記第3の電位状態における電位との電位差は、前記複数のマイクロアクチュエータのうちの前記可動部が前記第1の位置に位置しているマイクロアクチュエータの前記第1及び第2の電極部間に当該電位差が印加されたときに、当該マイクロアクチュエータの前記可動部を前記第2の位置へ復帰させる電圧であり、(d)前記第2の電位状態における電位と前記第3の電位状態における電位との電位差、及び、前記第1の電位状態における電位と前記第4の電位状態における電位との電位差は、前記複数のマイクロアクチュエータのうちの前記可動部が前記第1の位置に位置しているマイクロアクチュエータの前記第1及び第2の電極部間に当該電位差が印加されたときに、当該マイクロアクチュエータの前記可動部を前記第2の位置へ復帰させずに前記第1の位置に保持する電圧であるものである。
【0025】
本発明の第9の態様によるマイクロアクチュエータ装置は、前記第8の態様において、前記第1の電位状態と前記第3の電位状態とが同一の電位状態であるものである。
【0026】
本発明の第10の態様による光スイッチアレーは、前記第1、第2及び第6のいずれかの態様によるマイクロアクチュエータアレーと、前記複数のマイクロアクチュエータの前記可動部にそれぞれ設けられたミラーと、を備えたものである。
【0027】
本発明の第11の態様による光スイッチシステムは、前記第3、第4、第5、第7、第8及び第9のいずれかの態様によるマイクロアクチュエータ装置と、前記複数のマイクロアクチュエータの前記可動部にそれぞれ設けられたミラーと、を備えたものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるマイクロアクチュエータアレー、並びに、これを用いたマイクロアクチュエータ装置、光スイッチアレー及び光スイッチシステムについて、図面を参照して説明する。
【0029】
[第1の実施の形態]
【0030】
図1は、本発明の第1の実施の形態による光スイッチアレー1を備えた光スイッチシステムの一例を示す概略構成図である。説明の便宜上、図1に示すように、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸を定義する(後述する図についても同様である。)。光スイッチアレー1の基板121の面がXY平面と平行となっている。また、Z軸方向のうち矢印の向きを+Z方向又は+Z側、その反対の向きを−Z方向又は−Z側と呼び、X軸方向及びY軸方向についても同様とする。なお、Z軸方向の+側を上側、Z軸方向の−側を下側という場合がある。
【0031】
本実施の形態による光スイッチシステムは、図1に示すように、光スイッチアレー1と、m本の光入力用光ファイバ2と、m本の光出力用光ファイバ3と、n本の光出力用光ファイバ4と、光路切替状態指令信号に応答して、当該光路切替状態指令信号が示す光路切換状態を実現するための制御信号を光スイッチアレー1に供給する制御部としての外部制御回路6と、を備えている。図1に示す例では、m=3、n=3となっているが、m及びnはそれぞれ任意の数でよい。
【0032】
光スイッチアレー1は、図1に示すように、基板121と、基板121上に配置されたm×n個のミラー12とを備えている。m本の光入力用光ファイバ2は、基板121に対するY軸方向の一方の側からY軸方向に入射光を導くように、XY平面と平行な面内に配置されている。m本の光出力用光ファイバ3は、m本の光入力用光ファイバ2とそれぞれ対向するように基板121に対する他方の側に配置され、光スイッチアレー1のいずれのミラー12によっても反射されずにY軸方向に進行する光が入射するように、XY平面と平行な面内に配置されている。n本の光出力用光ファイバ4は、光スイッチアレー1のいずれかのミラー12により反射されてX軸方向に進行する光が入射するように、XY平面と平行な面内に配置されている。m×n個のミラー12は、m本の光入力用光ファイバ2の出射光路と光出力用光ファイバ4の入射光路との交差点に対してそれぞれ、後述するマイクロアクチュエータ111により進出及び退出可能にZ軸方向に移動し得るように、2次元マトリクス状に基板121上に配置されている。なお、本例では、ミラー12の向きは、その法線がXY平面と平行な面内においてX軸と45゜をなすように設定されている。もっとも、その角度は適宜変更することも可能であり、ミラー12の角度を変更する場合には、その角度に応じて光出力用光ファイバ4の向きを設定すればよい。また、図1は光ビームを空間で交差させてスイッチを行う装置であり、ファイバー端には光ビームとの結合を改善する為に、レンズを挿入することもある。
【0033】
この光スイッチシステムの光路切替原理自体は、従来の2次元光スイッチの光路切替原理と同様である。
【0034】
次に、図1中の光スイッチアレー1の単位素子としての1つの光スイッチの構造について、図2乃至図9を参照して説明する。図2は、本発明の第1の実施の形態による光スイッチシステムで用いられている光スイッチアレーを構成する単位素子としての1つの光スイッチ(すなわち、1つのマイクロアクチュエータ111及びこれにより駆動される1つのミラー12)を模式的に示す概略平面図である。図2では、可動部及び脚部の表面に全体に渡って形成された保護膜としてのSiN膜144は省略して示し、本来実線で書くべき凸条部149,150のラインを破線で示し、Al膜142にハッチングを付している。図3は、図2中のX11−X12線に沿った概略断面図である。図面には示していないが、図2中のX19−X20線に沿った概略断面図は図3と同様となる。図4は、図2中のX13−X14線に沿った概略断面図である。図面には示していないが、図2中のX17−X18線に沿った概略断面図は図4と同様となる。図5は、図2中のX15−X16線に沿った概略断面図である。図6は、図2中のY11−Y12線に沿った概略断面図である。図7は、図2中のY13−Y14線に沿った概略断面図である。図8は、図2中のY15−Y16線に沿った概略断面図である。図9は、図2中のY17−Y18線に沿った概略断面図である。なお、図3乃至図9では、梁構成部132,134がZ軸方向に湾曲していないものとして示しているが、梁構成部132,134は、実際には、可動部が力を受けていない状態において、当該梁構成部132,134を構成する膜の応力によって+Z方向に湾曲している。
【0035】
本実施の形態では、マイクロアクチュエータ111は片持ち梁構造を有している。もっとも、本発明では、マイクロアクチュエータは、例えば、前記特許文献1と同様に、フレクチュア部による両持ち構造を有していてもよい。
【0036】
本実施の形態で用いられているマイクロアクチュエータ111は、シリコン基板やガラス基板等の基板121と、脚部122a,123aと、Z軸方向から見た平面視で主としてX軸方向に並行して延びた2本の帯板状の梁部124,125と、梁部124,125の先端(自由端、+X方向の端部)に設けられそれらの間を機械的に接続する平面視で長方形状の接続部126と、梁部124を構成する梁構成部133及び梁部125を構成する梁構成部135の固定端側同士を補強のために機械的に接続する接続部127と、固定電極(第1の電極部)128と、を備えている。
【0037】
梁部124の固定端(−X方向の端部)は、基板121上のシリコン酸化膜等の絶縁膜129上に形成されたAl膜からなる配線パターン130(図2では省略)をそれぞれ介して基板121から立ち上がる立ち上がり部を持つ脚部122aを介して、基板121に機械的に接続されている。同様に、梁部125の固定端(−X方向の端部)は、基板121上の絶縁膜129上に形成されたAl膜からなる配線パターン(図示せず)を介して基板121から立ち上がる立ち上がり部を持つ脚部123aを介して、基板121に機械的に接続されている。前述したように、梁部124,125の自由端間が接続部126で機械的に接続され、梁構成部132,134の固定端側同士が接続部127で機械的に接続されている。したがって、本実施の形態では、梁部124,125及び接続部126,127が、全体として、片持ち梁構造を持つ可動部を構成している。本実施の形態では、基板121、固定電極128及び絶縁膜129が、固定部を構成している。
【0038】
梁部124は、前記可動部の固定端と自由端との間に機械的にX軸方向に直列に接続された2つの梁構成部132,133を有している。梁構成部132は、Z軸方向から見た平面視でX軸方向に延びた帯板状に構成されている。梁構成部133は、帯板状に構成され、図2に示すように、Z軸方向から見た平面視で、主としてX軸方向に延びているものの、−X側の位置でY軸方向に折れ曲がったような形状を有している。固定端側(−X側)の梁構成部132はZ軸方向に撓み得る板ばね部となっているのに対し、自由端側(+X側)の梁構成部133はZ軸方向(基板121側及びその反対側)の撓み及びその他の方向の撓みに対して実質的に剛性を有する剛性部となっている。
【0039】
梁構成部132は、下側のSiN膜141と中間のAl膜142と上側の保護膜としてのSiN膜144とが積層された3層の薄膜で、板ばねとして作用するように構成されている。梁構成部132におけるAl膜142は、静電力用の可動電極への配線の一部として用いられている。
【0040】
梁構成部133は、梁構成部132からそのまま連続して延びた下側のSiN膜141と中間のAl膜142と上側の保護膜としてのSiN膜144とが積層された3層の薄膜で、構成されている。しかし、後述する凸条部149,150を形成することによって、梁構成部133に前述した剛性を持たせている。
【0041】
図3では、梁構成部132がZ軸方向に湾曲していないものとして示しているが、梁構成部132は、実際には、駆動信号が供給されていない状態において、膜141,142,144の応力によって、上方(基板121と反対側、+Z方向)に湾曲している。このような湾曲状態は、膜141,142,144の成膜条件を適宜設定することにより、実現することができる。一方、梁構成部133は、駆動信号の供給の有無に拘わらずZ軸方向に実質的に湾曲しておらず、前述した剛性を持つことにより、膜141,142,144の応力により湾曲することがなく常に平板状の状態を維持する。このように、梁構成部132と梁構成部133とは、梁部124が力を受けない状態で、異なる湾曲・非湾曲状態を持っている。
