JP4041289B2 - 電磁鋼板の絶縁被膜形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電磁鋼板、特に表面にフォルステライト等、無機鉱物質の被膜を有しない一方向性電磁鋼板、さらには鏡面ないしそれに近い状態に調整した仕上げ焼鈍後の一方向性電磁鋼板の表面に、絶縁性および張力付与性の優れた被膜を形成する方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
一方向性電磁鋼板は、(110)[001]を主方位とする結晶組織を有し、磁気鉄芯材料として多用されており、特にエネルギーロスを小さくするために鉄損の小さい材料が求められている。5mass%以下の珪素を含有する一方向性電磁鋼板の鉄損の低減には、鋼板に張力を付与することが有効であり、14.7Pa(1.5 kgf/m2 )程度までの張力付与によって効果的に鉄損を低減できることが知られている。この張力は通常、表面に形成された被膜によって付与されている。
【0003】
鋼板に張力を付与するためには、鋼板より熱膨張係数の小さい材質からなる被膜を高温で形成することが有効である。これは、鋼板と被膜との間の熱膨張係数差によって生ずる熱応力を利用するものである。通常の一方向性電磁鋼板の表面には、脱炭焼鈍工程で生ずるSiO2 を主体とする酸化膜と、焼鈍分離剤として通常用いられるMgOとが、仕上焼鈍中に反応して形成されたフォルステライトを主体とする被膜(以下、仕上げ焼鈍被膜と称する)が存在する。この仕上げ焼鈍被膜は鋼板に与える張力が大きく、鉄損低減に効果がある。
【0004】
さらに、特開昭48−39338号公報で開示された、コロイド状シリカと燐酸塩を主体とするコーティング液を鋼板表面に塗布して焼き付けることによって得られる絶縁被膜は、鋼板に対して張力付与の効果が大きく、鉄損低減に有効である。従って、仕上げ焼鈍工程で生じた被膜を残したうえで絶縁被膜を施すことが、一般的な方向性電磁鋼板の製造方法となっている。
【0005】
絶縁被膜による鋼板への張力を増大させる試みもなされている。例えば特開平6−306628号公報に開示されている、アルミナゾルと硼酸を主体とするコーティング液を焼き付けることによって得られるAl2 O3 −B2 O3 系の結晶質被膜は、同一膜厚のもとで、コロイド状シリカと燐酸塩を主体とするコーティングを焼き付けた場合に比べて、1.5〜2倍の被膜張力を得ることができる。
【0006】
一方、最近、仕上げ焼鈍被膜と地鉄の乱れた界面構造が、鉄損に対する被膜張力効果をある程度相殺していることが明らかになってきた。
そこで、例えば特開昭49−96920号公報や特開平4−131326号公報に開示されている如く、仕上げ焼鈍工程で生じる仕上げ焼鈍被膜を研磨、研削等の機械的あるいは酸洗などの化学的手段等により除いたり、更にその後化学研磨や再焼鈍によって鏡面化仕上げを行った後、あるいは仕上げ焼鈍における仕上げ焼鈍被膜の形成を防止することによって、実質的に仕上げ焼鈍被膜がない状態もしくは鏡面状態にした後、張力被膜を改めて施すことにより、更なる鉄損低減を試みる技術が開発された。
【0007】
しかしながら、一般に絶縁被膜は、仕上げ焼鈍被膜の上に施した場合にはかなりの被膜密着性が得られるものの、仕上げ焼鈍被膜を除去したり、あるいは仕上げ焼鈍工程で意図的に仕上げ焼鈍被膜形成を行わなかった場合のように、実質的に仕上げ焼鈍被膜が存在しない場合には密着性が劣る。これは、無機質の仕上げ焼鈍被膜と絶縁被膜とは通常問題なく密着していたのに対し、平滑な金属面に直接絶縁被膜を形成するのが困難なためである。したがって、絶縁被膜の密着性という観点からは、より低い鉄損を追求して表面の平滑度を向上させるほど解決が困難になるといえる。
【0008】
このような課題に対し、特開平6−184762号公報において、仕上げ焼鈍被膜のない一方向性電磁鋼板に対する張力付与型の絶縁被膜の密着性改善法が開示された。すなわち、絶縁被膜形成前に地鉄との密着性が良好なSiO2 膜を形成させる方法である。同公報においては、具体的なSiO2 膜形成方法として、弱還元性雰囲気中で焼鈍し、電磁鋼板に必然的に含有されているSiを選択的に熱酸化させることによってSiO2 膜を形成させる方法、およびCVDやPVD等のドライコーティングによる製膜方法を示した。
【0009】
