JP4040980B2 - プレストレスト合成トラス桁及びその製造方法 - Google Patents

プレストレスト合成トラス桁及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
技術分野
本発明はプレストレスト合成トラス桁及びその製造方法に係り、詳細にはプレストレストコンクリート構造よりなる下弦部材、圧延形鋼よりなるウェブ部材及び構造用鋼板よりなる上弦部材を相互結合させたプレストレスト合成トラス桁及びその製造方法に関する。
【0002】
背景技術
一般に、合成桁は、工場または製作所であらかじめ製作されるプレキャスト桁と、桁と結合されるコンクリート底盤で構成され、外部荷重を受ければ、断面内に曲げ応力と剪断応力とが各々生じる。このような合成桁において、圧縮領域に該当する底盤は圧縮に対する抵抗が強いコンクリートを使用し、主に引張応力と剪断応力とを受ける桁は引張及び剪断に対する抵抗が強い鋼材またはプレストレストコンクリートを使用する。
【0003】
このように、各種建築及び土木構造物に適用されている合成桁は、桁の構成材料と製作方法によって、鋼合成桁、SRC(Steel Reinforced Concrete)合成桁、プレフレックス(Preflex)合成桁、PSC(Prestressed Concrete)合成桁の4種に分類される。この中で、鋼合成桁とSRC合成桁は、桁の断面にプレストレスを導入していない非プレストレスト構造であり、プレフレックス合成桁とPSC合成桁とは、桁の製作過程でプレストレスを導入するプレストレスト構造よりなっている。そして、これら4種の合成桁に使われた桁は、充腹(solid web)の断面形状を取っているという共通点を有している。
【0004】
図1に示されたように、前記鋼合成桁10は、合成前に鉄骨とコンクリート底盤の自重により生じる曲げ応力と剪断応力、及び合成後に外部荷重による引張応力に抵抗するためにI形鋼が備わる。鋼合成桁は、軽量構造で架設が容易で、耐震性に優れ、破壊に対する軟性が豊富で、現場の施工期間を多少短縮できるという長所を有している。
【0005】
しかし、鋼合成桁は、材料費が高く、騷音及び振動が激しく、かつ維持保守費用が多くかかる等の短所がある。また、鋼合成桁は、剛性が小さいために、単純支持構造系を基準に径間長さが40mを超えれば、活荷重に対する垂れ条件を満たすために桁の高さを急に増加させねばならない。このために桁下の空間の制約を受ける場合が頻繁に生じ、鋼材の使用量も急増して経済性が大きく低下される。また、鋼合成桁が連続径間の構造形式を有する時には、外部荷重により中間地点付近に負モーメントが生じる。この場合、鋼桁の脆弱部分に圧縮応力が生じ、コンクリート底盤の脆弱部分に引張応力が各々生じて、単純支持構造形式に比べて建設費用が大きく増加され、コンクリート底盤の亀裂による漏水によって合成桁の使用性と耐久性とが大きく低下される。
【0006】
図2に示されたように、前記SRC合成桁20は、H型鉄骨を鉄筋コンクリートで取り囲む構造であって、鋼合成桁に比べて部材の剛性が非常に大きいために桁高さの制約が激しい鉄道橋梁に、または負モーメントによって生じる圧縮応力に対して鉄骨を囲むコンクリートが抵抗できるために建築構造物用連続桁に主に使われている。
【0007】
しかし、SRC合成桁は、埋め立てられた鉄骨による鉄筋コンクリート構造に比べて高価で、径間長さが30m以上になれば、構造物の自重が大きく、構造効率性と経済性とが急に低下される。
【0008】
図3に示されたように、前記プレフレックス(preflex)合成桁30は、高強度の鉄筋コンクリートで取り囲まれた下部フランジを持ち、下部フランジのコンクリートに大きいプレストレスを導入させた構造を有する。したがって、プレフレックス合成桁は、導入されたプレストレスで死荷重及び活荷重により生じる引張応力を相殺でき、桁の高さを大きく低められて、比較的に軽量構造の架設が容易で、桁の中心が下方に位置していて架設中の安定性に優れるという長所を有する。
【0009】
しかし、プレフレックス合成桁は、プレフレックス桁の製作に大型設備が要求され、鋼合成桁及びSRC合成桁に比べて施工が複雑で、経済性が落ちるという短所を有する。また、プレフレックス合成桁は、下部フランジコンクリートに導入されたプレストレスが、コンクリートのクリープ及び乾燥収縮により非常に大幅に損失されることによって、使用荷重下でコンクリートが引張状態に置かれるので、コンクリートに亀裂が生じ、その亀裂が施工日程により下部フランジコンクリートに残留するという構造的欠陥を有している。また、プレフレックス合成桁は、径間長さが50mを超えれば、プレフレックション荷重導入時に、鋼桁の座屈に対する安全性が問題となり、これと共に桁自体の使用鋼材量と桁製作に必要な施設比が急増して、経済性も大きく落ちる。
【0010】
図4に示されたように、前記PSC合成桁40は、断面内に生じる引張応力を相殺させる目的で、高強度のプレストレス鋼材を用いてコンクリートにプレストレスを導入した構造を有する。前記PSC合成桁は、主要材料がコンクリートよりなっているために、騷音が小さく、維持管理費及び材料費が安く、かつ部材剛性が大きくて垂れが小さいという長所を有している。
【0011】
しかし、PSC合成桁は、桁の自重が重く、施工が複雑で、品質管理が難しいという短所を有している。特に、PSC合成桁は、桁の自重とプレストレスの結果としてPSC桁に導入される応力の分布が、桁の下弦では許容圧縮応力に、上弦では許容引張応力に各々接近させることが最も理想的である。しかし、径間長さが延びると、桁の自重が重く、自重による曲げ引張応力が急に大きくなって、さらに多くのプレストレス力の導入が要求されるところ、プレストレス力によるプレストレスが大きくなれば、断面上弦の和応力が許容引張応力を超えて導入可能なプレストレスの大きさが、桁の幾何学的な諸元に制約される。このような結果として桁下弦には、十分なプレストレスが導入されることができず、以後加えられる底盤自重と活荷重とによって生じる引張応力に対応するために、大きな曲げ剛性を有する桁、すなわち高い桁が要求されるが、これは再び桁の自重を増加させる原因となる。このような理由によってPSC合成桁が適用可能な径間長さは、単純支持構造系を基準に最大40m以内に制限されている。また、PSC合成桁は桁の自重が重くて径間長さが30mを超えれば、一般規模のクレーンを用いた一括架設が難しいなど、運搬及び架設に大型装備が要求される問題点を有する。