【0042】
本実施の形態では、脚部122aは、梁構成部132を構成するSiN膜141,144及びAl膜142がそのまま連続して延びることによって構成されている。Al膜142は、脚部122aにおいてSiN膜141に形成された開口を介して配線パターン130に電気的に接続されている。なお、脚部122aの上部には、脚部122aの強度を補強するために、凸条部151がZ方向から見た平面視で口の字状に形成されている。
【0043】
梁部125及び脚部123aは、前述した梁部124及び脚部122aとそれぞれ全く同一の構造を有している。梁部125を構成する梁構成部134,135は、梁部124を構成する梁構成部132,133に相当している。また、脚部123aの上部には、前述した凸条部151に相当する凸条部152が形成されている。
【0044】
接続部127は、梁構成部133,135からそのまま連続して延びたSiN膜141,144の2層膜で構成されている。接続部127には、梁構成部133,135からのAl膜142は延びておらず、接続部127においては、何ら電気的な接続は行われていない。
【0045】
本実施の形態では、梁構成部133,135及び接続部126,127に一括して剛性を付与するべく、図2中の破線で示すように、平面視でこれらの一括した領域の外周側において周回するように凸条部149が形成され、前記一括した領域の内周側に周回するように凸条部150が形成されている。この凸条部149,150によって、梁構成部133,135が補強されて剛性を有している。梁構成部133,135は、駆動信号の供給の有無に拘わらずZ軸方向に実質的に湾曲しておらず、前述した剛性を持つことにより、膜141,142,144の応力により湾曲することがなく常に平板状の状態を維持する。
【0046】
接続部126は、梁構成部133,135を構成するSiN膜141,144及びAl膜142がそのまま連続して延びることによって構成されている。接続部126には、被駆動体としてのAu、Ni又はその他の金属からなるミラー12が設けられている。
【0047】
接続部126におけるAl膜142の部分が、静電力用の可動電極(第2の電極部)として兼用されている。この可動電極に対向する基板121上の領域には、Al膜からなる静電力用の固定電極128が形成されている。図面には示していないが、固定電極128を構成するAl膜は配線パターンとしても延びており、前記配線パターン130と共に利用することによって、固定電極128と可動電極として兼用された接続部126におけるAl膜142との間に電圧(静電力用電圧)を、印加できるようになっている。
【0048】
以上の説明からわかるように、本実施の形態では、梁部124,125及び接続部126,127が構成する可動部が、基板121、固定電極128及び絶縁膜129からなる固定部に対して、上下に(Z軸方向に)移動し得るようになっている。すなわち、本実施の形態では、前記可動部は、板ばねを構成する梁構成部132,134のバネ力により復帰しようとする上側位置と、接続部126が固定電極128に当接する下側位置との間を、移動し得るようになっている。前記上側位置では、可動部の可動電極(接続部126におけるAl膜142)と固定部の固定電極128との間隔が広がって、両者の間に生じ得る静電力は低下又は消失する。前記下側位置では、可動部の可動電極(接続部126におけるAl膜142)と固定部の固定電極128との間隔が狭まって、両者の間に生じ得る静電力は増大する。両電極間の電圧が十分に小さい場合には、前記バネ力により前記可動部が前記上側位置に復帰するので、以下の説明では、前記上側位置を解放位置と呼ぶ場合がある。一方、両電極間の電圧が十分に大きい場合には、前記バネ力に抗した前記静電力により前記可動部が前記下側位置にクランプされるので、以下の説明では、前記下側位置をクランプ位置と呼ぶ場合がある。
【0049】
ここで、前述した1つのマイクロアクチュエータ111について、前記両電極間の電圧と前記両電極間の間隔(この間隔は、前記可動部の位置を示すことになる。)との関係を、図11に示す。電極間の電圧が0Vの時には、前記可動部は前記解放位置にある。そこから、電極間電圧を徐々に上昇させていくと、クランプ電圧Vcに達したところで、静電力がバネ力よりも強くなり可動電極が固定電極128に吸い寄せられて、可動部はクランプ位置になる。それ以上電圧を上昇させても、可動部の位置は変化しない。次に、そこから電圧を徐々に下げてくると、電極間電圧がクランプ電圧Vc以下になっても、可動部のクランプはすぐには解放されず、電極間電圧がクランプ電圧Vcよりも低い解放電圧Vrになったところで、前記バネ力が静電力よりも強くなり可動部が解放され、解放位置に戻る。このように、電極間隔と電極間電圧との間にはヒステリシスを持った特性がある。このヒステリシス特性は、静電力が電極間隔の2乗に反比例することで、電極位置によって静電力が変わることに起因する。なお、このようなヒステリシス特性は、前述した構造を持つマイクロアクチュエータのみならず、静電力を利用するマイクロアクチュエータが一般的に有している。
【0050】
したがって、本実施の形態では、前記電極間電圧を制御することで、ミラー12が上側(基板121と反対側)に保持された状態及びミラー12が下側(基板121側)に保持された状態にすることができる。本実施の形態では、後述するように、このような制御が行われるようになっている。
【0051】
本実施の形態では、図10に示すように、ミラー12及びこれを駆動するマイクロアクチュエータ111で構成された光スイッチが複数基板121上に2次元マトリクスに配置され、これらが光スイッチアレーを構成している。本実施の形態では、梁構成部133,135が、図2に示すように、Z軸方向から見た平面視で−X側の位置でY軸方向に折れ曲がったような形状を有し、これにより、梁部124,125の途中をY軸方向に折れ曲がったような形状にしているため、図10に示すように、複数のマイクロアクチュエータ111を基板121上に2次元状に配置する場合、その配置密度を高めることができるようになっている。図10は、本実施の形態による光スイッチシステムで用いられている光スイッチアレーを模式的に示す概略平面図である。
【0052】
なお、本実施の形態では、可動部及び脚部の表面に全体に渡って、保護膜としてのSiN膜144が形成されているが、このSiN膜144は形成しなくてもよい。
【0053】
図12は、本実施の形態で用いられている光スイッチアレーを示す電気回路図である。図2乃至図9に示す単一の光スイッチは、電気回路的には、1個のコンデンサ(固定電極128と可動電極(接続部126におけるAl膜142)とがなすコンデンサに相当)と見なせる。図12では、m行n列の光スイッチのコンデンサをそれぞれCmnと表記している。例えば、図12中の左上の(1行1列の)光スイッチのコンデンサをC11と表記している。本実施の形態では、各コンデンサの図12中の左側電極が固定電極、図12中の右側電極が可動電極となっている。もっとも、任意の1つの以上のコンデンサについて、固定電極と可動電極の電気的な接続関係を入れ替えてもよいことは、言うまでもない。
【0054】
図12では、説明を簡単にするため、9個の光スイッチを3行3列に配置している。もっとも、光スイッチの数は何ら限定されるものではなく、例えば100行100列の光スイッチを有する場合も、原理は同一である。また、光スイッチの数が同じであっても、行数と列数を同数にする必要はないし、マトリクス配置にする必要もない。例えば、光スイッチの数が9個の場合、1行9列の配置でもよいし、光スイッチの数が16個の場合、4行4列、1行16列及び2行8列のいずれの配置でもよい。
【0055】
本実施の形態で用いられている光スイッチアレーには、図12に示すように、複数の端子CD1〜CD3からなる第1の複数の端子群、及び、複数の端子CU1〜CU3からなる第2の端子群が設けられている。これらの端子CD1〜CD3,CU1〜CU3は、図1中の外部制御回路6に接続するための外部接続用の端子である。本実施の形態では、前述した脚部122aの下の配線パターン130及び脚部123aの下の配線パターン(図示せず)によって、図12に示す電気的な接続が実現されている。端子CD1〜CD3,CU1〜CU3は、例えば、これらの配線パターンの一部を電極パッドとすることにより構成することができる。なお、脚部122aの下の配線パターン130及び脚部123aの下の配線パターンのいずれか一方は、必ずしも用いる必要はない。
【0056】
また、図12では、第1の端子群の端子CD1〜CD3の数が光スイッチの行数と同じく3個とされ、第2の端子群の端子CU1〜CU3の数が光スイッチの列数と同じく3個とされている。もっとも、第1及び第2の端子群の数は、光スイッチの行数や列数と必ずしも同一にする必要はなく、例えば、下記の条件(a)〜を満たせばよい。すなわち、(a)各マイクロアクチュエータ111に関して、当該マイクロアクチュエータ111の固定電極128が、前記第1及び第2の端子群のうちの一方の端子群のいずれか1つの端子に電気的に接続されるとともに前記第1及び第2の端子群の他の端子に電気的に接続されないこと、(b)各マイクロアクチュエータ111に関して、当該マイクロアクチュエータ111の可動電極が、前記第1及び第2の端子群のうちの他方の端子群のいずれか1つの端子に電気的に接続されるとともに前記第1及び第2の端子群の他の端子に電気的に接続されないこと、(c)各マイクロアクチュエータ111に関して、当該マイクロアクチュエータ111の前記固定電極128に電気的に接続された第1又は第2の端子群の1つの端子と当該マイクロアクチュエータ111の可動電極に電気的に接続された前記第1又は第2の端子群の1つの端子との組み合わせは、当該マイクロアクチュエータ111に固有のものとなること、(d)前記第1の端子群の少なくとも1つの端子が、当該光スイッチアレーに搭載されている複数のマイクロアクチュエータ111のうちの2つ以上のマイクロアクチュエータ111の固定電極128又は可動電極に、共通して電気的に接続されること、(e)前記第2の端子群の少なくとも1つの端子が、当該光スイッチアレーに搭載されている複数のマイクロアクチュエータ111のうちの2つ以上のマイクロアクチュエータ111の固定電極128又は可動電極に、共通して電気的に接続されること、の各条件を満たせばよい。
