JP4041319B2 - 車両用シートのフレーム構造 - Google Patents
車両用シートのフレーム構造Info
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車における荷室前に配設されたシートクッションおよびシートバックを有する車両用シートのフレーム構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
上述した荷室前に配設されるリアシートは、図3に示すように車室床部に下部が固定されるシートクッション103と、その後部に下部が支持されるシートバック100とを有する構成のものが一般的であり、シートバック100としては、前倒し可能なものと、起立状態で車体に固定されたものとが存在する。
【0003】
かかるシートバック100は、概略矩形状をしたバックフレーム102を有し、これを覆うようにパッドおよび外皮用トリムなどが設けられた構成となっている。また、シートクッション103も、内蔵するクッションフレームを覆うようにパッドおよび外皮用トリムなどが設けられた構成となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年においては自動車の安全向上を図るべく、種々の対策が検討されており、その一つに、リアシートが後部荷室の荷物移動により受ける際の耐荷重を規定値以上にすることが必須項目として挙げられている。その基準として、縦300ミリ×横300ミリの衝突面を有する立方体状をした重さ18kgの規格荷物を荷室から慣性力によりシートバックの背面に当てる自動車規則 ECE No.17が知られる。
【0005】
しかしながら、従来のリアシートにあっては、そのシートバックフレームがバックパネルの周縁に沿ってバックフレームを配設した構成であるので、例えば上述した自動車規則に基づくテストの規格荷物がシートバックに当接した場合に、バックフレームの下端部が規格荷物を受け止めるものの、上記構成故にバックフレームの下端部の高さ位置が低いため、その下端部に当接した規格荷物の前側の箇所を回転中心として規格荷物に上向きの回転力が発生し、これにより規格荷物がシートバックを乗り越える虞があった。
【0006】
本発明は、このような従来技術の課題を解決するようになされたもので、荷室に置いた荷物がシートバックを乗り越えるのを確実に防止し得る車両用シートのフレーム構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の車両用シートのフレーム構造は、荷室前に配設されたシートクッションおよびシートバックを有する車両用シートのフレーム構造であって、上記シートバックは、概略矩形状をしたバックフレームを有し、そのバックフレームの下端部が上記荷室の床に置かれる仮想荷物の重心と同一又はそれよりも高い高さ位置に設定される構成となっており、かつ、前記シートクッションは、荷室の床高さよりも高い後端部を有するクッションフレームを備え、該クッションフレームの該後端部と前記バックフレームの下端部とが、前後方向位置をほぼ揃えて配設されることを特徴とする。
【0008】
この発明による場合には、バックフレームの下端部が荷室の床に置かれる仮想荷物の重心と同一又はそれよりも高い高さ位置に設定されているので、仮想荷物がバックフレームの下端部に当接しても、仮想荷物の前側の当接箇所を中心として仮想荷物に上向きの回転力が発生することを抑制できるとともに、バックフレームの下端部が仮想荷物を受け止めるため、荷室の床に置いた荷物がシートバックを乗り越えるのを確実に防止し得ることとなる。また、クッションフレームの後端部が荷室の床よりも高く、かつバックフレームの下端部とほぼ同じ前後方向位置で配設されているので、バックフレームの下端部が受ける荷重をシートクッションの後端部にも分担させ得、これによりバックフレームに大荷重が作用することがなくなって外力に対するバックフレームの強度がより向上する。
【0009】
ここで、仮想荷物とは、前記自動車規則 ECE No.17に規定された立方体状をした規格荷物を含むとともにそれ以外の荷物を含み、それ以外の荷物としては、例えば上記規格荷物とはサイズが異なる立方体状をした荷物、或いは直方体状をした荷物、或いは少なくとも2面、つまり荷室前のリアシートのシートバックに当接される側面と荷室の床に置かれる底面とがほぼ平坦である荷物などが該当する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態を具体的に説明する。
【0011】
図1は本発明を2分割タイプのリアシートに適用した車両用シートのフレーム構造を示す斜視図で、図2はそのフレーム構造を、仮想荷物としての前記規格荷物と共に示す右側面図である。
【0012】
この車両用シートのフレーム構造は、荷室前に配設されたシートクッション用のクッションフレーム1と、左右のシートバック用の2つのバックフレーム10とを有する。クッションフレーム1は、その前部が、車内の底面20にヒンジ21を介して取付けられ、クッションフレーム1の後部の底面に設けたストライカー2を前記底面20に設けたキャッチ部材(図示せず)から外すと、ヒンジ21を介して前倒し可能とされ、その前倒し状態から後側に倒してストライカー2を前記キャッチ部材と係合させると、着座可能状態に変化する。
【0013】
また、クッションフレーム1が取付けられる車内の底面20は荷室の床面22より高さが低い位置に設定されており、クッションフレーム1の後端部3における上面4は、荷室の床面22よりも高い位置に設定されている。また、クッションフレーム1の後端部3近傍の上側には、前記2つのバックフレーム10の各々がヒンジ6を介して前倒し姿勢と少し後側に傾いた起立姿勢とに変位可能に取付けられている。ヒンジ6は、クッションフレーム1の後端部3の上側に設けた固定側ブラケット7と、バックフレーム10の左右両側に取付けられた可動側ブラケット11と、両ブラケット7と11を回動可能に連結するピン状部材8とを有する。上記可動側ブラケット11は、固定側ブラケット7にピン状部材8で連結されるピン側のブラケット11aと、バックフレーム10側に固着されるフレーム側ブラケット11bとを有する。また、ヒンジ6の近傍には、バックフレーム10を起立姿勢に固定させるための固定手段(図示せず)が設けられている。
【0014】
上記2つのバックフレーム10は、それぞれ概略矩形状に形成され、その下端部12は、荷室床面22に置かれる仮想荷物、本実施形態では前述した自動車規則 ECE No.17に基づくテストの規格荷物30の重心31と同一高さ位置に設定されている。このため、各バックフレーム10の下端部12と前記クッションフレーム1の後端部3との間に大きな隙間が生じることとなるが、その隙間を短くするために、各バックフレーム10の左右両側に配置された前記フレーム側ブラケット11bの下端部に掛け渡した状態に連結部材5が設けられ、この連結部材5に、前述した図示しない外皮用トリムおよびパッドの下端側を係止して、シートクッションとシートバックの間の隙間を小さくしている。また、下端部12と上記後端部3との前後方向位置は、両者揃えられている。