【0012】
このように従来の合成桁用の桁は構造形式によって多少の違いはあるが、構造の効率性、経済性そして施工性などの理由によって、単純支持構造系を基準とする時、最大で適用可能な径間長さが50m以内に制約される。
【0013】
また、従来の合成桁に使われた桁は、全て一体型の充腹断面形状をとっていて、平面または縦断面で所定の曲線形状を有するように製作するのに当たり多くの難点を伴う。もちろん、鋼桁の場合には曲線形状を有するように部材を製作できるが、これによって製作費の急増と施工性の急減が生じて、結局、他の構造形式を有する部材との価格競争で不利になる。すなわち、対象構造物が直線形状の桁としては対応できない曲線を有する橋梁、または曲線構造物では、開放型の合成桁より、高価の鋼またはコンクリートよりなるボックス状の桁が主に使われている。
【0014】
発明の開示
本発明が解決しようとする技術的な課題は、単純支持構造系を基準に、径間長さを70m以上に延ばせ、自重を含む外部荷重により生じる引張応力に効率よく対処でき、材料使用の効率性を極大化でき、任意形状の曲線構造物に適用でき、既存合成桁に比べて工事費の支出を大幅に減らせる構造を有する、プレストレスト合成トラス桁及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
前記技術的な課題を達成するための本発明に従うプレストレスト合成トラス桁は、コンクリート底盤が合成されるトラス構造として、前記コンクリート底盤の合成前後に荷重によって生じる引張力に抵抗しつつ、合成状態での垂れを減少させうるように、プレストレスが導入されたプレストレストコンクリートよりなり、所定形状の縦横断面と所定長さを有する下弦部材と、合成桁に作用する剪断力に抵抗するために構造用圧延形鋼よりなる垂直材と斜材とが、下弦部材の上面に交互に設けられるウェブ部材と前記コンクリート底盤が連結可能な構造用鋼板よりなり、前記コンクリート底盤が合成される前で生じる圧縮力に抵抗可能に、前記下弦部材の長手方向に沿って前記ウェブ部材と連結する上弦部材とを備える。
【0016】
また、前記技術的な課題を達成するための本発明に従うプレストレスト合成トラス桁の製造方法は、(a)軸方向に所定のプレストレスを導入させた一定長さのプレストレストコンクリート下弦部材を形成する段階と、(b)所定長さを有し、構造用圧延形鋼よりなる垂直材と斜材とを前記下弦部材の上面に交互に連結させる段階と、(c)前記下弦部材の長手方向に沿って前記垂直材と斜材とに板状の上弦部材を連結させる段階、とを含む。
【0017】
したがって、本発明は、単純支持構造系を基準に、径間長さを70m以上に延ばせ、自重を含む外部荷重に効率よく対処でき、材料使用の効率性を極大化でき、構造物の形状に制約されず、工事費の支出を大幅に減らせる。
【0018】
図面の簡単な説明
図1は、従来の鋼合成桁の構造を示す断面構成図である。
【0019】
図2は、従来のSRC合成桁の構造を示す断面構成図である。
【0020】
図3は、従来のプレフレックス合成桁の構造を示す断面構成図である。
【0021】
図4は、従来のPSC合成桁の構造を示す断面構成図である。
【0022】
図5は、本発明の望ましい第1実施例に従う、プレストレスト合成トラス桁の構成を示す斜視図である。
【0023】
図6は、ポストテンション工法により所定のプレストレスが加えられた、多数のワイヤー型緊張材が下弦部材に設けられた状態を示す斜視図である。
【0024】
図7a乃至図7cは、長方形、円形、楕円形、そして多角形状を有する下弦部材の断面形状を示す断面構成図である。
【0025】
図8a乃至図8dは、ウェブ部材と下弦部材の連結構成を各々示す断面構成図である。
【0026】
図9a及び図9bは、上弦部材の断面形状を各々示す断面構成図である。
【0027】
図10a及び図10bは、ウェブ部材と上弦部材間の所定部位に補強部材を追加して、溶接放式で溶着させた構造を示す断面構成図である。
【0028】
図10c及び図10dに示されたように、ウェブ部材と上弦部材間の所定部位に補強部材を追加して、ボルト締め方式で組立てた構造を示す断面構成図である。
【0029】
図11は、本発明の望ましい第2実施例に従う、プレストレスト合成トラス桁の構成を示す斜視図である。
【0030】
図12は、本発明の望ましい第3実施例に従う、プレストレスト合成トラス桁の構成を示す斜視図である。
【0031】
図13は、本発明の望ましい第4実施例に従う、プレストレスト合成トラス桁の構成を示す斜視図である。
【0032】
図14は、本発明の望ましい第5実施例に従う、プレストレスト合成トラス桁において、下弦部材に緊張力の大きさを異ならせるための構造を示す概念図である。
【0033】
図15は、本発明の望ましい第6実施例に従う、プレストレスト合成トラス桁において、下弦部材に緊張力の大きさを異ならせるための構造を示す概念図である。
【0034】
図16は、本発明の望ましい第1実施例に従う、プレストレスト合成トラス桁の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【0035】
図17a乃至図17lは、本発明の望ましい第1実施例に従う、プレストレスト合成トラス桁の製造方法を説明するための概略的な断面構成図である。