【0057】
前記条件(a)〜(e)を満たす一例として、図12に示す例では、1行目のコンデンサC11,C12,C13の固定電極128は、第1の端子群の端子CD1に共通して電気的に接続され、その他の端子には電気的に接続されていない。2行目のコンデンサC21,C22,C23の固定電極128は、第1の端子群の端子CD2に共通して電気的に接続され、その他の端子には電気的に接続されていない。3行目のコンデンサC31,C32,C33の固定電極128は、第1の端子群の端子CD3に共通して電気的に接続され、その他の端子には電気的に接続されていない。また、1列目のコンデンサC11,C21,C31の可動電極は、第2の端子群の端子CU1に共通して電気的に接続され、その他の端子には電気的に接続されていない。2列目のコンデンサC12,C22,C32の可動電極は、第2の端子群の端子CU2に共通して電気的に接続され、その他の端子には電気的に接続されていない。3列目のコンデンサC13,C23,C33の可動電極は、第2の端子群の端子CU3に共通して電気的に接続され、その他の端子には電気的に接続されていない。
【0058】
なお、本実施の形態で用いられている光スイッチアレーには、図12に示すように、アドレス回路や列選択スイッチや行選択スイッチ等は搭載されていない。
【0059】
本実施の形態で用いられている光スイッチアレーは、例えば、膜の形成及びパターニング、エッチング、犠牲層の形成・除去などの半導体製造技術を利用して、製造することができる。なお、ミラー12は、例えば、前記特許文献1に開示されているように、ミラー12に対応する凹所をレジストに形成した後、電解メッキによりミラー12となるべきAu、Niその他の金属38を成長させ、その後に前記レジストを除去することで、形成することができる。
【0060】
本実施の形態では、図1中の外部制御回路6は、前記端子CD1〜CD3,CU1〜CU3に接続され、これらの端子の電位をそれぞれ独立して制御することで、前記光スイッチアレーの各光スイッチの光路切換状態を制御する。外部制御回路6は、光路切替状態指令信号に応答して当該光路切替状態指令信号が示す光路切換状態を実現するための制御信号を、各端子CD1〜CD3,CU1〜CU3に与える電位として供給する。本実施の形態では、外部制御回路6は、以下に説明する例のように、各マイクロアクチュエータ111が前述した図11に示すヒステリシス特性を持つことを巧みに利用しつつ、各端子CD1〜CD3,CU1〜CU3に与える電位を制御することで、各マイクロアクチュエータ111の両電極の電位をそれぞれ制御することにより、各光路切換状態を実現する。なお、外部制御回路6の具体的な回路構成自体は、以下に説明する動作例から明らかである。
【0061】
図13は、外部制御回路6が各端子CD1〜CD3,CU1〜CU3に与える電位のタイミングチャートの一例を示すものである。図13に示す例では、外部制御回路6は、第1の端子群の端子CD1〜CD3には3つの電位Vh,Vm,0のいずれかの電位を与え、第2の端子群の端子CU1〜CU3には3つの電位−Vh,−Vm,0のいずれかの電位を与える。ここで、Vh,Vmは0を基準とした正の値とし、Vh>Vmとする。もっとも、各電位の絶対値は、それらの相対的な関係を変えなければ、任意の電位レベルを基準として定めてもよいことは、言うまでもない。
【0062】
図13に示す例では、時刻t1以前は、各端子CD1〜CD3,CU1〜CU3の電位は0とされている。これにより、9個の全てのアクチュエータ111の電極間電圧は0Vとなっているので、全てのアクチュエータ111は解放状態(可動部が解放位置(上側位置)に位置する状態)となっている。
【0063】
時刻t1において、端子CD1〜CD3の電位はVhに上昇されるとともに、端子CU1〜CU3の電位は−Vhに下降される。これにより、9個の全てのアクチュエータ111の電極間電圧(電極間電位差)は2×Vhとなる。ここで、Vhは2×Vhが図11に示すクランプ電圧Vcより高くなるように設定しておく。例えば、クランプ電圧Vcが15VであればVhは8Vにしておく。よって、9個の全てのアクチュエータ111の電極間電圧はクランプ電圧Vc以上となるので全てのアクチュエータ111はクランプ状態(可動部がクランプ位置(下側位置)に位置する状態)となる。
【0064】
時刻t2において、端子CD1〜CD3の電位はVmに下降されるとともに、端子CU1〜CU3の電位は−Vmに上昇される。これにより、9個の全てのアクチュエータ111の電極間電圧は2×Vmとなる。ここで、Vmは、Vmが図11の解放電圧Vrより高くなりかつ2×Vmがクランプ電圧Vcより低くなるように、設定しておく。例えば、解放電圧Vrが5Vであるとともにクランプ電圧Vcが15Vであれば、Vmは6Vにしておく。よって、9個の全てのアクチュエータ111の電極間電圧2×Vmは解放電圧Vr以上となるので、全てのアクチュエータ111はクランプ状態を維持する。
【0065】
時刻t3において、端子CD1の電位は0に下降されるとともに、端子CU1の電位は0に上昇される。これにより、9個のアクチュエータ111のうち、コンデンサC11に相当するアクチュエータ111の電極間電圧は0となる。よって、この電極間電圧が解放電圧Vr以下となるので、コンデンサC11に相当するアクチュエータ111は解放状態となる。一方、コンデンサC12,C13,C21,C31の電極間電圧はVmに下降するが、この電圧Vmは解放電圧Vrより高いので、コンデンサC12,C13,C21,C31に相当するマイクロアクチュエータ111は、クランプ状態を維持する。なお、コンデンサC22,C23,C32,C33の電極間電圧は2×Vmのままであるので、コンデンサC22,C23,C32,C33に相当するアクチュエータ111は、クランプ状態を維持する。
【0066】
時刻t4において、端子CD1の電位はVmに上昇されるとともに、端子CU1の電位は−Vmに下降される。これにより、コンデンサC11,C12,C13,C21,C31の電極間電圧は2×Vmに上昇する。この電極間電圧2×Vmは解放電圧Vrより高くかつクランプ電圧Vcより低いので、コンデンサC11に相当するアクチュエータ111は解放状態を維持し、コンデンサC12,C13,C21,C31に相当するアクチュエータ111はクランプ状態を維持する。なお、コンデンサC22,C23,C32,C33の電極間電圧は2×Vmのままであるので、コンデンサC22,C23,C32,C33に相当するアクチュエータ111は、クランプ状態を維持する。このように、時刻t4では、全てのアクチュエータ111の状態は変化しない。
【0067】
時刻t5において、端子CD2の電位は0に下降されるとともに、端子CU2の電位は0に上昇される。これにより、9個のアクチュエータ111のうち、コンデンサC22に相当するアクチュエータ111の電極間電圧は0となる。よって、この電極間電圧が解放電圧Vr以下となるので、コンデンサC22に相当するアクチュエータ111は解放状態となる。一方、コンデンサC12,C21,C23,C32の電極間電圧はVmに下降するが、この電圧Vmは解放電圧Vrより高いので、コンデンサC12,C21,C23,C32に相当するマイクロアクチュエータ111は、クランプ状態を維持する。コンデンサC11,C13,C31,C33の電極間電圧は2×Vmのままであるので、コンデンサC11に相当するアクチュエータ111は解放状態を維持し、コンデンサC13,C31,C33に相当するアクチュエータ111はクランプ状態を維持する。
【0068】
時刻t6において、端子CD2の電位はVmに上昇されるとともに、端子CU2の電位は−Vmに下降される。これにより、コンデンサC12,C21,C22,C23,C32の電極間電圧は2×Vmに上昇する。この電極間電圧2×Vmは解放電圧Vrより高くかつクランプ電圧Vcより低いので、コンデンサC22に相当するアクチュエータ111は解放状態を維持し、コンデンサC12,C21,C23,C32に相当するアクチュエータ111はクランプ状態を維持する。なお、コンデンサC11,C13,C31,C33の電極間電圧は2×Vmのままであるので、コンデンサC11に相当するアクチュエータ111は解放状態を維持し、コンデンサC13,C31,C33に相当するアクチュエータ111はクランプ状態を維持する。このように、時刻t6では、全てのアクチュエータ111の状態は変化しない。
【0069】
時刻t7において、端子CD3の電位は0に下降されるとともに、端子CU3の電位は0に上昇される。これにより、9個のアクチュエータ111のうち、コンデンサC33に相当するアクチュエータ111の電極間電圧は0となる。よって、この電極間電圧が解放電圧Vr以下となるので、コンデンサC33に相当するアクチュエータ111は解放状態となる。一方、コンデンサC13,C23,C31,C32の電極間電圧はVmに下降するが、この電圧Vmは解放電圧Vrより高いので、コンデンサC13,C23,C31,C32に相当するマイクロアクチュエータ111は、クランプ状態を維持する。コンデンサC11,C12,C21,C22の電極間電圧は2×Vmのままであるので、コンデンサC11,C22に相当するアクチュエータ111は解放状態を維持し、コンデンサC12,C21に相当するアクチュエータ111はクランプ状態を維持する。
【0070】