また特開平11−209891号公報において、陽極電解処理によりSiO2 膜を形成させる方法が示された。しかしながら、還元性雰囲気中焼鈍の場合、張力被膜に十分な密着性を付与するSiO2 膜を鋼板表面に形成するには高温で長時間の焼鈍が必要であり、ドライコーティングの場合は真空蒸着設備が必要となる。また、陽極電解処理の場合は電解処理設備が必要となる。
従って、上記3つの方法では処理コストに問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、処理コストの安価な絶縁被膜の鋼板への密着性改善技術を提供し、鋼板表面が鏡面であり、かつ張力付与型の絶縁被膜が施された鉄損の極めて低い一方向性電磁鋼板を、工業的に安価に製造可能ならしめることを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するものであって、その要旨とするところは以下の通りである。
(1) 鋼板表面に仕上焼鈍被膜が存在しない電磁鋼板に絶縁被膜を施すに際し、酸素、水蒸気および二酸化炭素のうち少なくとも1種を含有し、Fe系酸化被膜を形成する酸素分圧の雰囲気を用いる酸化性雰囲気中において焼鈍を行った後に冷却し、続いて水素を含みFe系酸化被膜を還元し、かつ鋼板表面にSiO 2 被膜を形成する雰囲気を用いる弱還元性雰囲気中において焼鈍を行った後、張力付与型の絶縁被膜を施すことを特徴とする電磁鋼板の絶縁被膜形成方法。
(2)鋼板表面に仕上焼鈍被膜が存在しない電磁鋼板に絶縁被膜を施すに際し、一連の焼鈍の昇温過程を含む酸素、水蒸気および二酸化炭素のうち少なくとも1種を含有し、Fe系酸化被膜を形成する酸素分圧の雰囲気を用いる酸化性雰囲気中において焼鈍し、続いて水素を含みFe系酸化被膜を還元し、かつ鋼板表面にSiO 2 被膜を形成する雰囲気を用いる弱還元性雰囲気中において焼鈍した後、張力付与型の絶縁被膜を施すことを特徴とする電磁鋼板の絶縁被膜形成方法。
(3)前記酸化性雰囲気が、30℃%の水と平衡する水蒸気を含有した窒素雰囲気であることを特徴とする前記(1)または(2)記載の電磁鋼板の絶縁被膜形成方法。
(4)前記弱還元性雰囲気が、3℃の水と平衡する水蒸気を含有した75%H 2 −25% N 2 雰囲気であることを特徴とする前記(1)または(2)記載の電磁鋼板の絶縁被膜形成方法。
(5)酸化性雰囲気中の焼鈍において生成するFe系酸化被膜の厚みを5nm以上1000nm未満とすることを特徴とする前記(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の電磁鋼板の絶縁被膜形成方法。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明は、電磁鋼板の表面に絶縁被膜を形成しようとする場合に、鋼板表面と絶縁被膜との間に、この両者に対して密着性の良好な中間層を形成するものである。すなわち、酸化性雰囲気中においてFe系酸化被膜を形成する焼鈍を行い、その後に弱還元性雰囲気中において焼鈍を行うことでSiO2 被膜を形成することによって、絶縁被膜と鋼板表面との密着性を強固にするものである。
【0013】
従って、鉄損の低い電磁鋼板を得るために、仕上げ焼鈍被膜を除去した後に化学的、機械的研磨もしくは還元性雰囲気下での高温焼鈍等の手段により表面を平滑化した一方向性電磁鋼板、あるいは仕上げ焼鈍を行うに際し一次再結晶焼鈍時の酸化膜を除去しMgO以外の焼純分離剤を選択することによって表面を平滑化した一方向性電磁鋼板、あるいは焼純分離剤としてアルカリ金属を含有するアルミナ等を用いて仕上焼純を行うことにより表面を平滑化した一方向性電磁鋼板等に好適である。
【0014】
酸化性雰囲気中の焼鈍は、酸素、水蒸気および二酸化炭素のうち少なくとも1種を含有し、Fe系酸化被膜が形成し得る酸素分圧の雰囲気中で行えば良い。
Fe系酸化被膜の厚さは、焼鈍条件(雰囲気、温度、時間、昇温速度)により変化するが、Fe系酸化被膜の厚さにより本発明の効果は決定される。
【0015】
ここで形成するFe系酸化被膜の厚さは、5nm以上1000nm未満が好ましい。厚さが5nm未満である場合、弱還元性雰囲気中の焼鈍において均一な膜状のSiO2 被膜の形成に対してほとんど効果を持たない。また逆に1000nm超であった場合には、弱還元性雰囲気中の焼鈍において形成するSiO2 被膜と鋼板との界面が平滑でなくなり、絶縁被膜との密着性は確保できるものの磁気特性が低下すること、さらに密着性に十分なSiO2 被膜を形成するのに要する焼鈍時間が長くなるため好ましくない。