【0036】
図18は、本発明の望ましい第2実施例に従う、プレストレスト合成トラス桁の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【0037】
図19a乃至図19hは、本発明の望ましい第2実施例に従う、プレストレスト合成トラス桁の製造方法を説明するための概略的な断面構成図である。
【0038】
図20は、本発明の望ましい第3実施例に従う、プレストレスト合成トラス桁の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【0039】
図21は、本発明の望ましい第3実施例に従う、プレストレスト合成トラス桁の製造方法を説明するための概略的な斜視図である。
【0040】
発明を実施するための最良の態様
以下、本発明を具体的に説明するために実施例に基づいて説明し、発明に対する理解のために添付図面に基づいて詳細に説明する。しかし、本発明に従う実施例は、多様な他の形に変形でき、本発明の範囲が後述する実施例に限定されるものと解釈されてはならない。本発明の実施例は、当業者に本発明をさらに明確で容易に説明するために提供されるものである。
【0041】
図5は、本発明の望ましい第1実施例に従う、プレストレスト合成トラス桁の構成を示す斜視図である。
【0042】
図5を参照すると、本発明の第1実施例に従うプレストレスト合成トラス桁100は、コンクリート底盤170が合成されるトラス構造を有するものであって、コンクリート底盤170の合成及び非合成時に生じる引張力に抵抗しつつ合成状態での垂れを減少させうるように、プレストレスが導入されたプレストレストコンクリートよりなり、所定形状の縦横断面と所定長さを有する下弦部材110と、合成桁に作用する剪断力に抵抗するために、構造用圧延形鋼よりなる垂直材121と斜材122とが下弦部材110の上面に交互に設けられるウェブ部材120と、コンクリート底盤170が連結可能な構造用鋼板よりなり、コンクリート底盤170が合成される前の状態で生じる圧縮力に抵抗可能に下弦部材110の長手方向に沿ってウェブ部材120と連結する上弦部材140を備えている。
【0043】
前記下弦部材110は、所定形状の縦横断面を有し、通常のプレテンション工法またはポストテンション工法により所定のプレストレスが導入された、プレストレストコンクリートよりなる。参考に、前記プレテンション工法は、P.S.(prestressing steel)鋼材のような緊張材を先に緊張させた後、コンクリートを打設し、コンクリートが固化した後、緊張材に加えられていた引張力を緊張材とコンクリートとの付着によってコンクリートに伝達させてプレストレスを与える工法である。また、前記ポストテンション工法は、コンクリートが固化した後、あらかじめ配したシース内にあるP.S.鋼材を緊張して定着させ、シース内にグラウト材を注入する工法である。
【0044】
前記下弦部材110は、長手方向に対して直線形状の断面を有することが望ましい。
【0045】
前記下弦部材110の内部には、コンクリートの軸方向にプレストレスを導入させるために、前記プレテンション工法により所定のプレストレスが加えられた、多数のワイヤー型緊張材112が備えられる。
【0046】
図6に示されたように、前記下弦部材110の内部には、コンクリートの軸方向にプレストレスを導入させるために、ポストテンション工法により、所定のプレストレスが加えられたマルチストランドよりなる多数のワイヤー型緊張材112が設けられても良い。
【0047】
図7a乃至図7cに示されたように、前記下弦部材110は、横断面の形状が楕円形、長方形、円形または多角形などの多様な形状を有する。
【0048】
図5に示されたように、前記ウェブ部材120は、垂直材121を備える下弦部材110の長手方向に沿って、その下弦部材110に一定間隔に離隔して設ける。
【0049】
図5に示されたように、本発明は垂直材121及び斜材122を下弦部材110と連結可能に、下弦部材110の上面に一定間隔に設けられた連結部材130を備える。
【0050】
図8aに示されたように、前記連結部材130は、下弦部材110の上面に固定された連結板131と、垂直材121(図5)及び斜材122(図5)を連結可能に、連結板131と溶着された垂直板132を備える。
【0051】
図8b及び図8cに示されたように、前記連結部材130は、下弦部材110の上面に固定され、垂直材121及び斜材122の連結される連結板131と、下弦部材110に内在させるべく連結板の下面に少なくとも一つが溶着された、スティラップ(stirrup)状鉄筋133を備える。前記スティラップ(stirrup)状鉄筋133は、下弦部材110に内在された通常の鉄筋網134のうち水平鉄筋135を取り囲み、これに直角に配される。
【0052】
図8dに示されたように、前記連結部材130は、下弦部材110の上面に固定され、垂直材121(図5)及び斜材122(図5)の連結される連結板131と、下弦部材110に内在させるべく連結板131の下面に溶着された多数のスタッド(stud)136を備える。
【0053】
図5に示されたように、前記上弦部材140は、直線形状の断面を有し、下弦部材110の長さと対応する長さを有する板材であって、ウェブ部材120の垂直材121及び斜材122の上端に、溶接またはボルト締め方式で連結される。
【0054】
図9aに示されたように、前記上弦部材140は、断面形状が横線の下に一つの縦線がある“T”状に備えられたことが望ましい。
【0055】
図9bに示されたように、前記上弦部材140は、断面形状が横線の下に二つの縦線が並んである“π”状に備えられても良い。
【0056】