時刻t8において、端子CD3の電位はVmに上昇されるとともに、端子CU3の電位は−Vmに下降される。これにより、コンデンサC13,C23,C31,C32,C33の電極間電圧は2×Vmに上昇する。この電極間電圧2×Vmは解放電圧Vrより高くかつクランプ電圧Vcより低いので、コンデンサC33に相当するアクチュエータ111は解放状態を維持し、コンデンサC13,C23,C31,C32に相当するアクチュエータ111はクランプ状態を維持する。なお、コンデンサC11,C12,C21,C22の電極間電圧は2×Vmのままであるので、コンデンサC11,C22に相当するアクチュエータ111は解放状態を維持し、コンデンサC12,C21に相当するアクチュエータ111はクランプ状態を維持する。このように、時刻t8では、全てのアクチュエータ111の状態は変化しない。
【0071】
ここまでで、全アクチュエータ111を一旦クランプ状態にし、そこから任意のアクチュエータ111を解放状態にする方法を示した。
【0072】
次に、この状態から、特定の解放状態とされたアクチュエータをクランプ状態にし、別のアクチュエータを解放状態にする場合を、以下に示す。
【0073】
時刻t9において、端子CD1,CD2の電位はVhに上昇され、端子CU1,CU2の電位は−Vhに下降される。これにより、コンデンサC11,C22の電極間電圧は2×Vhとなってクランプ電圧以上となるので、コンデンサC11,C22に相当するアクチュエータ111は再度クランプ状態になる。コンデンサC12,C21の電極間電圧は2×Vhとなり、コンデンサC13,C23,C31,C32の電極間電圧はVm+Vhとなるが、これらの電極間電圧はいずれも解放電圧Vrより大きいので、既にクランプ状態であったコンデンサC12,C13,C21,C23,C31,C32に相当するアクチュエータ111は、そのままクランプ状態を維持する。コンデンサC33の電極間電圧は2×Vmのままであるので、コンデンサC33に相当するアクチュエータ111は解放状態を維持する。
【0074】
時刻t10において、端子CD1,CD2の電位はVmに下降され、端子CU1,CU2の電位は−Vmに上昇される。これにより、コンデンサC11,C12,C13,C21,C22,C23,C31,C32の電極間電圧は2×Vmとなるが、この電極間電圧2×Vmは解放電圧Vrより高いので、コンデンサC11,C12,C13,C21,C22,C23,C31,C32に相当するアクチュエータ111はクランプ状態を維持する。コンデンサC33の電極間電圧は2×Vmのままであるので、コンデンサC33に相当するアクチュエータ111は解放状態を維持する。このように、時刻t10では、全てのアクチュエータ111の状態は変化しない。
【0075】
時刻t11において、端子CD1の電位は0に下降されるとともに、端子CU2の電位は0に上昇される。これにより、コンデンサC12の電極間電圧は0となる。よって、この電極間電圧が解放電圧Vr以下となるので、コンデンサC12に相当するアクチュエータ111は解放状態となる。一方、コンデンサC11,C13,C22,C32の電極間電圧はVmに下降するが、この電圧Vmは解放電圧Vrより高いので、コンデンサC11,C13,C22,C32に相当するマイクロアクチュエータ111は、クランプ状態を維持する。コンデンサC21,C23,C31,C33の電極間電圧は2×Vmのままであるので、コンデンサC33に相当するアクチュエータ111は解放状態を維持し、コンデンサC21,C23,C31に相当するアクチュエータ111はクランプ状態を維持する。
【0076】
時刻t12において、端子CD1の電位はVmに上昇されるとともに、端子CU2の電位は−Vmに下降される。これにより、コンデンサC11,C12,C13,C22,C32の電極間電圧は2×Vmに上昇する。この電極間電圧2×Vmは解放電圧Vrより高くかつクランプ電圧Vcより低いので、コンデンサC12に相当するアクチュエータ111は解放状態を維持し、コンデンサC11,C13,C22,C32に相当するアクチュエータ111はクランプ状態を維持する。なお、コンデンサC21,C23,C31,C33の電極間電圧は2×Vmのままであるので、コンデンサC33に相当するアクチュエータ111は解放状態を維持し、コンデンサC21,C23,C31に相当するアクチュエータ111はクランプ状態を維持する。このように、時刻t12では、全てのアクチュエータ111の状態は変化しない。
【0077】
時刻t13において、端子CD2の電位は0に下降されるとともに、端子CU1の電位は0に上昇される。これにより、コンデンサC21の電極間電圧は0となる。よって、この電極間電圧が解放電圧Vr以下となるので、コンデンサC21に相当するアクチュエータ111は解放状態となる。一方、コンデンサC11,C22,C23,C31の電極間電圧はVmに下降するが、この電圧Vmは解放電圧Vrより高いので、C11,C22,C23,C31に相当するマイクロアクチュエータ111は、クランプ状態を維持する。コンデンサC12,C13,C32,C33の電極間電圧は2×Vmのままであるので、コンデンサC12,C33に相当するアクチュエータ111は解放状態を維持し、コンデンサC13,C32に相当するアクチュエータ111はクランプ状態を維持する。
【0078】
時刻t14において、端子CD2の電位はVmに上昇されるとともに、端子CU1の電位は−Vmに下降される。これにより、コンデンサC11,C21,C22,C23,C31の電極間電圧は2×Vmに上昇する。この電極間電圧2×Vmは解放電圧Vrより高くかつクランプ電圧Vcより低いので、コンデンサCC21に相当するアクチュエータ111は解放状態を維持し、コンデンサC11,C22,C23,C31に相当するアクチュエータ111はクランプ状態を維持する。なお、コンデンサC12,C13,C32,C33の電極間電圧は2×Vmのままであるので、コンデンサC12,C33に相当するアクチュエータ111は解放状態を維持し、コンデンサC13,C32に相当するアクチュエータ111はクランプ状態を維持する。このように、時刻t14では、全てのアクチュエータ111の状態は変化しない。
【0079】
ここまでで、一部のアクチュエータ111が解放状態の時点から、その中の特定のアクチュエータ111をクランプ状態にし、別のアクチュエータ111を解放状態にすることが、残りのアクチュエータに影響を与えずに行えることを示した。
【0080】
なお、これまでの説明は、クランプ電圧Vcと解放電圧Vrが全てのアクチュエータ111で同一であることを仮定して行ってきた。実際には、アクチュエータ111ごとにこれらの電圧Vc,Vrはばらつく。このばらつきを考慮すると、全部のアクチュエータ111のクランプ電圧Vcの最大値をVcmax、その最小値をVcmin、解放電圧Vrの最大値をVrmax、その最小値をVrminとした場合、本実施の形態では、以下の数1〜数4の関係式が成り立てばよい。
【0081】
【数1】
2×Vh>Vcmax
【0082】
【数2】
Vm>Vrmax
【0083】
【数3】
2×Vm<Vcmin
【0084】
【数4】
Vrmin>0
【0085】
ここで、本実施の形態と比較される比較例1及び比較例2について、説明する。
【0086】
図14は、比較例1による光スイッチシステムの光スイッチアレーを示す電気回路図である。図14において、図12中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。比較例1が前述した第1の実施の形態と異なる所は、図14に示すように、従来の共通電極・個別電極引き出し方式に準じて、全てのマイクロアクチュエータ111の固定電極を基板121上で電気的に共通に接続して共通電極とし、これを端子COMに接続し、各マイクロアクチュエータ111の可動電極を互いに電気的に接続することなくそれぞれ個別電極として端子P11,P12,P13,P21,P22,P23,P31,P32,P33に接続されている点である。これに伴い、この比較例1では、外部制御回路6は、端子COMの電位を基準とした各端子P11,P12,P13,P21,P22,P23,P31,P32,P33の電位を制御することで、各コンデンサC11,C12,C13,C21,C22,C23,C31,C32,C33の電極間電圧をクランプ電圧Vcより大きい所定電圧又は0とする。以上説明した点以外は、比較例1も前記第1の実施の形態と同様に構成されている。
【0087】
前記第1の実施の形態も比較例1も、光スイッチアレーには、マイクロアクチュエータ111には端子が形成されているのみであり、アドレス回路等は形成されていない。ところが、図14と図12との比較からわかるように、比較例1では外部接続用の端子が10個も必要であるのに対し、本実施の形態では、外部接続用の端子がわずかに6個で済み、端子の数が大幅に減っている。
【0088】
図15は、比較例2による光スイッチシステムの光スイッチアレーを示す電気回路図である。図15において、図12中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。比較例2が前述した第1の実施の形態と異なる所は、図15に示すように、従来のアドレス回路搭載方式に準じて、各光スイッチを選択するためのアドレス回路として、垂直デコーダ、水平デコーダ及び選択スイッチM11a,M11b,M12a,M12b,M13a,M13b,M21a,M21b,M22a,M22b,M23a,M23b,M31a,M31b,M32a,M32b,M33a,M33bが、基板121上に搭載されている。これに伴い、この比較例2では、外部制御回路6は取り除かれ、光路切替状態指令信号が図示しない端子を介して垂直デコーダ及び水平デコーダに供給される。また、全てのマイクロアクチュエータ111の固定電極が共通に接続された端子COMと、端子COMとの間に電源電圧を印加するための端子Vddも、基板121上に搭載されている。以上説明した点以外は、比較例2も前記第1の実施の形態と同様に構成されている。
【0089】