【0015】
したがって、本実施形態による場合には、バックフレーム10の下端部12が規格荷物30の重心31と同一高さ位置に設定されているので、規格荷物30がバックフレーム10の下端部12に当接しても規格荷物30の前側の当接箇所を中心として規格荷物30に上向きの回転力が発生することを抑制できるとともに、バックフレーム10の下端部12が規格荷物30を受け止めるため、荷室床面22に置いた規格荷物30がシートバックを乗り越えるのを確実に防止し得る。
【0016】
また、クッションフレーム1の後端部3が荷室床面22よりも高く、かつバックフレーム10の下端部12とほぼ同じ前後方向位置で配設されているので、バックフレーム10の下端部12が受ける荷重をシートクッション1の後端部3にも分担させ得、これによりバックフレーム10に大荷重が作用することがなくなって外力に対するバックフレーム10の強度がより向上する。
【0017】
なお、上述した実施形態ではバックフレーム10の下端部12を規格荷物30の重心と同一高さ位置に設定しているが、本発明はこれに限らず、バックフレーム10の下端部12を規格荷物30の重心31よりも高い高さ位置に設定してもよいことは勿論である。但し、この場合における下端部12の最高高さ位置は、当然のことではあるが、規格荷物30の高さよりも低い位置である。
【0018】
また、上述した実施形態では仮想荷物として自動車規則 ECE No.17に基づくテストの規格荷物30を例に挙げて説明しているが、本発明はこれに限らず、それ以外の荷物、例えば上記規格荷物とはサイズが異なる立方体状をした荷物、或いは直方体状をした荷物、或いは少なくとも2面、つまり荷室前のリアシートのシートバックに当接される側面と荷室の床に置かれる底面とがほぼ平坦である荷物などに対しても同様に適用することが可能である。
【0019】
また、上述した実施形態では、概略矩形状のバックフレーム10が全周において繋がったものに本発明を適用しているが、本発明はこれに限らず、概略矩形状のバックフレーム10が一部、特に下端部を除く部分において分断されたもの、例えば、概略矩形状をしたバックパネルの周縁に沿って配設されたバックフレームなどにも同様に適用することができる。
【0020】
また、上述した実施形態では、荷室前のリアシートが2分割タイプのリアシートを対象として本発明を適用しているが、本発明はこれに限らず、非分割タイプのリアシートにも適用することができる。
【0021】
また、上述した実施形態ではシートバックが前倒し可能なものを例に挙げて説明しているが、本発明はこれに限らず、シートバックが車体に固定されたリアシートに対しても適用することが可能である。
【0022】
また、上述した実施形態ではシートクッションが前側を軸として回転可能なものを例に挙げて説明しているが、本発明はこれに限らず、シートクッションが車体に完全固定されたリアシートに対しても適用することが可能である。
【0023】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明による場合には、バックフレームの下端部が荷室の床に置かれる仮想荷物の重心と同一又はそれよりも高い高さ位置に設定されているので、仮想荷物がバックフレームの下端部に当接しても仮想荷物の前側の当接箇所を中心として仮想荷物に上向きの回転力が発生することを抑制できるとともに、バックフレームの下端部が仮想荷物を受け止めるため、荷室の床に置いた荷物がシートバックを乗り越えるのを確実に防止し得る。また、クッションフレームの後端部が荷室の床よりも高く、かつバックフレームの下端部とほぼ同じ前後方向位置で配設されているので、バックフレームの下端部が受ける荷重をシートクッションの後端部にも分担させ得、これによりバックフレームに大荷重が作用することがなくなって外力に対するバックフレームの強度をより向上させ得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を2分割タイプのリアシートに適用した車両用シートのフレーム構造を示す斜視図である。
【図2】 図1のフレーム構造を、規格荷物(仮想荷物)と共に示す右側面図である。
【図3】 従来から知られるリアシートの一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 クッションフレーム
3 後端部
4 上面
10 バックフレーム
12 下端部
22 荷室の床面
30 規格荷物(仮想荷物)
31 重心
Claims (1)
- 荷室前に配設されたシートクッションおよびシートバックを有する車両用シートのフレーム構造であって、
上記シートバックは、概略矩形状をしたバックフレームを有し、そのバックフレームの下端部が上記荷室の床に置かれる仮想荷物の重心と同一又はそれよりも高い高さ位置に設定される構成となっており、かつ、前記シートクッションは、荷室の床高さよりも高い後端部を有するクッションフレームを備え、該クッションフレームの該後端部と前記バックフレームの下端部とが、前後方向位置をほぼ揃えて配設されることを特徴とする車両用シートのフレーム構造。
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JP2002050912A JP4041319B2 (ja) | 2002-02-27 | 2002-02-27 | 車両用シートのフレーム構造 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8132666B2 (en) | 2004-09-01 | 2012-03-13 | Zepf Technologies Uk Limited | Adjustable conveyor guide |
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2002
- 2002-02-27 JP JP2002050912A patent/JP4041319B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US8132666B2 (en) | 2004-09-01 | 2012-03-13 | Zepf Technologies Uk Limited | Adjustable conveyor guide |
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