図5に示されたように、本発明は、上弦部材140とコンクリート底盤170との合成時に、一体挙動を確保できるように、上弦部材140の上面に長手方向に沿って一定間隔に連続配置された多数の底盤用連結部材150と、図10a乃至図10dに示されたように、局部的な応力集中が分布されることを抑制可能に、ウェブ部材120が連結される上弦部材140の所定部位に設けられた板状の補強部材160をさらに備える。
【0057】
図5に示されたように、前記底盤用連結部材150は、上弦部材140の上面に溶着された多数のスタッド151を備える。
【0058】
図10a及び図10bに示されたように、前記補強部材160は、ウェブ部材120が連結される上弦部材140の所定部位、及びウェブ部材120の上端側に、溶接式で直立なるように溶着されることが望ましい。
【0059】
図10c及び図10dに示されたように、前記補強部材160は、ウェブ部材120が連結される上弦部材140の所定部位、及びウェブ部材120の上端側に、ボルト締め方式で直立になるように連結しても良い。
【0060】
したがって、本発明の望ましい第1実施例に従うプレストレスト合成トラス桁は、下弦部材にプレストレスを軸方向に導入させる構造を有することによって、外力による引張力に効率よく対処でき、下弦部材に導入されるプレストレスの大きさを、コンクリートの許容圧縮応力水準まで上昇できるために、材料使用の効率性が極大化され、単純支持構造系を基準に適用可能な径間長さを70m以上に延ばせる。また、下弦部材が圧縮力に対した抵抗が強いコンクリートよりなっているために、連続径間を有する合成桁にも、別途の補強設備無しに効果的に使用されうる。また、同じ荷重条件で径間長さを延ばそうとする場合、下弦部材及び上弦部材の断面を一定大きさに保たせた状態でウェブ部材の長さのみを延ばせば、径間長さの延長による下弦部材及び上弦部材の断面力増加に対応可能なので、ウェブ部材長さの延長だけでも径間長さを延ばせるから、容易に製品の標準化を達成することができる。
【0061】
図11は、本発明の望ましい第2実施例に従う、プレストレスト合成トラス桁の構成を示す斜視図である。
【0062】
図11を参照すると、本発明の望ましい第2実施例に従う、プレストレスト合成トラス桁200は、前記第1実施例とは違って、縦断面が任意曲率を有する曲線形状よりなる下弦部材210及び上弦部材240が備えられる。また、前記トラス桁200において、ウェブ部材220はそれぞれの上端を連結する基準線が曲線になるようにすることが望ましい。
【0063】
前記下弦部材210の内部には、コンクリートの軸方向にプレストレスを導入させるために、前記ポストテンション工法によって所定のプレストレスが加えられた多数のワイヤー型緊張材212が、下弦部材210の長手方向に沿って設けられる。
【0064】
前記上弦部材240は、下弦部材210の曲率と同じ曲率を有する曲線形状を有することが望ましい。
【0065】
したがって、本発明の望ましい第2実施例に従うプレストレスト合成トラス桁は、成形性に優れた上弦部材と下弦部材とをそれぞれ所定の曲線に合わせて製作し、構造用圧延形鋼よりなるウェブ部材を直線に製作して、これらを溶接またはボルトを用いて構造的に連結させるために、桁の形状を任意の曲線に合わせて自由に製作することができる。
【0066】
図12は、本発明の望ましい第3実施例に従う、プレストレスト合成トラス桁の構成を示す斜視図である。
【0067】
図12を参照すると、本発明の望ましい第3実施例に従うプレストレスト合成トラス桁300は、任意曲率を有する曲線形状を有する下弦部材310と、直線形状の縦断面を有する上弦部材340と、上弦部材340と連結されたウェブ部材320とを備えている。また、前記トラス桁300において、ウェブ部材320は、それぞれの上端を連結する基準線を直線にすることが望ましい。
【0068】
図13は、本発明の望ましい第4実施例に従う、プレストレスト合成トラス桁の構成を示す斜視図である。
【0069】
図13を参照すると、本発明の望ましい第4実施例に従うプレストレスト合成トラス桁400は、略六角形状の横断面を有する下弦部材410の長手方向に対して、その下弦部材410の両側に各々所定角度だけ傾いて設けられたウェブ部材420と、前記ウェブ部材420に連結された上弦部材440を備えている。
【0070】
図14は、本発明の望ましい第5実施例に従うプレストレスト合成トラス桁において、下弦部材に緊張力の大きさを別にするための構造を示す概念図である。
【0071】
図14を参照すれば、本発明の望ましい第5実施例に従うプレストレスト合成トラス桁500は、連続径間に適用する場合、中間地点で生じる負(−)モーメントに効果的に対応するためのものであって、下弦部材510の略中間領域にプレストレスを集中させ、中間領域の外側に行くほどプレストレスを減少させうるように全長に亙って導入プレストレスの大いさを異なるように配した多数の緊張材511、512を備える。
【0072】
前記下弦部材510は、全長に対して相異なる大きさのプレストレスが導入される略3等方に区画されることが望ましい。
【0073】
このための前記下弦部材510は、緊張材511、512が集中的に分布された中間領域513と、緊張材の分布が中間領域513より相対的に減少された外側領域514とで構成される。
【0074】
図15は、本発明の望ましい第6実施例に従うプレストレスト合成トラス桁において、下弦部材に緊張力の大きさを異ならせるための構造を示す概念図である。
【0075】
図15を参照すると、本発明の望ましい第6実施例に従うプレストレスト合成トラス桁600は、前記第5実施例とは違って、ポストテンション工法を適用して予め一定長さに分けて製作された下弦部材610の中間領域にプレストレスを集中させ、中間領域の外側に行くほどプレストレスを減少させるために、各領域にプレストレスが不規則に分布された多数の緊張材612を備えている。
【0076】
前記下弦部材610の緊張材612は、その下弦部材610の全長に対して軸方向に沿って設けられて下弦部材610の両端又は中間に各々定着される。
