JP4041603B2 - リボンの異形切断装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リボンの異形切断装置、より詳しくは、V字型等の異形の刃先を有するカッター体によって、リボン、テープ等の細幅織物の所要位置を異形状に切断することができるリボンの異形切断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のとおり、トロフィー、贈答品等に掛けられるべき装飾リボンやテープにおいては、その装飾性を高めるため、端部をV字型等の異形状に切断することが行われている。しかしながら、従来、こうした装飾リボン等の異形切断作業は、ハサミを用いて専ら手作業で行なっていたのが実情であり、切断形状にバラツキを生じることが避けられず、また作業能率の向上にも限界があった。
【0003】
もっとも、V字型等の刃先を有するカッター体を用意して、このカッター体でリボンを押し切りすればリボンを自動機械的に異形切断することも可能ではある。しかしながら、この押切り方法にあっては、比較的に厚手のリボンを切断する場合や、作業能率を向上させるべく複数枚のリボンを重ねて同時切断する場合には特に、切断面に切れ残りが生じたりして切断面が見苦しくなる欠点があり、この異形刃先の刃渡が長くなる程、リボンを綺麗に異形切断できなくなる傾向があった。そして、このことは、例えば装置を大型化してカッター体をより丈夫なものに取り替えたり、カッター体の押圧力を高めるだけでは改善できなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来のリボンの異形切断に上記のような難点があったことに鑑みて為されたもので、切断対象のリボンやカッター体などに大きな負担を掛けることもなく、極めて簡素な構成でリボンを綺麗に異形切断することのできるリボンの異形切断装置を提供することを技術的課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記技術的課題を解決するために、先端に異形の刃先 20 を有するカッター体2と;このカッター体2の刃先 20 に対し周面を対向させ、且つ、当該カッター体2の刃先 20 に沿って転動可能に配設された回転ロール3と;当該カッター体2と回転ロール3との間にリボンRを供給するリボン供給手段4と;当該カッター体2と回転ロール3とを相対的 に接近・離反移動させて、供給されたリボンRを当該カッター体2の刃先 20 と回転ロール3の周面とで挟持させるリボン挟持手段5とを含んで成り、さらに、このリボン供給手段4が、回転ロール3の両側に配設された一対のプーリ 41 ・ 41 と;これら一対のプーリ 41 ・ 41 間に掛けられた互いに平行な少なくとも2条の無限ベルト 42 ・ 42 と;これら無限ベルト 42 ・ 42 間に掛け渡され、リボンRを固定可能な複数の固定部品 43 ・ 43 …とから構成されて、供給されてくるリボンRの所要位置をカッター体2の刃先 20 と回転ロール3の周面とで挟みながら当該回転ロール3をカッター体2の刃先 20 に沿って転動させることによってリボンRを異形状に切断するという機械的手段を採用した。
【0006】
削除
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づき詳しく説明する。なお、図1は本実施形態のリボンの異形切断装置の全体斜視図、図2〜図4は同装置による異形切断工程を説明する要部拡大側面図と要部拡大平面図、図5及び図6は本発明に係るリボンの異形切断方法の実施変形例を示す要部拡大平面図である。
【0008】
図1中、符号1で指示するものは、鉄骨を組み合わせて構成した基台であり、この基台1の下部には一対の脚部10・10が形成されていると共に、正面側方には異形切断すべきリボンRが巻回されたリールrを軸支するための支軸11が突設されている。
【0009】
図中、符号2で指示するものは、先端の刃先20がV字型に形成されたカッター体である。このカッター体2は、本実施形態においては基台1の上部中央に配設された後述のリボン挟持手段におけるカッターホルダに着脱自在に取り付けられている。
【0010】
図中、符号3で指示するものは、前記カッター体2の刃先20に対し周面を対向させて配設された円柱形状の回転ロールである。本実施形態の回転ロール3は、軸30にて空転可能に支承されていると共に、この軸30自体が水平方向に往復移動可能に構成されていて、当該回転ロール3がカッター体2の刃先20に沿って水平方向へ往復的に転動できるようになっている。
【0011】
即ち、本実施形態の回転ロール3の軸30は、基台1の中央下部に配設された一対の水平レール32・32上を摺動移動するロール台車31の上部に設けられており、基台1の中央下部から突設された支軸33を支点として揺動可能な転動レバー34を操作することによってロール台車31を水平移動させる。この転動レバー34の揺動操作によって回転ロール3をカッター体2の刃先20に沿って水平方向へ往復的に転動させるのである。なお、本実施形態の回転ロール3は合成樹脂材料で形成されており、その周面は弾性を有している。
【0012】
図中、符号4で指示するものは、前記カッター体2の刃先20と回転ロール3との間にリボンRを供給するリボン供給手段である。本実施形態のリボン供給手段4はベルトコンベヤ機構を利用して構成されており、基台1の下部の左右に回転可能に支承されて回転ロール3の両側に配設された一対の円筒形状のプーリ41・41と、これらプーリ41・41の間に掛けられた互いに平行な2条のVベルトから成る無限ベルト42・42と、これら無限ベルト42・42の間に掛け渡され、リボンRを固定可能な複数の固定部43・43…とから構成されている。