この比較例2では、端子の数は少なくて済むが、CMOS等で作製したアドレス回路等を基板121上に搭載するので、(1)高耐圧MOS等を用いざるを得ず、高耐圧MOSは通常のMOSと比べて素子の平面寸法が大きくなるため、アクチュエータの寸法も大きくなってしまう、(2)光スイッチアレーの製造工程もMOSの製造工程分だけ増えてしまうため、コスト的にも高くなる、(3)MOS製造後に平坦化を十分に行わないとその上に作製するMEMSの形状に下地の形状が転写されてしまい、異常な動作の原因ともなるため、平坦化工程のコストが追加される、などの問題が生ずる。これに対し、前記第1の実施の形態では、光スイッチアレーにはアドレス回路等が搭載されていないので、このような問題が生じない。
【0090】
このように、本実施の形態によれば、アドレス回路等を搭載することなく外部接続用の端子数(すなわち、外部に引き出す配線の本数)を減らすことができる。
【0091】
[第2の実施の形態]
【0092】
図16は、本発明の第2の実施の形態による光スイッチシステムにおける、外部制御回路6が各端子CD1〜CD3,CU1〜CU3に与える電位のタイミングチャートの一例を示すものであり、図13に対応している。
【0093】
本実施の形態が前記第1の実施の形態と異なる所は、前記第1の実施の形態では、外部制御回路6が、図13に示すように、各期間において各端子CD1〜CD3,CU1〜CU3に時間的に変化しない電位を与えるように構成されているのに対し、本実施の形態では、外部制御回路6が、図16に示すように、各期間において各端子CD1〜CD3,CU1〜CU3に時間的にパルス状に変化する電位を与えるように構成されている点のみである。端子CD1〜CD3に与える電位と端子CU1〜CU3に与える電位とは、各期間において逆位相となっている。また、図16において、各端子CD1〜CD3,CU1〜CU3に各期間においてそれぞれ与える電位の振幅は、図13において各端子CD1〜CD3,CU1〜CU3に各期間においてそれぞれ与える電位の絶対値と同一となっている。これにより、図16に示すように電位の供給する場合も、図13に示すように電位を供給する場合と同じ動作が実現される。
【0094】
本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる他、各アクチュエータ111への電荷の帯電を防止することができるという利点も得られる。
【0095】
なお、本実施の形態では、各期間において各端子CD1〜CD3,CU1〜CU3に時間的にパルス状に変化する電位を与えているが、その代わりに、各期間において各端子CD1〜CD3,CU1〜CU3に時間的に正弦波状に変化する電位を与えてもよい。この場合にも、本実施の形態と同様の利点が得られる。
【0096】
[第3の実施の形態]
【0097】
図17は、本発明の第3の実施の形態による光スイッチシステムで用いられている光スイッチアレーを示す電気回路図である。図18は、本発明の第3の実施の形態による光スイッチシステムにおける、外部制御回路6が各端子CD1〜CD3,CU1〜CU3に与える電位のタイミングチャートの一例を示すものであり、図13に対応している。
【0098】
本実施の形態が前記第1の実施の形態と異なる所は、光スイッチアレーの基板121上における各端子CD1〜CD3,CU1〜CU3と各マイクロアクチュエータ111との電気的な接続関係と、外部制御回路6が各端子CD1〜CD3,CU1〜CU3に与える電位の印加状態のみである。
【0099】
本実施の形態では、端子CD1にはコンデンサC11,C23,C32の固定電極128が共通して接続され、端子CD2にはコンデンサC21,C12,C33の固定電極128が共通して接続され、端子CD3にはコンデンサC31,C22,C13の固定電極128が共通して接続されている。また、端子CU1にはコンデンサC13,C21,C32の可動電極が共通して接続され、端子CU2にはコンデンサC23,C12,C31の可動電極が共通して接続され、端子CU3にはコンデンサC33,C22,C11の可動電極が共通して接続されている。このような電気的な接続関係も、前記第1の実施の形態に関連して説明した前記条件(a)〜(e)を満たしている。
【0100】
本実施の形態では、このような接続状態を採用したことに伴い、外部制御回路6が、図18に示すように各端子CD1〜CD3,CU1〜CU3に電位を与えるように構成されている。図18は、各期間において、図13の場合と同一の動作を実現するタイミングチャートの一例を示している。
【0101】
本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。なお、本発明では、第1の実施の形態を変形して第2の実施の形態を得たのと同様に、第3の実施の形態を変形してもよい。
【0102】
[第4の実施の形態]
【0103】
図19及び図20は、それぞれ本発明の第4の実施の形態による光スイッチシステムの要部を模式的に示す概略断面図である。図19はミラー12が上側に保持されて光路に進出した状態、図20はミラー12が下側に保持されて光路から退出した状態を示している。なお、図19及び図20において、マイクロアクチュエータ111の構造は大幅に簡略化して示している。図21は、図19及び図20中の光導波路基板190の一部を模式的に示す概略斜視図である。
【0104】
本実施の形態が前記第1の実施の形態と異なる所は、図19及び図20に示すように、光導波路基板190が設けられている点のみである。
【0105】
本実施の形態では、光導波路基板190は、図21に示すように、切り替えるべき光を伝搬する4本の光導波路191〜194を有している。光導波路基板190は中央部に例えば幅数十μm程度の溝196を有し、溝196の側面に光導波路191〜194の端面191a,192a,193b,194bが露出されている。端面191aと端面192aとの間隔、及び、端面193bと端面194bとの間隔は、図19及び図20に示すように、ミラー12の反射面で覆うことのできる間隔に設計されている。
【0106】
図19及び図20に示すように、光導波路基板190が、マイクロアクチュエータ111の基板121上に設置され、導波路基板190と基板121との間の空間及びこれに連通する溝196内の空間内に、屈折率整合液202が封入されている。もっとも、屈折率整合液202は必ずしも封入しなくてもよいが、屈折率整合液を用いた場合は、光のビームの損失がより少なくなる。なお、基板121と光導波路基板190とは、ミラー12が溝196内に挿入できるように位置合わせされている。
【0107】
なお、図19乃至図21では、光導波路基板190における光導波路の交差点が1つであるものとして示しているが、実際には、光導波路基板190において光導波路を2次元マトリクス状に形成することにより、光導波路の交差点が2次元マトリクス状に配置され、これに応じて、基板121上に複数のマイクロアクチュエータ111が2次元状に配置され、光導波路の各交差点に位置するミラー12が個々のマイクロアクチュエータ111で駆動するように構成されている。
【0108】
前述した制御によって、図20に示すように、ミラー12が光導波路193,194の端面193b,194bより下側に位置すると、例えば、光導波路193の端面193aから光を入射した場合、光導波路193を伝搬した光は、端面193bから出射され、そのまま対向する光導波路192の端面192aに入射し、光導波路192を伝搬して端面192bから出射される。また、例えば、光導波路191の端面191bから光を入射した場合、光導波路191を伝搬した光は、端面191aから出射され、そのまま対向する光導波路194の端面194bに入射し、光導波路194を伝搬して端面194aから出射される。
【0109】
一方、前述した制御によって、図19に示すように、ミラー12が光導波路193,194の端面193b,194bを覆うように位置すると、例えば、光導波路193の端面193aから光を入射した場合、光導波路193を伝搬した光は、端面193bから出射され、ミラー12で反射されて、光導波路194の端面194bに入射し、光導波路194を伝搬して端面194aから出射される。また、例えば、光導波路191の端面191bから光を入射した場合、光導波路191を伝搬した光は、端面191aから出射され、ミラー12で反射されて、光導波路192の端面192aに入射し、光導波路192を伝搬して端面192bから出射される。
【0110】
本実施の形態によっても、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。なお、本発明では、第1の実施の形態を変形して第4の実施の形態を得たのと同様に、第2及び第3の実施の形態をそれぞれ変形してもよい。
【0111】
[第5の実施の形態]
【0112】
図22は、本発明の第5の実施の形態による光スイッチアレー201を備えた光スイッチシステムの一例を示す概略構成図である。図22において、図1中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0113】
本実施の形態が前記第1の実施の形態と異なる所は、光スイッチアレー1に代えて光スイッチアレー201が用いられている点と、光スイッチアレー201に対して後述するように磁界を発生する磁界発生部としての磁石5が追加されている点と、外部制御回路6の動作が異なる点のみである。
【0114】
本実施の形態では、磁石5は、図22に示すように、X軸方向の−側がN極に+側がS極に着磁された板状の永久磁石であり、光スイッチアレー201の下側に配置され、光スイッチアレー201に対して磁力線5aで示す磁界を発生している。すなわち、磁石5は、光スイッチアレー201に対して、X軸方向に沿ってその+側へ向かう略均一な磁界を発生している。もっとも、磁界発生部として、磁石5に代えて、例えば、他の形状を有する永久磁石や、電磁石などを用いてもよい。
【0115】
光スイッチアレー201が光スイッチアレー1と異なる所は、単位素子としての光スイッチとして、図2乃至図9に示す光スイッチに代えて、図23乃至図30に示す光スイッチが用いられている点のみである。そして、図23乃至図30に示す光スイッチが図2乃至図9に示す光スイッチと異なる所は、マイクロアクチュエータ111に代えてマイクロアクチュエータ211が用いられている点のみである。