【0077】
前記のように構成された本発明の望ましい実施例に従う、プレストレスト合成トラス桁の製造方法を詳細に説明すれば次の通りである。
【0078】
図16は、本発明の望ましい第1実施例に従う、プレストレスト合成トラス桁の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【0079】
図16を参照すると、本発明の望ましい第1実施例に従うプレストレスト合成トラス桁の製造方法は、軸方向に所定プレストレスを導入させた一定長さのプレストレストコンクリート下弦部材を形成する段階(S100)と、構造用圧延形鋼よりなる垂直材と斜材とを下弦部材の上面に交互に連結させる段階(S200)と、下弦部材の長手方向に沿って垂直材と斜材とに板状の上弦部材を連結させる段階(S300)を含む。
【0080】
具体的に、前記下弦部材の形成段階(S100)は、プレテンション工法を適用して下弦部材のコンクリートにプレストレスを導入させるためのものであって、所定場所の地盤を平坦化した後に、地盤上にコンクリートベッドを設ける段階(S111)と、コンクリートベッド上に多数のH形鋼を格子状に配置し、H形鋼上に所定幅と長さを有する直線形状の下部型枠を設ける段階(S112)と、下部型枠上に垂直鉄筋と水平鉄筋とが連結された鉄筋網を配し、ウェブ部材用の連結部材を鉄筋網の長手方向に沿って一定間隔に配した後に、前記鉄筋網を下部型枠の上面から所定間隔だけ離隔させうるように鉄筋網と下部型枠の上面間に間隔材を設ける段階(S113)と、鉄筋網内に多数のワイヤー型緊張材を挿入配置した後、下部型枠の両端から所定距離だけ離隔された位置に支え台を設けた後、油圧ジャッキを用いて緊張材に所定緊張力を導入させた後に、緊張材を支え台に固定させる段階(S114)と、鉄筋網の側面に側面型枠を設けた後に、側面型枠の内側にコンクリートを注入し、コンクリートを一定期間養生させる段階(S115)と、緊張材を支え台から切断させて、緊張材に加えられた緊張力を養生されたコンクリートに伝達させる段階(S116)、とを含む。
【0081】
図17a乃至図17lは、本発明の望ましい第1実施例に従う、プレストレスト合成トラス桁の製造方法を説明するための概略的な断面構成図である。
【0082】
まず、図17aに示されたように、所定の地盤上にコンクリートベッド710を平らに設ける。
【0083】
次いで、コンクリートベッド710の上面に多数のH形鋼720を縦方向に一定間隔だけ離隔して連続配置する。
【0084】
次いで、前記縦方向側のH形鋼720上に、多数のH形鋼720を横方向に一定間隔だけ離隔して連続配置する。
【0085】
次いで、前記縦方向側のH形鋼720上に、所定幅と長さを有する下部型枠730を設ける。ここで、前記下部型枠730は縦断面が直線状を有することが望ましい。
【0086】
次いで、図17b及び図17cに示されたように、下部型枠730の長手方向に沿って水平鉄筋135と垂直鉄筋137とが相互連結された、鉄筋網134を下部型枠730上に配する。
【0087】
次いで、ウェブ部材用連結部材130を鉄筋網134に、一定間隔を維持しつつ溶接させる。図8aに示されたように、ウェブ部材用の連結部材130は、鉄筋網134の上面に連結板131を溶接させることが望ましい。
【0088】
また、図8b及び図8cに示されたように、ウェブ部材用の連結部材130は、連結板131の下面にスティラップ型鉄筋133を溶接することもできる。この際、前記スティラップ状鉄筋133は、鉄筋網134の水平鉄筋135を取り囲み、これに直角に配置することが望ましい。
【0089】
また、図8dに示されたように、ウェブ部材用の連結部材130は、連結板131の下面に多数のスタッド136を溶接することもできる。
【0090】
次いで、図17b及び図17cに示されたように、鉄筋網134を、下部型枠730の上面から所定間隔だけ離隔させうるように、鉄筋網134と下部型枠730の上面間にセメントモルタルよりなる所定厚さの間隔材750を配する。
【0091】
次いで、多数のワイヤー型緊張材111を、鉄筋網134の内部に挿入させた後、下部型枠730の両端から所定間隔だけ離隔された位置のコンクリートベッド710に構造用形鋼よりなる支え台760を設ける。
【0092】
次いで、油圧ジャッキ770を用いて緊張材111に所定の緊張力を導入させた後、前記緊張材111を支え台760に固定させる。
【0093】
次いで、図17d及び図17eに示されたように、鉄筋網134の全体を取り囲めるように、下弦部材の全体的な形状に合わせて製作された側面型枠780を、下部型枠730に固定させる。
【0094】
次いで、鉄筋網134が内在された側面型枠780の内側に、所定量のコンクリートを注入させた後に、前記コンクリートを一定時間養生させる。具体的に、前記コンクリートの設計基準強度が材令28日を基準に、40MPa以上になるように配合し、水化熱による亀裂防止及び早期強度を発揮するために、コンクリートが固化し始めた後、最初の1日は蒸気養生を実施した後、側面型枠780を除去し、また一定期間(約7日間)の湿潤養生を実施する。
【0095】
次いで、図17f及び図17gに示されたように、前述したようにコンクリートの養生が完了されれば、緊張材111を切断する。そうすると、図17hに示されたように、上面にウェブ部材用連結部材130が平面に露出された、下弦部材110の製造が完了される。この際、緊張材111が切断される瞬間、下弦部材110は、緊張材111の緊張状態が解除されつつコンクリートの軸方向に作用する所定圧縮力を提供される。すなわち、緊張材111に加えられた緊張力を緊張材とコンクリートとの付着によって、コンクリートに伝達させてプレストレスを導入させうる。
【0096】