【0013】
そして、本実施形態では、固定部品43が金属材料で形成されており、この固定部品43の上にリボンRを乗せ、更にこのリボンR上に棒磁石44を乗せて固定部品43に磁着させることによって、リールrに巻回されたリボンRを固定部品43に固定するのである。このように、固定部品43でリボンRの所要位置を固定した後、プーリ41・41を回転させて、カッター体2と回転ロール3との間へリボンRを供給し、そして、リボンRの切断位置を調節するのである。なお、図中、符号45で指示するものは、片方のプーリ41を手回し駆動するためのハンドルである。
【0014】
図中、符号5で指示するものは、前記カッター2を回転ロール3に対し接近・離反移動させて、供給されたリボンRをカッター体2の刃先20と回転ロール3の周面とで挟持させるべきリボン挟持手段である。本実施形態のリボン挟持手段5は、周知のボール盤のドリル昇降機構と同様のピニオン−ラック機構により構成されており、基台1の上部中央に水平に軸支されたピニオン軸50と、このピニオン軸50の端部に設けられた挟持レバー51と、このピニオン軸50のピニオン(図示しない)と噛合しながら鉛直方向の角筒カバー52内を往復直線動するラック(図示しない)を備えた昇降ロッド53と、この昇降ロッド53の下端に設けられたカッターホルダ54とから構成されている。
【0015】
このリボン挟持手段5の挟持レバー51を揺動操作してピニオン−ラック機構にてカッター体2を上下に昇降させることにより、当該カッター体2を回転ロール3に対し接近・離反移動せしめ、このカッター体2の刃先20と回転ロール3とでリボンRを挟持させるのである。なお、図中、符号55で指示するものは、前記ピニオン軸50に設けられた渦巻ばねであり、カッター体2を常時、上昇方向へ付勢する。
【0016】
以下に、図2〜図4を参照しながら、本実施形態装置によるリボンの異形切断工程を説明する。
【0017】
まず、前記リボン供給手段4のハンドル45を操作することにより、上昇状態にあるカッター体2と回転ロール3との間にリボンRを供給し、そして、リボンRの切断位置を調節する。
【0018】
そして、前記リボン挟持手段5の挟持レバー51を下げてカッター体2を下降させることにより、図2に示すように、カッター体2のV字型の刃先20と回転ロール3の周面とでリボンRを挟む。このとき、カッター体2の刃先20と回転ロール3の周面とによる挟み圧力は、図2中、符号Cで指示するように、リボンRの両側辺部位に局部的に加わることになるので、このカッター体2の刃先20によってリボンRのこれら二箇所の圧力集中部位C・Cが確実に切断される。
【0019】
然る後、これらカッター体2と回転ロール3とでリボンRを挟んだまま、前記転動レバー34を操作して、図3及び図4に示すように、回転ロール3をカッター体2の刃先20に沿って水平方向へ転動させる。かかる回転ロール3の転動動作に従って、カッター体2と回転ロール3とによる挟み圧力の集中部位Cは刃先20のV字形状に沿って徐々に移動してゆくことになり、その結果、リボンRが確実にV字形状に異形切断されるのである。その後、カッター体2を上昇させて、リボンRを所定量送り出すと共に、回転ロール3を元の位置に戻して次の異形切断に臨ませる。
【0020】
このように、本実施形態装置においては、カッター体2の刃先20と回転ロール3の周曲面とでリボンRを挟んでいるので、その挟み圧力をリボンRに対して局部的に集中して加えることができ、しかも、この回転ロール3を刃先20に沿って転動させることにより、この挟み圧力の集中部位Cを刃先20のV字形状に沿ってスムーズに移動させることを実現しているので、たとえ、刃先20の刃渡が長くなっても、リボンRやカッター体2等に大きな負担を掛けることなく極めて簡単な構成でリボンを綺麗に異形切断することが可能となり、また、比較的に厚手のリボンを切断する場合や、作業能率を向上させるべく複数枚のリボンを重ねて同時切断する場合にも、切断面に切れ残りが生じるようなことなく綺麗で確実な異形切断を能率良く行なうことが可能となるのである。
【0021】
また、本実施形態では回転ロール3の周面が弾性を有しているので、より確実な異形切断が可能となると共に、カッター体2の刃先20の負担をより軽減させることができ、長期間の稼働が可能になる。
【0022】
本発明の具体例である実施形態は概ね上記のように構成されているが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく「特許請求の範囲」の記載内で種々の変更が可能である。
【0023】
例えば、上記実施形態では、V字型の刃先20を有するカッター体2を、そのV字の開いた側をリボンの供給上流側へ向けるようにして取り付けているが、これとは逆に、図5に示すように、カッター体2をそのV字の開いた側をリボン供給下流側へ向けて取り付けるようにしても良い。また、このカッター体2の刃先20の形状もV字型に限定されるものではなく、例えば、図6に示すように、台形状の刃先20′を有するカッター体2を適用しても良い。リボンの異形切断形状に応じて種々の設計変更が可能であることは勿論である。
【0024】