弱還元性雰囲気中の焼鈍は、水素を含みFe系酸化被膜を還元し、かつ鋼板表面にSiO2 を主とする被膜を形成し得る雰囲気中で行えば良い。
【0016】
Fe系酸化被膜およびSiO2 被膜の組成および膜厚の分析は、X線光電子分光法(XPS)、オージェ電子分光法(AES)、二次イオン質量分析法(SIMS)などが好適に用いられる。
【0017】
絶縁被膜としては、一方向性電磁鋼板に通常使用される耐熱性の無機絶縁被膜が適用できる。特にそれが張力付与型のものである場合に、本発明は好適に効果を発揮する。具体的には、特開昭48−39338号公報に開示されている、コロイド状シリカと燐酸塩を主体とするコーティング液を塗布焼き付けることによって得られる絶縁被膜や、特開平6−306628号公報に開示されている、アルミナゾルと硼酸を主体とするコーティング液を塗布焼き付けることによって得られるAl2 O3 −B2 O3 系の結晶質被膜が上げられる。
【0018】
また、特開平6−248465号公報には各種の張力被膜材質が開示されているが、その中でα−アルミナ被膜は、アルミナゾルを塗布焼き付けることによって得ることができる。
以上のように、本発明は仕上げ焼鈍被膜がなく鋼板が露出した一方向性電磁鋼板に対し、絶縁被膜、特に張力付与型の絶縁被膜を密着性良好に焼き付ける際に有効である。
【0019】
【実施例】
次に実施例について説明する。
<実施例1>
Al2 O3 を焼純分離剤として仕上げ焼鈍を行い、表面を鏡面に仕上げた一方向性電磁鋼板(Si含有量:3.2mass%、厚さ:0.23mm)を、30℃の水と平衡する水蒸気を含有した窒素雰囲気中で250℃において50s焼鈍した。表面をXPS等を用いて分析し、約10nmの厚さのFe系酸化被膜が形成していることを確認した。続いて上記鋼板を3℃の水と平衡する水蒸気を含有した75%H2 −25%N2 雰囲気で満たされ、均熱温度がそれぞれ900℃、1000℃および1100℃である炉の中に挿入した。所定時間焼鈍した後、均熱部から鋼板を取り出し、均熱部と同一の雰囲気中で200℃まで冷却後、大気中に取り出した。
【0020】
次いで、コロイド状シリカ、燐酸アルミニウム、無水クロム酸からなる処理液を塗布し850℃で焼き付けることにより、張力付与型の絶縁被膜(特開昭48−39338号公報に準拠)を形成した(絶縁被膜形成量:片面当たり4g/m2 )。被膜の密着性は、鋼板を直径20mmの丸棒に、その角度が180度になるように巻き付けた際の被膜の剥離の有無により評価した。
【0021】
図1にその結果を示す。ここで、在炉時間は弱還元性雰囲気中の焼鈍で炉の均熱部に鋼板を挿入した時を0sとし、図中の×印は曲げ試験により被膜の剥離が生じたことを示し、○印は剥離が生じないことを示す。これより、焼鈍炉の均熱温度が1100℃の場合、在炉10s後に均熱部から取り出し上記雰囲気中で空冷した場合、上記張力被膜の密着性が良好となるSiO2 被膜を形成することができた。
【0022】
<比較例1>
被実験試料としてAl2 O3 を焼純分離剤として仕上げ焼鈍を行い、表面を鏡面に仕上げた一方向性電磁鋼板(Si含有量:3.2mass%、厚さ:0.23mm)の試料を用いた。実施例1の酸化性雰囲気中の焼鈍を省略した鋼板について、同一条件で弱還元性雰囲気中で焼鈍を行い、実施例1と同一条件で張力付与型の絶縁被膜を形成した。
その後、実施例1と同一の被膜剥離試験を行った結果を図2に示す。酸化性雰囲気中の焼鈍を省略した場合、弱還元性雰囲気中における焼鈍により、その上に形成される張力被膜の密着性が良好となるSiO2 被膜を形成するには、焼鈍炉の均熱温度が1100℃の場合で在炉時間が25s以上の焼鈍が必要である。
【0023】
<実施例2>
被実験試料としてAl2 O3 を焼純分離剤として仕上げ焼鈍を行い、表面を鏡面に仕上げた一方向性電磁鋼板(Si含有量:3.2mass%、厚さ:0.23mm)を用いた。室温から800℃までは30℃の水と平衡する水蒸気を含有した窒素雰囲気で満たし、それ以上の温度域では3℃の水と平衡する水蒸気を含有した75%H2 −25%N2 雰囲気で満たされ、昇温速度が約100℃/sであり、均熱温度がそれぞれ900℃、1000℃および1100℃である連続焼鈍炉の中に上記鋼板を挿入した。