次いで、図17iに示されたように、下弦部材110の上面に露出された連結部材130に、垂直材121の下端を溶接またはボルト締め方式で直立させるように設ける。
【0097】
次いで、それぞれの垂直材121間に斜材122を傾いてセットした後に、斜材122の下端と連結部材130とを溶接またはボルト締め方式で連結させる。
【0098】
次いで、図17jに示されたように、所定幅及び下弦部材110(図17i)と同じ長さを有する上弦部材140を製作した後に、コンクリート底盤用の連結部材150、例えばスタッド151を上弦部材140に長手方向に沿って、一定間隔に溶接させる。
【0099】
次いで、図17kに示されたように、コンクリート底盤用連結部材150の設置が完了されれば、上弦部材140を、ウェブ部材120の垂直材121及び斜材122の上端に、溶接またはボルト締め方式で連結させる。この際、ウェブ部材120が連結される上弦部材140の所定部位には、板状の補強部材(図示せず)を設けることが望ましい。具体的には、図10a及び図10bに示されたように、前記補強部材160を、ウェブ部材120が連結される上弦部材140の所定部位及びウェブ部材120の上端側に、溶接式で直立されるように溶接させることが望ましい。また、図10c及び図10dに示されたように、前記補強部材160をウェブ部材120が連結される上弦部材140の所定部位とウェブ部材120の上端側に、ボルト締め方式で直立されるように連結させうる。
【0100】
最後に、図17lに示されたように、上弦部材140にコンクリート底盤170を合成させる。この際、コンクリート底盤170は、コンクリート底盤用連結部材150(図17k)により、上弦部材140と一体化される。
【0101】
図18は、本発明の望ましい第2実施例に従う、プレストレスト合成トラス桁の製造方法を説明するためのフローチャートである。図16の符号と同じ符号は同じ工程を示す。
【0102】
図18を参照すると、本発明の望ましい第2実施例に従うプレストレスト合成トラス桁の製造方法は、前記第1実施例に従う下弦部材の製造工程と違って、ポストテンション工法を適用して、下弦部材のコンクリートにプレストレスを導入させている。
【0103】
このための前記下弦部材の形成段階(S100)は、前記第1実施例の工程と同様に、所定場所の地盤を平坦化した後に、地盤上にコンクリートベッドを設ける段階(S121)と、コンクリートベッド上に多数のH形鋼を格子状に配置し、H形鋼上に所定幅と長さとを有する直線形状の下部型枠を設ける段階(S122)と、下部型枠上に垂直鉄筋と水平鉄筋とが連結された鉄筋網を配し、ウェブ部材用連結部材を鉄筋網の長手方向に沿って一定間隔に配した後に、鉄筋網を下部型枠の上面から所定間隔だけ離隔可能に、鉄筋網と下部型枠の上面間に間隔材を設ける段階(S123)、とを含む。このように、前記第1実施例と同じ工程を有する工程についての説明は略す。
【0104】
次いで、前記下弦部材の形成段階(S100)は、両端に定着具が装着された多数のシース(sheath)管を、鉄筋網内に配置する段階(S124)と、鉄筋網の側面に側面型枠を設けた後に、側面型枠の内側にコンクリートを注入し、コンクリートを一定期間養生させる段階(S125)と、コンクリートの養生が完了された後、それぞれのシース管内に多数のワイヤー型緊張材を配した後、油圧ジャッキを用いて緊張材を所定緊張力で緊張させた後に、シース(sheath)管内にセメントモルタルを注入してコンクリートと緊張材とを付着させる段階(S126)、とを含む。
【0105】
図19a乃至図19hは、本発明の望ましい第2実施例に従う、プレストレスト合成トラス桁の製造方法を説明するための概略的な断面構成図である。
【0106】
まず、図19a及び図19bに示されたように、前記第1実施例と同一に直線形状の下部型枠740上に鉄筋網134を配した状態で、両端に通常の定着具861が装着された所定長さのシース(sheath)管860を、鉄筋網134内に挿入させた後に、前記定着具861を鉄筋網134の両端に堅固に支持させる。
【0107】
次いで、図19c及び図19dに示されたように、鉄筋網134を取り囲めるように、下弦部材の全体的な形状に合わせて製作された側面型枠780を下部型枠730に固定させる。
【0108】
次いで、側面型枠780の内側に所定量のコンクリートを注入させた後に、第1実施例と同じ方法でコンクリートを一定期間養生させる。
【0109】
次いで、図19e及び図19fに示されたように、コンクリートの養生が完了されれば、シース(sheath)管860の内部に多数のワイヤー型緊張材112を挿入した後、油圧ジャッキ770を用いて緊張材112に所定の緊張力を導入させた後に、前記緊張材112をくさび(図示せず)を用いて定着具861に固定させる。
【0110】
次いで、シース管860の内部に所定量のセメントモルタルを注入して、コンクリートと緊張材との付着がなされるようにする。引き続き、定着具861をコンクリートで仕上げることで、下弦部材110の製造が完了される。
【0111】
最後に、図19gに示されたように、下弦部材110の上面にウェブ部材120を連結させ(S200:図18)、図19hに示されたように、ウェブ部材120の上端に上弦部材140を連結させる(S300:図18)。
【0112】
図20は、本発明の望ましい第3実施例に従う、プレストレスト合成トラス桁の製造方法を説明するためのフローチャートである。図16及び図18において説明された符号と同じ符号は同じ工程を示す。
【0113】
図20を参照すると、本発明の望ましい第3実施例に従うプレストレスト合成トラス桁の製造方法は、前記第2実施例のようにポストテンション工法を適用した下弦部材の製造工程と同一であるが、最初のコンクリートベッドの平面上に下弦部材を曲線形状で製作した後(S131〜S136)、下弦部材を90゜回転させて縦断面が曲線形状を有させるという点でその違いが分かる。前記第1及び第2実施例と同じ工程(S200、S300)を有する工程に関する説明は略す。