【0116】
図23は、本発明の第5の実施の形態による光スイッチシステムで用いられている光スイッチアレーを構成する単位素子としての1つの光スイッチ(すなわち、1つのマイクロアクチュエータ211及びこれにより駆動される1つのミラー12)を模式的に示す概略平面図である。図23では、可動部及び脚部の表面に全体に渡って形成された保護膜としてのSiN膜144は省略して示し、本来実線で書くべき凸条部149,150のラインを破線で示し、Al膜142,143にそれぞれ異なるハッチングを付している。図24は、図23中のX31−X32線に沿った概略断面図である。図面には示していないが、図23中のX39−X40線に沿った概略断面図は図24と同様となる。図25は、図23中のX33−X34線に沿った概略断面図である。図面には示していないが、図23中のX37−X38線に沿った概略断面図は図25と同様となる。図26は、図23中のX35−X36線に沿った概略断面図である。図27は、図23中のY31−Y32線に沿った概略断面図である。図28は、図23中のY33−Y34線に沿った概略断面図である。図29は、図23中のY35−Y36線に沿った概略断面図である。図30は、図23中のY37−Y38線に沿った概略断面図である。なお、図24乃至図30では、梁構成部132,134がZ軸方向に湾曲していないものとして示しているが、梁構成部132,134は、実際には、可動部が力を受けていない状態において、当該梁構成部132,134を構成する膜の応力によって+Z方向に湾曲している。図23乃至図30において、図2乃至図9中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0117】
図23乃至図30に示すマイクロアクチュエータ211が図2乃至図9に示すマイクロアクチュエータ111と異なる所は、以下に説明する点のみである。両者が基本的に異なる所は、前記第1の実施の形態では静電力のみを利用するように構成されているのに対し、本実施の形態では静電力だけでなくローレンツ力も利用するように構成されている点である。
【0118】
マイクロアクチュエータ211では、梁部124の固定端(−X方向の端部)は、基板121上のシリコン酸化膜等の絶縁膜129上に形成されたAl膜からなる配線パターン130,131(図23では省略)をそれぞれ介して基板121から立ち上がる立ち上がり部を持つ2つの個別脚部122a,122bからなる脚部122を介して、基板121に機械的に接続されている。同様に、梁部125の固定端(−X方向の端部)は、基板121上の絶縁膜129上に形成されたAl膜からなる2つの配線パターン(図示せず)をそれぞれ介して基板121から立ち上がる立ち上がり部を持つ2つの個別脚部123a,123bからなる脚部123を介して、基板121に機械的に接続されている。
【0119】
梁構成部132は、下側のSiN膜141と中間のAl膜142,143と上側の保護膜としてのSiN膜144とが積層された3層(ただし、Al膜142,143間の隙間では2層)の薄膜で、板ばねとして作用するように構成されている。Al膜142とAl膜143とは、同一階層に形成されているが、図23に示すように、若干Y軸方向に隙間をあけて形成され、互いに電気的に分離されている。これは、Al膜142を静電力用の可動電極への配線として用い、Al膜143をローレンツ力用の電流経路を形成するための配線として用いるためである。静電力用の配線ではほとんど電流を流さない一方、ローレンツ力用の配線では比較的大きい電流を流すため、ローレンツ力用の配線の電気抵抗を低減するべく、Al膜142は幅が狭く形成され、Al膜143は幅が広く形成されている。
【0120】
梁構成部133は、梁構成部132からそのまま連続して延びた下側のSiN膜141と中間のAl膜142,143と上側の保護膜としてのSiN膜144とが積層された3層(ただし、Al膜142,143間の隙間では2層)の薄膜で、構成されている。
【0121】
本実施の形態では、脚部122は、梁構成部132を構成するSiN膜141,144及びAl膜142,143がそのまま連続して延びることによって構成され、2つの個別脚部122a,122bを有している。脚部122が2つの個別脚部122a,122bを有しているのは、静電力用の配線とローレンツ力用の配線とを分離して、Al膜142とAl膜143とを基板121上の別々の配線パターン130,131にそれぞれ電気的に接続させるためである。Al膜142は、個別脚部122aにおいてSiN膜141に形成された開口を介して配線パターン130に電気的に接続されている。Al膜143は、個別脚部122bにおいてSiN膜141に形成された開口を介して配線パターン131に電気的に接続されている。なお、脚部122の上部には、脚部122の強度を補強するために、凸条部151がZ方向から見た平面視で個別脚部122a,122bを一括して囲むように口の字状に形成されている。
【0122】
梁部125及び脚部123は、前述した梁部124及び脚部122とそれぞれ全く同一の構造を有している。梁部125を構成する梁構成部134,135は、梁部124を構成する梁構成部132,133に相当している。脚部123を構成する個別脚部123a,123bは、脚部122を構成する個別脚部122a,122bにそれぞれ相当している。また、脚部123の上部には、前述した凸条部151に相当する凸条部152が形成されている。
【0123】
接続部127は、梁構成部133,135からそのまま連続して延びたSiN膜141,144の2層膜で構成されている。接続部127には、梁構成部133,135からのAl膜142,143は延びておらず、接続部127においては、何ら電気的な接続は行われていない。
【0124】
接続部126は、梁構成部133,135を構成するSiN膜141,144及びAl膜142,143がそのまま連続して延びることによって構成されている。接続部126には、被駆動体としてのAu、Ni又はその他の金属からなるミラー12が設けられている。
【0125】
接続部126において、Al膜142とAl膜143とは図23に示すように分離されており、接続部126におけるAl膜142の部分が静電力用の可動電極として兼用されている。この可動電極に対向する基板121上の領域には、Al膜からなる静電力用の固定電極128が形成されている。図面には示していないが、固定電極128を構成するAl膜は配線パターンとしても延びており、前記配線パターン130と共に利用することによって、固定電極128と可動電極として兼用された接続部126におけるAl膜142との間に電圧(静電力用電圧)を、印加できるようになっている。
【0126】
一方、前述した説明からわかるように、Al膜143によって、脚部122の個別脚部122b下の配線パターン131から、梁構成部132→梁構成部133→接続部126→梁構成部135→梁構成部134を経て、脚部123の個別脚部123b下の配線パターン(図示せず)へ至る、電流経路が構成されている。この電流経路のうち、接続部126におけるY軸方向に沿った電流経路が、X軸方向の磁界内に置かれたときに、Z軸方向へ向かうローレンツ力を発生させる部分となっている。したがって、前述した図22中の永久磁石5を用いてX軸方向の磁界内に置き、前記電流経路へ電流(ローレンツ力用電流)を流すと、接続部126におけるAl膜143にローレンツ力(駆動力)がZ方向へ作用する。なお、このローレンツ力の向きが+Z方向であるか−Z方向であるかは、ローレンツ力用電流の向きによって定まる。
【0127】
したがって、本実施の形態では、前記電極間電圧及びローレンツ力用電流を制御することで、ミラー12が上側(基板121と反対側)に保持された状態及びミラー12が下側(基板121側)に保持された状態にすることができる。本実施の形態では、後述するように、このような制御が行われるようになっている。
【0128】
本実施の形態では、ミラー12及びこれを駆動するマイクロアクチュエータ211で構成された光スイッチが複数基板121上に2次元マトリクスに配置され、これらが光スイッチアレーを構成している。
【0129】
図31は、本実施の形態で用いられている光スイッチアレーを示す電気回路図である。図31において、図12中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。図23乃至図30に示す単一の光スイッチは、電気回路的には、1個のコンデンサ(固定電極128と可動電極(接続部126におけるAl膜142)とがなすコンデンサに相当)と、1個のコイル(接続部126におけるAl膜143に相当)と見なせる。図31では、m行n列の光スイッチのコンデンサ及びコイルをそれぞれCmn及びLmnと表記している。
【0130】
本実施の形態では、コイルLmnが追加されていることに伴い、図31に示すように、複数の端子L0〜L3からなる第3の端子群が追加されている。1列目のコイルL11,L21,L31の一端は、第3の端子群の端子L1に共通して電気的に接続されている。2列目のコイルL12,L22,L32の一端は、第3の端子群の端子L2に共通して電気的に接続されている。3列目のコイルL13,L23,L33の一端は、第3の端子群の端子L3に共通して電気的に接続されている。全てのコイルの他端は、第3群の端子L0に共通して電気的に接続されている。なお、配線パターンに流れる電流を抑えるため、例えば、1列目のコイルL11,L21,L31の他端を1つの端子に共通して電気的に接続し、2列目のコイルL12,L22,L32の他端を別の端子に共通して電気的に接続し、3列目のコイルL13,L23,L33の他端を別の端子に共通して電気的に接続してもよい。
【0131】
図32は、本実施の形態による光スイッチシステムにおける、外部制御回路6が各端子CD1〜CD3,CU1〜CU3に与える電位、及び、各端子L1〜L3を経由して各コイルに流す電流のタイミングチャートの一例を示すものであり、図13に対応している。