【0024】
所定時間焼鈍した後、均熱部から鋼板を取り出し、均熱部と同一の雰囲気中で200℃まで冷却後、大気中に取り出した。実施例1と同一条件で張力付与型の絶縁被膜を形成し、実施例1と同一の被膜剥離試験を行った結果を図3に示す。ここで、在炉時間は室温から鋼板を炉内に挿入した時を0sとする。焼鈍炉の均熱温度が1100℃の場合、在炉15s後に均熱部から取り出し上記雰囲気中で空冷した場合、上記張力被膜の密着性が良好となるSiO2 被膜を形成することができた。
【0025】
<比較例2>
被実験試料としてAl2 O3 を焼純分離剤として仕上げ焼鈍を行い、表面を鏡面に仕上げた一方向性電磁鋼板(Si含有量:3.2mass%、厚さ:0.23mm)を用いた。実施例2と同一の焼鈍炉において室温から均熱温度まで3℃の水と平衡する水蒸気を含有した75%H2 −25%N2 雰囲気中で焼鈍を行い、実施例2と同一条件で張力付与型の絶縁被膜を形成し、実施例2と同一の被膜剥離試験を行った結果を図4に示す。
図で示すように、酸化性雰囲気中における焼鈍を省略した場合、弱還元性雰囲気中における焼鈍により、その上に形成される張力被膜の密着性が良好となるSiO2 被膜を形成するには、焼鈍炉の均熱温度が1100℃の場合で在炉時間が25s以上の焼鈍が必要である。
【0026】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明は電磁鋼板と絶縁被膜の間の密着性を改善する方法を提供するものであり、被膜地鉄界面の平坦度が優れ、かつ鋼板に対して強い張力が付与された、鉄損の低い一方向性電磁鋼板を製造でき、その工業的効果は甚大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】酸化性雰囲気中における焼鈍後に弱還元性雰囲気中で焼鈍を行った際の、在炉時間と均熱温度の関係に曲げ試験による張力被膜の剥離試験結果を示す図。
【図2】酸化性雰囲気中における焼鈍を省略した従来法の弱還元性雰囲気中で焼鈍を行った際の、在炉時間と均熱温度の関係に曲げ試験による張力被膜の剥離試験結果を示す図。
【図3】酸化性雰囲気中における焼鈍と弱還元性雰囲気中で焼鈍を連続的に行った際の、在炉時間と均熱温度の関係に曲げ試験による張力被膜の剥離試験結果を示す図。
【図4】酸化性雰囲気中における焼鈍を省略した従来法の弱還元性雰囲気中で焼鈍を行った際の、在炉時間と均熱温度の関係に曲げ試験による張力被膜の剥離試験結果を示す図。
Claims (5)
- 鋼板表面に仕上焼鈍被膜が存在しない電磁鋼板に絶縁被膜を施すに際し、酸素、水蒸気および二酸化炭素のうち少なくとも1種を含有し、Fe系酸化被膜を形成する酸素分圧の雰囲気を用いる酸化性雰囲気中において焼鈍を行った後に冷却し、続いて水素を含みFe系酸化被膜を還元し、かつ鋼板表面にSiO 2 被膜を形成する雰囲気を用いる弱還元性雰囲気中において焼鈍を行った後、張力付与型の絶縁被膜を施すことを特徴とする電磁鋼板の絶縁被膜形成方法。
- 鋼板表面に仕上焼鈍被膜が存在しない電磁鋼板に絶縁被膜を施すに際し、一連の焼鈍の昇温過程を含む酸素、水蒸気および二酸化炭素のうち少なくとも1種を含有し、Fe系酸化被膜を形成する酸素分圧の雰囲気を用いる酸化性雰囲気中において焼鈍し、続いて水素を含みFe系酸化被膜を還元し、かつ鋼板表面にSiO 2 被膜を形成する雰囲気を用いる弱還元性雰囲気中において焼鈍した後、張力付与型の絶縁被膜を施すことを特徴とする電磁鋼板の絶縁被膜形成方法。
- 前記酸化性雰囲気が、30℃%の水と平衡する水蒸気を含有した窒素雰囲気であることを特徴とする請求項1または2記載の電磁鋼板の絶縁被膜形成方法。
- 前記弱還元性雰囲気が、3℃の水と平衡する水蒸気を含有した75%H 2 −25% N 2 雰囲気であることを特徴とする請求項1または2記載の電磁鋼板の絶縁被膜形成方法。
- 酸化性雰囲気中の焼鈍において生成するFe系酸化被膜の厚みを5nm以上1000nm未満とすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電磁鋼板の絶縁被膜形成方法。
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