【0114】
図21は、本発明の望ましい第3実施例に従う、プレストレスト合成トラス桁の製造方法を説明するための概略的斜視図である。
【0115】
まず、コンクリートベッド710上に前記第2実施例のようにH形鋼を格子状に配した後、所定の曲線形状を有する下部型枠を設ける。
【0116】
次いで、鉄筋網、ウェブ部材用連結部材、シース管及び側面型枠を順次に設けた後、コンクリートを側面型枠の内側に注入して養生させる。そうすると、所定の曲線形状を有する下弦部材310の製造が完了される。この際、前記下弦部材310はコンクリートベッド710上に側面が接触された状態で置かれる。
【0117】
最後に、下弦部材310にウェブ部材を連結し(S200)、ウェブ部材に上弦部材を連結させた後(S300)、下弦部材310を図面に示された矢印方向に90゜回転させて立てれば、本発明に従うトラス桁の製造が完了される。
【0118】
以上、本発明の実施例を説明するために使われた用語は、本発明を説明するための目的で使われたものであって、意味の限定や特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を制限するために使われたものではない。
【0119】
発明の効果
前述したように、本発明に従うプレストレスト合成トラス桁及びその製造方法の効果は次の通りである。
【0120】
第一に、本発明は下弦部材に軸方向にプレストレスが導入されているために、桁の自重を含む外部荷重に対して下弦部材に軸方向力が作用されることによって、外力による引張力に効率よく対処しうる。
【0121】
第二に、下弦部材に導入されるプレストレスの大きさをコンクリートの許容圧縮応力まで容易に増加させうるので、材料使用の効率性を極大化させうる。
【0122】
第三に、下弦部材が圧縮力の抵抗に強いコンクリートよりなっているために、連続径間の中間地点で自重や活荷重により生じる負モーメントに効率よく対処できる。したがって、連続径間を有する合成桁にも、別途の補強設備無しにも効率よく使用されうる。
【0123】
第四に、ウェブ部材がオープン形態のトラス構造を有するので、桁高さの増加に伴う自重増加が微小なので、同じ荷重条件で径間長さだけが延びる時には、上弦部材と下弦部材の断面は一定大きさに固定させた状態でウェブ部材の高さのみを高めることにより、径間長さの増加による断面力の増加に対応できる。
【0124】
第五に、本発明は下弦部材に導入されるプレストレスの水準をコンクリートの許容圧縮応力まで増加させうるので、桁の高さ制限がない限り、単径間状態を基準に径間長さを100mまで延ばせる。
【0125】
第六に、本発明は上弦部材に合成された底盤と下弦部材とが全て、非亀裂状態のコンクリートよりなっていて、剛性が増加され、活荷重作用時の垂れが大幅減少されるために、径間長さが70mである場合、桁高比を陸橋を基準に1/20、径間長さが50mでは1/25、径間長さが40m以下では1/27程度に保てる。
【0126】
第七に、従来のPSC桁は、その材料がコンクリート、鉄筋、PS鋼材のみでなされているなど、高価の構造用鋼材を全く使用しないために、30〜40mの径間長さに対しては最も経済的なものと知られている。しかし、本発明は上弦部材及びウェブ部材に構造用鋼材を使用しているために、純粋材料費のみを比較すれば、既存のPSC桁に比べて費用が多少増えるが、下弦部材の高さが低くて、断面形状がPSC桁に比べて非常に単純なので、桁の製作に必要な施設費、例えば、製作場所、型枠、養生装備などの施設費、鉄筋の加工及び組立、PS鋼材の配置、コンクリートの打設及び締固め等にかかる人件費と施工費とを大きく減らせる。
【0127】
第八に、本発明は桁の自重が軽くて、移動、引揚げ及び据置きに必要な装備使用料が大幅に減少し、桁の中心が下方に位置して転倒に対する安定性に優れ、桁製作にかかる工期を大幅に減少できて全体的な経済性が優れる。
【0128】
第九に、一体型の充腹型断面を有する従来の合成桁と違って、本発明は成形性に優れた上弦部材と下弦部材とをそれぞれ所定の曲線に合わせて製作し、構造用圧延形鋼よりなるウェブ部材を直線に製作して、これらを溶接またはボルト締め式にて連結させるために、桁の形状を任意の曲線に合わせて自由に製作しうる。
【0129】
第十に、本発明は、相対的に高価の鋼ボックス合成桁が適用された従来の曲線構造物または曲線橋梁と違って、桁の形状を任意の曲線に合わせて自由に製作できるために、該当構造物の工事費を30%程度節減させうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の鋼合成桁の構造を示す断面構成図である。
【図2】従来のSRC合成桁の構造を示す断面構成図である。
【図3】従来のプレフレックス合成桁の構造を示す断面構成図である。
【図4】従来のPSC合成桁の構造を示す断面構成図である。
【図5】本発明の望ましい第1実施例に従う、プレストレスト合成トラス桁の構成を示す斜視図である。
【図6】ポストテンション工法により所定のプレストレスが加えられた、多数のワイヤー型緊張材が下弦部材に設けられた状態を示す斜視図である。
【図7a乃至図7c】長方形、円形、楕円形、そして多角形状を有する下弦部材の断面形状を示す断面構成図である。
【図8a乃至図8d】ウェブ部材と下弦部材の連結構成を各々示す断面構成図である。
【図9a及び図9b】上弦部材の断面形状を各々示す断面構成図である。
【図10a及び図10b】ウェブ部材と上弦部材間の所定部位に補強部材を追加して、溶接放式で溶着させた構造を示す断面構成図である。
【図10c及び図10d】ウェブ部材と上弦部材間の所定部位に補強部材を追加して、ボルト締め方式で組立てた構造を示す断面構成図である。
【図11】本発明の望ましい第2実施例に従う、プレストレスト合成トラス桁の構成を示す斜視図である。