【0132】
図32は、各期間において、図13の場合と同一の動作を実現するタイミングチャートの一例を示している。各期間において、CD1〜CD3,CU1〜CU3に与える電位は、図32の場合も図13の場合と基本的に同一である。ただし、Vh’をVhより小さい正の値として、期間t1−t2,t9−t10において、端子CD1〜CD3の電位がVh’とされるとともに、端子CU1〜CU3の電位が−Vh’とされる。2×Vh’は必ずしもVcmaxより大きい必要はない。また、期間t1−t2において端子L1〜L3にそれぞれ電流Ihが流され、期間t9−t10において端子L1,L2に電流Ihが流される。電流Ihの向きは、下向き(可動部をクランプ位置に移動させる向き)のローレンツ力を発生させる向きである。
【0133】
前記第1の実施の形態では、図13に示すように、期間t1−t2,t9−t10において、対応するアクチュエータ211を、静電力のみで、解放状態からクランプ状態への移行させた後にそのクランプ状態を維持している。これに対し、本実施の形態では、期間t1−t2,t9−t10において、静電力とローレンツ力とを合わせて用いることができる。ローレンツ力は電極間隔に依存しないため、本実施の形態では、可動電極の動き始めは主としてローレンツ力によって行われる。可動電極と固定電極128との間隔がある値よりも小さくなると、静電力が大きくなり静電力のみでクランプ状態を維持できる。よって、時刻t2で電流を0にしても、クランプ状態が維持されている。このようにローレンツ力を利用する場合には、静電力はクランプ状態を維持できる程度で十分であり、期間t1−t2,t9−t10において、対応するアクチュエータ211の電極間電圧は、図13の場合の2×Vhに比べて小さい2×Vh’で済む。
【0134】
本実施の形態によっても、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。なお、前記第1の実施の形態を変形して第2及び第4の実施の形態を得たのと同様に、第5の実施の形態を変形してもよい。
【0135】
[第6の実施の形態]
【0136】
図33は、本発明の第6の実施の形態による光スイッチシステムにおける、外部制御回路6が各端子CD1〜CD3,CU1〜CU3に与える電位、及び、各端子L1〜L3を経由して各コイルに流す電流のタイミングチャートの一例を示すものであり、図32に対応している。
【0137】
本実施の形態が前記第5の実施の形態と異なる所は、前記第5の実施の形態では、外部制御回路6が、図32に示すように、第1の端子群の端子CD1〜CD3には3つの電位Vh’,Vm,0のいずれかの電位を与え、第2の端子群の端子CU1〜CU3には3つの電位−Vh’,−Vm,0のいずれかの電位を与えるのに対し、本実施の形態では、外部制御回路6が、図33に示すように、第1の端子群の端子CD1〜CD3には2つの電位Vn,0のいずれかの電位を与え、第2の端子群の端子CU1〜CU3には2つの電位−Vn,0のいずれかの電位を与えるように構成されている点のみである。ただし、Vnは、正の値である。
【0138】
図33は、各期間において、図32の場合と同一の動作を実現するタイミングチャートの一例を示している。この例では、全部のアクチュエータ111のクランプ電圧Vcの最大値をVcmax、その最小値をVcmin、解放電圧Vrの最大値をVrmax、その最小値をVrminとした場合、下記の数5,数6の関係式が成り立つように設定されている。
【0139】
【数5】
Vn>Vrmax
【0140】
【数6】
Vrmin>0
【0141】
本実施の形態によれば、前記第5の実施の形態と同様の利点が得られる他、用いる電位の種類が少なくて済むため、外部制御回路6の構成が簡単となるという利点も得ることができる。なお、前記第1の実施の形態を変形して第2及び第4の実施の形態を得たのと同様に、第6の実施の形態を変形してもよい。
【0142】
[第7の実施の形態]
【0143】
図34は、本発明の第7の実施の形態による光スイッチシステムで用いられている光スイッチアレーを示す電気回路図である。図35は、本発明の第7の実施の形態による光スイッチシステムにおける、外部制御回路6が各端子CD1〜CD3,CU1〜CU3に与える電位、及び、各端子L1〜L3を経由して各コイルに流す電流のタイミングチャートの一例を示すものであり、図32に対応している。図35は、各期間において、図33の場合と同一の動作を実現するタイミングチャートの一例を示している。
【0144】
本実施の形態が前記第6の実施の形態と異なる所は、光スイッチアレーの基板121上における各端子CD1〜CD3,CU1〜CU3と各マイクロアクチュエータ111との電気的な接続関係と、外部制御回路6が各端子CD1〜CD3,CU1〜CU3に与える電位の印加状態及び各端子L1〜L3を経由して各コイルに流す電流の印加状態のみである。
【0145】
本実施の形態では、図34に示すように、各端子CD1〜CD3,CU1〜CU3と各コンデンサとの電気的な接続関係は、図17の場合と同一にされている。本実施の形態では、このような接続状態を採用したことに伴い、外部制御回路6が、図35に示すように各端子CD1〜CD3,CU1〜CU3に電位を与えるように構成されている。各期間において、CD1〜CD3,CU1〜CU3に与える電位は、図32の場合も図13の場合と基本的に同一である。ただし、本実施の形態では、前記第6の実施の形態と同様に、Vh’をVhより小さい正の値として、期間t1−t2,t9−t10において、端子CD1〜CD3の電位がVh’とされるとともに、端子CU1〜CU3の電位が−Vh’とされる。2×Vh’は必ずしもVcmaxより大きい必要はない。
【0146】
そして、本実施の形態では、図35に示すように、期間t3−t4では、端子L1に電流−ILが流され、可動電極と固定電極との間隔が広くなる方向のローレンツ力が働き、C11がクランプ状態から解除状態へ移行することを助け、クランプ解除速度を速くする効果がある。この時、端子L1にはコイルL11,L21,L31が接続されているが、コンデンサC21,C31の固定電極は端子CD2,CD3にそれぞれ接続され、コンデンサC21,C31の可動電極は端子CU1,CU2にそれぞれ接続されており、これらの電極間電圧は2×Vh’に維持されている。そのため、コンデンサ21,C31に相当するアクチュエータ211は強力にクランプされており、たとえローレンツ力が加わってもそのクランプは解除されない。
【0147】
同様に、期間t5−t6では端子L2に電流−ILが流され、これによるローレンツ力がC22のクランプ状態から解除状態へ移行することを助け、期間t7−t8では端子L3に電流−ILが流され、これによるローレンツ力がC33のクランプ状態から解除状態へ移行することを助け、クランプ解除速度を速くする効果がある。
【0148】
本実施の形態によれば、前記第6の実施の形態と同様の利点が得られる。なお、本発明では、第1の実施の形態を変形して第2及び第4の実施の形態を得たのと同様に、第7の実施の形態を変形してもよい。
【0149】
[第8の実施の形態]
【0150】
図36は、本発明の第8の実施の形態による光スイッチシステムにおける、外部制御回路6が各端子CD1〜CD3,CU1〜CU3に与える電位、及び、各端子L1〜L3を経由して各コイルに流す電流のタイミングチャートの一例を示すものであり、図35に対応している。
【0151】
本実施の形態が前記第7の実施の形態と異なる所は、前記第7の実施の形態では、外部制御回路6が、図35に示すように、第1の端子群の端子CD1〜CD3には3つの電位Vh’,Vm,0のいずれかの電位を与え、第2の端子群の端子CU1〜CU3には3つの電位−Vh’,−Vm,0のいずれかの電位を与えるのに対し、本実施の形態では、外部制御回路6が、図36に示すように、第1の端子群の端子CD1〜CD3には2つの電位Vn,0のいずれかの電位を与え、第2の端子群の端子CU1〜CU3には2つの電位−Vn,0のいずれかの電位を与えるように構成されている点のみである。ただし、Vnは、正の値である。
【0152】
図36は、各期間において、図35の場合と同一の動作を実現するタイミングチャートの一例を示している。この例では、全部のアクチュエータ111のクランプ電圧Vcの最大値をVcmax、その最小値をVcmin、解放電圧Vrの最大値をVrmax、その最小値をVrminとした場合、前述した数5,数6の関係式が成り立つように設定されている。
【0153】
本実施の形態によれば、前記第7の実施の形態と同様の利点が得られる他、用いる電位の種類が少なくて済むため、外部制御回路6の構成が簡単となるという利点も得ることができる。なお、前記第1の実施の形態を変形して第2及び第4の実施の形態を得たのと同様に、第8の実施の形態を変形してもよい。
【0154】
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
【0155】
例えば、前述した実施の形態は、本発明によるマイクロアクチュエータ装置を光スイッチシステムに適用した例であったが、本発明によるマイクロアクチュエータ装置の用途は、光スイッチシステムに限定されるものではない。
【0156】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、アドレス回路等を搭載することなく外部に引き出す配線の本数を減らすことができるマイクロアクチュエータアレー、並びに、これを用いたマイクロアクチュエータ装置、光スイッチアレー及び光スイッチシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による光スイッチアレーを備えた光スイッチシステムの一例を示す概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態による光スイッチシステムで用いられている光スイッチアレーを構成する単位素子としての1つの光スイッチを模式的に示す概略平面図である。
【図3】図2中のX11−X12線に沿った概略断面図である。