また、上記実施形態では、回転ロール3をリボンRの長手方向へ水平に転動させているが、本発明はこれに限定されるものではなく、図6に示すように、回転ロール3の転動方向をリボンRの長手方向に対し斜交させるようにしても良い。図6において、この台形状の刃先20′の直線部の方向Xと、回転ロール3の軸方向Y(ロール周面とリボンとの接触部分の方向)との間に角度Zを付けることによって、この刃先20′の直線部による挟み圧力を、より効率的にリボンRに集中して加えることが可能となり、より確実な異形切断が可能となるのである。
【0025】
更にまた、上記実施形態では、リボン挟持手段5によってカッター体2の方を回転ロール3に対して接近・離反移動させてリボンRを挟むようにしているが、これに限定されるものではなく、回転ロール3の方をカッター体2に対して接近・離反移動させるようにしても良く、例えば、これらカッター体2と回転ロール3との間へのリボンRの供給方向等を考慮して種々の設計変更が可能である。
【0026】
更にまた、上記実施形態では、リボン供給手段4における固定部品43を金属材で形成し、この固定部品43に棒磁石44を磁着させることによって、当該固定部品43にリボンRを固定しているが、これに限定されるものではなく、この固定部品43にスリットを開設し、このスリットにリボンRを通して固定するようにしても良い。
【0027】
【発明の効果】
以上、実施形態をもって説明したとおり、本発明に係るリボンの異形切断方法と装置にあっては、カッター体の刃先と回転ロールの周曲面とでリボンを挟んでいるので、その挟み圧力をリボンに対して局部的に集中して加えることができ、しかも、この回転ロールを刃先に沿って転動させることにより、この挟み圧力の集中部位を刃先形状に沿ってスムーズに移動させることを実現しているので、たとえ、刃先の刃渡が長くなっても、リボンやカッター体などに大きな負担を掛けることなく極めて簡単な構成でリボンを綺麗に異形切断することが可能となり、また、比較的に厚手のリボンを切断する場合や、作業能率を向上させるべく複数枚のリボンを重ねて同時切断する場合にも、切断面に切れ残りが生じるようなことなく綺麗で確実な異形切断を能率良く行なうことができ、産業上の利用価値は頗る高いものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のリボンの異形切断装置の全体斜視図である。
【図2】同装置による異形切断工程を示す要部拡大側面図と要部拡大平面図である。
【図3】同装置による異形切断工程を示す要部拡大側面図と要部拡大平面図である。
【図4】同装置による異形切断工程を示す要部拡大側面図と要部拡大平面図である。
【図5】本発明に係る異形切断方法の実施変形例を示す要部拡大平面図である。
【図6】本発明に係る異形切断方法の他の実施変形例を示す要部拡大平面図である。
【符号の説明】
R リボン
1 基台
2 カッター体
20 刃先
3 回転ロール
4 リボン供給手段
41 プーリ
42 無限ベルト
43 固定部品
5 リボン挟持手段
51 挟持レバー
Claims (1)
- 先端に異形の刃先 20 を有するカッター体2と;このカッター体2の刃先 20 に対し周面を対向させ、且つ、当該カッター体2の刃先 20 に沿って転動可能に配設された回転ロール3と;当該カッター体2と回転ロール3との間にリボンRを供給するリボン供給手段4と;当該カッター体2と回転ロール3とを相対的に接近・離反移動させて、供給されたリボンRを当該カッター体2の刃先 20 と回転ロール3の周面とで挟持させるリボン挟持手段5とを含んで成り、
さらに、このリボン供給手段4が、回転ロール3の両側に配設された一対のプーリ 41 ・ 41 と;これら一対のプーリ 41 ・ 41 間に掛けられた互いに平行な少なくとも2条の無限ベルト 42 ・ 42 と;これら無限ベルト 42 ・ 42 間に掛け渡され、リボンRを固定可能な複数の固定部品 43 ・ 43 …とから構成されて、供給されてくるリボンRの所要位置をカッター体2の刃先 20 と回転ロール3の周面とで挟みながら当該回転ロール3をカッター体2の刃先 20 に沿って転動させることによってリボンRを異形状に切断することを特徴としたリボンの異形切断装置。
Priority Applications (1)
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JP31366798A JP4041603B2 (ja) | 1998-11-04 | 1998-11-04 | リボンの異形切断装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000141277A JP2000141277A (ja) | 2000-05-23 |
JP4041603B2 true JP4041603B2 (ja) | 2008-01-30 |
Family
ID=18044074
Family Applications (1)
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JP31366798A Expired - Fee Related JP4041603B2 (ja) | 1998-11-04 | 1998-11-04 | リボンの異形切断装置 |
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JP (1) | JP4041603B2 (ja) |
-
1998
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