【図12】本発明の望ましい第3実施例に従う、プレストレスト合成トラス桁の構成を示す斜視図である。
【図13】本発明の望ましい第4実施例に従う、プレストレスト合成トラス桁の構成を示す斜視図である。
【図14】本発明の望ましい第5実施例に従う、プレストレスト合成トラス桁において、下弦部材に緊張力の大きさを異ならせるための構造を示す概念図である。
【図15】本発明の望ましい第6実施例に従う、プレストレスト合成トラス桁において、下弦部材に緊張力の大きさを異ならせるための構造を示す概念図である。
【図16】本発明の望ましい第1実施例に従う、プレストレスト合成トラス桁の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【図17a乃至図17l】本発明の望ましい第1実施例に従う、プレストレスト合成トラス桁の製造方法を説明するための概略的な断面構成図である。
【図18】本発明の望ましい第2実施例に従う、プレストレスト合成トラス桁の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【図19a乃至図19h】本発明の望ましい第2実施例に従う、プレストレスト合成トラス桁の製造方法を説明するための概略的な断面構成図である。
【図20】本発明の望ましい第3実施例に従う、プレストレスト合成トラス桁の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【図21】本発明の望ましい第3実施例に従う、プレストレスト合成トラス桁の製造方法を説明するための概略的な斜視図である。

Claims (6)

  1. コンクリート底盤が合成されるトラス構造として、
    外部荷重による垂れを減少させて引張力に抵抗するように、ワイヤー型緊張材によってプレストレスが導入されたプレストレストコンクリートよりなり、所定形状の縦横断面と所定長さを有する下弦部材と、
    合成桁に作用する剪断力に抵抗するために鋼材よりなる垂直材と斜材とが、前記下弦部材の上面に交互に設けられるウェブ部材と、
    前記コンクリート底盤が合成される前の状態で生じる圧縮力に抵抗可能に、前記下弦部材の長手方向に沿って前記ウェブ部材と連結する上弦部材とを備えることを特徴とする、プレストレスト合成トラス桁。
  2. 前記緊張材は、下弦部材の全長に対して略中間領域にプレストレスを集中させ、中間領域の外側に行くほどプレストレスを減少させうるように、前記下弦部材の各領域に量を異ならして配させたことを特徴とする、請求項1に記載のプレストレスト合成トラス桁。
  3. 前記下弦部材は、長方形、円形、楕円形または多角形状の横断面を備えることを特徴とする、請求項1に記載のプレストレスト合成トラス桁。
  4. (a)ワイヤー型緊張材と、該ワイヤー型緊張材によってプレストレスが導入されたプレストレストコンクリートからなる下弦部材を形成する段階と、
    (b)所定長さを有し、鋼材よりなる垂直材と斜材とを、前記下弦部材の上面に交互に連結させる段階と、
    (c)前記下弦部材の長手方向に沿って、前記垂直材と斜材とに板状の上弦部材を連結させる段階、とを含むことを特徴とする、プレストレスト合成トラス桁の製造方法。
  5. 前記(a)段階は、
    (a1)所定場所の地盤を平坦化した後、地盤上にコンクリートベッドを設ける段階と、
    (b1)前記コンクリートベッド上に多数のH形鋼を格子状に配し、前記H形鋼上に所定幅と長さとを有する下部型枠を設ける段階と、
    (c1)前記下部型枠上に垂直鉄筋と水平鉄筋とが連結された鉄筋網を配し、ウェブ部材用連結部材を鉄筋網の長手方向に沿って一定間隔に配した後、前記鉄筋網を下部型枠の上面から所定間隔に離隔させうるように、鉄筋網と下部型枠との上面間に間隔材を設ける段階と、
    (d1)前記鉄筋網内に多数のワイヤー型緊張材を挿入配置した後、下部型枠の両端から所定距離だけ離隔された位置に支え台を設けた後、油圧ジャッキを用いて前記緊張材に所定緊張力を導入させた後、その緊張材が緊張状態を保つように前記緊張材を支え台に固定させる段階と、
    (e1)前記鉄筋網の側面に側面型枠を設けた後、側面型枠の内側にコンクリートを注入し、前記コンクリートを一定期間養生する段階と、
    (f1)養生されたコンクリートに所定プレストレスを導入可能に、前記緊張材を支え台から切断させる段階、とを含むことを特徴とする、請求項に記載のプレストレスト合成トラス桁の製造方法。
  6. 前記(a)段階は、
    (a2)所定場所の地盤を平坦化した後、地盤上にコンクリートベッドを設ける段階と、
    (b2)前記コンクリートベッド上に多数のH形鋼を格子状に配置し、前記H形鋼上に所定の直線または曲線形状を有する下部型枠を設ける段階と、
    (c2)前記下部型枠上に垂直鉄筋と水平鉄筋が連結した鉄筋網を配し、ウェブ部材用連結部材を鉄筋網の長手方向に沿って一定間隔に配した後、前記鉄筋網を下部型枠の上面から所定間隔だけ離隔させうるように、鉄筋網と下部型枠の上面間に間隔材を設ける段階と、
    (d2)両端に定着具が装着された多数のシース管を前記鉄筋網内に配する段階と、
    (e2)前記鉄筋網の側面に側面型枠を設けた後、側面型枠の内側にコンクリートを注入し、前記コンクリートを一定期間養生する段階と、
    (f2)コンクリートの養生が完了された後、前記それぞれのシース管内に多数のワイヤー型緊張材を配した後、油圧ジャッキを用いて前記緊張材を所定の緊張力で緊張させた後、前記シース管内にセメントモルタルを注入してコンクリートと緊張材とを付着させる段階、とを含むことを特徴とする、請求項に記載のプレストレスト合成トラス桁の製造方法。
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