【図4】図2中のX13−X14線に沿った概略断面図である。
【図5】図2中のX15−X16線に沿った概略断面図である。
【図6】図2中のY11−Y12線に沿った概略断面図である。
【図7】図2中のY13−Y14線に沿った概略断面図である。
【図8】図2中のY15−Y16線に沿った概略断面図である。
【図9】図2中のY17−Y18線に沿った概略断面図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態による光スイッチシステムで用いられている光スイッチアレーを模式的に示す概略平面図である。
【図11】静電力駆動における固定電極と可動電極との間の電圧と両電極間の間隔との関係を示す図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態による光スイッチシステムで用いられている光スイッチアレーを示す電気回路図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態による光スイッチシステムにおける、外部制御回路が各端子に与える電位のタイミングチャートである。
【図14】比較例による光スイッチシステムの光スイッチアレーを示す電気回路図である。
【図15】他の比較例による光スイッチシステムの光スイッチアレーを示す電気回路図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態による光スイッチシステムにおける、外部制御回路が各端子に与える電位のタイミングチャートである。
【図17】本発明の第3の実施の形態による光スイッチシステムで用いられている光スイッチアレーを示す電気回路図である。
【図18】本発明の第3の実施の形態による光スイッチシステムにおける、外部制御回路が各端子に与える電位のタイミングチャートである。
【図19】ミラーが上側に保持されている状態における、本発明の第4の実施の形態による光スイッチシステムの要部を模式的に示す概略断面図である。
【図20】ミラーが下側に保持されている状態における、本発明の第4の実施の形態による光スイッチシステムの要部を模式的に示す概略断面図である。
【図21】図19及び図20中の光導波路基板の一部を模式的に示す概略斜視図である。
【図22】本発明の第5の実施の形態による光スイッチアレーを備えた光スイッチシステムの一例を示す概略構成図である。
【図23】本発明の第5の実施の形態による光スイッチシステムで用いられている光スイッチアレーを構成する単位素子としての1つの光スイッチを模式的に示す概略平面図である。
【図24】図23中のX31−X32線に沿った概略断面図である。
【図25】図23中のX33−X34線に沿った概略断面図である。
【図26】図23中のX35−X36線に沿った概略断面図である。
【図27】図23中のY31−Y32線に沿った概略断面図である。
【図28】図23中のY33−Y34線に沿った概略断面図である。
【図29】図23中のY35−Y36線に沿った概略断面図である。
【図30】図23中のY37−Y38線に沿った概略断面図である。
【図31】本発明の第5の実施の形態で用いられている光スイッチアレーを示す電気回路図である。
【図32】本発明の第5の実施の形態による光スイッチシステムにおける、外部制御回路が各端子に与える電位、及び、各端子を経由して各コイルに流す電流のタイミングチャートである。
【図33】本発明の第6の実施の形態による光スイッチシステムにおける、外部制御回路が各端子に与える電位、及び、各端子を経由して各コイルに流す電流のタイミングチャートである。
【図34】本発明の第7の実施の形態による光スイッチシステムで用いられている光スイッチアレーを示す電気回路図である。
【図35】本発明の第7の実施の形態による光スイッチシステムにおける、外部制御回路が各端子に与える電位、及び、各端子を経由して各コイルに流す電流のタイミングチャートである。
【図36】本発明の第8の実施の形態による光スイッチシステムにおける、外部制御回路6が各端子に与える電位、及び、各端子を経由して各コイルに流す電流のタイミングチャートである。
【符号の説明】
1,201 光スイッチアレー
2 光入力用光ファイバ
3,4 光出力用光ファイバ
5 磁石
6 外部制御回路
12 ミラー
CD1〜CD3 第1の端子群の端子
CU1〜CU3 第2の端子群の端子
111,211 マイクロアクチュエータ
121 基板
128 固定電極

Claims (4)

  1. 複数のマイクロアクチュエータと、複数の端子からなる第1の端子群と、複数の端子からなる第2の端子群と、を備えたマイクロアクチュエータアレーと、
    磁界発生部と、
    制御部と、
    を備えたマイクロアクチュエータ装置であって、
    前記各マイクロアクチュエータは、固定部に対して移動し得るように設けられた可動部と、前記固定部に設けられた第1の電極部と、前記可動部に設けられ前記第1の電極部との間の電圧により前記第1の電極部との間に静電力を生じ得る第2の電極部と、を有し、
    前記各マイクロアクチュエータに関して、前記可動部は、前記静電力が増大する第1の位置と前記静電力が低下又は消失する第2の位置との間を移動し得るとともに、前記第2の位置に復帰しようとする復帰力が生ずるように、設けられ、
    前記各マイクロアクチュエータに関して、当該マイクロアクチュエータの前記第1の電極部が、前記第1及び第2の端子群のうちの一方の端子群のいずれか1つの端子に電気的に接続されるとともに前記第1及び第2の端子群の他の端子に電気的に接続されず、
    前記各マイクロアクチュエータに関して、当該マイクロアクチュエータの前記第2の電極部が、前記第1及び第2の端子群のうちの他方の端子群のいずれか1つの端子に電気的に接続されるとともに前記第1及び第2の端子群の他の端子に電気的に接続されず、
    前記各マイクロアクチュエータに関して、当該マイクロアクチュエータの前記第1の電極部に電気的に接続された第1又は第2の端子群の1つの端子と当該マイクロアクチュエータの前記第2の電極部に電気的に接続された前記第1又は第2の端子群の1つの端子との組み合わせは、当該マイクロアクチュエータに固有のものとなり、
    前記第1の端子群の少なくとも1つの端子が、前記複数のマイクロアクチュエータのうちの2つ以上のマイクロアクチュエータの前記第1又は第2の電極部に、共通して電気的に接続され、
    前記第2の端子群の少なくとも1つの端子が、前記複数のマイクロアクチュエータのうちの2つ以上のマイクロアクチュエータの前記第1又は第2の電極部に、共通して電気的に接続され、
    前記各マイクロアクチュエータにおいて、磁界内に配置されて通電によりローレンツ力を生じる電流路が前記可動部に設けられ、
    前記磁界発生部は前記磁界を発生させ、
    前記制御部は、前記第1及び第2の端子群の各端子並びに前記各マイクロアクチュエータアレーの前記電流路に電気的に接続され、前記第1及び第2の端子群の各端子の電位並びに前記各マイクロアクチュエータアレーの前記電流路に流れる電流をそれぞれ制御することで、前記各マイクロアクチュエータの前記可動部の位置を切り替える制御を行い、
    前記制御部は、前記第1の端子群の各端子をそれぞれ第1及び第2の電位状態にし得るとともに、前記第2の端子群の各端子をそれぞれ第3及び第4の電位状態にし得るように構成され、
    前記第2の電位状態における電位と前記第4の電位状態における電位との電位差は、前記複数のマイクロアクチュエータのうちの前記可動部が前記第2の位置に位置しているマイクロアクチュエータの前記第1及び第2の電極部間に当該電位差が印加されるとともに当該マイクロアクチュエータの前記電流路に所定電流が流されたときに、当該マイクロアクチュエータの前記可動部を前記第1の位置へ移動させる電圧であり、
    前記第1の電位状態における電位と前記第3の電位状態における電位との電位差は、前記複数のマイクロアクチュエータのうちの前記可動部が前記第1の位置に位置しているマイクロアクチュエータの前記第1及び第2の電極部間に当該電位差が印加されたときに、当該マイクロアクチュエータの前記可動部を前記第2の位置へ復帰させる電圧であり、
    前記第2の電位状態における電位と前記第3の電位状態における電位との電位差、及び、前記第1の電位状態における電位と前記第4の電位状態における電位との電位差は、前記複数のマイクロアクチュエータのうちの前記可動部が前記第1の位置に位置しているマ イクロアクチュエータの前記第1及び第2の電極部間に当該電位差が印加されたときに、当該マイクロアクチュエータの前記可動部を前記第2の位置へ復帰させずに前記第1の位置に保持する電圧である、
    ことを特徴とするマイクロアクチュエータ装置。
  2. m,nをそれぞれ2以上の整数としたとき、前記複数のマイクロアクチュエータの数がm×n個であり、
    前記第1の端子群の端子の数がm個であり、
    前記第2の端子群の端子の数がn個であり、
    前記第1の端子群の各端子が、前記複数のマイクロアクチュエータのうちのn個のマイクロアクチュエータの前記第1又は第2の電極部に、それぞれ共通して電気的に接続され、
    前記第2の端子群の各端子が、前記複数のマイクロアクチュエータのうちのm個のマイクロアクチュエータの前記第1又は第2の電極部に、それぞれ共通して電気的に接続された、
    ことを特徴とする請求項1記載のマイクロアクチュエータ装置
  3. 前記第1の電位状態と前記第3の電位状態とが同一の電位状態であることを特徴とする請求項1又は2記載のマイクロアクチュエータ装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のマイクロアクチュエータ装置と、前記複数のマイクロアクチュエータの前記可動部にそれぞれ設けられたミラーと、を備えたことを特徴とする光スイッチシステム。
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